JPH09107595A - 電気音響変換器用振動板 - Google Patents
電気音響変換器用振動板Info
- Publication number
- JPH09107595A JPH09107595A JP28795495A JP28795495A JPH09107595A JP H09107595 A JPH09107595 A JP H09107595A JP 28795495 A JP28795495 A JP 28795495A JP 28795495 A JP28795495 A JP 28795495A JP H09107595 A JPH09107595 A JP H09107595A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- diaphragm
- fibers
- fiber
- cellulose
- cellulose fibers
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Paper (AREA)
- Diaphragms For Electromechanical Transducers (AREA)
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 高弾性率、高耐熱性等の優れた特性を有した
ポリベンザゾール(PBZ)繊維とセルロース繊維との
混合による電気音響変換器用振動板を提供する。 【解決手段】 植物あるいはバイオセルロース繊維と、
引張強度4.0GPa以上で初期引張弾性率140GP
a以上であり繊維長0.1〜10mmであるポリベンザ
ゾール繊維とを混合して湿式抄造法により振動板を得
る。
ポリベンザゾール(PBZ)繊維とセルロース繊維との
混合による電気音響変換器用振動板を提供する。 【解決手段】 植物あるいはバイオセルロース繊維と、
引張強度4.0GPa以上で初期引張弾性率140GP
a以上であり繊維長0.1〜10mmであるポリベンザ
ゾール繊維とを混合して湿式抄造法により振動板を得
る。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電気音響機器に使用
されるスピーカやマイクロホン等の電気音響変換器用振
動板に関し、詳しくは比弾性率が大きく適度な内部損失
を有し、耐候性等に優れた電気音響変換器用振動板に関
する。
されるスピーカやマイクロホン等の電気音響変換器用振
動板に関し、詳しくは比弾性率が大きく適度な内部損失
を有し、耐候性等に優れた電気音響変換器用振動板に関
する。
【0002】
【従来の技術】スピーカやマイクロホン等に使用される
電気音響変換器用振動板に要求される物性として、比弾
性率が大きく、適当な内部損失を有し、機械的疲労が少
なく、耐候性に優れている等の点が挙げられる。このよ
うな要望に応えるべく従来より種々の金属、セラミック
ス、合成樹脂、合成繊維、植物セルロース(木材、非木
材パルプ)、微生物セルロース繊維等の素材が提案さ
れ、種々の加工法を用いて加工され使用されてきた。
電気音響変換器用振動板に要求される物性として、比弾
性率が大きく、適当な内部損失を有し、機械的疲労が少
なく、耐候性に優れている等の点が挙げられる。このよ
うな要望に応えるべく従来より種々の金属、セラミック
ス、合成樹脂、合成繊維、植物セルロース(木材、非木
材パルプ)、微生物セルロース繊維等の素材が提案さ
れ、種々の加工法を用いて加工され使用されてきた。
【0003】その中で、金属やセラミックスは弾性率は
大きいものの、密度が高く内部損失が小さいため、高域
再生用には使用できるが、軽量高剛性が求められる中低
音域や全帯域用には不適当である。
大きいものの、密度が高く内部損失が小さいため、高域
再生用には使用できるが、軽量高剛性が求められる中低
音域や全帯域用には不適当である。
【0004】また、合成樹脂を用いたものは合成樹脂単
体もしくはベースになる樹脂にフィラー(filler)を混
合したもの、他の樹脂とアロイ(alloy)したもの等を
シート化し、これを成形加工(主に真空成形)したもの
や、ペレットにして射出成形機にて射出成形したもの等
がある。これらの樹脂振動板は、比弾性率も高く、適当
な内部損失も持っており、量産時のバラツキも小さいこ
とから比較的優れた性質を有するが、熱に弱く、厚みの
コントロールが容易でないため設計上の自由度の小さい
ことが欠点である。
体もしくはベースになる樹脂にフィラー(filler)を混
合したもの、他の樹脂とアロイ(alloy)したもの等を
シート化し、これを成形加工(主に真空成形)したもの
や、ペレットにして射出成形機にて射出成形したもの等
がある。これらの樹脂振動板は、比弾性率も高く、適当
な内部損失も持っており、量産時のバラツキも小さいこ
とから比較的優れた性質を有するが、熱に弱く、厚みの
コントロールが容易でないため設計上の自由度の小さい
ことが欠点である。
【0005】一方、各種植物のセルロース繊維を用いて
抄造により得られる紙製振動板は、設計の自由度が高
く、適当な内部損失を有しているものの、比弾性率はそ
れほど大きくなく、この比弾性率を改善するため、各種
合成繊維、特にアラミド繊維やカーボン繊維セラミック
ス繊維を混合したものが提案されている。
抄造により得られる紙製振動板は、設計の自由度が高
く、適当な内部損失を有しているものの、比弾性率はそ
れほど大きくなく、この比弾性率を改善するため、各種
合成繊維、特にアラミド繊維やカーボン繊維セラミック
ス繊維を混合したものが提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】セルロース繊維(植物
セルロース繊維と微生物セルロース繊維の総称)にアラ
ミド繊維を混合したものは、セルロース繊維だけのもの
に比べて比弾性率が向上し、適当な内部損失も得られる
が、比弾性率ではカーボン繊維を混合したものが優れて
いる。しかし、カーボン繊維を混合したものは、比弾性
率はアラミド繊維を混合したものより大きいが、内部損
失がそれほど大きくないという欠点がある。また、カー
ボンの導電性は、スピーカの構造上それ自体では致命的
ではないものの問題があり、特にスピーカ製造時の絶縁
処理はコストの面で障害となっている。さらに、高弾性
タイプのカーボン繊維には強度が十分でないものが多
く、抄造時に繊維に折れが発生することが多く、この折
れが物性の低下を招くと共に製品のバラツキにもなると
いう欠点がある。
セルロース繊維と微生物セルロース繊維の総称)にアラ
ミド繊維を混合したものは、セルロース繊維だけのもの
に比べて比弾性率が向上し、適当な内部損失も得られる
が、比弾性率ではカーボン繊維を混合したものが優れて
いる。しかし、カーボン繊維を混合したものは、比弾性
率はアラミド繊維を混合したものより大きいが、内部損
失がそれほど大きくないという欠点がある。また、カー
ボンの導電性は、スピーカの構造上それ自体では致命的
ではないものの問題があり、特にスピーカ製造時の絶縁
処理はコストの面で障害となっている。さらに、高弾性
タイプのカーボン繊維には強度が十分でないものが多
く、抄造時に繊維に折れが発生することが多く、この折
れが物性の低下を招くと共に製品のバラツキにもなると
いう欠点がある。
【0007】本発明はかかる点に鑑みなされたもので、
その目的とするところは、上記のような従来の欠点を補
うため、弾性率がカーボン繊維と略同等(アラミド繊維
の約2倍)で、内部損失も大きく、高強度、高耐熱性を
有した有機繊維である、ポリパラフェニレンベンズビス
チアゾール(PBT)やポリパラフェニレンベンズビス
オキサゾール(PBO)等のポリベンザゾール(PB
Z)繊維とセルロース繊維との混合による電気音響変換
器用振動板を提供することにある。
その目的とするところは、上記のような従来の欠点を補
うため、弾性率がカーボン繊維と略同等(アラミド繊維
の約2倍)で、内部損失も大きく、高強度、高耐熱性を
有した有機繊維である、ポリパラフェニレンベンズビス
チアゾール(PBT)やポリパラフェニレンベンズビス
オキサゾール(PBO)等のポリベンザゾール(PB
Z)繊維とセルロース繊維との混合による電気音響変換
器用振動板を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
本発明は、セルロース繊維と、引張強度4.0GPa以
上で初期引張弾性率140GPa以上であるポリベンザ
ゾール繊維とを混合することとした。
本発明は、セルロース繊維と、引張強度4.0GPa以
上で初期引張弾性率140GPa以上であるポリベンザ
ゾール繊維とを混合することとした。
【0009】また、上記ポリベンザゾール繊維は繊維長
が0.1〜10mmであることとした。
が0.1〜10mmであることとした。
【0010】また、セルロース繊維は30〜99重量
%、ポリベンザゾール繊維は1〜70重量%の混合比で
あることとした。
%、ポリベンザゾール繊維は1〜70重量%の混合比で
あることとした。
【0011】また、振動板は湿式抄造法により得ること
とした。
とした。
【0012】また、上記セルロース繊維はセルロース産
生菌(Acetobacter xylinum etc.)である微生物から得
られる微生物セルロース繊維であることとした。
生菌(Acetobacter xylinum etc.)である微生物から得
られる微生物セルロース繊維であることとした。
【0013】
【発明の実施の形態】次に本発明の実施の形態について
説明する。 引張強度4.0GPa以上、初期弾性率1
40GPa以上であるポリベンザゾール(PBZ)繊維
を、繊維長0.1〜10mm好ましくは2〜4mmに切
断し、セルロース繊維と混合して振動板を形成する。
説明する。 引張強度4.0GPa以上、初期弾性率1
40GPa以上であるポリベンザゾール(PBZ)繊維
を、繊維長0.1〜10mm好ましくは2〜4mmに切
断し、セルロース繊維と混合して振動板を形成する。
【0014】なお、ここでポリベンザゾール(PBZ)
繊維とはポリベンズオキサゾール(PBZ)もしくはポ
リベンズチアゾール(PBT)、またはそれらのランダ
ムもしくはブロック共重合体からなる繊維をいう。
繊維とはポリベンズオキサゾール(PBZ)もしくはポ
リベンズチアゾール(PBT)、またはそれらのランダ
ムもしくはブロック共重合体からなる繊維をいう。
【0015】こうして、従来のアラミド繊維とセルロー
ス繊維を混合した振動板、およびカーボン繊維とセルロ
ース繊維を混合した振動板の良いところを合わせ持っ
た、比弾性率(音速)が大きく、かつ内部損失の大きい
理想に近い優れた振動板を得た。
ス繊維を混合した振動板、およびカーボン繊維とセルロ
ース繊維を混合した振動板の良いところを合わせ持っ
た、比弾性率(音速)が大きく、かつ内部損失の大きい
理想に近い優れた振動板を得た。
【0016】図1はこのようなセルロース繊維である木
材パルプと高弾性繊維の混抄振動板の物性を比較したも
ので、aはPBZ繊維混抄、bはカーボン繊維混抄、c
はp−アラミド繊維混抄、dは木材パルプ(NBKP)
100%である。また、縦軸は音速(m/s)を表し、
横軸は内部損失(tanδ×10-2)を表している。そ
して、この図の右上方向に行くに従って理想的な特性に
近づくことになる。
材パルプと高弾性繊維の混抄振動板の物性を比較したも
ので、aはPBZ繊維混抄、bはカーボン繊維混抄、c
はp−アラミド繊維混抄、dは木材パルプ(NBKP)
100%である。また、縦軸は音速(m/s)を表し、
横軸は内部損失(tanδ×10-2)を表している。そ
して、この図の右上方向に行くに従って理想的な特性に
近づくことになる。
【0017】なお、上述のセルロース繊維は木材等を原
料とする植物セルロースを用いたものであるが、例え
ば、特開昭61−281800号に記載されているよう
な、セルロース産生菌により得られたバイオセルロース
を用いることも可能である。この様なバイオセルロース
を用いれば、高ヤング率(従来のコーン紙の10〜30
倍)と高い内部損失を有するバイオセルロースの物性と
PBZ繊維の物性の両方を併せ持った優れた振動板を得
ることができる。
料とする植物セルロースを用いたものであるが、例え
ば、特開昭61−281800号に記載されているよう
な、セルロース産生菌により得られたバイオセルロース
を用いることも可能である。この様なバイオセルロース
を用いれば、高ヤング率(従来のコーン紙の10〜30
倍)と高い内部損失を有するバイオセルロースの物性と
PBZ繊維の物性の両方を併せ持った優れた振動板を得
ることができる。
【0018】ところで、従来のポリベンザゾール(PB
Z)繊維は、繊維製造時や後加工時にボイド(Void)が
発生する場合があり、ひいては耐水性が低下する傾向が
あるため、加水分解により製造直後の優れた性能を長期
間維持することが困難なことがあった。
Z)繊維は、繊維製造時や後加工時にボイド(Void)が
発生する場合があり、ひいては耐水性が低下する傾向が
あるため、加水分解により製造直後の優れた性能を長期
間維持することが困難なことがあった。
【0019】このように、ポリベンザゾール(PBZ)
繊維の加水分解作用を加速させる原因が、比較的大きい
ボイドからの水の進入にあることは既に知られており、
このボイドの大きさを小さくすることにより、加水分解
性が著しく改善される。このボイドの直径を25Å以下
にする方法としては、例えば特開平6−253389号
公報に記載されている手段がある。即ち、PBZを主成
分とするポリマーとポリリン酸からなるドープから紡糸
して繊維を製造するに際して、凝固浴のリン酸濃度が5
%以上の時、ボイド直径が25Å以下になるというもの
であり、その詳細については同公報を参照されたい。
繊維の加水分解作用を加速させる原因が、比較的大きい
ボイドからの水の進入にあることは既に知られており、
このボイドの大きさを小さくすることにより、加水分解
性が著しく改善される。このボイドの直径を25Å以下
にする方法としては、例えば特開平6−253389号
公報に記載されている手段がある。即ち、PBZを主成
分とするポリマーとポリリン酸からなるドープから紡糸
して繊維を製造するに際して、凝固浴のリン酸濃度が5
%以上の時、ボイド直径が25Å以下になるというもの
であり、その詳細については同公報を参照されたい。
【0020】
【実施例】次に、本発明にかかる振動板1を製造する方
法の好ましい実施例について説明する。この実施例では
振動板1は湿式抄造法により製造した。即ち、所定の叩
解度に叩解された木材パルプに所定の長さにカットした
ポリパラフェニレンベンズビスオキサゾール(PBO)
繊維を添加し、これを抄紙、脱水、加圧加熱乾燥して振
動板1を得るもので、以下にその詳細について述べる。
法の好ましい実施例について説明する。この実施例では
振動板1は湿式抄造法により製造した。即ち、所定の叩
解度に叩解された木材パルプに所定の長さにカットした
ポリパラフェニレンベンズビスオキサゾール(PBO)
繊維を添加し、これを抄紙、脱水、加圧加熱乾燥して振
動板1を得るもので、以下にその詳細について述べる。
【0021】(1)木材パルプをカナダ標準3水度50
0mlに叩解し、この天然セルロース繊維に繊維長3m
mにカットしたPBO繊維を20重量%添加し、溶液
(スラリー)を作製した。 (2)上記(1)で得られた溶液(スラリー)を金網等
の上に所定の形状(この実施例ではコーン型)に抄き上
げ、脱水行程において適当な水分量に調整した(この例
では80%)。 (3)上記(2)で得られた抄造物を所定の形状(この
例ではコーン型)の金型を用いて加圧加熱乾燥した後、
所定の形状に打ち抜いて振動板本体1aを得た。ここで
の加圧加熱乾燥条件は、2kg/m2 ,180℃,30
秒とした。 (4)上記(3)で得られた振動板本体1aに合成ゴム
からなるエッジ2を取り付け、図2に示す振動板1を得
た。
0mlに叩解し、この天然セルロース繊維に繊維長3m
mにカットしたPBO繊維を20重量%添加し、溶液
(スラリー)を作製した。 (2)上記(1)で得られた溶液(スラリー)を金網等
の上に所定の形状(この実施例ではコーン型)に抄き上
げ、脱水行程において適当な水分量に調整した(この例
では80%)。 (3)上記(2)で得られた抄造物を所定の形状(この
例ではコーン型)の金型を用いて加圧加熱乾燥した後、
所定の形状に打ち抜いて振動板本体1aを得た。ここで
の加圧加熱乾燥条件は、2kg/m2 ,180℃,30
秒とした。 (4)上記(3)で得られた振動板本体1aに合成ゴム
からなるエッジ2を取り付け、図2に示す振動板1を得
た。
【0022】この様にして作製した振動板1とPBO繊
維の代わりにアラミド繊維を用いて同一工程にて作製し
た振動板を用いて、それぞれ口径13cmのスピーカを
作製し周波数特性を測定した。図3にその音圧−周波数
特性を示す。ここでは比較のため500Hz以上の周波
数特性を示している。図中aが本発明にかかる振動板を
用いたスピーカ、bが従来の天然セルロース繊維80
%,P−アラミド繊維20%の振動板を用いたスピーカ
である。この図から明らかなように本発明にかかる振動
板を用いたスピーカは高域に延びがあり高域特性が改善
されていることがわかる。
維の代わりにアラミド繊維を用いて同一工程にて作製し
た振動板を用いて、それぞれ口径13cmのスピーカを
作製し周波数特性を測定した。図3にその音圧−周波数
特性を示す。ここでは比較のため500Hz以上の周波
数特性を示している。図中aが本発明にかかる振動板を
用いたスピーカ、bが従来の天然セルロース繊維80
%,P−アラミド繊維20%の振動板を用いたスピーカ
である。この図から明らかなように本発明にかかる振動
板を用いたスピーカは高域に延びがあり高域特性が改善
されていることがわかる。
【0023】また、この例ではPBZ繊維(PBO)の
配合率を天然セルロース繊維80%に対し20%とした
が、これに限定するものではなく、その用途などにより
混合比を変えることで異なる物性の振動板が得られる。
このPBZ繊維の配合比と物性の関係を図4に示す。図
中aはヤング率、bは音速、cは内部損失である。この
図から明らかなように、セルロース繊維とポリベンザゾ
ール繊維(PBZ繊維)の混合比はセルロース繊維99
〜30重量%、ポリベンザゾール繊維1〜70重量%の
範囲内で比較的バランスのとれた良好な物性を得ること
ができる。
配合率を天然セルロース繊維80%に対し20%とした
が、これに限定するものではなく、その用途などにより
混合比を変えることで異なる物性の振動板が得られる。
このPBZ繊維の配合比と物性の関係を図4に示す。図
中aはヤング率、bは音速、cは内部損失である。この
図から明らかなように、セルロース繊維とポリベンザゾ
ール繊維(PBZ繊維)の混合比はセルロース繊維99
〜30重量%、ポリベンザゾール繊維1〜70重量%の
範囲内で比較的バランスのとれた良好な物性を得ること
ができる。
【0024】なお、この例ではコーン形状のフリーエッ
ジ振動板(振動板本体とエッジ部に異なる材料を用いた
もの)を作製したが、フィックスドエッジ振動板(振動
板本体とエッジ部が一体のもの)やドーム型振動板、平
板型振動板、センターキャップ等に本発明にかかる振動
板を適用することも可能である。
ジ振動板(振動板本体とエッジ部に異なる材料を用いた
もの)を作製したが、フィックスドエッジ振動板(振動
板本体とエッジ部が一体のもの)やドーム型振動板、平
板型振動板、センターキャップ等に本発明にかかる振動
板を適用することも可能である。
【0025】
【発明の効果】以上のように本発明にかかる電気音響変
換器用振動板によれば、比弾性率が大きく、内部損失も
比較的大きいため、分割振動が生じ難く、低域から高域
まで平坦で、高域再生限界の高いスピーカを得ることが
できる。また、導電性がないため、スピーカ製造時に絶
縁処理が不要で、製造コストが安価となる。
換器用振動板によれば、比弾性率が大きく、内部損失も
比較的大きいため、分割振動が生じ難く、低域から高域
まで平坦で、高域再生限界の高いスピーカを得ることが
できる。また、導電性がないため、スピーカ製造時に絶
縁処理が不要で、製造コストが安価となる。
【0026】また、ポリベンザゾール繊維の繊維長を
0.1〜10mmとすることにより、より良好な物性を
得ることができる。
0.1〜10mmとすることにより、より良好な物性を
得ることができる。
【0027】また、セルロース繊維は30〜99重量
%、ポリベンザゾール繊維は1〜70重量%の混合比の
範囲内で、上記の良好な物性を比較的容易に得ることが
できる。
%、ポリベンザゾール繊維は1〜70重量%の混合比の
範囲内で、上記の良好な物性を比較的容易に得ることが
できる。
【0028】また、振動板は湿式抄造法により製造する
際に、カーボン繊維のような折れが発生し難く、物性の
バラツキの少ない安定した振動板が得られる。
際に、カーボン繊維のような折れが発生し難く、物性の
バラツキの少ない安定した振動板が得られる。
【0029】また、セルロース繊維は微生物から得られ
る微生物セルロース繊維とすることにより、高ヤング率
と高い内部損失を有するバイオセルロースの物性とPB
Z繊維の物性の両方を併せ持った優れた振動板を得るこ
とができる。
る微生物セルロース繊維とすることにより、高ヤング率
と高い内部損失を有するバイオセルロースの物性とPB
Z繊維の物性の両方を併せ持った優れた振動板を得るこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】木材パルプと高弾性繊維の混抄振動板の物性を
比較したもので、縦軸が音速(m/s)で、横軸が内部
損失(tanδ×10-2)を表している。
比較したもので、縦軸が音速(m/s)で、横軸が内部
損失(tanδ×10-2)を表している。
【図2】本発明にかかる振動板の外観を示す断面図であ
る。
る。
【図3】本発明にかかる振動板と従来の天然セルロース
繊維80%,P−アラミド繊維20%の振動板を用いた
それぞれのスピーカの音圧−周波数特性を示した図であ
る。
繊維80%,P−アラミド繊維20%の振動板を用いた
それぞれのスピーカの音圧−周波数特性を示した図であ
る。
【図4】PBZ繊維の配合比と物性との関係を示した図
で、縦軸に音速(m/s),ヤング率(GPa),内部
損失(tanδ)、横軸にPBZの配合比(%)を表し
ている。
で、縦軸に音速(m/s),ヤング率(GPa),内部
損失(tanδ)、横軸にPBZの配合比(%)を表し
ている。
1 振動板 1a 振動板本体 2 エッジ
Claims (5)
- 【請求項1】 セルロース繊維と、引張強度4.0GP
a以上で初期引張弾性率140GPa以上であるポリベ
ンザゾール繊維とを混合したことを特徴とする電気音響
変換器用振動板。 - 【請求項2】 上記ポリベンザゾール繊維は繊維長0.
1〜10mmであることを特徴とする請求項1記載の電
気音響変換器用振動板。 - 【請求項3】 セルロース繊維30〜99重量%ポリベ
ンザゾール繊維1〜70重量%の混合比であることを特
徴とする請求項1あるいは2のいずれか1項に記載の電
気音響変換器用振動板。 - 【請求項4】 振動板は湿式抄造法により得られること
を特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の電気
音響変換器用振動板。 - 【請求項5】 上記セルロース繊維は微生物から得られ
る微生物セルロース繊維であることを特徴とする請求項
1〜3のいずれか1項に記載の電気音響変換器用振動
板。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28795495A JPH09107595A (ja) | 1995-10-09 | 1995-10-09 | 電気音響変換器用振動板 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28795495A JPH09107595A (ja) | 1995-10-09 | 1995-10-09 | 電気音響変換器用振動板 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09107595A true JPH09107595A (ja) | 1997-04-22 |
Family
ID=17723898
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP28795495A Pending JPH09107595A (ja) | 1995-10-09 | 1995-10-09 | 電気音響変換器用振動板 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09107595A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2001045461A1 (fr) * | 1999-12-15 | 2001-06-21 | Kabushiki Kaisha Kenwood | Garniture de membrane de haut-parleur, membrane de haut-parleur et haut-parleur |
JP2002034095A (ja) * | 2000-07-19 | 2002-01-31 | Foster Electric Co Ltd | 電気音響変換器用振動板 |
JP2009521617A (ja) * | 2005-12-21 | 2009-06-04 | イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー | ポリアレーンアゾール/木材パルプおよびその製造方法 |
CN110784807A (zh) * | 2019-10-31 | 2020-02-11 | 歌尔股份有限公司 | 一种发声装置的振膜以及发声装置 |
JP2020092339A (ja) * | 2018-12-06 | 2020-06-11 | ヤマハ株式会社 | スピーカー振動板及びヘッドフォン |
-
1995
- 1995-10-09 JP JP28795495A patent/JPH09107595A/ja active Pending
Cited By (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2001045461A1 (fr) * | 1999-12-15 | 2001-06-21 | Kabushiki Kaisha Kenwood | Garniture de membrane de haut-parleur, membrane de haut-parleur et haut-parleur |
US7311174B2 (en) | 1999-12-15 | 2007-12-25 | Kabushiki Kaisha Kenwood | Cloth for loudspeaker diaphragm, loudspeaker diaphragm, and loudspeaker |
JP2002034095A (ja) * | 2000-07-19 | 2002-01-31 | Foster Electric Co Ltd | 電気音響変換器用振動板 |
JP2009521617A (ja) * | 2005-12-21 | 2009-06-04 | イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー | ポリアレーンアゾール/木材パルプおよびその製造方法 |
JP2020092339A (ja) * | 2018-12-06 | 2020-06-11 | ヤマハ株式会社 | スピーカー振動板及びヘッドフォン |
WO2020116212A1 (ja) * | 2018-12-06 | 2020-06-11 | ヤマハ株式会社 | スピーカー振動板及びヘッドフォン |
CN113170263A (zh) * | 2018-12-06 | 2021-07-23 | 雅马哈株式会社 | 扬声器振动板和头戴式耳机 |
US11979724B2 (en) | 2018-12-06 | 2024-05-07 | Yamaha Corporation | Speaker diaphragm and headphone |
CN110784807A (zh) * | 2019-10-31 | 2020-02-11 | 歌尔股份有限公司 | 一种发声装置的振膜以及发声装置 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
EP0457474B1 (en) | Method of producing an acoustic diaphragm | |
JP5975458B2 (ja) | 電気音響変換器用振動板の製造方法 | |
US8428283B2 (en) | Manufacturing method of paper making part for loudspeaker, paper making part for loudspeaker, diaphragm for loudspeaker, sub cone for loudspeaker, dust cap for loudspeaker and loudspeaker | |
JPH09107595A (ja) | 電気音響変換器用振動板 | |
JPH06311595A (ja) | 電気音響変換器用振動板 | |
JPH07112312B2 (ja) | 電気音響変換器用振動板 | |
JP3827153B2 (ja) | 電気音響変換器用振動板 | |
JP3606492B2 (ja) | 電気音響変換器用振動板 | |
KR100254889B1 (ko) | 스피커용 진동판 및 그 제조방법 | |
JP3942056B2 (ja) | 電気音響変換器用振動板の製造方法 | |
JP3048757B2 (ja) | 電気音響変換器用振動板 | |
CN117183041B (zh) | 明胶-木质素磺酸木质复合声学振膜及其制备方法和应用 | |
JPH0431639B2 (ja) | ||
JP2506498Y2 (ja) | 電気音響変換器用振動板 | |
JP5272592B2 (ja) | スピーカ用振動板の製造方法およびこの製造方法により製造されたスピーカ用振動板およびこのスピーカ用振動板を使用したスピーカ | |
JPH0431638B2 (ja) | ||
JPH06125593A (ja) | 電気音響変換器用振動板 | |
KR100187000B1 (ko) | 스피커용 진동판 및 그 제조 방법 | |
JPH0646836B2 (ja) | 電気音響変換器 | |
JP4008559B2 (ja) | 電気音響変換器用振動板の製造方法および電気音響変換器用振動板 | |
JP3187915B2 (ja) | 抄造体の製造方法、音響振動板及びその製造方法 | |
JPS61245791A (ja) | スピ−カ用振動体 | |
CN109246577A (zh) | 一种利用鱼鳔胶制备耳机生物振膜的方法 | |
KR20110043253A (ko) | 스피커용 진동판 및 이의 제조방법 | |
JP2004088314A (ja) | 音響振動板及びその製造方法 |