JPH05209375A - セルロース系繊維材料の染色方法 - Google Patents
セルロース系繊維材料の染色方法Info
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- JPH05209375A JPH05209375A JP4292635A JP29263592A JPH05209375A JP H05209375 A JPH05209375 A JP H05209375A JP 4292635 A JP4292635 A JP 4292635A JP 29263592 A JP29263592 A JP 29263592A JP H05209375 A JPH05209375 A JP H05209375A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 S−トリアジニル基を反応基とする反応染料
を用い、酸結合剤を用いることなくセルロース系繊維材
料を吸尽染色する方法を提供する。 【構成】一般式 【化1】 〔式中RはS−トリアジニル基の炭素原子と結合してい
るピリジン誘導体(ニコチン酸及びそのアルカリ金属塩
を除く)の基を示す。〕で表される基を一個以上有し、
かつ親水性基を有する染料を用い、染浴のpHが弱酸性
〜中性の範囲内で、染色温度が100℃〜140℃の条
件下で、水性染浴から吸尽染色法により染色する事を特
徴とするセルロース系繊維材料の染色法。
を用い、酸結合剤を用いることなくセルロース系繊維材
料を吸尽染色する方法を提供する。 【構成】一般式 【化1】 〔式中RはS−トリアジニル基の炭素原子と結合してい
るピリジン誘導体(ニコチン酸及びそのアルカリ金属塩
を除く)の基を示す。〕で表される基を一個以上有し、
かつ親水性基を有する染料を用い、染浴のpHが弱酸性
〜中性の範囲内で、染色温度が100℃〜140℃の条
件下で、水性染浴から吸尽染色法により染色する事を特
徴とするセルロース系繊維材料の染色法。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はセルロース系繊維材料を
弱酸性〜中性のpH領域の染浴中で140℃以下の温度
で吸尽染色する方法に関する。
弱酸性〜中性のpH領域の染浴中で140℃以下の温度
で吸尽染色する方法に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】従来、S−トリアジニ
ル基を反応基とする反応染料を用いて酸結合剤の存在下
にアルカリ性のpH範囲で染色する方法は公知であり、
工業的に広く行われている。この場合酸結合剤を添加し
染浴のpHをアルカリ性にする事が必須であるが、工業
的な染色に於いては、酸結合剤の染浴への添加操作が煩
雑であるばかりではなく、酸結合剤の染浴への添加量や
添加条件の振れが、染色の再現性や均染性等の染色結果
に影響を生じ易い欠点を有している。更にセルロース系
繊維と他種繊維との混紡交織品などを染色する場合、他
種繊維の最適染色条件が多くの場合弱酸性〜中性の染浴
中で染色するものであるため、同一の染浴中で染色する
一浴染色法を採用しようとする場合適性pH範囲の差異
を克服する目的でpHの二段調節法を採用したり、二浴
染色法を採用する場合にも充分な中和及び洗浄を必要と
するため操作上からも不利な点が多い。従って反応染料
を用いて弱酸性〜中性のpH範囲で染色する方法の開発
が望まれていた。
ル基を反応基とする反応染料を用いて酸結合剤の存在下
にアルカリ性のpH範囲で染色する方法は公知であり、
工業的に広く行われている。この場合酸結合剤を添加し
染浴のpHをアルカリ性にする事が必須であるが、工業
的な染色に於いては、酸結合剤の染浴への添加操作が煩
雑であるばかりではなく、酸結合剤の染浴への添加量や
添加条件の振れが、染色の再現性や均染性等の染色結果
に影響を生じ易い欠点を有している。更にセルロース系
繊維と他種繊維との混紡交織品などを染色する場合、他
種繊維の最適染色条件が多くの場合弱酸性〜中性の染浴
中で染色するものであるため、同一の染浴中で染色する
一浴染色法を採用しようとする場合適性pH範囲の差異
を克服する目的でpHの二段調節法を採用したり、二浴
染色法を採用する場合にも充分な中和及び洗浄を必要と
するため操作上からも不利な点が多い。従って反応染料
を用いて弱酸性〜中性のpH範囲で染色する方法の開発
が望まれていた。
【0003】この様な要求に対応して、反応性基にアセ
タール基を用い、酸性触媒の存在下で酸性のpH領域で
染色する方法や、反応性基にリン酸エステル基を用い、
ジシアンジアミドを結合剤に用いて酸性のpH領域で染
色する方法等が検討され、工業的に利用されている例も
あるが、これらの染色法は連続染色法や捺染法に対して
有効であるが、吸尽染色法には適用出来ない欠点を有し
ている。
タール基を用い、酸性触媒の存在下で酸性のpH領域で
染色する方法や、反応性基にリン酸エステル基を用い、
ジシアンジアミドを結合剤に用いて酸性のpH領域で染
色する方法等が検討され、工業的に利用されている例も
あるが、これらの染色法は連続染色法や捺染法に対して
有効であるが、吸尽染色法には適用出来ない欠点を有し
ている。
【0004】一方、第4級窒素置換基を有する1個以上
のS−トリアジニル基を用いて酸結合剤なしでセルロー
ス系繊維で染色する方法は、特開昭56−4784号で
公知であるが、染色条件は150℃以上の高温に加熱す
るもので、この方法も又、捺染法及び連続染色法に適用
範囲が限定されるものである。又、第4級窒素置換基と
してニコチン酸を有する1個以上のS−トリアジニル基
を有する染料を用いて弱酸性〜アルカリ性のpH領域で
100℃〜150℃の高温で吸尽染色法で染める方法
は、特開昭58−186682号にて公知であるが、適
用pH範囲がアルカリ性の領域にまで及ぶ点で汎用的な
吸尽染色法としては問題を残していた。
のS−トリアジニル基を用いて酸結合剤なしでセルロー
ス系繊維で染色する方法は、特開昭56−4784号で
公知であるが、染色条件は150℃以上の高温に加熱す
るもので、この方法も又、捺染法及び連続染色法に適用
範囲が限定されるものである。又、第4級窒素置換基と
してニコチン酸を有する1個以上のS−トリアジニル基
を有する染料を用いて弱酸性〜アルカリ性のpH領域で
100℃〜150℃の高温で吸尽染色法で染める方法
は、特開昭58−186682号にて公知であるが、適
用pH範囲がアルカリ性の領域にまで及ぶ点で汎用的な
吸尽染色法としては問題を残していた。
【0005】本発明者らは、この様な問題点を改善し、
より実用上の要求に合致した合理的な吸尽染色法を開発
すべく鋭意検討の結果一般式
より実用上の要求に合致した合理的な吸尽染色法を開発
すべく鋭意検討の結果一般式
【0006】
【化2】
【0007】〔式中RはS−トリアジニル基の炭素原子
と結合しているピリジン誘導体(ニコチン酸及びそのア
ルカリ金属塩を除く)の基を示す。〕で表される基を少
なくとも1個有し、かつ親水性基を有する染料が、驚く
べきことに酸結合剤の存在しない染浴からpH4〜8の
弱酸性〜中性の範囲で、100℃〜140℃の温度範囲
で、吸尽染色法によりセルロース系繊維材料を染色出来
る事を見出し、本発明を完成したものである。
と結合しているピリジン誘導体(ニコチン酸及びそのア
ルカリ金属塩を除く)の基を示す。〕で表される基を少
なくとも1個有し、かつ親水性基を有する染料が、驚く
べきことに酸結合剤の存在しない染浴からpH4〜8の
弱酸性〜中性の範囲で、100℃〜140℃の温度範囲
で、吸尽染色法によりセルロース系繊維材料を染色出来
る事を見出し、本発明を完成したものである。
【0008】第4級窒素置換基を有するS−トリアジニ
ル基を含有する反応染料は、特開昭57−30764
号、特開昭56−61459号、特開昭52−1873
2号、特開昭47−1882号、特公昭50−2432
3号、特公昭44−9737号、特公昭43−2278
9号、特公昭39−21750号等で公知であるが、本
発明に用いられる染料は、一般式
ル基を含有する反応染料は、特開昭57−30764
号、特開昭56−61459号、特開昭52−1873
2号、特開昭47−1882号、特公昭50−2432
3号、特公昭44−9737号、特公昭43−2278
9号、特公昭39−21750号等で公知であるが、本
発明に用いられる染料は、一般式
【0009】
【化3】
【0010】〔式中、Dは少なくとも1個以上の水溶性
基を有する染料残基を示し、Aはセルロースと反応しな
い置換基、又は、セルロースと酸結合剤の存在下で反応
する基を有する置換基を表わし、Rは前記と同じ意味を
表わす。〕で表される染料、あるいは一般式
基を有する染料残基を示し、Aはセルロースと反応しな
い置換基、又は、セルロースと酸結合剤の存在下で反応
する基を有する置換基を表わし、Rは前記と同じ意味を
表わす。〕で表される染料、あるいは一般式
【0011】
【化4】
【0012】〔式中、D及びAはそれぞれ前記と同じ意
味を表す。Y1 又はY2 は、いずれもか或いは一方が−
R+ であり、他の一方がハロゲン原子を表わし、Rは前
記と同じ意味を表す。〕で表される染料、あるいは一般
式
味を表す。Y1 又はY2 は、いずれもか或いは一方が−
R+ であり、他の一方がハロゲン原子を表わし、Rは前
記と同じ意味を表す。〕で表される染料、あるいは一般
式
【0013】
【化5】
【0014】〔式中、D、A、Y1 、Y2 はそれぞれ前
記と同じ意味を表し、Xは2個のアミノ基によってS−
トリアジニル核に結合しているジアミノ残基を表わ
す。〕で表される染料、あるいは一般式
記と同じ意味を表し、Xは2個のアミノ基によってS−
トリアジニル核に結合しているジアミノ残基を表わ
す。〕で表される染料、あるいは一般式
【0015】
【化6】
【0016】〔式中、D、X、Y1 、Y2 はそれぞれ前
記と同じ意味を表わす。〕で表される染料等が挙げられ
る。
記と同じ意味を表わす。〕で表される染料等が挙げられ
る。
【0017】式(II)〜(V)に於いてDで示される
発色団としては、アゾ系、含金属アゾ系、アントラキノ
ン系、フタロシアニン系、ホルマザン系、オキサジン系
等の色素母体が用いられ、これらは少なくとも1個以上
のスルフォン酸基又はカルボン酸基の様な水溶性基を有
するものである。一方、置換基Aの例としては、アルキ
ル又はアリールチオ基、アルコキシ基又はアリールオキ
シ基、及び場合によっては置換されていてもよいアミノ
基等が挙げられる。又、Xで示されるジアミノ残基とし
ては、例えば、複素環式ジアミン、脂肪族ジアミン、ナ
フチレンジアミンスルフォン酸、ベンゼン系モノ及びジ
環式化合物のジアミン誘導体、式
発色団としては、アゾ系、含金属アゾ系、アントラキノ
ン系、フタロシアニン系、ホルマザン系、オキサジン系
等の色素母体が用いられ、これらは少なくとも1個以上
のスルフォン酸基又はカルボン酸基の様な水溶性基を有
するものである。一方、置換基Aの例としては、アルキ
ル又はアリールチオ基、アルコキシ基又はアリールオキ
シ基、及び場合によっては置換されていてもよいアミノ
基等が挙げられる。又、Xで示されるジアミノ残基とし
ては、例えば、複素環式ジアミン、脂肪族ジアミン、ナ
フチレンジアミンスルフォン酸、ベンゼン系モノ及びジ
環式化合物のジアミン誘導体、式
【0018】
【化7】
【0019】〔式中、p及びqはそれぞれ0又は1であ
りEは直接結合又はSO2 基、OCH 2 基、C2 H
2 基、C2 H4 基、NH基、NHCONHき表わす。〕
で示されるジアミン、及び低級アルキル基の上記ジアミ
ンのN−N’ジ(低級アルキル)誘導体等が挙げられ
る。
りEは直接結合又はSO2 基、OCH 2 基、C2 H
2 基、C2 H4 基、NH基、NHCONHき表わす。〕
で示されるジアミン、及び低級アルキル基の上記ジアミ
ンのN−N’ジ(低級アルキル)誘導体等が挙げられ
る。
【0020】第4級窒素化合物としては、第3級窒素原
子を芳香環内に有する化合物であり、例えばピリジン及
びその誘導体として、例えば下式(VII)
子を芳香環内に有する化合物であり、例えばピリジン及
びその誘導体として、例えば下式(VII)
【0021】
【化8】
【0022】〔式中、R1 及びR2 はそれぞれ独立して
水素原子、ハロゲン原子、非置換又は置換されたアルキ
ル基またはアルコキシ基、カルボン酸基及びそのアルカ
リ金属塩、カルボン酸エステル、カルボン酸アミド、ス
ルフォン酸基及びそのアルカリ金属塩、スルフォン酸ア
ミド、シアノ基、アルデヒド基、水酸基などを表わし、
カルボン酸を有する化合物の内、ニコチン酸及びそのア
ルカリ金属塩は除く)で示される化合物、例えばピリジ
ン、2−クロルピリジン、3−クロルピリンジン、4−
クロルピリジン、α−ピコリン、β−ピコリン、γ−ピ
コリン、3−エチル−4−メチルピリジン、4−エチル
−2−メチルピリジン、5−エチル−2−メチルピリジ
ン、6−エチル−3−メチルピリジン、4−メトキシピ
リジン、ピコリン酸、キノリン酸、シンコメロン酸、イ
ソシンコメロン酸、ジピコリン酸、ジニコチン酸、α−
カルボキシコメロン酸、β−カルボキシコメロン酸、メ
チルニコチン酸等のピリジンカルボン酸及びそのナトリ
ウム、カリウム塩のアルカリ金属塩、及びこれらのカル
ボン酸のエステル類、ニコチン酸アミド、ピコリン酸ア
ミドイソニアジド等のピリジンカルボン酸アミド、3−
ピリジンスルフォン酸、3−ピリジンスルフォン酸アミ
ド、スルファピリジン、3−ピリジル酢酸、メチリジ
ン、ピリジンアルデヒド、α−ピリドン、β−ピリド
ン、3−シアン化ピリジン、などの化合物が挙げられ
る。
水素原子、ハロゲン原子、非置換又は置換されたアルキ
ル基またはアルコキシ基、カルボン酸基及びそのアルカ
リ金属塩、カルボン酸エステル、カルボン酸アミド、ス
ルフォン酸基及びそのアルカリ金属塩、スルフォン酸ア
ミド、シアノ基、アルデヒド基、水酸基などを表わし、
カルボン酸を有する化合物の内、ニコチン酸及びそのア
ルカリ金属塩は除く)で示される化合物、例えばピリジ
ン、2−クロルピリジン、3−クロルピリンジン、4−
クロルピリジン、α−ピコリン、β−ピコリン、γ−ピ
コリン、3−エチル−4−メチルピリジン、4−エチル
−2−メチルピリジン、5−エチル−2−メチルピリジ
ン、6−エチル−3−メチルピリジン、4−メトキシピ
リジン、ピコリン酸、キノリン酸、シンコメロン酸、イ
ソシンコメロン酸、ジピコリン酸、ジニコチン酸、α−
カルボキシコメロン酸、β−カルボキシコメロン酸、メ
チルニコチン酸等のピリジンカルボン酸及びそのナトリ
ウム、カリウム塩のアルカリ金属塩、及びこれらのカル
ボン酸のエステル類、ニコチン酸アミド、ピコリン酸ア
ミドイソニアジド等のピリジンカルボン酸アミド、3−
ピリジンスルフォン酸、3−ピリジンスルフォン酸アミ
ド、スルファピリジン、3−ピリジル酢酸、メチリジ
ン、ピリジンアルデヒド、α−ピリドン、β−ピリド
ン、3−シアン化ピリジン、などの化合物が挙げられ
る。
【0023】更に第3級窒素原子を芳香環内に有する化
合物として、例えばピリダジン、ピリミジン、ピラジ
ン、2−H−イソダゾール、ベンゾイミダゾール、イミ
ダゾール、トリアゾール、チアゾール、イソチアゾー
ル、オキサゾール、イソオキサゾール、フラザン、ベン
ゾオキサゾール、ベンゾチアゾール、プリン、キノリ
ン、イソキノリン、シンノリン、キナゾリン、キノキサ
リン、フタラジン、1−8・ナフチリジン、プチリジン
等の化合物が挙げられ、これらの化合物は式(VII)
の場合と同様に置換されていてもよい。前記一般式(I
I)〜(V)で表される第4級窒素の基を有する染料
は、S−トリアジニル基にハロゲン原子が結合した形の
それぞれ対応する染料と芳香性の第3級窒素化合物とを
反応させて作ることが出来る。
合物として、例えばピリダジン、ピリミジン、ピラジ
ン、2−H−イソダゾール、ベンゾイミダゾール、イミ
ダゾール、トリアゾール、チアゾール、イソチアゾー
ル、オキサゾール、イソオキサゾール、フラザン、ベン
ゾオキサゾール、ベンゾチアゾール、プリン、キノリ
ン、イソキノリン、シンノリン、キナゾリン、キノキサ
リン、フタラジン、1−8・ナフチリジン、プチリジン
等の化合物が挙げられ、これらの化合物は式(VII)
の場合と同様に置換されていてもよい。前記一般式(I
I)〜(V)で表される第4級窒素の基を有する染料
は、S−トリアジニル基にハロゲン原子が結合した形の
それぞれ対応する染料と芳香性の第3級窒素化合物とを
反応させて作ることが出来る。
【0024】本発明は通常水性媒体から繊維材料に適用
され、好ましくは以下のように行われる。すなわち、式
(II)〜(V)で表される染料の所定量及び必要に応
じて硫酸ナトリウム又は塩化ナトリウムなどの電解質1
〜150g/Lを含む染浴を調整する、染浴のpHを4
〜8の範囲に調整するために必要に応じてpH緩衝作用
を示す物質、例えば炭酸、リン酸、酢酸、クエン酸、酒
石酸、リンゴ酸などの酸及びこれらのナトリウム塩、カ
リウム塩、又はアンモニウム塩の単一又は混合物を加え
る事が出来るが、必ずしもこれらのpH調節剤の添加は
必須ではない。この様にして調整した染浴中にセルロー
ス系繊維材料をくり入れ、20℃〜140℃の温度で1
0〜120分間染色を行う。
され、好ましくは以下のように行われる。すなわち、式
(II)〜(V)で表される染料の所定量及び必要に応
じて硫酸ナトリウム又は塩化ナトリウムなどの電解質1
〜150g/Lを含む染浴を調整する、染浴のpHを4
〜8の範囲に調整するために必要に応じてpH緩衝作用
を示す物質、例えば炭酸、リン酸、酢酸、クエン酸、酒
石酸、リンゴ酸などの酸及びこれらのナトリウム塩、カ
リウム塩、又はアンモニウム塩の単一又は混合物を加え
る事が出来るが、必ずしもこれらのpH調節剤の添加は
必須ではない。この様にして調整した染浴中にセルロー
ス系繊維材料をくり入れ、20℃〜140℃の温度で1
0〜120分間染色を行う。
【0025】本発明に於いては式(II)〜(V)の染
料について第4級窒素置換基が結合した位置がハロゲン
原子であるハロゲノ−S−トリアジニル基を有する反応
染料と、芳香族系の第3級窒素化合物を染浴中に添加
し、式(II)〜(V)の染料を形成させながら染色す
る事も可能である。この場合、芳香族系の第3級窒素化
合物の使用量はハロゲノ−S−トリアジニル基が結合し
た反応染料のハロゲン原子に対して0.1 〜10倍モル量
が適当である。本発明で適用する事の出来るセルロース
系繊維材料としては、木綿、ビスコースレーヨン、キュ
プラアンモニウムレーヨン、麻などが挙げられ、これら
のセルロース繊維を含有するポリエステル、トリアセテ
ート、ポリアクリロニトリル、ポリアミド、絹、羊毛な
どとの混合繊維にも適用する事が出来る。
料について第4級窒素置換基が結合した位置がハロゲン
原子であるハロゲノ−S−トリアジニル基を有する反応
染料と、芳香族系の第3級窒素化合物を染浴中に添加
し、式(II)〜(V)の染料を形成させながら染色す
る事も可能である。この場合、芳香族系の第3級窒素化
合物の使用量はハロゲノ−S−トリアジニル基が結合し
た反応染料のハロゲン原子に対して0.1 〜10倍モル量
が適当である。本発明で適用する事の出来るセルロース
系繊維材料としては、木綿、ビスコースレーヨン、キュ
プラアンモニウムレーヨン、麻などが挙げられ、これら
のセルロース繊維を含有するポリエステル、トリアセテ
ート、ポリアクリロニトリル、ポリアミド、絹、羊毛な
どとの混合繊維にも適用する事が出来る。
【0026】本発明に於いては、セルロース系繊維材料
以外の繊維材料を染色するに必要な染料、例えば分散染
料、塩基性染料、カチオン染料、酸性染料、酸性含金属
染料等を同時に染浴に添加して染色する事もできる。こ
の様にして染色されたセルロース系繊維材料は通常の洗
浄処理により優れた堅牢性を有する染色物として得られ
る。
以外の繊維材料を染色するに必要な染料、例えば分散染
料、塩基性染料、カチオン染料、酸性染料、酸性含金属
染料等を同時に染浴に添加して染色する事もできる。こ
の様にして染色されたセルロース系繊維材料は通常の洗
浄処理により優れた堅牢性を有する染色物として得られ
る。
【0027】
【実施例】次に、本発明を実施例により詳説するが、例
中の「部」は「重量部」を示す。 実施例1 遊離酸の形で下記構造式
中の「部」は「重量部」を示す。 実施例1 遊離酸の形で下記構造式
【0028】
【化9】
【0029】で表される染料4部、硫酸ナトリウム10
0部、第一リン酸ナトリウム4部、第二リン酸ナトリウ
ム1部を浴2000部を調製し、この浴に20℃で綿ニ
ット(シルケット加工済み)100部をくり入れ60分
間で130℃まで昇温し、この温度で60分間染色し
た。染色後水洗し、アニオン活性剤4部を含む浴200
0部中にて95℃で10分間ソーピング処理を行い次い
で水洗、乾燥を行ったところ、堅牢度の優れた赤味黄色
の染色物が得られた。なお、本実施例で染浴調整時のp
Hは7であり染色終了後のpHも中性に保たれていた。
本実施例の染料は、上記構造式の染料のS−トリアジニ
ル基に結合した第4級窒素置換基の部分が塩素原子であ
る公知の染料8部を水200部に溶解し、この溶液にピ
リジン3部を加え90℃で1時間攪拌を続けた後、食塩
にて塩析濾過する事により得る事が出来た。
0部、第一リン酸ナトリウム4部、第二リン酸ナトリウ
ム1部を浴2000部を調製し、この浴に20℃で綿ニ
ット(シルケット加工済み)100部をくり入れ60分
間で130℃まで昇温し、この温度で60分間染色し
た。染色後水洗し、アニオン活性剤4部を含む浴200
0部中にて95℃で10分間ソーピング処理を行い次い
で水洗、乾燥を行ったところ、堅牢度の優れた赤味黄色
の染色物が得られた。なお、本実施例で染浴調整時のp
Hは7であり染色終了後のpHも中性に保たれていた。
本実施例の染料は、上記構造式の染料のS−トリアジニ
ル基に結合した第4級窒素置換基の部分が塩素原子であ
る公知の染料8部を水200部に溶解し、この溶液にピ
リジン3部を加え90℃で1時間攪拌を続けた後、食塩
にて塩析濾過する事により得る事が出来た。
【0030】実施例2 遊離酸の形で下記構造式
【0031】
【化10】
【0032】で表される染料5部を用い実施例1と同一
の条件で染色を行い、堅牢な青味赤色の染色物を得た。
の条件で染色を行い、堅牢な青味赤色の染色物を得た。
【0033】実施例3 遊離酸の形で下記構造式
【0034】
【化11】
【0035】で表される染料5部を用い実施例1と同一
の条件で染色を行い、堅牢な青色染色物を得た。
の条件で染色を行い、堅牢な青色染色物を得た。
【0036】実施例4 遊離酸の形で下記構造式
【0037】
【化12】
【0038】で表される染料2部、及びSumikaron Blue
E-FBL(住友化学製品:分散染料C.I.Disperse Blue 5
6)2部、硫酸ナトリウム100部、第一リン酸ナトリ
ウム4部、第二リン酸ナトリウム1部、Sumipon T F
(住友化学製品:アニオン活性剤)2部を含む浴200
0部を調製した。この浴にポリエステル/綿(65/3
5)混紡布を30℃で繰り入れ、60分間で130℃ま
で昇温し、この温度で20分間染色を行った。染色後実
施例1と同様の条件にて水洗、ソーピング、水洗、乾燥
を行ったところ、ポリエステル/綿の両側が鮮明な青色
に染着した堅牢な染色物が得られた。
E-FBL(住友化学製品:分散染料C.I.Disperse Blue 5
6)2部、硫酸ナトリウム100部、第一リン酸ナトリ
ウム4部、第二リン酸ナトリウム1部、Sumipon T F
(住友化学製品:アニオン活性剤)2部を含む浴200
0部を調製した。この浴にポリエステル/綿(65/3
5)混紡布を30℃で繰り入れ、60分間で130℃ま
で昇温し、この温度で20分間染色を行った。染色後実
施例1と同様の条件にて水洗、ソーピング、水洗、乾燥
を行ったところ、ポリエステル/綿の両側が鮮明な青色
に染着した堅牢な染色物が得られた。
【0039】実施例5 遊離酸の形で下記構造式
【0040】
【化13】
【0041】(式中、Pcは銅フタロシアニン、x、
y、zは1〜4の整数を示し、x+y+z≒4) で示される染料3部、Sumikaron Tcuquoise Blue S-GL
(住友化学製品:分散染料C.I.Disperse Blue 60)3部
を用い、実施例5と同じ条件でポリエステル/綿(65
/35)混紡ニットを染色したところ、ポリエステル/
綿の両サイドが鮮明な緑味青色の染色物が得られた。
y、zは1〜4の整数を示し、x+y+z≒4) で示される染料3部、Sumikaron Tcuquoise Blue S-GL
(住友化学製品:分散染料C.I.Disperse Blue 60)3部
を用い、実施例5と同じ条件でポリエステル/綿(65
/35)混紡ニットを染色したところ、ポリエステル/
綿の両サイドが鮮明な緑味青色の染色物が得られた。
【0042】実施例6 遊離酸の形で下記構造式
【0043】
【化14】
【0044】で表される染料1部、Sumikaron Yellow S
E-3GL(住友化学製品:C.I.DisperseYellow 64)2部、メ
タニトロベンゼンスルフォン酸ソーダ1部、硫酸ナトリ
ウム100部、Sumipon TF(住友化学製品:アニオン活
性剤)2部を含む浴2000部を調製し、酢酸ナトリウ
ム及び酢酸を用いて染浴のpHを6に調整した。この浴
に30℃でポリエステル/綿(65/35)混紡ニット
を繰り入れ、60分間で130℃まで昇温し、この温度
で10分間染色を行った。染色後実施例1と同様の条件
で水洗、ソーピング、水洗、乾燥を行ったところ、ポリ
エステル/綿の両サイドが鮮明な緑味黄色に染着した堅
牢な染色物が得られた。
E-3GL(住友化学製品:C.I.DisperseYellow 64)2部、メ
タニトロベンゼンスルフォン酸ソーダ1部、硫酸ナトリ
ウム100部、Sumipon TF(住友化学製品:アニオン活
性剤)2部を含む浴2000部を調製し、酢酸ナトリウ
ム及び酢酸を用いて染浴のpHを6に調整した。この浴
に30℃でポリエステル/綿(65/35)混紡ニット
を繰り入れ、60分間で130℃まで昇温し、この温度
で10分間染色を行った。染色後実施例1と同様の条件
で水洗、ソーピング、水洗、乾燥を行ったところ、ポリ
エステル/綿の両サイドが鮮明な緑味黄色に染着した堅
牢な染色物が得られた。
【0045】実施例7 遊離酸の形で下記構造式
【0046】
【化15】
【0047】で表される染料5部、硫酸ナトリウム10
0部、第一リン酸ナトリウム4部、第二リン酸ナトリウ
ム1部を含む2000部を調製した。この浴のpHは7
であった。次いで綿系(シルケット加工ずみ)100部
を繰り入れ30分間で80℃まで昇温し、この温度で6
0分間染色を行った。染色後、実施例1の方法に従い水
洗、ソーピング、水洗、乾燥を行ったところ、堅牢度の
優れた緋紅色の染色物が得られた。
0部、第一リン酸ナトリウム4部、第二リン酸ナトリウ
ム1部を含む2000部を調製した。この浴のpHは7
であった。次いで綿系(シルケット加工ずみ)100部
を繰り入れ30分間で80℃まで昇温し、この温度で6
0分間染色を行った。染色後、実施例1の方法に従い水
洗、ソーピング、水洗、乾燥を行ったところ、堅牢度の
優れた緋紅色の染色物が得られた。
【0048】実施例8 遊離酸の形で下記構造式
【0049】
【化16】
【0050】で表される染料5部を用い、実施例7と同
一の条件で染色したところ、堅牢な青色染色物を得た。
一の条件で染色したところ、堅牢な青色染色物を得た。
【0051】実施例9 遊離酸の形で下記構造式
【0052】
【化17】
【0053】で表される染料3部を用い、実施例1と同
様の条件で染色したところ、堅牢な黄色染色物が得られ
た。
様の条件で染色したところ、堅牢な黄色染色物が得られ
た。
【0054】実施例10〜19 遊離酸の形で下記構造式
【0055】
【化18】
【0056】で表されRは下表に示す通りである染料5
部を用い実施例1と同一条件で染色したところ堅牢な青
色染色物を得られた。
部を用い実施例1と同一条件で染色したところ堅牢な青
色染色物を得られた。
【表1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 竹下 明 大阪市此花区春日出中3丁目1番98号 住 友化学工業株式会社内
Claims (1)
- 【請求項1】一般式 【化1】 〔式中RはS−トリアジニル基の炭素原子と結合してい
るピリジン誘導体(ニコチン酸及びそのアルカリ金属塩
を除く)の基を示す。〕で表される基を一個以上有し、
かつ親水性基を有する染料を用い、染浴のpHが弱酸性
〜中性の範囲内で、染色温度が100℃〜140℃の条
件下で、水性染浴から吸尽染色法により染色する事を特
徴とするセルロース系繊維材料の染色法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4292635A JP2572335B2 (ja) | 1992-10-30 | 1992-10-30 | セルロース系繊維材料の染色方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4292635A JP2572335B2 (ja) | 1992-10-30 | 1992-10-30 | セルロース系繊維材料の染色方法 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP59032213A Division JPH0723587B2 (ja) | 1984-02-21 | 1984-02-21 | セルロ−ス系繊維材料の染色方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05209375A true JPH05209375A (ja) | 1993-08-20 |
JP2572335B2 JP2572335B2 (ja) | 1997-01-16 |
Family
ID=17784346
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4292635A Expired - Lifetime JP2572335B2 (ja) | 1992-10-30 | 1992-10-30 | セルロース系繊維材料の染色方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2572335B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100557211B1 (ko) * | 1997-09-17 | 2006-10-24 | 렌찡 악티엔게젤샤프트 | 셀룰로스섬유의처리방법 |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5661459A (en) * | 1979-10-12 | 1981-05-26 | Ici Ltd | Cellulose reactive dye* its manufacture and method of dyeing cellulose fiber material |
JPS5730764A (en) * | 1980-06-18 | 1982-02-19 | Ici Ltd | Cellulose reactive dye, manufacture and method of dyeing cellulose fiber material |
JPS58186682A (ja) * | 1982-04-27 | 1983-10-31 | 日本化薬株式会社 | セルロ−ス又はセルロ−ス含有繊維材料の染色法 |
-
1992
- 1992-10-30 JP JP4292635A patent/JP2572335B2/ja not_active Expired - Lifetime
Patent Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5661459A (en) * | 1979-10-12 | 1981-05-26 | Ici Ltd | Cellulose reactive dye* its manufacture and method of dyeing cellulose fiber material |
JPS5730764A (en) * | 1980-06-18 | 1982-02-19 | Ici Ltd | Cellulose reactive dye, manufacture and method of dyeing cellulose fiber material |
JPS58186682A (ja) * | 1982-04-27 | 1983-10-31 | 日本化薬株式会社 | セルロ−ス又はセルロ−ス含有繊維材料の染色法 |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100557211B1 (ko) * | 1997-09-17 | 2006-10-24 | 렌찡 악티엔게젤샤프트 | 셀룰로스섬유의처리방법 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2572335B2 (ja) | 1997-01-16 |
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