JPH0521617B2 - - Google Patents

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JPH0521617B2
JPH0521617B2 JP18427587A JP18427587A JPH0521617B2 JP H0521617 B2 JPH0521617 B2 JP H0521617B2 JP 18427587 A JP18427587 A JP 18427587A JP 18427587 A JP18427587 A JP 18427587A JP H0521617 B2 JPH0521617 B2 JP H0521617B2
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JP
Japan
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hollow fiber
fiber membrane
polypropylene
organic filler
producing
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Kazuaki Takahara
Kosuke Kido
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Terumo Corp
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Publication of JPS6433269A publication Critical patent/JPS6433269A/ja
Publication of JPH0521617B2 publication Critical patent/JPH0521617B2/ja
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Description

【発明の詳細な説明】
(産業上の利用分野) 本発明は、多孔質中空糸膜の製造方法に関する
ものである。詳しく述べると本発明は、中空糸膜
の内側あるいは外側に血液を流すいずれのタイプ
の人工肺に用いられても血球成分の損傷、圧力損
失の増加等を起こすことなく、また長期間使用に
際して血漿漏出がなくかつ高いガス交換能を示す
多孔質中空糸膜を、より高い安全性を付与しつつ
安定して提供する多孔質中空糸膜の製造方法に関
するものである。 (従来の技術) 一般に心臓手術等において、患者の血液を体外
に導き、これに酸素を添加しかつ炭酸ガスを除去
するために、体外循環回路内に中空糸膜人工肺が
用いられている。このような人工肺としては、例
えばマイクロポーラスポリプロピレン膜等の多孔
質膜を使用したものが種々提案されている。この
ような多孔質膜の製造方法としては、例えばポリ
プロピレンを中空糸製造用ノズルを用いて、紡糸
温度210〜270℃、ドラフト比180〜600で溶解紡糸
し、ついで155℃以下で第1段熱処理を行なつた
のち、110℃未満で30〜200%延伸し、しかるのち
に第1段熱処理温度以上155℃以下で第2段熱処
理することにより多孔質ポリプロピレン中空糸を
製造することが提案されている(特公昭56−
52123号)。しかしながら、このようにして得られ
る多孔質中空糸はポリプロピレン中空糸を延伸す
ることにより物理的に細孔を形成するので、該細
孔は膜厚方向にほぼ水平な直線状細孔であり、か
つ延伸度に応じて中空糸の軸線方向に亀裂を生じ
て生成する細孔であるから断面がスリツト状であ
る。又細孔はほぼ直線的に連続貫通し、かつ空孔
率が高い。このため、該多孔質中空糸は水蒸気の
透過性が高く、また長期間血液を体外循環させて
使用すると、血漿が漏出するという欠点があつ
た。 また、血漿漏出が起こらない多孔質膜として、
例えば、ポリオレフイン、該ポリオレフインの溶
融下で該ポリオレフインに均一に分散し得かつ使
用する抽出液に対して易溶性である有機充填剤お
よび結晶核形成剤を混練し、このようにして得ら
れる混練物を溶融状態で環状紡糸孔から吐出させ
同時に内部中央部に不活性ガスを導入し、該中空
状物を前記ポリオレフインを溶解しない冷却固化
液と接触させて冷却固化し、ついで冷却固化した
中空状物を前記ポリオレフインを溶解しない抽出
液と接触させて前記有機充填剤を抽出除去するこ
とにより製造される多孔質ポリオレフイン中空糸
膜が提案されている(特願昭59−210466号)。し
かしながら該中空糸膜の1つであり、冷却固化液
として好ましいとされる用いられる有機充填剤を
溶解し得る冷却固化液を使用して得られたポリプ
ロピレン中空糸膜は、孔が小さく孔路も複雑であ
るため血漿漏出は起こらないが、単位面積当りの
孔密度が小さいので、人工肺用膜として用いるに
は、ガス交換能が不充分となる虞れがあり、さら
に前記有機充填剤を溶解し得る冷却固化液中にポ
リオレフインの低分子成分が混ざり、冷却浴管内
壁に付着し、中空糸の形状が経時的に変化してし
まうという虞れがあつた。 これらの点を改善するために、冷却固化液とし
て、使用された有機充填剤ないしその類似化合物
よりなる液体を用いること(特願昭61−155159
号)が提唱され、さらに、このような液体を冷却
固化液として用いた場合に生ずる中空糸膜の外表
面性状の問題点を克服するために、冷却固化液と
して、有機充填剤とは相溶せず比熱容量が0.3〜
0.7cal/gである液体を用いること(特願昭62−
8982号)が提唱されている。該液体を冷却固化液
として用いて製造された多孔質中空糸膜は、内外
表面ともに滑らかな表面性状を有しており中空糸
膜の内側あるいは外側に血液を流すいずれのタイ
プの人工肺に用いられても血球成分の損傷、圧力
損失の増加等を起こすことなく、また長期間使用
に際しても血漿漏出がなくかつ高いガス交換能を
示すものであるために、膜構造特性上は極めて優
れたものであるといえるものであつた。しかしな
がら、この製造方法においては、冷却固化液と接
触させられて冷却固化した中空状物の表面には、
冷却固化液が付着しておりそのままの状態で抽出
工程へ運ばれる。抽出工程においてはポリプロピ
レンを溶解せずかつ前記有機充填剤を溶解する抽
出液を用いているが、中空状物の表面に付着して
いる冷却固化液は有機充填剤と相溶しないもので
あるため、一般に前記抽出液には溶解しない。こ
のため、中空状物の表面に付着した冷却固化液の
除去は溶解抽出ではなく単に物理的な接触、置換
によつて行なわれており、完全に除去しきれない
虞れがあり、残留冷却固化液の血液中への溶出と
いう面から、安全性の面で問題の残るものであつ
た。 (発明が解決しようとする問題点) 従つて、本発明は、改良された多孔質中空糸膜
の製造方法を提供することを目的とする。本発明
はさらに、優れた構造特性を有すると共に安全性
の優れた多孔質中空糸膜の製造方法を提供する。
本発明はさらに、中空糸膜の内側あるいは外側に
血流を流すいずれのタイプの人工肺に用いられて
も血球成分の損傷、圧力損失の増加等を起こすこ
となく、また長期間使用に際して血漿漏出がなく
かつ高いガス交換能を示す多孔質中空糸膜を、よ
り高い安全性を付与しつつ安定して提供する多孔
質中空糸膜の製造方法を提供することを目的とす
る。 (問題点を解決するための手段) 上記諸目的は、ポリプロピレン、該ポリプロピ
レン溶融下でポリプロピレンに均一に分散し得る
有機充填剤および結晶核形成剤を混練し、このよ
うにして得られる混練物を溶融状態で環状紡糸孔
から中空状に吐出させ、該中空状物を前記有機充
填剤とは相溶せずかつ比熱容量が0.3〜0.7cal/g
である冷却固化液と接触させて冷却固化し、つい
で冷却固化した中空状物を、ポリプロピレンを溶
解せずかつ前記有機充填剤および冷却固化液を溶
解する抽出液と接触させて、前記有機充填剤を抽
出除去するとともに中空状物に付着した前記冷却
固化液を合せて除去することを特徴とする多孔質
中空糸膜の製造方法により達成される。 本発明はまた、冷却固化液としてポリエチレン
グリコールを用いるものである多孔質中空糸膜の
製造方法を示すものである。本発明はさらにポリ
エチレングリコールが平均分子量100〜400のもの
である多孔質中空糸膜の製造方法を示すものであ
る。本発明はまた有機充填剤として流動パラフイ
ンを用いるものである多孔質中空糸膜の製造方法
を示すものである。本発明はさらにポリプロピレ
ン100重量部に対する有機充填剤の配合量が35〜
150重量部である多孔質中空糸膜の製造方法を示
すものである。本発明はまた、抽出液が塩化弗化
炭化水素とアルコールまたはケトンとの混合物で
ある多孔質中空糸膜の製造方法を示すものであ
る。本発明はさらに抽出液が1,1,2−トリク
ロロ−1,2,2−トリフルオロエタンとエタノ
ールとの共沸混合物である多孔質中空糸膜の製造
方法を示すものである。本発明はまた、抽出液が
1,1,2−トリクロロ−1,2,2−トリフル
オロエタンとアセトンとの共沸混合物である多孔
質中空糸膜の製造方法を示すものである。本発明
はまた、結晶核形成剤が融点が150℃以上でかつ
ゲル化点が使用するポリプロピレンの結晶開始温
度以上の有機耐熱性物質である多孔質中空糸膜の
製造方法を示すものである。本発明はさらにま
た、ポリプロピレン100重量部に対する結晶核形
成剤の配合量が0.1〜5重量部である多孔質中空
糸膜の製造方法を示すものである。 (作用) しかして、本発明の多孔質中空糸膜の製造方法
においては、ポリプロピレン、該ポリプロピレン
溶融下でポリプロピレンに均一に分散し得る有機
充填剤および結晶核形成剤を混練し、このように
して得られる混練物を溶融状態で環状紡糸孔から
中空状に吐出させ、該中空状物を前記有機充填剤
とは相溶せずかつ比熱容量が0.3〜0.7cal/gであ
る冷却固化液と接触させて冷却固化し、ついで冷
却固化した中空状物から前記有機充填剤を抽出除
去するとともに該中空状物に付着した前記冷却固
化液を溶解除去するために、ポリプロピレンを溶
解せずかつ前記有機充填剤および冷却固化液を溶
解する溶液を抽出液として使用し、該中空状物と
接触させることを特徴とするものである。このよ
うに本発明の多孔質中空糸膜の製造方法において
は、用いられる抽出液が前記有機充填剤に対して
溶解性を有すると同時に冷却固化液に対しても溶
解性を示すものであるために、抽出工程において
中空状物を抽出液と接触させると、中空状物に含
まれる有機充填剤が溶解され抽出液中へ移行して
多孔質構造が形成されると同時に、中空状物表面
上に付着している冷却固化液も抽出液に溶解され
て抽出液中へ除去される。しかも該抽出液は、有
機充填剤のみならず冷却固化液に対しても溶解性
を示すものであつてもポリプロピレンに対しては
溶解性を示さないものであるので、形成されるポ
リプロピレン多孔質構造マトリツクス自体に対し
ては何ら影響を及ぼさない。このため優れた構造
特性を有すると共に付着した冷却固化液が完全に
除去されて安全性のより向上した多孔質中空糸膜
を提供できるようになる。 以下、本発明を実施態様に基づきより詳細に説
明する。 本発明の多孔質中空糸膜の製造方法は、ポリプ
ロピレン、該ポリプロピレン溶融下でポリプロピ
レンに均一に分散し得る有機充填剤および結晶核
形成剤を混練し、このようにして得られる混練物
を溶融状態で環状紡糸孔から中空状に吐出させ、
該中空状物を前記有機充填剤とは相溶せずかつ比
熱容量が0.3〜0.7cal/gである冷却固化液と接触
させて冷却固化し、ついで冷却固化した中空状物
を、ポリプロピレンを溶解せずかつ前記有機充填
剤および冷却固化液を溶解する抽出液と接触させ
て、前記有機充填剤を抽出除去するとともに中空
状物に付着した前記冷却固化液を合せて除去する
ことを特徴とするものである。 このような構成を有する本発明の多孔質中空糸
膜の製造方法は例えば第1図に示すような装置を
用いて行なわれるものである。すなわち第1図に
示すように、ポリプロピレンと有機充填剤と結晶
核形成剤との配合物11を、コツパー12から混
練機、例えば単軸押出機13に供給して該配合物
を溶融混練して押出したのち、紡糸装置14に送
り、口金装置15の環状紡糸孔(図示せず)から
ガス状雰囲気、例えば空気中に吐出させ、出てき
た中空状物16を冷却固化液17を収納した冷却
槽18に導入し、該冷却固化液17と接触させる
ことにより冷却固化させる。この場合、前記中空
状物16と冷却固化液17との接触は第1図に示
すように、例えば前記冷却槽18の底部に貫通し
て下方に向つて設けられた冷却固化液流通管19
内に前記冷却固化液17を流下させ、その流れに
沿つて前記中空状物16を並流接触させることが
望ましい。流下した冷却固化液17は、固化槽2
0で受けて貯蔵し、その中に前記中空状物16を
導入し、変向棒21によつて変向させて該冷却固
化液17と充分接触させて固化させる。蓄積して
くる冷却固化液16は、循環ライン23より排出
させ、循環ポンプ24により前記冷却槽18へ循
環する。次に固化された中空状物16は、前記有
機充填剤および冷却固化液を溶解しかつポリプロ
ピレンを溶解しない抽出液25をシヤワー状に落
らせるシヤワー・コンベア式抽出機27へ導かれ
る。この抽出機27において中空状物16は、ベ
ルトコンベア26上を搬送される間に抽出液と充
分に接触されて残留する有機充填剤を抽出除去さ
れ、同時に中空状物16表面上に付着した冷却固
化液17を溶解除去される。ドライブロール22
によつて抽出機27から導き出された前記中空状
物は、必要に応じてさらに再抽出、乾燥熱処理等
の工程を経て捲き取られる。 本発明で原料として使用されるポリプロピレン
としては、ポリプロピレンホモポリマーに限ら
ず、プロピレンを主成分とする他のモノマーとの
ブロツクポリマー等があるが、そのメルトインデ
ツクス(M,I)が5〜70のものが好ましく、特
にM,Iが10〜40のものが好ましい。また前記ポ
リプロピレンのうちポリプロピレンホモポリマー
が特に好ましく、中でも結晶性の高いものが最も
好ましい。 有機充填剤としては、前記ポリプロピレンの溶
融下で該ポリプロピレンに均一に分散できかつ後
述するように抽出液に対して易溶性のものである
ことが必要である。このような充填剤としては、
流動パラフイン(数平均分子量100〜2000)、α−
オレフインオリゴマー[例えばエチレンオリゴマ
ー(数平均分子量100〜2000)プロピレンオリゴ
マー(数平均分子量100〜2000)、エチレン、−プ
ロピレンオリゴマー(数平均分子量100〜2000)
等]、パラフインワツクス(数平均分子量100〜
2500)、各種炭化水素等があり、好ましくは流動
パラフインである。 ポリプロピレンと前記有機充填剤との配合割合
は、ポリプロピレン100重量部に対して有機充填
剤が35〜170重量部、好ましくは80〜150重量部で
ある。すなわち有機充填剤が35重量部未満では、
得られる中空糸膜の一部がポリプロピレンの連続
相で構成されてしまい十分なガス透過能を示すこ
とができなくなり、一方、170重量部を越えると
粘度が低くなりすぎて中空状への成形加工性が低
下するからである。このような原料配合は、例え
ば二軸型押出機等の押出機を用いて所定の組成の
混合物を溶融混練し、押出したのち、ペレツト化
するこという前混練方法により原料を調整(設
計)する。 本発明において原料中に配合される結晶核形成
剤としては、融点が150℃以上、(好ましくは200
〜250℃)でかつゲル化点が使用するポリオレフ
インの結晶開始温度以上の有機耐熱性物質であ
る。このような結晶核形成剤を配合する理由は、
ポリプロピレン粒子を縮小し、これによつて粒子
間の空隙、すなわち連通孔を狭く、かつ孔密度を
高くすることにある。一例をあげると、例えば
1・3・2・4−ジベンジリデンソルビトール
1・3・2・4−ビス(p−メチルベンジリデ
ン)ソルビトール、1・3・2・4ビス(p−エ
チルベンジリデン)ソルビトール、ビス(4−t
−ブチルフエニル)リン酸ナトリウム、安息香酸
ナトリウム、アジピン酸、タルク、カオリン等が
結晶核形成剤としてあげられる。 結晶核形成剤としては、1・3・2・4−ジベ
ンジリデンソルビトート、1・3・2・4−ビス
(p−エチルベンジリデン)ソルビトール、1・
3・2・4ビス(p−メチルベンジリデン)ソル
ビトールが血液中への溶出が少なく好ましい。 ポリプロピレンと前記結晶核形成剤との配合割
合は、ポリプロピレン100重量部に対して結晶核
形成剤が0.1〜5重量部、好ましくは0.2〜1,0
重量部である。 このようにして調整された原料配合物をさらに
単軸押出機等の押出機を用いて、例えば160〜250
℃、好ましくは180〜220℃の温度で溶融して混練
し、必要ならば定量性の高いギアポンプを用い
て、紡糸装置の環状孔からガス雰囲気中に吐出さ
せて、中空状物を形成させる。なお前記環状孔の
内部中央部には、窒素、炭酸ガス、ヘリウム、ア
ルゴン、空気等の不活性ガスを自吸させてもよい
し、必要であればこれらの不活性ガスを強制的に
導入してもよい。続いて環状孔から吐出させた中
空状物を落下させ、ついで冷却槽内の冷却固化液
と接触させる。中空状物の落下距離は5〜1000mm
が好ましく、特に10〜500mmが好ましい。すなわ
ち落下距離が5mm未満の場合には、脈動を生じて
冷却固化液に前記中空状物が侵入する際に潰れる
ことがあるからである。この冷却槽内で前記中空
状物は未だ十分に固化しておらず、しかも中央部
は気体であるために外力により変形しやすいの
で、第1図に示すように、例えば冷却槽18の底
部に貫通して下方に向つて設けられた冷却固化液
流通管19内に前記固化液17を流下させ、その
流れに沿つて前記中空状物を並流接触させること
により前記中空状物を強制的に移動させ、かつ外
力(流体圧等)による中空状の変形は防止でき
る。このときの冷却固化液の流速は自然流下で充
分である。またこのときの冷却温度は10〜90℃、
好ましくは20〜75℃である。すなわち、10℃未満
では、冷却固化速度が速すぎて、肉厚部の大部分
が綴密層となるためにガス交換能が低くなつてし
まい、一方90℃を越えると中空状物の冷却固化が
十分でなく、冷却固化層内で中空状物が切らてし
まう虞れがあるためである。 本発明においては、冷却固化液として、使用さ
れた有機充填剤とは相溶せずかつ比熱容量が0.3
〜0.7cal/g、より好ましくは0.3〜0.6cal/gの
液体を用いる。このような冷却固化液としては具
体的には、例えば平均分子量が100〜400、より好
ましくは180〜330のポリエチレングリコール類等
が挙げられる。このように冷却固化液として、使
用された有機充填剤とは相溶せずかつ比熱容量が
0.3〜0.7cal/gの液体を用いるのは以下の理由に
よる。 すなわち、冷却固化液として前記有機充填剤を
溶解し得る液体、例えば有機充填剤として流動パ
ラフインを用いた際に、ハロゲン化炭化水素類を
用いると、冷却固化液中でポリプロピレンと前記
有機充填剤との相分離が進行している間に、前記
有機充填剤が溶解抽出されてしまい、中空状物の
内側から外側へ有機充填剤が移行し、該中空状物
が完全に冷却固化されたときには、該中空状物の
内表面近傍の前記有機充填剤の割合が低くなり、
前記有機充填剤をさらに完全に溶解抽出した後の
内表面における開孔率が低くなつてしまい、膜の
ガス交換能が低下してしまうということが推測さ
れる。さらにこの例では、該中空状物中のポリプ
ロピレンの低分子量成分までが抽出され、第1図
に示す冷却固化液流通管19の内壁に堆積付着
し、該冷却固化液流通管19の内径を小さくして
しまい、該中空状物の形状が変化してしまうとい
う次点が生じる虞れがある。また冷却固化液とし
前記有機充填剤と同一のものあるいはその類似化
合物、例えば有機充填剤として流動パラフインを
用いた際に、該流動パラフインと数平均分子量の
近似する流動パラフインを用いると、中空状物の
有機充填剤(流動パラフイン)が中空状物中で大
きく移行することなく所定の孔密度をもたせるこ
とができかつ比熱も大きすぎないので適切な冷却
速度でポリプロピレンの結晶化を促し安定した形
状が得られるが、その冷却過程において、有機充
填剤あるいは冷却固化液が、まだ完全に冷却固化
していない中空糸の最外表面に局在し、最外表面
のポリプロピレン組成分率が低くなり、このため
中空糸外表面の孔が大きく、かつ固相は粒子状ポ
リプロピレンがネツトワーク状に広がつた凹凸の
激しい表面性状となつてしまう。さらに冷却固化
液として、有機充填剤に対して相溶しない、不活
性な液体であつても比熱容量の大きいもの、例え
ば有機充填剤として、流動パラフインを用いた際
に、比熱容量が約1.0cal/gと大きな水を用いる
と、冷却効果が高いためにポリプロピレンが急冷
され、外表面は特に結晶化度の低い状態となる虞
れがある。このためポリプロピレンの微粒子が形
成されず、外表面の孔の小さいガス交換能の小さ
い中空糸膜がつくられてしまう虞れがある。逆に
比熱容量の小さいものでは充分な冷却効果が得ら
れず中空状物を糸として得ることができなくなる
虞れがある。 これに対して、冷却固化液として、前記有機充
填剤とは相溶せず、かつ比熱容量が0.3〜0.7cal/
gである溶液を用いれば、中空糸の外表面に有機
充填剤が局在することもなく、ポリプロピレンの
冷却速度も適当であり、外表面においても適度な
ポリプロピレン組成分率を有したまま結晶化が促
進されるので、外表面は中空糸膜内部と同様にポ
リプロピレンの微粒子が繊維軸方向に連なつてで
きたポリプロピレン塊が多数集まつて形成され、
平滑な表面性状を呈することになるためである。 冷却固化槽で冷却固化された中空状物は、変向
棒を介して抽出機等へ送られ、有機充填剤を溶解
抽出されると同時に中空状物表面に付着した冷却
固化液を溶解除去される。前記中空状物を抽出液
と接触させる方法としては、第1図に示すような
ベルトコンベア上の中空状物に抽出液のシヤワー
を降らせるシヤワー方式に限定されるものではな
く、抽出槽方式、一度捲き取つた中空状物を別の
カセに捲き戻す際に、抽出液にカセを浸す捲き戻
し方式等、中空状物が抽出液と接触することがで
きればいずれの方法であつてもよく、またこれら
の方法を二つ以上組合せることも可能である。 しかして本発明の製造方法においては、抽出液
として、中空糸膜を構成するポリプロピレンを溶
解せず、かつ前記有機充填剤および冷却固化液を
溶解する溶液を用いる。本発明の製造方法におい
て用いられる前記有機充填剤(一般に非極性)と
前記冷却固化液(一般に極性)は互いに相溶性を
有しない。このためaポリプロピレンを溶解せず
かつ前記有機充填剤を溶解する化合物は一般に前
記冷却固化液に対する溶解性に乏しく、一方、b
ポリプロピレンを溶解せずかつ前記冷却固化液を
溶解する化合物は一般に前記冷却固化液に対する
溶解性に乏しいため、単一化合物よりなる溶液と
して、本発明の製造方法において用いられる抽出
液に適当であるものはない。従つて、本発明の製
造方法においては、互いに相溶性を有するaポリ
プロピレンを溶解せずかつ前記有機充填剤を溶解
する化合物と、bポリプロピレンを溶解せずかつ
前記冷却固化液を溶解する化合物とを混合して得
られる混合物が抽出液として好ましく用いられ
る。特に該混合物がaの化合物とbの化合物の共
沸混合物であれば、再生使用が簡単であるため操
作上望ましいものとなるが、もちろんこれらに限
定されるものではない。抽出液として用いられる
該混合物においてaポリプロピレンを溶解せずか
つ前記有機充填剤を溶解する化合物と、bポリプ
ロピレンを溶解せずかつ前記冷却固化液を溶解す
る化合物との混合比としては、特に限定はない
が、中空状物と接触した際、有機充填剤を十分に
抽出除去して多孔質構造を形成する能力および中
空状物表面に付着した冷却固化液を溶解除去する
能力を具備するように、重量比で95:5〜80:
20、好ましくは92:8〜83:17、より好ましくは
90:10〜85:〜15程度とされる。本発明の製造方
法において有機充填剤として流動パラフインを、
また冷却固化液としてポリエチレングリコールを
用いた場合、ポリプロピレンを溶解せずかつ前記
有機充填剤を溶解する化合物として具体的には、
例えば1,1,2−トリクロロ−1,2,2−ト
リフルオロエタン、トリクロロフルオロメタン、
ジクロロフルオロメタン、1,1,2,2−テト
ラクロロ−1,2−ジフルオロエタン等の塩化弗
化炭化水素類などがあり、一方、bポリプロピレ
ンを溶解せずかつ前記冷却固化液を溶解する化合
物として具体的にはメタノール、エタノール、プ
ロパノール類、ブタノール類などのアルコール
類、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケ
トンなどのケトン類などがある。この場合におい
て、特にaの化合物としては、1,1,2−トリ
クロロ−1,2,2−トリフルオロエタンが、ま
たbの化合物としてはエタノールおよびアセトン
が好ましく、さらに該抽出液が1,1,2−トリ
クロロ、1,2,2−トリフルオロエタンとエタ
ノールとの共沸混合物あるいは、1,1,2−ト
リクロロ−1,2,2−トリフルオロエタンとア
セトンとの共沸混合物であるとより好ましいもの
となる。 このようにして得られる中空糸膜は、さらに必
要により熱処理が施される。熱処理は、空気、窒
素、炭酸ガス等のガス状雰囲気中で50〜160℃、
好ましくは70〜120℃の温度で5秒〜120分間、好
ましくは10秒〜60分間行なわれる。この熱処理に
より中空糸膜の構造安定化がなされ、寸法安定性
が高くなる。また、この場合、熱処理前または熱
処理時に延伸を行なつてもよい。 本発明の製造方法によつて得られる多孔質中空
糸膜は、その表面上に製造時に付着した冷却固化
液が残留している虞れがないので、このような残
留物の溶出による安全性の問題のないものであ
る。 またこの多孔質中空糸膜の微細構造は、以下に
述べるようなものである。 すなわち、その内表面側においては、固相は粒
子状ポリプロピレンが一部露出しつつ密に融和結
合、つまり溶融した後、冷却固化して形成された
連続相を呈する。また膜内部においては固相は多
数の粒子状ポリプロピレンによつて形成され、こ
の粒子状ポリプロピレンは円周方向においては方
向性をもたず無秩序に集まつているが繊維軸方向
においては連なつてポリプロピレン塊を形成して
おり、このポリプロピレン塊は、糸状ポリプロピ
レンによつて相互に結ばれている。従つて膜内部
においては、固相は粒子状ポリプロピレンが繊維
軸方向に連なつてきたポリプロピレン塊が多数集
まつて形成されているものと思われる。さらに外
表面においても、膜内部と同様に固相は粒子状ポ
リプロピレンが繊維軸方向に連なつてできたポリ
プロピレン塊が多数集まつて形成されている。し
かして、これらの固相間の間隙は、該中空糸の内
表面および外表面を含む肉厚部において、内表面
より外表面に至る経路が長く、かつ孔同志が直線
的でなく複雑に網目状につながつた3次元ネツト
ワーク状の連通孔を形成している。 このように
本発明の製造方法によつて得られた多孔質中空糸
膜においては、その内表面が粒子状ポリプロピレ
ンの一部が露出しつつ密に融和結合された連続相
とそれ以外の空孔部分からなり滑らかな表面性状
を有するために、人工肺において用いられ、中空
糸の内部に血液を流しても血球成分に損傷を与え
ることはなくまた圧力損失も高くならない。一
方、その外表面も粒子状ポリプロピレンが整然と
繊維軸方向に並んでできたポリプロピレン塊が多
数集まつて形成された固相とそれ以外の空孔部分
からなり滑らかな表面性状を有するために、人工
肺において用いられ中空糸の外側に血液を流して
も血球成分に損傷を与えることはなくまた圧力損
失も高くならない。さらに、人工肺用中空糸膜と
して用いられた際にガスの通路となる空孔部分
は、複雑に網目状につながつた3次元ネツトワー
ク状の連通孔であるために、血液を中空糸膜の内
側あるいは外側のいずれかに体外循環させても血
漿成分はこのように複雑に入り組んだ長い経路を
通過することができず、例えば30時間の体外循環
時間では血漿漏出は発生しないし、またガス交換
能の低下も実質的に認められない。 さらに本発明の製造方法によつて得られる多孔
質中空糸膜は、代表的に内径150〜300μm、より
好ましくは180〜250μm、肉厚10〜150μm、より
好ましくは20〜100μm、空孔率10〜60%、より好
ましくは30〜50%、内表面における開口率10〜30
%、さらに好ましくは12〜20%、酸素ガスフラツ
クス100〜1000/min・m2・atm、より好まし
くは300〜600/min・m2・atm、内表面の平均
空孔径0.1〜1.0μm、より好ましくは0.3〜0.6μmと
いう特性を有している。 従つて、本発明の製造方法によつて得られる多
孔質中空糸膜は、中空糸膜型人工肺に使用すると
最適である。 (実施例) 以下本発明を実施例に基づきより詳細に説明す
る。 実施例1および比較例1 メルトインデツクス(M.I)が23のプロピレン
ホモポリマー100重量部に対し、流動パラフイン
(数平均分子量324)および結晶核形成剤としての
1・3,2・4−ジベンジリデンソルビトール
0.5重量部を仕込み、二軸型押出機(池貝鉄工株
式会社、PCM−30−25)により溶融混練し、押
出したのちペレツト化した。このペレツトを第1
図に示すような装置、すなわち単軸型押出機(笠
松製作所、WO−30)を用いて180℃で溶解し、
芯径4mm、内径6mm、外径7mm、ランド長15mmの
環状紡糸孔15より、3.43g/minの吐出量で空
気中に吐出させ、中空状物16を落下させた。な
お落下距離は35mmであつた。続いて中空状物16
を冷却固化槽18内のポリエチレングリコールか
らなる冷却固化液17と接触させたのち、冷却固
化液流通管19内を自然流下する冷却固化液17
と並流接触させて冷却した。なおこのときの冷却
固化液を温度は50℃であつた。ついで前記中空状
物16を固化槽20内の冷却固化液内に導入した
のち変向棒21により変向させて捲速80m/min
のドライブロール22へ導き、連続してシヤワ
ー・コンベア方式の抽出機27において、第1表
に示す抽出液を用いて、前記流動パラフインおよ
び前記中空状物16の表面に付着した冷却固化液
17を除去し、ドライブロール22を経て100〜
110℃にて19秒の条件下で熱処理装置30を通り、
捲取器31にてボビン32に捲取つた。ボビン3
2に捲取られた中空糸は、捲戻し装置によつてか
せに捲戻され、約30cmのバンドル状の中空糸束を
得た。このようにして得られた中空糸膜について
形状(内径/肉厚)、空孔率、酸素ガスフラツク
スを計測し、また溶出物試験(pH、過マンガン
酸カリウム還元性物質)を行なつた。結果を第1
表に示す。 なお本明細書中における各用語の定義および測
定方法はつぎのとおりである。 形状(内径/肉厚) 得られた中空糸を任意に10本抜きとり、鋭利な
カミソリで0.5mm程度の長さに輪切りにする。万
能投影機(ニコンプロフアイルプロジエクターV
−12)でその断面を映し出し、計測器(ニコンデ
ジタルカウンターCM−68)でその外径d1、内径
d2を測定し、肉厚tをt=(d1−d2)/2により
算出し、10本の平均値とした。 空孔率(%) 得られた中空糸を約2gとり、鋭利なカミソリ
で5mm以下の長さに輪切りにする。得られた試料
を水銀ポロシメータ(カルロエルバ社65A型)に
て1000Kg/cm2まで圧力をかけ、全細孔量(単位重
さ当りの中空糸の細孔体積)より空孔率を得る。 酸素ガスフラツクス 得られた中空糸で、有効長14cm、膜面積0.025
m2のミニ・モジユールを作製し、片方の端を閉じ
た後、酸素で中空糸内部に1気圧の圧力をかけ、
定常状態になつたときの酸素ガスの流量を流量計
(草野理化学器機製作所製、フロートメータ)に
より読みとつた値とした。 溶出物試験 得られた中空糸を5〜10mmの長さにカミソリで
細断し、約1.5gを秤取、100倍量の蒸留水と共に
滅菌ビンに入れ、オートクレーブ中で120℃にて
20分間抽出し、試験液とする。 ΔpH 試験液および空試験液の各20mlにそれ
ぞれ塩化カリウム溶液(1→1000)1mlを加え、
日本薬局方のpH測定法により試験を行なう。 過マンガン酸カリウム還元性物質(ΔV) 試験液10mlを共栓三角フラスコにとり、0.01N
過マンガン酸カリウム液20mlおよび希硫酸1.0ml
を加え、3分間煮沸し、冷後、これにヨウ化カリ
ウム0.1gおよびデンプン試液5滴を加え、0.01N
チオ硫酸ナトリウム液で滴定する。別に試験液の
代わりに水10mlを用い、同様に操作するときの過
マンガン酸カリウム液の消費量の差を測る。
【表】 エタン

(発明の効果) 以上述べたように本発明は、ポリプロピレン、
該ポリプロピレン溶融下でポリプロピレンに均一
に分散し得る有機充填剤および結晶核形成剤を混
練し、このようにして得られる混練物を溶融状態
で環状紡糸孔から中空状に吐出させ、該中空状物
を前記有機充填剤とは相溶せずかつ比熱容量が
0.3〜0.7cal/gである冷却固化液と接触させて冷
却固化し、ついで冷却固化した中空状物を、ポリ
プロピレンを溶解せずかつ前記有機充填剤および
冷却固化液を溶解する抽出液と接触させて、前記
有機充填剤を抽出除去するとともに中空状物に付
着した前記冷却固化液を合せて除去することを特
徴とする多孔質中空糸膜の製造方法であるので、
冷却固化過程で中空状物に付着した冷却固化液が
充分に除去され、残留冷却固化液による溶出物の
問題がなく、医学的にも高い安全性が確立され、
またその膜構造特性においても、内外表面ともに
滑らかな表面性状を有しており中空糸膜の内側あ
るいは外側に血液を流すいずれのタイプの人工肺
に用いられても血球成分の損傷、圧力損失の増加
等を起こすことなく、また長期間の使用に際して
も血漿漏出がなくかつ高いガス交換能を示す、極
めて優れた中空糸多孔質膜を提供できるものであ
る。さらに本発明の多孔質中空糸膜の製造方法に
おいて、冷却固化液としてポリエチレングリコー
ル、より好ましくは平均分子量100〜400のポリエ
チレングリコールを用い、また有機充填剤として
流動パラフインを用い、またポリプロピレン100
重量部に対する有機充填剤の配合量が35〜150重
量部であり、抽出液が塩化弗化炭化水素とアルコ
ールまたはケトンとの混合物、より好ましくは
1,1,2−トリクロロ−1,2,2−トリフル
オロエタンとエタノールまたはアセトンとの共沸
混合物であり、さらに結晶核形成剤は融点が150
℃以上でかつゲル化点が使用するポリプロピレン
の結晶開始温度以上の有機耐熱性物質であり、ポ
リプロピレン100重量部に対する結晶核形成剤の
配合量が0.1〜5重量部であると、得られる多孔
質中空糸膜の膜性能はより優れたものとなりかつ
安全性の面においてもより優れたものとなる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明による多孔質中空糸膜の製造
方法に使用される装置の概略断面図である。 10……ギアポンプ、11……原料配合物、1
2……ホツパー、13……単軸押出機、14……
紡糸装置、15……環状紡糸孔、16……中空状
物、17……冷却固化液、18……冷却槽、19
……冷却固化液流通管、20……固化槽、21…
…変向棒、22……ドライブロール、23……循
環ライン、24……循環ポンプ、25……抽出
液、26……ベルトコンベア、27……シヤワ
ー・コンベア式抽出機、28……ヒーター、29
……ロール、30……熱処理装置、31……巻取
器、32……ボビン。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 ポリプロピレン、該ポリプロピレン溶融下で
    ポリプロピレンに均一に分散し得る有機充填剤お
    よび結晶核形成剤を混練し、このようにして得ら
    れる混練物を溶融状態で環状紡糸孔から中空状に
    吐出させ、該中空状物を前記有機充填剤とは相溶
    せずかつ比熱容量が0.3〜0.7cal/gである冷却固
    化液と接触させて冷却固化し、ついで冷却固化し
    た中空状物を、ポリプロピレンを溶解せずかつ前
    記有機充填剤および冷却固化液を溶解する抽出液
    と接触させて、前記有機充填剤を抽出除去すると
    ともに中空状物に付着した前記冷却固化液を合せ
    て除去することを特徴とする多孔質中空糸膜の製
    造方法。 2 冷却固化液としてポリエチレングリコールを
    用いるものである特許請求の範囲第1項に記載の
    多孔質中空糸膜の製造方法。 3 ポリエチレングリコールが平均分子量10〜
    400のものである特許請求の範囲第2項に記載の
    多孔質中空糸膜の製造方法。 4 有機充填剤として流動パラフインを用いるも
    のである特許請求の範囲第1項〜第3項のいずれ
    かに記載の多孔質中空糸膜の製造方法。 5 ポリプロピレン100重量部に対する有機充填
    剤の配合量が35〜150重量部である特許請求の範
    囲第1項〜第4項のいずれかに記載の多孔質中空
    糸膜の製造方法。 6 抽出液が塩化弗化炭化水素とアルコールまた
    はケトンとの混合物である特許請求の範囲第1項
    〜第5項のいずれかに記載の多孔質中空糸膜の製
    造方法。 7 抽出液が、1,1,2−トリクロロ−1,
    2,2−トリフルオロエタンとエタノールとの共
    沸混合物である特許請求の範囲第6項に記載の多
    孔質中空糸膜の製造方法。 8 抽出液が1,1,2−トリクロロ−1,2,
    2−トリフルオロエタンとアセトンとの共沸混合
    物である特許請求の範囲第6項に記載の多孔質中
    空糸膜の製造方法。 9 結晶核形成剤は融点が150℃以上でかつゲル
    化点が使用するポリプロピレンの結晶開始温度以
    上の有機耐熱性物質である特許請求の範囲第1項
    〜第8項のいずれかに記載の多孔質中空糸膜の製
    造方法。 10 ポリプロピレン100重量部に対する結晶核
    形成剤の配合量が0.1〜5重量部である特許請求
    の範囲第1項〜第9項のいずれかに記載の多孔質
    中空糸膜の製造方法。
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