JPH05213667A - 誘電体磁器組成物 - Google Patents

誘電体磁器組成物

Info

Publication number
JPH05213667A
JPH05213667A JP4016821A JP1682192A JPH05213667A JP H05213667 A JPH05213667 A JP H05213667A JP 4016821 A JP4016821 A JP 4016821A JP 1682192 A JP1682192 A JP 1682192A JP H05213667 A JPH05213667 A JP H05213667A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
dielectric
mol
temperature
batio3
dielectric loss
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP4016821A
Other languages
English (en)
Inventor
Kenichi Sakabe
健一 酒部
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Chemical Industry Co Ltd filed Critical Asahi Chemical Industry Co Ltd
Priority to JP4016821A priority Critical patent/JPH05213667A/ja
Publication of JPH05213667A publication Critical patent/JPH05213667A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)
  • Ceramic Capacitors (AREA)
  • Inorganic Insulating Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 コンデンサー用誘電体磁器組成物において低
温で焼結可能で、高誘電率で、キュリ−点以下の温度領
域での誘電損失の増大を抑制する。 【構成】 チタン酸バリウムに、特定量の酸化銅、酸化
亜鉛、酸化セリウムを添加し得られる誘電体磁器組成
物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はチタン酸バリウムを原料
とするコンデンサーにおいて、高誘電率でキュリー点以
下の温度領域で低い誘電損失を有する低温焼成高誘電率
系誘電体磁器組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般にコンデンサーの容量はJIS規格
により20℃での値で定義されている。チタン酸バリウ
ムを主原料とするコンデンサーはキュリー点での高い誘
電率を利用しているためシフターの添加によりキュリー
点を室温付近までシフトさせている。しかし、誘電損失
の温度特性はキュリー点より低温で急峻に立ち上がるた
め、室温での誘電損失を低下させるためにはキュリー点
を20℃より若干低めに設定することが必要になる。し
かし、これは同時に誘電率の低下をもたらす。
【0003】一方、積層セラミックコンデンサー(ML
C)は近年、誘電体層厚みの薄層化が進み、高容量なも
のが得られているが、誘電体層厚みが薄くなるにつれM
LCにかかる実効電界強度は増大し、誘電損失の悪化が
問題になっている。また、チタン酸バリウム系誘電体磁
器組成物は、通常1300〜1400℃の高温で焼成す
るため積層セラミックコンデンサー用原料として用いた
場合、内部電極として高温に耐えうるパラジウム、白金
等の貴金属を使用せざるを得ず、コンデンサーのコスト
は著しく高いものとなる。安価な銀を主成分とする内部
電極が使用できる低温焼成誘電体磁器組成物が望まれて
いる。
【0004】低温焼成が可能であり、かつ誘電損失の小
さな誘電体磁器用組成物として本願出願者は例えば特開
昭61ー251561号公報に焼結助剤として酸化銅と
酸化亜鉛または酸化カドミウムを、特開昭61ー251
562号公報に酸化銅と希土類酸化物を用いることによ
り1200℃以下での焼成が可能であり、かつ誘電損失
を低減できることを開示している。しかし、この方法で
は前者は室温での誘電損失を低減することが可能になる
が、キュリー点以下の温度領域での誘電損失は改善され
ず、また後者は室温での高い誘電率が得られ難い点で問
題を残していた。
【0005】誘電損失の小さな、バイアス特性の良好な
誘電体磁器組成物として特開昭49ー38196号公
報、特開昭50ー95800号公報、J.Am.Ce
r.Soc.,66(11),p554(1982)に
はチタン酸ストロンチウムをベースとした誘電体磁器組
成物が、Russell Lee Bolton P
h.D論文,University of Illin
ois(1968)には、酸化バリウムー希土類酸化物
ー酸化チタン系の常誘電体相を利用した温度補償用誘電
体磁器組成物がそれぞれ開示されている。
【0006】しかしながら、これらの誘電体磁器組成物
は極めて良好な誘電損失、バイアス特性を示すが、誘電
率が小さく、事実上、高容量化には不向きである。ま
た、「積層セラミックコンデンサー」学献社、p119
(1988)には鉛を主成分とする複合ペロブスカイト
によりバイアス特性の優れた誘電体が明記されている。
鉛系複合ペロブスカイトは一般に高誘電率、良好なバイ
アス特性を有するが、誘電損失がキュリー点より低温で
急峻に立ち上がること、焼結による特性のばらつきが大
きいこと、焼結体の機械的強度が小さいこと、等の理由
からコンデンサー用誘電体として問題が多い。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、高誘電率で
キュリー点以下の温度領域で誘電損失が小さな低温焼成
チタン酸バリウム系誘電体磁器組成物を提供することを
目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者はチタン酸バリ
ウムに酸化銅、酸化亜鉛および一定量以上の酸化セリウ
ムを組み合わせることにより1200℃以下の低温で焼
結が可能であり、キュリー点以下の温度領域における誘
電損失の急峻な増加が抑制されることを見い出し本発明
に到達した。
【0009】すなわち、本発明は下記のとおりである。 1.チタン酸バリウム87.5〜99.3モル%、酸化
銅0.3〜4モル%、酸化亜鉛0.2〜3.5モル%、
酸化セリウム0.2〜5モル%からなる誘電体磁器組成
物。2.請求項1記載の誘電体磁器組成物100モルに
対して、アルカリ土類金属および鉛のチタン酸塩(チタ
ン酸バリウムを除く。)、ジルコン酸塩、スズ酸塩の中
から選ばれた1種以上を2.5〜40モル%含有させて
なる誘電体磁器組成物。
【0010】チタン酸バリウムに特定量の酸化銅、酸化
亜鉛を添加した誘電体磁器用組成物は1200℃以下で
の温度で焼結することが可能であり、これに酸化セリウ
ムを組み合わせることによりキュリー点以下の温度領域
において誘電損失の急峻な増大が抑制される。また酸化
セリウム添加量の増加にともない粒成長が抑制され均一
な微構造となる。
【0011】さらに特定のチタン酸塩、ジルコン酸塩、
スズ酸塩から選ばれた1種以上を組み合わせることで上
記特性を損ねることなく20℃の誘電率を10000以
上に高めること,また温度依存性を制御することが可能
である。しかし、使用するシフターの種類によりキュリ
ー温度のシフト量、誘電率の極大値さらに温度依存性が
異なるため1種類のシフターを単独で使用する事も可能
であるが、通常2種類以上のシフターを組み合わせて使
用する事が多い。バリウムサイトに固溶する元素として
はイオン半径、電荷バランスから鉛およびアルカリ土類
金属元素、例えばマグネシウム、カルシウム、ストロン
チウム、バリウムが効果的であり、チタンサイトに固溶
する元素としてはジルコニウム、スズ、チタンが好まし
い。一般的にはスズ酸塩、ジルコン酸塩、チタン酸塩の
順でシフト量、極大値での誘電率が大きくなる傾向を示
し、温度依存性は悪化する。特にスス酸バリウム、ジル
コン酸バリウム、ジルコン酸鉛を使用した場合、誘電率
が高く、誘電損失、温度特性に優れた誘電体が得られ
る。
【0012】本発明で使用されるチタン酸バリウムは固
相法、液相法、蓚酸塩法、アルコキシド法等のいずれの
方法で製造されたものでも良い。平均粒径が小さく、粒
度分布の均一なものを用いた場合、均一な微構造を有す
る誘電体磁器組成物が得られ電気特性のばらつきが小さ
なものとなる。また、本発明で添加剤として使用する酸
化銅、酸化亜鉛、酸化セリウムは酸化物をそのまま用い
ることが出来るが水酸化物、炭酸塩、硝酸塩等の無機酸
塩や蓚酸塩、アルコキシド等のいずれも、焼結温度以下
で分解して酸化物となるものであれば使用できる。
【0013】次に本発明で使用した添加剤の量を規定し
た理由について述べる。チタン酸バリウムが99.3モ
ル%以上では1200℃以下での焼結が困難となり、逆
に87.5モル%以下では焼結時に著しい素地の変形が
生じる。酸化銅が0.3モル%以下では焼結性の低下を
招きコンデンサーとして特性の悪化が起こる。4モル%
以上では異常粒成長が認められ、微構造の不均一化、素
地の変形が起こる。酸化セリウムが0.2モル%以下で
はキュリー点以下の温度領域での誘電損失の急峻な立ち
上がりが抑制されず、また5モル%以上では焼結性を阻
害し、実質的にコンデンサーとして不十分である。
【0014】また、シフターの種類によりキュリー温度
のシフト量が異なることから、キュリー温度を室温付近
に調整するための添加量を一義的に決定する事はできな
いが、2.5〜40モル%添加することが必要である。
【0015】
【実施例】以下に本発明を実施例を示し詳細に説明す
る。なお、本発明は実施例により限定されるものではな
い。
【0016】
【実施例1〜5および比較例1〜2】チタン酸バリウム
と酸化銅、酸化亜鉛、酸化セリウムを表1に示す割合で
秤量し、湿式ボールミルで24時間混合した。混合物を
乾燥し、PVAを造粒剤として適当量加え、篩い(10
0メッシュ)で整粒した後、2ton/cm2 の圧力で
直径15mm、厚み約0.7mmの円板状成形物を作成
した。この試料をジルコニア製のセッタに5枚積み重ね
所定の条件で焼成した。得られた円板状磁器の両面に8
mmφの銀電極を塗布、焼き付けし、電気特性測定用試
料とした。
【0017】誘電損失の温度依存性、誘電率は試料を恒
温槽に入れ所定の温度に調整した後、LCRメーター
〔(株)安藤電気社製、AG−4304〕を用いて、1
KHz,1V条件下で測定した。焼結体密度の測定は試
料の重量とマイクロメーターで測定した寸法から計算し
た。また、焼結体粒径は表面の走査型電子顕微鏡写真
〔(株)日立製作所製、S800〕を撮り、ラインイン
ターセプト法により求めた。結果を表2に、誘電損失の
温度依存性を図1に示した。
【0018】表2より明らかなように1200℃以下で
の焼結が可能であり、酸化セリウムを添加することによ
り粒成長が抑制され均一な微構造となる。ただし、5モ
ル%以上では焼結性が阻害され密度低下を招く。さらに
図1からキュリー点より低温域での誘電損失の急峻な立
ち上がりが抑制されることがわかる。
【0019】
【実施例6〜12】チタン酸バリウム95.5モル%、
酸化銅1.5モル%、酸化亜鉛2.0モル%、酸化セリ
ウム1.0モル%の組成物100モルに対し表3に示す
添加剤(シフター)を所定量秤量し、実施例1と同一の
方法で焼成し、電気特性、焼結体密度を測定した。結果
を表4に示す。また、誘電損失の温度依存性を図2に示
した。なお、比較データとして実施例6の酸化セリウム
無添加のデータを示した。
【0020】図2より明らかなように種種のシフターと
組み合わせても低温焼結性は損なわれず、酸化セリウム
添加による誘電特性の改善効果は著しく、室温の誘電率
を高めることができる。
【0021】
【表1】
【0022】
【表2】
【0023】
【表3】
【0024】
【表4】
【0025】
【発明の効果】本発明の組成物は、低温焼成で得られ、
高誘電率で、キュリー点以下の温度領域において低い誘
電損失を示すため、コンデンサー用誘電体として好適で
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1記載の誘電体磁器組成物の誘電損失ー
温度特性を示すグラフである。
【図2】請求項2記載の誘電体磁器組成物の誘電損失−
温度特性を示すグラフである。
【符号の説明】
1 実施例2 2 実施例3 3 比較例1 4 実施例8 5 実施例11 6 比較データ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 チタン酸バリウム87.5〜99.3モ
    ル%、酸化銅0.3〜4モル%、酸化亜鉛0.2〜3.
    5モル%、酸化セリウム0.2〜5モル%からなる誘電
    体磁器組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の誘電体磁器組成物100
    モルに対してアルカリ土類金属および鉛のチタン酸塩
    (チタン酸バリウムを除く。)、ジルコン酸塩、スズ酸
    塩の中から選ばれた1種以上を2.5〜40モル含有さ
    せてなる誘電体磁器組成物。
JP4016821A 1992-01-31 1992-01-31 誘電体磁器組成物 Withdrawn JPH05213667A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4016821A JPH05213667A (ja) 1992-01-31 1992-01-31 誘電体磁器組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4016821A JPH05213667A (ja) 1992-01-31 1992-01-31 誘電体磁器組成物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH05213667A true JPH05213667A (ja) 1993-08-24

Family

ID=11926842

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4016821A Withdrawn JPH05213667A (ja) 1992-01-31 1992-01-31 誘電体磁器組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH05213667A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013086314A (ja) * 2011-10-14 2013-05-13 Seiko Epson Corp 液体噴射ヘッド及び液体噴射装置並びに圧電素子

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013086314A (ja) * 2011-10-14 2013-05-13 Seiko Epson Corp 液体噴射ヘッド及び液体噴射装置並びに圧電素子

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0865052A2 (en) High dielectric-constant ceramic composition, and its fabrication process
US5322828A (en) Non-reducible dielectric ceramic composition
JPH05213669A (ja) 誘電性磁器組成物
JP2919360B2 (ja) 誘電体磁器組成物
JP2004196650A (ja) 誘電体磁器組成物、及びセラミック電子部品
JP2915217B2 (ja) 誘電体磁器及び磁器コンデンサ
JPH05213667A (ja) 誘電体磁器組成物
JP3321823B2 (ja) 非還元性誘電体磁器組成物
JPH05213668A (ja) 新規な誘電体磁器組成物
JP2654112B2 (ja) 誘電体磁器組成物
KR100268702B1 (ko) 유전체세라믹조성물
JPS6128620B2 (ja)
JP2872513B2 (ja) 誘電体磁器及び磁器コンデンサ
JPH05194027A (ja) 誘電体セラミック組成物
JP3289377B2 (ja) 高誘電率誘電体磁器組成物
JPH04368709A (ja) 非還元性誘電体磁器組成物
JP2692667B2 (ja) 誘電体磁器組成物
JP3319025B2 (ja) 高誘電率誘電体磁器組成物
JPH03112858A (ja) 誘電体磁器組成物
JP3289387B2 (ja) 高誘電率誘電体磁器組成物
JP3130961B2 (ja) 誘電体磁器組成物
JP3301814B2 (ja) 誘電体磁器組成物
KR100395089B1 (ko) Ni을 내부전극으로 하는 Y5V 적층 칩캐퍼시터용 유전체 조성물
JP3289378B2 (ja) 高誘電率誘電体磁器組成物
JPH0146471B2 (ja)

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 19990408