JP3297678B2 - コンクリート構造物のセパレータ廻りの止水工法及び止水材注入用具 - Google Patents

コンクリート構造物のセパレータ廻りの止水工法及び止水材注入用具

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JP3297678B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、コンクリート構造物の
水分が少ない状態又は乾燥状態のセパレータ廻りの止水
工法に関し、特にコンクリート壁等コンクリート構造物
中の残置セパレータを利用する止水工法及び止水材注入
用具に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来、
コンクリート構造物、例えばコンクリート壁の打設にお
いては、図4にその断面図を示すごとく、左右堰板1
1、11’を立設し、それらの間にはセパレータ2を挟
装し、そしてセパレータ2端部には円錐台形のプラスチ
ックコン(又は木コン)3を介してフォームタイ12を
延設し、フォームタイ12の他端を単管(横ばた)13
とめがね形座金14及び締着ナット15を用いて緊締す
ることによって、型枠組み立てを行った後、コンクリー
ト未硬化物を充填打設する工程が採用されている。な
お、16は縦ばたである。ところがそうして硬化形設さ
れたコンクリート壁1、特に地下室コンクリート壁のよ
うな場合には、残置セパレータ2廻りに間隙、亀裂等が
生じ易く、その結果それらから地下水が侵入してくる場
合が多いので、セパレータ廻りの止水工事の頻度は多く
なる。現場においては地下室コンクリート壁の下方部か
ら漏水があって、その上方の壁部は乾燥状態にあるケー
スが多い。その場合には、同部に対して止水施工を行っ
ているが、時間が立つと、同部の止水効果により地下室
コンクリート壁の外側の水位が上昇してくる結果、それ
までは乾燥状態であったコンクリート壁の中央位置部の
セパレータ廻りから漏水が始まってくる。すると、再度
その漏水箇所に対して止水施工をしなければない。そし
て更に水位が上昇してくると、その上方部に漏水が生じ
てくるので、それをまた止水施工する。したがって、地
下室コンクリート壁からの漏水に対しては、数時にわた
る止水施工が必要となり、多大な手間と時間を要する問
題がある。
【0003】その止水工法としてはエポキシ樹脂を注入
する工法の他、親水性一液型ポリウレタンプレポリマー
止水材を注入する止水工法が普及しつつある。止水作業
は、図5にその断面図を示すごとく、まず、コンクリー
ト壁1中のセパレータ2に向かって、下方から斜め上方
へ止水材充填用深穴17をドリルで穿孔し、次いで同穴
17中へ、止水材樹脂注入管10’と空気抜き管9’と
を結束帯19で重ねて結束したものを一部壁外に残して
挿入し、コンクリート壁1表面部で急結セメント18で
シールする。その後、外部から止水材樹脂注入管10’
を介して止水材樹脂を深穴17奥部へ圧入し、充満する
と空気抜き管から止水材樹脂が漏れ出すのでそれを確認
して注入を停止し、外部の注入管10’及び空気抜き管
9’を潰して放置することによって樹脂の重合硬化を行
うものである。この作業の場合、特にセパレータ2に向
かって、それを破壊しなく、かつそれに一部接触する程
度に、深穴17を穿孔しなければならないが、そうした
作業は、非常に難しく、熟練を要し、作業能率が上がら
ないものである。さらに、親水性一液型ポリウレタンプ
レポリマーを使用する止水工法においては、止水箇所が
湿潤状態の場合は同ポリマーが好適に充填硬化される
が、水分が少ない状態あるいは乾燥状態の場合には、充
填硬化が充分に進行しない。なお、図5において、2’
はセパレータ端部、3は木コン跡凹部、3’は埋め込み
モルタルである。
【0004】
【課題を解決するための手段】 本発明は上記課題を解
決するものであって、従来工法のごときドリリングの必
要もなく、要止水箇所に水分が少ない場合又は乾燥状態
の場合であっても、手間がかからない簡易、確実なコン
クリート構造物のセパレータ廻りの止水工法及びそれに
用いる止水材注入用具を提供するものである。すなわち
本発明は、(1)コンクリート構造物中に残置されたセ
パレータの端部に、連結体を介して、親水性一液型ポリ
ウレタンプレポリマー止水材注入孔と空気抜き孔及び吸
水膨潤した高吸水性樹脂を保持している高吸水性樹脂保
持溝を有する粘弾性材料製当接体をコンクリート壁表面
に圧接した状態で定着し、次いで前記止水材注入孔から
親水性一液型ポリウレタンプレポリマー止水材を注入す
ることによって、セパレータ端部の木コン跡凹部に親水
性一液型ポリウレタンプレポリマー止水材を充填すると
共に、木コン跡凹部の空気を空気抜き孔から排除した
後、前記止水材注入孔と空気抜き孔を密閉して親水性一
液型ポリウレタンプレポリマー止水材を発泡硬化させる
ことを特徴とするコンクリート構造物のセパレータ廻り
の止水工法、(2)コンクリート構造物中に残置された
セパレータの端部に、連結ボルトの一端を締着する第1
工程、該連結ボルトの他側に、下側に親水性一液型ポリ
ウレタンプレポリマー止水材注入孔、上側に空気抜き孔
及び中央に定着ボルト貫通孔を穿設してなり、かつ前記
定着ボルト貫通孔の外側に吸水膨潤した高吸水性樹脂を
充填した溝を凹設してなる粘弾性材料製当接体をコンク
リート壁表面に圧接した状態で締結する第2工程、前記
止水材注入孔から親水性一液型ポリウレタンプレポリマ
ー止水材を注入することによって、セパレータ端部の木
コン又はプラスチックコン跡凹部に親水性一液型ポリウ
レタンプレポリマー止水材を充填すると共に、木コン跡
凹部の空気を空気抜き孔から排除する第3工程、前記止
水材注入孔と空気抜き孔を密閉して親水性一液型ポリウ
レタンプレポリマー止水材が発泡硬化するまでの間保持
する第4工程、及びその後前記粘弾性材料製当接体及び
連結ボルトを取り外し、表面仕上げする第5工程とから
なることを特徴とするコンクリート構造物のセパレータ
廻りの止水工法、(3)連結体と、親水性一液型ポリウ
レタンプレポリマー止水材注入孔、空気抜き孔及び前記
連結体取り付け孔を穿設してなり、かつ連結体取り付け
孔の外側に吸水膨潤した高吸水性樹脂充填用凹溝を設け
てなる粘弾性材料製当接体との組み合わせからなること
を特徴とするコンクリート構造物のセパレータ廻りの止
水材注入用具、及び(4)連結体と、中央に連結体とし
ての連結ボルト貫通孔、表面側から裏面側中央部に求心
的に傾斜して穿設された親水性一液型ポリウレタンプレ
ポリマー止水材注入孔及び空気抜き孔並びに前記連結ボ
ルト貫通孔の外側に吸水膨潤した高吸水性樹脂充填用凹
溝を備えてなる粘弾性材料製当接体との組み合わせから
なることを特徴とするコンクリート構造物のセパレータ
廻りの止水材注入用具である。
【0005】前記において、止水材樹脂としては、水と
反応して重合硬化する材料が使用できるが、特に親水性
一液型ポリウレタンプレポリマーが好適である。親水性
一液型ポリウレタンプレポリマーは周知のものである
が、水に接触すると、それと反応して炭酸ガスを生成し
て発泡すると同時に架橋重合して硬化するものであり、
ポリエステルグリコール、ポリエーテルグリコール等の
ポリオールと、末端にイソシアネート基を有する化合物
とを反応させた反応生成物であって、例えばエチレング
リコールにエチレンオキシドとプロピレンオキシドとを
重合させて得られる共重合体と、トリレンジイソシアネ
ートとの反応物である。よって、要止水箇所が乾燥状態
あるいは水分が少ない場合は、水分を供給しないと重合
硬化反応が進行しない。そこで本発明においては、コン
クリート構造物内に残置されたセパレータ端部を利用し
て、それに取着容易な前記止水材注入用具を提案するも
ので、特に要止水部(セパレータとコンクリートとの間
に生じた間隙部、亀裂部等)に水が少ない場合、又は乾
燥して水分がない場合に、前記止水材注入用具の凹溝に
吸水膨潤した高吸水性樹脂(通常高吸水性樹脂に100
〜1000倍量の水を吸水膨潤させたもの)を充填して
おき、止水作業において親水性一液型ポリウレタンプレ
ポリマー止水材が注入された時に同高吸水性樹脂内の水
と反応して発泡充填させ、重合硬化するようにしたもの
である。本発明で用いられる高吸水性樹脂としては、ポ
リアクリル酸ソーダ系、デンプン/ポリアクリル酸系、
ポリビニルアルコール系、カルボキシメチルセルロール
系等公知のものが挙げられる。
【0006】本発明に係る親水性一液型ポリウレタンプ
レポリマーと高吸水性樹脂内の水が反応して膨張した発
泡体は、コンクリート構造物のセパレータ廻りの間隙あ
るいは亀裂に浸透して次のように作用する。すなわち、
親水性一液型ポリウレタンプレポリマーは吸水膨潤した
高吸水性樹脂中の水と徐々に接触反応して、架橋重合し
かつ発泡して、体積を増しながらセパレータ廻りの間隙
あるいは亀裂・小亀裂や毛細亀裂の隅々まで自らの発泡
圧力により侵入して行き、そこで優れた発泡硬化体より
なるウレタン樹脂密封体を形成する。
【0007】〔参考例〕次に本発明の参考例を図面に基
づいて説明する。参考例:本例は、図1に断面説明図を
示すものである。コンクリート壁1内に残置されたセパ
レータ2の端部(ねじ部)は、木コン跡凹部3内に突出
しているが、まずこれに締着ボルト5を螺結する。この
締着ボルト5は、管状体であって前方に内ねじが設けら
れており、その後方の管壁に複数個の親水性一液型ポリ
ウレタンプレポリマー止水材流出孔6が穿設してあり、
さらに後方に外ねじが設けられている。次いで、螺結さ
れた締着ボルト5のコンクリート壁外部突出部へ、粘弾
性材料製当接体4をその貫通孔4’を介して嵌挿する。
なお、当接体4は、発泡プラスチック、例えば発泡ポリ
エチレン、発泡ポリプロピレン、発泡ポリウレタン等、
のほかSBR、NBR等の合成ゴム等の粘性及び弾性を
有し、対象物表面へ押圧することにより、密着接触しか
つその弾性により押圧力を解放すれば元の形状に戻る性
質のものを使用することが好ましい。当接体4の圧接面
側には、貫通孔4’に隣接して高吸水性樹脂充填用凹溝
40が設けられている。そして、該凹溝には吸水膨潤し
た高吸水性樹脂が充填されている。本参考例で使用した
高吸水性樹脂は、ポリアクリル酸ソーダ系の「ダイヤウ
エットA」(商品名:三菱油化株式会社製)に水を吸収
させ、その100倍水吸収物(高吸水性樹脂の水膨潤
物)としたものを用いた。その性状を表2に示す。
【0008】
【表2】
【0009】さらに該当接体4には、一端が圧接面側の
貫通孔4’近くに開口し、他端が当接体4の上方側壁に
開口する空気抜き孔9に挿設された空気抜き管9’が配
設されている。また、当接体4の圧接面の反対側面には
硬質の補強板4aが貼設してある。その後、締着ナット
8を螺入することによって、当接体4をコンクリート壁
1表面に密着圧接した状態で固定する。以上により本
考例に係る止水材注入用具のセッティングを完了する。
【0010】その後、締着ボルト5の後方端の開口部の
矢印方向から、止水材の親水性一液型ポリウレタンプレ
ポリマーを周知注入ポンプのグリースポンプを使用して
注入したところ、管壁の止水材流出孔6から同止水材が
流出すると共にそれが凹溝40内に充填されている吸水
膨潤した高吸水性樹脂PA内の水と反応して発泡し、木
コン跡凹部に充填し、さらにセパレータ2廻りの間隙部
へ浸透して行った。上方の空気抜き管9’から止水材が
漏れ出した時点で、注入を停止し、それから、締着ボル
ト5の後方端の開口部を密閉し、また空気抜き管9’を
取り除くと同時に楊枝状の木栓を詰めた。この時の発泡
硬化過程は、吸水膨潤した高吸水性樹脂PA内の水が親
水性の止水材全体に徐々に行き渡りつつ反応して発泡
し、セパレータ2廻りの間隙部へ浸透して行くものであ
る。親水性一液型ポリウレタンプレポリマーとしは、
「N.Lペースト」(商品名:武田薬品工業株式会社
製)を用いた。その性状は表1に示すとおりである。
【0011】
【表1】
【0012】また、吸水膨潤した高吸水性樹脂(「ダイ
ヤウエットA」の100倍水吸収物)との反応による発
泡倍率、比重等は、表3に示すとおりである。なお、表
中では親水性一液型ポリウレタンプレポリマー(「NL
ペースト」)を単に「ウレタン」と表した。
【0013】
【表3】
【0014】その後、12〜24時間放置後、締着ナッ
ト8を緩め、当接体4を取り除き、連結ボルト5を取り
除いた後、跡部にモルタル、樹脂等を充填、塗着して表
面仕上げを行った。該止水材注入用具を用いる止水工法
によれば、コンクリート壁1内の残置セパレータ2の端
部を利用して、確実、容易に当接体4を固定することが
でき、続く親水性一液型ポリウレタンプレポリマー止水
材の注入によって、乾燥状態あるいは水分の少ない状態
のセパレータ2廻りの間隙、亀裂部及び木コン跡凹部3
に止水材を完全に充填することができた。
【0015】以上のようにして発泡硬化したウレタン発
泡物は独立気泡率が82%以上となっており、優れた密
封効果があるのでコンクリート構造物のセパレータ廻り
の間隙、亀裂等から水が漏れ出てくるようなことはな
い。上記参考例においては、親水性一液型ポリウレタン
プレポリマー(「NLペースト」)と吸水膨潤した高吸
水性樹脂との好ましい混合重量比は、1:0.2〜4.
0(ただし、高吸水性樹脂は「ダイヤウエット」の10
0倍吸水膨潤物)である。親水性一液型ポリウレタンプ
レポリマーに対する吸水膨潤した高吸水性樹脂の混合重
量比が、1:4を超える場合は、親水性一液型ポリウレ
タンプレポリマーと吸水膨潤した高吸水性樹脂との発泡
硬化体からなる密封体の強度及び耐水性が低くなる。反
対に、親水性一液型ポリウレタンプレポリマーと吸水膨
潤した高吸水性樹脂が上記1:0.2よりも少なくなる
と、発泡硬化体に収縮が発生すると共に発泡が不十分と
なり発泡体を亀裂の隅々まで侵入させることが困難とな
り、親水性一液型ポリウレタンプレポリマーの充分な反
応を達成するのに必要な水量が確保できない。親水性一
液型ポリウレタンプレポリマーを充分に発泡させるのに
必要な水の量は、その0.2重量%以上であるが、0・
4重量%付近で最大発泡倍率が得られる。
【0016】なお、図2は、図1において吸水膨潤した
高吸水性樹脂充填用凹溝が、当接体4の貫通孔4’の外
周に環状凹溝として形成されている場合を示す例であ
る。
【0017】
【実施例】実施例は、図3(イ)に断面説明図、図3
(ロ)に平面図を示すものである。前記参考例の場合と
同様、コンクリート壁1内に残置されたセパレータ2の
端部(ねじ部)は、木コン跡凹部3内に突出している
が、まずこれに連結ナット7を一部螺合する。次いで、
この連結ナット7内ねじ部に連結ボルト5を螺入し、セ
パレータ2端と連結ボルト5とを連結する。続いて、螺
結された締着ボルト5のコンクリート壁1外部突出部
へ、粘弾性材料製(発泡ポリエチレン製)当接体4をそ
の貫通孔4’を介して嵌挿する。なお、4aは補強板
(鉄板)である。さらに、締着ナット8を螺合すること
によって、当接体4をコンクリート壁1表面に密着圧接
した状態で固定する。本例の当接体4の圧接面側には、
貫通孔4’に近接して高吸水性樹脂充填用環状凹溝40
が設けられている。そして、該凹溝には吸水膨潤した高
吸水性樹脂(「ダイヤウエット」の100倍量吸水膨潤
物)が充填されている。また、同当接体4には、一端が
圧接面側の環状凹溝40に開口し、他端が当接体4の上
方側壁に開口する空気抜き孔9及び一端が圧接面側の環
状凹溝40に開口し、他端が当接体4の下方補強板4a
に開口する止水材脂注入孔10が設けられている。すな
わち、粘弾性材料製当接体には、その中央に連結体とし
ての連結ボルト貫通孔、表面側から裏面側中央部に求心
的に傾斜して穿設された止水材注入孔10及び空気抜き
孔9を備えている。以上により本発明に係る止水材注入
用具のセッティングが完了する。
【0018】その後、下方の止水材樹脂注入管10’開
口部の矢印方向から、止水材の親水性一液型ポリウレタ
ンプレポリマー(「NLペースト」)を周知注入ポンプ
のグリースポンプを使用して注入したところ、その周囲
の環状凹溝40内に充填されている吸水膨潤した高吸水
性樹脂PA内の水と反応した発泡体が、木コン跡凹部に
充填し、さらにセパレータ2廻りの間隙部へ浸透して行
った。上方の空気抜き孔9から止水材が漏れ出した時点
で、注入を停止し、それから、止水材樹脂注入管10’
を取り除く同時に楊枝状の木栓を詰め、また空気抜き管
9’を取り除くと同時に楊枝状の木栓を詰めた。その
後、12〜24時間放置後、締着ナット8を緩め、当接
体4を取り除き、連結ナット7及び連結ボルト5を取り
除いた後、跡部にモルタル、樹脂等を充填、塗着して表
面仕上げを行った。該止水材注入用具を用いる止水工法
によれば、コンクリート壁1内の残置セパレータ2の端
部を利用して、確実、容易に当接体4を固定することが
でき、続く止水材樹脂の注入によって、セパレータ2廻
りの乾燥状態の間隙、亀裂部及び木コン跡凹部3に止水
材樹脂を完全に充填することができた。
【0019】上記実施例における当接体の吸水膨潤した
高吸水性樹脂充填用凹溝は、環状であるものに限らず、
放射状配置の凹溝、偏在長溝等であってもよく、要する
に吸水膨潤した高吸水性樹脂を、注入された親水性一液
型ポリウレタンプレポリマーと接触し得る状態に保持で
きる形状、構造の凹溝であればよいのである。なお、以
上の本発明止水工法によるセパレータの止水コストは、
従来止水工法によるセパレータの止水コストの12〜1
7%程度であって、非常に低コストとなった。
【0020】地下室等の地下構造物内の止水施工に本発
明方法を適用して、地下室コンクリート壁面に底部から
上部までの全面のセパレータに親水性一液型ポリウレタ
ンプレポリマー止水剤を注入処理しておくと、現場にお
いて地下室コンクリート壁の下方部から漏水があり、そ
の上方の壁部は乾燥状態にあるケースにおいても、時間
経過とともに自動的に壁面セパレータ廻りのひびわれ箇
所や間隙部が全壁面にわたって密封されるのである。す
なわち、止水施工の効果によって地下室コンクリート壁
外周の水位が底部から上部へと上昇してくると、本発明
方法により既に壁内に充填済みの親水性一液型ポリウレ
タンプレポリマーに上昇水が接触することになり、その
結果、その接触箇所において、発泡硬化反応が進行し、
それが底部から上部へと順次、反応を繰り返して行く。
そして、本発明方法においては親水性一液型ポリウレタ
ンプレポリマーをセパレータ廻りに注入するに当たっ
て、吸水膨潤した高吸水性樹脂をも接触注入せしめるた
め、止水施工部分が乾燥状態であっても、木コン跡部内
の充填物は短時間内に発泡硬化し、同時にその発泡圧に
よりセパレータ廻りのひびわれ部や間隙部に親水性一液
型ポリウレタンプレポリマーを圧入することができる。
したがって、その後引き続いて本発明方法に係る当接体
を壁面から取り除いて、仕上げ加工作業を実施すること
ができ、止水施工期間を大幅に短縮させることができ
る。このようにして、少量の漏水のある地下室において
も、自動的にセパレータ廻りのひびわれ箇所や間隙部が
地下室全壁面にわたって密封されるのである。
【0021】
【発明の効果】以上に説明したごとく、従来非能率的
で、熟練を要するセパレータ廻りの止水作業を、本発明
によれば簡単、確実かつ安価にに実施でき、漏水頻度の
高いセパレータ廻りの止水工法の改善に大いに貢献でき
る。特に、要止水部(セパレータとコンクリートとの間
に生じた間隙部、亀裂部等)に漏水が少ない場合、又は
乾燥して水分がない場合において、親水性一液型ポリウ
レタンプレポリマーと吸水膨潤した高吸水性樹脂内の水
と反応した発泡体が間隙部等に浸透して、完全確実に止
水材充填ができる。地下室等の地下構造物内の止水施工
に本発明方法を適用して、地下室コンクリート壁面に底
部から上部までの全面のセパレータに親水性一液型ポリ
ウレタンプレポリマー止水剤を注入処理しておくと、地
下室コンクリート壁の下方部から漏水があり、その上方
の壁部は乾燥状態にあるケースにおいても、時間経過と
ともに自動的に壁面セパレータ廻りのひびわれ箇所や間
隙部が全壁面にわたって密封止水される。
【図面の簡単な説明】
【図1】参考例の断面説明図
【図2】その他の参考例の断面説明図
【図3】施例の断面説明図及び側面図
【図4】セパレータを用いるコンクリート壁の打設断面
説明図
【図5】従来のセパレータ廻り止水工法の断面説明図
【符号の説明】
1 コンクリート壁 2 セパレータ 3 木コン跡凹部 3’モルタル 4 粘弾性材料製当接体 4’貫通孔 4a補強板 5 連結体 6 止水材樹脂流出孔 7 連結ナット 8 締着ナット 9 空気抜き孔 9’ 空気抜き管 10 止水材樹脂注入孔 10’止水材樹脂注入管 11 堰板 12 フォームタイ 13 単管(横ばた) 14 めがね形座金 15 締着ナット 16 単管(縦ばた) 17 深孔 18 シール材 19 結束帯 40 吸水膨潤した高吸水性樹脂充填用凹溝 PA 吸水膨潤した高吸水性樹脂
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松林 松寿 広島市東区矢賀1−5−52 中国冨士化 工建設株式会社内 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E04G 23/02

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コンクリート構造物中に残置されたセパ
    レータの端部に、連結体を介して、親水性一液型ポリウ
    レタンプレポリマー止水材注入孔と空気抜き孔及び吸水
    膨潤した高吸水性樹脂を保持している高吸水性樹脂保持
    溝を有する粘弾性材料製当接体をコンクリート壁表面に
    圧接した状態で定着し、次いで前記止水材注入孔から親
    水性一液型ポリウレタンプレポリマー止水材を注入する
    ことによって、セパレータ端部の木コン跡凹部に親水性
    一液型ポリウレタンプレポリマー止水材を充填すると共
    に、木コン跡凹部の空気を空気抜き孔から排除した後、
    前記止水材注入孔と空気抜き孔を密閉して親水性一液型
    ポリウレタンプレポリマー止水材を発泡硬化させること
    を特徴とするコンクリート構造物のセパレータ廻りの止
    水工法。
  2. 【請求項2】 コンクリート構造物中に残置されたセパ
    レータの端部に、連結ボルトの一端を締着する第1工
    程、該連結ボルトの他側に、下側に親水性一液型ポリウ
    レタンプレポリマー止水材注入孔、上側に空気抜き孔及
    び中央に定着ボルト貫通孔を穿設してなり、かつ前記定
    着ボルト貫通孔の外側に吸水膨潤した高吸水性樹脂を充
    填した溝を凹設してなる粘弾性材料製当接体をコンクリ
    ート壁表面に圧接した状態で締結する第2工程、前記止
    水材注入孔から親水性一液型ポリウレタンプレポリマー
    止水材を注入することによって、セパレータ端部の木コ
    ン又はプラスチックコン跡凹部に親水性一液型ポリウレ
    タンプレポリマー止水材を充填すると共に、木コン跡凹
    部の空気を空気抜き孔から排除する第3工程、前記止水
    材注入孔と空気抜き孔を密閉して親水性一液型ポリウレ
    タンプレポリマー止水材が発泡硬化するまでの間保持す
    る第4工程、及びその後前記粘弾性材料製当接体及び連
    結ボルトを取り外し、表面仕上げする第5工程とからな
    ることを特徴とするコンクリート構造物のセパレータ廻
    りの止水工法。
  3. 【請求項3】 連結体と、親水性一液型ポリウレタンプ
    レポリマー止水材注入孔、空気抜き孔及び前記連結体取
    り付け孔を穿設してなり、かつ連結体取り付け孔の外側
    に吸水膨潤した高吸水性樹脂充填用凹溝を設けてなる粘
    弾性材料製当接体との組み合わせからなることを特徴と
    するコンクリート構造物のセパレータ廻りの止水材注入
    用具。
  4. 【請求項4】 連結体と、中央に連結体としての連結ボ
    ルト貫通孔、表面側から裏面側中央部に求心的に傾斜し
    て穿設された親水性一液型ポリウレタンプレポリマー止
    水材注入孔及び空気抜き孔並びに前記連結ボルト貫通孔
    の外側に吸水膨潤した高吸水性樹脂充填用凹溝を備えて
    なる粘弾性材料製当接体との組み合わせからなることを
    特徴とするコンクリート構造物のセパレータ廻りの止水
    材注入用具。
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