JPH05216265A - 電子写真用感光体 - Google Patents

電子写真用感光体

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JPH05216265A
JPH05216265A JP2117792A JP2117792A JPH05216265A JP H05216265 A JPH05216265 A JP H05216265A JP 2117792 A JP2117792 A JP 2117792A JP 2117792 A JP2117792 A JP 2117792A JP H05216265 A JPH05216265 A JP H05216265A
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JP
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intermediate layer
electrophotographic
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polyvinyl acetal
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JP2117792A
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Satoshi Hayakawa
智 早川
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Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 導電性支持体上に中間層及び感光層を有する
電子写真用感光体において、中間層がポリビニルアセタ
ール類・シリカ複合体から成る電子写真用感光体。ポリ
ビニルアセタール類・シリカ複合体が(1)アルキルシ
リケートもしくはアリルシリケート及び(2)ポリビニ
ルアセタール類を含有する混合物を無機酸水溶液の存在
下に加熱することによって得られるものである。 【効果】 支持体からの自由電荷の注入を効果的に阻止
し、かつ不要な空間電荷散逸効果を高めることができ
る。また電位保持能、環境特性に優れ、残留電位が少な
く、画像欠陥の少ない優れた特性の電子写真感光体を実
現できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子写真用感光体に関
し、更に詳しくは、中間層を有する電子写真用感光体に
関する。
【0002】
【従来の技術】一般に電子写真用感光体は、導電性の基
体の上に光導電性の材料からなる感光層を形成すること
により構成されているが、基体からの自由電荷の注入を
阻止して、表面電荷の低下や画像に欠陥が発生するのを
防止したり、感光層と基体との接着性、密着性を向上す
る目的で基体と感光層の間に中間層を形成する方法がよ
く行われている。
【0003】従来の中間層は、通常、電気絶縁性の高分
子重合体の膜;Al23、SiO2等の絶縁性無機化合
物膜などが用いられてきた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
従来の技術において、例えば、中間層に電気絶縁性の高
分子重合体のみを用いたものは、適度のバリヤー性と接
着性が必要であるが、膜厚の設定が大きい場合には、感
光層から基体への電荷の注入が阻害され、感度低下や残
留電位の増加をもたらしたり、繰り返し特性の劣化、環
境変化によるバリヤー性の変化による電子写真用感光体
特性の劣化や、感光層との密着性の不足等の問題を有す
るものであった。また、中間層にAl23、SiO2
の絶縁性無機化合物膜を用いた技術は、化成処理、ある
いは真空蒸着等の手段を必要とするため、成膜に時間が
かかる、あるいは、コストが大きくなる等の問題があっ
た。
【0005】本発明が解決しようとする課題は、従来提
案されてきた電子写真用感光体の特性の不十分な点を中
間層の機能を改善し、実用上より好ましい電子写真用感
光体を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは中間層に要
求される様々な特性を満たすべく、数多くの材料の検討
を行った結果、該感光層と導電性支持体の間に中間層と
してアルキルもしくはアリルシリケート及びポリビニル
アセタール類を無機酸水溶液を触媒として加熱すること
により得られるポリビニルアセタール類・シリカ複合体
を用いることにより、温度依存性、繰り返し特性に優
れ、画像欠陥が少なく、残留電位の少ない電子写真用感
光体が実現でき、更に、ポリビニルアセタール類・シリ
カ複合体の製造のための加熱時間短縮のためにジ又はト
リアルコキシシランを添加することも有効であることを
見いだし、本発明に完成するに至った。
【0007】即ち、本発明は上記課題を解決するため
に、導電性支持体上に中間層及び感光層を有する電子写
真用感光体において、中間層がポリビニルアセタール類
・シリカ複合体から成ることを特徴とする電子写真用感
光体を提供する。
【0008】次に本発明を詳細に説明する。
【0009】本発明においては、導電性支持体上に中間
層を形成した後、光導電性材料による感光層を形成して
電子写真用感光体として用いられるが、感光層の構造は
様々な形態を取ることができる。その例を第1〜3図に
示した。第1図は電荷発生材料と電荷輸送材料をバイン
ダーに分散させてなる感光層を設けたものである。第2
図及び第3図は電荷発生材料を主体とする電荷発生層と
電荷輸送材料を主体とする電荷輸送層を積層した感光層
を設けたものである。これらの感光層の膜厚は5〜50
μmの範囲が好ましい。
【0010】本発明の電子写真用感光体に用いられる導
電性支持体としては、例えば、アルミニウム、銅、亜
鉛、ステンレス、クロム、ニッケル、モリブデン、バナ
ジウム、インジウム、金、白金等の金属又は合金を用い
た金属板、金属ドラム、ベルト、あるいは導電性ポリマ
ー、酸化インジウム等の導電性化合物やアルミニウム、
パラジウム、金等の金属又は合金を塗布、蒸着、あるい
はラミネートした紙、プラスチックフィルム、あるいは
金属又は合金、導電性ポリマーを用いたシームレスベル
ト等が挙げられる。
【0011】本発明の電子写真用感光体の中間層に用い
られるアルキルシリケートもしくはアリルシリケート
(以下、「オルガノシリケート」という。)としては、
一般式
【0012】
【化1】
【0013】(式中、Rは、炭素原子数1〜8のアルキ
ル基又はアリル基、nは0もしくは11以下の整数を表
わす。)で表わされるテトラアルキルもしくはテトラア
リルオルトシリケート又はポリアルキルもしくはアリル
シリケート類であり、具体的には、例えば、メチルオル
トシリケート、エチルオルトシリケート、n−プロピル
オルトシリケート、n−ブチルオルトシリケート、n−
オクチルオルトシリケート、フェニルオルトシリケー
ト、ベンジルオルトシリケート、フェネチルオルトシリ
ケート、アリルオルトシリケート、メタアリルオルトシ
リケート等が挙げられ、更にそれらの脱水縮合により生
成するポリシリケート類も用いられる。これらのテトラ
アルキルもしくはテトラアリルオルトシリケート又はポ
リアルキルもしくはアリルシリケート類は単独あるいは
2種類以上混合して用いることができる。
【0014】ポリビニルアセタール類としては、例え
ば、ポリビニルエステルの加水分解物をホルムアルデヒ
ド、アセトアルデヒド、ブチルアルデヒド等でアセター
ル化することにより得られるポリビニルホルマール、ポ
リビニルアセタール、ポリビニルブチラール等のビニル
樹脂が挙げられ、数平均重合度200〜2200のポリ
ビニルエステルである。アセタール化度は、60〜82
モル%のものが好ましく、アセチル基が残存していても
差し支えない。これらのポリビニルアセタール類は単
独、あるいは2種類以上混合して用いることができる。
これらのポリビニルアセタール類に用いる溶媒として
は、例えば、アルコール類、ジオキサン、ケトン類、塩
素化炭化水素、芳香族炭化水素、エステル類等の有機溶
媒もしくはそれらの混合溶媒が挙げられる。
【0015】ポリビニルアセタール類に対するオルガノ
シリケートの混合割合は、前者の100重量部に対し
て、後者はシリカとして5〜150重量部、好ましくは
20〜120重量部である。オルガノシリケートの混合
割合が20重量部未満である場合、塗膜の密着性が低下
し、オルガノシリケートの混合割合が150重量部を越
える場合、複合体の塗料安定性、塗膜のレベリング性が
低下しやすくなる傾向にあるので好ましくない。
【0016】加水分解触媒として用いる無機酸として
は、例えば、塩酸、硫酸、亜硫酸、リン酸、ふっ化水素
酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硝酸、亜硝酸、塩素
酸、過塩素酸、ヨウ素酸、臭素酸等の水溶性酸類が挙げ
られる。
【0017】ポリビニルアセタール類・シリカ複合体の
製造のための促進剤として、ジアルコキシシラン又はト
リアルコキシシランを用いることにより、複合体製造の
ための加熱時間を大幅に短縮できる。アルコキシシラン
としては、例えば、γ−メタクリロキシプロピルトリメ
トキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシ
シラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリメト
キシシラン、ビニルトリエトキシシランジビニルジエト
キシシラン、ジビニル−β−メトキシエトキシシラン、
ジ(γ−グリシドプロピル)ジメトキシシラン等が用い
られるが、これらに限定されるものではない。これらの
アルコキシシラン化合物は、単独あるいは2種類以上混
合して用いることができる。
【0018】アルコキシシラン化合物を併用する場合、
その使用割合は、ポリビニルアセタール類とオルガノシ
リケートの固形分重量合計に対して3〜15重量%の範
囲内が適当である。
【0019】中間層の膜厚は0.05μmから5μmの
範囲内で用いられるが、好ましくは0.1μmから2μ
mの範囲内であることが望ましい。
【0020】本発明の複合体は、必要に応じて中和、透
析等により酸の除去を行ってもよい。また、コヒーレン
ト光による露光を行うレーザープリンターのような電子
写真装置を用いたときに発生し易い干渉縞を防止するた
めに、本発明の複合体を含有した中間層用塗料に顔料等
を分散させて光学的隠ぺい力を持たせることも有効であ
る。
【0021】感光層に用いられる電荷発生材料として
は、例えば、アゾ系顔料、キノン系顔料、ペリレン系顔
料、インジゴ系顔料、チオインジゴ系顔料、ビスベンゾ
イミダゾール系顔料、フタロシアニン系顔料、キナクリ
ドン系顔料、キノリン系顔料、レーキ顔料、アゾレーキ
顔料、アントラキノン系顔料、オキサジン系顔料、ジオ
キサジン系顔料、トリフェニルメタン系顔料、アズレニ
ウム染料、スクウェアリウム染料、ピリリウム系染料、
トリアリルメタン染料、キサンテン染料、チアジン染
料、シアニン系染料等の種々の有機顔料、染料や、更に
アモルファスシリコン、アモルファスセレン、テルル、
セレン−テルル合金、硫化カドミウム、硫化アンチモ
ン、酸化亜鉛、硫化亜鉛等の無機材料を挙げることがで
きる。これらの材料は、中間層の上にバインダー樹脂に
分散され塗布されるか、真空蒸着、スパッタリング、C
VD法等の手段により成膜されて用いられる。
【0022】電荷発生物質は、ここに挙げたものに限定
されるものではなく、その使用に際しては、単独、ある
いは、2種類以上混合して用いることができる。
【0023】また、電荷輸送物質としては、一般に電子
を輸送する物質と正孔を輸送する物質の2種類に分類さ
れるが、本発明の電子写真用感光体には、両者とも使用
することができる。
【0024】電子輸送物質としては、例えば、クロラニ
ル、ブロモアニル、テトラシアノエチレン、テトラシア
ノキノジメタン、2,4,7−トリニトロ−9−フルオ
レノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレ
ノン、9−ジシアノメチレン−2,4,7−トリニトロ
フルオレノン、9−ジシアノメチレン−2,4,5,7
−テトラニトロフルオレノン、2,4,5,7−テトラ
ニトロキサントン、2,4,8−トリニトロチオキサン
トン、テトラニトロカルバゾールクロラニル、2,3−
ジクロロ−5,6−ジシアノベンゾキノン、2,4,7
−トリニトロ−9,10−フェナントレンキノン、テト
ラクロロ無水フタール酸、ジフェノキノン誘導体等の有
機化合物やアモルファスシリコン、アモルファスセレ
ン、テルル等の無機材料が挙げられる。
【0025】また、正孔輸送物質としては、低分子化合
物では、例えば、ピレン、N−エチルカルバゾール、N
−イソプロピルカルバゾール、N−フェニルカルバゾー
ル、あるいはN−メチル−2−フェニルヒドラジノ−3
−メチリデン−9−エチルカルバゾール、N,N−ジフ
ェニルヒドラジノ−3−メチリデン−9−エチルカルバ
ゾール、p−N,N−ジメチルアミノベンズアルデヒド
ジフェニルヒドラゾン、p−N,N−ジエチルアミノベ
ンズアルデヒドジフェニルヒドラゾン、p−N,N−ジ
フェニルアミノベンズアルデヒドジフェニルヒドラゾン
等のヒドラゾン類、2,5−ビス(p−ジエチルアミノ
フェニル)−1,3,4−オキサジアゾール、1−フェ
ニル−3−(p−ジエチルアミノスチリル)−5−(p
−ジエチルアミノフェニル)ピラゾリン等のピラゾリン
類、トリフェニルアミン、N,N,N’,N’−テトラ
フェニル−1,1’−ジフェニル−4,4’−ジアミ
ン、N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチ
ルフェニル)−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジア
ミン等が挙げられる。また、高分子化合物としては、例
えば、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ハロゲン化ポリ
−N−ビニルカルバゾール、ポリビニルピレン、ポリビ
ニルアンスラセン、ポリビニルアクリジン、ピレン−ホ
ルムアルデヒド樹脂、エチルカルバゾール−ホルムアル
デヒド樹脂、エチルカルバゾール−ホルムアルデヒド樹
脂、トリフェニルメタンポリマー、ポリシラン等が挙げ
られる。
【0026】これらの材料は、バインダー樹脂に分散さ
れ塗布されるか、真空蒸着、スパッタリング、CVD法
等の手段により成膜されて、感光層に使用することがで
きる。
【0027】電荷輸送物質は、ここに挙げたものに限定
されるものではなく、その使用に際しては、単独、ある
いは、2種類以上混合して用いることができる。
【0028】感光層のバインダーとしては、例えば、ポ
リカーボネート、ポリエステル、メタクリル樹脂、アク
リル樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ
スチレン、ポリビニルアセテート、スチレン−ブタジエ
ン共重合体、塩化ビニリデン−アクリロニトリル重合
体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢
酸ビニル−無水マレイン酸共重合体、シリコン樹脂、シ
リコン−アルキッド樹脂、フェノール−ホルムアルデヒ
ド樹脂、スチレン−アルキッド樹脂、ポリ−N−ビニル
カルバゾール、ポリビニルブチラール、ポリビニルフォ
ルマール、ポリスルホン、カゼイン、ゼラチン、ポリビ
ニルアルコール、エチルセルロース、フェノール樹脂、
ポリアミド、カルボキシ−メチルセルロース、塩化ビニ
リデン系ポリマーラテックス、ポリウレタン等が挙げら
れるが、これらに限定されるものではない。これらのバ
インダーは、単独あるいは2種類以上混合して用いられ
る。
【0029】また、これらのバインダーとともに可塑
剤、増感剤、表面改質剤等の添加剤を使用することもで
きる。
【0030】可塑剤としては、例えば、ビフェニル、塩
化ビフェニル、o−ターフェニル、ジブチルフタレー
ト、ジエチレングリコールフタレート、ジオクチルフタ
レート、トリフェニル燐酸、メチルナフタレン、ベンゾ
フェノン、塩素化パラフィン、ポリプロピレン、ポリス
チレン、各種フルオロ炭化水素等が挙げられる。
【0031】増感剤としては、例えば、クロラニル、テ
トラシアノエチレン、メチルバイオレット、ローダミン
B、シアニン染料、メロシアニン染料、ピリリウム染
料、チアピリリウム染料等が挙げられる。
【0032】表面改質剤としては、例えば、シリコンオ
イル、フッ素樹脂等が挙げられる。
【0033】電子写真用感光体を塗工によって形成する
場合、上記の電荷発生剤や電荷輸送物質をバインダー等
に混合したものを溶剤に溶解した塗料を用いるが、バイ
ンダーを溶解する溶剤は、バインダーの種類によって異
なるが、下層を溶解しないものの中から選択することが
好ましい。具体的な有機溶剤の例としては、例えば、メ
タノール、エタノール、n−プロパノール等のアルコー
ル類;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノ
ン等のケトン類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,
N−ジメチルアセトアミド等のアミド類;テトラヒドロ
フラン、ジオキサン、メチルセロソルブ等のエーテル
類;酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル類;ジメチル
スルホキシド、スルホラン等のスルホキシド及びスルホ
ン類;塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、トリ
クロロエタン等の脂肪族ハロゲン化炭化水素;ベンゼ
ン、トルエン、キシレン、モノクロルベンゼン、ジクロ
ルベンゼン等の芳香族類などが挙げられる。
【0034】塗工法としては、例えば、浸積コーティン
グ法、スプレーコーティング法、スピナーコーティング
法、ビードコーティング法、ワイヤーバーコーティング
法、ブレードコーティング法、ローラコーティング法、
カーテンコーティング法等のコーティング法を用いるこ
とができる。
【0035】なお、電荷発生層の厚さは、0.05〜5
μmの範囲が好ましく、0.01〜1μmの範囲が特に
好ましい。また、電荷輸送層の厚さは、3〜50μmの
範囲が好ましく、10〜30μmの範囲が特に好まし
い。
【0036】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、これにより本発明が実施例に限定されるものでは
ない。尚、実施例中「部」とあるのは「重量部」を示
す。
【0037】(実施例1)「エスレックBM−S」(積
水化学工業(株)製のポリビニルブチラール;重合度:約
700、ブチラール化度:70モル%)の16%ジオキ
サン溶液200部を窒素雰囲気下で攪拌しながら、38
%りん酸8部を添加した後、100℃に加熱し、「エチ
ルシリケート40」(コルコート(株)製のエチルポリシ
リケート:シリカ分40%)80部をゆっくりと滴下し
た。その後、同温度で更に1時間攪拌することにより透
明なポリビニルブチラール・シリカ複合体を得た。得ら
れた複合体溶液の粘度をメタノールで調整した後、アル
ミニウムドラム上に塗布し、乾燥後の膜厚が0.8μm
の中間層を形成した。
【0038】電荷発生材料として、チタニルフタロシア
ニンを合成し、濃硫酸溶液から再結晶化したものを用い
た。次に、得られた結晶をアトライターミルにより90
℃で、90分間粉砕したもの5部に「エスレックBL−
1」(積水化学(株)製のポリビニルブチラール)5部と
塩化メチレン90部を混合し、ボールミルを用いて電荷
発生層用の塗料を得た。この塗料を上記中間層の上に塗
布し、乾燥後の膜厚が0.4μmの電荷発生層を形成し
た。
【0039】また正孔輸送物質である式
【0040】
【化2】
【0041】で表わされるヒドラゾン化合物10部及び
「パンライトL−1250W」(帝人化成(株)製のポリ
カーボネート樹脂)10部をクロロホルム80部に溶か
し、電荷輸送層用の塗料を得た。この塗料を上記電荷発
生層の上に塗布し、乾燥後の膜厚が22μmの電荷輸送
層を形成し、負帯電型の電子写真用感光体を作成した。
【0042】(実施例2)実施例1において、「エチル
シリケート40」80部に代えて、「エチルシリケート
40」75部と「KBC1003」(信越化学工業(株)
製のビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン)6
部の混合物を使用した以外は、実施例1と同様にして電
子写真用感光体を作成した。
【0043】(実施例3)「エスレックBL−1」(積
水化学(株)製のポリビニルブチラール;重合度:約50
0、ブチラール化度:62モル%)の16%エタノール
溶液200部を窒素雰囲気下で攪拌しながら、38%り
ん酸12部を添加した後、75℃に加熱し、「エチルシ
リケート40」75部をゆっくりと滴下した。その後、
同温度で更に3時間攪拌することにより透明なポリビニ
ルブチラール・シリカ複合体を得た。得られた複合体溶
液の粘度をメタノールで調整した後、アルミニウムドラ
ム上に塗布し、乾燥後の膜厚が0.5μmの中間層を形
成した。
【0044】この中間層上に、実施例1と同じ条件で電
荷発生層と電荷輸送層を設け、電子写真用感光体を作成
した。
【0045】(実施例4)実施例1において、「エチル
シリケート40」80部に代えて、「エチルシリケート
40」75部と「KBM403」(信越化学工業(株)製
のγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)5部
の混合物を使用した以外は、実施例1と同様にして電子
写真用感光体を作成した。
【0046】(比較例1)アルミニウムドラム上に中間
層を設けず、直接実施例1と同じ条件で電荷発生層と電
荷輸送層を設け、電子写真用感光体を作成した。
【0047】(比較例2)実施例1において、中間層用
塗料として、「CM−8000」(東レ(株)製のポリア
ミド樹脂)5部をメタノール65部に溶解した塗料を用
い、中間層の乾燥後の膜厚を0.8μmとした以外は、
実施例1と同じ条件で電荷発生層と電荷輸送層を設け、
電子写真用感光体を作成した。
【0048】(比較例3)実施例1において、中間層用
塗料として、「エスレックBM−S」(積水化学工業
(株)製のポリビニルブチラール)5部をメタノール90
部及びブタノール5部の混合溶媒に溶解した塗料を用
い、中間層の乾燥後の膜厚を0.5μmとした以外は、
実施例1と同じ条件で電荷発生層と電荷輸送層を設け、
電子写真用感光体を作成した。
【0049】このようにして製造した電子写真用感光体
を夫々キャノン社製のレーザープリンター「LBPB4
06」に取り付けて、常温常湿下(23℃/50%R
H)と低温低湿下(10℃/30%RH)における電子
写真特性の評価を行ない、その結果を表1に示した。
【0050】
【表1】
【0051】表1に示した結果から、実施例1〜4で得
た電子写真用感光体は、中間層を有しない比較例1で得
た電子写真用感光体の電位特性と同等以上の電位特性を
示し、更に画像品質にも優れることが理解できる。
【0052】一方、比較例1で得た電子写真用感光体
は、常温常湿下と低温低湿下でカブリが発生し、比較例
2で得た電子写真用感光体は、低温低湿下において明部
電位(VL )の上昇が大きいため、画像濃度の低下が起
こり、また、比較例3で得た電子写真用感光体は、常温
常湿下と低温低湿下における暗部電位(V0 )の低下が
大きく、黒ポチ及びカブリが発生するという欠陥がある
ことが理解できる。
【0053】
【発明の効果】本発明の電子写真用感光体は、導電性支
持体上と感光層との間にポリビニルアセタール類・シリ
カ複合体により形成された中間層を設けることにより、
導電性支持体からの自由電荷の注入を効果的に阻止し、
かつ不要な空間電荷散逸効果を高めることができるの
で、感度を損なうことなく電位保持能、環境特性に優
れ、画像欠陥の少ない優れたものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子写真用感光体の感光層の構成の一
例の拡大断面図の例である。
【図2】本発明の電子写真用感光体の感光層の構成の一
例の拡大断面図の例である。
【図3】本発明の電子写真用感光体の感光層の構成の一
例の拡大断面図の例である。
【符号の説明】
1 導電性支持体 2b 感光層 2c 感光層 2d 感光層 3 電荷発生物質 4 バインダー 5 電荷輸送物質 6 電荷発生層 7 電荷輸送層 8 中間層

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性支持体上に中間層及び感光層を有
    する電子写真用感光体において、中間層がポリビニルア
    セタール類・シリカ複合体から成ることを特徴とする電
    子写真用感光体。
  2. 【請求項2】 ポリビニルアセタール類・シリカ複合体
    が(1)アルキルシリケートもしくはアリルシリケート
    及び(2)ポリビニルアセタール類を含有する混合物を
    無機酸水溶液の存在下に加熱することによって得られる
    ものである請求項1記載の電子写真用感光体。
  3. 【請求項3】 ポリビニルアセタール類・シリカ複合体
    が(1)アルキルシリケートもしくはアリルシリケー
    ト、(2)ポリビニルアセタール類及び(3)ジトリア
    ルコキシシラン又はトリアルコキシシランを含有する混
    合物を無機酸水溶液の存在下に加熱することによって得
    られるものである請求項1記載の電子写真用感光体。
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