JPH05213736A - 皮膚化粧料 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【構成】 ６−０−β−Ｄ−ガラクトピラノシル−Ｌ−
アスコルビン酸およびその塩からなる群から選ばれた１
種または２種以上の成分を含有する皮膚化粧料。 【効果】 この皮膚化粧料は長期保存しても安定であ
り、変色、変臭、活性低下が少なく、かつ優れた美白効
果を有する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、６−Ｏ−β−Ｄ−ガラ
クトピラノシル−Ｌ−アスコルビン酸およびその塩から
なる群から選ばれた１種または２種以上の成分を含有す
る皮膚化粧料に関するものであり、人体に対して好まし
くない副作用や皮膚刺激作用を示さず、長期保存にも耐
え、優れた美白効果を有する皮膚化粧料を提供する。

【０００２】

【従来の技術】アスコルビン酸はチロシンからメラニン
の生成を触媒する酵素であるチロシナーゼを阻害し、さ
らには生成する酸化型メラニンを還元型メラニンに還元
する作用を持つことから、皮膚の美白化、しみやそばか
すの治療改善用の皮膚化粧料の成分として用いられてき
た。また、アスコルビン酸の誘導体としては、安定性を
向上させた種々のアスコルビン酸誘導体が開発されてい
る（特開昭６０−１８８３０６号公報、特開昭６１−１
５１１０７号公報、特開平３−１３５９９２号公報）。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、アスコ
ルビン酸は熱や光に対して不安定であり、酸化され易い
という欠点を有しており、この欠点を改良した誘導体が
種々開発されてはいるものの、経日安定性が要求される
化粧品の分野において長期保存に耐え、変色、変臭、活
性低下等を起こすことがなく、優れた美白効果を持つア
スコルビン酸誘導体はいまだ得られてはいない。本発明
の目的は、長期保存しても安定であり、変色、変臭、活
性低下が少なく、優れた美白効果を有する皮膚化粧料を
提供することにある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明者らは、このよう
な現状に鑑み、これまでにない優れた美白効果を有する
皮膚化粧料を得るべく鋭意研究を重ねた結果、アスコル
ビン酸の誘導体である６−Ｏ−β−Ｄ−ガラクトピラノ
シル−Ｌ−アスコルビン酸およびその塩が長期安定性に
優れ、チロシンからメラニンを生成するチロシナーゼの
作用を阻害する働きがあり、しみ、そばかすなどが著し
く改善されることを見いだし本発明を完成するに至っ
た。

【０００５】すなわち、本発明は、６−Ｏ−β−Ｄ−ガ
ラクトピラノシル−Ｌ−アスコルビン酸およびその塩か
らなる群から選ばれた１種または２種以上の成分を含有
する皮膚化粧料を要旨とするものである。

【０００６】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
有効成分である６−Ｏ−β−Ｄ−ガラクトピラノシル−
Ｌ−アスコルビン酸は、Ｌ−アスコルビン酸の６位の水
酸基にガラクトースが結合した構造を持つ化合物であ
り、例えば、特開平２−３１１４９０号公報に開示され
た方法により製造できる。すなわち、Ｌ−アスコルビン
酸ナトリウムにβ−ガラクトシダ−ゼを触媒としてラク
ト−スのガラクトシル基を転移させればよい。その精製
は活性炭、陰イオン交換カラムなど公知の方法を用いれ
ばよい。またその塩としては、例えば、ナトリウム塩、
カリウム塩、アンモニウム塩、モノエタノールアミン
塩、ジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩な
どがあげられる。

【０００７】本発明において、アスコルビン酸誘導体お
よびその塩は各々単独で、もしくは２種以上の混合物と
して皮膚化粧料基剤に配合することができる。その配合
量は皮膚化粧料の形態によって異なることは言うまでも
ないが、一般的な配合量としては処方成分全量を基準と
して０.０５〜２０重量％である。

【０００８】さらに具体的な配合量の範囲として、クリ
ーム状化粧料では０．０５〜１０重量％、好ましくは１
〜５重量％、乳液状化粧料では０．０５〜１０重量％、
好ましくは１〜５重量％、水性透明液状の化粧料では
０．０５〜２重量％、好ましくは０. １〜１重量％、油
状化粧料では０．０５〜２０重量％、好ましくは１〜１
５重量％、ケーキ状化粧料では０．０５〜１７重量％、
好ましくは３〜１０重量％、粉末状化粧料では１〜２０
重量％、好ましくは５〜１５重量％、パック剤では０．
１〜３重量％、好ましくは０．５〜２重量％である。

【０００９】本発明の化粧料はスキンクリーム、ファン
デーションクリーム、化粧水等の公知のクリーム状また
は乳液状もしくはケーキ状などの皮膚化粧料の基剤に、
６−Ｏ−β−Ｄ−ガラクトピラノシル−Ｌ−アスコルビ
ン酸およびその塩を前記所要量配合し、常法によって得
られる。

【００１０】

【実施例】次に、本発明を参考例と実施例によって具体
的に説明する。 参考例１ ６−Ｏ−β−Ｄ−ガラクトピラノシル−Ｌ−アスコルビ
ン酸ナトリウムの製造。Ｌ−アスコルビン酸ナトリウム
１．９ｇ、ラクトース１水和物１．５ｇ、アスペルギル
ス オリーゼ（Aspergillus oryzae）由来のβ−ガラク
トシダーゼ（シグマ社製グレードXI）２０ｍｇに純水を
加え１０ｍｌとし、４０℃、ｐＨ４．５で５時間反応し
た。煮沸により反応を停止し、遠心分離後上清を回収し
た。この上清を１００ｍｌの活性炭カラムにアプライ
し、純水２Ｌで溶出して６−Ｏ−β−Ｄ−ガラクトピラ
ノシル−Ｌ−アスコルビン酸画分を集めた。このように
して得られた画分を１ｍｌの陰イオン交換カラム（Ｃｌ
型）にアプライし、純水１００ｍｌで洗浄後、０.０４
Ｍの食塩水で溶出した。６−Ｏ−β−Ｄ−ガラクトピラ
ノシル−Ｌ−アスコルビン酸画分を濃縮後、陽イオン交
換カラムで脱塩し、ＮａＯＨを加えナトリウム塩とした
後凍結乾燥した。

【００１１】実施例１ 重量部 参考例１で得られた ６−Ｏ−β−Ｄ−ガラクトピラノシル −Ｌ−アスコルビン酸ナトリウム ４ スクワラン ２５ ワックス ５ オリーブ油 ３ キサンタンガム １ グリチルリチン酸モノアンモニウム ０．３ メチルパラベン ０．２ 精製水 ６１．５ 香料 適量 上記処方により、クリーム状化粧料を得た。得られたク
リーム状化粧料を色黒、しみ、そばかすに悩む被験者
（女子）２０名のパネラーの顔面に１日２回、２カ月間
連続塗布してもらい、パネラー本人がその効果を有効、
やや有効、無効の３段階で評価した。その試験結果を表
１に示した。なお、表１中の数字は２０名中の人数を示
す。

【００１２】次に、実施例１で得られたクリーム状化粧
料を４０℃、６カ月間保存し外観状の変化および変臭の
有無を調ることにより安定性試験を行った。その試験結
果を表１に示した。

【００１３】比較例１ ６−Ｏ−β−Ｄ−ガラクトピラノシル−Ｌ−アスコルビ
ン酸ナトリウムの代わりにアスコルビン酸ナトリウムを
使用するほかは実施例１と同様に行ってクリーム状化粧
料を得、同様に試験した。その試験結果を表１に示し
た。

【００１４】比較例２ ６−Ｏ−β−Ｄ−ガラクトピラノシル−Ｌ−アスコルビ
ン酸ナトリウムの代わりに２−Ｏ−グルコシル−Ｌ−ア
スコルビン酸を使用するほかは実施例１と同様に行って
クリーム状化粧料を得、同様に試験した。その試験結果
を表１に示した。

【００１５】比較例３ ６−Ｏ−β−Ｄ−ガラクトピラノシル−Ｌ−アスコルビ
ン酸ナトリウムの代わりに６−Ｏ−ドデカノイルアスコ
ルビン酸−２−硫酸エステルジナトリウム塩を使用する
ほかは実施例１と同様に行ってクリーム状化粧料を得、
同様に試験した。その試験結果を表１に示した。

【００１６】

【表１】

【００１７】表１から明らかなように本発明の６−Ｏ−
β−Ｄ−ガラクトピラノシル−Ｌ−アスコルビン酸ナト
リウム（実施例１）を含有するクリ−ム状皮膚化粧料は
保存安定性、美白効果、荒れ肌改善効果において顕著な
有効性が認められた。

【００１８】

【発明の効果】本発明の皮膚化粧料は、長期保存しても
安定であり、変色、変臭、活性低下が少なく、かつ優れ
た美白効果を有する。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ６−０−β−Ｄ−ガラクトピラノシル−
   Ｌ−アスコルビン酸およびその塩からなる群から選ばれ
   た１種または２種以上の成分を含有することを特徴とす
   る皮膚化粧料。