JPH05211696A - スピーカ振動板 - Google Patents

スピーカ振動板

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JPH05211696A JP4015661A JP1566192A JPH05211696A JP H05211696 A JPH05211696 A JP H05211696A JP 4015661 A JP4015661 A JP 4015661A JP 1566192 A JP1566192 A JP 1566192A JP H05211696 A JPH05211696 A JP H05211696A
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    • D21B1/04Fibrous raw materials or their mechanical treatment by dividing raw materials into small particles, e.g. fibres
    • D21B1/12Fibrous raw materials or their mechanical treatment by dividing raw materials into small particles, e.g. fibres by wet methods, by the use of steam
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    • D21PAPER-MAKING; PRODUCTION OF CELLULOSE
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  • Mechanical Engineering (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 水中に分散,懸垂されたセルロース若しくは
セルロースと類似の構造を有する繊維を高圧に加圧した
後、常圧大気中に噴出することにより微細化した繊維8
を抄造して形成したことを特徴とする。 【効果】 高剛性,高弾性及び高内部損失のスピーカ振
動板が容易に安定して得られ、歪が少なく高域共振周波
数が高い良好な音響特性を有するスピーカを実現する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はスピーカ振動板に関する
ものであり、特にその構成材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】スピーカ振動板の材料としては、木材パ
ルプを抄造した紙製振動板が多用されている。スピーカ
振動板の製造は、叩解工程の後、抄紙工程に進むのが一
般的である。叩解工程においては、叩解機を用い繊維組
織に対し剪断,圧縮,磨砕等の機械的外力を加えて行わ
れる。
【0003】叩解処理の目的は繊維を“ひげ”状の糸状
体であるフィブリル(fibril)とすることで繊維
を軟化し、次の抄紙工程において繊維の絡み付きを大き
くし、紙力の大きい、引き裂き強さ、引張り強さ、弾性
率等の良好な物性を有するスピーカ振動板を得るためで
ある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記の如く繊
維には機械的外力が繰り返し加えられるため、フィブリ
ル化と同時に繊維の切断,崩壊が進行することになり、
結果として紙の物性が低下することにも成りかねず、従
ってスピーカ振動板製造においても、叩解の工程管理が
最も繁雑困難なものであり、振動板ひいてはスピーカの
品質ばらつきの一因ともなっていた。
【0005】本発明は以上の課題を解決するためになさ
れたものであり、機械的外力によらず繊維をフィブリル
化することにより、製造が容易であり品質の安定した物
性の良好なスピーカ振動板を得るものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明にかかるスピーカ
振動板は、セルロース若しくはセルロースと類似の構造
を有する繊維を、水中に分散し加圧処理した後、常圧大
気中に噴出することにより、繊維束を内部より破裂せし
め微細化した繊維を抄造し形成したものである。
【0007】
【作用】本発明におけるスピーカ振動板は、その材料と
して木材パルプ,竹パルプ,笹パルプ,さらにはキチ
ン,キトサン等のセルロース若しくはセルロース類似構
造を基本骨格とする繊維を、加圧下において水に浸漬す
ることにより、繊維内部に水を浸透し、十分なる膨張を
起こした後、上記繊維を含む水溶液を常圧の大気中に瞬
間的に噴出して、繊維内部に浸透した水の急激な膨張に
より、繊維束を内部より破裂して得られる非常に微細な
繊維を抄造し得るものである。
【0008】
【実施例】水に分散した未叩解の、重量比で6%の木材
パルプ繊維を含む水溶液を、図1に示す耐圧容器1にコ
ンプレッサー2による圧縮空気を弁3を介して導入し該
耐圧容器1内を8kg/cm2に加圧する。上記木材パ
ルプ繊維が十分に膨潤し、繊維内に水が浸透した後、耐
圧容器1の下部の噴出弁4を開き、加圧した繊維分散水
溶液を常圧の大気中に放出する。このとき繊維内部に浸
透した水が急激な膨張をすることにより、繊維束が内部
より破裂し非常に微細なフィブリルを得ることができ
る。尚、符号5は排気安全弁である。
【0009】図2(a)乃至図2(c)に、木材パルプ
繊維の概略拡大図を示す。
【0010】図2(a)に示す繊維6は未叩解の繊維を
示したものである。上記繊維6の表層は2次壁外層を示
している。2次壁外層はその内部繊維よりもやや緻密と
なった組織であり、2次壁外層により内部のフィブリル
が束にまとめられた構造となっている。
【0011】図2(b)に示す繊維7は機械的外力によ
り叩解処理を受けた繊維を示したものであり、切断され
た繊維の両端及び外層の損傷部分より内部のフィブリル
が露出している。図2(c)に示す繊維8は本発明のス
ピーカ振動板に用いた繊維を示したものであり、フィブ
リルを束ねる2次壁外層が破裂しフィブリルが完全にば
らけた様子を示している。
【0012】上記の繊維の微細化工程は従来の叩解工程
に相当するものであるが、従来の叩解では叩解機の刃を
繊維に当てるという機械的外力により繊維のフィブリル
化を行っていたが、本発明のスピーカ振動板において
は、繊維に機械的外力を加えることなくフィブリル化を
行ない得るため、繊維自体に何ら損傷を与えることなく
抄紙を行なえるものである。
【0013】上記図2(c)に示す、木材パルプの微細
繊維により抄造し、成形して直径12cmのコーン型振
動板を作製した。この本発明の実施例による振動板を用
いて試作したスピーカの周波数特性を図3中の特性Aに
示す。
【0014】上記本発明の実施例の振動板の比較例とし
て、ホランダー型叩解機を用いて叩解した上記図2
(c)に示す、木材パルプ繊維により、上記本実施例と
同一形状のスピーカ振動板を成形して得られるスピーカ
の周波数特性を図3中の特性Bに示す。
【0015】上記本発明の実施例と比較例とにおいて得
られた振動板の物性を下表1に示す。
【0016】
【表1】
【0017】
【発明の効果】叙上のように、本発明は、加圧したパル
プ分散水溶液を常圧大気中に噴出して得られる微細繊維
を用いることにより、高剛性,高弾性及び高内部損失の
スピーカ振動板が容易に安定して得られ、歪が少なく高
域共振周波数が高い良好な音響特性を有する優れたスピ
ーカを実現するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のスピーカ振動板の木材パルプ繊維の水
溶液を加圧・放出する耐圧容器の概略側面図である。
【図2】木材パルプ繊維の概略拡大図である。
【図3】本発明のスピーカ振動板を実施したスピーカ及
び従来の同等スピーカの周波数特性図である。
【符号の説明】
1 耐圧容器 6 未叩解の木材パルプ繊維 7 機械的外力により叩解処理を受けた木材パルプ繊維 8 本発明によるスピーカ振動板の木材パルプ繊維

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水中に、懸垂されたセルロース若しくは
    セルロースと類似の構造を有する繊維を高圧に加圧した
    後、常圧大気中に噴出することにより微細化した繊維を
    抄造して形成したことを特徴とするスピーカ振動板。
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