JPH05219968A - ソルビン酸の製造方法 - Google Patents
ソルビン酸の製造方法Info
- Publication number
- JPH05219968A JPH05219968A JP5698692A JP5698692A JPH05219968A JP H05219968 A JPH05219968 A JP H05219968A JP 5698692 A JP5698692 A JP 5698692A JP 5698692 A JP5698692 A JP 5698692A JP H05219968 A JPH05219968 A JP H05219968A
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- sorbic acid
- sorbaldehyde
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- microorganism
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- Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 本発明は微生物による新規なソルビン酸の製
造方法を提供する。 【構成】 ソルブアルデヒドをコマモナス属から選ばれ
る微生物の1種で処理する。
造方法を提供する。 【構成】 ソルブアルデヒドをコマモナス属から選ばれ
る微生物の1種で処理する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はソルブアルデヒドを微生
物学的に酸化してソルビン酸を製造する方法に関する。
物学的に酸化してソルビン酸を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ソルビン酸或はその塩はいずれも抗カビ
力が優れているので食品保存剤として賞用されている
が、その工業的な製造法としては通常クロトンアルデヒ
ドとケテンとを反応させて中間的に形成されたβ−ラク
トンを経てそのポリエステルを製造し、次いで該ポリエ
ステルを熱分解、酸分解或はイオン交換樹脂分解してソ
ルビン酸を生成させる方法が実施されている。しかしな
がら、かかる方法においてはポリエステル分解後のソル
ビン酸の回収或は精製操作が面倒で工程が長く、複雑な
工程管理を必要とする等製造面、経済面において必ずし
も有利であるとは言えない。
力が優れているので食品保存剤として賞用されている
が、その工業的な製造法としては通常クロトンアルデヒ
ドとケテンとを反応させて中間的に形成されたβ−ラク
トンを経てそのポリエステルを製造し、次いで該ポリエ
ステルを熱分解、酸分解或はイオン交換樹脂分解してソ
ルビン酸を生成させる方法が実施されている。しかしな
がら、かかる方法においてはポリエステル分解後のソル
ビン酸の回収或は精製操作が面倒で工程が長く、複雑な
工程管理を必要とする等製造面、経済面において必ずし
も有利であるとは言えない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】かかる解決策として最
近、ソルブアルデヒドを特定の微生物で処理してソルビ
ン酸を製造する方法が提案された(特開昭63−152
990号公報)がソルビン酸の収率面で工業的規模での
実施には未だ問題が残っていると言える。
近、ソルブアルデヒドを特定の微生物で処理してソルビ
ン酸を製造する方法が提案された(特開昭63−152
990号公報)がソルビン酸の収率面で工業的規模での
実施には未だ問題が残っていると言える。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者等は微生物学的
処理により、ソルビン酸を製造する方法について鋭意研
究を重ねた結果、ソルブアルデヒドをコマモナス属から
選ばれる微生物の少なくとも1種で処理する場合、収率
良くソルビン酸が得られることを見出し、本発明を完成
するに至った。ソルブアルデヒド(別称2,4−ヘキサ
ジエナール)を酸化するために用いられる微生物を具体
的に例示すれば、コマモナス・テリゲナ(Comamo
nasterrigena、IFO 12685、IF
O 13299)がある。上記、微生物を培養するため
の培地としては炭素源、窒素源等を含有し微生物が生育
するものであればいずれでも良い。
処理により、ソルビン酸を製造する方法について鋭意研
究を重ねた結果、ソルブアルデヒドをコマモナス属から
選ばれる微生物の少なくとも1種で処理する場合、収率
良くソルビン酸が得られることを見出し、本発明を完成
するに至った。ソルブアルデヒド(別称2,4−ヘキサ
ジエナール)を酸化するために用いられる微生物を具体
的に例示すれば、コマモナス・テリゲナ(Comamo
nasterrigena、IFO 12685、IF
O 13299)がある。上記、微生物を培養するため
の培地としては炭素源、窒素源等を含有し微生物が生育
するものであればいずれでも良い。
【0005】炭素源としては、微生物のもつソルビン酸
生産活性を阻害しない化合物であれば任意に使用でき、
例えばグルコース、シュークロース、エタノール、エチ
レングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタ
ンジオール、グリセリン、アセトアルデヒド、酢酸、プ
ロピオン酸などが挙げられる。又、窒素源としては肉エ
キス、ペプトン、コーンスティープリカー、尿素、硫酸
アンモニウム、塩化アンモニウム、硝酸ナトリウムなど
を用いることが出来る。更に、必要に応じてリン酸塩、
マグネシウム塩、カルシウム塩、鉄塩、銅塩、亜鉛塩な
どの無機塩類や微生物の生育に必要な栄養物質を培地に
適宜加えることができる。
生産活性を阻害しない化合物であれば任意に使用でき、
例えばグルコース、シュークロース、エタノール、エチ
レングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタ
ンジオール、グリセリン、アセトアルデヒド、酢酸、プ
ロピオン酸などが挙げられる。又、窒素源としては肉エ
キス、ペプトン、コーンスティープリカー、尿素、硫酸
アンモニウム、塩化アンモニウム、硝酸ナトリウムなど
を用いることが出来る。更に、必要に応じてリン酸塩、
マグネシウム塩、カルシウム塩、鉄塩、銅塩、亜鉛塩な
どの無機塩類や微生物の生育に必要な栄養物質を培地に
適宜加えることができる。
【0006】ソルブアルデヒドを処理するに当たって
は、上記の増殖した微生物を含む培地をそのまま使用し
ても、又、一且該培地から集菌し、これを水或は生理食
塩水、バッファーに懸濁したものを使用しても良い。反
応液に対してソルブアルデヒドは系中濃度が0.01〜
10%、好ましくは0.05〜5%程度の範囲で添加さ
れる。仕込み方式は一括、分割、連続等任意に変更可能
であるが、実用上は逐次仕込方式が有利である。菌体は
懸濁液1リットル当たり0.5〜20g(乾燥菌)程度
用いられる。反応時には撹拌を行い好気的条件を採用す
る。かかる条件に設定するには系内に空気や酸素或は必
要に応じて他のガスを混合した混合ガスを吹き込むが、
溶液中の酸素濃度を1ppm以上とするのが望ましい。
は、上記の増殖した微生物を含む培地をそのまま使用し
ても、又、一且該培地から集菌し、これを水或は生理食
塩水、バッファーに懸濁したものを使用しても良い。反
応液に対してソルブアルデヒドは系中濃度が0.01〜
10%、好ましくは0.05〜5%程度の範囲で添加さ
れる。仕込み方式は一括、分割、連続等任意に変更可能
であるが、実用上は逐次仕込方式が有利である。菌体は
懸濁液1リットル当たり0.5〜20g(乾燥菌)程度
用いられる。反応時には撹拌を行い好気的条件を採用す
る。かかる条件に設定するには系内に空気や酸素或は必
要に応じて他のガスを混合した混合ガスを吹き込むが、
溶液中の酸素濃度を1ppm以上とするのが望ましい。
【0007】反応温度は10〜70℃、好ましくは20
〜40℃、PHは3〜10、好ましくは4〜9、反応時
間は0.1〜200時間程度の範囲が有利である。又、
反応液へ必要に応じてPQQやNAD(P)等の補酵
素、界面活性剤、有機溶媒等を適宜添加することも可能
である。更に、反応は増殖期の微生物を用い、培養液に
直接添加して反応する方法や休止菌体による反応を単独
もしくは組合せたり、他の固定化菌体、菌体抽出処理物
を用いる反応を単独もしくは上記方法と組合せて行う等
種々の態様が可能である。反応終了後、ソルビン酸を常
法に従って、精製して目的物を得る。
〜40℃、PHは3〜10、好ましくは4〜9、反応時
間は0.1〜200時間程度の範囲が有利である。又、
反応液へ必要に応じてPQQやNAD(P)等の補酵
素、界面活性剤、有機溶媒等を適宜添加することも可能
である。更に、反応は増殖期の微生物を用い、培養液に
直接添加して反応する方法や休止菌体による反応を単独
もしくは組合せたり、他の固定化菌体、菌体抽出処理物
を用いる反応を単独もしくは上記方法と組合せて行う等
種々の態様が可能である。反応終了後、ソルビン酸を常
法に従って、精製して目的物を得る。
【0008】
【作 用】本発明においては特定の微生物を用いてソ
ルブアルデヒドを酸化することによって、収率良く高純
度のソルビン酸を製造することが出来る。
ルブアルデヒドを酸化することによって、収率良く高純
度のソルビン酸を製造することが出来る。
【0009】
【実 施 例】次に実例を挙げて本発明の方法を更に具体
的に説明する。 実施例1 培地(酵素エキス10g、ポリペプトン15g、リン酸
2カリウム2g、リン酸1カリウム1g、硫酸マグネシ
ウム0.2g、L−システイン1g、モリブテン酸ナト
リウム8mg、PH7.0、水1リットル)50mlを坂口
フラスコに入れ、滅菌処理後、n−ブタノール4.8ml
を添加しコマモナス・テリゲナ(IFO12685)を
1白金耳接種して28℃、24時間往復振とう培養し
た。培養後遠心分離法にて集菌し、菌体をPH7.0、
0.1Mリン酸バッファーにて2回洗浄し、dry換算
で97mgの菌体を得た。
的に説明する。 実施例1 培地(酵素エキス10g、ポリペプトン15g、リン酸
2カリウム2g、リン酸1カリウム1g、硫酸マグネシ
ウム0.2g、L−システイン1g、モリブテン酸ナト
リウム8mg、PH7.0、水1リットル)50mlを坂口
フラスコに入れ、滅菌処理後、n−ブタノール4.8ml
を添加しコマモナス・テリゲナ(IFO12685)を
1白金耳接種して28℃、24時間往復振とう培養し
た。培養後遠心分離法にて集菌し、菌体をPH7.0、
0.1Mリン酸バッファーにて2回洗浄し、dry換算
で97mgの菌体を得た。
【0010】次に大型試験管にdry換算で16mgの菌
体を入れ、PH7.0、0.1Mリン酸バッファーを5ml
加えて菌体を懸濁した後にソルブアルデヒド5mgを添加
して反応を開始した。反応は30℃にて20分間行い、
1分間に200回往復振トウして反応液を撹拌した。反
応終了後、遠心分離法によって反応液の上澄み液を分取
し、これを塩酸でPH2としたのち、高速液体クロマト
グラフィー(HPLC)分析法にてソルビン酸の収率を
測定した。ソルビン酸生成率は70%であった。
体を入れ、PH7.0、0.1Mリン酸バッファーを5ml
加えて菌体を懸濁した後にソルブアルデヒド5mgを添加
して反応を開始した。反応は30℃にて20分間行い、
1分間に200回往復振トウして反応液を撹拌した。反
応終了後、遠心分離法によって反応液の上澄み液を分取
し、これを塩酸でPH2としたのち、高速液体クロマト
グラフィー(HPLC)分析法にてソルビン酸の収率を
測定した。ソルビン酸生成率は70%であった。
【0011】尚、ガスクロマト分析の条件は次の通りで
ある。 装 置 ;日立(ヒタチ)L−6000型 カ ラ ム;M&Sパック、C18(ODSカラム) 0.53mm×15m カラム温度;30℃、 検 出 ;日立 L−4200 UV−VIS検出機 220nm
ある。 装 置 ;日立(ヒタチ)L−6000型 カ ラ ム;M&Sパック、C18(ODSカラム) 0.53mm×15m カラム温度;30℃、 検 出 ;日立 L−4200 UV−VIS検出機 220nm
【0012】実施例2〜6、比較例1 実施例1の菌株の代わりに下表に示す菌株を用いた以外
は実施例1と同様に反応を行った。結果を表に示す。
は実施例1と同様に反応を行った。結果を表に示す。
【0013】 表1 ソルビン酸 使 用 菌 株 の生成率(%) 実施例2 コマモナス・テリゲナ 72 (Comamonas terrigena) IFO 13299 比較例1 シュードモナス シュードアルカリゲネス 30 (Pseudomonas pseudoalcaligenes)IFO 14167
【0014】
【発明の効果】本発明においては特定の微生物を用いて
ソルブアルデヒドを酸化することによって、収率良く高
純度のソルビン酸を製造することが出来る。
ソルブアルデヒドを酸化することによって、収率良く高
純度のソルビン酸を製造することが出来る。
Claims (1)
- 【請求項1】 ソルブアルデヒドをコマモナス属から選
ばれる微生物の少なくとも1種で処理することを特徴と
するソルビン酸の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5698692A JPH05219968A (ja) | 1992-02-07 | 1992-02-07 | ソルビン酸の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5698692A JPH05219968A (ja) | 1992-02-07 | 1992-02-07 | ソルビン酸の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05219968A true JPH05219968A (ja) | 1993-08-31 |
Family
ID=13042821
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5698692A Pending JPH05219968A (ja) | 1992-02-07 | 1992-02-07 | ソルビン酸の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05219968A (ja) |
-
1992
- 1992-02-07 JP JP5698692A patent/JPH05219968A/ja active Pending
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