JPH05300588A - 電気音響変換器用振動板 - Google Patents

電気音響変換器用振動板

Info

Publication number
JPH05300588A
JPH05300588A JP12828392A JP12828392A JPH05300588A JP H05300588 A JPH05300588 A JP H05300588A JP 12828392 A JP12828392 A JP 12828392A JP 12828392 A JP12828392 A JP 12828392A JP H05300588 A JPH05300588 A JP H05300588A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cellulose fibers
diaphragm
wood pulp
fibers
electroacoustic transducer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP12828392A
Other languages
English (en)
Inventor
Yuji Ono
祐司 小野
Takanori Nonaka
孝則 野中
Norio Shirai
詔夫 白井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daicel Corp
Onkyo Corp
Original Assignee
Onkyo Corp
Daicel Chemical Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Onkyo Corp, Daicel Chemical Industries Ltd filed Critical Onkyo Corp
Priority to JP12828392A priority Critical patent/JPH05300588A/ja
Publication of JPH05300588A publication Critical patent/JPH05300588A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Diaphragms For Electromechanical Transducers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 ホヤの外被より抽出したセルロース質繊維に
ポリビニルアルコールをグラフト重合し、当該グラフト
重合されたホヤセルロース質繊維と木材パルプより得ら
れるセルロース質繊維よりな電気音響変換器用振動板。 【効果】 適度の内部損失と、剛性の高い振動板を提供
すること。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は動電型スピーカ、マイ
クロホン等の電気音響変換器に使用される振動板の改良
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来スピーカ等の電気音響変換器用の振
動板としては、天然繊維である木材パルプから得られる
セルロース繊維が多く用いられている。又、高分子材
料、金属材料、セラミック材料も振動板材料として使用
されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】振動板材料として要求
される物理的特性として、変換効率を向上させるために
密度(ρ)が小さいこと、再生帯域を拡大させるために
比弾性率(E/ρ)が大きいこと、周波数特性における
有害なピーク・ディップの発生を抑制するために適度な
内部損失をもつことが挙げられる。高分子材料、金属材
料及びセラミック材料は木材パルプから得られるセルロ
ーズ質繊維に比較して材料自体のヤング率が大きいため
剛性が大きく周波数帯域の拡大において効果を有する
が、材料の均質性及び内部損失が小さいことに起因して
固有の共振周波数帯において周波数特性上有害なピーク
・ディップが発生する問題があった。
【0004】一方、木材パルプから得られるセルロース
質繊維を使用した振動板は、材料自体のヤング率が小さ
いため剛性の高いものが得られず、高域周波数帯におけ
る分割振動により周波数特性上有害なビーク・ディップ
が発生する問題があった。
【0005】又当該セルロース質繊維にアラミッド繊
維、炭素繊維等のヤング率の高い繊維材料を混合した振
動板も採用されているが、振動板として剛性を得るため
には繊維自体のヤング率が高いことと共に繊維間の結合
力が要因となり、この種のアラミド繊維や炭素繊維は自
己結合力を持たないため、期待された効果を得るには至
っていなかった。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明は上記の問題を
解決し、適度の内部損失と、剛性を保持しつつ低密度の
振動板を提供するものであり、ホヤの外被から抽出さ
れ、ポリビニルアルコールをグラフト重合したセルロー
ス質繊維と木材パルプより得られるセルロース質繊維よ
りなる電気音響変換器用振動板である。
【0007】
【実施例】ホヤの外被をカッター等で切断して5〜20
mm程度の大きさにする。この切断片をホモジナイザーや
ミキサー等の粉砕装置を用いて粉砕する。処理時間は数
分程度であり、粉砕の結果繊維状のスラリーが得られ
る。次に蛋白質を除去するために前記工程により粉砕さ
れたスラリーを例えば0.25N程度のNaOH溶液中
で加熱し、還流装置で2〜8時間程度処理を行う。
【0008】蛋白質除去後、塩酸、硫酸等の酸で中和
し、蒸留水で洗浄する。次に脂肪を除去するために、例
えばエーテルとエタノールの混合溶液(体積比 1:
1)中で加熱し、ソックスレー抽出器等を用いて約4時
間処理を行う。次に、高圧ホモジナイザー、ディスクフ
ァイナー、ジョルダン、ビータ等を用いてミクロフィブ
リル化を行う。
【0009】機種の選定は所望の叩解度の微細繊維が得
られることを基準にすれば良い。以上の装置のうち、高
圧ホモジナイザーは特に高剪断力が得られるため材料の
微細化に特に優れている。
【0010】得られたセルロース質の微細繊維は、安定
な水懸濁液を形成し、2%固形分懸濁駅で通常のB型粘
度計を用いた測定によると2000cpの値を示し、0.
5%固形分まで希釈しても水の分離層を形成しない。
【0011】この状態のセルロース質の微細繊維は、そ
の大部分が直径0.1μm以下の微細繊維であった。
【0012】この様にして得られたホヤセルロース質繊
維にポリビニルアルコールをグラフト重合する。
【0013】すなわち、酸化剤としてセリウム塩を用い
てセルロース中の水素原子を奪い、ラジカルを発生さ
せ、ポリビニルアルコールを重合させる。次に、木材パ
ルプから得られるセルロース質繊維を混合、撹拌し、コ
ーン形状の抄造する。
【0014】この発明に使用されるホヤの外被から抽出
したセルロース質微細繊維はミクロフィブリル状態まで
叩解されているので、表面が活性化されている。このた
め木材パルプから得られるセルロース質繊維間の水素結
合を促進し、繊維間の結合が強くなり、剛性の高い振動
板が得られる。又、ホヤから得られるセルロース質微細
繊維に内部損失の大きいポリビニルアルコールがグラフ
ト重合されているので振動板の内部損失が向上し、周波
数特性上有害なピーク・ディップの発生を抑制すること
ができる。
【0015】ホヤの種類は100種以上あるが、現在マ
ボヤが養殖されているので、材料供給事情から判断して
これを用いることが望ましい。
【0016】以下、実施例に基きこの発明を説明する。
【0017】実施例1 ホヤの外被をカッター等で切断して5〜20mm程度の大
きさにする。この切断片をホモジナイザーを用いて10
分間粉砕する。次に還流装置により0.25NのNaO
H溶液中で100℃において6時間処理しタンパク質を
除去した。
【0018】その後0.25N HClで中和してから
蒸留水で洗浄した。ソックスレー抽出器を使用し、エー
テルとエタノールの混合溶液(体積比 1:1)中で2
時間、70℃で加熱処理した。更に高圧ホモジナイザー
により500Kgf /cm2 の圧力で30回フィブリル化処
理を行った。得られたセルロース質繊維はミクロフィブ
リル状態まで叩解されており、繊維径が0.1μm、繊
維長が800μmであった。
【0019】このようにして得られたセルロース質繊維
にポリビニルアルコールグラト重合させる。すなわち、
ホヤセルロース質繊維に酸化剤としてセリウム塩を用
い、これらポリビニルアルコールを混合する。するとア
ルコール類とコンプレックスを生成し、これが分解して
アルコール類にラジカルが発生する。その結果、セルロ
ースの分子末端のヘミセルロースと前記のアルコール類
がグラフト重合を起こし、共重合体が得られる。得られ
たグラフト共重合体はセルロースとポリビニルフルコー
の両方の性質がある程度重なった性質を示すが、再沈殿
によっても両成分は分離せず化学的に結合している。
【0020】グラフト重合されたホヤセルロース繊維重
量に木材パルプから得られるセルロース質繊維を重量比
で3:7の割合で混合し、通常のコーン紙抄造装置によ
りコーン形状に抄造した。
【0021】比較例として木材パルプから得られるセル
ロース質繊維を通常のコーン紙抄造装置により抄造しコ
ーン振動板を得た。
【0022】実施例及び比較例のコーン形振動板から試
験片を切り出しそれぞれその密度、ヤング率、伝播速度
及び内部損失(tan δ)を測定し、表1の結果を得た。
【0023】
【発明の効果】
【0024】
【表1】 表1に示したように、この発明によれば密度(ρ)の上
昇が見られるが、その増加割合に比較してヤング率
(E)の向上が著しく比弾性率(E/ρ)を向上するこ
とができた。又伝播速度も向上することができた。
【0025】更に内部損失(tan δ)も上げることがで
きた。
【0026】従って、この発明の振動板を使用した電気
音響変換器は、高能率と広帯域におれる平坦な周波数特
性を得ることができた。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ホヤの外被から抽出され、ポリビニルアル
    コールをグラフト重合したセルロース質繊維と木材パル
    プより得られるセルロース質繊維よりなることを特徴と
    する電気音響変換器用振動板。
JP12828392A 1992-04-20 1992-04-20 電気音響変換器用振動板 Pending JPH05300588A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP12828392A JPH05300588A (ja) 1992-04-20 1992-04-20 電気音響変換器用振動板

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP12828392A JPH05300588A (ja) 1992-04-20 1992-04-20 電気音響変換器用振動板

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH05300588A true JPH05300588A (ja) 1993-11-12

Family

ID=14980997

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP12828392A Pending JPH05300588A (ja) 1992-04-20 1992-04-20 電気音響変換器用振動板

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH05300588A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007208809A (ja) * 2006-02-03 2007-08-16 Daicel Chem Ind Ltd 音響振動板及びその製造方法

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6343496A (ja) * 1986-08-11 1988-02-24 Matsushita Electric Ind Co Ltd スピ−カ用振動板
JPH0410800A (ja) * 1990-04-27 1992-01-14 Onkyo Corp 電気音響変換器用振動板

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6343496A (ja) * 1986-08-11 1988-02-24 Matsushita Electric Ind Co Ltd スピ−カ用振動板
JPH0410800A (ja) * 1990-04-27 1992-01-14 Onkyo Corp 電気音響変換器用振動板

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007208809A (ja) * 2006-02-03 2007-08-16 Daicel Chem Ind Ltd 音響振動板及びその製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2892707B2 (ja) スピーカ振動板
JP5622412B2 (ja) 成形材料及びその製造方法
JP2719261B2 (ja) スピーカ振動板
JP5848330B2 (ja) セルロースナノフィラメント及びセルロースナノフィラメントを製造する方法
JP5612922B2 (ja) 微小繊維及びその製造方法並びに不織布
JP2008169497A (ja) ナノファイバーの製造方法およびナノファイバー
US3935924A (en) Vibratory material of paper pulp and carbon fibers
JPH04367198A (ja) スピーカ用振動板
JP7187243B2 (ja) セルロース繊維の成形体及びその製造方法
JPH07112312B2 (ja) 電気音響変換器用振動板
JPH06311595A (ja) 電気音響変換器用振動板
JPH05300588A (ja) 電気音響変換器用振動板
WO2007099865A1 (ja) スピーカ用抄紙部品の製造方法、スピーカ用抄紙部品、スピーカ用振動板、スピーカ用サブコーン、スピーカ用ダストキャップおよびスピーカ
JP6613875B2 (ja) スピーカー振動板
JPH05300586A (ja) 電気音響変換器用振動板
JPH05300587A (ja) 電気音響変換器用振動板
US9818395B2 (en) Acoustic diaphragm
KR102058922B1 (ko) 스피커 진동판용 나노복합체 시트(sheet) 및 스피커 진동판용 나노복합체 시트(sheet)의 제조방법
JP3511742B2 (ja) 低密度成型体及び低密度シートの製造方法
JPH04119100A (ja) 電気音響変換器用振動板
JP3570040B2 (ja) 電気音響変換器用部品
JP5272592B2 (ja) スピーカ用振動板の製造方法およびこの製造方法により製造されたスピーカ用振動板およびこのスピーカ用振動板を使用したスピーカ
JPH04213300A (ja) スピーカ用振動板及びその製造方法
JP3187915B2 (ja) 抄造体の製造方法、音響振動板及びその製造方法
KR20110043253A (ko) 스피커용 진동판 및 이의 제조방법