JPH07112312B2 - 電気音響変換器用振動板 - Google Patents

電気音響変換器用振動板

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JPH07112312B2
JPH07112312B2 JP2112239A JP11223990A JPH07112312B2 JP H07112312 B2 JPH07112312 B2 JP H07112312B2 JP 2112239 A JP2112239 A JP 2112239A JP 11223990 A JP11223990 A JP 11223990A JP H07112312 B2 JPH07112312 B2 JP H07112312B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は電気音響変換器用振動板に関する。さらに詳し
くは、剛性が高く、気密性が大幅に改善された電気音響
変換器用振動板に関する。
[従来の技術] 従来、電気音響変換器用、たとえばスピーカ用振動板の
材料として、木材パルプからえられるセルロース質繊維
を用いた振動板が採用されていた。また、近年高分子材
料、金属材料、セラミック材料などがスピーカ用振動板
として採用されている。しかし、製造が容易であるこ
と、適切な内部損失を有すること、音質を左右する要因
(木材パルプの種類、フリーネス、サイズ剤、紙力増強
剤など)が非常に多いため多様な音質要求に対応できる
ことから、木材パルプからえられるセルロース質繊維を
使用したスピーカ用振動板の要求が多い。
[発明が解決しようとする課題] 高分子材料、金属材料、セラミック材料のスピーカ用振
動板は木材パルプからえられるセルロース質繊維のスピ
ーカ用振動板に比べて材料の物性に起因して、剛性が大
きい利点を有するが、反面前記材料の均質性に起因し
て、固有の共振周波数を持ちやすく、特有の音色を有す
る。
一方、木材パルプからえられるセルロース質繊維の振動
板は、材料の不均質性および抄造した繊維の絡みの不均
一性に起因して、固有の共振周波数を持ちにくく、いわ
ゆる自然な音色を有するが、剛性が低いために高域周波
数帯における分割振動により、周波数特性上に好ましく
ないピーク・ディップが発生する問題があった。
このような木材パルプからえられるセルロース質繊維の
問題点を解決するために、当該セルロース質繊維に補強
材料として有機または無機繊維を混抄したスピーカ用振
動板が考えられている。ところが、この種のスピーカ用
振動板は、木材パルプからえられるセルロース質繊維と
有機または無機繊維間の水素結合が期待できないため、
繊維の機械的な係わり合いによりその剛性が決定される
ので、振動板自体の剛性を高めることができなかった。
また、これらの有機または無機繊維の配合量を増加して
も所望の剛性がえられないという問題がある。
本発明の目的は、叙上の事情に鑑み、前記セルロース質
繊維の特質を失うことなく、更に剛性を高めた電気音響
変換器用振動板を提供することにある。
[課題を解決するための手段] 本発明の電気音響変換器用振動板は、ホヤの外被より抽
出したセルロース質の微細繊維単独よりなるシートまた
は当該セルロース質の微細繊維と木材パルプからえられ
るセルロース質繊維とを混抄したシートからなることを
特徴としている。
[実施例] 本発明の音響変換器用振動板、たとえばスピーカ用振動
板はホヤより抽出したセルロース質の微細繊維シートよ
りなることを特徴とするものである。また、本発明は、
木材パルプからえられたセルロース質繊維にホヤより抽
出したセルロース質の微細繊維を添加してえられたシー
トよりなることを特徴とするものである。
木材パルプよりえられるセルロース質繊維は、従来から
用いられているものであって、本発明においてとくに限
定されるものではない。
セルロース質の微細繊維の原料としては、高剛性の点よ
り結晶化度の高いセルロース材料であることが好ましい
が、ホヤセルロースは他の天然セルロースに比べてこの
結晶化度が非常に高いため(通常90%以上である)、出
発原料として非常に適している。因みに、ホヤ繊維、ミ
クロフィブリル化したホヤ戦域およびバクテリア繊維に
ついて、X線回折法により結晶化度を測定(以下同様)
したところ、順に93%、90%および76%という結果がえ
られた。
ホヤの種類は100種類以上あるが、現在マボヤが養殖さ
れているので、材料供給事情から考えるとマボヤを用い
るのが好ましい。
ホヤセルロースは、通常、以下のごとき精製工程を経て
微細繊維化される。
まず、ホヤの外被をカッターなどで切断して5〜20mm程
度の大きさにする。そして、この切断片をホモジナイザ
ーやミキサーなどの粉砕装置を用いて粉砕する。処理時
間は数分程度であり、粉砕の結果繊維質のスラリーがえ
られる。ついで、タンパク質を除去するために粉砕した
ホヤセルロースをたとえば0.25N程度のNaOH溶液にて加
熱し、還流装置で2〜8時間程度処理を行う。
タンパク質除去後、塩酸、硫酸などの酸を用いて中和
し、蒸留水にて洗浄する。
つぎに、脂肪を除去するために、たとえばエーテルとエ
タノールの割合(体積比)が1:1の溶液にて加熱し、ソ
ックスレー抽出器などを用いて4時間程度処理を行う。
最後に、高圧ホモジナイザー、ディスクリファイナー、
ジョルダン、ビーターなどを用いてミクロフィブリル化
処理を行う。機種の選定は所望の叩解度の微細繊維がえ
られることを基準に行えばよい。以上の装置のうち、高
圧ホモジナイザーはとくに高剪断力がえられるため材料
の微細化にとくに適しており、たとえばManton−Gaulin
社製の高圧ホモジナイザーなどを好適に用いることがで
きる。
高圧ホモジナイザーの処理能力または処理回数は、えら
れた処理液の性状を所望のものと比較することにより容
易に決定することができる。たとえば、処理圧力が高い
程、処理回数が少なくても同程度のレベルの微細化効果
をうることができる。
セルロース質の微細繊維は、安定な水懸濁液を形成し、
2%固形分懸濁液で通常のB型粘度系を用いて測定する
と2000cp以上の粘度を示し、0.5%固形分まで希釈して
も水の分離層を形成しないものである。この状態のセル
ロース質の微細繊維は、その大部分が直径0.1μm以下
の微細繊維になっており、パルプ繊維と混抄した振動板
の断面の電子顕微鏡写真を観察することにより0.1μm
以下の繊維が存在することを確認することによって証明
できる。
セルロース質の微細繊維の木材パルプからえられるセル
ロース質繊維に対する添加量(木材パルプからえられる
セルロース質繊維に対する固形分重量)は、本発明にお
いてとくに限定されないが、概ね1〜30重量%が目安で
あり、好ましくは5〜20重量%、とくに好ましくは8〜
15重量%である。添加量が1重量%未満であると添加し
たことによる効果が少なく剛性が充分に上がらない。一
方30重量%を超えると抄紙時における水はけが極端にわ
るくなるため、抄紙時間が大幅に長くなり量産性の低下
をまねく。
本発明に用いられる、ホヤの外被から抽出したセルロー
ス質の微細繊維は、前述のごときミクロフィブリル状態
まで叩解されており、表面積は叩解前の約200倍にな
り、表面が活性化されている。このため、ホヤ単独のば
あい、微細繊維同士の水素結合が著しく大きいため、剛
性の高いシートがえられる。また木材パルプからえられ
るセルロース質繊維に混抄すると、繊維間の水素結合を
促進し、繊維同士の結合は強固なものになり、えられる
スピーカ用振動板の剛性が高くなる。また、微細繊維は
空隙を埋めるため、繊密な振動板がえられ、スピーカ振
動板の空気漏れが少なくなる。
以下、実施例に基づき本発明の電気音響変換器用振動板
を説明するが、本発明はもとよりかかる実施例にのみ限
定されるものではない。
実施例1 ホヤの外被をカッターで5〜20mm程度の大きさに切断
し、この切断片をホモジナイザー(日本精機製作所
(株)製)で10分間粉砕した。ついで、還流装置により
0.25N NaOH溶液中で100℃において6時間処理してタン
パク質を除去した。
そののち、0.25N HClにて中和してから、蒸留水で洗浄
を行った。
つぎに、上記工程でえられた試料をソックスレー抽出器
により、エタノールとエーテルの割合(体積比)が1:1
の溶液で2時間加熱(加熱温度70℃)処理して脂肪を除
去した。
最後に高圧ホモジナイザーに仕込み500kgf/cm2の圧力で
30回ミクロフィブリル化処理を行った。
えられたセルロース質繊維はセルロース繊維がミクロフ
ィブリル状態まで叩解されており、繊維長800μm、繊
維径0.1μmであった。
つぎに、木材パルプよりえられるセルロース質繊維(結
晶化度:60〜70%)に前記セルロース質の微細繊維を10
重量%(木材パルプからえられるセルロース質繊維に対
する固形物重量)添加し、抄紙した。
えられたシートについて、透気度(JIS P8117準拠)、
伝播速度および密度を測定した。結果を第1表および第
1図に示す。また、同様にして振動板形状に抄紙してえ
た振動板(截頭円錐体状。開口117mmφ、ネック26mm
φ、高さ32mm)を組込んだスピーカの周波数特性を測定
した。結果を第2図に示す。
実施例2〜3 木材パルプよりえられるセルロース質繊維に対するセル
ロース質の微細繊維の添加量をそれぞれ20重量%(実施
例2)および30重量%(実施例3)に変更した以外は実
施例1と同様にしてシートを作製した。
えられたシートについて、実施例1と同様にして透気
度、伝播速度および密度を測定した。結果を第1表に示
す。
実施例4 前述の工程によりえられたセルロース質の微細繊維2%
固形分懸濁液を金属板面に均一に流して層を形成し、更
に、その上方から金属板を配置して懸濁液を挟み込み、
130℃でプレス乾燥をして厚さ0.1mmのシートを作製し
た。えられたシートについて、実施例1と同様にして、
透気度、伝播速度および密度を測定した。
測定した結果を第1表に示す。
比較例 セルロース質の微細繊維を添加することなく木材パルプ
よりえられるセルロース質繊維のみでシートを作製し
た。
えられたシートについて、実施例1と同様にして透気
度、伝播速度および密度を測定した。結果を第1表に示
す。また、同様にして振動板形状に抄紙してえた振動板
(実施例1と同形状)を組込んだスピーカの周波数特性
を測定した。結果を第2図に示す。
第1表より明らかなように、本発明の振動板は、密度が
木材パルプからえられるセルロース質繊維のみからなる
ものとあまり変わらないにもかかわらず振動板の伝播速
度が大きくなっており、シートの剛性が高くなっている
ことがわかる。また、透気度が非常に大きくなってお
り、気密性が大幅に改善させていることがわかる。さら
に、本発明の振動板を使用したスピーカは、第2図に示
すように周波数の高い領域における音圧の減少が少な
く、さらにピーク・ディップの発生が少ないことがわか
った。
[発明の効果] 以上説明したとおり、本発明の電気音響変換器用振動板
はホヤの外被より抽出したセルロース質の微細繊維単独
または木材パルプからえられるセルロース質繊維とを混
抄したシートからなるので、剛性が高く、気密性が改善
され、空気漏れの少ない電気音響変換器用振動板をうる
ことができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は実施例1におけるシートの伝播速度を示す図、
第2図は実施例1および比較例におけるスピーカ振動板
の周波数特性を示す図である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ホヤの外被より抽出したセルロース質の微
    細繊維単独または木材パルプから得られるセルロース質
    繊維とを混抄したシートからなることを特徴とする電気
    音響変換器用振動板。
  2. 【請求項2】前記セルロース質の微細繊維の添加量が木
    材パルプからえられるセルロース質繊維に対して1〜30
    重量%である請求項1記載の電気音響変換器用振動板。
  3. 【請求項3】前記セルロース質の微細繊維の結晶化度が
    90%以上である請求項1または2記載の電気音響変換器
    用振動板。
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