JPH05193887A - 脱落ステップ検知装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 エスカレータの戻り走行時に脱落ステップを
特定するエスカレータステップ検知器を提供する。 【構成】 エスカレータの戻り走行時にステップ６が適
切な位置にあるか否かを決定するための簡単な機械シス
テム１２は、エスカレータの両着床部の下側にあるステ
ップの戻り行路の一方側に配置された可動ばねでバイア
スされているキャリッジ２０に取り付けられた接触ロー
ラ１６を有している。そのばねバイアスは、キャリッジ
をステップの一方側に向かって押しやり、それらのステ
ップが検知器のそばを通過するとき、接触ローラを各ス
テップの側部に対して強制し、ステップの有無を検知す
る。もしそれらのステップの１つが誤った位置にあると
エスカレータが止められ、可聴または視覚アラームが鳴
らされる。その電力スイッチは、欠陥が修理された後、
着床部の下側の遠隔位置からのみリセットされる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、人間搬送装置のステッ
プ脱落を検知し、ステップ脱落が検知されたとき、その
搬送装置への電源を遮断する装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】乗客搬送装置において、その位置が異常
な状態にあるステップを検知する問題は、従来から知ら
れている。日本の特開昭５３−１４０７８８号公報に
は、ステップの不整合を引き起こすような乗客搬送装置
の異常なステップローラの摩耗を検知するためのシステ
ムが開示されている。フランス特許第０８２，０７４号
公報には、連続搬送装置の表面にある凹部欠陥を検出す
るための近接センサを有する制御装置が開示されてい
る。ロシア特許第８５０，５４１号公報には、エスカレ
ータのステップローラの有無を検知し、分離されたエス
カレータステップを検知するためのエスカレータ用モニ
タが開示されている。また、ヨーロッパ特許第０，３０
７，５５７号公報には、ステップの下方にある光電気検
出器を用いてステップの下落を検知するエスカレータス
テップのモニタが開示されている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】一連の隣接した可動ス
テップから形成されているエスカレータすなわち動く歩
道などの人間搬送装置は、一般に、対抗する着床部間に
ある乗客輸送行路と、その乗客輸送行路の下に設置され
ている戻り路とを有する。各着床部には、ステップチェ
ーン及びステップを１８０度の円弧を通して案内し、そ
れらのステップの運動方向を反転させるステップ反転ス
プロケットが設けられている。それらのステップがそれ
らのスプロケット上を通過すると、それらのステップ
は、それらの空間方向を反転及び再反転させる。過度の
使用や装置の老朽化により、ステップがステップチェー
ンから離脱する可能性が出てくる。数多くの故障がこの
結果をもたらす。万一、ステップが離脱した場合、ステ
ップは重力によって通常の行路から揺さぶられ、ステッ
プ踏み板が下方に落ち込むことになる。ステップがステ
ップチェーンで共に適切に接続されている場合には、行
路に沿って所定の点を通る一定の行列となる。また、そ
のステップの行列にはいかなる大きな空隙も存在しな
い。しかし、ステップが離脱すると、そのステップ行列
に大きな空隙が作られる。ステップが離脱すると、その
搬送装置の駆動装置は、その搬送装置を使用する者が、
ステップが離脱し所定の位置から外れていることに気が
つかないようにして、運転し続ける。このため、その外
れたステップが乗客搬送行路に戻ると、乗客を傷つける
結果をもたらす。

【０００４】本発明の目的は、エスカレータの戻り走行
時に脱落ステップを特定するエスカレータステップ検知
器を提供することにある。

【０００５】本発明の他の目的は、運転モード時に直接
ステップに接触する特徴を有するステップ検知器を提供
することにある。

【０００６】本発明のさらに他の目的は、脱落ステップ
事故の際にエスカレータを停止させる特徴を有するステ
ップ検知器を提供することにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明は、エスカレータ
すなわち動く歩道のステップが、搬送装置の戻り走行時
に適切な位置にあるか否かを決定するための簡単な機械
システムに関するものである。本発明のシステムは、エ
スカレータの両着床部の下側にあるステップの戻り行路
の一方側に配置された可動ばねでバイアスされているキ
ャリッジに取り付けられた接触ローラを有している。そ
のばねバイアスは、キャリッジをステップの一方側に向
かって押しやり、それらのステップが検知器のそばを通
過するとき、接触ローラを各ステップの側部に対して強
制する。

【０００８】そのキャリッジは、また、エスカレータの
主電力回路に接続された電力遮断スイッチボタンに隣接
して配置されているカム面を備えている。それらのステ
ップがそれらの適切な位置にある限り、接触ローラは、
そのキャリッジカム面をスイッチから離れた位置に保持
し、エスカレータは通常の動作を続行する。もしも、そ
れらのステップの１つが誤った位置に置かれると、接触
ローラは、段落ステップによって普通占有される空間に
押し込まれ、キャリッジは、主電力回路を開かせそれに
よってエスカレータ駆動装置への電力を遮断させるスイ
ッチボタンを横切って、上述のカム面を駆動させるよう
に移動する。これにより、エスカレータが止められ、可
聴または視覚アラームが鳴らされる。その電力スイッチ
は、欠陥が修理された後、着床部の下側の遠隔位置から
のみリセットされる。

【０００９】

【作用】本発明は、エスカレータの両着床部の下側にあ
るステップの戻り行路の一方側に配置された可動ばねで
バイアスされているキャリッジに取り付けられた接触ロ
ーラを有している。そのばねバイアスは、キャリッジを
ステップの一方側に向かって押しやり、それらのステッ
プが検知器のそばを通過するとき、接触ローラを各ステ
ップの側部に対して強制している。したがって、ステッ
プが脱落している場合などには、その状態を検知でき
る。

【００１０】

【実施例】図を参照して、説明する。図１乃至図３は、
本発明に従って形成されたステップ検知器の好適実施例
を示している。エスカレータは、その上にパン４が取り
付けられているトラス２を有する。多数のステップ６
は、それらが出口着床からエスカレータ上の入口着床に
戻るとき、ローラ１０を介してトラック８上に移動す
る。ステップ検知器は、符号１２によって一般に示さ
れ、パン４に固定された取り付けブラケット１４上に支
持されている。そのステップ検知器１２は、摺動可能な
キャリッジ２０に取り付けられている軸１８に旋回可能
に軸止めされた一対の接触ローラ１６を有する。キャリ
ッジ２０は、取り付けブラケット１４に固定されたＵ字
型ブラケット２４に設けられた一対の棒２２上で摺動可
能である。ばね２６は、キャリッジ２０をバイアスして
いる。したがってローラ１６をエスカレータのステップ
６の方向にバイアスする。その結果、ローラ１６は、ス
テップ６が戻り行路に沿って移動するとき、ステップ６
の側面２８と普通に係合する。

【００１１】キャリッジ２０は、その一方側に取り付け
られたカム部材３０を有する。そのカム部材３０は、そ
の外側にカム傾斜部３２を有する。スイッチボタン３４
は、取り付けブラケット１４に固定されたハウジング３
６内に取り付けられている。そのボタン３４は、図２に
最も良く示されているように、カム傾斜部３２の移動路
に存在する回転可能な車輪３８を支持している。接触ロ
ーラ１６とステップ６の側部２８との間の通常の係合に
よって、ばね２６が圧縮され、カム傾斜部３６がスイッ
チボタン車輪３８から離れて保持される。したがって、
電力スイッチは閉じた状態のままであり、エスカレータ
は通常の方法で走行し続ける。

【００１２】図４は、ステップが脱落した場合にエスカ
レータ電力を遮断するために使用されるスイッチの特性
の詳細を示している。スイッチボタン３４は、ハウジン
グ３６内の通路４０に取り付けられており、ばね４２に
よって図４に示された電力オンの位置にバイアスされ
る。スイッチボタン戻り止４４は、ばね４５によってボ
タン３４の方向にバイアスされる。その戻り止４４は、
戻り止４４上の目くばり４８に取り付けたれた引張りケ
ーブル４６を有する。戻り止ノッチ５０がボタン３４に
形成されている。エスカレータへの電力用給電線５２
は、ボタン３４に取り付けられた接点５４によって接続
される。スイッチ機構部品が図４に示された各位置にあ
るとき、エスカレータへの電力が保証される。ステップ
脱落が検知され、キャリッジ２０がステップ６の方向に
移動する場合には、カム傾斜部３２が、車輪３８に対抗
して動き、ボタン３４を図４に示されるように左側に移
動させ、ばね４２を圧縮するとともにノッチ５０を戻り
止４４と整合させる。上述のボタン移動によって、接点
５４が給電線５２と非接触となり、エスカレータのモー
タＭへの電気の流れが遮断される。さらに、戻り止４４
は、ばね４５によってノッチ５０内に移動する。したが
って、一度押されたボタン３４は、キャリッジ２０及び
カムランプ３２の次の動きに関係なく、電力遮断位置の
状態にある。

【００１３】故障が一度修理されると、図５に示されて
いるように検知器１２から遠く離れたエスカレータ端部
のループ４７によって、ケーブル４６を引くことによ
り、エスカレータは再始動される。このことは、エスカ
レータが再始動される前に着床下の領域がクリアにされ
得ることを保証する。本発明のステップ検知器は、ステ
ップの戻り走行中にエスカレータの両着床下で、脱落ス
テップあるいは変位ステップを検知することを理解され
たい。エスカレータの移動を停止させるために、エスカ
レータの電力は実質的に瞬時に遮断され、可聴アラーム
が鳴らされ、そして脱落ステップが検知された場合には
警告が与えられる。したがって、ステップがあるはずで
ある空の空間中に乗客が乗り込む可能性が防止される。
また、その故障はビルの管理者に瞬時に警告される。検
知器は比較的簡単な構造であり、可動部品が少なく、標
準の構成部品から作ることができる。また、エスカレー
タの保守管理に使用されるグリース、油、あるいは他の
物質などの汚れや汚染物質の影響を受けにくい。

【００１４】

【発明の効果】本発明によれば、エスカレータの戻り走
行時に脱落ステップを特定する、簡単な構成のエスカレ
ータステップ検知器が得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係るステップ検知器の好適な実施例の
部分断面を示す一部切欠前部立面図である。

【図２】図１のステップ検知器の頂部平面図である。

【図３】図１の左側から見た側部立面図である。

【図４】ステップ検知器で使用される電力制御スイッチ
ボタンの部分横断面図である。

【図５】部分側面図であって、ステップ検知器の１つ及
び再スタート機構を示しており、エスカレータの着床領
域を明確するため部品が一部取り除かれている。

【符号の説明】

２…トラス ４…パン ６…ステップ ８…トラック １０…ローラ １２…ステップ検知器 １６…接触ローラ ２０…キャリッジ ２６，４２，４５…ばね ３０…カム部材 ３４…スイッチボタン

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 エスカレータすなわち動く歩道において
   使用する脱落ステップ検知装置であって、上記装置が、 ａ）搬送装置の少なくとも一方の着床の下方に取り付け
   られた可動キャリッジであって、搬送装置の戻り行路の
   一方側に設けられたキャリッジと、 ｂ）上記キャリッジを上記戻り行路の方向にバイアスさ
   せるためのばね手段と、 ｃ）上記キャリッジに取り付けられた接触ローラであっ
   て、ステップと接触するとき上記ばね手段を圧縮するよ
   う動作可能であるローラ手段と、 ｄ）上記キャリッジの一方側に設けられた接触スイッチ
   手段であって、電力を供給して搬送装置を動作させるよ
   うに通常閉じられているスイッチ手段と、 ｅ）上記戻り行路から離れている上記スイッチ手段の側
   部において上記キャリッジに取り付けられたスイッチ不
   能化手段と、から構成され、上記スイッチ不能化手段
   は、通常上記接触スイッチ手段及びステップの側面から
   空間的に離れているとともに、上記接触ローラがステッ
   プに接触できずに上記戻り行路に一層近接した位置に動
   かされた時、上記接触スイッチ手段と接触しそのスイッ
   チを開かせて搬送装置へ供給される電力を遮断させるこ
   とを特徴とする脱落ステップ検知装置。
2. 【請求項２】 請求項１に記載の検知装置において、さ
   らに、搬送装置の修理終了後に上記接触スイッチ手段を
   その閉成状態にリセットさせるためのリセット手段を備
   えていることを特徴とする脱落ステップ検知装置。
3. 【請求項３】 請求項１に記載の検知装置において、上
   記不能化手段が上記キャリッジに取り付けられたカム部
   材であり、上記キャリッジが上記戻り行路の方向に動く
   時、上記スイッチ手段と選択的に係合するように動作し
   得ることを特徴とする脱落ステップ検知装置。
4. 【請求項４】 請求項３に記載の検知装置において、上
   記スイッチ手段が、上記カム部材と選択的に接触するよ
   うにそのカム部材の行路に設けられたローラを支持して
   いるスイッチボタンを有することを特徴とする脱落ステ
   ップ検知装置。
5. 【請求項５】 請求項２に記載の検知装置において、上
   記リセット手段が、上記スイッチ手段に接続され、かつ
   上記キャリッジから遠く離れた上記着床の下方の位置に
   設けられた引張りワイヤを備え、それによって上記搬送
   装置が上記戻り行路から遠く離れた位置から再始動され
   得ることを特徴とする脱落ステップ検知装置。