JPH05199848A - 発酵調味料の製造方法及びみりん風発酵調味料の製造方法 - Google Patents

発酵調味料の製造方法及びみりん風発酵調味料の製造方法

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JPH05199848A
JPH05199848A JP4301927A JP30192792A JPH05199848A JP H05199848 A JPH05199848 A JP H05199848A JP 4301927 A JP4301927 A JP 4301927A JP 30192792 A JP30192792 A JP 30192792A JP H05199848 A JPH05199848 A JP H05199848A
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Japan
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extract
protease
added
yeast
fermented
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JP4301927A
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Hidenori Yoshikawa
秀範 吉川
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MARUMI KK
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MARUMI KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は、魚介類、魚介類の普通肉、血合肉、
皮、内臓、鰭等の残渣を用い、香り、味が優れ、低塩分
で、色合も良好かつ比較的短期間で製造することができ
る発酵調味料の製造方法を提供することを目的としてい
る。 【構成】発酵調味料の製造方法においては、魚介類を加
熱殺菌した後、エキス分及びタンパク質等を抽出する第
1の工程と、この第1の工程で得られた抽出液にタンパ
ク質分解酵素を作用させた後に濃縮する第2の工程と、
この第2の工程で得られた濃縮液に酵母、乳酸菌を加え
て発酵させる第3の工程とからなるものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、発酵調味料の製造方法
及びみりん風発酵調味料の製造方法に係り、特に、魚介
類より抽出したエキス分及びタンパク質を酵素分解した
後に発酵させて得られる発酵調味料の製造方法及びみり
ん風発酵調味料の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】魚介類から得られる発酵調味料として魚
醤油がある。これは、魚介類に多量の食塩を加えて付け
込み1年以上かけて魚肉を分解発酵熟成させた調味料で
ある。
【0003】又、一方、アルコ−ル含有調味料として
は、本みりん、みりん風発酵調味料などがある。これら
は、食品に風味を与え、「かくし味」または「まとめ
味」として広く用いられている。これらの主原料は、
米、コ−ンスタ−チなどのでんぷん質であり、強い甘味
を有しているが、アミノ酸、ペプチドなどの旨味に関与
する成分は少ない。従って、醤油、化学調味料などと併
用される場合が多い。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前者の
魚醤油にあっては、特有の臭気と高塩分を含むため、需
要が少なく、又、製造期間が長いという問題点を有して
いる。
【0005】これらの欠点を補うために、醤油麹や市販
のプロテア−ゼを加えて製造期間の短縮を図り、更に、
味、香りとも改良を加えた調味料の製造方法も開発され
てきている。しかし、醤油麹を用いると、黒ずんだ色の
調味料となり、市販のプロテア−ゼの中には、強い苦味
をもたらすものがあるなどの問題点を有している。又、
内臓を用いる場合、雑菌の繁殖を防ぐため塩分を低下さ
せることは難しい。又、一方、サケの中骨ペ−スト、カ
ツオ頭部ペ−スト、カツオ血合肉、イワシ煮汁等を用い
て発酵調味料を得る試みがなされているが、醤油に匹敵
する良質で安価な調味料は得られていないのが現状であ
り、カツオ、マグロなどの残渣は、肥料等限られた利用
しか望めない。
【0006】これは、魚醤油の原料としては、主に、高
鮮度な小魚やアミ類が利用され、鮮度の低下した魚介類
や残渣(頭部、皮、血合肉、鰭、内臓等)を用いること
は品質の著しい低下につながるからである。
【0007】本発明は、前記した従来の問題点を除去す
るためになされたもので、魚介類の普通肉や血合肉、
皮、内臓、鰭等の残渣を用い、香り、味が優れ、低塩分
で、色合も良好かつ比較的短期間で製造することができ
る発酵調味料の製造方法を提供することを目的としてい
る。
【0008】又、後者の本みりん、みりん風発酵調味料
においては、魚介類は、だしの素や一部魚醤油などの調
味料として利用されているが、魚介類の持つ特有の臭気
のため、みりん風発酵調味料の原料として用いられるこ
とはきわめて少ないという問題点を有している。
【0009】本発明は、前記した従来の問題点を除去す
るためになされたもので、魚介類の普通肉や血合肉、
皮、内臓、鰭等の残渣を用い、魚介類の持つ特有の臭気
をなくし旨味のある香りの良い調味料を比較的短期間で
製造することができるみりん風発酵調味料の製造方法を
提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の発酵調味料の製
造方法においては、魚介類を加熱殺菌した後、エキス分
及びタンパク質等を抽出する第1の工程と、この第1の
工程で得られた抽出液にタンパク質分解酵素を作用させ
た後に濃縮する第2の工程と、この第2の工程で得られ
た濃縮液に酵母、乳酸菌を加えて発酵させる第3の工程
とからなるものである。
【0011】又、本発明の発酵調味料の製造方法におい
ては、魚介類の血合肉、内臓等の残渣を加熱殺菌した
後、エキス分及びタンパク質等を抽出する第1の工程
と、この第1の工程で得られた抽出液にタンパク質分解
酵素を作用させた後に濃縮する第2の工程と、この第2
の工程で得られた濃縮液に酵母、乳酸菌を加えて発酵さ
せる第3の工程とからなるものである。
【0012】又、本発明のみりん風発酵調味料の製造方
法においては、魚介類を加熱殺菌した後、エキス分及び
タンパク質等を抽出する第1の工程と、この第1の工程
で得られた抽出液にタンパク質分解酵素を作用させた後
にホルモ−ル窒素濃度が0.20g/100ml から0.80g/100ml
程度に濃縮する第2の工程と、この第2の工程で得られ
た濃縮液に糖、酵母を加えて発酵させる第3の工程とか
らなるものである。
【0013】又、本発明のみりん風発酵調味料の製造方
法においては、魚介類の血合肉、内臓等の残渣を加熱殺
菌した後、エキス分及びタンパク質等を抽出する第1の
工程と、この第1の工程で得られた抽出液にタンパク質
分解酵素を作用させた後にホルモ−ル窒素濃度が0.20g/
100ml から0.80g/100ml 程度に濃縮する第2の工程と、
この第2の工程で得られた濃縮液に糖、酵母を加えて発
酵させる第3の工程とからなるものである。
【0014】
【実施例】本発明の一実施例の発酵調味料の製造方法に
ついて説明すると、発酵調味料の製造方法は、魚介類を
加熱殺菌した後、エキス分及びタンパク質等を抽出する
第1の工程と、この第1の工程で得られた抽出液にタン
パク質分解酵素(例えば、プロテア−ゼ、プロティナ−
ゼ、ペプチダ−ゼ)を作用させた後に濃縮する第2の工
程と、この第2の工程で得られた濃縮液に酵母、乳酸菌
を加えて発酵させる第3の工程とからなるものである。
【0015】第1の工程においては、魚介類の中心温度
が55℃から75℃の温度(望ましくは、60℃から65℃)に
なるように蒸気で加熱して殺菌し、その後、エキス分及
びタンパク質等を抽出する(抽出液と固形分の分離は、
遠心分離機又は圧搾機によって行なう)。
【0016】魚介類としては、例えば、魚介類そのも
の、魚介類の普通肉、血合肉、精巣・肝臓などの内臓、
皮、鰭、頭部、又は、これらの煮汁を、単独あるいは、
組み合わせて使用することができるが、より望ましく
は、血合肉、精巣が良い。
【0017】凍結保存しておいた魚肉類は、解凍し、さ
らしなどの布の上にひろげ蒸機内で魚介類の中心温度が
55℃から75℃の温度(望ましくは、60℃から65℃)にな
ってから30分以上保持する。
【0018】加熱温度において、魚介類の中心温度が55
℃から75℃の温度(望ましくは、60℃から65℃)として
いるのは、50℃以下では、殺菌効果が低下し、タンパク
質の変性が十分でないし、80℃以上の加熱では、魚肉が
しまり、タンパク質の抽出効果が下がるからである。
【0019】蒸煮を終えた魚介類に同重量の水を加え、
よく撹拌し0℃から10℃(望ましくは、0℃から5℃)
で30分以上(より望ましくは、1時間以上)かけて水
溶性タンパク質を抽出する。
【0020】一方、蒸煮によって得られたエキス分は、
塩酸でPH2.5 から 4(望ましくは、3 から3.5 )とし、
プロテア−ゼ処理を行なうまで、0℃から10℃(望まし
くは、0℃〜5℃)で保存する。中性プロテアーゼを用
いる場合は、PHを調整する必要はない。
【0021】以後、抽出操作はすべて0℃から10℃(望
ましくは、0℃から5℃)で行ない、得られた抽出液
は、後に酸性プロテアーゼを用いる場合は、PH2.5 から
4(望ましくは、3 から3.5 )に調整後0℃から10℃
(望ましくは、0℃から5℃)で保存する。
【0022】一方、タンパク質分解酵素として中性プロ
テアーゼを用いる場合は、PHを調整する必要はない。
【0023】なお、抽出液と固形分の分離は、遠心分離
機又は圧搾機によって行なう。
【0024】分離した固形分には、同重量の5%NaCl溶液
を加えよく攪拌し、30分以上(より望ましくは、1時
間以上)かけて塩可溶性タンパク質を抽出する。(以
下、%はすべて重量% である。) 次に、抽出液を分離し、固形分に同重量の0.1 N NaOH
溶液を加えて良く撹拌し、1時間以上かけてアルカリ可
溶性タンパク質を抽出する。(尚、このアルカリ抽出は
省くこともできる。) 抽出液と固形分を分離する前、塩酸で、PHを5から6に
調整しておくと分離が容易となる。
【0025】第2の工程においては、第1の工程で得ら
れた抽出液にタンパク質分解酵素(例えば、プロテア−
ゼ、プロティナ−ゼ、ペプチダ−ゼ)を作用させ、その
後に濃縮(濃縮する手段としては、加熱、減圧濃縮機又
は逆浸透法、膜濾過装置等)するものである。
【0026】プロテア−ゼ処理に先立って、0℃から10
℃(望ましくは、0℃から5℃)に保存しておいた抽出
液を40℃から50℃に保温後、PH3付近に最適PHをもつプ
ロテア−ゼである商品名Denapsin(長瀬産業株式会社)
又は、Protease M、Protease A(天野製薬株式会
社)、Protease YPーSS(ヤクルト薬品工業株式会
社)、プロチン FA(大和化成株式会社)を0.01%か
ら0.3 %の濃度となるように単独又は組み合わせて添加
し、良く撹拌した後40℃から55℃(望ましくは、45℃か
ら50℃)に調整しておいた恒温槽内で6時間から24時間
反応させる。
【0027】また、アルカリ可溶性タンパク質を抽出し
た最終固形分には同重量の水を加え、塩酸でPH2.5 から
4(望ましくは、3 から3.5 )に調整し、Denapsin又は
Protease M、Protease A(天野製薬株式会社)、Pr
otease YPーSS(ヤクルト薬品工業株式会社)、プ
ロチン FA(大和化成株式会社)を固形分の0.05%か
ら0.5 %( 望ましくは0.3%から0.5%) の濃度となるよう
に添加し、その後40℃から55℃( 望ましくは45℃から50
℃)で6時間から24時間反応させる。
【0028】一方、中性プロテア−ゼとしてはProtease
A(天野製薬株式会社),DebitraseDBPー20 Debitrase D
BS-50( 萬邦通商株式会社)を酸性プロテアーゼと同様
に用いる。但し、反応時間は、5〜8時間が望ましい。
8時間以上の処理により、雑菌が増加し腐敗する可能性
があるためである。
【0029】プロテア−ゼ反応終了後、抽出液は0℃〜
10℃(望ましくは、5℃)で6時間以上保存する。最終
固形分のプロテア−ゼ処理液は遠心分離機等によって固
液分離し、上清部は、0℃〜10℃(望ましくは、0℃〜
5℃)で保存する。
【0030】なお、最終固形分は、酸性プロテアーゼを
用いた場合、PH4から5、塩分が1%以下となり、肥料
として利用可能である。 また、中性プロテアーゼを用
いた場合はPH6前後となる。
【0031】プロテア−ゼ処理液の上清部をペ−パ−タ
オル等でろ過又は、遠心分離後、加熱濃縮又は、膜濾過
濃縮、減圧濃縮によりホルモ−ル窒素濃度が0.4g/100ml
から1.0 /100ml(望ましくは、0.6 〜 0.8g/100ml)とな
るまで濃縮する。
【0032】0.3g/100ml以下では、呈味性が乏しくな
り、また、後の発酵工程でPHが下がり過ぎる傾向にあ
る。一方1.0 g/100ml 以上では、製品の色が黒ずみ、苦
味が感じられる場合もある。
【0033】第3の工程においては、第2の工程で得ら
れた濃縮液に酵母、乳酸菌を加えて発酵させる。
【0034】第2の工程で得られた濃縮液をNaOH又はHC
l でPH5 から6.0 (酸性プロテアーゼを使用した場合
は、NaOHで、中性プロテアーゼを使用した場合は、その
ままか、HCl で調整する。)に調整した後、糖を10%か
ら20%、食塩を 5%から10%の濃度となるように加え
る。糖としては、ブドウ糖、果糖などが適している。
【0035】更に、酵母例えば、耐塩性の酵母(Zygosa
ccharomyces 属、Torulopsis属、より具体的には、Zygo
saccharomyces rouxii) と、乳酸菌例えば、耐塩性の乳
酸菌(Pediococcus 属、より具体的には、Pediococcus
halophilus) をそれぞれ105/g 〜107/g 、106/g 〜108/
g の濃度となるように加え、よく撹拌する。
【0036】又、Glutaminase(大和化成株式会社)を0.
005%から0.1%添加しておくと呈味性が増す場合がある。
【0037】発酵温度は、25℃から30℃が適している。
微生物添加後、4日目から6日目にかけて発泡が始ま
り、その後10日から20日間激しい発酵が続く。この間2
日か3日に一度撹拌する。20日から30日で発酵は終了す
る。
【0038】発酵終了後、発酵液を80℃で30分間火入れ
(火入れの手段としては、例えば、プレート式熱交換機
等を用いる。)し冷暗所で、固形分を沈殿させた後、遠
心分離し上清を濾紙、セラミックフィルター等で濾過
し、発酵調味液を得る。
【0039】従来においては、生の魚肉を液化する際
に、魚肉の持つ内臓酵素を利用する場合、雑菌の汚染を
防ぐため、高い塩分が必要となり、そのため、長い熟成
期間が必要となる。又、加熱殺菌した魚肉の酵素は不活
化するため、市販のプロテア−ゼ等を添加する必要があ
るが、加熱によって、魚肉がしまり、可溶化しにくくな
る。
【0040】しかしながら、本実施例の発酵調味料の製
造方法においては、55℃から75℃の温度(望ましくは、
60℃から65℃)の温度で加熱した後、タンパク質を抽出
することによってプロテア−ゼの作用を受けやすい状態
にすることができる。
【0041】又、固形物を除いたプロテア−ゼ処理後の
濃縮液を用いて発酵させることによって、塩分の低減、
発酵期間の短縮、芳香臭の付加などが可能になる。
【0042】一方、この発酵調味液は、魚の切り身の漬
け込み液、そばつゆ、煮物、鍋物、つけもの、カレーな
ど幅広い食品に利用することができる。
【0043】(実施例1)(カツオ血合肉使用) 凍結保存したカツオ血合肉18kgを解凍後蒸機内で、血合
肉の中心温度が60℃になってから、30分間蒸し、得られ
たエキス分5.1kg は、HCl でPH3 に調整後5℃で保存し
た。
【0044】一方、血合肉15kgに15リットルの水を加えてよ
く撹拌した後、5℃で1時間、抽出し、抽出液18kgを得
た。
【0045】血合肉残渣8kgに5%NaCl溶液8リットルを加
え良く撹拌し、15時間抽出し、抽出液7kgを得た。
【0046】残渣 6kgに0.1N NaOH溶液6リットルを加え良
く撹拌し、5℃で4時間抽出し、抽出液5.5kg を得た。
【0047】最終残渣 5kgに水 5リットルを加え、PH3 とし
た後、Denapsinを15g 加えて良く撹拌し、50℃で6 時間
反応させた。
【0048】他の抽出液(エキス分5.1kg 、抽出液18k
g、抽出液7kg、抽出液5.5kg )には、0.1 %の濃度と
なるようDenapsinを加え、同様に反応させた。残渣のプ
ロテア−ゼ処理液は固液分離し4 kgの抽出液(酵素処理
液)を得た。
【0049】次に、プロテア−ゼ処理液の上清をペ−パ
−タオルで濾過後、ホルモ−ル窒素濃度が0.80g/100ml
となるまで加熱濃縮し、NaOH溶液で、PH5 に調整後、ブ
ドウ糖15%、食塩6 %、耐塩性酵母(Zygosaccharomyces
rouxii) 3×105 /g、乳酸菌(Pediococcus halophilus)
3 ×106 /g となるように加え、28℃で30日間発酵を
行なった。
【0050】この発酵液を火入れ(80℃で30分間)し冷
暗所で保存後、濾紙(東洋濾紙No.2) で濾過し、約14kg
の発酵調味料を得た。
【0051】表1に酵母、乳酸菌の増減を、表2に調味
液の化学組成を示す。
【0052】得られた調味料のNaClは、5.9 %と低塩分
(従来のものは、25%〜30%程度)であり、又、官能結
果は、香り、味ともに良好であった。
【0053】
【表1】
【0054】
【0055】
【表2】
【0056】(実施例2)(マグロ落し身使用) マグロ落し身10kgを実施例1と同様の操作により、エキ
ス分、水溶性タンパク質、塩可溶性タンパク質、アルカ
リ可溶性タンパク質を抽出し、プロテア−ゼ処理を行な
い、ホルモ−ル窒素濃度が0.71g/100ml となるまで濃縮
した。
【0057】濃縮後、NaOH溶液で、PH5 に調整後、ブド
ウ糖15%、食塩 8%、耐塩性酵母(Zygosaccharomyces r
ouxii) 3×105 /g、乳酸菌(Pediococcus halophilus)
3 ×106 /g となるように加えて発酵させた。得られた
調味料の分析値を表3に示す。
【0058】(実施例3)(マグロの血合肉使用) マグロの血合肉9.5kg より実施例1と同様の操作によ
り、エキス分、水溶性タンパク質、塩可溶性タンパク
質、アルカリ可溶性タンパク質を抽出し、プロテア−ゼ
処理を行ない、ホルモ−ル窒素濃度が0.57g/100ml とな
るまで濃縮した。
【0059】濃縮後、NaOH溶液で、PH5 に調整後、ブド
ウ糖15%、食塩 8%、耐塩性酵母(Zygosaccharomyces r
ouxii) 3×105 /g、乳酸菌(Pediococcus halophilus)
3 ×106 /g となるように加えて発酵させた。得られた
調味料の分析値を表3に示す。
【0060】(実施例4)(カツオスキンレス使用) カツオスキンレス15kgより実施例1と同様の操作によ
り、エキス分、水溶性タンパク質、塩可溶性タンパク
質、アルカリ可溶性タンパク質を抽出し、プロテア−ゼ
処理を行ない、ホルモ−ル窒素濃度が0.69g/100ml とな
るまで濃縮した。
【0061】濃縮後、NaOH溶液で、PH5 に調整後、ブド
ウ糖15%、食塩 8%、耐塩性酵母(Zygosaccharomyces r
ouxii) 3×105 /g、乳酸菌(Pediococcus halophilus)
3 ×106 /g となるように加えて発酵させた。得られた
調味料の分析値を表3に示す。
【0062】(実施例5)(カツオの精巣使用) カツオの精巣6.5kg を解凍し、蒸機内で60℃、30分間蒸
煮した後、エキス分1.1kg を得た。
【0063】精巣6kg に水6リットルを加え良く撹拌し、5
℃で1時間かけて水溶性タンパク質を抽出した。エキス
分と抽出液7kgをHCl でPH3としDenapsinを0.1 %とな
るように添加した。
【0064】精巣残渣4.7kg に水4.7リットル を加え、PH3
とした後、Denapsinを14g 添加し、これらを50℃で6時
間反応させた。
【0065】次に、これらのプロテア−ゼ処理液をペ−
パ−タオルで濾過し、ホルモ−ル窒素濃度が0.53g/100m
l となるまで濃縮した。
【0066】濃縮後、NaOH溶液で、PH5 に調整後、ブド
ウ糖15%、食塩 8%、耐塩性酵母(Zygosaccharomyces r
ouxii) 3×105 /g、乳酸菌(Pediococcus halophilus)
3 ×106 /g となるように加えて発酵させた。得られた
調味料の分析値を表3に示す。
【0067】(実施例6)(イカの内臓使用) イカの内臓2kgより実施例5と同様な操作によって抽出
した液にプロテア−ゼ処理を行ない、ホルモ−ル窒素濃
度が0.50g/100ml となるまで濃縮した。
【0068】濃縮後、NaOH溶液で、PH5 に調整後、ブド
ウ糖15%、食塩10%、耐塩性酵母(Zygosaccharomyces r
ouxii) 3×105 /g、乳酸菌(Pediococcus halophilus)
3 ×106 /g となるように加えて発酵させた。得られた
調味料の分析値を表3に示す。
【0069】(実施例7)(ミズダコの煮汁) ミズダコの煮汁6.8kg のPHを3に調整し、Denapsinを6.
8g添加して50℃で6時間反応させた。この処理液をペ−
パ−タオルで濾過後、ホルモ−ル窒素濃度が0.48g/100m
l となるまで濃縮した。
【0070】濃縮後、NaOH溶液で、PH5 に調整後、ブド
ウ糖15%、食塩 8%、耐塩性酵母(Zygosaccharomyces r
ouxii) 3×105 /g、乳酸菌(Pediococcus halophilus)
3 ×106 /g となるように加えて発酵させた。得られた
調味料の分析値を表3に示す。
【0071】なお、実施例2〜実施例7で得られた調味
料のNaClは、8.1 %〜10.0%と低塩分(従来のものは、
25%〜30%)であり、又、実施例2〜実施例7で得られ
た調味料の官能結果は、香り、味ともに良好であった。
【0072】
【表3】
【0073】(応用例1)マグロの切身の漬け込み液と
して、マグロに対して実施例1の調味料を26%、醤油 7
%、砂糖14%、水14%、七味とうがらし0.6 %を加えて
良く混合し、1日から3日5℃で漬け込んだ後、鉄板で
焼いて試食した。
【0074】比較対照として、醤油33%、砂糖14%、水
14%、七味とうがらし0.6 %を加えて良く混合し、1日
から3日5℃で漬け込んだ後、鉄板で焼いた。
【0075】官能結果は、実施例1の調味料を加えたも
のが、対照のものに比し、魚の色が淡く、香りも良好
で、甘味の引きたったものとなった。
【0076】(応用例2)そばつゆの原料として、実施
例1の調味料を400g、醤油100g、みりん50g 、砂糖50g
、水100gを加えて、一度加熱し、これを3倍から4倍
に希釈してそばつゆとして用いた。
【0077】比較対照として、醤油500g、みりん50g 、
砂糖50g 、水100gを加えて、一度加熱し、これを3倍か
ら4倍に希釈してそばつゆとした。
【0078】官能結果は、実施例1の調味料を加えたも
のが、対照のものに比し、淡い色で、香り味とも良好で
あった。
【0079】(実施例8)(2種のプロテアーゼを用い
た例) 鰹血合肉 6kgより実施例1と同様の操作により、エキス
分,水溶性タンパク質,塩可溶性タンパク質,アルカリ
可溶性タンパク質を抽出し、抽出液15.5kgと血合肉残渣
3.9 kgを得た。
【0080】血合肉残渣3.9Kg に水3.9 リットルを加え
PH3とした後、 Denapsin とプロチンをそれぞれ9.8gず
つ加えて、よく撹拌し50℃で6時間反応させた。
【0081】その他の抽出液には Denapsin とプロチン
をそれぞれ7.75g ずつ加えて、同様に反応させた。血合
肉残渣のプロテアーゼ処理液は固液分離し4.7Kg の抽出
液を得た。
【0082】次に、これらのプロテアーゼ処理液をホル
モール窒素濃度が0.57g/100ml となるまで濃縮し、以後
実施例1と同様に発酵させた。得られた調味料の分析値
ならびに遊離アミノ酸含量を表4と表5に示す。
【0083】(実施例9)(中性プロテアーゼを用いた
例) 鰹血合肉6.6kg を解凍後、蒸機内で血合肉の中心温度が
60℃になってから、30分間蒸煮し、1.1kg のエキス分
と5.9kg の血合肉を得た。血合肉5.9kg に水5.9 リット
ルを加え、よく撹拌しながら、5 ℃で1時間水溶性タン
パク質を抽出し7.5kg の抽出液を得た。
【0084】次に、血合肉残渣4.0kg に5 %NaCl溶液を
4.0 リットル加えよく撹拌し、5 ℃で15時間塩可溶性
タンパク質を抽出し、4.2kg の抽出液を得た。
【0085】血合肉残渣3.9kg に水3.9 リットルを加
え、更に、Protease Aを12.3g 、Debitrase DBS-50を
8.2gそれぞれ加えてよく撹拌した後、50℃で6時間反応
させた。
【0086】他の抽出液12.8kgには、Protease Aを6.
25g 、Debitrase DBS-50を6.25g それぞれ加え、同様に
反応させた。この間、PH調整は一切行なわなかった。
【0087】残渣のプロテアーゼ処理液は固液分離後5
kgの抽出液が得られた。
【0088】次に、これらのプロテアーゼ処理液をホル
モール窒素濃度が0.62g/100ml となるまで濃縮し、以下
実施例1と同様に発酵させた。得られた調味料の分析値
を表4に示す。
【0089】(実施例10)(鰹ラウンドを使用した
例) 鰹ラウンド14kgから実施例9と同様の操作によりエキス
分5 kg、水溶性タンパク質14.1kgを得た。
【0090】残渣8.6 kgに水8.6 リットル、 Protease
Aを43g 加えてよく撹拌し、 50 ℃で5時間反応させ
た。
【0091】他の抽出液19.1kgには、Protease Aを1
9.1g 加え、同様に反応させた。残渣のプロテアーゼ処
理液は、固液分離し10.7kgの抽出液を得た。
【0092】次に、プロテアーゼ処理液をホルモール窒
素濃度が0.67g/100ml となるまで濃縮した。濃縮中浮上
してくる油分は除去した。
【0093】発酵終了後、発酵液は遠心分離(5000rpm,
20分)によって油分と沈殿物を除去し、さらに1μm
のセラミック濾過機(株式会社 ノリタケ カンパニー
リミテッド)で濾過した。得られた調味料の分析値を
表4に示す。
【0094】(実施例11)(鰹血合と頭部の組み合わ
せ) 鰹頭部5 kgをチョッパー(増幸産業株式会社)で処理
し、これに鰹血合9.5 kgを加えて、実施例10と同様の
操作により抽出液を得た。この抽出液18.1kgにProtease
Aを9.1g、 Debitrase DBS-50 を1.8g加え、50℃で5
時間処理した。一方、残渣9.4 kgには水9.4 リットルと
Protease A 28.2g 、Debitrase DBS-50 4.7gを加
え、同様に反応させて11.7kg の抽出液を得た。
【0095】これらの抽出液は、ホルモール窒素濃度が
0.76g/100ml となるまで濃縮し、発酵終了後、実施例1
0と同様に処理した。得られた調味料の分析値を表4に
示す。
【0096】
【表4】
【0097】
【0098】
【表5】
【0099】次に、本発明のみりん風発酵調味料の製造
方法の一実施例について説明すると、みりん風発酵調味
料の製造方法は、魚介類を加熱殺菌した後、エキス分及
びタンパク質等を抽出する第1の工程と、この第1の工
程で得られた抽出液にタンパク質分解酵素(例えば、プ
ロテア−ゼ、プロティナ−ゼ、ペプチダ−ゼ等)を作用
させた後にホルモ−ル窒素濃度が0.20g/100ml から0.80
g/100ml 程度に濃縮する第2の工程と、この第2の工程
で得られた濃縮液に糖、酵母を加えて発酵させる第3の
工程とからなるものである。
【0100】第1の工程においては、魚介類の中心温度
が55℃から75℃の温度(望ましくは、60℃から65℃)に
なるように蒸気で加熱して殺菌し、その後、エキス分及
びタンパク質等を抽出する(抽出液と固形分の分離は、
遠心分離機又は圧搾機によって行なう)。
【0101】魚介類としては、例えば、魚介類そのも
の、魚介類の普通肉、血合肉、精巣・肝臓などの内臓、
皮、鰭又は、これらの煮汁を、単独あるいは、組み合わ
せて使用することができるが、より望ましくは血合肉、
精巣が良い。
【0102】凍結保存しておいた魚介類は、解凍し、さ
らしなどの布の上にひろげ蒸機内で魚介類の中心温度が
55℃から75℃の温度(望ましくは、60℃から65℃)にな
ってから30分以上保持する。
【0103】加熱温度において、魚介類の中心温度が55
℃から75℃の温度(望ましくは、60℃から65℃)として
いるのは、50℃以下では、殺菌効果が低下し、タンパク
質の変性が十分でないし、80℃以上の加熱では、魚肉が
しまり、タンパク質の抽出効果が下がるからである。
【0104】蒸煮を終えた魚介類に同重量の水を加え、
よく撹拌し0℃から10℃(望ましくは、0℃から5℃)
で30分以上(望ましくは、1時間以上)かけて水溶性タ
ンパク質を抽出する。
【0105】一方、蒸煮によって得られたエキス分は、
塩酸でPH2.5 から 4(望ましくは、3 から3.5 )とし、
プロテア−ゼ処理を行なうまで、0℃から10℃(望まし
くは、0℃〜5℃)で保存する。タンパク質分解酵素と
して、中性プロテアーゼを使用する場合は、PHを調整す
る必要はない。
【0106】以後、抽出操作は、すべて0℃から10℃
(望ましくは、0℃から5℃)で行ない、得られた抽出
液は、後に酸性プロテアーゼを用いる場合は、PH2.5 か
ら 4(望ましくは、3 から3.5 )に調整後0℃から10℃
(望ましくは、0℃から5℃)で保存する。一方、タン
パク質分解酵素として中性プロテアーゼを用いる場合
は、PHを調整する必要はない。なお、抽出液と固形分の
分離は、遠心分離機又は圧搾機によって行なう。
【0107】分離した固形分には、同重量の5%NaCl溶
液を加えよく撹拌し、1時間以上かけて塩可溶性タンパ
ク質を抽出する。(以下%は、すべて重量%である。) 次に、抽出液を分離し、固形分に同重量の0.1 N NaOH
溶液を加えて良く撹拌し、1時間以上かけてアルカリ可
溶性タンパク質を抽出する。
【0108】抽出液と固形分を分離する前、塩酸で、PH
を5から6に調整しておくと分離が容易となる。尚、こ
のアルカリ抽出は、省くことができる。
【0109】第2の工程においては、第1の工程で得ら
れた抽出液にタンパク質分解酵素(例えば、プロテア−
ゼ、プロティナ−ゼ、ペプチダ−ゼ)を作用させ、その
後に濃縮(濃縮する手段としては、加熱、減圧濃縮機、
又は、逆浸透法、膜濾過装置等)するものである。
【0110】プロテア−ゼ処理に先立って、0℃から10
℃(望ましくは、0℃から5℃)に保存しておいた抽出
液を40℃から50℃に保温後、PH3付近に最適PHをもつプ
ロテア−ゼである商品名Denapsin(長瀬産業株式会社)
又は、Protease M、Protease A(天野製薬株式会
社)、プロチンFA(大和化成株式会社)、プロテアー
ゼ YPーSS(ヤクルト薬品株式会社)を0.01%から
0.3 %の濃度となるように添加し、良く撹拌した後40℃
から55℃(望ましくは、45℃から50℃)に調整しておい
た恒温槽内で6時間から24時間反応させる。
【0111】また、アルカリ可溶性タンパク質を抽出し
た最終固形分には同重量の水を加え、塩酸でPH2.5 から
4(望ましくは、3 から3.5 )に調整し、Denapsin又は
Protease M、Protease A(天野製薬株式会社)、プ
ロチンFA(大和化成株式会社)、プロテアーゼ YP
ーSS(ヤクルト薬品株式会社)を固形分の0.05%から
0.5 %の濃度となるように添加し、その後40℃から55℃
(望ましくは、45℃から50℃)で6時間から24時間反応
させる。
【0112】一方、中性プロテアーゼとしては、Protea
se A 、Debitrase DBP-20、Debitrase DBS-50(萬邦通
商株式会社)を酸性プロテア−ゼと同様に用いる。但
し、反応時間は、5〜8時間が望ましい。8時間以上の
処理により、雑菌が増加し、腐敗する可能性があるため
である。
【0113】プロテア−ゼ反応終了後、抽出液は0℃〜
10℃(望ましくは、0℃〜5℃)で6時間以上保存す
る。最終固形分のプロテア−ゼ処理液は遠心分離機等に
よって固液分離し、上清部は、0℃〜10℃(望ましく
は、0℃〜5℃)で保存する。
【0114】なお、最終固形分は、酸性プロテアーゼを
用いた場合でも、PH4から5、塩分が1%以下となり、
肥料として利用可能である。また、中性プロテアーゼを
用いた場合はPH6前後となる。
【0115】次に、プロテア−ゼ処理液の上清をペ−パ
−タオル等でろ過又は遠心分離し、沈殿物を除去した
後、加熱濃縮又は、膜濾過濃縮、減圧濃縮によって、ホ
ルモ−ル窒素濃度が0.2g/100mlから0.80 g/100mlとなる
まで濃縮する。
【0116】0.1g/100ml以下では、呈味性が乏しく、ま
た、1.0 以上では、酵母の発酵が抑制される場合があ
り、また最終製品の色が黒ずんでくる。
【0117】第3の工程においては、第2の工程で得ら
れた濃縮液に糖、酵母を加えて発酵させる。
【0118】第2の工程で得られた濃縮液をNaOHでPH 5
から 6に調整した後、糖源としてブドウ糖、果糖等を20
%から40%となるように添加し、更に、酵母、例えば、
清酒酵母、ワイン酵母、ウイスキ−酵母、パン酵母(Sa
ccharomyces 属、より具体的には、Saccharomyces cere
visiae) を109 /kg から1011/kg となるように加える。
また、Glutaminase (大和化成株式会社)を0.005 %か
ら0.1 %添加しておくと、呈味性が増す場合がある。
【0119】発酵温度は、15℃から25℃とし、2日から
3日に一度撹拌する。酵母添加後、3日目頃から発泡が
見られ、徐々に、アルコ−ル臭が強くなる。
【0120】発酵は、2週間前後で終了するが、その
際、再び、糖を10%から20%程度加えると発酵が再開す
る。
【0121】最終的には、20日から30日で発酵が終了す
る。終了後、火入れに先立って、糖を 5%から20%程度
加える。
【0122】火入れは、例えば、プレート式熱交換機等
を用いて、75℃から80℃で5分間行ない、冷暗所で固形
分を沈殿させた後、遠心分離し上清をろ紙、セラミック
フィルター等で濾過し、みりん風発酵調味料(製品)と
する。
【0123】本実施例のみりん風発酵調味料の製造方法
においては、その過程で、タンパク質等の抽出とプロテ
ア−ゼ処理を組み合わせることにより、魚介類のアミノ
酸、ペプチド、ミネラル等の利用が可能となる。
【0124】又、第2の工程で、ホルモ−ル窒素濃度が
0.20g/100ml から0.80g/100ml 程度に濃縮し、第3の工
程で発酵させることにより、香りが増し、魚介類の独特
な臭気をなくすことができる。
【0125】又、糖と酵母の種類を組み合わせることに
より、甘味、香りの異なる調味料が得られる。
【0126】みりん風発酵調味料は、つゆ、たれ類やス
−プ、煮物など幅広い食品に利用することができる。
【0127】(実施例12)(カツオ血合肉使用) 凍結保存したカツオ血合肉10.5kgを解凍後、蒸機内で、
血合肉の中心温度が60℃になってから、30分間保持し、
得られたエキス分1.9kg を、HCl でPH3 に調整後5℃で
保存した。
【0128】一方、血合肉9.6kg に水9.6リットル を加え、
よく撹拌した後、5℃で1時間、抽出し、抽出液11.6kg
を得た。
【0129】残渣(固形物) 6.6 kg には、5 %NaCl溶
液 6.6リットルを加え、5 ℃で15時間抽出し、抽出液6.5 kg
を得た。
【0130】更に、残渣(固形物)7.2kg には、0.1N
NaOH溶液7.2 リットルを加えて、5℃で4時間抽出し、抽出
液7.5kg を得た。
【0131】アルカリ抽出後の最終残渣(固形物)6.8k
g に水6.8 リットルを加え、 HClでPH3とした後、Denapsin
を20.4g 加え、50℃で6 時間反応させた。
【0132】他の抽出液(エキス分1.9kg 、抽出液11.6
kg、抽出液6.5 kg、抽出液7.5kg )にも、0.1 %の濃度
となるようDenapsinを加え、同様に反応させた。残渣の
プロテア−ゼ処理液は固液分離し、 6 kg の抽出液(酵
素処理液)を得た。
【0133】次に、プロテア−ゼ処理液の上清をペ−パ
−タオルで濾過後、ホルモ−ル窒素濃度が0.40g/100ml
となるまで濃縮し、13.6 kg の濃縮液を得た。これをNa
OH溶液で、PH5 とした後、ブドウ糖を30%の濃度となる
ように加え、良く撹拌して、ブドウ糖を溶解した。
【0134】更に、パン酵母(Saccharomyces cerevisi
ae)を109/kgの濃度となるように添加し、20℃で発酵さ
せた。15日目に発酵が終了したため、さらに 2.2 kgの
ブドウ糖を加え、再び、発酵させた。30日目にブドウ糖
2.2 kg を加えてから、火入れ、濾過し、最終的に14kg
の調味料を得た。
【0135】表6に、本調味料の成分組成を示す。又、
官能結果は、香り、味ともに良好で、カツオの風味を有
していた。
【0136】
【表6】
【0137】(実施例13)(カツオスキンレス使用) カツオスキンレス15kgより実施例12と同様の操作によ
り、エキス分、水溶性タンパク質、塩可溶性タンパク
質、アルカリ可溶性タンパク質、酵素処理液を抽出し、
プロテア−ゼ処理を行ない、ホルモ−ル窒素濃度が0.41
g/100ml となるまで濃縮し、以後、実施例12と同様に
して、該濃縮液に糖、酵母を加えて発酵させた。得られ
た調味料の分析値を表7に示す。
【0138】(実施例14)(マグロ落し身使用) マグロ落し身10kgより実施例12と同様の操作により、
エキス分、水溶性タンパク質、塩可溶性タンパク質、ア
ルカリ可溶性タンパク質を抽出し、プロテア−ゼ処理を
行ない、ホルモ−ル窒素濃度が0.43g/100ml となるまで
濃縮し、以後、実施例12と同様にして、該濃縮液に
糖、酵母を加えて発酵させた。得られた調味料の分析値
を表7に示す。
【0139】(実施例15)(マグロの血合肉使用) マグロの血合肉9.5kg より実施例12と同様の操作によ
り、エキス分、水溶性タンパク質、塩可溶性タンパク
質、アルカリ可溶性タンパク質を抽出し、プロテア−ゼ
処理を行ない、ホルモ−ル窒素濃度が0.39g/100ml とな
るまで濃縮し、以後、実施例12と同様にして、該濃縮
液に糖、酵母を加えて発酵させた。得られた調味料の分
析値を表7に示す。
【0140】なお、実施例13〜実施例15で得られた
調味料の官能結果は、香り、味ともに良好であった。
【0141】
【表7】
【0142】(応用例)マグロの切身の漬け込み液とし
て、マグロに対して実施例12の調味料を 7%、醤油34
%、砂糖 7%、水 7%、七味とうがらし0.6 %を加えて
良く混合し、1日から3日5℃で漬け込んだ後、鉄板で
焼いて試食した。
【0143】比較対照として、醤油34%、砂糖14%、水
14%、七味とうがらし0.6 %を加えて良く混合し、1日
から3日5℃で漬け込んだ後、鉄板で焼いた。
【0144】官能結果は、実施例12の調味料を加えた
ものが、対照のものに比し、旨味、香りが良好であっ
た。
【0145】(実施例16)(2種類のProteaseを用い
た例) 鰹血合肉6kgより実施例12と同様の操作により、エキ
ス分水溶性タンパク質,塩可溶性タンパク質,アルカリ
可溶性タンパク質を抽出し、抽出液15.5kgと血合肉残渣
3.9 kgを得た。
【0146】血合肉残渣には、水3.9 リットルを加えPH3 と
した後、 Denapsin とプロチンをそれぞれ9.8gずつ加え
よく攪拌した後、50℃で6時間反応させた。
【0147】その他の抽出液には、 Denapsin とプロチ
ンをそれぞれ7.75g ずつ加え、同様に反応させた。残渣
のプロテアーゼ処理液は固液分離後4.7 kgの抽出液を得
た。
【0148】次に、これらのプロテアーゼ処理液をホル
モール窒素濃度が0.57g/100ml となるまで濃縮した。こ
の濃縮液をPH5.5 に調整後ブドウ糖を30%の濃度となる
ように加えよく攪拌し、ブドウ糖を溶解した。
【0149】更に、ワイン酵母(ラルバン酵母EC111
8) を109/kgの濃度となるように添加し、15℃で発酵さ
せた。以後、実施例12と同様に発酵終了時と火入れ前
にブドウ糖を添加し、調味料を得た。得られた調味料の
分析値を表8に遊離アミノ酸含量を表9に示す。
【0150】(実施例17) (中性プロテアーゼ使
用,アルカリ抽出なし) カツオ血合肉8.5 kgを解凍後、蒸機内で血合肉の中心温
度が60℃になってから30分間蒸煮し1.6 kgのエキス分
と7.2 kgの血合肉を得た。
【0151】血合肉7.2 kgに水7.2 リットルを加えてよく攪
拌し、5 ℃で約2時間水溶性タンパク質を抽出し、抽出
液9.3 kgを得た。
【0152】血合肉残渣5.2 kgに5 %NaCl溶液5.2 リットル
を加えよく攪拌し、5 ℃で15時間塩可溶性タンパク質
を抽出し 5.4kgの抽出液を得た。
【0153】血合肉残渣5.4 kgに水5.4 リットルを加えさら
にProtease Aを27g 加え、よく攪拌し、50℃で6時間
反応させた。
【0154】他の抽出液16.3kgには、Protease Aを1
6.3g 加え、同様に反応させた。この間、PH調整は一切
行なわなかった。
【0155】残渣のプロテアーゼ処理液は固液分離し、
6.1 kgの抽出液を得た。
【0156】次に、これらのプロテアーゼ処理液をホル
モール窒素濃度が0.62g/100ml となるまで濃縮し、11.3
kgの濃縮液を得た。
【0157】この濃縮液のPHは、調整せずにブドウ糖、
ワイン酵母、 glutaminaseをそれぞれ30%,1011/ kg,
0.05 %となるように加え発酵させた。甘味度を高める
ために火入れ前にブドウ糖を仕込み時の70%の濃度とな
るように添加した。得られた調味料の分析値を表8に示
す。
【0158】(実施例18)(鰹ラウンドの例) 鰹ラウンド14 kg から実施例17と同様の操作により、
エキス分5 kg, 水溶性タンパク質14.1kgを得た。残渣8.
6 kgに水8.6 リットル, Protease A 43gを加え、良く撹拌
し、50℃で5時間反応させた。
【0159】他の抽出液19.1kgには、Protease Aを1
9.1g 加え、同様に反応させた。残渣のプロテアーゼ処
理液は固液分離後10.7kgの抽出液を得た。
【0160】次に、プロテアーゼ処理液をホルモール濃
度が0.67g/100ml となるまで濃縮した。濃縮中に浮上し
てくる油分は除去した。
【0161】この濃縮液を実施例17と同様の操作で発
酵させ、発酵終了後、発酵液は遠心分離(5,000rpm 2
0分)によって油分と沈殿物を除去し、さらに1μmの
セラミックフィルター(株式会社 ノリタケ カンパニ
ー リミテッド)でろ過した。得られた調味料の分析値
を表8に示す。
【0162】(実施例19)(鰹血合と頭部の組み合わ
せ) 鰹頭部5 kgをチョッパー(増幸産業株式会社)で処理
し、これに鰹血合肉9.5kgを加えて実施例18と同様の
操作により抽出液を得た。この抽出液18.1kgにProtease
A 9.1 g、Debitrase DBS-50 1.8g を加えて良く撹拌
し、50℃で6時間処理させた。
【0163】一方、残渣9.4kg には、水9.4 リットル、
Protease A 28.2 g 、DebitraseDBS-50 4.7g を加え
て同様の反応を行ない11.7kgの抽出液を得た。
【0164】これらの抽出液はホルモール窒素濃度が0.
76g/100ml となるまで濃縮し、発酵終了後実施例18と
同様に処理した。得られた調味料の分析値を表8に示
す。
【0165】
【表8】
【0166】
【0167】
【表9】
【0168】
【0169】
【発明の効果】本発明の発酵調味料の製造方法において
は、魚介類を加熱殺菌した後、エキス分及びタンパク質
等を抽出する第1の工程と、この第1の工程で得られた
抽出液にタンパク質分解酵素を作用させた後に濃縮する
第2の工程と、この第2の工程で得られた濃縮液に酵
母、乳酸菌を加えて発酵させる第3の工程とからなるも
のであるから、魚介類のアミノ酸、ペプチド、ミネラル
等を含む低塩分かつ香り味とも良好な発酵調味料を得る
ことができる。
【0170】又、本発明の発酵調味料の製造方法におい
ては、魚介類の血合肉、内臓等の残渣を加熱殺菌した
後、エキス分及びタンパク質等を抽出する第1の工程
と、この第1の工程で得られた抽出液にタンパク質分解
酵素を作用させた後に濃縮する第2の工程と、この第2
の工程で得られた濃縮液に酵母、乳酸菌を加えて発酵さ
せる第3の工程とからなるものであるから、前述した効
果に加え、これまで、大量に破棄されていた魚介類残渣
の有効利用を図ることができる等の効果を奏する。又、
本発明のみりん風発酵調味料の製造方法においては、魚
介類を加熱殺菌した後、エキス分及びタンパク質等を抽
出する第1の工程と、この第1の工程で得られた抽出液
にタンパク質分解酵素を作用させた後にホルモ−ル窒素
濃度が0.20g/100ml から0.80g/100ml 程度に濃縮する第
2の工程と、この第2の工程で得られた濃縮液に糖、酵
母を加えて発酵させる第3の工程とからなるものである
から、魚介類のアミノ酸、ペプチド、ミネラル等を含む
香り、味とも良好なみりん風発酵調味料を比較的短期間
で製造することができる。
【0171】又、本発明のみりん風発酵調味料の製造方
法においては、魚介類の血合肉、内臓等の残渣を加熱殺
菌した後、エキス分及びタンパク質等を抽出する第1の
工程と、この第1の工程で得られた抽出液にタンパク質
分解酵素を作用させた後にホルモ−ル窒素濃度が0.20g/
100ml から0.80g/100ml 程度に濃縮する第2の工程と、
この第2の工程で得られた濃縮液に糖、酵母を加えて発
酵させる第3の工程とからなるものであるから、前述し
た効果に加え、これまで、大量に破棄されていた魚介類
残渣の有効利用を図ることができる等の効果を奏する。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 魚介類を加熱殺菌した後、エキス分及び
    タンパク質等を抽出する第1の工程と、この第1の工程
    で得られた抽出液にタンパク質分解酵素を作用させた後
    に濃縮する第2の工程と、この第2の工程で得られた濃
    縮液に酵母、乳酸菌を加えて発酵させる第3の工程とか
    らなることを特徴とする発酵調味料の製造方法。
  2. 【請求項2】 魚介類の血合肉、内臓等の残渣を加熱殺
    菌した後、エキス分及びタンパク質等を抽出する第1の
    工程と、この第1の工程で得られた抽出液にタンパク質
    分解酵素を作用させた後に濃縮する第2の工程と、この
    第2の工程で得られた濃縮液に酵母、乳酸菌を加えて発
    酵させる第3の工程とからなることを特徴とする発酵調
    味料の製造方法。
  3. 【請求項3】 魚介類を加熱殺菌した後、エキス分及び
    タンパク質等を抽出する第1の工程と、この第1の工程
    で得られた抽出液にタンパク質分解酵素を作用させた後
    にホルモ−ル窒素濃度が0.20g/100ml から0.80g/100ml
    程度に濃縮する第2の工程と、この第2の工程で得られ
    た濃縮液に糖、酵母を加えて発酵させる第3の工程とか
    らなることを特徴とするみりん風発酵調味料の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 魚介類の血合肉、内臓等の残渣を加熱殺
    菌した後、エキス分及びタンパク質等を抽出する第1の
    工程と、この第1の工程で得られた抽出液にタンパク質
    分解酵素を作用させた後にホルモ−ル窒素濃度が0.20g/
    100ml から0.80g/100ml 程度に濃縮する第2の工程と、
    この第2の工程で得られた濃縮液に糖、酵母を加えて発
    酵させる第3の工程とからなることを特徴とするみりん
    風発酵調味料の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011193823A (ja) * 2010-03-23 2011-10-06 Yuetsu Ito 新規水畜産加工品およびこれを使用した素材並びに食品

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS545057A (en) * 1977-06-10 1979-01-16 Ajinomoto Kk Deodorizing of fish and shellfish extract

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