JPH05214082A - (r)−3−ヒドロキシアルカン酸ユニットを有する生分解性光学活性ポリマー、その中間体オリゴマー、およびそれらの製造方法 - Google Patents

(r)−3−ヒドロキシアルカン酸ユニットを有する生分解性光学活性ポリマー、その中間体オリゴマー、およびそれらの製造方法

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JPH05214082A
JPH05214082A JP5440492A JP5440492A JPH05214082A JP H05214082 A JPH05214082 A JP H05214082A JP 5440492 A JP5440492 A JP 5440492A JP 5440492 A JP5440492 A JP 5440492A JP H05214082 A JPH05214082 A JP H05214082A
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善樹 桶田
Yasushi Hori
容嗣 堀
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 (R)−3−ヒドロキシアルカン酸アルキル
エステルとジイソシアン酸エステル類、ジカルボン酸誘
導体又はジクロルシラン類1種以上とを重縮合して得ら
れる式(I) 【化1】 (R1 、R2 は低級アルキル基、Xはジイソシアン酸エ
ステル類、ジカルボン酸誘導体又はジクロルシラン類か
ら誘導されるユニット、m,nは0〜20)で示される
光学活性オリゴマー、その製造法、前記オリゴマーとジ
オール、ジアミン又はアミノアルコールとの共重合によ
り得られる式(II) 【化2】 (R3 はC2〜14のアルキレン、アルケニレン、アル
キニレン、C4〜30のオキシアルキレン、キシリレ
ン、Y1 及びY2 はO又はNH、R1 、X、m、nは前
記と同じ)で示される光学活性ポリマー及びその製造
法。 【効果】 生分解性、加水分解性の新規な機能性ポリマ
ーが工業的に有利に製造できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、生分解性光学活性ポリ
マーおよびその製造方法、並びにそのポリマーの中間体
であるオリゴマーとその製造方法に関する。さらに詳し
く言えば、(R)−3−ヒドロキシアルカン酸エステル
(以下、(R)−3HAと略記する。)ユニットを有す
る光学活性オリゴマーとその製造方法および前記オリゴ
マーとモノマーを共重合させて得られる生分解性光学活
性ポリマーとその製造方法に関する。
【0002】本発明によるポリエステル、ポリエステル
−ポリエーテル、ポリエステル−ポリウレタン、ポリエ
ステル−ポリエ−テル−ポリウレタンは、光学活性、生
分解性、加水分解性を有する熱可塑性樹脂であり、土壌
または水中に存在する微生物により分解されるので環境
を汚染しないクリーンプラスチックとして広く利用でき
る機能性ポリマーである。
【0003】
【従来の技術およびその課題】近年、本発明化合物の一
部構成部分に対応する(R)−3−ヒドロキシ酪酸のポ
リマーを菌体内に蓄積する微生物が知られており(P.A.H
olmes, Phys.Technol.,1985, (16), 32 参照)、このポ
リマーは生分解性すなわち酵素分解性、加水分解性、生
体適合性の特性を持つために新しいタイプの機能性材料
として注目されている(生分解性高分子材料,19頁,
土肥義治著,工業調査会1990年発行参照)。また、D−
(+)−メチル−β−プロピオラクトンの開環重合はPo
lymer Letters, 9, 173 (1970)に報告されている。
【0004】しかし微生物学的合成法では、微生物また
は酵素反応を利用するため、菌体からのポリマーの分離
などの繁雑な工程を必要とし、D−(+)−メチル−β
−プロピオラクトンの開環重合法では、光学的D−
(+)−メチル−β−プロピオラクトンの簡便な合成方
法がないこと等いずれの場合も製造原価が高いことなど
工業的には多くの問題点がある。従って、本発明の目的
は、生分解性、加水分解性に優れた(R)−3HAユニ
ットを有する新規な光学活性生分解性ポリマー、および
その工業的に有利な製造方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決すべく鋭意研究を行なった結果、(R)−3HAユ
ニットを有する光学活性なオリゴマーがモノマーと触媒
の存在下で容易に共重合して対応する光学活性なポリマ
ーとなることを見出し本発明を完成するに至った。
【0006】すなわち、本発明は、 1) 一般式(I)
【化13】 (式中、R1 は炭素数1〜5のアルキル基を表わし、R
2 は炭素数1〜6のアルキル基を表わし、Xは
【化14】
【化15】
【化16】 および/またはカルボニル基を表わし、R4 は炭素数1
〜10のアルキレン基、置換されていてもよいフェニレ
ン基、置換されていてもよいビフェニレン基、または置
換されていてもよいジフェニルメタン−4,4′−ジイ
ル基を表わし、R5 は単結合、炭素数1〜12のアルキ
レン基、炭素数2〜12のアルケニレン基、置換されて
いてもよいフェニレン基を表わし、R6 は炭素数1〜6
のアルキル基またはフェニル基を表わし、mおよびnは
0または1〜40の数を表わす。ただし、mおよびnは
同時に0を表わさないものとする。)
【0007】で示される光学活性オリゴマーと、下記一
般式(IV) H−Y1 −R3 −Y2 −H (IV) (式中、R3 は炭素数2〜14の分枝または直鎖アルキ
レン基、炭素数4〜6の直鎖アルケニレン基あるいは直
鎖アルキニレン基、炭素数4〜30のオキシアルキレン
基またはキシリレン基を表わし、Y1 およびY2 は各々
独立してOまたはNHを表わす。)で示される化合物と
を、(i) 有機スズ化合物および(ii)有機チタン化合物よ
り選ばれる1種以上の触媒の存在下に重縮合させること
を特徴とする一般式(II)
【化17】 (式中、R1 、R3 、X、Y1 、Y2 、mおよびnは前
記と同じ意味を表わす。)で示される光学活性ポリマ
ー、およびその製造方法、
【0008】2) 一般式(I)
【化18】 (式中、R1 、R2 、X、mおよびnは前記と同じ意味
を表わす。)で示される光学活性オリゴマー、および
【0009】3) 一般式(XIV)
【化19】 (式中、kは1〜40の整数を表わし、R1 およびR2
は前記と同じ意味を表わす。)で示される(R)−3H
A(k=1)およびその脱アルカノール縮合体(k=2
〜40)の1種以上と式(VIII) 0=C=N−R4 −N=C=O (VIII) (式中、R4 は前記と同じ意味を表わす。)で示される
ジイソシアン酸エステル類、式(IX) ClCO−R5 −COCl (IX) (式中、R5 は前記と同じ意味を表わす。)で示される
ジカルボン酸ジクロリド類、式(X) R7 OCO−R5 −COOR7 (X) (式中、R5 は前記と同じ意味を表わし、R7 はアルキ
ル基を表わす。)で示されるジカルボン酸ジアルキルエ
ステル類、式(XI)
【化20】 (式中、R5 は前記と同じ意味を表わす。)で示される
ジカルボン酸無水物類、式(XII)
【化21】 (式中、R6 は前記と同じ意味を表わす。)で示される
ジクロルシラン類または式(XIII) R8 O−CO−OR8 (XIII) (式中、R8 はアルキル基を表わす。)で示されるジア
ルキルカーボナート類を、必要に応じ(i) 有機スズ化合
物および(ii)有機チタン化合物より選ばれる1種以上の
触媒、および/またはアミン類等の試薬の存在下に重縮
合させることを特徴とする一般式(I)
【化22】 (式中、R1 、R2 、X、mおよびnは前記と同じ意味
を表わす。)で示される光学活性オリゴマーの製造方法
を提供したものである。
【0010】以下、本発明を詳細に説明する。本発明ポ
リマーの中間体となるオリゴマーは、(R)−3HAま
たは(R)−3HAの脱アルカノール縮合体を原料にし
て以下の反応工程式に従って製造することができる。
【0011】
【化23】
【0012】(式中、R1 、R2 、X、mおよびnは前
記と同じ意味を表わす。)上記の工程において、出発原
料の一般式(III) で示される光学活性な3−ヒドロキシ
アルカン酸アルキルエスエルは本出願人が特開昭63-310
847 号公報に開示している方法、すなわち一般式
【化24】 (式中、R1 は炭素数1〜5のアルキル基を表わし、R
2 は炭素数1〜6のアルキル基を表わす。)で示される
β−ケトエステル類をルテニウム−光学活性ホスフィン
錯体を触媒として不斉水素化を行なうことにより容易に
得ることができる。
【0013】工程(a)では、一般式(III) で示される
(R)−3HAを窒素またはアルゴン等の不活性気体存
在下で反応容器に仕込み、無触媒または触媒(例えば、
ジアルキルスズオキシド)存在下、0℃〜160℃で反
応させると、脱アルカノール縮合が起こり、(R)−3
HAの脱アルカノール縮合体(mおよびnモル体)が生
成する。
【0014】工程(b)では、前記(VIII)〜(XIII)で示
されるジイソシアン酸エステル類、ジカルボン酸ジクロ
リド類、ジカルボン酸ジアルキルエステル類、ジカルボ
ン酸無水物類、ジクロルシラン類またはジアルキルカー
ボナート類と(R)−3HA(m=n=1の場合)また
は工程(a)によって得られたmモル体(3HA)m
よびnモル体(3HA)n とを窒素またはアルゴン等の
不活性気体存在下で反応容器に仕込み、無触媒または触
媒存在下、0℃〜160℃で縮合反応させて中間体オリ
ゴマーを得ることができる。
【0015】工程(b)において、ジイソシアン酸エス
テル類を用いる場合には触媒は不要であるが、ジカルボ
ン酸ジアルキルエステル類、またはジアルキルカーボナ
ート類を用いる場合には触媒を使用する。ここで、触媒
としては (i)有機スズ化合物、例えば、ジブチルスズオ
キシドに表されるジアルキルスズオキシド、トリブチル
スズメトキシドに代表されるトリアルキルスズアルコキ
シド、オクチル酸スズ等のアルキル酸スズ、テトラフェ
ニルスズ、テトラアリルスズ;(ii)有機チタン化合物、
例えば、テトライソプロピルチタネートに代表されるチ
タンアルコキシド、テトラオクチルチタネートに代表さ
れるチタンカルボキシラートなどが用いられる。これら
触媒は少なくとも1種を使用し、必要に応じ数種を併用
することができる。触媒は(R)−3HAに対して1/
10〜1/10000 倍モルの量で使用される。ジカルボン
酸無水物類を用いる場合には上記触媒は不要であるが、
酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、炭酸水素ナトリウム等
の存在下反応させてもよい。また、ジカルボン酸ジクロ
リド類、ホスゲン、あるいはジクロルシラン類を用いる
場合にも上記触媒は不要であるが、脱塩化水素剤として
アミン類の存在下反応させてもよい。
【0016】得られたオリゴマーは結晶化により精製し
てもよいが、使用した触媒は次の工程の共重合反応の触
媒としても働くので精製することなく、次工程の共重合
を実施してもよい。また、ジカルボン酸ジクロリド類お
よびジクロルシラン類を反応させる場合に使用するアミ
ン類としては、トリエチルアミン、ピリジン、イミダゾ
ール等が挙げられ、含クロル化合物の塩素原子に対して
1.0〜1.5 モル当量使用される。
【0017】本発明のポリマーを調製する共重合反応
は、前記一般式(I) で示される光学活性オリゴマーとジ
オール類、ジアミン類またはアミノアルコール類を窒素
またはアルゴン等の不活性気体存在下で反応容器に仕込
み、触媒存在下0.1 〜1.0mmHgで3〜7時間反応させて
共重合体を得る方法などによって行なわれる。
【0018】ここで共重合反応の触媒としては、触媒を
使用して上記オリゴマーを製造する場合の触媒と同じく
(i)有機スズ化合物、例えば、ジブチルスズオキシドに
代表されるジアルキルスズオキシド、トリブチルスズメ
トキシドに代表されるトリアルキルスズアルコキシド、
オクチル酸スズ等のアルキル酸スズ、テトラフェニルス
ズ、テトラアリルスズ;(ii)有機チタン化合物、例え
ば、チタン酸テトライソプロピルに代表されるチタンア
ルコキシドなどが用いられる。これら触媒は少なくとも
1種を使用し、必要に応じ数種を併用することができ
る。触媒はオリゴマーに対して1/10〜1/10000 倍
モルの量で使用される。
【0019】ここで、前記式(VIII)のジイソシアン酸エ
ステル類としては、例えば、ヘキサメチレンジイソシア
ナート(HMDI)、2,4−ジイソシアナトトルエ
ン、ビス(4−イソシアナトフェニル)メタン、3,
3′−ジメチルビフェニル−4,4′−ジイソシアナー
ト、o−キシリレンジイソシアナート等が挙げられ、前
記式(IX)のジカルボン酸ジクロリド類としては、例え
ば、テレフタル酸ジクロリド、アジピン酸ジクロリド、
コハク酸ジクロリド、シュウ酸ジクロリド、アゼライン
酸ジクロリド、フマル酸ジクロリド、ホスゲン等が挙げ
られ、
【0020】前記式(X) のジカルボン酸ジアルキルエス
テルとしては、例えば、テレフタル酸ジメチル、アジピ
ン酸ジメチル、コハク酸ジメチル、シュウ酸ジメチル、
アゼライン酸ジメチル、フマル酸ジメチル等が挙げら
れ、前記式(XI)のジカルボン酸無水物類としては、例え
ば、無水マレイン酸、無水フタル酸、無水コハク酸、無
水イタコン酸等が挙げられ、前記式(XII) のジクロルシ
ラン類としては、例えば、ジメチルジクロルシラン、ジ
エチルジクロルシラン、ジプロピルジクロルシラン、ジ
ブチルジクロルシラン、ジフェニルジクロルシラン等が
挙げられ、前記式(XIII)のジアルキルカーボナート類と
しては、例えば、ジメチルカーボナート等が挙げられ
る。
【0021】また、一般式(VI)はジオール類、ジアミン
類またはアミノアルコール類を示すが、具体的にジオー
ル類としては、例えば、エチレングリコール、1,3−
プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、2,2−
ジメチル−1,3−プロパンジオール、cis −2−ブテ
ン−1,4−ジオール、trans −2−ブテン−1,4−
ジオール、2−ブチン−1,4−ジオール、1,6−ヘ
キサンジオール、1,10−デカンジオール、o−キシ
リレングリコール、m−キシリレングリコール、p−キ
シリレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチ
レングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピ
レングリコール、ポリテトラメチレングリコール等が挙
げられ、ジアミン類としては、例えば、ヘキサメチレン
ジアミン等が挙げられ、アミノアルコール類としては、
例えば、エタノールアミン等が挙げられる。
【0022】
【発明の効果】本発明によれば、(R)−3HAユニッ
トを有する光学活性なオリゴマーとモノマーとの共重合
により、光学活性で生分解性、加水分解性という特徴を
持つ有用な機能性材料である新規なポリマーを、工業的
に有利な方法で容易に製造することができる。
【0023】
【実施例】以下、実施例および試験例により本発明をさ
らに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定さ
れるものではない。なお、実施例で使用した分析機器お
よび生分解性試験で使用した機器は下記のとおりであ
る。
【0024】核磁気共鳴スペクトル(NMR):AM−
400型装置(400MHz)(ブルカー社製) 赤外吸収スペクトル(IR):IR−810型赤外分光
分析装置(日本分光工業(株)製) 示差走査熱量計(DSC):DSC50(島津製作所
(株)製) 分子量:D−2520GPC Integrator(日立
製作所(株)製) 旋光度:DIP−360型デジタル旋光計(日本分光工
業(株)製) マススペクトル(MS):M−80B質量分析機(日立
製作所(株)製) 化学純度:263−80型ガスクロマトグラフィー(日
立製作所(株)製) 生分解性試験:(株)高砂リサーチインスティテュート
において活性汚泥を使用して行なった。
【0025】実施例1:(R)−3−ヒドロキシ酪酸メ
チル(以下、(R)−3HBと略す。)とジメチルジク
ロルシランの縮合によるビス((2R)−1−メトキシ
カルボニルプロパン−2−イルオキシ)ジメチルシラン
の合成 (R)−3HB 52.0g(0.44モル)、トリエチルアミン
46.6g(0.46モル)とテトラヒドロフラン300mlの
氷冷溶液にジメチルジクロルシラン 25.8g(0.2モル)を
滴下し、室温で1時間撹拌した後、分液し、エーテル2
00mlを加えて水300mlで洗浄分液した。この溶
液を無水硫酸ソーダで一晩乾燥した後蒸留し標題のビス
((2R)−1−メトキシカルボニルプロパン−2−イ
ルオキシ)ジメチルシラン 48.4g(収率82.8%)を得
た。
【0026】bp:116℃/2mmHg;1 H−NMR(400MHz,CDCl3 )δ(ppm):0.1
6(6H,s), 1.24(6H,d,J=6.2Hz), 2.40(2H,dd,J=14.8, 5.
7Hz), 2.54(2H,dd,J=14.8, 7.4Hz), 3.67(6H,s), 4.37
(2H,ddd,J=7.4, 6.2, 5.7Hz);13 C−NMR(100MHz,CDCl3 )δ(ppm):−
2.2, 23.7, 44.4, 51.4, 65.6, 171.8; IR(液膜)(cm-1):2975, 1745, 1440, 1385, 13
05, 1260, 1200, 1085, 1020; MS(m/z):277(−CH3 ); [α]D =−36.7°(neat,20℃)。
【0027】実施例2:(R)−3HBとジフェニルジ
クロルシランの縮合によるビス((2R)−1−メトキ
シカルボニルプロパン−2−イルオキシ)ジフェニルシ
ランの合成 (R)−3HB 52.0g(0.44モル)、トリエチルアミン
46.6g(0.46モル)とテトラヒドロフラン300mlの
氷冷溶液にジフェニルジクロルシラン 50.64g(0.2モ
ル)を滴下し、実施例1と同様の方法によって標題のビ
ス((2R)−1−メトキシカルボニルプロパン−2−
イルオキシ)ジフェニルシラン 61.5g(収率73.8%)を
得た。
【0028】1H−NMR(400MHz,CDCl3 )δ
(ppm):1.24(6H,d,J=6.2Hz), 2.44(2H,dd,J=14.8,
5.8Hz), 2.62(2H,dd,J=14.8, 7.2Hz), 3.61(6H,s), 4.
47(2H,ddd,J=7.2, 6.2, 5.8Hz), 7.33〜7.41(6H,m), 7.
60〜7.63(4H,m);13 C−NMR(100MHz,CDCl3 )δ(ppm):2
3.7, 44.2, 51.4, 66.6, 127.7, 130.2, 133.2, 135.0,
171.6 ; IR(液膜)(cm-1):3080, 2990, 1745, 1600, 14
40, 1390, 1315; MS(m/z):416(M+ ); [α]D =−34.0°(c=1.15,CHCl3 ,20
℃)。
【0029】実施例3:(R)−3HBとヘキサメチレ
ンジイソシアナート(以下、HMDIと略記する)との
縮合によるN,N′−ビス((2R)−1−メトキシカ
ルボニルプロパン−2−イルオキシ)ヘキサメチレンジ
アミド(以下、3HB−HMDI−3HBと略記す
る。)の合成 (R)−3HB 17.7g(0.15モル)とトルエン120m
lの溶液にHMDI 12.6g(0.075モル)を90℃にて1
時間かけて滴下し、90〜100℃で7時間撹拌した。
溶液を減圧濃縮した後、カラム精製をすることにより標
題の3HB−HMDI−3HB 25.8g(収率85.1%)を
得た。
【0030】1H−NMR(400MHz,CDCl3 )δ
(ppm):1.30(6H,d,J=6.2Hz), 1.32(4H,m), 1.49(4
H,m), 2.49(2H,dd,J=15.3, 5.9Hz), 2.63(2H,dd,J=15.
3, 7.1Hz), 3.15(4H,m), 3.68(6H,s), 4.68(2H,s), 5.1
5(2H,ddd,J=7.1, 6.2, 5.9Hz);13C−NMR(100MH
z,CDCl3 )δ(ppm):20.3, 26.3, 29.9, 40.
8, 41.0, 51.7, 67.6, 155.8, 170.9; IR(液膜)(cm-1):3350, 2950, 1740, 1700, 15
50, 1450; MS(m/z):404(M+ ); [α]D =−8.10°(c=1.04,CHCl3 ,20
℃)。
【0031】実施例4:(R)−3HBの2量体((3
R,7R)−7−ヒドロキシ−3−メチル−5−オキソ
−4−オキシオクタン酸メチル)(以下、2−3HBと
略記する。)とHMDIの縮合によるN,N′−ビス
((2R,6R)−7−メトキシカルボニル−6−メチ
ル−4−オキソ−5−オキシペプタン−2−イルオキ
シ)ヘキサメチレンジアミド(以下、2−3HB−HM
DI−2−3HBと略記する。)の合成 2−3HB 30.0g(0.147 モル)とトルエン120ml
の溶液にHMDI 12.4g(0.0737モル)を90℃にて1
時間かけて滴下し実施例3と同様の方法によって標題の
2−3HB−HMDI−2−3HB 21.4g(収率78.4
%)を得た。
【0032】1H−NMR(400MHz,CDCl3 )δ
(ppm):1.29(12H,d,J=6.3Hz), 1.32(4H,m), 1.48
(4H,m), 2.43 〜2.68(8H,m), 3.14(4H,m), 3.68(6H,s),
4.90(2H,br), 5.11(2H,m), 5.28(2H,m) ;13 C−NMR(100MHz,CDCl3 )δ(ppm):1
9.8, 20.2, 26.2, 29.8, 40.5, 40.7, 41.4, 51.7, 67.
5, 67.7, 155.8, 169.6, 170.7 ; IR(液膜)(cm-1):3380, 2930, 1740, 1690, 15
35, 1450; MS(m/z):372(M+ ); [α]D =−8.91°(c=0.37,CHCl3 ,20
℃)。
【0033】実施例5:(R)−3HBの3量体(以
下、3−3HBと略記する)とHMDIの縮合による
N,N′−ビス((2R,6R,10R)−11−メト
キシカルボニル−4,8−ジオキソ−6,10−ジメチ
ル−5,9−ジオキシウンデカン−2−イルオキシ)ヘ
キサメチレンジアミド(以下、3−3HB−HMDI−
3−3HBと略記する。)の合成 3−3HB 40.0g(0.140 モル)とトルエン160ml
の溶液にHMDI 12.8g(0.0759モル)を90℃にて1
時間かけて滴下し実施例3と同様の方法によって標題の
3−3HB−HMDI−3−3HB 34.4g(収率61.9
%)を得た。
【0034】1H−NMR(400MHz,CDCl3 )δ
(ppm):1.26〜1.31(18H,m), 1.32(4H,m), 1.48(4
H,m), 2.44 〜2.68(12H,m), 3.14(4H,m), 3.68(6H,s),
4.87(2H,br), 5.13(2H,m), 5.27(4H,m);13 C−NMR(100MHz,CDCl3 )δ(ppm):1
9.7, 19.8, 20.2, 26.3, 29.8, 40.4, 40.7, 40.9, 41.
4, 51.8, 67.4, 67.7, 67.7(?),155.8, 169.4,169.6, 1
70.6; IR(液膜)(cm-1):3370, 2940, 1740, 1690, 15
35; MS(m/z):748(M+ ); [α]D =−15.8°(c=0.5 ,CHCl3 ,20
℃)。
【0035】実施例6:(R)−3HBとホスゲンの縮
合によるビス((2R)−1−メトキシカルボニルプロ
パン−2−イル)カーボナートの合成 (R)−3HB 43.4g(0.33モル)とトルエン40ml
の溶液にホスゲン 42.4g(0.43モル)を0〜5℃にて導
入し室温で一晩撹拌しガス抜きをした。この溶液に3H
B 56.6g(0.43 モル)のトルエン40ml溶液を滴下し
て、0〜5℃に保った後ピリジン 31.3g(0.4モル)のト
ルエン40ml溶液を滴下して室温で一晩撹拌した。溶
液をろ過、水洗、酸洗い、水洗し、硫酸マグネシウムで
乾燥させ、トルエンを減圧留去し蒸留を行ない標題のビ
ス((2R)−1−メトキシカルボニルプロパン−2−
イル)カーボナート 47.7g(収率92.0%)を得た。
【0036】1H−NMR(400MHz,CDCl3 )δ
(ppm):1.36(6H,d,J=6.4Hz), 2.54(2H,dd,J=15.8,
5.9Hz), 2.72(2H,d,J=15.8, 7.3Hz), 3.69(6H,s), 5.1
5(2H,ddd,J=7.3, 6.4, 5.9Hz) ;13 C−NMR(100MHz,CDCl3 )δ(ppm):1
9.8, 40.4, 51.7, 71.1, 153.5, 170.4; IR(液膜)(cm-1):2990, 2955, 1745, 1435, 12
75, 1200, 1050; MS(m/z):262(M+ ); [α]D =−13.3°(c=1.32,MeOH,20℃)。
【0037】実施例7:(R)−3−ヒドロキシ吉草酸
メチル(以下、(R)−3HVと略す。)とホスゲンの
縮合によるビス((2R)−1−メトキシカルボニルブ
タン−2−イル)カーボナートの合成 (R)−3HV 39.6g(0.3モル)とトルエン40mlの
溶液にホスゲン 39.6g(0.4モル)を0〜5℃にて導入し
室温で一晩撹拌しガス抜きをした。この溶液に3HV 3
9.6g(0.3モル)のトルエン40ml溶液を滴下して、0
〜5℃に保った後ピリジン 27.6g(0.35モル)のトルエ
ン40ml溶液を滴下して室温で一晩撹拌した。溶液を
ろ過、水洗、酸洗い、水洗し、硫酸マグネシウムで乾燥
させ、トルエンを減圧留去し蒸留を行ない標題のビス
((2R)−1−メトキシカルボニルブタン−2−イ
ル)カーボナート 67.8g(収率67.8%)を得た。
【0038】1H−NMR(400MHz,CDCl3 )δ
(ppm):0.96(6H,t,J=7.5Hz), 1.70(4H,qd,J=7.5,
6.6Hz), 2.58(2H,dd,J=15.8, 5.2Hz), 2.66(2H,d,J=15.
8, 7.7Hz), 3.68(6H,s), 5.04(2H,tdd,J=6.6, 7.7, 5.2
Hz) ;13 C−NMR(100MHz,CDCl3 )δ(ppm):9.
2, 27.0, 38.5, 51.7,75.6, 154.2, 170.6 ; IR(液膜)(cm-1):2970, 1745, 1435, 1260, 11
95, 965 ; MS(m/z):290(M+ ); [α]D =−4.1 °(c=1.27,MeOH,20℃)。
【0039】実施例8:(R)−3HBの脱メタノール
縮合より得られる平均6モル体(以下、((R)−3H
B)6 と略記する。)とアジピン酸ジクロリドの縮合に
よるオリゴマーの合成 (R)−3HB118g (1.0モル)、ジブチルスズオキ
シド 0.5g (2.0ミリモル)の混合物を窒素気流中加熱
し、130〜140℃で3時間反応を行ないメタノール
を留去させた。140℃、150〜100mmHgで5時間
縮合を行ない、(R)−3HBの平均6量体((R)−
3HB)6 89.7g を得た。次に((R)−3HB)6 5
4.8g (0.1モル)、ピリジン 15.8g(0.2モル)、塩化メ
チレン200mlの溶液中にアジピン酸ジクロリド 9.1
5g(0.05モル)を10〜15℃の氷冷下滴下し、室温で
1時間、40〜45℃で4時間反応させた。反応溶液を
室温で水に入れ、水洗、希塩酸水洗、重曹水洗、水洗を
行ない、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去し
粗生成物64gを得た。このものをベンゼンに溶かしシ
リカゲルのショートカラムで精製し標題のオリゴマー 5
9.8g(収率91%)を得た。
【0040】1H−NMR(400MHz,CDCl3 )δ
(ppm):1.21〜1.35(36H,m), 1.63(4H,m), 2.28(4
H,m), 2.41 〜2.68(24H), 5.20 〜5.35(12H,m) ; IR(液膜)(cm-1):2990, 2955, 1745, 1435, 12
75, 1200, 1050; 重量平均分子量(Mw):1130; 数平均分子量(Mn):820 ; 融点(Tm):57.8℃。 [α]D =−2.63°(c=0.76,CHCl3 ,20
℃)。
【0041】実施例9:(R)−3HBと無水マレイン
酸の縮合によるフマル酸メチル (2R)−1−メトキ
シカルボニルプロパン−2−イルの合成 (R)−3HB 6840g(57.9モル)と無水マレイン酸 5
780g(58.9モル)と酢酸ナトリウム 1558g(11.0モル)
を160℃、10時間反応させ炭酸ナトリウム水溶液で
処理し、水層を塩酸で処理してマレイン酸のモノメチル
エステル 4500g(35.9%)を得た。このモノメチルエス
テル 4110g(19モル)、メタノール 15.2 lとパラト
ルエンスルホン酸 115g を65℃で 2.5時間反応させ標
題のフマル酸メチル (2R)−1−メトキシカルボニ
ルプロパン−2−イル 3768g(収率86.1%)を得た。
【0042】bp:122℃/1mmHg;1 H−NMR(400MHz,CDCl3 )δ(ppm):1.3
7(3H,d,J=6.3Hz), 2.58(1H,dd,J=15.7, 5.6Hz), 2.72(1
H,dd,J=15.7, 7.5Hz), 3.69(3H,s), 3.81(3H,s), 5.38
(1H,ddd,J=7.5, 6.3, 5.6Hz), 6.83(1H,d,J=15.9Hz),
6.83(1H,d,J=15.9Hz);13 C−NMR(100MHz,CDCl3 )δ(ppm):1
9.7, 40.3, 51.7, 52.2, 68.4, 133.3, 133.7, 163.9,
165.2, 170.3 ; IR(液膜)(cm-1):3005, 2970, 1740, 1655, 14
50; MS(m/z):216(M+ ); [α]D =−24.7°(neat,20℃)。
【0043】実施例10:(R)−3HBと無水マレイ
ン酸の縮合によるマレイン酸メチル(2R)−1−メト
キシカルボニルプロパン−2−イルの合成 (R)−3HB 50.0g(0.423モル)と無水マレイン酸 4
1.5g(0.423モル)を115℃、18時間反応させ冷却し
た後、メタノール350mlとパラトルエンスルホン酸
1.83gを65℃で 2.5時間反応させトルエン抽出、濃
縮、カラム精製し標題のマレイン酸メチル (2R)−
1−メトキシカルボニルプロパン−2−イル 27.4g(収
率28.1%)を得た。
【0044】bp:118℃/1mmHg;1 H−NMR(400MHz,CDCl3 )δ(ppm):1.3
7(3H,d,J=6.4Hz), 2.55(1H,dd,J=15.8, 6.2Hz), 2.74(1
H,dd,J=15.7, 7.0Hz), 3.69(3H,s), 3.78(3H,s), 5.38
(1H,ddd,J=7.0, 6.4, 6.2Hz), 6.23(2H,s);13 C−NMR(100MHz,CDCl3 )δ(ppm):1
9.7, 40.4, 51.8, 52.1, 68.5, 129.3, 130.2, 164.4,
165.5, 170.4 ; IR(液膜)(cm-1):2990, 2960, 1740, 1645, 14
40; MS(m/z):216(M+ ); [α]D =−14.2°(neat,20℃)。 以下の実施例11〜18はポリマーの合成法に関するも
のであるがDSCデータ(ガラス転移点、軟化点および
分解温度)は表1にまとめて示した。
【0045】
【表1】
【0046】実施例11:実施例1で得られたビス
((2R)−1−メトキシカルボニルプロパン−2−イ
ルオキシ)ジメチルシランとp−キシリレングリコール
との重縮合によるポリエステルの合成 200mlの反応容器に実施例1で得られたビス((2
R)−1−メトキシカルボニルプロパン−2−イルオキ
シ)ジメチルシラン 29.24g (0.1モル)、キシリレング
リコール 13.82g (0.1モル)とチタン酸テトライソプロ
ピル 0.1g(0.35ミリモル)を入れ、窒素気流下140℃
で3時間メタノールを留去し、徐々に減圧にして140
℃、1mmHgで7時間、10-3mmHgで7時間撹拌した。標
題のポリエステル 31.34g(収率85.5%)を得た。
【0047】1H−NMR(400MHz,CDCl3 )δ
(ppm):0.00〜0.15(6H,m), 1.10〜1.23(6H,m), 2.
20〜2.67(4H,m), 4.20〜4.40(2H,m), 5.00(4H,s), 7.25
〜7.27(4H,m); 重量平均分子量(Mw):48300 ; 数平均分子量(Mn):20600 。
【0048】実施例12:実施例2で得られたビス
((2R)−1−メトキシカルボニルプロパン−2−イ
ルオキシ)ジフェニルシランとp−キシリレングリコー
ルとの重縮合によるポリエステルの合成 200mlの反応容器に実施例2で得られたビス((2
R)−1−メトキシカルボニルプロパン−2−イルオキ
シ)ジフェニルシラン 35.54g (0.1モル)、キシリレン
グリコール 13.82g (0.1モル)とチタン酸テトライソプ
ロピル 0.1g(0.35ミリモル)を入れ実施例11と同様の
方法によって標題のポリエステル 40.13g(収率91.4%)
を得た。
【0049】1H−NMR(400MHz,CDCl3 )δ
(ppm):1.13〜1.35(6H,m), 2.30〜2.70(4H,m), 4.
35〜4.60(2H,m),4.60 〜5.18(4H,m), 7.05〜7.70(4H,
m); 重量平均分子量(Mw):19600 ; 数平均分子量(Mn):9700。
【0050】実施例13:実施例3で得られた3HB−
HMDI−3HBと1,4−ブタンジオールとの重縮合
によるポリエステル−ポリアミドの合成 200mlの反応容器に実施例3で得られた3HB−H
MDI−3HB 26.3g(0.0655モル)、1,4−ブタン
ジオール 5.9g(0.0655モル)とチタン酸テトライソプロ
ピル 0.18g(0.66ミリモル)を入れ実施例11と同様の
方法によって標題のポリエステル−ポリアミド 25.0g
(収率77.6%)を得た。
【0051】1H−NMR(400MHz,CDCl3 )δ
(ppm):1.18〜1.40(10H,m), 1.40 〜1.58(4H,m),
1.58〜1.70(4H,m), 2.38〜2.70(4H,m), 3.00〜3.25(4H,
m), 3.95〜4.20(4H,m), 4.75〜5.06(2H,m), 5.06〜5.20
(1H,m), 5.20〜5.35(1H,m); 重量平均分子量(Mw):40500 ; 数平均分子量(Mn):19600 。
【0052】実施例14:実施例5で得られた3−3H
B−HMDI−3−3HBと1,4−ブタンジオールと
の重縮合によるポリエステル−ポリアミドの合成 200mlの反応容器に実施例5で得られた3−3HB
−HMDI−3−3HB 20.0g(26.7ミリモル)、1,
4−ブタンジオール 2.41g(26.7ミリモル)とチタン酸
テトライソプロピル 75.9mg (0.267ミリモル)を入れ実
施例11と同様の方法によって標題のポリエステル−ポ
リアミド 17.5g(収率84.7%)を得た。
【0053】1H−NMR(400MHz,CDCl3 )δ
(ppm):1.20〜1.30(18H,m), 1.32(4H,m), 1.48(4
H,m), 1.70(4H,m), 2.40 〜2.70(12H,m), 3.14(4H,m),
4.10(4H,m), 4.90(2H,br), 5.05〜5.33(6H,m); 重量平均分子量(Mw):30600 ; 数平均分子量(Mn):15600 。
【0054】実施例15:実施例6で得られたビス
((2R)−1−メトキシカルボニルプロパン−2−イ
ル)カーボナートと1,4−ブタンジオールとの重縮合
によるポリエステル−ポリカーボナートの合成 200mlの反応容器に実施例6で得られたビス((2
R)−1−メトキシカルボニルプロパン−2−イル)カ
ーボナート 20.81g(78.0ミリモル)、1,4−ブタンジ
オール 7.02g(78.0ミリモル)とチタン酸テトライソプ
ロピル 0.14g(0.78ミリモル)を入れ実施例11と同様
の方法によって標題のポリエステル−ポリカーボナート
19.8g(収率88.1%)を得た。
【0055】1H−NMR(400MHz,CDCl3 )δ
(ppm):1.20〜1.40(6H,m), 1.56〜1.82(4H,m), 2.
40〜2.78(12H,m), 4.03 〜4.23(4H,m), 5.05〜5.35(6H,
m); 重量平均分子量(Mw):25300 ; 数平均分子量(Mn):16200 。
【0056】実施例16:実施例9で得られたフマル酸
メチル (2R)−1−メトキシカルボニルプロパン−
2−イルと1,4−ブタンジオールとの重縮合によるポ
リエステルの合成 200mlの反応容器に実施例9で得られたフマル酸メ
チル (2R)−1−メトキシカルボニルプロパン−2
−イル 116.7g(0.51モル)、1,4−ブタンジオール 4
5.6g(0.51モル)とチタン酸テトライソプロピル 0.29g
(1.0ミリモル)を入れ実施例11と同様の方法によって
標題のポリエステル 103.2g(収率79.6%)を得た。
【0057】1H−NMR(400MHz,CDCl3 )δ
(ppm):1.18〜1.40(3H,m), 1.62〜1.87(4H,m), 2.
40〜2.75(2H,m), 4.00〜4.32(4H,m), 5.21〜5.45(1H,
m), 6.75〜6.90(2H,m); 重量平均分子量(Mw):49200 ; 数平均分子量(Mn):22100 。
【0058】実施例17:実施例9で得られたフマル酸
メチル (2R)−1−メトキシカルボニルプロパン−
2−イルと1,10−デカンジオールとの重縮合による
ポリエステルの合成 200mlの反応容器に実施例9で得られたフマル酸メ
チル (2R)−1−メトキシカルボニルプロパン−2
−イル 116.7g(0.51モル)、1,10−デカンジオール
89.7g(0.51モル)とチタン酸テトライソプロピル 0.2
9g(1.0ミリモル)を入れ実施例11と同様の方法によっ
て標題のポリエステル 140.5g(収率81.0%)を得た。
【0059】1H−NMR(400MHz,CDCl3 )δ
(ppm):1.20〜1.40(12H,m), 1.35(3H,m), 1.55 〜
1.72(4H,m), 2.40〜2.75(2H,m), 4.00〜4.24(4H,m), 5.
21〜5.42(1H,m), 6.75〜6.87(2H,m); 重量平均分子量(Mw):134000; 数平均分子量(Mn):39200 。
【0060】実施例18:実施例9で得られたフマル酸
メチル (2R)−1−メトキシカルボニルプロパン−
2−イルとエチレングリコールとの重縮合によるポリエ
ステルの合成 200mlの反応容器に実施例9で得られたフマル酸メ
チル (2R)−1−メトキシカルボニルプロパン−2
−イル 116.7g(0.51モル)、エチレングリコール 31.6g
(0.51モル)とチタン酸テトライソプロピル 0.29g(1.0
ミリモル)を入れ実施例11と同様の方法によって標題
のポリエステル 62.8g(収率54.0%)を得た。
【0061】1H−NMR(400MHz,CDCl3 )δ
(ppm):1.21〜1.45(3H,m), 2.50〜2.80(2H,m), 4.
00〜4.57(4H,m), 5.22〜5.47(1H,m), 6.75〜6.95(2H,
m); 重量平均分子量(Mw):31900 ; 数平均分子量(Mn):14200 。
【0062】生分解性試験 試験例1:実施例13で得られたポリマーの生分解性試
験 高砂香料工業(株)平塚工場の汚泥の馴養種(好気性汚
泥)を、500ppm(600ml)、pH 6.0〜 7.
0、30℃の条件で用い、実施例13で得られたポリマ
ーの1cm×2cm、厚さ0.05〜0.1 mmの薄膜(ポリ
マーを、塩化メチレンまたはクロロホルムに溶かし、シ
ャーレ等に流し込み、溶媒を蒸発させることによってフ
ィルム化したもの)について20〜30mgを50ml
のフラスコに入れ、タイテック(株)社製、振盪恒温水
槽を用いて試験を行なった。4週間経過後ポリマーの重
量を測定することにより残存重量率を求めた。その結果
を図1に示した。この結果によりポリマーのフィルムが
4週間後に14.4%分解していることがわかった。
【0063】試験例2:実施例15で得られたポリマー
の生分解性試験 実施例15で得られたポリマーにつき、試験例1と同様
にして生分解試験を行ない、その結果を図1に示した。
この結果によりポリマーのフィルムは4週間後に21.5%
分解していることがわかった。
【0064】試験例3:実施例16で得られたポリマー
の生分解性試験 実施例16で得られたポリマーにつき、試験例1と同様
にして生分解試験を行ない、その結果を図1に示した。
この結果によりポリマーのフィルムは4週間後に 7.5%
分解していることがわかった。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例13、15および16で得られたポリマ
ーの残存重量率の経時変化を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 堀 容嗣 東京都大田区蒲田5丁目36番31号 株式会 社高砂リサーチ,インステイテュート内 (72)発明者 高橋 陽子 東京都大田区蒲田5丁目36番31号 株式会 社高砂リサーチ,インステイテュート内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I) 【化1】 (式中、R1 は炭素数1〜5のアルキル基を表わし、R
    2 は炭素数1〜6のアルキル基を表わし、Xは 【化2】 【化3】 【化4】 および/またはカルボニル基を表わし、R4 は炭素数1
    〜10のアルキレン基、置換されていてもよいフェニレ
    ン基、置換されていてもよいビフェニレン基、または置
    換されていてもよいジフェニルメタン−4,4′−ジイ
    ル基を表わし、R5 は単結合、炭素数1〜12のアルキ
    レン基、炭素数2〜12のアルケニレン基、置換されて
    いてもよいフェニレン基を表わし、R6 は炭素数1〜6
    のアルキル基またはフェニル基を表わし、mおよびnは
    0または1〜40の数を表わす。ただし、mおよびnは
    同時に0を表わさないものとする。)で示される光学活
    性オリゴマーと、下記一般式(IV) H−Y1 −R3 −Y2 −H (IV) (式中、R3 は炭素数2〜14の分枝または直鎖アルキ
    レン基、炭素数4〜6の直鎖アルケニレン基あるいは直
    鎖アルキニレン基、炭素数4〜30のオキシアルキレン
    基またはキシリレン基を表わし、Y1 およびY2 は各々
    独立してOまたはNHを表わす。)で示される化合物と
    を、(i) 有機スズ化合物および(ii)有機チタン化合物よ
    り選ばれる1種以上の触媒の存在下に重縮合させること
    を特徴とする一般式(II) 【化5】 (式中、R1 、R3 、X、Y1 、Y2 、mおよびnは前
    記と同じ意味を表わす。)で示される光学活性ポリマ
    ー。
  2. 【請求項2】 一般式(I) 【化6】 (式中、R1 、R2 、X、mおよびnは請求項1の記載
    と同じ意味を表わす。)で示される光学活性オリゴマー
    と、下記一般式(IV) H−Y1 −R3 −Y2 −H (IV) (式中、R3 、Y1 およびY2 は請求項1の記載と同じ
    意味を表わす。)で示される化合物とを、(i) 有機スズ
    化合物および(ii)有機チタン化合物より選ばれる1種以
    上の触媒の存在下に重縮合させることを特徴とする一般
    式(II) 【化7】 (式中、R1 、R3 、X、Y1 、Y2 、mおよびnは前
    記と同じ意味を表わす。)で示される光学活性ポリマー
    の製造方法。
  3. 【請求項3】 一般式(I) 【化8】 (式中、R1 、R2 、X、mおよびnは請求項1の記載
    と同じ意味を表わす。)で示される光学活性オリゴマ
    ー。
  4. 【請求項4】 一般式(XIV) 【化9】 (式中、kは1〜40の整数を表わし、R1 およびR2
    は請求項1の記載と同じ意味を表わす。)で示される
    (R)−3−ヒドロキシアルカン酸エステル(k=1)
    およびその脱アルカノール縮合体(k=2〜40)の1
    種以上と式(VIII) 0=C=N−R4 −N=C=O (VIII) (式中、R4 は請求項1の記載と同じ意味を表わす。)
    で示されるジイソシアン酸エステル類、式(IX) ClCO−R5 −COCl (IX) (式中、R5 は請求項1の記載と同じ意味を表わす。)
    で示されるジカルボン酸ジクロリド類、式(X) R7 OCO−R5 −COOR7 (X) (式中、R5 は前記と同じ意味を表わし、R7 はアルキ
    ル基を表わす。)で示されるジカルボン酸ジアルキルエ
    ステル類、式(XI) 【化10】 (式中、R5 は前記と同じ意味を表わす。)で示される
    ジカルボン酸無水物類、式(XII) 【化11】 (式中、R6 は請求項1の記載と同じ意味を表わす。)
    で示されるジクロルシラン類または式(XIII) R8 O−CO−OR8 (XIII) (式中、R8 はアルキル基を表わす。)で示されるジア
    ルキルカーボナート類を重縮合させることを特徴とする
    一般式(I) 【化12】 (式中、R1 およびR2 は前記と同じ意味を表わし、
    X、mおよびnは請求項1の記載と同じ意味を表わ
    す。)で示される光学活性オリゴマーの製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の一般式(XIV) で示され
    る化合物と、式(VIII)で示されるジイソシアン酸エステ
    ル類、または式(XI)で示されるジカルボン酸無水物類と
    を重縮合させることを特徴とする一般式(I) で示される
    請求項4に記載の光学活性オリゴマーの製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項4に記載の一般式(XIV) で示され
    る化合物と、式(IX)で示されるジカルボン酸ジクロリド
    類、または式(XII) で示されるジクロルシラン類をアミ
    ン類の存在下に重縮合させることを特徴とする一般式
    (I) で示される請求項4に記載の光学活性オリゴマーの
    製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項4に記載の一般式(XIV) で示され
    る化合物と、式(X)で示されるジカルボン酸ジアルキル
    エステル類、または式(XIII)で示されるジアルキルカー
    ボナート類を有機スズ化合物および有機チタン化合物よ
    り選ばれる1種以上の触媒の存在下に重縮合させること
    を特徴とする請求項4に記載の一般式(I) で示される光
    学活性オリゴマーの製造方法。
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