JPH05214277A - 電着塗料用樹脂組成物 - Google Patents

電着塗料用樹脂組成物

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JPH05214277A
JPH05214277A JP1922692A JP1922692A JPH05214277A JP H05214277 A JPH05214277 A JP H05214277A JP 1922692 A JP1922692 A JP 1922692A JP 1922692 A JP1922692 A JP 1922692A JP H05214277 A JPH05214277 A JP H05214277A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、耐久性を有する電着塗料用樹脂組
成物を提供することにある。 【構成】 (A)主鎖にポリシロキサン残基を有し、か
つ側鎖に酸残基を有するブロック共重合体と(B)側鎖
にポリシロキサン残基および酸残基を有するグラフト共
重合体の両成分を水分散体として含有する電着塗料用樹
脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は耐久性を有する艶消し電
着塗料用樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より電着塗膜表面を艶消しにする方
法としては種々の方法が提案されている。例えば電着塗
料中に無機質透明顔料を混合せしめ、塗料用樹脂と無機
質透明顔料を電着塗装により同時に被塗面に析出させ、
艶消しにする方法。アミノ樹脂硬化型アニオン性電着塗
料にスルホン酸基、硫酸エステル基を有する有機酸を含
有させ、電着塗装をすることにより艶消しにする方法
(特開昭52−137444号公報、同52−1374
45号公報、同52−137446号公報、同56−1
06977号公報、特開平3−139574号公報)。
そして塗料用樹脂に不飽和アルコキシシラン化合物を共
重合させ、アミノ樹脂硬化型とする方法(特公昭62−
24519号公報、特開平2−255871号公報、同
3−160074号公報)などが提案されている。
【0003】しかしながら、上記方法のうち、無機質透
明顔料を添加する方法は電着塗料浴槽中で無機質透明顔
料の比重差が大きいため、均一化のために浴槽の撹拌が
不可欠となるなど工程管理が困難となり、艶消し度の安
定化が計り難い。また、アミノ樹脂硬化型アニオン性電
着塗料に有機酸を添加させる方法では塗料用樹脂と酸と
の間に電気泳動速度および析出特性などの差が生じ、電
着塗料浴槽中の工程管理が困難となる。さらに、電着塗
料用樹脂成分に不飽和アルコキシシラン化合物を共重合
したものは、上記の問題はないが、アルコキシシランの
加水分解に端を発した化学反応のため立体的なシロキサ
ン結合がアミノ樹脂を含む電着塗料用樹脂粒子内で起こ
る現象を利用して塗膜を微細な粗面とし、光の乱反射に
よる艶消し効果を狙ったものであるが、ゲル含有の経日
変化などのため、たえず一定した粗面が得られにくく、
艶消し度の管理が問題となっている。
【0004】上記の問題点を解決するものとして、本発
明者らは、先に主鎖にポリシロキサン残基を含有し、か
つ側鎖にカルボキシル基を含有するブロック共重合体の
水分散体を主成分とする電着塗料を提案した(特願平3
−338498号,特願平3−346384号)。さら
にまた本発明者らは、先にポリシロキサン残基およびカ
ルボキシル基を側鎖に含有するグラフト共重合体の水分
散体を主成分とする電着塗料を提案した(特願平4−1
3346号)。これらの電着塗料は耐久性が優れている
上に艶消し性能も大きいが、両性能の可変範囲の比較的
狭いのが欠点である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】電着方式によって艶消
し塗装加工を行う際には、単に艶消し度合いだけでな
く、耐候性、塗装面のザラツキや乳白度、さらには密着
性、硬度など他にも重要な評価項目があり、これらは電
着塗料を構成する合成樹脂の組成・構造に大きく影響さ
れる。前記従来技術の中で最も進んだ位置にあるポリシ
ロキサン残基含有ブロック共重合体、あるいはグラフト
共重合体の場合でも、それぞれ単独では上記多項目にわ
たる要求事項全てに対していつでも満足すべき結果を提
供できるわけではない。従って、本発明は、上記したよ
うな問題を解決し、なるべく広汎な要求性能に対して幅
広く対処しうる電着塗料用樹脂組成物を提供することを
目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明によって上記目的
を達成しうる電着塗料用樹脂組成物が提供される。
【0007】すなわち、本発明は、(A)主鎖にポリシ
ロキサン残基を含有し、かつ側鎖に酸残基を含有するブ
ロック共重合体と(B)側鎖にポリシロキサン残基およ
び酸残基を含有するグラフト共重合体の両成分を水分散
体として含有することを特徴とする電着塗料用樹脂組成
物に関する。
【0008】本発明の電着塗料用樹脂組成物を調整する
ために用いる(A)成分の主鎖にポリシロキサン残基を含
有し、かつ側鎖に酸残基を含有するブロック共重合体
は、例えば特願平3−338498号あるいは同3−3
46384号にある如く、アゾ基とポリシロキサン残基
とを線状に結合した化合物の存在下にカルボキシル(−
COOH)、硫酸(−OSO3H)、スルホン酸(−SO
3H)、燐酸(−OPO32)などの酸残基(以下、単に
酸残基という)を含む重合性不飽和単量体およびこれと
共重合可能な重合性不飽和単量体を親水性溶剤中でラジ
カル重合開始剤の存在下、重合することによって得られ
る。従って、本発明でいう酸残基とはカルボキシル基、
硫酸基、スルホン酸基、燐酸基を意味する。
【0009】アゾ基とポリシロキサン残基とを線状に結
合した化合物としては、例えば次の一般式〔I〕または
一般式〔II〕で表されるものがあげられる。
【化1】 (式中、mは0または1〜200の数であり、nは1〜
130の数である)または
【化2】 (式中、mは0または1〜200の数であり、nは1〜
240の数である)
【0010】酸残基含有重合性不飽和単量体およびこれ
と共重合可能な重合性不飽和単量体、さらには反応溶媒
として用いる親水性溶剤は、後述の(B)成分のグラフ
ト共重合体の項で記載するものと同一物を用いることが
でき、また、ブロック共重合体の製造方法も同様に行う
ことができる。
【0011】また、本発明の電着塗料用樹脂組成物を調
整するために用いる(B)成分の側鎖にポリシロキサン
残基および酸残基を含有するグラフト共重合体は不飽和
ポリシロキサン化合物と酸残基を含有する重合性不飽和
酸単量体(a)と、これらと共重合可能な重合性不飽和単
量体(b)とを上記(A)成分の合成と同じく親水性溶剤中
でラジカル重合開始剤の存在下に、重合することによっ
て得られる。(B)成分のグラフト共重合体は例えば次
のようにして合成される。側鎖にポリシロキサン残基を
与える成分は、一般式〔III〕
【化3】 〔式中、R1は水素またはメチル基、R2は(CH2)l(但
し、lは0または1〜6の整数)を示し、R3は同一ま
たは異なって、低級アルキル基、R4は同一または異な
って、ハロゲン原子置換もしくは非置換のアルキル基ま
たはフェニル基、Aはエステルまたはアミド結合を示
し、nは17〜270である〕で表される不飽和ポリシ
ロキサン化合物であって、低級アルキル基とは、例えば
メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、Te
rt−ブチル、ペンチル、ヘキシル基などの炭素数1〜6
の直鎖または分枝状のアルキル基があげられる。また、
ハロゲン原子置換のアルキル基としては、上記アルキル
基がハロゲン化されたもの、例えばクロロメチル、ブロ
モメチル、トリフルオロメチル、2−クロロエチル、3
−クロロプロピル、3−ブロモプロピル、3,3,3−
トリフルオロプロピル、1,1,1,2−テトラヒドロ
パーフルオロオクチル基があげられる。ハロゲン原子と
しては、弗素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子があ
げられる。不飽和ポリシロキサン化合物の使用量は2〜
30重量%であって、使用量が2重量%未満では該化合
物の共重合による艶消し効果がほとんどなく、逆に30
重量%を越えると、(a)成分,(b)成分との共重合が困
難になるのみならず、非経済的である。なお、不飽和ポ
リシロキサン化合物の分子量は1,500〜20,000
で、好ましくは2,000〜15,000である。分子量
が1,500未満では艶消し効果がほとんどなく、逆に
20,000を越えると共重合が困難となる。
【0012】側鎖に酸残基を与える(a)成分は、生成
した(B)成分のグラフト共重合体の水性化および電着
塗装工程上必要であることはいうまでもない。使用でき
る(a)成分の具体例としては、(メタ)アクリル酸、
マレイン酸、フマール酸、イタコン酸などがあげられ、
これらは単独もしくは併用して用いることができる。ま
た使用可能な(a)成分にはアシッドホスホオキシエチ
ル(メタ)アクリレート、アシッドホスホオキシプロプ
ル(メタ)アクリレート、アシッドホスホオキシポリオ
キシエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ア
シッドホスホオキシポリオキシプロピレングリコールモ
ノ(メタ)アクリレートのような不飽和有機燐酸;ビニ
ルスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパ
ンスルホン酸、P−スチレンスルホン酸のような不飽和
有機スルホン酸なども使用可能であるが、特に(メタ)
アクリル酸が好適である。(a)成分の使用量は共重合
の相手となる単量体の性質および反応条件により異なる
が、通常は酸価で15〜150で、好ましくは20〜1
00である。
【0013】(B)成分のグラフト共重合体の製造に用い
る(b)成分の具体例としては、1〜8個の炭素原子を有
する(メタ)アクリル酸エステル、例えば(メタ)アクリル
酸メチル、エチル、イソプロピル、n−ブチル、イソブ
チル、2−エチルヘキシル、2−ヒドロキシエチル、ヒ
ドロキシプロピル;1〜12個の炭素原子を有するアル
カンモノカルボン酸のビニルエステル、例えば酢酸ビニ
ル、プロピオン酸ビニル、ビニル−n−ブチレート、ビ
ニルバーサテート;不飽和アミドまたはイミド、例えば
(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミ
ド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−メチ
ロール(メタ)アクリルアミド、アルコキシメチル(メタ)
アクリルアミド、例えばN−ブトキシメチル(メタ)アク
リルアミド、マレイン酸イミド、マレイン酸ジアミド;
ビニル芳香族モノマー、例えばスチレン、P−メチルス
チレンなどがあげられる。なお、一般にラジカル重合性
を有する単量体であれば、何れのものも本発明の単量体
として使用可能であり、塩化ビニル、塩化ビニリデン、
弗化ビニリデンなどのハロゲン含有ビニル化合物;エチ
レン、1,3−ブタジエンなどのモノまたはジオレフィ
ン類;α,β−オレフィン性不飽和酸、例えばマレイン
酸、フマル酸などのエステル;その他(メタ)アクリロニ
トリルなどがあげられる。これらの単量体は単独または
併用できる。なお、上述した(a)成分と(b)成分の使用
量は合計70〜98重量%である。
【0014】また、グラフト共重合体に用いる親水性溶
剤の具体例としては、1〜4個の炭素原子を有するモノ
アルコール、例えばメチルアルコール、エチルアルコー
ル、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、
イソブチルアルコールおよびt−ブチルアルコール;エ
チレングリコールおよびその誘導体、例えばエチレング
リコールのモノメチルエーテル、モノメチルエーテルア
セテート、モノエチルエーテル、ジエチルエーテル、モ
ノエチルエーテルアセテート、モノイソプロピルエーテ
ル、モノブチルエーテル、ジエチルエーテル、モノエチ
ルエーテルアセテート、モノイソプロピルエーテル、モ
ノブチルエーテルアセテート;ジエチレングリコールお
よびその誘導体、例えばジエチレングリコールのモノメ
チルエーテル、モノエチルエーテル、モノエチルエーテ
ルアセテート、モノ−n−ブチルエーテル、モノ−t−
ブチルエーテル、ジメチルエーテル、メチルエチルエー
テル、ジエチルエーテルモノアセテート;トリエチレン
グリコールおよびその誘導体、例えばトリエチレングリ
コールのモノメチルエーテル、モノエチルエーテル;プ
ロピレングリコールおよびその誘導体、例えばプロピレ
ングリコールのモノメチルエーテル、モノエチルエーテ
ル、モノ−n−ブチルエーテル、モノ−t−ブチルエー
テル、メチルエーテルアセテート;ジプロピレングリコ
ールおよびその誘導体、例えばジプロピレングリコール
のモノメチルエーテル、モノエチルエーテル;トリプロ
ピレングリコールおよびその誘導体、例えばトリプロピ
レングリコールのモノメチルエーテル;グリセリンおよ
びその誘導体、例えばグリセリンのモノアセテート;ト
リメチレングリコールおよびその誘導体、例えば1−ブ
トキシ−エトキシプロパノール、3,3−ジメチル−3
−メトキシプロパノール;ブタンジオールおよびその誘
導体、例えば3−メトキシブタノール、3−メチル−3
−メトキシブタノール、3−メトキシブチルアセテー
ト、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、3−
メチル−1,3−ブタンジオール;アセチレングリコー
ル誘導体、例えば2,4,7,9−テトラメチル−5−デ
シン−4,7−ジオールおよびそのエチレンオキサイド
付加物、2,6−ジメチル−4−オクチン−3,6−ジ
オール;その他ジオキサン、1,5−ペンタンジオー
ル、ヘキシレングリコール、トリメチロールプロパン、
1,2,6−ヘキサントリオールおよび低分子量ポリエ
チレングリコールなどがあげられるが、一般にエチレン
グリコールまたはプロピレングリコールのモノアルキル
エーテルおよびそれらと炭素数4以下のモノアルコール
との併用が好適である。なお、これらの溶剤は単独また
は併用できる。
【0015】グラフト共重合反応に用いる重合開始剤
は、パーオキサイド系および/またはアゾ系のラジカル
重合開始剤でよく、具体的にはパーオキサイド系、例え
ばメチルエチルケトンパーオキサイド、メチルイソブチ
ルケトンパーオキサイドなどのケトンパーオキサイド;
ラウロイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイ
ド、p−クロロベンゾイルパーオキサイドなどのジアシ
ルパーオキサイド;2,4,4−トリメチルペンチル−
2−ハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキ
サイド、t−ブチルハイドロパーオキサイドなどのハイ
ドロパーオキサイド;ジクミルパーオキサイド、ジ−t
−ブチルパーオキサイドなどのジアルキルパーオキサイ
ド;ブチル−4,4−ジ(t−ブチルパーオキシ)ペント
エート、エチル−3,3−ジ(t−アミルパーオキシ)ブ
チレートなどのパーオキシケタール;アルキルパーエス
テル;パーカーボネートなどがあげられる。アゾ系では
例えば2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、1,1′
−アゾビス(シクロヘキサン−1−カーボニトリル)な
どのアゾニトリル;2,2′−アゾビス(2−アミジノ
プロパン)ジハイドロクロライド、2,2′アゾビス
〔2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン〕など
のアゾアミジンなどがあげられる。なお、これらの重合
開始剤に有機アミン系などの還元剤を併用してレドック
ス系にしても良い。
【0016】(B)成分のグラフト共重合体の製造方法は
一般に行われている溶液重合であるため、公知の方法が
採用できる。即ち、上記3成分と親水性溶剤の仕込方法
は、一括仕込、または分割仕込のどちらでもよく、通常
反応温度は60〜140℃で、反応時間は4〜12時間
程度行われる。なお、必要に応じてオクチルメルカプタ
ン、ラウリルメルカプタン、β−メルカプトプロピオン
酸、チオグリコール酸オクチルなどの各種連鎖移動剤を
分子量調節のために用いることもできる。
【0017】上述の如くにして得られた(A)成分のブロ
ック共重合体と(B)成分のグラフト共重合体とを所望の
割合で混合し、水分散体とするには、それら混合物にア
ンモニア、アミン類などの塩基を加え上記(A)成分およ
び(B)成分の共重合体中の酸残基を中和し、しかる後こ
れに水を加え撹拌することによってなされる。また、水
分散体とする他の方法としては、(A)成分のブロック
共重合体と(B)成分のグラフト共重合体をそれぞれ個
別にアンモニア、アミン類などの塩基を加えることによ
って共重合体中の酸残基を中和し、しかる後に水を加え
て撹拌して水分散体とし、それぞれの水分散体を混合し
てもよい。(A)成分のブロック共重合体と(B)成分
のグラフト共重合体の混合割合には特に制限はないが、
通常は(A)成分95〜5重量%と(B)成分5〜95
重量%の範囲で使用することができる。
【0018】アミン類としては、ジエチルアミン、トリ
エチルアミン、ジイソプロピルアミン、トリメチルアミ
ンなどのアルキルアミン;モノエタノールアミン、ジエ
タノールアミン、トリエタノールアミンなどのアルカノ
ールアミン;ジエチルアミノエタノールの如きアルキル
アルカノールアミンなどがあげられ、その使用量は上記
共重合体中の酸残基に対し通常0.5〜0.95(モル
比)である。
【0019】かくしてえられた(A)成分および(B)成分
の共重合体の水分散体は、そのままでも電着塗料となり
うるが、普通には熱硬化性のアミノ樹脂が配合される。
すなわち、メラミン、尿素、ベンゾグアナミンなどとホ
ルマリンとの初期縮合物、ないしはそれらの炭素数4以
下の脂肪族アルコールによるアルキルエーテル化物がア
ミノ樹脂として配合され、塗膜を強靭にすることができ
る。アミノ樹脂の添加時期は水分散体化する以前でもよ
く、またその後でも良い。また添加量は上記共重合体に
対し重量比で1/9〜7/3の範囲である。
【0020】なお、上記水分散体からメラミン樹脂など
を加えて電着塗料として仕上げるまでの操作は、上記ブ
ロック共重合体およびグラフト共重合体についてそれぞ
れ単独に行い、しかる後これを混合することによっても
達成される。
【0021】
【実施例】以下、実施例および比較例をあげて本発明を
さらに詳細に説明する。なお、製造例、実施例および比
較例中の「部」は、特に断りのない限り「重量部」であ
る。
【0022】製造例1 温度計、撹拌機、還流冷却器および塩化カルシウム管の
付いた四つ口フラスコに、一般式〔IV〕
【化4】 〔式中、Dは(CH2lまたは−(CH2)3OCH2CH2
−、EはNH2またはOHを示し、R2は同一または異な
って低級アルキル基を示し、R3は同一または異なっ
て、ハロゲン原子置換もしくは非置換のアルキル基また
はフェニル基を示す。lは同一または異なって0または
1〜6の整数を示し、mは0または1〜200の整数を
示す〕で表される、分子量が4,600の分子両末端に
アミノ基を有するポリジメチルシロキサン(一般式〔I
V〕において、R2およびR3がメチル基、Eは−NH2
Dは−(CH23−、mが平均60である信越化学工業
(株)製、X−22−161C)100部、トリエチル
アミン4.38部およびクロロホルム86.8部を仕込
み、充分撹拌した。次いで氷冷下に4,4′−アゾビス
(4−シアノペンタン酸クロライド)6.89部とクロ
ロホルム86.8部からなる溶液を40分かけて滴下し
た。滴下終了後、室温で2時間反応してから、クロロホ
ルム50部を追加して希釈し、水洗によりトリエチルア
ミン塩酸塩などの水溶性成分を除去してから減圧乾燥し
た。
【0023】得られたアゾ基含有ポリジメチルシロキサ
ンアミドの数平均分子量は、GPC分析より29,00
0であった。また、DSC(示差走査熱量計)より求め
たアゾ基の分解温度は93.6℃で、その分解エンタル
ピーは−39.3mJ/mgであったが、140℃,5時間
熱処理後の熱収支は現れなかった。
【0024】撹拌機、熱交換器および温度計を備えた1
000mlの四つ口フラスコに、上で得られたアゾ基含有
ポリジメチルシロキサン化合物10部、エチレングリコ
ールモノメチルエーテル20部、アクリル酸ブチル35
部、メタクリル酸メチル35部、メタクリル酸2−ヒド
ロキシエチル10部、メタクリル酸10部を仕込、撹拌
下約100℃の温度で7時間溶液重合を行った後、エチ
レングリコールモノメチルエーテル21.5部を添加し
た。次いで反応物溶液の温度を60℃まで冷却し、トリ
エチルアミン9.4部で中和した。
【0025】次に、硬化剤としてアルコキシメチルメラ
ミン樹脂(ニカラックMX−40:(株)三和ケミカル
製)40部とエチレングリコールモノエチルエーテル1
0部よりなる溶液を添加後、脱イオン水260部を徐々
に添加して水性化し、安定な微粒子分散体を得た。
【0026】得られた水分散体の性質は、次に示す通り
であった。固形分濃度29.9%,重合率98.8%,
粘度250cp(於30℃),pH8.3,平均粒子径2
60μm。
【0027】製造例2 撹拌機、熱交換器および温度計を備えた500mlの四つ
口フラスコに、エチレングリコールモノメチルエーテル
26部、アクリル酸ブチル35部、メタクリル酸メチル
35部、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル10部、メ
タクリル酸10部およびサイラプレーンFM−0725
(一般式〔III〕のR1,R3,R4はメチル基、R2はプ
ロピレン基、Aはエステル結合およびnは約131(分
子量約10,000)で表されるメタクリロイロキシプ
ロピルポリジメチルシロキサン:チッソ(株)製)10部
を仕込み、撹拌下にアゾビスイソブチロニトリル0.7
部を溶解後に加温する。加温により溶液温度が80℃付
近になると急激に反応するため、冷却した。約90℃で
反応2時間後、および4時間後にアゾビスイソブチロニ
トリル0.5部を含むエチレングリコールモノメチルエ
ーテル溶液15.5部を、それぞれ半量づつ添加した。
さらに2時間反応を行った後に60℃まで冷却し、トリ
エチルアミン9.4部で中和した。
【0028】次に、硬化剤としてアルコキシメチルメラ
ミン樹脂(ニカラックMX−40:(株)三和ケミカル
製)40部とエチレングリコールモノエチルエーテル1
0部よりなる溶液を添加後、脱イオン水260部を徐々
に添加して水性化し、安定な微粒子分散体を得た。
【0029】得られた水分散体の性質は次に示す通りで
あった。固形分濃度30.1%,重合率99.2%,粘度
2,700cp(於30℃),pH8.0,数平均分子量2
9,000,平均粒子径310μm。
【0030】実施例1 製造例1で得た主鎖にポリシロキサン残基を含有し、か
つ側鎖にカルボキシル基を含有するブロック共重合体を
主成分とする電着塗料と、製造例2で得た側鎖にポリシ
ロキサン残基およびカルボキシル基を含有する電着塗料
とを両共重合体が重量比で9:1になるように混合し、
これを電着塗料として次の条件でアルミニウム板に艶消
し電着塗装し、その性能評価を行った。結果を表1に示
した。 イ)アルミニウム板: JIS H4000(A1050P) 1.5×35×70mm ロ)陽極酸化: ・10%NaOH水溶液に2分/60℃浸漬後、脱イオ
ン水洗浄 ・15%HNO3 水溶液に30秒/25℃浸漬後、脱イ
オン水洗浄 ・15%H2SO4水溶液に電流量1A/dm2 で30分/
30℃通電後、脱イオン水洗浄 ハ)電着塗装: 電圧150V,2分/25℃,電極間距離150mm ニ)膜厚: 膜厚計(イソスコープMP2,ヘルムトフィッシャー社
製)を用いて測定 ホ)平滑性: 塗装後の塗膜の外観を肉眼観察し、外観、凹凸、ピンホ
ールを調べた。 ヘ)付着性: 塗面に1mm間隔のゴバン目(10×10)を入れ、セロ
ハンテープを貼り付けた後に剥離し、残った塗膜の数で
評価 ト)光沢: 光沢計〔デジタル変角光沢計UGV−5D,スガ試験機
(株)社製〕を用いて60度鏡面光沢を測定 チ)耐候性: サンシャインウェザオメーター1000時間後の光沢保
持率(%) リ)鉛筆硬度: 「三菱ユニ」〔三菱鉛筆(株)製品〕を用いて塗膜に傷
が付くまでの硬度で評価 ヌ)耐アルカリ性: 5%NaCO3 水溶液に塗膜を24時間/20℃浸漬後
の状態を観察 ル)耐酸性: 5%H2SO4水溶液に塗膜を24時間/20℃浸漬後の
状態を観察 ヲ)つき廻り性: アルミニウム板を陰極に、陽極酸化処理したアルミ板5
板を5cm間隔で陽極に接続。陰極と最も近い陽極板距離
は5cm。電圧200V,2分/25℃
【0031】比較例1 製造例1で得たブロック共重合体を主成分とする電着塗
料のみを用いる他は、実施例1と同様にして電着塗装を
行い、塗面の諸性質を調べた。結果は表1のとおりであ
った。
【0032】比較例2 製造例2で得たグラフト共重合体を主成分とする電着塗
料のみを用いる他は、実施例1と同様にして電着塗装を
行い、塗面の諸性質を調べた。結果は表1のとおりであ
った。
【0033】
【表1】
【0034】結果は表1に示す如く、混合による優れた
効果が示された。即ち、ブロック共重合体を主成分とす
る製造例1で得た電着塗料のみを用いた場合(比較例
1)に見られた塗面のざらつきが消え、またグラフト共
重合体を主成分とする製造例2で得た電着塗料のみを用
いた場合(比較例2)に見られたつき廻りの悪さと艶消
し効果および耐候性不足が共に解消され、両成分の混合
がそれぞれ単独使用の場合に見られた欠点を克服するの
に有効であることが示された。
【0035】製造例3 アゾ基含有ポリジメチルシロキサン化合物の使用量を2
部に減少し、減少分8部をメタクリル酸メチル40:ア
クリル酸ブチル40:メタクリル酸10:メタクリル酸
−2−ヒドロキシエチル10の割合で混合したもので増
量すること以外、製造例1と同様にして電着塗料を得
た。その性状は次のようであった。固形分濃度29.6
%,重合率97.8%,粘度940cp(30℃),pH8.
2,数平均分子量28,000(但し、上記ブロック共
重合体のみの値)、粒子径223μm。
【0036】製造例4 サイラプレーンFM−0725を4部に減少し、減少分
6部をメタクリル酸メチル30:アクリル酸ブチル3
0:メタクリル酸10:メタクリル酸2−ヒドロキシエ
チル10の割合で混合したもので増量する以外は製造例
2と同様にして電着塗料を得た。その性状は次の通りで
あった。固形分濃度30.0%,重合率99.0%,粘度
(30℃)1,400cp,pH8.2,粒子径257μm、
数平均分子量32,000(但し、上記グラフト共重合
体のみ)。
【0037】実施例2 製造例3で得た主鎖にポリシロキサン残基を含有し、か
つ側鎖にカルボキシル基を含有するブロック共重合体を
主成分とする電着塗料と製造例2で得た側鎖にポリシロ
キサン残基およびカルボキル基を含有する電着塗料とを
両共重合体を重合比で8:2になるように混合し、これ
を用いる他は実施例1と同様にして電着塗装を行った。
結果を表2に示した。
【0038】比較例3 製造例3で得た電着塗料のみを用いる他は実施例2と同
様にして電着塗装を行い、塗面の性能を評価した。結果
は表2の通りであった。
【0039】比較例4 製造例4のみを用いる他は実施例2と同様にして電着塗
装を行い、塗面の性能を評価した。結果は表2の通りで
あった。
【0040】
【表2】
【0041】結果は表2に示す如く、混合によるプラス
効果が示された。即ち半艶塗面(光沢30%)を得るの
に上記混合系を用いるとブロック共重合体を主成分とす
る製造例3で得た電着塗料のみを用いた場合(比較例
3)に見られた耐候性の不足が大幅に向上し、またグラ
フト共重合体を主成分とする製造例4で得た電着塗料の
みを用いた場合(比較例4)に見られた膜厚不足から来
る湿潤時付着性不足、および耐候性不足が解消してい
る。
【0042】
【発明の効果】本発明の樹脂組成物は、耐久性を有する
艶消し電着塗料用として有用である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)主鎖にポリシロキサン残基を含有
    し、かつ側鎖に酸残基を含有するブロック共重合体と
    (B)側鎖にポリシロキサン残基および酸残基を含有す
    るグラフト共重合体の両成分を水分散体として含有する
    ことを特徴とする電着塗料用樹脂組成物。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4820021A (en) * 1984-03-19 1989-04-11 Asahi Kasei Kogyo Kabushiki Kaisha Light-shielding screen and a process for producing the same
JP2000109697A (ja) * 1998-10-02 2000-04-18 Nof Corp 水分散性シリコーン組成物およびこれを用いた高分子材料用表面改質剤

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US4820021A (en) * 1984-03-19 1989-04-11 Asahi Kasei Kogyo Kabushiki Kaisha Light-shielding screen and a process for producing the same
JP2000109697A (ja) * 1998-10-02 2000-04-18 Nof Corp 水分散性シリコーン組成物およびこれを用いた高分子材料用表面改質剤

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