JPH0637781Y2 - 電気加熱式断熱調理器具 - Google Patents

電気加熱式断熱調理器具

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JPH0637781Y2
JPH0637781Y2 JP3418790U JP3418790U JPH0637781Y2 JP H0637781 Y2 JPH0637781 Y2 JP H0637781Y2 JP 3418790 U JP3418790 U JP 3418790U JP 3418790 U JP3418790 U JP 3418790U JP H0637781 Y2 JPH0637781 Y2 JP H0637781Y2
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heat
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heat insulating
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章司 樋田
精一 伊藤
一徳 岩崎
靖浩 村上
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日本酸素株式会社
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Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本考案は、蓋体を有する断熱容器とその内部に収納され
る内部容器とを具備してなる電気加熱式断熱調理器具に
関する。
「従来の技術」 従来、食物を断熱容器に収納して調理する道具として、
実開昭62-86130号などが知られているようにいくつかの
考案と発明が方向されている。それらの概要は断熱外蓋
を着脱自在に設けた断熱容器と、この断熱容器の内部に
出し入れ自在に設けた調理鍋とからなり、調理材料を適
量の水などと共に一旦加熱して煮炊途中の後、これらを
所要時間断熱容器の内部で保温することにより煮炊など
の調理を行うものである。また、調理鍋の使用法として
は、単なる内容器として使用する方法と、調理材料の加
熱時に鍋として使用する方法の2種類が提案されてい
る。
ところがこれらの方法は、いずれにしろ、断熱容器の外
部で加熱されて半煮炊の状態とした調理材料で充たされ
た調理鍋を断熱容器に収納し、保温するものであって、
調理鍋を移動する手間が必要であり、又調理鍋の断熱容
器の収納時に火傷をするおそれがある等の不都合があっ
た。
また、従来の調理器具は、調理鍋と断熱容器の組み合わ
せからなる調理器とは別に、ガスコンロなどの加熱器具
を用意する必要があり、極めて不便なものがあった。
そこで従来から、電気鍋、炊飯器などのように、調理鍋
と加熱手段を併せ持つ調理器が知られている。即ち、第
13図と第14図に示す構造(実公昭63-24821号に開示され
ている構造)に示すように、保温用電気ヒータ1の発熱
量を低減する目的で断熱容器2とその内部に収納される
調理鍋3と加熱手段(炊飯ヒータ)4の組み合わせよる
調理器具5が提案されている。
しかしながら、第13図に示す調理器具5にあっては、調
理鍋3の上縁部3aが断熱容器2の上縁部2aよりも上方に
位置し、しかも、断熱容器2内壁体6の口元径より大径
とされ、更に上方に折り曲げられているので、内蓋7と
の組み合わせで密閉構造を構成するとともに、調理鍋3
の着脱が容易になるという長所を有する半面、調理鍋3
の上縁部3aを伝導して調理器具5の外方に逃避する熱損
失(熱伝導)が大きい欠点を有している。
また、第15図に、本出願人が実願平1-42088号として既
に出願した断熱調理器具の上部開口部分の拡大図を示
し、第16図と第17図に前記出願の全体構造を示す。
この断熱調理器具10は、断熱容器11の内部に金属製の内
鍋13を出入自在に挿入するとともに、断熱材14を設けた
2重構造の蓋体15を断熱容器11の開口部に着脱自在に装
着してなる構造になっている。なお、前記断熱容器11は
外容器11aと内容器11bを真空層16を介して接合一体化し
てなるものである。更に、内鍋13の両側には、内鍋13の
側壁の一部を延長させて把手部17,17が形成され、この
把手部17,17が断熱容器11の外部まで延出され、この把
手部17,17を支持することで内鍋13を断熱容器11から出
し入れできるようになっている。
前記構成の断熱調理器具10において、断熱調理容器11の
熱損失は、開口部壁面による熱伝導が最も大きな割合で
あるので、この熱損失を減少させるためには、開口部の
口径と材質が同一であると仮定した場合、第15図に示す
伝導距離Aを大きくするか、断面積を小さくするために
第15図に示す板厚Bを薄くすることが有効である。
ここで、第13図と第14図に示す構成の調理器具5と、第
15図ないし第17図に示す構成の断熱調理器具10を比較す
ると、板厚は、口元部の径と、必要とする機械的強度に
よりその下限値が決定されるので、調理器具5において
は、内鍋13の壁厚と内壁体6の板厚には差がないので、
内鍋13と内壁体6との関係により前記熱伝導距離がどの
程度の大きさとなるかによって保温効力が決定される。
結果として第13図と第14図に示す調理器具5の構造より
も、第15図ないし第17図に示す構造の断熱調理器具10の
方が、高い保温力を得やすい構造となっている。
「考案が解決しようとする課題」 ここで、第15図ないし第17図に示す構造の断熱調理容器
10に加熱手段を付加した構造の電気加熱式断熱調理器具
を第18図に示す。
第18図に示す構造の調理器具においては、断熱容器11の
内底部に電気ヒータ12を設けてなる構成であり、この電
気ヒータ12により調理材料の入った内鍋13を蓋体15を取
り外して加熱する場合、“ゆでる”(煮る)と、“焼
く”(炒める)といった2つの主な使用形態である。
まず、前者の“ゆでる”(煮る)といった使用形態で
は、“ふきこぼれ”と呼ばれる現象により、特に、湯、
だし汁などの調理材料が内鍋13からあふれ出ることがあ
り、真空断熱容器11の内部側へ溜まってしまうばかり
か、汁などの導電性のある液体が電気ヒータ12に接触す
ることになるので電気系統の故障の原因にもなる問題が
あった。
また、後者の“焼く”(炒める)といった使用形態で
は、油がはね飛んで内容器11bを汚すといった問題があ
り、油がはねた部分の掃除は極めて難しい問題がある。
ところが、以上の2つの点における問題点に関しては、
加熱手段を持たない第13図に示す従来構造の調理器具5
では問題にならない。
以上の問題点を要約すると、加熱手段を備えた第18図に
示す断熱器具を提供しようとする場合、断熱保温調理の
特性を保つ必要上保温効力を高めるために、内鍋13の上
端より更に上方まで断熱容器を延設し、断熱性の蓋体15
を落としこんだ構造とすれば、加熱時に“ふきこぼれ”
と“油はね”といった問題が発生して前記のごとく断熱
容器内壁を汚すこととなる。
また、加熱時の問題を解決するために、第13図に示す調
理器具5などに見られるように調理鍋3の上端を断熱容
器上端より上方でその外径を断熱容器2の内径より大径
に形成すると、高い保温効力が得られにくい問題があ
り、加熱時の使い勝手と保温効力を両立させることが困
難であった。
本考案は前記事情に鑑みてなされたもので、高い保温効
力を有するとともに、加熱時の使い勝手を良好にした断
熱調理器具を提供することを目的とする。
「課題を解決するための手段」 請求項1に記載した考案は前記課題を解決するために、
蓋部を備えた断熱容器と、この断熱容器に内底部に設け
られた電気ヒータと、断熱容器の内部に出入自在に収納
される内部容器とを具備してなり、前記内部容器が、内
部容器本体と、この内部容器本体の口元部に着脱自在に
取り付けられた環状の口元部材とを具備してなり、前記
口元部材の上縁部に、前記断熱容器に対する内部容器本
体の収納状態で断熱容器の開口部上縁の外側に延出し、
前記蓋体が被着されるフランジ部を形成してなるもので
ある。
請求項2に記載した考案は前記課題を解決するために、
請求項1に記載の考案において、内容器本体と口元部材
をいずれも金属から構成してなるものである。
請求項3に記載した考案は前記課題を解決するために、
請求項1に記載の考案において内容器本体を金属から構
成し、口元部材を合成樹脂あるいはセラミックから構成
してなるものである。
請求項4に記載した考案は前記課題を解決するために、
蓋体を備えた断熱容器と、この断熱容器の内底部に設け
られた電気ヒータと、断熱容器の内部に出入自在に収納
される内部容器とを具備してなり、前記内部容器が、金
属製の内部容器本体と、この内部容器本体の口元部に沿
って環状に配置された低熱伝導度の材料よりなる環状の
口元部材とを具備してなり、前記口元部材の上縁部に、
前記断熱容器に対する内部容器本体の収納状態で断熱容
器の開口部上縁の外方に延出し、前記蓋体が被着される
フランジ部を形成してなるものである。
「作用」 断熱容器の内部に収納した内部容器の口元に断熱容器の
開口部周縁まで延びる口元部材が設けられ、この口元部
材の上に蓋体が被着されるので、内部容器の側壁から口
元部材を介して外部に逃避する際の熱の伝達経路が長く
なる。
口元部材を取り外し、断熱容器に蓋体を被せることで、
内部容器が断熱容器内に完全に独立状態で収納され、熱
の逃避経路が少なくなる。
環状の口元部材が内部容器の口元から断熱容器の開口部
までの隙間を塞ぎ外方に延びているので、内部容器の加
熱煮炊で内容物の“ふきこぼれ”などを生じても内容物
が断熱容器の外側に導かれて内側に侵入しない。
更に、口元部材を樹脂製あるいはセラミック製の如き熱
伝導度の低い材料で形成することで、口元部材を伝わる
熱が金属製とした場合よりも少なくなる。
「実施例」 第1図ないし第4図は、本考案の一実施例を示すもの
で、本実施例の断熱調理器具20は、断熱容器21と、この
断熱容器21の内底部に固定された電気ヒータ19と、断熱
容器21内に出し入れ自在に収納された内部容器(内鍋)
22とから概略構成されてなるものである。また、前記断
熱容器21は、外部容器23に蓋体24を開閉自在に取り付け
て構成されている。
外部容器23は、中央部に凸部が形成された凹球状の底部
を有する有底円筒状の金属製の内容器25と、内容器25よ
りも大径で、内容器25と略同形状の金属製の外容器26と
からなり、内容器25と外容器26とは、それぞれ口部にお
いて気密に接合されて二重構造をなしている。内容器25
と外容器26との間の空隙は、真空もしくは断熱材を充填
した断熱部27とされている。
前記外部容器23の底面には、底体28が、底体28に形成さ
れたねじ孔29と外容器26に形成されたねじ受け30とをね
じ31によって螺合することにより取り付けられている。
また、底体28には、外部容器23の転倒防止のために脚3
2,32が取り付けられ、外部容器23の外容器26の外周上部
には、中央部に握り孔33が形成された容器部把手34,34
が取り付けられている。
前記蓋体24は、略円盤状の上蓋体35と、同じく略円盤状
の下蓋体36とから概略構成されている。上蓋体35と下蓋
体36とは、上蓋体35の外周部に突出して形成された円筒
状の上部嵌合体37と、同じく下蓋体36の外周部に突出し
て設けられた円筒状の下部嵌合体38とが嵌合することに
より接合一体化されており、上蓋体35と下蓋体36とから
形成される空隙には断熱材39が収納されている。上蓋体
35の中央部には、外方に突出した略直方体形状の蓋部把
手40が形成されている。また、下蓋体36の中央部には、
後述する内鍋蓋部把手41を収納するための凹部42が形成
されている。
断熱容器21の上端部内周側には、内鍋22を断熱容器21か
ら外に出すための隙間部43が形成されている。この隙間
部43は、下蓋体36の外径を内容器25の口部内径より若干
小径に形成することで設けられたものである。
次に前記断熱容器21に収納される内鍋22について第2図
を基に説明する。
内鍋(内部容器)22は、金属製の内鍋容器本体(内部容
器本体)45と、内鍋蓋部46と、口元部材47とから概略構
成されるものである。前記内鍋容器本体45と内鍋蓋部46
を構成する材料は金属、ガラスあるいはセラミックなど
のいずれであっても良い。また、口元部材47は、樹脂
製、金属製、セラミック製のいずれでも良い。
内鍋容器本体45の口部には、この口部と略同径の円筒状
の口元部材47が取り付けられるとともに、口元部材47の
内側に内鍋蓋部46が載置されている。この内鍋蓋部46の
中央には、長方形状の板材を円弧状に湾曲させてなる内
鍋蓋部把手41が取り付けられている。
内鍋容器本体45は、平坦な底面を有する円筒状のもの
で、その口部には、前記口元部材47が、第3図に示すよ
うにパッキン48とリング部材49を用いて水密に取り付け
られている。前記パッキン48は、シリコーンゴム、フッ
素樹脂などの耐熱性に優れ、食品衛生上問題のないもの
で形成することが好ましい。
前記接合部分を形成するには、例えば、口元部材47の下
端にパッキン48を装着後、内鍋容器本体45をやや圧入ぎ
みに挿入後、リング部材49を下方から圧入して接合強度
を向上させることで形成することができる。
第4図は、断熱容器21の上部と口元部材47と蓋体24とが
重ねられた部分を拡大して示すもので、口元部材47の上
縁周縁部に外向きのフランジ部47aが形成され、このフ
ランジ部47aを断熱容器21の上縁部に載置した上に、蓋
体24の外周縁部が載置されている。
以下の第1表に、口元部材47をポリプロピレン、ナイロ
ンなどの合成樹脂で形成した場合と、ステンレス鋼で形
成した場合の熱損失を比較した結果を示す。
第1表に示す結果から口元部材47を合成樹脂とすること
で熱損失を1/10以下にできることが判明した。従って口
元部材47を合成樹脂製とすることが好ましい。
次に前記構成の調理器具の使用方法について、最も一般
的な家庭料理であるカレーを例にとって説明する。
初めは、蓋部24と内鍋蓋部46を取り外した状態で電気ス
イッチを操作して電気ヒータ19に通電して内鍋22を加熱
し、玉ねぎ、人参、豚肉などを炒める。次に水あるいは
熱湯を加え、カレールウを割って入れ、内鍋蓋部46を内
鍋容器部45の開口部に被せ更にヒータ19の電力を上げて
強火で加熱を続ける。内容物が沸騰したならば、電気ヒ
ータ19の電力を下げて中火として10分間程度加熱を続行
する。
その後、電気ヒータ19への通電を止め、蓋部24を口元部
材47に被せて保温を開示する。ここで、内鍋22に入れら
れた料理は、断熱容器21に収納されているので、高い温
度に維持されるために、加熱を続行した場合と同様に料
理が進む。具体的には、材料が柔らかくなり、味が染み
込む。
約30分程度保温を続けるとカレーは出来上がるが、更に
保温を続けることもできる。おでん、シチューなども同
様であるが、保温を続けることでより一段と味が染み込
む。なお、断熱容器による調理では、料理が柔らかくな
り過ぎることはないので、圧力鍋による調理のように細
かな時間管理は不要である。
ところで、前記構成の断熱調理器具は20を単に、加熱手
段の付いた鍋で外が熱くならない調理器具として使用
し、天ぷら、すき焼きなどを作る場合に用いても良いの
は勿論であり、特に夏期においては断熱調理器具20の周
りが熱くなりにくい長所がある。
しかしながら、天ぷらなどでは、内鍋22が非常に高温に
なるので、口元部材47をガラス、セラミックなどの耐熱
性に優れた材料から構成することがより好ましい。その
場合の熱伝導率は、 パイレックスガラス 0.95[kcal/mh℃] セラミック(磁器) 1.3 [kcal/mh℃] となり、第1表に前記した樹脂よりも大きいものの、ス
テンレス鋼よりも十分に小さいので、熱損失は、ステン
レス鋼で口元部材47を構成するよりも小さくなる。従っ
て口元部材47を金属製とした場合は、加熱後保温に先立
ってこの金属製口元部を取り外し、内鍋本体のみを断熱
容器内に収容して蓋耐24により密閉して保温することに
より、熱損失が低減し、保温効果を向上せしめる。
ここで、内鍋蓋部46と蓋体24を別体としたのは、蒸気や
熱水が直接触れる恐れがある部分として洗浄が容易な内
鍋蓋部46を金属またはガラス製にするためであり、洗浄
時などにおける蓋耐24への水浸入の恐れを小さくできる
ので、上蓋体35と下蓋体36の間に断熱材39として、断熱
性の優れた発泡スチロールやポリプロピレンなどの安価
な合成樹脂を使用できるようにするためである。
即ち、近年、高温にも耐える樹脂は、多種類商品化され
ているが、蒸気にも強く食品衛生法上も問題なく無臭の
ものは少なく、また、あったとしても高価である。更
に、上蓋体35と下蓋体36とで形成される空間に水が浸入
すると腐敗などによって臭気発生の元になる恐れが高い
が、鍋の一般的な直径である20〜22cmなどという大きな
サイズの場合、十分な止水構造も困難である。
従って前記の如く内鍋蓋部46と蓋部24を別体とすること
で、臭気発生を抑えつつ断熱材39のコストダウンができ
るようになる。
また、口元部材47の上端部は、第4図にも示すようにフ
ランジ部47aによって断熱容器21の外周の上端部21aまで
延出されている。このような構成を採用することで、
“ふきこぼれ”と“油のはね”に対し、断熱容器21の内
部を汚さないといった効果が得られる。なおここで、内
鍋22と断熱容器21の間には、若干の間隙が必要である
上、寸法のばらつきも考えられるから、口元部材47の先
端部を断熱容器21の上端部21aの部分よりも大きな径に
形成しておくことが好ましい。
第5図は、断熱容器と内鍋容器の口元部材47の他の構造
例を示している。この構造例では、断熱容器21′におい
て内容器25′と外容器26′の上端部をシーム溶接により
接合してなる構造であって、口元部材47のフランジ部47
a′を断熱容器21′の上端部21aよりも若干上方にて平坦
に形成した後、先端部47bを下方に折曲させて断熱容器2
1の上端部21aよりも下側まで延出して構成している。
ここで第5図の隙間Dは、内鍋22の全高と内容器25′の
全高のばらつきを吸収するためのものである。また、口
元部材47の先端47bが鉛直に曲げられているので、熱気
の散出を少なくできるとともに内容物の“ふきこぼれ”
が内鍋22を伝わって断熱容器21′と内鍋22の間に流れ落
ちることを防止できる効果がある。
なお、この実施例では、内鍋蓋部46を蓋部24と完全に別
体構成にしているが、内鍋蓋部46を蓋部24に対して着脱
自在に構成したり、よりコンパクトに構成するために、
内鍋蓋部46を省略して下蓋体36のみを高価な蒸気に強い
樹脂で構成することもできる。
従って内鍋蓋部46は、必ずしも必須の要素ではなく、蓋
部24のみでも良いが、その場合、蓋部24は使用毎に洗浄
する必要が生じるので、上部嵌合体37と下部嵌合体38と
の嵌合を堅くして上蓋体35と下蓋体36との間に存在する
空隙への水浸入を防止するとともに、匂いを吸着しにく
い材質で構成することが好ましい。
第6図は本考案の第2実施例における内鍋容器本体と口
元部材との接合部を拡大して示すもので、この実施例に
おいては、内鍋容器55の上端部周壁にねじ部55aを形成
するとともに口元部材57の下部周壁にねじ部57aを形成
し、ねじ部55a,57aの螺合によって内鍋容器55と口元部
材57を螺合し、一体化できるようになっている。
前記口元部材57の材質は、先の第1実施例と同様にポリ
プロピレンやナイロンなどの樹脂が好ましい。また、使
用後、洗浄などの際に口元部材57を内鍋容器55から容易
に着脱することが可能であり、何等かの損傷を受けた場
合は容易に交換可能である。
第7図は本考案の第3実施例における内鍋容器本体と口
元部材の接合部を拡大して示したもので、この実施例に
おいて、内鍋容器65は、ステンレス鋼−鉄−ステンレス
鋼などの構造を有するクラッド鋼、あるいは、フェライ
ト系ステンレス鋼、鉄ホーロー等の磁性を有する材料か
らなり、内鍋容器65の上端部には、内向きのフランジ部
65aが形成されている。
前記口元部材67は、ポリプロピレンやナイロン等の耐熱
性樹脂で構成することが適当であり、口元部材67の下端
部周縁には、外向きのフランジ部67aが形成されるとと
もに、このフランジ部67aには磁石60がインサート成形
などの方法により全周にわたり埋設されている。なお、
この磁石60はフランジ部67aの全周にわたり設ける必要
はなく、部分的に設けても良い。
前記構造の口元部材67は、磁石60の磁力によって内鍋容
器65のフランジ部65aに接合することができ、分離も容
易にできるようになっている。なお、磁力による接合で
あるので、保温時に口元部材67を取り外して保温するこ
とが容易にできるようになり、口元部材67を内鍋容器65
から取り外して断熱容器21内で保温した場合、口元部材
67を取り付けた場合に比較して保温性能を更に高めるこ
とができる。
第8図は本考案の第4実施例における内鍋容器本体と口
元部材の接合部を拡大して示したもので、この実施例に
おいては、内鍋容器75の上端部周縁に内向きのフランジ
部75aが形成されるとともに、口元部材77の下端部周縁
に内向きのフランジ部77aが形成されている。そして、
両方のフランジ部75a,77aの間にシリコーンゴム、フッ
素ゴムなどのパッキン71を介装した状態で両フランジ部
75a,77aを挾み付ける断面コ字状の止め具72により、圧
着状態で内鍋容器75と口元部材77とを一体化している。
第8図に示す構造にあっても止め具72を取り外すことに
より内鍋容器75と口元部材77を分離することができ、容
易に洗浄できる効果がある。
第9図は本考案の第5実施例における内鍋容器本体と口
元部材の接合部を拡大して示したもので、この実施例に
おいては、内鍋容器85の上端部周縁に内向きのフランジ
部85aが形成され、フランジ部85に溝部85bが形成される
とともに、口元部材87の下端部周縁に内向きのフランジ
部87aが形成されている。そして、内鍋容器85の溝部85b
に口元部材87のフランジ部87aを載置して口元部材87が
内鍋容器85に接合されている。また、溝部85bには、水8
3が満たされている。
第9図に示す構造によれば、溝部85bに満たされた水83
のウオーターシール効果によって接合部からの内鍋容器
内の吹きこぼれが外にでることを防止することができ、
口元部材87の上端からのみ、吹きこぼれるさせるように
することができる。また、使用後は容易に取り外すこと
ができ、保温性能の向上を図ることができる。
なお、前記の各実施例において、保温時に口元部材87を
取り外して使用するときは、口元部材87の材質は熱伝導
性の良好あんステンレス鋼などの金属であっても良い。
以下に本考案に係る構造の保温性能試験について説明す
る。
第10図に示すように、クラッド鋼(ステンレス板と鉄板
とステンレス板のクラッド鋼)有底円筒状の内鍋本体と
フランジ部を有するポリカーボネイト製の如き低熱伝導
度の材料よりなる筒状の口元部材とを一体化してなる内
鍋90を用意した。
また、第11図に示す形状の内径180mm、フランジ部部分
の外径230m、厚さ0.8mmのクラッド鋼(ステンレス板と
鉄板とステンレス板のクラッド鋼)からなる内鍋91を用
意した。
これらの内鍋90,91に95℃以上の温度の2.5lあるいは1.1
の湯を入れ、第12図に示すように真空断熱容器92に収
納して発泡スチロール製の蓋体93を被せ、6時間放置し
た場合の温度変化(℃)を測定した。なお、真空断熱容
器92の周囲の雰囲気温度は20℃に設定した。
以上の結果を第2表と第3表に示す。
第2表と第3表に示す結果から明らかなように、クラッ
ド鋼製の内鍋本体とポリカーボネイト製の口元部材とを
一体化してなる内鍋90の方が、いずれの湯量でも保温性
能が優れていることが判明した。
「考案の効果」 以上説明したように本考案は、段悦容器の内側に収納さ
れる内部容器を内部容器本体と環状の口元部材とから構
成し、口元部材に断熱容器の開口部上縁に達するフラン
ジ部を形成したので、内部容器を断熱容器内に収納し、
蓋体を被せることで内部容器内の内容物を断熱容器で保
温することができる。この場合、内部容器からの熱の逃
避経路は、フランジ部となるが、フランジ部は十分に長
く設計可能であり、蓋体が被せられるので、フランジ部
を介する熱の逃避を十分に少なくすることができる。更
に、断熱容器に内部容器を挿入した状態において内部容
器の内容物がふきこぼれたり、飛び出したりすることが
あっても、内部容器と断熱容器との間の間隙を口元部材
が閉じているので、内容物が断熱容器の内側に侵入する
こともない。
また、保温の際に口元部材を内部容器本体から取り外し
て蓋体を断熱容器に被せておくようにすることで、内部
容器本体を断熱容器の内部に完全に収納することがで
き、熱の逃避経路である口元部材を無くすることができ
るので、更に保温性能を高めることができる。特に、口
元部材を金属材料で形成した場合に保温効果を保持する
のに効果的である。
また、口元部材を金属よりも熱伝導度の低い樹脂あるい
はセラミックで形成することにより、断熱容器に収納し
た内部容器からの熱の逃避割合を更に小さくすることが
でき、金属で口元部材を形成する場合に比較して更に保
温性能を向上させることができる。
更に、断熱容器の内底部に電気ヒータを設けることで、
断熱容器の内部で内部容器を加熱できるとともに、この
場合に内部容器の内容物が断熱容器の内側に侵入するこ
とがない。従って断熱容器の内底部に設けた電気ヒータ
に内容物が付着することがなくなり、電気ヒータが故障
することもなくなる。
【図面の簡単な説明】
第1図ないし第4図は本考案の第1実施例を示すもの
で、第1図は断面図、第2図は内鍋を示す断面図、第3
図は内鍋と口元部材の接合部を示す断面図、第4図は口
元部材と断熱容器の重ね合わせ部を示す拡大断面図、第
5図は同重ね合わせ部の他の例を示す断面図、第6図は
内鍋と口元部材の接合部の第2の例を示す断面図、第7
図は同接合部の第3の例を示す断面図、第8図は同接合
部の第4の例を示す断面図、第9図は同接合部の第5の
例を示す断面図、第10図ないし第12図は保温試験ににつ
いて説明するためのもので、第10図は保温試験に用いた
内鍋の第1の例を示す断面図、第11図は保温試験に用い
た内鍋の第2の例を示す断面図、第12図は保温試験状態
を示す断面図、第13図は従来の調理器具の一例を示す断
面図、第14図は同調理器具の一部拡大断面図、第15図な
いし第17図は、従来の調理器具の他の例を示すもので、
第15図は要部拡大図、第16図は平面図、第17図は断面
図、第18図は従来の調理器具の第3の例を示す断面図で
ある。 19……電気ヒータ、20……断熱調理器具、21……断熱容
器、21a……上端部、22……内部容器(内鍋)、23……
外部容器、24……蓋体、25,25′……内瓶、26,26′……
外瓶、27……断熱部、45,55,65,75,85……内鍋容器本体
(内部容器本体)、46……内鍋蓋部、47,57,67,77,87…
…口元部材、47a……フランジ部、48……パッキン、49
……リング部材、55a,57a……ねじ部、60……磁石、72
……止め具、85b……溝部。

Claims (4)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】蓋体を備えた断熱容器と、この断熱容器の
    内部に出入自在に収納される内部容器と、断熱容器の内
    底部に設けられた電気ヒータを具備してなり、前記内部
    容器が、内部容器本体と、この内部容器本体の口元部に
    着脱自在に取り付けられた環状の口元部材とを具備して
    なり、前記口元部材の上縁部に、前記断熱容器に対する
    内部容器本体の収納状態で断熱容器の開口部上縁に延出
    し、前記蓋体が被着されるフランジ部を形成してなるこ
    とを特徴とする電気加熱式断熱調理器具。
  2. 【請求項2】前記内容器本体と口元部材がいずれも金属
    からなることを特徴とする請求項1記載の電気加熱式断
    熱調理器具。
  3. 【請求項3】前記内容器本体が金属からなり、口元部材
    が合成樹脂あるいはセラミックからなることを特徴とす
    る請求項1記載の電気加熱式断熱調理器具。
  4. 【請求項4】蓋体を備えた断熱容器と、この断熱容器の
    内部に出入自在に収納される内部容器と、断熱容器の内
    底部に設けられた電気ヒータを具備してなり、前記内部
    容器が、金属製の内部容器本体と、この内部容器本体の
    口元部に沿って環状に配置された低熱伝導度の材料より
    なる環状の口元部材とを具備してなり、前記口元部材の
    上縁部は、前記断熱容器に対する内部容器本体の収納状
    態で断熱容器の開口部上縁の外方に延出し、前記蓋体が
    被着されるフランジ部を形成してなることを特徴とする
    電気加熱式断熱調理器具。
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