JPH05194550A - 3−[n−(2−アミノエチル)アミノプロピルアルコキシシランの製造方法とその製造装置 - Google Patents
3−[n−(2−アミノエチル)アミノプロピルアルコキシシランの製造方法とその製造装置Info
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- JPH05194550A JPH05194550A JP759392A JP759392A JPH05194550A JP H05194550 A JPH05194550 A JP H05194550A JP 759392 A JP759392 A JP 759392A JP 759392 A JP759392 A JP 759392A JP H05194550 A JPH05194550 A JP H05194550A
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Abstract
ノエチル)]アミノプロピルアルコキシシランの製造方法
とそれに適した製造装置を提供すること。 【構成】一般式ClCH2CH2CH2SiR1 3-n(OR2)nで表される3
−クロロプロピルアルコキシシランと、エチレンジアミ
ンとを反応させて一般式H2NCH2CH2NHCH2CH2CH2SiR
1 3-n(OR2)n (前記各式中、R1、R2は炭素数が1〜6の
アルキル基、nは1〜3の整数)で表される3-[N-(2-ア
ミノエチル)]アミノプロピルアルコキシシランを製造す
るものである。製造にあたり3−クロロプロピルアルコ
キシシランを1当量とエチレンジアミンを3〜5当量の
割合で定常的に垂直反応塔3に供給して反応させ、得ら
れた反応物をエチレンジアミンの沸点以上に蒸留缶7で
加熱し、反応物に混入している未反応のエチレンジアミ
ンを蒸発させて垂直反応塔3に還流冷却器4で還流し、
還流したエチレンジアミンを前記により定常的に供給さ
れるエチレンジアミンとともに3−クロロプロピルアル
コキシシランに反応させる。
Description
として有用な3-[N-(2-アミノエチル)]アミノプロピルア
ルコキシシランの製造方法とその製造装置に関するもの
である。
アルコキシシランは、シランカップリング剤として広く
使用されている。例えば有機物−無機物界面における接
着性の向上、各種樹脂の改良、および表面の改質に有効
な化合物である。この化合物を合成する方法として以下
の方法が知られている。
ド国特許145671号、J. Org. Chem.,vol.36, No.21,197
1,3120〜3126には3−クロロプロピルアルコキシシラン
とエチレンジアミンとを反応させて3-[N-(2-アミノエチ
ル)]アミノプロピルアルコキシシランを得る方法が開示
されている。この方法は最も一般的に知られており、化
学量論的には下記反応式 ClCH2CH2CH2SiR1 3-n(OR2)n + 2H2NCH2CH2NH2 → H2NCH2CH2NHCH2CH2CH2SiR1 3-n(OR2)n + H2NCH2CH2NH2・HCl で示す通り1当量の3−クロロプロピルアルコキシシラ
ンと2当量のエチレンジアミンから1当量の3-[N-(2-ア
ミノエチル)]アミノプロピルアルコキシシランが合成で
き、同時にエチレンジアミン塩酸塩が生成する。しかし
実際の反応では、3-[N-(2-アミノエチル)]アミノプロピ
ルアルコキシシランと原料の3−クロロプロピルアルコ
キシシランおよびエチレンジアミンがさらに反応してビ
スシリル体(R1 3-n(OR2)nSiCH2CH2CH2NHCH2CH2NHCH2CH2
CH2SiR1 3-n(OR2)n)が生成する。この副反応を下記反応
式に示す。
ル)]アミノプロピルアルコキシシランの収率を大幅に減
少させるので、前記の副反応を低減する工夫がなされて
きた。特公昭40−1185号公報には3−クロロプロピルア
ルコキシシランに対して4〜6当量のエチレンジアミン
を反応させる方法が開示されているが、副反応の低減は
不十分であり、目的物の収率も低い。特公昭56−104891
号には3−クロロプロピルアルコキシシランに対して7
〜10当量のエチレンジアミンを反応させることが開示
されている。この方法ではビスシリル体の生成を抑える
ことができ、目的物の収率も上がるが、反応終了後、過
剰のエチレンジアミンを系外に留去する工程が必要であ
るため、製造工程が煩雑になる。また3−クロロプロピ
ルアルコキシシランに対して多量のエチレンジアミンを
使用するため、1バッチ当りの生産効率が悪い。
300192号公報には、ハイドロアルコキシシランとN−ア
リルエチレンジアミンとを白金触媒の存在下で反応させ
て3-[N-(2-アミノエチル)]アミノプロピルアルコキシシ
ランを得る方法が開示されている。しかしこの方法は、
目的物であるγ体の3-[N-(2-アミノエチル)]アミノプロ
ピルアルコキシシランの他に、異性体であるβ体の2-[N
-(2-アミノエチル)]アミノ-1- メチルエチルアルコキシ
シランが多量に生成する。両者は沸点が近くて分離しに
くいため、目的物の純度が低くなる。
エチルアルコキシシランとエチレンジアミンと水素ガス
を、ロジウム、白金、およびパラジウムから選ばれる金
属の不均一系水素化触媒の存在下で反応させて3-[N-(2-
アミノエチル)]アミノプロピルアルコキシシランを得る
方法が開示されている。この方法は、高温高圧という条
件が長時間必要であり、1バッチ当りの生産効率も悪
い。
解決するためなされたもので、副反応が少なく、生産効
率がよい3-[N-(2-アミノエチル)]アミノプロピルアルコ
キシシランの製造方法とその製造方法を実施するのに適
した装置を提供することを目的とする。
めになされた本発明の製造方法は、一般式 ClCH2CH2CH2SiR1 3-n(OR2)nで表される3−クロロプロピ
ルアルコキシシランと、エチレンジアミンとを反応させ
て一般式H2NCH2CH2NHCH2CH2CH2SiR1 3-n(OR2)n (前記各
式中、R1、R2は炭素数が1〜6のアルキル基、nは1〜
3の整数)で表される3-[N-(2-アミノエチル)]アミノプ
ロピルアルコキシシランを製造するものである。製造に
あたり3−クロロプロピルアルコキシシランを1当量と
エチレンジアミンを3〜5当量の割合で定常的に反応系
に供給して反応させ、前記反応系により得られた反応物
をエチレンジアミンの沸点以上に加熱し、反応物に混入
している未反応のエチレンジアミンを蒸発させて反応系
に還流し、還流したエチレンジアミンを前記により定常
的に供給されるエチレンジアミンとともに3−クロロプ
ロピルアルコキシシランに反応させることを特徴として
いる。
た本発明の製造装置を実施例に対応する図1により以下
に説明する。
アルコキシシランの供給経路2およびエチレンジアミン
の供給経路1が連結している垂直反応塔3と、垂直反応
塔3の塔頂部に連結する還流冷却器4と、垂直反応塔3
の底部排出口に連結し、エチレンジアミンの沸点以上に
加熱可能な攪拌機8が付いた蒸留缶7と、蒸留缶7に連
結する受容器10を有している。
ジアミンの沸点以上に加熱しながら供給経路1からエチ
レンジアミン、供給経路2から3−クロロプロピルアル
コキシシランを同時に、かつ定常的にともに液体で供給
し続ける。供給量の割合は、3−クロロプロピルアルコ
キシシラン1当量に対してエチレンジアミン3〜5当量
である。垂直反応塔3内では3−クロロプロピルアルコ
キシシランとエチレンジアミンが下記の反応式に従って
反応し、 ClCH2CH2CH2SiR1 3-n(OR2)n + 2H2NCH2CH2NH2 → H2NCH2CH2NHCH2CH2CH2SiR1 3-n(OR2)n + H2NCH2CH2NH2・HCl 目的の3-[N-(2-アミノエチル)]アミノプロピルアルコキ
シシランが生成し、同時にエチレンジアミン塩酸塩を生
ずる。エチレンジアミンは3−クロロプロピルアルコキ
シシランの反応当量より過剰に供給しているため生成物
に混入するが、3−クロロプロピルアルコキシシランは
ほとんど反応してしまう。この生成物は垂直反応塔3か
ら蒸留缶7に流れてゆく。蒸留缶7はエチレンジアミン
の沸点以上に加熱されており、攪拌機8で生成物が攪拌
されると沸点の高い3-[N-(2-アミノエチル)]アミノプロ
ピルアルコキシシランとエチレンジアミン塩酸塩は混合
液体として残るが、エチレンジアミンは気化してゆく。
気化したエチレンジアミンは垂直反応塔3を通って還流
冷却器4に至り、ここで冷却されて液体になり、垂直反
応塔3に戻る。このようにして還流したエチレンジアミ
ンの液体は供給経路1から定常的に供給されるエチレン
ジアミンと一緒になって垂直反応塔3内で3−クロロプ
ロピルアルコキシシランとの反応に供される。
当初定常的に供給している当量よりさらに多くなり、実
質的に約8〜10倍当量として反応する。そのため、生
成反応速度が速くなるとともに、3-[N-(2-アミノエチ
ル)]アミノプロピルアルコキシシランの収率を減少させ
るビスシリル体の生成が抑制される。
ル)]アミノプロピルアルコキシシランとエチレンジアミ
ン塩酸塩の混合液体は受容器10に移され、常法により
分離される。そして純度の良い目的物が得られる。
ノプロピルアルコキシシランの製造方法とその製造装置
の実施例を詳細に説明する。
垂直反応塔3の塔頂部には、原料である3−クロロプロ
ピルアルコキシシランの供給管2と別な原料であるエチ
レンジアミンの供給管1が連結している。さらに垂直反
応塔3の塔頂部には、還流冷却器4と、還流冷却器4か
ら気液分離器5、戻り口6を通る還流経路が繋がれてい
る。垂直反応塔3の底部排出口には蒸留缶7が連結して
いる。蒸留缶7は加熱装置11と攪拌機8が付設されて
いる。蒸留缶7の排出口にはバルブを経由して受容器1
0が連結している。受容器10は冷却装置12が付設さ
れ、受容器10の下部に3-[N-(2-アミノエチル)]アミノ
プロピルアルコキシシランの抜き出し口13とエチレン
ジアミン塩酸塩の抜き出し口14がバルブを介して設け
られている。
製のものが使用でき、その内部には例えば陶器、ガラ
ス、ラッシヒリング、ベルサドル、ヘリックスのような
気液の接触を良好にするための充填物を内部に充填する
か、または多孔板、濡れ壁の構造にするのがよい。垂直
反応塔3は特に加熱を必要としないが、エチレンジアミ
ンが気化するときに周囲から潜熱を奪うので温度低下す
ることがあり、温度低下を防ぐために垂直反応塔3の内
部または周囲から加熱してもよい。垂直反応塔3の構造
は特に制限されることなく、一般に蒸留に用いられる蒸
留塔が使用できる。塔の高さは経済的観点からのみ設定
すればよい。
ンの沸点以上に加熱でき、120〜200℃程度に熱す
るのが好ましく、とくに120〜160℃程度が好まし
い。120℃以下の場合、エチレンジアミンの還流が不
可能であり、反応速度も遅くなる。そのため、生成物中
に未反応の3−クロロプロピルアルコキシシランが混入
し、生成した3-[N-(2-アミノエチル)]アミノプロピルア
ルコキシシランと反応してビスシリル体が副生する。2
00℃以上の場合、生成物が着色したり、高沸物の副生
が生じたりする。
前に予め反応装置内に仕込むが、その量は反応装置の規
模に応じて還流状態が達成できる量であればよい。
エチレンジアミンの供給量は、エチレンジアミンが3−
クロロプロピルアルコキシシランに対して3〜5倍の当
量であることが好ましい。当量比が5倍以上の場合、生
成物の上層と下層との二層分離性が悪くなる。また、過
剰のエチレンジアミンを沸騰させるために多大なエネル
ギーが必要であり、反応後にエチレンジアミンを系外に
留去する工程が必要となり、生産効率が悪化する。当量
比が3以下の場合、反応の進行が不完全になり、ビスシ
リル体の副生が増加して3-[N-(2-アミノエチル)]アミノ
プロピルアルコキシシランの収率が低下する。
エチレンジアミンは夫々液体状態で、垂直反応塔3の断
面において均一に分布するように供給する。供給時の液
温は、エチレンジアミンの沸点以下の温度であればよ
い。
反応塔3の下端から蒸留缶7への生成物の取り出しから
後の操作は、一定間隔で連続して行われる。前記の一定
間隔は時間的に制限されるものでなく、蒸留缶7及び受
容器10の容量、3−クロロプロピルアルコキシシラン
及びエチレンジアミンの供給量、受容器10の冷却能力
及び分液能力などの設備能力の点から考慮し、一定間隔
の時間を設定すればよい。
ければならない理由は、生成物は静置すると直ちに上層
の3-[N-(2-アミノエチル)]アミノプロピルアルコキシシ
ランと下層のエチレンジアミン塩酸塩との二層に分離す
る。従って、攪拌せずに生成物を抜き出すと下層が優勢
に抜き出されてしまうため、系内の3−クロロプロピル
アルコキシシランとエチレンジアミンの量比のバランス
が崩れて副反応が生じるのである。
アミン及び3−クロロプロピルアルコキシシランのみで
行うことが好ましい。反応物に対して不活性な溶媒中で
行うこともできるが、溶媒を用いても特に反応に好まし
い影響はなく、エチレンジアミン塩酸塩の分液が困難と
なり、生産効率が減少する。
料及び生成物と反応しない不活性な気体、例えば窒素、
アルゴンの雰囲気下で行うのが好ましい。反応の系内に
水分があると3−クロロプロピルアルコキシシラン及び
3-[N-(2-アミノエチル)]アミノプロピルアルコキシシラ
ンが加水分解縮合したり、副生したメタノールの気化に
より温度低下してエチレンジアミンの還流ができなくな
る。
て行われるのが好ましいが、圧力が約10mmHgから約760m
mHg の間でも行うことができる。大気圧より高い圧力の
場合は、蒸留缶の温度を上げなければならない。
ロピルアルコキシシランはR1、R2がメチル基またはエチ
ル基であることが好ましい。具体的には、3−クロロプ
ロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルメチル
ジメトキシシラン、3−クロロプロピルジメチルメトキ
シシラン、3−クロロプロピルトリエトキシシラン、3
−クロロプロピルメチルジエトキシシラン、3−クロロ
プロピルジメチルエトキシシラン、3−クロロプロピル
エチルジメトキシシラン、3−クロロプロピルジエチル
メトキシシラン、3−クロロプロピルエチルメチルメト
キシシラン、3−クロロプロピルエチルジエトキシシラ
ン、3−クロロプロピルジエチルエトキシシラン、3−
クロロプロピルエチルメチルエトキシシランが例示でき
る。これらは入手しやすく、安価である。
アルコキシシランから製造される3-[N-(2-アミノエチ
ル)]アミノプロピルアルコキシシランとしては、3-[N-
(2-アミノエチル)]アミノプロピルトリメトキシシラ
ン、3-[N-(2-アミノエチル)]アミノプロピルメチルジメ
トキシシラン、3-[N-(2-アミノエチル)]アミノプロピル
ジメチルメトキシシラン、3-[N-(2-アミノエチル)]アミ
ノプロピルトリエトキシシラン、3-[N-(2-アミノエチ
ル)]アミノプロピルメチルジエトキシシラン、3-[N-(2-
アミノエチル)]アミノプロピルエチルジメトキシシラ
ン、3-[N-(2-アミノエチル)]アミノプロピルジエチルメ
トキシシラン、3-[N-(2-アミノエチル)]アミノプロピル
エチルメチルメトキシシラン、3-[N-(2-アミノエチル)]
アミノプロピルエチルジエトキシシラン、3-[N-(2-アミ
ノエチル)]アミノプロピルジエチルエトキシシラン、3-
[N-(2-アミノエチル)]アミノプロピルエチルメチルエト
キシシランである。
ピルトリメトキシシランを製造した実験例を示す。
径が30mm、長さが1000mmで、内部には、ガラス製リング
状の充填物が充填されている。蒸留缶7及び受容器10
はガラス製で、内容積が3000ミリリットルである。
換した。攪拌器8を作動し、蒸留缶7を加熱装置11に
より120℃に加熱した後、供給口1からエチレンジア
ミンを供給する。エチレンジアミンは垂直反応塔3を通
過して蒸留缶7に入り、そこで加熱されて気体になる。
エチレンジアミンの気体は上昇し、垂直反応塔3を通過
して還流冷却器4により冷却されて液体になる。液体の
エチレンジアミンは、還流冷却器4から気液分離器5、
戻り口6を通り垂直反応塔3の塔頂部に還流させ、この
状態を保持する。
リメトキシシランを1.15g /分(0.0058モル/分)の割
合で、供給口1からエチレンジアミンを1.31g /分(0.
0218モル/分)の割合で1050分間、連続的に供給
し、垂直反応塔3内で反応させた。この間も蒸留缶7は
加熱して、垂直反応塔3の塔頂部にエチレンジアミンの
還流状態を保持した。蒸留缶7内の温度は、120℃か
ら136℃に上昇した。
ル)]アミノプロピルトリメトキシシラン及びエチレンジ
アミン塩酸塩が垂直反応塔3から蒸留缶7に約2700ミリ
リットル貯留した。攪拌器8により生成物を混合しつ
つ、底部抜き出し口9を開いて生成物を受容器10に移
送した。受容器10の生成物を冷却装置12により40
〜50℃に冷却すると生成物が二層に分離した。下層の
エチレンジアミン塩酸塩を抜き出し口14から分液した
後、上層の3-[N-(2-アミノエチル)]アミノプロピルトリ
メトキシシランを抜き出し口13から取り出した。この
操作を3回繰り返し、得られた3-[N-(2-アミノエチル)]
アミノプロピルトリメトキシシランを単発蒸留により精
製した。3658gの3-[N-(2-アミノエチル)]アミノプ
ロピルトリメトキシシランが単離できた。収率は90%
であり、3−クロロプロピルトリメトキシシランをもと
に計算した。
ロピルトリメトキシシランをガスクロマトグラフィで分
析すると、純度99.4%であった。
リメトキシシランの代わりに、3−クロロプロピルメチ
ルジメトキシシランを1.06g /分(0.0058モル/分)の
割合で供給する以外は、前記と同様にして行った。32
81gの3-[N-(2-アミノエチル)]アミノプロピルメチル
ジメトキシシランが単離でき、収率は87%であった。
得られた3-[N-(2-アミノエチル)]アミノプロピルメチル
ジメトキシシランをガスクロマトグラフィで分析する
と、純度99.1%であった。
以下の比較例実験を行った。
ルのガラスの四つ口フラスコにエチレンジアミンを7
2.0g(1.2モル)仕込み、112〜117℃に昇
温した後、3−クロロプロピルトリメトキシシランを5
9.6g(0.3モル)を滴下ロートで2時間かけて滴
下した。1時間の熟成の後、生成物を分液ロートに移送
し、冷却した。生成物が二層に分液した後、下層のエチ
レンジアミン塩酸塩を分液除去し、上層の3-[N-(2-アミ
ノエチル)]アミノプロピルトリメトキシシランを取出し
た。3-[N-(2-アミノエチル)]アミノプロピルトリメトキ
シシランを単発蒸留した後、46.8gが得られた。収
率は70.1%であり、ビスシリル体がかなり副生し
た。
ルのガラスの四つ口フラスコで、さらに還流冷却器とフ
ラスコの間に還流分の抜き出し口を設けた。このフラス
コにエチレンジアミンを180.0g(3.0モル)仕
込み、80〜90℃に昇温した後、3−クロロプロピルトリ
メトキシシランを74.4g(0.37モル)を滴下ロ
ートで1.25時間かけて滴下した。1時間の熟成の
後、生成物をさらに昇温して沸騰させ、還流分の抜き出
し口よりエチレンジアミン82.3g(1.37モル)
を系外に留去した。次に冷却し、濃縮した生成物を分液
ロートに移送し、生成物が二層に分液した後、下層のエ
チレンジアミン塩酸塩を分液除去し、上層の3-[N-(2-ア
ミノエチル)]アミノプロピルトリメトキシシランを取出
した。3-[N-(2-アミノエチル)]アミノプロピルトリメト
キシシランを単発蒸留し、67.2gが得られた。収率
は81.7%であった。エチレンジアミンを過剰に使用
しているため生産効率が低く、ビスシリル体の副生も十
分に抑制できなかった。
[N-(2-アミノエチル)]アミノプロピルアルコキシシラン
の製造方法は、ビスシリル体の副生が抑制され、3-[N-
(2-アミノエチル)]アミノプロピルアルコキシシランが
高収率で得られる。従来の反応装置を使用でき、エチレ
ンジアミンを系外に留去する工程が不要であるため製造
工程も簡単である。また、3-[N-(2-アミノエチル)]アミ
ノプロピルアルコキシシランを連続的に製造でき、従来
の回分式の製造方法より生産効率が高くなる。
ノプロピルアルコキシシランの製造方法に使用する製造
装置のブロック図である。
ルアルコキシシランの供給口、3は垂直反応塔、4は還
流冷却器、5は気液分離器、6はエチレンジアミンの還
流戻り口、7は蒸留缶、8は攪拌器、9は底部抜き出し
口、10は受容器、11は加熱装置、12は冷却装置、
13は3-[N-(2-アミノエチル)]アミノプロピルアルコキ
シシランの抜き出し口、14はエチレンジアミン塩酸塩
の抜き出し口。
ド国特許145671号、J. Org. Chem.,vol.36, No.21,197
1,3120〜3126には3−クロロプロピルアルコキシシラン
とエチレンジアミンとを反応させて3-[N-(2-アミノエチ
ル)]アミノプロピルアルコキシシランを得る方法が開示
されている。この方法は最も一般的に知られており、化
学量論的には下記反応式 ClCH2CH2CH2SiR1 3-n(OR2)n + 2H2NCH2CH2NH2 → H2NCH2CH2NHCH2CH2CH2SiR1 3-n(OR2)n + H2NCH2CH2NH2・HCl で示す通り1当量の3−クロロプロピルアルコキシシラ
ンと2当量のエチレンジアミンから1当量の3-[N-(2-ア
ミノエチル)]アミノプロピルアルコキシシランが合成で
き、同時にエチレンジアミン塩酸塩が生成する。しかし
実際の反応では、3-[N-(2-アミノエチル)]アミノプロピ
ルアルコキシシランと原料の3−クロロプロピルアルコ
キシシランおよびエチレンジアミンがさらに反応してビ
スシリル体R1 3-n(OR2)nSiCH2CH2CH2NHCH2CH2NHCH2CH2CH
2SiR1 3-n(OR2)n、もしくは H 2NCH 2CH 2N-[CH 2CH 2CH 2SiR 1 3-n(OR 2) n] 2 が生成する。こ
の副反応を下記反応式に示す。
ル)]アミノプロピルアルコキシシランの収率を大幅に減
少させるので、前記の副反応を低減する工夫がなされて
きた。特公昭40−1185号公報には3−クロロプロピルア
ルコキシシランに対して4〜6当量のエチレンジアミン
を反応させる方法が開示されているが、副反応の低減は
不十分であり、目的物の収率も低い。特公昭56−104891
号には3−クロロプロピルアルコキシシランに対して7
〜10当量のエチレンジアミンを反応させることが開示
されている。この方法ではビスシリル体の生成を抑える
ことができ、目的物の収率も上がるが、反応終了後、過
剰のエチレンジアミンを系外に留去する工程が必要であ
るため、製造工程が煩雑になる。また3−クロロプロピ
ルアルコキシシランに対して多量のエチレンジアミンを
使用するため、1バッチ当りの生産効率が悪い。
Claims (2)
- 【請求項1】 一般式 ClCH2CH2CH2SiR1 3-n(OR2)n で表される3−クロロプロピルアルコキシシランと、エ
チレンジアミンとを反応させる 一般式 H2NCH2CH2NHCH2CH2CH2SiR1 3-n(OR2)n (前記各式中、R1、R2は炭素数が1〜6のアルキル基、
nは1〜3の整数)で表される3-[N-(2-アミノエチル)]
アミノプロピルアルコキシシランの製造方法において、 3−クロロプロピルアルコキシシランを1当量とエチレ
ンジアミンを3〜5当量の割合で定常的に反応系に供給
して反応させ、 前記反応系により得られた反応物をエチレンジアミンの
沸点以上に加熱し、反応物に混入している未反応のエチ
レンジアミンを蒸発させて反応系に還流し、 還流したエチレンジアミンを前記により定常的に供給さ
れるエチレンジアミンとともに3−クロロプロピルアル
コキシシランに反応させることを特徴とする3-[N-(2-ア
ミノエチル)]アミノプロピルアルコキシシランの製造方
法。 - 【請求項2】 3−クロロプロピルアルコキシシランの
供給経路およびエチレンジアミンの供給経路が連結して
いる垂直反応塔と、 該垂直反応塔の塔頂部に連結する還流冷却器と、 該垂直反応塔の底部排出口に連結し、エチレンジアミン
の沸点以上に加熱可能な攪拌機付き蒸留缶と、 該攪拌機付き蒸留缶に連結する受容器とを有することを
特徴とする3-[N-(2-アミノエチル)]アミノプロピルアル
コキシシランの製造装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4007593A JP2713676B2 (ja) | 1992-01-20 | 1992-01-20 | 3−[n−(2−アミノエチル)]アミノプロピルアルコキシシランの製造方法とその製造装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP4007593A JP2713676B2 (ja) | 1992-01-20 | 1992-01-20 | 3−[n−(2−アミノエチル)]アミノプロピルアルコキシシランの製造方法とその製造装置 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2713676B2 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP0595488A1 (en) * | 1992-10-26 | 1994-05-04 | Shin-Etsu Chemical Co., Ltd. | Method and apparatus for preparing 3-[N-(2-aminoethyl)]aminopropylalkoxysilane |
CN100413555C (zh) * | 2003-02-10 | 2008-08-27 | 严晓东 | 含β-氨乙基-γ-氨丙基基团的有机硅烷偶联剂的生产废料的回收处理方法 |
JP2010535732A (ja) * | 2007-08-07 | 2010-11-25 | ワッカー ケミー アクチエンゲゼルシャフト | アミノオルガノシランの製造方法 |
-
1992
- 1992-01-20 JP JP4007593A patent/JP2713676B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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EP0595488A1 (en) * | 1992-10-26 | 1994-05-04 | Shin-Etsu Chemical Co., Ltd. | Method and apparatus for preparing 3-[N-(2-aminoethyl)]aminopropylalkoxysilane |
CN100413555C (zh) * | 2003-02-10 | 2008-08-27 | 严晓东 | 含β-氨乙基-γ-氨丙基基团的有机硅烷偶联剂的生产废料的回收处理方法 |
JP2010535732A (ja) * | 2007-08-07 | 2010-11-25 | ワッカー ケミー アクチエンゲゼルシャフト | アミノオルガノシランの製造方法 |
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