JPH0521836U - 断熱調理器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 断熱容器の蓋の内面に、調理鍋の蓋の置き場
所を設ける。調理鍋の蓋内面の付着物によって周囲を濡
らしたり汚したりすることを防止する。 【構成】 調理鍋３の蓋３１の外径と略同一に湾曲させ
た突片２１を、断熱容器２の蓋１１を開けたときに上方
に向けて湾曲するように、断熱容器２の蓋１１内面のヒ
ンジ連結側に取付ける。蓋１１内面に適宜突起２２を形
成する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、断熱容器の蓋を開けたときに、断熱容器の蓋の内面に調理鍋の蓋を 載置可能にした断熱調理器に関する。

【０００２】

【従来の技術】

火を使う時間が短時間で済む調理器具として、例えば実公平３−１０９２０号 公報に示すように、調理材料を調理鍋で予め加熱して下ごしらえした後に、調理 鍋を断熱容器に収納，密閉して所要時間断熱状態に保持することにより調理を行 う断熱調理器が考案されている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかし上述のものでは、調理が終了して内容物を盛り付ける際に、調理鍋の蓋 の置き場所に困る場合があった。特に断熱調理器をキャンプ地等の屋外で使用す る場合では、スペースが無いために不便であった。

【０００４】 そこで本考案は、簡単な構造で断熱容器の蓋の内面に、調理鍋の蓋の置き場所 を設けると共に、調理鍋の蓋内面の付着物によって周囲を濡らしたり汚したりす ることを防止できる断熱調理器を提供することを目的としている。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

上記の目的を達成するため本考案の断熱調理器は、蓋と容器本体とをヒンジ連 結して形成する断熱容器の内部に、蓋付の調理鍋を出入れ自在に収納した断熱調 理器において、前記調理鍋の蓋の外径と略同一に、かつ前記断熱容器の蓋に沿っ て湾曲させた突片を、前記断熱容器の蓋内面のヒンジ連結側に設けると共に、前 記断熱容器の蓋内面に適宜突起を形成したことを特徴としている。

【０００６】

【作用】 上記構成により、断熱容器の蓋を開けると、突片に調理鍋の蓋を載置できる。 この時、断熱容器の蓋内面と調理鍋の蓋内面との間には、断熱容器の蓋内面に設 けられた突起によって隙間が形成される。

【０００７】

【実施例】

以下、本考案の一実施例を図に基づいて説明する。

【０００８】 断熱調理器１は、図１に示すように、断熱容器２とその内部に出入れ自在に収 納される調理鍋３とにより構成される。

【０００９】 断熱容器２は、ステンレス製の真空断熱容器から成る円筒状の容器本体１０と 、容器本体１０の上部開口を覆って着脱自在に容器本体１０に取付けられる、断 熱層Ｐを有する合成樹脂製の蓋１１と、容器本体１０の側壁に起伏自在に取付け られる、略コ字状に形成される合成樹脂製の把手１２とで構成されている。

【００１０】 容器本体１０の開口部側壁と底部外面とに、口縁部１３と底部保護部１４とが それぞれ合成樹脂で周設され、口縁部１３の直径方向に相対する側壁には把手取 付け用の軸部１５，１５が口縁部１３と一体に突設されている。また、口縁部１ ３の、軸部１５，１５との一方の中間位置には、蓋１１取付け用の雌型のヒンジ 連結具１６が口縁部１３と一体に設けられている。

【００１１】 蓋１１は、前記軸部１５，１５に対応する側部に、ロック片１７，１７がそれ ぞれ突設されており、また前記ヒンジ連結具１６に対応する位置には、雄型のヒ ンジ連結具１８が設けられている。断熱層Ｐは合成樹脂によって形成され、この 断熱層Ｐを覆う内面１９の略中央部には、蓋１１を閉じた際に、後述する調理鍋 ３の蓋３１に設けられた摘み部３３を押圧する深さに設けた凹部２０が形成され る。

【００１２】 内面１９の、ヒンジ連結具１８側には、内面１９の外周の約1/4 〜1/2 の長さ に亘って、蓋３１の外周と略同一に湾曲させた突片２１が、蓋１１を開けたとき に上方に向かって湾曲するように設けられている。さらに、内面１９の外周側に 、突起２２が５箇所に設けられている。

【００１３】 この突起２２の形状は、調理鍋３の蓋３１を断熱容器２の蓋１１の内面に載置 した時に、それぞれの蓋３１，１１の内面が接触して汚れることを防止できるよ うに、高さが３〜１０mm程度で、丸頭状あるいは尖頭状のものが望ましい。

【００１４】 把手１２は、両端の取付け部２３，２３が円状にそれぞれ形成され、その中心 にそれぞれ設けた取付け孔を、前記軸部１５，１５にそれぞれ挿通することによ って、軸部１５，１５を中心として容器本体１０の前後方向に起伏自在に容器本 体１０に取付けられている。

【００１５】 また、取付け部２３の外周側には、把手１２の下部から約半周に亘って容器本 体１０側に突出する周壁がヒンジ連結具１６側に連設され、把手１２の下部と周 壁により形成される凹部の内周壁が、前記ロック片１７の上面に係合する係合部 となる。

【００１６】 調理鍋３は、熱をよく伝える炭素鋼をステンレスでサンドイッチした三層構造 の鍋本体３０と、鍋本体３０の上部開口を覆って着脱自在なステンレス製の蓋３ １と、鍋本体３０の側壁に起伏自在に取付けられる半円状の把手３２とで構成さ れている。

【００１７】 蓋３１は、中央部に合成樹脂製の摘み部３３が突設されると共に、外周側に鍋 本体３０の上部開口縁内に挿入される段部３４が周設されている。

【００１８】 把手３２は、鍋本体３０の直径方向に相対する側壁に設けられる取付け部３０ ａ，３０ａに取付けられる。この取付け部３０ａの一側縁にはストッパ３０ｂが 突設されており、このストッパ３０ｂによって、把手３２は倒伏させると、鍋本 体３０の縁より若干高い位置に、起立させると直立状態に規制されるように取付 けられている。

【００１９】 このような断熱調理器１を使用する際は、調理材料を調理鍋３で予め加熱して 下ごしらえした後に蓋３１を装着し、把手３２を倒伏して、調理鍋３を断熱容器 ２に収納する。調理鍋３を断熱容器２に収納した後に、断熱容器２の蓋１１を閉 めて、把手１２を蓋１１の開口側に回動し、把手１２の係合部２６をロック片１ ７の上面に係合させる。これにより容器本体１０と蓋１１とが密着すると同時に 、蓋１１の凹部２０が調理鍋３の摘み部３３を押圧し、蓋３１を鍋本体３０に固 定する。この時、蓋１１の突片２１は、蓋３１の段部３４によって形成される凹 み内に収容されて、容器本体１０と蓋１１とを密着させる支障にはならない。

【００２０】 また、把手１２を起立させて断熱調理器１を持運ぶ際には、係合部２６がロッ ク片１７の上面に係合し、凹部２０が調理鍋３の摘み部３３を押圧することによ り、蓋３１は鍋本体３０に固定され内容物がこぼれる虞がない。さらに、把手１ ２を蓋１１の開口側に倒しておけば、車等に断熱調理器１を積んで運ぶ際でも、 蓋３１が鍋本体３０に固定されると共に、調理鍋３が断熱容器２内に固定されて 内容物はこぼれない。

【００２１】 調理が完了して内容物を盛り付けるときは、把手１２を他方に倒伏させ、ロッ ク片１７と係合部２６との係合を解除して、蓋１１を開けて調理鍋３より内容物 を取り出す。この時調理鍋３の蓋３１は、断熱容器２の蓋１１の内面１９に設け た突片２１に載置させることができる。また、内面１９には突起２２が適宜設け られているので、蓋３１が直接内面１９に触れることなく、内面１９を汚す虞が ない。さらに、蓋３１の内面についた雫は蓋３１の内面を伝って突片２１に集め られ、周囲を濡らしたり汚したりすることがない。

【００２２】 尚、本考案の突起２２の数は特に５個に限るものではなく、３個以上であれば 適宜設けて差し支えない。

【００２３】

【考案の効果】

本考案は以上のように、調理鍋の蓋の外径と略同一に湾曲させた突片を、断熱 容器の蓋を開けたときに上方に向けて湾曲するように、断熱容器の蓋内面のヒン ジ連結側に取付けると共に、前記蓋内面に適宜突起を形成したので、簡単な構造 で調理鍋の蓋の置き場所が作られる。また、突起によって調理鍋の蓋が断熱容器 の蓋の内面に直接触れることを防止し、蓋の内面を汚す虞がない。さらに、調理 鍋の蓋の内面についた雫は突片に集められるので、周囲が濡れたり汚れたりする ことを防止できる。

【００２４】 また、上記突片や突起は、断熱容器の蓋内面に一体に構造され、容易に形成加 工できるもので、部品点数を増やすことなく簡単に設けることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本考案の一実施例を示す断熱容器の分解斜視
図

【図２】 同じく一部断面側面図

【図３】 調理鍋の蓋を断熱容器の蓋の突片に載置した
状態を示す側面図

【符号の説明】

１…断熱調理器、２…断熱容器、３…調理鍋、１０…容
器本体、１１…蓋、１２…把手、１５…軸部、１６，１
８…ヒンジ連結具、１７…ロック片、１９…内面、２０
…凹部、２１…突片、２２…突起、３０…鍋本体、３１
…蓋、３２…把手、３３…摘み部、３４…段部

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 蓋と容器本体とをヒンジ連結して形成す
   る断熱容器の内部に、蓋付の調理鍋を出入れ自在に収納
   した断熱調理器において、前記調理鍋の蓋の外径と略同
   一に、かつ前記断熱容器の蓋に沿って湾曲させた突片
   を、前記断熱容器の蓋内面のヒンジ連結側に設けると共
   に、前記断熱容器の蓋内面に適宜突起を形成したことを
   特徴とする断熱調理器。