JPH05195438A - 抗菌防臭繊維 - Google Patents

抗菌防臭繊維

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JPH05195438A
JPH05195438A JP3290545A JP29054591A JPH05195438A JP H05195438 A JPH05195438 A JP H05195438A JP 3290545 A JP3290545 A JP 3290545A JP 29054591 A JP29054591 A JP 29054591A JP H05195438 A JPH05195438 A JP H05195438A
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antibacterial
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gram
bacteria
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Tsuneo Kuwata
恒雄 桑田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐性獲得グラム陽性菌、耐性グラム陰性菌
わ問わずあらゆる細菌、かび類に対して十分な抗菌防臭
効果を有する抗菌防臭繊維を提供する。 【構成】 アクリル繊維、アセテート繊維等の吸着性
に富む繊維材中に無機抗菌剤として酸化銀、銀ゼオライ
ト、銀担持アパタイト、銀ガラス等の銀化合物を練り込
み等により銀濃度が0.005重量%以上となるように
含有せしめた後紡糸する。このように紡糸して得られた
繊維を3−(トリメトキシシリル)オクタデシルアンモ
ニウムクロライド等の第四級アンモニウム塩および/ま
たはかかる塩を含有する化合物溶液中に浸漬して後処理
を行い、繊維中に第四級アンモニウム塩等の化合物を
0.05重量%以上含有させることにより抗菌防臭繊維
が得られる。このようにして得られた抗菌防臭繊維はグ
ラム陽性菌、グラム陰性菌のいずれに対しても十分な抗
菌効果を示し、各種医療繊維製品に利用し得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、抗菌防臭作用を有する
抗菌防臭繊維に関するものであって、さらに詳しくは、
殺菌作用を有する銀化合物、例えば銀ガラス、銀担持ア
パタイト、または銀ゼオライトを含有するとともに、繊
維表面を第四級アンモニウム塩およびまたは第四級アン
モニウム塩を含む化合物で後加工処理した抗菌防臭繊維
に関するものである。
【0002】特に、有機抗菌剤に対して耐性を獲得する
に至った細菌に対して抗菌防臭効果を有する抗菌防臭繊
維に関するものである。この抗菌防臭繊維は日常生活に
関連するあらゆる分野の繊維製品に利用することが可能
であり、既存の抗菌防臭繊維にはない広い抗菌スペクト
ルを有している。
【0003】特に、医療分野において、耐性獲得細菌に
汚染された患者が病院内を移動すればその領域が耐性獲
得細菌に汚染されてしまう。これが院内感染拡大の原因
のひとつになっている。本発明に係る抗菌防臭繊維また
はそれから成る製品であれば少なくともこの繊維上に付
着した菌は死滅するため、これを介する汚染ルートは絶
たれる。
【0004】かかる抗菌防臭繊維を使用した医療分野製
品として医療従事者の衣類、患者の衣類、シーツ、枕カ
バー、ベッド側地、布団側地、ふとん綿、カーペット、
壁紙、手袋、ソックス、スリッパ、包帯、カーテン、フ
ィルター、衛生マスク、T字帯、腹帯、三角巾、裾除
け、眼帯、白衣を挙げることが出来る。
【0005】
【従来の技術】近年、第四級アンモニウム塩、第四級ア
ンモニウム塩硅素化合物、両性界面活性剤、フェニルエ
ーテル系化合物、グルコン酸クロルヘキシジンで繊維表
面を後処理加工した抗菌防臭繊維が注目されている。具
体的な有機抗菌剤の例としてはベンザルコニウムクロラ
イドや3−(トリメトキシシリル)プロピルオクタデシ
ルジメチルアンモニウムクロライド、ポリオキシエチレ
ントリアルキルアンモニウムクロライド、5−クロル−
2−(2、4−ジクロルフェノキシ)フェノール、グル
コン酸クロルヘキシジンを挙げることができる。
【0006】一方、銀化合物を有機高分子体に練り込む
概念は公知のものであり、なかでも繊維に練りこんだ抗
菌防臭繊維がよく知られている。例えば、特開昭59−
133235号公報には銀ゼオライト粒子含有高分子体
が記載されており、かかる公報中にも抗菌防臭繊維が紹
介されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記有
機抗菌剤の内でも第四級アンモニウム塩の化合物を使用
して後加工処理をした抗菌防臭繊維は有機抗菌剤に対し
て耐性を獲得した細菌にはほとんど効果を示さない。本
来、前記化合物はグラム陽性細菌には特によく効果を発
揮し、3−(トリメトキシシリル)プロピルオクタデシ
ルジメチルアンモニウムクロライドは黄色ブドウ球菌の
発育阻止濃度が10〜30ppmであるが、しかし、グ
ラム陰性細菌に対してはそれほどの効果を示さず、大腸
菌の発育阻止濃度は250ppmである。
【0008】一方、グラム陽性細菌ではあるがメチシリ
ン耐性獲得黄色ブドウ球菌(以後MRSAと記す)の発
育阻止濃度は1000ppmとなり、ほとんど実用には
耐えない。他の有機抗菌剤においても同様の傾向が見ら
れる。また、抗菌防臭繊維用に広く使用されている有機
シリコーン第四級アンモニウム塩や両性界面活性剤はア
ミノ酸やタンパク質が共存すると更に抗菌効果が低下す
る傾向がある。従って、前記した従来の有機抗菌剤では
耐性獲得細菌に対して有効な防菌防臭効果を期待できな
いという問題がある。
【0009】また、一方、銀化合物はグラム陽性細菌、
グラム陰性細菌、かび、藻類等広範囲の微生物に対して
その生育を抑制する効果がある。しかし、有機高分子中
に直接銀化合物を練り込むと銀イオンと高分子が反応し
て褐色になり、繊維製品に要求される白度を維持するこ
とができない。そのため、実際の使用に際してはゼオラ
イト、アパタイト、ガラスなどの担体に保持させた後に
繊維に練り込んで使用されている。しかし、このような
担体に銀を保持させると銀単体の時に比べ抗菌力は相当
低下してしまうという問題がある。
【0010】例えば、銀ゼオライト(銀含有量2%)は
グラム陽性細菌の発育阻止濃度が250〜500pp
m、グラム陰性細菌の発育阻止濃度が125〜250p
pmとなる。また、銀を担持したアパタイト(銀含有量
1%)はグラム陽性細菌の発育阻止濃度が1000〜2
000ppm、グラム陰性細菌の発育阻止濃度は500
〜1000ppmとなる。同様に、上記MRSAの発育
阻止濃度は1000ppmとなる。銀ガラスにおいては
更に抗菌性能が低下する。傾向として銀化合物はグラム
陰性細菌に対して抗菌効果をよく発揮する。
【0011】このように有機抗菌剤、無機抗菌剤ともそ
れぞれの特徴を有しているが、グラム陽性細菌であって
耐性を有する細菌にはともに実用的に有効な効果を発揮
しにくいという問題が残存していた。
【0012】本発明の目的は耐性獲得グラム陽性菌、耐
性獲得グラム陰性菌を問わずあらゆる細菌やかび類に十
分な抗菌防臭効果を有する抗菌防臭繊維を提供すること
にある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記課題に鑑
みて、有機抗菌剤、無機抗菌剤、それぞれの処理濃度お
よび加工法、繊維材質などを種々検討・研究した。その
結果有機抗菌剤と無機抗菌剤を組み合わせることによ
り、その抗菌効果および抗菌特性は元の剤にはない特徴
を有し、特に耐性獲得細菌に効果のある抗菌防臭繊維を
提供できることを見いだし本発明を完成させたものであ
る。
【0014】以下本発明について詳細に説明する。本発
明において繊維表面の後処理加工剤としては第四級アン
モニウム塩化合物を挙げることができる。特に好ましく
は3−(トリメトキシシリル)プロピルオクタデシルジ
メチルアンモニウムクロライドが望ましい。
【0015】一方、銀化合物としては酸化銀、塩化銀、
炭酸銀、銀ゼオライト、銀担持アパタイト、銀ガラス、
銀担持チタン、銀担持チタン酸カリウム、銀担持粘土鉱
物を挙げることができる。特に好ましくは銀ゼオライ
ト、銀担持アパタイトが望ましい。
【0016】本発明に用いる繊維の材質は上記無機抗菌
剤を繊維中に練り込むことが可能か、あるいは表面に添
着することが可能な繊維であればどの素材でもよい。な
かでも溶融紡糸、乾式紡糸、湿式紡糸が可能な合成ある
いは半合成繊維素材が好ましく、更に好ましくはポリエ
ステル、ナイロン、アクリル、アセテートが良く、特に
表面が吸着性に富むアクリル、アセテートが最適であ
る。
【0017】溶融紡糸の場合、あらかじめ銀化合物をよ
く分散させた高濃度マスターチップの形に加工する。次
にこのチップと繊維樹脂を所定量混合して常法により紡
糸する。この場合マスターチップに使用する樹脂は繊維
樹脂と同種であることが望ましい。同様に乾式紡糸、湿
式紡糸においても銀化合物を繊維出発原料のいずれかに
所定量よく分散させ、常法により紡糸すればよい。
【0018】これらの工程をえて得られた無機抗菌剤含
有繊維を常法の染色加工工程により含浸させ有機抗菌剤
で処理する。あるいはスプレー加工してもよい。
【0019】本発明の抗菌防臭繊維の製造は溶融紡糸、
乾式紡糸、湿式紡糸による前段階と含浸による後工程か
らなるが、これにとどまらず後加工時に銀化合物と第四
級アンモニウム塩化合物を共に適当なバインダーを加え
て同時に処理することも可能である。
【0020】第四級アンモニウム塩の抗菌機構は細胞
壁、細胞質膜の傷害、すなわち細胞の表層への作用であ
る。さらに詳しくは、第四級アンモニウム塩の窒素原子
に由来するカチオンは吸着した細菌の細胞膜表面のマイ
ナス電子を引きつける。その結果、細胞膜表面は電気的
に不安定になる。この現象が極端に進行すれば、細胞膜
がついには破壊され細胞質が漏出し、細胞は死に至る。
約言すれば細胞膜攪乱作用によるものといえる。
【0021】一方、銀イオンの抗菌機構は酸素および溶
存酸素を触媒的に活性化酸素に変え、この活性酸素が細
胞膜を通して細胞質中の酵素を攻撃する。その結果、細
胞は呼吸系統を乱されて死にいたる。約言すれば呼吸系
阻害作用によるものといえる。しかし、銀イオンはいお
う化合物、ハロゲン化物、タンパク質と選択的に反応す
るため、系内に上記化合物が共存すると抗菌作用を有効
に発揮できない。
【0022】本発明の特徴は従来の様に第四級アンモニ
ウム塩単独で直接殺菌をするのではなく、また、同様に
銀イオン単独の重金属毒による殺菌作用でもない。本発
明は細菌の細胞膜表面の電気状態に乱れを生じさせ、か
つ、活性酸素を有効に作用させ細菌を死に至らしむ事に
ある。
【0023】即ち、上述のように第四級アンモニウム塩
の窒素原子に由来するカチオンは吸着した細菌の細胞膜
表面のマイナス電子を引きつける。そのため、低濃度の
銀イオンから生じる活性酸素がこの反対側の無防備なタ
ンパク膜を攻撃し、有効に細胞内に進入し、その結果飛
躍的な殺菌効果を発揮することが可能になるものであ
る。
【0024】
【実施例】以下本発明を実施例により説明する。
【0025】無機抗菌剤の調整 A型ゼオライト(0.94・Na2O・Al23・1.
92SiO2・xH2O)の乾燥品250gを採取し、1
/10M硝酸銀水溶液500mlを加えて得られた混合
物を室温にて3時間攪はん下に保持してイオン交換を行
った。かかるイオン交換法により得られた銀ゼオライト
をろ過した後、水洗して過剰の銀イオンを除去した。次
に水洗済みの銀ゼオライトを100〜105゜Cで乾燥し
てから粉砕して銀ゼオライトの粉末を得た。原子吸光光
度法により分析した結果、この銀の含有量は2.16重
量%であった。以下銀含有量はすべて原子吸光光度法に
より分析した。
【0026】一方、銀担持アパタイトについては、まず
試薬の含水アパタイトを電気炉にて550゜Cの温度で3
時間熱処理した。冷却後この焼成品250gを採取し、
1/10M硝酸銀水溶液500mlを加えて得られた混
合物を室温にて3時間攪はん下に保持してイオン交換を
行った。かかるイオン交換法により得られた銀担持アパ
タイトをろ過した後、水洗して過剰の銀イオンを除去し
た。次に水洗済みの銀担持アパタイトを100〜105
゜Cで乾燥してから粉砕して銀担持アパタイトの粉末を得
た。この時の銀の含有量は1.82重量%であった。
【0027】次に酸化銀は試薬を乳鉢中で十分粉砕した
後、100〜105゜Cで乾燥して原料とした。同様に、
Na2O 14.8重量%、SiO2 35.1重量%、B
2349.6重量%、Ag2O 0.5重量%から構成さ
れる銀ガラスを乳鉢中で十分粉砕した後、100〜10
5゜Cで乾燥して原料とした。
【0028】無機抗菌剤マスターチップの調整 前記のように調整した銀ゼオライトを350゜Cで3時間
熱処理した後ナイロン樹脂(宇部興産株式会社製 ウベ
ナイロン1022B)に銀ゼオライトの濃度が30重量
%になるように予備混合した。この混合物を2軸押し出
し機にかけ250゜Cで溶融混合し、直径3ミリのダイス
を通して押し出し、冷却後棒状成形物をギロチンカッタ
ーにて8ミリに切断して粒形を揃え抗菌防臭繊維を紡糸
するためのマスターチップを得た。
【0029】以下同様の方法で銀含有無機抗菌剤として
銀担持アパタイト、銀ガラス、酸化銀を用い、溶融紡糸
繊維用樹脂としては上記6−ナイロン樹脂とポリエステ
ル樹脂(三井ペット樹脂株式会社製 三井ペットJ−1
20)を用いてそれぞれのマスターチップを得た。但
し、ポリエステルマスターチップの成形温度は280゜C
であった。一方、酸化銀マスターチップ中の酸化銀の濃
度は0.50重量%であった。
【0030】抗菌性ナイロンフィラメントおよびポリエ
ステルステープルの紡糸 前記の方法で得られた銀ゼオライト−ナイロンマスター
チップ1部と6−ナイロン樹脂(宇部興産株式会社製
ウベナイロン1022B)99部を混合して280゜Cに
て押し出し、72デニール/24フィラメントのナイロ
ンフィラメント(延伸倍率は5倍)を溶融紡糸して得
た。この無機抗菌剤含有繊維中には銀ゼオライトが0.
3%含有されている。同様な操作をして0.5%、1.
0%、3.0%のナイロンフィラメントを溶融紡糸して
得た。繊維中の銀含有量は繊維重量を計量した後電気炉
中600゜C、3時間かけて灰化し、灰分中の銀を原子吸
光光度法により実測して求めた。以後繊維中の銀含有量
は本法によりもとめた。
【0031】また同様に前記のように得られた銀ゼオラ
イト−ポリエステルマスターチップ1部とポリエステル
樹脂(三井ペット樹脂株式会社製 三井ペットJ−12
0)59部を混合し、280゜Cにて押し出し、1.5デ
ニール×38ミリメートルカットのポリエステルステー
プルを溶融紡糸して得た。この無機抗菌剤含有繊維中に
は銀ゼオライトが0.5%含有されている。同様な操作
をして1.0重量%、3.0重量%のポリエステルステ
ープルを溶融紡糸して得た。
【0032】銀担持アパタイト、酸化銀、銀ガラスにつ
いても銀含有濃度は異なるが同様の方法で無機抗菌剤含
有繊維を得た。表1にその結果を示す。
【0033】
【表1】
【0034】抗菌性アクリルステープルの紡糸 前記無機抗菌剤の調整において得られた銀担持アパタイ
トにおいて、第1成分がアクリロニトリル、第2成分が
メチルアクリレート10重量%、第3成分がアクリルス
ルフォン酸ソーダ1重量%からなるアクリル系ポリマー
の25重量%ジメチルホルムアミド(DMF)溶液に、
該銀担持アパタイトがこの無機抗菌剤含有繊維に対し
0.3重量%の濃度になるように添加混合し、常法に従
い湿式紡糸し延伸後切断して、3デニール×51ミリメ
ートルのステープルを得た。同様な操作をして0.5重
量%、1.0重量%、3.0重量%のアクリルステープ
ルを得た。表2にその結果を示す。
【0035】
【表2】
【0036】抗菌性アセテートフィラメントの紡糸 前記無機抗菌剤の調整において得られた銀ゼオライトを
アセトンに20重量%懸濁混合させ、この混合液1部と
ジメチルアセテートドープ(樹脂分23重量%、アセト
ン溶液)290部を密閉タンク中で混合脱泡した。該銀
ゼオライトがこの無機抗菌剤含有繊維に対し0.3重量
%の濃度になるように添加混合し、常法に従い乾式紡糸
して、100デニール/20フィラメントのフィラメン
トを得た。同様にジメチルアセテート添加量を変化させ
0.5重量%、1.0重量%、3.0重量%のアセテー
トフィラメントを得た。
【0037】銀ガラスについても同様の方法で銀ガラス
濃度が0.3重量%、0.5重量%、1.0重量%、
3.0重量%である無機抗菌剤含有繊維を得た。表3に
その結果を示す。
【0038】
【表3】
【0039】抗菌性繊維の有機抗菌剤による後処理 A法として、上記方法により得られた無機抗菌剤含有繊
維10gを3−(トリメトキシシリル)プロピルオクタ
デシルジメチルアンモニウムクロライドの50%アルコ
ール溶液(ダウコーニング社製;DC5700)3部、
水97の混合液100mlに浴比1:10の条件のもと
で3時間浸漬した。その後マングルで絞った後80゜Cで
5時間乾燥し抗菌防臭繊維を得た。比較参考例として無
機抗菌剤を含有しない繊維も同様の処理を施した。
【0040】B法として、同様に上記方法により得られ
た無機抗菌材含有繊維10gを塩化ベンザルコニウム1
%水溶液に室温下浴比1:10の条件のもと1時間浸漬
した。その後60゜Cで5時間乾燥し防菌防臭繊維を得
た。有機抗菌剤量を最小感度0.1mgの精密天秤を用
いて求めた。表4に各繊維ごとに添着された有機抗菌剤
量の平均値を示す。
【0041】
【表4】
【0042】防菌防臭繊維の抗菌性テスト 抗菌性能を評価するために次の三種類の試験細菌を使用
した。 (1)肺炎かん菌;Klebsiella pneeumoniae (ATCC435
2) (2)黄色ブドウ球菌;Staphylococcus aureus FDA (A
TCC6538P) (3)MRSA;京都大学付属病院保有株
【0043】該抗菌防臭繊維の実用的な抗菌性能を評価
するために日本工業企画の定める洗濯方法で20回洗濯
した後、繊維製品衛生加工協議会が定める抗菌防臭加工
製品のシェークフラスコ法による評価方法により該抗菌
防臭繊維の効果を検討した。シェークフラスコ法を簡単
に説明する。
【0044】三角フラスコ(200ml容)にリン酸緩
衝液70mlを加えオートクレーブで湿熱滅菌した。常
温に冷却後ついで、試料1.5gを加え、調整した試験
菌液を5ml加える。最終的に三角フラスコ内の菌数
は、1ml当り1〜2×104となる。これを25゜C
下、リストアクション振とう器を使用して1時間(12
0rpm)振とう培養した。その直後に試験液中の生残
菌数を混釈平板法によりもとめた。
【0045】一方、抗菌防臭繊維の抗菌評価基準である
菌減少率は次の式によりもとめた。
【式1】
【0046】該抗菌防臭繊維の抗菌試験結果を表5、6
に示す。
【表5】
【0047】
【表6】
【0048】上記結果より明らかな様に、効果的に抗菌
力を発揮させるために無機抗菌剤量は銀濃度0.005
重量%以上、およびまたは有機抗菌剤濃度は0.05重
量%以上繊維に含有されていなければならない事がわか
る。
【0049】
【発明の効果】本発明の抗菌防臭繊維はグラム陽性細
菌、グラム陰性細菌に対して十分な抗菌効果を示した。
特に、耐性獲得細菌に対する抗菌効果は他に類をみない
結果となった。その結果、微生物の代謝により繊維から
発生する悪臭を抑えることができる抗菌防臭繊維を提供
できる。さらに医療分野の各種繊維製品においては、繊
維製品を介して伝染する院内感染ルートを絶つ有効な抗
菌防臭繊維製品を提供することが可能になる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D01F 11/00

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 銀化合物を含有するとともに、その表面
    を有機防菌防かび剤にて処理したことを特徴とする抗菌
    防臭繊維。
  2. 【請求項2】 前記銀化合物が酸化銀であることを特徴
    とする請求項1記載の抗菌防臭繊維。
  3. 【請求項3】 前記銀化合物が銀イオンを保持させた銀
    ゼオライトであることを特徴とする請求項1記載の抗菌
    防臭繊維。
  4. 【請求項4】 前記銀化合物が銀を担持させたアパタイ
    トであることを特徴とする請求項1記載の抗菌防臭繊
    維。
  5. 【請求項5】 前記銀化合物が銀ガラスであることを特
    徴とする請求項1記載の抗菌防臭繊維。
  6. 【請求項6】 前記有機防菌防かび剤が第四級アンモニ
    ウム塩およびまたは第四級アンモニウム塩を含む化合物
    であることを特徴とする請求項1記載の抗菌防臭繊維。
  7. 【請求項7】 前記抗菌防臭繊維中の銀濃度が少なくと
    も0.005重量%以上含有されていることを特徴とす
    る請求項1記載の抗菌防臭繊維。
  8. 【請求項8】 前記抗菌防臭繊維中の第四級アンモニウ
    ム塩およびまたは第四級アンモニウム塩を含む化合物濃
    度が少なくとも0.05重量%以上含有されていること
    を特徴とする請求項1記載の抗菌防臭繊維。
JP3290545A 1991-10-09 1991-10-09 抗菌防臭繊維 Pending JPH05195438A (ja)

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