JPH05221817A - 抗菌多孔質無機カプセル及びその製造方法 - Google Patents

抗菌多孔質無機カプセル及びその製造方法

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JPH05221817A
JPH05221817A JP6922592A JP6922592A JPH05221817A JP H05221817 A JPH05221817 A JP H05221817A JP 6922592 A JP6922592 A JP 6922592A JP 6922592 A JP6922592 A JP 6922592A JP H05221817 A JPH05221817 A JP H05221817A
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antibacterial
aqueous solution
porous inorganic
zeolite
water
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Masaaki Mizuguchi
口 正 昭 水
Toshiro Yanase
瀬 敏 郎 柳
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Nakamura Bussan Co Ltd
Suzukiyushi Industrial Corp
Original Assignee
Nakamura Bussan Co Ltd
Suzukiyushi Industrial Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】合成樹脂類と併用しても、着色なく、しかも抗
菌性の低下しない抗菌性ゼオライトを開発すること。 【構成】抗菌性ゼオライトの周囲に、水不溶性の多孔質
無機化合物を包着して、カプセル化すること。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、抗菌多孔質無機カプセ
ル及びその製造方法に関し、更に詳しくは抗菌性ゼオラ
イトを用いた抗菌多孔質無機カプセル及びその製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】抗菌性ゼオライトは、水棲菌に対して抗
菌力が優れており、人に対して安全性が高いこと、並び
に抗菌性が恒久的であること等から、水処理その他広い
分野での利用が期待されている。しかしながら、1μ前
後の大きさの粉末であるため、他の物質で固定して使用
し易い形態にしないと使用困難である。
【0003】また、ポリエステルやポリアミド等合成樹
脂に混合し、繊維又は成形品にした場合には金属イオン
により着色する問題点がある。また合成樹脂等にバイン
ダーを用いて塗布した場合には経時的に茶褐色に着色す
る欠点があり、この傾向は水分と光及び吸着物質によっ
て一層著しくなる。抗菌性により衛生性を訴求する製品
では着色汚れは受け入れられない。
【0004】更に問題点として、抗菌性ゼオライトが抗
菌効果を発揮するには、水分の存在が重要であり、合成
樹脂に混合したり、バインダーで固着すると、合成樹脂
が水分を遮蔽し、抗菌性が低下する致命的な問題を抱え
ており、抗菌性ゼオライトを実用に供することに難点が
あった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の点に
留意してなされたもので、その目的とするところは、合
成樹脂に混合、又はバインダーで包理固定しても、抗菌
性が低下することなく、且つ着色汚染を生ずることのな
い改良された抗菌性ゼオライトを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題は、抗菌性ゼオ
ライトの周囲に、水不溶性の多孔質無機化合物を包着す
ること、換言すれば上記無機化合物で上記抗菌性ゼオラ
イトをカプセル化することによって達成される。そして
上記カプセル化の手段として、下記の2つの手段のうち
のいずれかの手段を採用することにより、上記カプセル
化を確実に行うことが出来る。
【0007】(1)(イ)抗菌性ゼオライトを、アルカ
リ金属の水酸化化合物水溶液を用いてスラリーにする第
一工程
【0008】(ロ)前記第一工程で得られたスラリー
を、アルカリ金属の珪酸塩の水溶液に添加する第二工程
【0009】(ハ)前記第二工程で得られた分散液に、
水に対する溶解度が7%以下の有機溶媒を混合してW/
O型のエマルジョンとなす第三工程
【0010】(ニ)前記第三工程で得られたW/O型エ
マルジョンに、アルカリ金属珪酸塩を不溶化し得る化合
物の水溶液を加えて、微多孔粒子を生成する第四工程と
からなる手段を採用すること。
【0011】(2)金属アルコキシドM(OR)n
[M;金属元素、R;アルキル基、n;金属の原子数]
を溶剤に溶解し、該溶液に抗菌性ゼオライトを混合し、
該金属アルコキシドの加水分解剤を加えて反応させる手
段を採用すること。
【0012】上記本発明の課題を解決するための手段と
して、特に注目すべき点は次の通りである。
【0013】上記(1)又は(2)の手段でカプセル化
することにより、
【0014】(a)抗菌性ゼオライトの本来有する抗菌
性を最も損なうことなく、抗菌性ゼオライトが充分なる
抗菌力を発揮し得るに足る水分をカプセル内に保持出来
ること、
【0015】(b)合成樹脂類と併用した場合に、上記
本来の抗菌性を損なうことなく、しかも上記水分の保持
に何等の影響なく、合成樹脂類に基づく着色汚染を確実
に防止出来ること、
【0016】(c)カプセル化の前処理として、抗菌性
ゼオライトをアルカリ金属水酸化物の水溶液に添加して
スラリーとなすことにより、抗菌性ゼオライトの該水溶
液中での分散性を向上せしめ、最終的にはうまく抗菌性
ゼオライトを多孔質無機化合物でカプセル化出来るに至
ること、
【0017】(d)金属アルコシドの加水分解反応を利
用して、該反応に抗菌性ゼオライトを共存せしめるとい
う極めて簡単な手段で、本来の抗菌性を損なうことな
く、うまく反応により生ずる多孔質無機化合物で該ゼオ
ライトをカプセル化し得ること、である。
【0018】
【発明の構成並びに作用】本発明に於いて包着してなる
状態とは、水不溶性の無機化合物を抗菌性ゼオライトの
周囲に沈着させて、該ゼオライトを多数の孔を有する多
孔質無機化合物でもってカプセル状に包み込んだもので
ある。微多孔の孔径は数十乃至数百Å程度であり、この
範囲で任意に設定することが出来る。従って多孔質カプ
セル層を通して水の出入りは自由であり、カプセル内部
に水が保持されることとなる。このため内包されている
抗菌性ゼオライトのイオン化は、その水の影響で順調に
行われるので、合成樹脂に混合又はバインダーで固定し
ても抗菌効果が低下することがない。
【0019】一方抗菌性金属による着色汚染は、カプセ
ル内に抗菌剤が内蔵されているため遮蔽効果の理由によ
り色が現れないようになるので汚染が防止される。尚、
多孔質の孔径の大きいカプセルを得るには第一の方法が
有効であり、包着層の厚さの薄い多孔質カプセルを得る
には第二の方法が効果的である。
【0020】以下に本発明を製法に基づき説明する。
【0021】第一の方法では、アルカリ金属の水酸化化
合物の水溶液を用いて、抗菌性ゼオライトをスラリーと
する。アルカリ金属の水酸化化合物としては、例えば苛
性ソーダー、苛性カリ、水酸化リチウム等の水溶液を用
いる。その濃度は通常抗菌性ゼオライトがpH7以上に
なる程度である。抗菌性ゼオライトとしては、その粒径
は1μ前後が用いられるが、好ましくは1μ以下がよ
い。スラリーの濃度は通常50〜60%程度とする。該
スラリーを、アルカリ金属の珪酸塩水溶液に撹拌添加し
て分散液とする。アルカリ金属の珪酸塩としては、ナト
リウム、リチューム、カリゥーム等の珪酸塩が使用出来
る。この珪酸塩の添加量は通常SiO2として2〜6.
5mol/lであり、得られる分散液の濃度は10〜5
0%程度である。上記分散液に、水に対する溶解度が7
%以下の有機溶媒を混合してW/O型のエマルジョンと
なす。この際の有機溶媒として具体的には以下のものを
例示出来る。
【0022】《脂肪族炭化水素類》n−ヘキサン、イソ
ヘキサン、n−ヘプタン、イソヘプタン、n−オクタ
ン、イソオクタン、ガソリン、石油エーテル、灯油、ベ
ンジン、ミネラルスピリット等
【0023】《脂環式炭化水素類》シクロペンタン、シ
クロヘキサン、シクロヘキセン、シクロノナン等
【0024】《芳香族炭化水素類》ベンゼン、トルエ
ン、キシレン、エチルベンゼン、プロピルベンゼン、ク
メン、メシチレン、テトラリン、スチレン等
【0025】《エーテル類》プロピルエーテル、イソプ
ロピルエーテル等
【0026】《ハロゲン化炭化水素類》塩化メチレン、
クロロフォルム、塩化エチレン、トリクロロエタン、ト
リクロロエチレン等
【0027】《エステル類》酢酸エチル、酢酸−n−プ
ロピル、酢酸イソプロピル、酢酸−n−アミル、酢酸イ
ソアミル、乳酸ブチル、プロピオン酸メチル、プロピオ
ン酸エチル、酪酸メチル等
【0028】この際用いる有機溶媒としては、水に対す
る溶解度が7%以下のものを使用することを必須とす
る。この際7%より大きいものを使用するとエマルジョ
ンが良好なものにならないので望ましくない。
【0029】これらの有機溶媒の1種又は2種以上を上
記分散液に対して用いられる。また、これ等有機溶媒に
は、通常約10重量%までのアルコール類等が混在して
いても何等差し支えない。有機溶媒の使用量は、得られ
る乳濁液がW/O型となる限り特に限定されないが、通
常乳濁液の50重量%以上、好ましくは70〜80重量
%とするのが良い。乳濁方法は、撹拌方法、震盪法等の
常法によれば良い。乳化に際しては、公知の乳化剤を添
加することが出来る。乳化剤としては、好ましくはHL
Bが3.5〜6.0の範囲にある非イオン性界面活性剤
が使用出来、これを例示すれば次のものがある。
【0030】ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレ
ート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテー
ト、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、
ポリオキシエチレンソルビタントリステアレート、ポリ
オキシエチレンソルビタンモノオレェート、ポリリオキ
シエチレン高級アルコールエーテル系、ポリオキシエチ
レン脂肪酸エステル系、グリセリン脂肪酸エステル系、
ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル系、等
【0031】これらの乳化剤は、有機溶媒に対して10
重量%以下、好ましくは0.01〜3重量%の範囲で使
用される。
【0032】次いで上記W/O型エマルジョンに、上記
アルカリ金属水酸化物を不溶化し得る化合物の水溶液を
加えて、20分〜30分撹拌して反応せしめ、抗菌性ゼ
オライトの周囲に多孔質無機質カプセルを形成せしめ
る。次いで常法に従い、濾過、洗浄、乾燥すればよい。
【0033】上記不溶化し得る化合物の水溶液として
は、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素
アンモン、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、塩化カルシ
ュウム、塩化マグネシューム、塩化バリウム等の炭酸塩
や塩化物が使用出来る。
【0034】次いで第二の方法について説明する。
【0035】先ず、金属アルコシドの溶剤溶液に抗菌性
ゼオライトを分散させる。この際使用される金属アルコ
シドとしては、M(OR)n(但しMは金属、Rは同一
または相異なるアルキル基を、nは金属原子価を示す)
で表されるアルコシドが好ましく使用される。
【0036】この際の金属(M)としては、加水分解に
より生じた金属水酸化物もしくはそれを更に乾燥して得
られる金属酸化物で、例えば白色を呈する金属が使用さ
れ、具体的にはAl、Si、Ti、Zr等である。ま
た、Rで表されるアルキル基としては炭素数1〜20、
好ましくは1〜5程度のものであり、好ましい具体例と
してはメチル、エチル、プロピル(n及びisoいずれ
も含む)、ブチル(n及びisoいずれも含む)等であ
る。
【0037】溶剤としては上記金属アルコキシドを溶解
し得るものが使用され、例えばアルコール類及び芳香族
炭化水素が例示出来、更に具体的にはエタノール、イソ
プロパノール、ベンゼンが例示出来る。尚、金属アルコ
シドの溶剤溶液の濃度は通常90%以下、好ましくは1
0〜30%程度である。この溶液に抗菌性ゼオライトを
通常10〜80%濃度となるように分散させる。この際
分散剤を必要に応じ使用することを妨げない。
【0038】かくして得られる分散液に、金属アルコシ
ドを加水分解し得る加水分解剤を添加して、上記アルコ
シドを加水分解する。この際の加水分解剤としては通常
酸又はアルカリ性物質が使用され、具体的にはアンモニ
ア、水酸化ナトリウム、塩酸、酢酸等が使用される。
【0039】本発明に於いては加水分解が必須のため、
上記分散液には水が共存する状態となす必要がある。こ
の水分は溶剤溶液を調製する段階で、溶剤と共に共存さ
せても良く、また加水分解剤と共に(例えばアンモニア
を使用する際には、アンモニア水として)共存させても
よい。水の量は加水分解し得る量であれば充分であり、
通常化学当量以上程度である。
【0040】また加水分解剤の添加量は通常0.001
〜0.1%程度である。
【0041】この加水分解により抗菌性ゼオライトの周
囲に多孔質の無機カプセルが形成される。
【0042】尚、本発明の金属アルコシド、その溶剤、
加水分解剤の組み合わせの1、2を例示すれば以下の通
りである。
【0043】金属アルコキシドとしてアルコキシシラン
の場合、エタノールを溶剤とし、該溶液に抗菌性ゼオラ
イトを分散させて、加水分解剤はアンモニア水を用い、
また金属アルコキシドとしてトリイソプロピルオキシド
アルミニウムの場合は、イソプロピールアルコールを溶
剤とし、該溶液に抗菌性ゼオライトを分散させて、加水
分解剤には0.1N程度の塩酸を添加すれば、抗菌性ゼ
オライトの周囲に多孔質のアルミナで包着された抗菌多
孔質無機カプセルを得ることが出来る。
【0044】次いで、本発明のカプセル自体について説
明する。
【0045】本発明で得られる抗菌多孔質無機カプセル
自体は原則的には、上記いずれの方法でも、抗菌性ゼオ
ライトの周囲に水不溶性の多孔質無機化合物が包着して
なるものが得られる。しかしながら、その製法の違いに
より、上記原則的には同じであるが、その他若干異なっ
たカプセルとなることがある。
【0046】第一の方法で得られるカプセル自体は通常
次のようなものである。
【0047】 (イ)サイズ(粒径):0.1〜300μm
【0048】 (ロ)カプセルの膜厚:0.05〜150μm
【0049】 (ハ)多孔性(全体):0.1〜5cc/g
【0050】 (ニ)カプセル壁の空孔径:20〜20000Å
【0051】(ホ)構造:図1の通り。但し、図1は本
カプセルの走査型電子顕微鏡写真(3000倍)であ
る。また、カプセル化前の抗菌性ゼオライトの同顕微鏡
写真(3000倍)を参考までに図2として示した。
【0052】
【図1】
【0053】
【図2】
【0054】 (ヘ)空隙率(嵩密度):0.1〜5cc/g
【0055】(ト)平均細孔半径:20〜20000Å
【0056】第二の方法で得られるカプセル自体は通常
次の様なものである。
【0057】(イ)サイズ(粒径):0.1〜10μm
【0058】(ロ)カプセルの膜厚:0.01〜1μm
【0059】 (ハ)多孔性(全体):0.05〜1cc/g
【0060】 (ニ)カプセル壁の空孔径:20〜100Å
【0061】(ホ)構造:図3の通り。但し、図3は本
カプセルの走査型電子顕微鏡写真(3000倍)であ
る。また、カプセル化前の抗菌性ゼオライトの同顕微鏡
写真(3000倍)を参考までに図4として示した。
【0062】
【図3】
【0063】
【図4】
【0064】 (ヘ)空隙率(嵩密度):0.05〜1cc/g
【0065】(ト)平均細孔半径:20〜100Å
【0066】このように第一と第二の方法で得られるカ
プセル自体は若干異なった特性を有している。例えば、
多孔性、空孔径、及び膜厚の点に於いて異なっており、
この差異はカプセル化における原料及び方法によるもの
で、この相違を利用して抗菌性のコントロールが可能と
なる。
【0067】尚、本発明に於いてカプセル化すべき抗菌
性ゼオライト自体は従来から良く知られたものであり、
本発明に於いては、従来から知られているものがいずれ
も使用されるものである。
【0068】本発明の抗菌多孔質無機カプセルは、抗菌
性が要求される分野に於いて広く各分野で有効に使用さ
れ、例えば繊維、紙、プラスチック製品、シート及び容
器、塗料等の分野に於いて極めて有効に使用される。
【0069】
【実施例1】抗菌性ゼオライト30gを、水50gに苛
性ソーダー1gを溶解した溶液に加えてスラリーとし
た。次いで該スラリーを、珪酸ソーダー(6.5モル/
L)180ccに撹拌添加して分散液とした。この分散
液に、ポリオキシエチレンソルビタントリオレエート1
5g/Lを含むノルマルヘキサンとシクロヘキサンの
1:1の混合液600ccを加えて、6000r/mi
nで1分間撹拌してW/O型のエマルジョンを得た。W
/O型エマルジョンに、炭酸水素アンモン(1.5モル
/L)1Lを混合して30分間常温で撹拌して反応を行
った。次いで濾過し、水洗、エタノール洗浄を行い、1
10℃24時間乾燥した。このようにして抗菌性ゼオラ
イトを30%内包する粒径20μの抗菌多孔質無機カプ
セル100g製造した。
【0070】この抗菌多孔質無機カプセルを、ポリ塩化
ビニールに3%混合して、厚さ3mmのシートを製造し
て貯水槽を作成した。貯水槽として工業用水に使用した
ところ6ケ月経過しても内壁の着色汚染は全くなく、藻
やスライムの発生も認められなかった。また注水原水の
一般細菌レベルが1.8×105の水を貯水槽に入れて
1日後には細菌は殆どゼロであり、抗菌性の効果が明ら
かであった。
【0071】
【実験例2】抗菌性ゼオライト40gを、水50gに苛
性ソーダー1gを溶解した溶液に加えてスラリーとし
た。次いで該スラリーを珪酸ソーダー(6.5モル/
L)180ccに撹拌添加した。この分散液に、ポリオ
キシエチレンソルビタントリステアレートの1%のシク
ロヘキサン溶液600ccを添加して、撹拌機で2分間
7500r/minの撹拌をして、W/O型のエマルジ
ョンを得た。このW/O型エマルジョンに、塩化マグネ
シウム(2モル/L)1Lを混合して40分間常温で撹
拌して反応を終了した。次いで濾過し、水洗、洗浄をし
て、110℃24時間乾燥した。このようにして粒径2
μの多孔質カプセルに抗菌性ゼオライトを24.5%内
包した抗菌多孔質無機カプセル157gを得た。
【0072】この抗菌多孔質無機カプセルを、ポリエチ
レンテレフタレートに1%混合して、3デニールのポリ
エステル繊維スフとした。着色の全くないスフを得るこ
とが出来た。該ポリエステルスフを綿に30%混紡して
細布とした。該細布に一般細菌を1.5×105接種し
た結果、1日後には細菌は1×102以下になり、抗菌
効果は明らかであった。ふきんに使用したが6ケ月使用
しても着色汚染はなかった。
【0073】
【実施例3】テトラエトキシシラン(Si(OC25
4)208gに、エタノール117ml加えて溶解し、
該溶液に抗菌性ゼオライト60gを加えて分散した。次
いで0.1Nアンモニア水90mlを添加して、超音波
分散機により10分間撹拌して、60℃で3時間加熱し
た。これを濾過し、110℃で24時間乾燥して内包率
50%の粒径8μの抗菌多孔質無機カプセルを120g
得た。この抗菌多孔質無機カプセルをポリエチレンに6
%混合してシートとし、肉汁を包装しても着色汚染の全
くない抗菌性のシートを得ることが出来た。このシート
に包装した肉は常温放置で3日後でも一般菌の増殖はな
かった。
【0074】
【実施例4】トリイソプロピルオキシドアルミニウムA
l(OC373204gを、イソプロピルアルコール
150mlに溶解し、該溶液に抗菌性ゼオライト50g
を加えて超音波分散機により分散した。次いで、0.1
N塩酸60mlを加えて60℃の恒温槽で48時間加熱
した。その後濾過して110℃で24時間乾燥した。こ
のようにして内包率33%、粒径3μの多孔質アルミナ
による抗菌カプセルを得ることが出来た。この抗菌多孔
質無機カプセルをポリウレタンバインダーに5%混合し
てステンレス容器の内面を塗布した。容器に水を入れて
6ケ月経過後も着色汚染は全くなかった。また、容器に
入れた水に対する抗菌力は、1.8×106の水棲菌を
接種しても1日後には1×102以下で抗菌性が認めら
れた。
【0075】
【図面の簡単な説明】
図1は、第一の方法で得られた本発明のカプセルの、粒
子構造の走査型電子顕微鏡写真である。
【0076】図2は、カプセル化前の抗菌性ゼオライト
の走査型電子顕微鏡写真である。
【0077】図3は、第二の方法で得られた本発明のカ
プセルの、粒子構造の走査型電子顕微鏡写真である。
【0078】図4は、カプセル化前の抗菌性ゼオライト
の走査型電子顕微鏡写真である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 柳 瀬 敏 郎 大阪府大阪市都島区都島北通1丁目2番16 号 中村物産株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】抗菌性ゼオライトの周囲に、水不溶性の多
    孔質無機化合物が包着してなることを特徴とする抗菌多
    孔質無機カプセル。
  2. 【請求項2】(イ)抗菌性ゼオライトを、アルカリ金属
    の水酸化化合物水溶液を用いてスラリーにする第一工程 (ロ)前記第一工程で得られたスラリーを、アルカリ金
    属の珪酸塩の水溶液に添加する第二工程 (ハ)前記第二工程で得られた分散液に、水に対する溶
    解度が7%以下の有機溶媒を混合してW/O型のエマル
    ジョンとなす第三工程 (ニ)前記第三工程で得られたW/O型エマルジョン
    に、アルカリ金属珪酸塩を不溶化し得る化合物の水溶液
    を加えて、微多孔粒子を生成する第四工程 とからなることを特徴とする抗菌性ゼオライトを包着し
    て成る抗菌多孔質無機カプセルの製造方法。
  3. 【請求項3】金属アルコキシドM(OR)n[M;金属
    元素、R;アルキル基、n;金属の原子数]を溶剤に溶
    解し、該溶液に抗菌性ゼオライトを混合し、該金属アル
    コキシドの加水分解剤を加えて反応させることを特徴と
    する、抗菌性ゼオライトを包着して成る抗菌多孔質無機
    カプセルの製造方法。
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Cited By (6)

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