JP2001139581A - フェノキシシランの製造方法 - Google Patents
フェノキシシランの製造方法Info
- Publication number
- JP2001139581A JP2001139581A JP32110499A JP32110499A JP2001139581A JP 2001139581 A JP2001139581 A JP 2001139581A JP 32110499 A JP32110499 A JP 32110499A JP 32110499 A JP32110499 A JP 32110499A JP 2001139581 A JP2001139581 A JP 2001139581A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- phenoxysilane
- phenol
- producing
- mol
- general formula
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Abstract
炭化水素基を表し、nは1又は2である。)で示される
メトキシシランとフェノールとを、酸触媒又は塩基性触
媒を用いて、メタノール留出下、エステル交換すること
を特徴とする下記一般式(2) RnSi(OPh)4-n (2) (式中、Rは互いに同一又は異なる炭素数1〜6の1価
炭化水素基、Phはフェニル基を表し、nは1又は2で
ある。)で示されるフェノキシシランの製造方法。 【効果】 本発明のフェノキシシランの製造方法は、原
料としてメトキシシランを用いるため取り扱いが容易で
あり、更に、反応中に塩化水素などの有害な副生成物が
発生しないため工程が煩雑とならず、反応性も高く、収
率良く製造できる。
Description
合物の中間原料、ゴムなどの架橋剤、シランカップリン
グ剤、樹脂改質剤、表面処理剤などとして有用なフェノ
キシシランの製造方法に関する。
フェノキシシランの製造方法としては、下記一般式
(3) RnSiCl4-n (3) (式中、Rは互いに同一又は異なる1価炭化水素基を表
し、nは1又は2である。) で示されるクロロシランとフェノールとを脱塩化水素さ
せながら反応させる方法が提案されている。しかし、こ
の方法は、毒性及び刺激性を有する塩化水素を副生する
ため、その処理が困難であった。そこで、生成する塩化
水素をアミン化合物等で捕捉する方法も提案されている
が(特開昭52−116425号公報、特開昭53−1
35935号公報)、生成するアミン塩酸塩の濾過が困
難であり、蒸留の際に塩が混入してしまう。また、クロ
ロシラン自体が加水分解性に富むので、その取り扱いが
困難である。
解性の低いメトキシシランを用い、フェノールとのエス
テル交換反応によりフェノキシシランを製造する方法が
提案されている(特開平1−117890号公報)。し
かし、この方法では、エステル交換後の目的物の組成比
が低いため、蒸留後の収率が低く、モレキュラーシーブ
を用いるため、濾過等の操作が必要になり、煩雑となる
ため工業的に行うには有利ではない。
で、フェノキシシランを収率良く、効率的に製造する方
法を提供することを目的とする。
発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討を重ねた結
果、メトキシシランとフェノールとのエステル交換反応
において、酸性化合物又は塩基性化合物がエステル交換
反応の触媒として作用し、塩化水素の発生などもなく、
しかも高収率でフェノキシシランを得ることができるこ
とを知見し、本発明をなすに至ったものである。
炭化水素基を表し、nは1又は2である。)で示される
メトキシシランとフェノールとを、酸触媒又は塩基性触
媒を用いて、メタノール留出下、エステル交換すること
を特徴とする下記一般式(2) RnSi(OPh)4-n (2) (式中、Rは互いに同一又は異なる炭素数1〜6の1価
炭化水素基、Phはフェニル基を表し、nは1又は2で
ある。)で示されるフェノキシシランの製造方法を提供
する。
本発明におけるメトキシシラン化合物は、下記一般式
(1)で示される化合物である。 RnSi(OCH3)4-n (1) (式中、Rは互いに同一又は異なる炭素数1〜6の1価
炭化水素基を表し、nは1又は2である。)
基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル
基、ヘキシル基等のアルキル基、シクロヘキシル基等の
シクロアルキル基、ビニル基、アリル基、プロペニル
基、ブテニル基、ヘキセニル基等のアルケニル基、フェ
ニル基等が挙げられる。
エチルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラ
ン、フェニルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシ
シラン、メチルビニルジメトキシシラン、ジビニルジメ
トキシシラン、メチルフェニルジメトキシシラン、ジフ
ェニルジメトキシシラン等が例示され、反応性及び生成
物の有用性から、メチルトリメトキシシランが好まし
い。
ェノールとの配合比は、特に限定されないが、反応性や
生産性の点から、メトキシシラン化合物のメトキシ基1
モルに対してフェノールを0.5〜2.0モル、特に
0.9〜1.2モル用いるのが好ましい。フェノールが
0.5モル未満だと収率が低下する場合があり、2.0
モルを超えると、反応器あたりの収量の低下を招き、か
つ未反応のフェノールの処理が困難となる場合がある。
塩基性触媒が用いられる。酸触媒としては、硫酸、メタ
ンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、トリフルオロ
メタンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸等のス
ルホン酸、酢酸、プロピオン酸等のカルボン酸等が例示
される。
トキシド、ナトリウムメトキシドのメタノール溶液、ナ
トリウムエトキシド、ナトリウムフェノキシド、カリウ
ムメトキシド、リチウムメトキシド、カリウムt−ブト
キシド等のアルカリ金属オルガノオキシド等が例示され
る。
にも拘わらず、触媒としての活性が酸性化合物よりも高
いため、塩基性触媒を用いるのが好ましく、特にナトリ
ウムメトキシド、ナトリウムメトキシドのメタノール溶
液を用いることが好ましい。
キシシラン1モルに対し、触媒を0.001〜0.2モ
ル、特に0.005〜0.05モル用いるのが好まし
い。触媒が0.001モル未満だと触媒の充分な効果が
発現しない場合があり、0.2モルを超えると、触媒の
量に見合うだけの反応促進効果が得られない場合があ
る。
ル、触媒、必要ならば溶媒を共に反応容器に仕込み、1
0℃〜還流する温度で行う。還流下で反応を行うと、エ
ステル交換で生成するメタノールを留出させることが容
易であり、反応の平衡が目的物であるフェノキシシラン
の方に傾くため、還流下で行うことがより好ましい。
を用いることもできる。用いられる溶媒としては、ペン
タン、ヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、オクタ
ン、イソオクタン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の
炭化水素系溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラ
ン、ジオキサン等のエーテル系溶媒、酢酸エチル、酢酸
ブチル等のエステル系溶媒、アセトニトリル等の非プロ
トン性極性溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム等の塩
素化炭化水素系溶媒等が挙げられる。また、これらの溶
媒は単独で使用してもよく、あるいは2種以上を混合し
て使用してもよい。
(2)で示されるフェノキシシランを得ることができ
る。 RnSi(OPh)4-n (2) (式中、Rは互いに同一又は異なる炭素数1〜6の1価
炭化水素基、Phはフェニル基を表し、nは1又は2で
ある。)
ン、エチルトリフェノキシシラン、ビニルトリフェノキ
シシラン、フェニルトリフェノキシシラン、ジメチルジ
フェノキシシラン、メチルビニルジフェノキシシラン、
ジビニルジフェノキシシラン、メチルフェニルジフェノ
キシシラン、ジフェニルジフェノキシシラン等が例示さ
れる。
ノールが残存するときには、Si−N結合を有する化合
物を用いて、フェノールをシリル化することが好まし
く、これによって蒸留時のフェノールの固化による管の
閉塞を防ぐことができる。
N,O−ビストリメチルシリルアセトアミド、N−トリ
メチルシリルイミダゾール、トリストリメチルシリルア
ミン、ヘキサメチルジシラザン、ヘキサエチルジシラザ
ン、テトラメチルジシラザン等が例示されるが、取り扱
い易さ、副生成物であるアンモニアの除去の容易さの点
から、ヘキサメチルジシラザンが好ましい。
特に限定されないが、残存するフェノール1モルに対し
て1.0〜5.0モル用いるのが好ましい。
的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるも
のではない。
を備えた、ステンレス製充填物で充填された塔、及び温
度計を備えたフラスコに、メチルトリメトキシシラン1
36.2g(1.0モル)、フェノール277.6g
(2.95モル)、28%ナトリウムメトキシドのメタ
ノール溶液1.9g(0.01モル)、トルエン450
mlを仕込み、還流温度まで加熱した。還流下、塔頂か
ら生成したメタノールをトルエンと共に抜き出した。釜
温が167℃に達するまで抜き出しを行い、その後反応
液を蒸留した。メチルトリフェノキシシランを沸点16
0〜165℃/40Paの留分として、280.9g得
た(収率87.1%)。
を備えた、ステンレス製充填物で充填された塔、滴下
管、及び温度計を備えたフラスコに、メチルトリメトキ
シシラン544.8g(4.0モル)、フェノール11
10.4g(11.8モル)、28%ナトリウムメトキ
シドのメタノール溶液15.4g(0.08モル)、ト
ルエン400mlを仕込み、還流温度まで加熱した。還
流下、塔頂から生成したメタノールをトルエンと共に抜
き出した。抜き出しを行っている間、トルエン1400
mlを随時滴下管より供給した。釜温が167℃に達す
るまで抜き出しを行い、その後反応液を蒸留した。メチ
ルトリフェノキシシランを沸点160〜165℃/40
Paの留分として、1141.1g得た(収率88.5
%)。
を備えた、ステンレス製充填物で充填された塔、滴下
管、及び温度計を備えたフラスコに、メチルトリメトキ
シシラン544.8g(4.0モル)、フェノール11
10.4g(11.8モル)、ドデシルベンゼンスルホ
ン酸26.1g(0.08モル)、トルエン400ml
を仕込み、還流温度まで加熱した。還流下、塔頂から生
成したメタノールをトルエンと共に抜き出した。抜き出
しを行っている間、トルエン2000mlを随時滴下管
より供給した。釜温が167℃に達するまで抜き出しを
行い、その後反応液を蒸留した。メチルトリフェノキシ
シランを沸点160〜165℃/40Paの留分とし
て、1125.3g得た(収率87.3%)。
を備えた、ステンレス製充填物で充填された塔、及び温
度計を備えたフラスコに、メチルトリメトキシシラン1
36.2g(1.0モル)、フェノール277.6g
(2.95モル)、ドデシルベンゼンスルホン酸3.3
g(0.01モル)、トルエン600mlを仕込み、還
流温度まで加熱した。還流下、塔頂から生成したメタノ
ールをトルエンと共に抜き出した。釜温が170℃に達
するまで抜き出しを行い、冷却後ヘキサメチルジシラザ
ン30gを加え、60℃で1時間処理し、その後反応液
を蒸留した。メチルトリフェノキシシランを沸点160
〜165℃/40Paの留分として、272.5g得た
(収率84.5%)。
及び温度計を備えたフラスコに、フェノール140.5
g(1.49モル)を仕込み、60℃に加熱した。内温
が安定した後、メチルトリクロロシラン74.4g
(0.50モル)を3時間かけて滴下した。滴下時、常
に塩化水素ガスが発生していた。滴下終了後、反応液を
70℃で4時間撹拌し、その後反応液を蒸留した。メチ
ルトリフェノキシシランを沸点160〜165℃/40
Paの留分として、98.0g得た(収率60.8
%)。
は、原料としてメトキシシランを用いるため取り扱いが
容易であり、更に、反応中に塩化水素などの有害な副生
成物が発生しないため工程が煩雑とならず、反応性も高
く、収率良く製造できる。
Claims (3)
- 【請求項1】 下記一般式(1) RnSi(OCH3)4-n (1) (式中、Rは互いに同一又は異なる炭素数1〜6の1価
炭化水素基を表し、nは1又は2である。) で示されるメトキシシランとフェノールとを、酸触媒又
は塩基性触媒を用いて、メタノール留出下、エステル交
換することを特徴とする下記一般式(2) RnSi(OPh)4-n (2) (式中、Rは互いに同一又は異なる炭素数1〜6の1価
炭化水素基、Phはフェニル基を表し、nは1又は2で
ある。)で示されるフェノキシシランの製造方法。 - 【請求項2】 上記一般式(2)で示されるフェノキシ
シランが、メチルトリフェノキシシランであることを特
徴とする請求項1記載のフェノキシシランの製造方法。 - 【請求項3】 上記一般式(1)のメトキシシランとフ
ェノールとのエステル交換後、残存するフェノールをS
i−N結合を有する化合物を用いてシリル化した後、下
記一般式(2) RnSi(OPh)4-n (2) (式中、Rは互いに同一又は異なる炭素数1〜6の1価
炭化水素基、Phはフェニル基を表し、nは1又は2で
ある。) で示されるフェノキシシランを蒸留単離することを特徴
とする請求項1又は2記載のフェノキシシランの製造方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32110499A JP2001139581A (ja) | 1999-11-11 | 1999-11-11 | フェノキシシランの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32110499A JP2001139581A (ja) | 1999-11-11 | 1999-11-11 | フェノキシシランの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001139581A true JP2001139581A (ja) | 2001-05-22 |
Family
ID=18128875
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP32110499A Pending JP2001139581A (ja) | 1999-11-11 | 1999-11-11 | フェノキシシランの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001139581A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011207780A (ja) * | 2010-03-29 | 2011-10-20 | Kao Corp | ケイ酸エステルの製造方法 |
-
1999
- 1999-11-11 JP JP32110499A patent/JP2001139581A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011207780A (ja) * | 2010-03-29 | 2011-10-20 | Kao Corp | ケイ酸エステルの製造方法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
KR900003953B1 (ko) | 알콕시 실란의 제조방법 | |
US6303729B1 (en) | Process for preparing partially added cyclic organohydrogensiloxane | |
JP2007084497A (ja) | ケチミン構造含有アルコキシシランの製造方法 | |
JP5115729B2 (ja) | トリアルキルシリル基で保護されたアセト酢酸エステル基含有有機ケイ素化合物及びその製造方法 | |
CN101039949B (zh) | 甲硅烷基烷氧基甲基卤化物的制备方法 | |
JPH04236229A (ja) | 部分アルコキシ化ポリシロキサンの製造方法 | |
JP4278725B2 (ja) | α,ω−ジハイドロジェンオルガノペンタシロキサンの製造方法 | |
JP4332708B2 (ja) | ビスシリルアミノ基を有するクロロシラン化合物及びその製造方法、並びにビスシリルアミノ基を有するオルガノオキシシラン化合物の製造方法 | |
JPS6320834B2 (ja) | ||
JPS59110697A (ja) | メチルハイドロジエンシラン類の製造方法 | |
JP2001139581A (ja) | フェノキシシランの製造方法 | |
JPS6332336B2 (ja) | ||
JP3279148B2 (ja) | 2−アリロキシメチル−1,4−ジオキサンの製造方法 | |
JP3852550B2 (ja) | メルカプト基含有アルコキシシラン化合物の製造方法 | |
JP2002020392A (ja) | N−アルケニルアザシラシクロペンタン、およびその製造方法 | |
JPS6155516B2 (ja) | ||
JP2002193976A (ja) | N−置換−3−シリルプロピルアミン類及びその誘導体の製造方法 | |
JP2002012597A (ja) | 有機ケイ素化合物 | |
JPH0673072A (ja) | オルガノオキシシラン水素化物の製造方法 | |
JP3874073B2 (ja) | テキシル基を有するクロロシラン化合物の製造方法 | |
SU717058A1 (ru) | Способ получени алкоксисиланов | |
JP4172165B2 (ja) | t−ブトキシ基で保護されたフェノール性水酸基を有する有機ハロゲン化シラン化合物の製造方法 | |
JPH0466588A (ja) | テキシルトリクロロシランの製造方法 | |
JP2718601B2 (ja) | 鎖状ポリオルガノシランの製造方法 | |
EP0154867B1 (en) | 2-substituted-1,3-butadiene derivatives and process for producing same |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20060209 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20060517 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20060714 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821 Effective date: 20060714 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20060927 |