JPH05193335A - エアサスペンション車用車高調整装置 - Google Patents

エアサスペンション車用車高調整装置

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JPH05193335A
JPH05193335A JP521992A JP521992A JPH05193335A JP H05193335 A JPH05193335 A JP H05193335A JP 521992 A JP521992 A JP 521992A JP 521992 A JP521992 A JP 521992A JP H05193335 A JPH05193335 A JP H05193335A
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JP
Japan
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air
valve
vehicle height
solenoid valve
vehicle
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Withdrawn
Application number
JP521992A
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English (en)
Inventor
Tsuneo Oura
恒雄 大浦
Shizunobu Mameta
静信 豆田
Yoshihiko Yada
芳彦 矢田
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Mitsubishi Motors Corp
Mitsubishi Automotive Engineering Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Motors Corp
Mitsubishi Automotive Engineering Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 エアサスペンションをそなえた自動車におい
て、そのエアサスペンションを用いて車高を調整するた
めの装置に関し、車高低下中に車高調整用の三方電磁弁
に何らかのフェールが生じたとしても、その車高低下状
態を保持できるようにしたことを目的とする。 【構成】 車高調整用のエアシリンダ13に対する給気
/排気の切換を行なう三方電磁弁14がエアシリンダ1
3へ給気している状態でこの三方電磁弁14に異常が発
生した時に手動操作されてエアシリンダ13に対する給
気を行ないうる手動弁37をそなえるとともに、この手
動弁37からの給気もしくは三方電磁弁14からの給気
を受けると該給気による圧力にて切り換わり該給気をエ
アシリンダ13へ送出するダブルチェック弁38を、手
動弁37および三方電磁弁14とエアシリンダ13との
間に介装するように構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エアサスペンションを
そなえた自動車において、そのエアサスペンションを用
いて車高を調整するための装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、高速走行の頻度が高い大型の観光
バス等では、その車体の懸架装置にエアスプリングを用
いたエアサスペンション車が主流になっている。エアサ
スペンション車は、エアスプリングに圧縮性流体である
空気(エア)を用いているため、リーフスプリングを用
いた通常のものに比べて優れた乗り心地が得られる他、
レベリングバルブを用いることによって積載状態に拘ら
ず一定車高を保てるなどの特徴を有している。
【0003】レベリングバルブは、通常、エアスプリン
グとこのエアスプリングにエアを供給するエア供給源と
の間に介装され、そのバルブ本体が車体のシャシフレー
ム側に固定されるとともに、レベリングバルブを駆動し
うる揺動レバーがセンシングロッドを介して車軸側に固
定されている。このレベリングバルブは、シャシフレー
ムの下面と各車軸との間の距離に応じ、エアスプリング
にエアを供給したり、エアスプリングからエアを排出し
たりして、車高を一定に保つように動作する。
【0004】そして、このようなレベリングバルブのセ
ンシングロッドに、給気に伴って短縮するエアシリンダ
を介装することにより、車体の車高調整が行なわれるよ
うになっている。つまり、エアシリンダに給気を行なっ
てセンシングロッドを短縮することで、シャシフレーム
の下面と車軸との間の距離が擬似的に大きくなり、レベ
リングバルブからエアスプリングのエアが排出されて車
高の低下調整が行なわれる。これに対して、エアシリン
ダから排気を行なってセンシングロッドを伸長すること
で、シャシフレームの下面と車軸との間の距離が小さく
なり、レベリングバルブを介してエア供給源からのエア
がエアスプリングに供給されて車高の復帰調整が行なわ
れる。
【0005】上述のように、エアシリンダに対する給気
/排気の切換を行なうべく、従来、エアシリンダとエア
供給源との間に三方電磁弁を介装し、この三方電磁弁の
3つの接続口の2つをそれぞれエアシリンダ,エア供給
源に接続するとともに、残りの1つの接続口を排気口と
して用いる。そして、三方電磁弁をオンとしてエアシリ
ンダとエア供給源とを接続した状態にすることにより、
エアシリンダへの給気が行なわれ、前述したような車高
の低下が行なわれる一方、三方電磁弁をオフとしてエア
シリンダと排気口とを接続した状態にすることにより、
エアシリンダからの排気が行なわれるようになってい
る。なお、車高を低下させている間は、三方電磁弁は常
にオン状態として、エアシリンダにエアを供給し続けて
センシングロッドを短縮させた状態を保持している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述した通り、車高を
低下させた状態(車高全体を低下させた車高ダウン状
態,車体の扉位置のみを低下させたニーリング状態等)
を保持するためには、三方電磁弁のオン状態を保持して
エアシリンダにエアを供給し続けなければならないが、
この三方電磁弁に何らかの故障(フェール)が生じて、
三方電磁弁のオン状態を保持できなくなった場合、つま
り三方電磁弁がフェールによりオフ状態になった場合に
は、エアシリンダからの排気が行なわれ、車高は標準車
高まで復帰してしまうことになる。
【0007】従って、車体が車高制限のあるトンネル等
を通過するために三方電磁弁をオンにしてその車体全体
を低下させた状態(車高ダウン状態)で、上述のような
三方電磁弁のフェールが生じると、車高の復帰により車
体上部がトンネル等と干渉してしまうおそれがある。そ
のため、車高ダウン中に三方電磁弁に何らかのフェール
が生じても、車高ダウン状態を保持できるフェールセー
フ機構の開発が望まれていた。
【0008】本発明は、このような課題に鑑み創案され
たもので、車高低下中に車高調整用の三方電磁弁に何ら
かのフェールが生じたとしても、その車高低下状態を保
持できるようにしたエアサスペンション車用車高調整装
置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】このため、本発明のエア
サスペンション車用車高調整装置は、車体と前後左右の
各車軸との間に少なくとも1個ずつ設けられ該車体を支
持するエアスプリングをそなえるとともに、前記エアス
プリングと該エアスプリングにエアを供給するエア供給
源との間にレベリングバルブをそなえ、該レベリングバ
ルブのセンシングロッドに給気に伴って短縮するエアシ
リンダを介装し、該エアシリンダに対する給気/排気の
切換を行なう三方電磁弁をそなえ、該三方電磁弁を駆動
制御することにより前記車体の車高の低下/復帰調整を
行なうものにおいて、前記三方電磁弁が前記エアシリン
ダへ給気している状態で該三方電磁弁に異常が発生した
時に手動操作されて前記エアシリンダに対する給気を行
ないうる手動弁をそなえるとともに、前記手動弁からの
給気もしくは前記三方電磁弁からの給気を受けると該給
気による圧力にて切り換わり該給気を前記エアシリンダ
へ送出するダブルチェック弁を、前記の手動弁および三
方電磁弁と前記エアシリンダとの間に介装したことを特
徴としている。
【0010】
【作用】上述の本発明のエアサスペンション車用車高調
整装置では、通常時(三方電磁弁に何らフェールが生じ
ていない時)に、三方電磁弁を介してエア供給源からエ
アシリンダへ給気が行なわれ車高低下状態になっている
際には、ダブルチェック弁は、三方電磁弁からの給気を
受けてその給気をエアシリンダへ送出するように切り換
わっている。
【0011】これに対して、その車高低下状態で、三方
電磁弁に何らかの異常(フェール)が生じた場合には、
手動弁を手動操作することによりこの手動弁を介してエ
アシリンダへの給気を行なう。これにより、ダブルチェ
ック弁は、手動弁からの給気を受けてその給気をエアシ
リンダへ送出するように切り換わるため、車高低下状態
が保持されることになる。
【0012】
【実施例】以下、図面により、本発明の一実施例として
のエアサスペンション車用車高調整装置について説明す
ると、図1はその空圧回路を示す構成図、図2(a)は
その三方電磁弁からの給気を受けるダブルチェック弁を
示す断面図、図2(b)はその手動弁からの給気を受け
るダブルチェック弁を示す断面図、図3はその構成を示
すブロック図、図4はその装置をそなえたバス(電子制
御エアサスペンション車)を示す斜視図、図5はそのE
CS用制御手段による制御処理動作を説明するためのフ
ローチャートである。
【0013】本実施例では、本発明の車高調整装置を、
電子制御エアサスペンション(ECS)を有する図3に
示すような大型自動車(ハイデッカータイプの観光バス
等)に適用した場合について説明する。また、本実施例
の電子制御エアサスペンションは、図1に示すように、
前車軸側サスペンション部1と後車軸側サスペンション
部2とをそなえており、前車軸側サスペンション部1
は、左右の前車軸に対応して一対のエアスプリング3
L,3Rを有しており、これらのエアスプリング3L,
3Rは、各前車軸と車体20(図4参照)との間に配設
されて、車体20を支持するものである。後車軸側サス
ペンション部2も前車軸側サスペンション部1とほぼ同
様に構成されているが、この後車軸側サスペンション部
2は、左右の後車軸にそれぞれ一対のエアスプリング3
L,3L;3R,3Rを有して、車体20を支持するも
のである。
【0014】各エアスプリング3L,3Rには、接続管
路4を介して補助エアタンク5,5がそれぞれ連通接続
され、各接続管路4には、常閉型のオン/オフ制御弁か
らなるエアサスペンション用電磁弁(以下、ECS用電
磁弁という)6が介装されている。この電磁弁6によ
り、互いに組をなすエアスプリング3L,3Rと各補助
エアタンク5,5との間の連通を接断することにより、
各エアスプリング3L,3Rのばね定数が調整されるよ
うになっている。
【0015】ここで、ECS用電磁弁6のオン/オフ状
態(開閉状態)は、車体20の走行状態等に応じて、図
3にて後述する電子コントローラ30におけるエアサス
ペンション用制御手段(以下、ECS用制御手段とい
う)30aにより制御されるようになっている。また、
本実施例では、ECS用電磁弁6としては三方電磁弁が
用いられており、その第1接続口6aおよび第2接続口
6bには、接続管路4を介してそれぞれ補助エアタンク
5および各エアスプリング3L,3Rが接続されるとと
もに、第3接続口6cはプラグ6dにより閉塞されてい
る。
【0016】そして、電磁弁6のオフ時には、第1〜第
3接続口6a〜6cが全て連通された状態になり、エア
スプリング3L,3Rと各補助エアタンク5,5とが連
通され各エアスプリング3L,3Rのばね定数が小さい
状態となる一方、電磁弁6のオン時には、第2接続口6
bと第3接続口6cとが接続された状態になり、エアス
プリング3L,3Rと各補助エアタンク5,5との間の
連通が断たれ各エアスプリング3L,3Rのばね定数が
大きい状態になる。
【0017】ECS用電磁弁6と各エアスプリング3
L,3Rとの間の接続管路4には、分岐供給管路7を介
して主供給管路8が接続され、この主供給管路8は、エ
ア供給源9に接続されている。このエア供給源9は、バ
スのエンジンにより駆動されるエアコンプレッサ(図示
せず)からエアを供給されるもので、所定圧力のエアを
エアスプリング3L,3Rに向けて供給可能になってい
る。なお、主供給管路8にはサプライバルブ8aが介装
されており、このサプライバルブ8aを開放することに
よりエア供給源9からのエア供給が行なわれるようにな
っている。
【0018】さらに、各分岐供給管路7には、レベリン
グバルブ10が介装されている。各レベリングバルブ1
0は、車体20の上下動(車体20のシャシフレーム下
面と車軸との間の距離)に応じて開閉動作し、エアスプ
リング3L,3Rにエア(圧縮空気)を供給したり各エ
アスプリング3L,3Rからエアを排出したりすること
により、車体20の車高を一定の高さに調整する機能を
有するものである。
【0019】なお、各レベリングバルブ10には、この
レベリングバルブ10からエアを排出すべく外気に開放
された排気管10aが設けられている。また、本実施例
では、分岐供給管路7およびレベリングバルブ10は、
前車軸側サスペンション部1において、左右のエアスプ
リング3L,3Rに対応して左右一対そなえられるのに
対し、後車軸側サスペンション部2において、左右のエ
アスプリング3L,3Rについて1組のみそなえられて
いる。
【0020】各レベリングバルブ10は車体20側に固
定されるとともに、各レベリングバルブ10毎に、この
バルブ10を直接開閉駆動するための揺動レバー11
と、一端を揺動レバー11の先端に枢着され他端を各車
軸側に枢着されるセンシングロッド12と、このセンシ
ングロッド12に介装され給気に伴って短縮するエアシ
リンダ13とがそなえられている。
【0021】各エアシリンダ13には分岐供給管路15
を介して主供給管路8,エア供給源9が接続され、分岐
供給管路15には、エアシリンダ13に対する給気/排
気の切換を行ないエアシリンダ13を伸縮駆動するエア
シリンダ給排気用電磁弁14が前後に1個ずつ介装され
ている。この電磁弁14は三方電磁弁であり、その第1
接続口14aには分岐供給管路15を介して主供給管路
8が接続され、第2接続口14bには、後述するダブル
チェック弁38を介装された分岐供給管路15を介して
エアシリンダ13が接続されるとともに、第3接続口1
4cは外気へ開放され排気口として機能している。
【0022】そして、電磁弁14のオフ時には、第2接
続口14bと第3接続口14cとが接続された状態にな
り、エアシリンダ13内のエアが、ダブルチェック弁3
8を介して第3接続口(排気口)14cから排出されて
エアシリンダ13は伸長した状態になる一方、電磁弁1
4のオン時には、第1接続口14aと第2接続口14b
とが接続された状態になり、エア供給源9から主供給管
路8,分岐供給管路15,ダブルチェック弁38を介し
てエアが供給されてエアシリンダ13は短縮するように
なっている。
【0023】一方、各エアスプリング3L,3Rと各レ
ベリングバルブ10との間の分岐供給管路7にはエアス
プリング排気用電磁弁16が介装されるとともに、この
電磁弁16と各エアスプリング3L,3Rとの間の分岐
供給管路7には、分岐供給管路17,主供給管路8を介
してエア供給源9が接続されている。そして、分岐供給
管路17にはエアスプリング給気用電磁弁18が介装さ
れている。
【0024】排気用電磁弁16は、車体20の車高低下
調整時にオン状態となってレベリングバルブ10を通さ
ずに各エアスプリング3L,3R内のエアを排出する三
方電磁弁であり、この電磁弁16の第1接続口16aに
は、分岐供給管路7,レベリングバルブ10を介して主
供給管路8が接続され、第2接続口16bには分岐供給
管路7を介して各エアスプリング3L,3Rが接続さ
れ、第3接続口16cには、外気に開放される排気管1
6dが接続されている。
【0025】そして、電磁弁16のオフ時には、第1接
続口16aと第2接続口16bとが接続された状態にな
り、分岐供給管路7を介して各エアスプリング3L,3
Rと各レベリングバルブ10とが接続され、レベリング
バルブ10による通常の車高一定保持調整が行なわれる
一方、電磁弁16のオン時には、第2接続口16bと第
3接続口16cとが接続された状態になり、レベリング
バルブ10を通さずに各エアスプリング3L,3R内の
エアが排出されるようになっている。
【0026】給気用電磁弁18は、車体20の車高復帰
調整時にオン状態となってレベリングバルブ10を通さ
ずに各エアスプリング3L,3Rへエア供給源9からの
エアを供給するもので、オフ時には閉状態になる一方、
オン時には開状態になって、分岐供給管路17および主
供給管路8を介してエア供給源9が接続され、エアが供
給されるようになっている。
【0027】上述した電磁弁14,排気用電磁弁16お
よび給気用電磁弁18は、図3にて後述する電子コント
ローラ30における車高調整用制御手段30bにより駆
動制御されるようになっている。さて、本実施例の装置
では、前後の各エアシリンダ給排気用電磁弁(三方電磁
弁)14と前後の各エアシリンダ13との間には、ダブ
ルチェック弁38がそれぞれ介装されるとともに、電磁
弁14がエアシリンダ13へ給気している状態で該三方
電磁弁14に異常(フェール)が発生した時に手動操作
されてエア供給源9からエアシリンダ13に対する給気
を行ないうる手動弁37がそなえられている。
【0028】この手動弁37は三方弁であり、その第1
接続口37aには主供給管路8を介してエア供給源9が
接続され、第2接続口37bには、前後のダブルチェッ
ク弁38の第3接続口38cが接続されるとともに、第
3接続口37cには、外気に開放される排気管37dが
接続されている。そして、通常時(三方電磁弁に何らフ
ェールが生じていない時)に、手動弁37は、第2接続
口37bと第3接続口37cとを連通接続した状態に保
持され、ダブルチェック弁38の第3接続口38cと外
気とが連通接続されている。
【0029】また、電磁弁のオン状態(エアシリンダへ
の給気状態)でこの電磁弁4に何らかの異常(フェー
ル)が発生したことを検知した場合には、運転者等の手
動操作により、手動弁37は、第1接続口37aと第2
接続口37bとを連通接続した状態に切り換わり、ダブ
ルチェック弁38の第3接続口38cとが連通接続され
るようになっている。
【0030】一方、前後の各ダブルチェック弁38は、
図2(a),(b)に示すように、その内部に圧力を受
けて移動するピストン38dを有してなる三方弁であ
り、その第1接続口38aはエアシリンダ13に接続さ
れ、第2接続口38bは電磁弁14の第2接続口14b
に接続されるとともに、第3接続口38cは、前述した
通り手動弁37の第2接続口37bに接続されている。
【0031】そして、ピストン38dは、その両端面に
それぞれ第2接続口38bおよび第3接続口38cから
の給気による圧力を受けて移動するもので、このピスト
ン38dは、通常時に、第2接続口38bを通じて電磁
弁14からの給気を受けると、第3接続口38cが手動
弁37を介して外気に連通接続されているため、図2
(a)に示すように、第3接続口38cを閉塞する方向
へ移動することになり、ダブルチェック弁38を、第2
接続口38bと第1接続口38aとを接続した状態とし
て、電磁弁14からの給気がエアシリンダ13へ送出さ
れるようになっている。
【0032】これに対し、ピストン38dは、電磁弁1
4の異常に応じて手動弁37を操作することにより、第
3接続口38cを通じて手動弁37からの給気を受ける
と、今度は第2接続口38bが異常によりオフ状態にな
った電磁弁14の第3接続口14cを介して外気に連通
接続されているため、図2(b)に示すように、第2接
続口38bを閉塞する方向へ移動することになり、ダブ
ルチェック弁38を、第3接続口38cと第1接続口3
8aとを接続した状態に切り換え、手動弁37からの給
気がエアシリンダ13へ送出されるようになっている。
【0033】なお、図1には、前後左右の各車軸にそれ
ぞれ1個ずつ取り付けられたショックアブソーバ19が
概略的に示されており、これらのショックアブソーバ1
9は、公知の手段により、図3に示す電子コントローラ
30から与えられる制御信号にて、その減衰力をハード
またはソフトに変更できるように構成されている。ま
た、各補助エアタンク5には、その内部エア圧を検出す
る圧力センサ21が設けられている。
【0034】次に、図3,図4により本実施例の車高調
整装置の、空圧回路以外の詳細構成について説明する。
なお、図4においては、各種センサ類やスイッチ類の配
設位置を明確にするためにタイヤ等が透視して示されて
いる。まず、図3,図4により本実施例におけるセンサ
類およびスイッチ類について説明すると、これらの図3
および図4において、21は前述した通り補助エアタン
ク5内のエア圧を検出する圧力センサ、22は車体20
の速度を検出する車速センサ、23はステアリング23
aが回された際の角速度を検出するステアリング角速度
センサ、24は車体20の横揺れ即ちローリングを検出
するローリングセンサである。
【0035】また、25はフットブレーキ(図示せず)
が踏み込まれた際(ブレーキング時)にオン信号を出力
するフットブレーキスイッチ、26は車体20の前後進
を検出すべくトランスミッション(図示せず)が後退位
置に切り換えられた時にオン信号を出力するバックアッ
プランプスイッチ、27は車体20が駐車状態になった
場合(パーキングレバーを操作した場合)にオン信号を
出力するパーキングスイッチ、28は前後左右の各エア
スプリング3L,3Rの近傍位置にそなえられて該位置
における車体20の高さ(車高)を検出する車高セン
サ、29は本実施例のバスの運転席に設けられ各種セン
サによる検出結果等を表示するインジケータである。
【0036】さらに、31はECS用制御手段30aに
よるECS用電磁弁6の開閉制御を自動または手動制御
に切り換えるオート/ハード選択スイッチ、32は各エ
アスプリング3L,3R内に適当量のエアを残しながら
車体20全体の車高を低下させる車高低下調整を行なう
際にオン操作される車高ダウンスイッチで、これらのス
イッチ31,32は、バスの運転席にそなえられてい
る。
【0037】なお、各センサ21〜24,28および各
スイッチ25,26,31からの信号は電子コントロー
ラ30のECS用制御手段30aに入力され、車速セン
サ22および各スイッチ27,32からの信号は電子コ
ントローラ30の車高調整用制御手段30bに入力され
るようになっている。さて、これらのセンサ類やスイッ
チ類からの信号を受けて制御動作を行なう本実施例の電
子コントローラ30は、図3に示すように、ECS用制
御手段30aおよび車高調整用制御手段30bから構成
されている。
【0038】ECS用制御手段30aは、図5にて後述
するフローチャートに従って動作し、ECS用電磁弁6
およびショックアブソーバ19を制御するもので、基本
的には、オート/ハード選択スイッチ31,車速センサ
22,ステアリング角速度センサ23,ローリングセン
サ24,フットブレーキスイッチ25,車高センサ28
などからの信号に応じて電磁弁6の開閉切換,ショック
アブソーバ19のソフト/ハード切換を行ない、サスペ
ンションの状態をソフトもしくはハードに切り換える機
能を有している。
【0039】そして、本実施例のECS用制御手段30
aは、後述の車高調整用制御手段30bによる車体20
の車高調整期間中(車高調整開始時から車高復帰完了ま
での間)には、ECS用電磁弁6を強制的に閉状態(オ
ン状態)に駆動制御する機能(図5のステップS3,S
4参照)を有している。車高調整用制御手段30bは、
エアシリンダ給排気用電磁弁14,エアスプリング排気
用電磁弁16およびエアスプリング給気用電磁弁18を
制御するもので、基本的には、エアシリンダ給排気用電
磁弁14のオン/オフ操作によりエアシリンダ13に対
して給気あるいは排気を行なうことにより車体20の車
高の低下/復帰調整を行なうとともに、その車高調整時
にエアスプリング排気用電磁弁16およびエアスプリン
グ給気用電磁弁18をオン/オフ制御することにより、
レベリングバルブ10を通さずに各エアスプリング3
L,3R内のエア排出もしくは各エアスプリング3L,
3Rへのエア供給を行なう機能を有している。
【0040】そして、本実施例の車高調整用制御手段3
0bは、車高ダウンスイッチ32をオン操作することに
より車高低下調整を行なうべく、車高調整を電磁弁1
4,16,18の制御により行なう。また、本実施例の
車高調整用制御手段30bは、電磁弁14の異常(フェ
ール)を断線検知等により検知した場合には、その異常
を運転者等に告知すべく、運転席にそなえられたダイア
グノシスランプ34を点灯させるフェール告知機能を有
している。
【0041】ところで、図3に示すように、車高調整用
制御手段30bから各電磁弁16,18に対するオン指
令信号は、それぞれタイマー35,36を介して電磁弁
16,18へ出力されるようになっており、各タイマー
35,36は、車高低下/復帰調整に伴う車高調整用制
御手段30bによる電磁弁16,18の駆動制御時間を
規定するもので、タイマー35により、車高低下調整時
には前後全ての電磁弁16が所定時間だけオン駆動さ
れ、タイマー36により、車高復帰調整時には前後全て
の電磁弁18が所定時間だけオン駆動されるようになっ
ている。
【0042】次に、上述のごとく構成された本実施例の
車高調整装置による制御動作について説明する。まず、
図5により、ECS用制御手段30aによる基本的な電
子制御エアサスペンションの制御動作について説明す
る。エンジンが始動されて電子コントローラ30(EC
S用制御手段30a)の作動が開始されると、ステップ
S1において、ECS用制御手段30aは、各圧力セン
サ21からの圧力信号を受け取り、各補助エアタンク5
内のエア圧が所定レベルにあるか否かを検出し、もし、
いずれかの補助エアタンク5内のエア圧が所定レベル以
下の場合には、対応するECS用電磁弁6をオフ状態と
して開作動させたままに放置し、当該補助エアタンク5
内のエア圧が所定レベルに達するまで待機する。
【0043】このとき、エア圧が所定レベル以下の補助
エアタンク5を有するサスペンションによって支持され
る車体位置の車高が低くなるため、当該サスペンション
のエアスプリング3Lもしくは3Rに接続されたレベリ
ングバルブ10が作動し、エア供給源9からレベリング
バルブ10,電磁弁6を介して補助エアタンク5にエア
が充填される。
【0044】このように、ECS用制御手段30aは、
補助エアタンク5のエア圧が所定レベルに達するまで待
機してから、以下の制御動作を実行する。すべての補助
エアタンク5のエア圧が所定レベルにあれば、ECS用
制御手段30aの初期化、いわゆるイニシャライズが実
施される(ステップS2)。なお、特に言及しない限
り、ショックアブソーバ19は、全てハードに切り換え
られているものとする。
【0045】この後、車体20がいずれかのモードによ
る車高調整期間中(車高調整動作開始時から車高復帰を
完了するまでの間)にあるか否かを判断し(ステップS
3)、車高調整期間中には、ステップS4へ進む。な
お、車体20が車高調整期間中であるか否かは、車高調
整用制御手段30bのエアスプリング排気用電磁弁16
に対するオン指令(もしくはエアシリンダ給排気用電磁
弁14に対するオン指令)およびエアスプリング給気用
電磁弁18に対するオン/オフ指令(もしくは車高セン
サ28の出力)に応じて判断することができる。つま
り、本実施例では、車高調整の開始を電磁弁16のオン
駆動(もしくは電磁弁14のオン駆動)により検知し、
車高復帰の完了を、電磁弁18のオン状態からオフ状態
への切換(もしくは車高センサ22による車体20の標
準車高への復帰検出)により検知し、これらの車高調整
開始から車高復帰完了までの期間を車高調整期間と判断
している。
【0046】ステップS4では、全てのECS用電磁弁
6が閉位置に切換駆動され、エアスプリング3L,3R
と各補助エアタンク5との連通が断たれる。このように
電磁弁16,18のオン動作に伴う車高調整期間中にE
CS用電磁弁6を閉状態とすることに伴う作用効果につ
いては、車高調整用制御手段30bの制御動作を説明す
る際に合わせて説明する。
【0047】一方、ステップS3において、電磁弁1
6,18がどちらもオン状態でないと判断された場合に
は、ステップS5に進み、オート/ハード選択スイッチ
31がハードに切り換えられているか否かを判断し、ハ
ードに切り換えられている場合には、ステップS4に進
む。このステップS4で、前述の通り、全てのECS用
電磁弁6が閉位置(オン状態)に切換駆動されることに
より、エアスプリング3L,3Rと各補助エアタンク5
との連通が断たれ、エア室の容積が小となり、全てのエ
アスプリング3L,3Rのばね定数が大となる。
【0048】ステップS5において、オート/ハード選
択スイッチ31がオートに切り換えられていると判断さ
れた場合には、ステップS6に進み、バックアップラン
プスイッチ26がオン状態になっているか否かが判断さ
れる。ここで、バックアップランプスイッチ26がオン
状態であると判断された場合、車体20が後進しようと
している状態にあるので、ステップS7へ進み、前車軸
側の左右の電磁弁6を開位置(オフ状態)にする一方、
後車軸側の左右の電磁弁6を閉位(オン状態)に切換駆
動する。これにより、後車軸側のすべてのエアスプリン
グ3L,3Rのばね定数が大となるので、この後、ブレ
ーキングによりその後退が停止されても、車体20のノ
ーズアップを抑制することができる。
【0049】ステップS6において、バックアップラン
プスイッチ26がオン状態ではない、つまり車体20が
前進しようとしていると判断された場合には、車速が計
算される(ステップS8)。この車速は、本実施例で
は、車速センサ22からの検出信号に基づいて計算され
る。そして、ステップS9においては、ステップS8に
て求めた車速に基づいてエアサスペンションをハードに
すべきか否かを判断する。即ち、車速が例えば0〜30
km/h,80km/h以上の範囲にあるか、または、
これ以外の範囲(30〜80km/h)にあるかを判断
し、0〜30km/hもしくは80km/h以上の範囲
にあると判断された場合には、前述したステップS4に
進み、すべてのエアスプリング3L,3Rのばね定数を
大とする。これにより、低速時での車体20のローリン
グを防止できる一方、高速時での直進性を向上させるこ
とができる。
【0050】ステップS9において、その車速が30〜
80km/hの範囲にあると判断された場合には、ブレ
ーキング時か否かが判断される(ステップS10)。こ
の判断は、フットブレーキスイッチ25からの検出信号
に基づいてなされる。ここで、フットブレーキ(図示せ
ず)が踏み込まれているとすると、フットブレーキスイ
ッチ25がオン状態になり、ブレーキング時であると判
断してステップS11に進む。
【0051】このステップS11においては、前車軸側
の電磁弁6のすべてが閉位置(オン状態)に切換駆動さ
れる一方、後車軸側の電磁弁6はすべて開位置(オフ状
態)にある。これにより、前車軸側のエアスプリング3
L,3Rのばね定数が大に切り換えられることから、こ
の後の前進停止時での車体20のノーズダイブを抑制す
ることが可能になる。
【0052】ステップS10において、フットブレーキ
スイッチ25がオフ状態でブレーキング時ではないと判
断された場合には、ステアリングがどのような角速度で
回せれているか、その角速度の大きさが判断される(ス
テップS12)。この判断は、ステアリング角速度セン
サ23からの検出信号に基づいて、ステアリング角速度
が所定判別値よりも大、即ち、車体20が急旋回しよう
としていると判断された場合には、前述したステップS
4へ進む。このステップS4では、全てのエアスプリン
グ3L,3Rのばね定数が大に切り換えられるので、急
旋回時の車体20のローリングを抑制できる。なお、前
記所定判別値は車速に応じ、車速の増大に伴って小さい
値に設定するようにしてもよい。
【0053】一方、ステップS12でステアリング角速
度が所定判別値以下と判断された場合には、車体20が
実際にローリングしているか否かが判断される(ステッ
プS13)。この判断は、ローリングセンサ24からの
検出信号、つまり、ローリング信号に基づいてなされ、
車体20にローリングが生じていると判断されたとき、
即ち、ローリングセンサ24がオン状態になっている場
合には、前述したステップS4に進むことになるが、本
実施例では、ステップS13とステップS4との間に、
必要に応じてステップS14が追加されている。
【0054】このステップS14では、ローリングセン
サ24でのオン作動が設定時間継続しているか否かが判
断され、この条件を満たすときに、ステップS4に進
み、全てのエアスプリング3L,3Rのばね定数を大に
切り換え、車体20のローリングを抑制する。一方、ロ
ーリングセンサ24のオン作動が設定時間を満たす前に
終了するか、または、ステップS13にてローリングセ
ンサ24の作動がオフ状態であると判断された場合に
は、ステップS15へ進む。
【0055】ステップS15では、左前車軸側の電磁弁
6および右後車軸側の電磁弁6が開位置(オフ状態)に
なるのに対し、右前車軸側の電磁弁6および左後車軸側
の電磁弁6が閉位置(オン状態)に切り換え駆動され
る。つまり、車体20において対角線上に位置する前後
車軸の一方側のエアスプリング3L,3Rは、そのばね
定数が大となり、他方側のエアスプリング3L,3Rの
ばね定数が小となる。
【0056】従って、この場合には、ステップS4のよ
うに全てのエアスプリング3L,3Rのばね定数を大に
切り換えた場合と、全てのエアスプリング3L,3Rの
ばね定数を小に切り換えた場合との中間の状態を得るこ
とができる。なお、ステップS15では、各エアスプリ
ング3L,3Rのばね定数に対応するように、ショック
アブソーバ19の減衰力をも切り換える。また、ステッ
プS4,S7,S11,S15からは、ステップS1に
戻り、上述した制御動作を繰り返すことになる。
【0057】このように、図5のステップS4〜S15
による制御動作にて、車体20の状態、つまり、前進/
後進,車速条件,ブレーキング,急旋回,ローリング状
態に応じて、各エアスプリング3L,3Rのハード/ソ
フトの切換制御が行なわれるので、車体20の揺れ(ノ
ーズアップ,ノーズダウン,ローリング)を有効に抑止
することができる。
【0058】さて、次に、電子コントローラ30の車高
調整用制御手段30bによる車高調整制御動作について
説明するが、その説明に先立ち、まず、図1に示した本
実施例のエアサスペンションの空圧回路による基本的な
車高調整動作について説明しておく。本実施例では、車
高の低下調整に際しては、エアシリンダ給排気用電磁弁
14をオン状態にすることにより、エア供給源9から電
磁弁14,ダブルチェック弁38を介してエアシリンダ
13への給気が行なわれ、このエアシリンダ13(セン
シングロッド12)が短縮する。これにより、揺動レバ
ー11が下方へ引かれ、レベリングバルブ10は車高が
高くなったのと同じ状態になって、各エアスプリング3
L,3R内のエアがレベリングバルブ10の排気管10
aから排出され車高の低下調整が行なわれるようになっ
ている。
【0059】このとき、本実施例では、車高の低下調整
に伴い電磁弁14をオン状態にした場合、これと同時に
エアスプリング排気用電磁弁16もタイマー35により
所定時間だけオン状態にする。これにより、レベリング
バルブ10を通さずに各エアスプリング3L,3R内の
エアが電磁弁16の排気管16dから排出され、車高は
急速に低下する。電磁弁16がオン状態になっている時
間(駆動時間)は、タイマー35により規定されている
ので、上述した急速な車高の低下は、所定位置で止ま
り、その後は上述したようにレベリングバルブ10の排
気管10aから徐々に排気されて正確な設定車高まで低
下調整が行なわれる。
【0060】一方、車高を低下状態から復帰(所定車高
まで上昇)させる際には、電磁弁14をオン状態からオ
フ状態に切り換えることにより、エアシリンダ13内の
エアがダブルチェック弁38および電磁弁14の第3接
続口14cを通じて排出され、このエアシリンダ13
(センシングロッド12)は通常の長さに復帰する。こ
れにより、揺動レバー11が押し上げられ、レベリング
バルブ10は車高が低くなったのと同じ状態になって、
レベリングバルブ10を介してエア供給源9からのエア
が各エアスプリング3L,3R内へ供給され車高の上昇
・復帰調整が行なわれるようになっている。
【0061】このとき、本実施例では、車高の復帰調整
に伴い電磁弁14をオフ状態にした場合、これと同時に
エアスプリング給気用電磁弁18もタイマー36により
所定時間だけオン状態にする。これにより、レベリング
バルブ10を通さずにエア供給源9からのエアが電磁弁
18を介して各エアスプリング3L,3R内へ供給さ
れ、車高は急速に上昇する。この時も電磁弁18がオン
状態になっている時間(駆動時間)が、タイマー36に
より規定されているので、上述した急速な車高の上昇
は、所定位置で止まり、その後は上述したようにレベリ
ングバルブ10を介してエア供給源9から徐々に給気さ
れて正確な設定車高まで復帰(上昇)調整が行なわれ
る。
【0062】本実施例では、上述のごとく行なわれる車
高調整動作を利用して、以下のように車高低下/復帰調
整が行なわれる。この車高低下/復帰調整は、車高ダウ
ンスイッチ32をオン/オフ操作することにより行なわ
れる。車高ダウンスイッチ32をオンとして車高低下調
整を行なう場合には、車高調整用制御手段30bによ
り、前後のエアシリンダ給排気用電磁弁14がオン状態
に駆動されるとともに、前後のエアスプリング排気用電
磁弁16がタイマー35を介し所定時間だけオン状態に
駆動される。なお、タイマー35により設定される前後
の電磁弁16のオン駆動時間は、必要に応じて前後それ
ぞれ異なる値に設定してもよい。
【0063】このとき、ECS用制御手段30aの図5
のステップS3,S4による処理動作により、電磁弁1
6(もしくは電磁弁14)がオン状態になると、標準車
高への復帰が完了するまで、ECS用電磁弁6が強制的
にオン状態に切り換えられ閉位置に切換駆動され、エア
スプリング3L,3Rと各補助エアタンク5との連通が
断たれる。これにより、車高低下調整時において、電磁
弁16からの排気対象となるエア室の容積を、エアスプ
リング3L,3Rのみとして小さくでき、また、車体2
0の全てのエアスプリング3L,3Rについて、これら
のエアスプリング3L,3Rから適当量のエアが、レベ
リングバルブ10を通さずに電磁弁16から排出される
ことになるので、各エアスプリング3L,3R内に適当
量のエアを残しながら車体20全体の車高低下調整が極
めて短時間で行なわれる。
【0064】このような車高低下調整時には、車体20
が走行中であっても各エアスプリング3L,3R内にエ
アを残した状態で車体20全体の車高が低下され、車高
制限のあるトンネルを通過する際などに適している。ま
た、このとき、車高ダウン中を通じて(車高が標準車高
に復帰するまで)、ECS用電磁弁6が強制的にオン状
態に切り換えられ閉位置に切換駆動され続けるので、各
エアスプリング3L,3Rはばね定数の大きいハード状
態になっており、路面が荒れていても車体変動を抑制で
き、トンネル内で車高ダウン状態で走行しても車体20
の挙動を抑えながら安全に走行することができる。
【0065】一方、車体20の車高低下状態から標準車
高位置への復帰調整は、車高ダウンスイッチ32のオフ
操作を検知した場合に次のように行なわれる。つまり、
車高調整用制御手段30bにより、全てのエアスプリン
グ給気用電磁弁18がタイマー36を介し所定時間だけ
オン状態に駆動されるとともに、全てのエアシリンダ給
排気用電磁弁14がオフ状態に駆動される。
【0066】このときも、前述した通り車体20の車高
が標準車高に復帰するまでは、ECS用電磁弁6が強制
的にオン状態に切り換えられ閉位置に切換駆動されてい
るので、エアスプリング3L,3Rと各補助エアタンク
5との連通が断たれたままである。従って、車高復帰処
理時にも、電磁弁18への給気対象となるエア室の容積
が、エアスプリング3L,3Rのみで小さくでき、さら
に、車体20の全てのエアスプリング3L,3Rについ
て、これらのエアスプリング3L,3Rへエア供給源9
から適当量のエアが、レベリングバルブ10を通さずに
電磁弁18を介して供給されることになるので、車体2
0全体の標準車高への上昇つまり車高復帰が極めて短時
間で行なわれる。
【0067】ところで、エアシリンダ給排気用電磁弁1
4は、車高低下状態を保持するために、電磁弁14のオ
ン状態を保持してエアシリンダ13にエアを供給し続け
ているが、このような車高低下中に、前後の各電磁弁1
4に何らかの故障(フェール)が生じてオフ状態になっ
た場合、従来はオフ状態になった電磁弁14の第3接続
口14aからエアシリンダ13のエアが排出され車高が
標準車高まで復帰してしまっている。
【0068】しかし、上述のごとく構成された本実施例
の装置では、車高低下状態において、前後の電磁弁14
の少なくとも一方について何らかの異常を断線検知等に
より検知すると、車高調整用制御手段30bによりダイ
アグノシスランプ34が点灯され、その点灯を確認した
運転者等により手動弁37を手動操作することにより、
手動弁37およびダブルチェック弁38を介してエア供
給源9のエアがエアシリンダ13へ供給され続ける。
【0069】つまり、本実施例では、通常時に、電磁弁
14を介してエア供給源9からエアシリンダ13へ給気
が行なわれ車高低下状態になっている際には、ダブルチ
ェック弁38は、電磁弁14からの給気を受けてその内
部のピストン38dが図2(a)に示すように移動し、
その給気をエアシリンダ13へ送出するように切り換わ
っている。このとき、手動弁37は、ダブルチェック弁
38の第3接続口38cと外気とを連通接続した状態
(第2接続口37bと第3接続口37cとを接続した状
態)に保持されているため、ピストン38dは抵抗なく
図2(a)に示す状態に移動している。
【0070】これに対して、車高低下状態で電磁弁14
に何らかの異常(フェール)が生じダイグノシスランプ
34が点灯した場合には、手動弁37を手動操作してそ
の第1接続口37aと第2接続口37bとを接続した状
態に切り換えることにより、エア供給源9のエアが手動
弁37を通じてダブルチェック弁38の第3接続口38
cへ給気される。この給気を受けたダブルチェック弁3
8は、その内部のピストン38dが図2(b)に示すよ
うに移動し、手動弁37からの給気をエアシリンダ13
へ送出するように切り換わるため、車高低下状態が保持
されることになる。このとき、電磁弁14の異常に伴う
オフ変化により、ダブルチェック弁38の第2接続口3
8bが電磁弁14の第3接続口14cを介して外気と連
通接続された状態になるため、ピストン38dは抵抗な
く図2(b)に示す状態に移動する。
【0071】このように、本実施例の装置によれば、車
高低下状態で電磁弁14の異常によりこの電磁弁14が
オフ状態になっても、その異常に伴い手動弁37を操作
することで、エア供給源9のエアが手動弁37およびダ
ブルチェック弁38を介して強制的にエアシリンダ13
に供給され続けることになり、車高低下状態を保持でき
る。従って、例えば車体が車高制限のあるトンネル等を
通過すべく車高ダウン状態となっているような場合に電
磁弁14にフェールが生じても、車高の復帰により車体
20上部がトンネル等と干渉してしまうおそれがなく、
安全な走行を行なうことができる。
【0072】また、本実施例では、電磁弁16,18を
用いることでレベリングバルブ10を介さずに各エアス
プリング3L,3Rへのエアの給排気が行なわれるた
め、車高の低下/復帰調整が迅速に行なわれるだけでな
く、これらの電磁弁16,18による車高の低下/復帰
調整時には、ECS用制御手段30aによりECS用電
磁弁6が強制的に閉状態(オン状態)に駆動制御される
ため、各エアスプリング3L,3Rが補助エアタンク5
から遮断され、車高調整時における排気/給気の対象と
なるエア室の容積を小さくでき、車高の低下/復帰調整
をより迅速に行なえるようになって、電子制御エアサス
ペンション車における車高の低下/復帰調整を極めて短
時間で行なえるほか、車高の復帰調整時に、補助エアタ
ンク5と各エアスプリング3L,3Rとが遮断され排気
/給気の対象となるエア室の容積が小さいため、エアの
充填消費が少なくて済み、エアを圧縮供給するためのエ
アコンプレッサの寿命も長くできるなどの利点もある。
【0073】さらに、本実施例では、車高調整用制御手
段30bによる電磁弁16,18の駆動制御時間がそれ
ぞれタイマー35,36により規定されているので、電
磁弁16,18による急速な車高調整を所定の位置で確
実に停止させるように制御することが容易にでき、その
後の車高位置の微調整はレベリングバルブ10を用いて
行なわれるようになる。
【0074】なお、上記実施例では、本発明の装置をバ
スに適用し特に電子制御エアサスペンションを有するも
のに適用した場合について説明したが、本発明は、これ
らに限定されるものではなく、エアサスペンションを有
する車であれば、上記実施例と同様に適用され同様の作
用効果が得られる。また、上記実施例では、車高調整期
間中に亘ってECS用電磁弁6を強制的に閉状態(オン
状態)に駆動しているが、電磁弁16もしくは18がオ
ン状態になっている間のみECS用電磁弁6を閉状態に
駆動するようにしてもよい。この場合、車高ダウンモー
ドを選択し車体20の車高を所定位置まで低下させた状
態で、エアスプリング3L,3Rについてハード/ソフ
トの切換を行なうことができる。
【0075】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明のエアサス
ペンション車用車高調整装置によれば、車高調整用のエ
アシリンダに対する給気/排気の切換を行なう三方電磁
弁が前記エアシリンダへ給気している状態で該三方電磁
弁に異常が発生した時に手動操作されて前記エアシリン
ダに対する給気を行ないうる手動弁をそなえるととも
に、前記手動弁からの給気もしくは前記三方電磁弁から
の給気を受けると該給気による圧力にて切り換わり該給
気を前記エアシリンダへ送出するダブルチェック弁を、
前記の手動弁および三方電磁弁と前記エアシリンダとの
間に介装するという極めて簡素な構成により、車高低下
状態で三方電磁弁の異常によりこの三方電磁弁がオフ状
態になっても、その異常に伴い手動弁を操作すること
で、手動弁およびダブルチェック弁を介してエアシリン
ダへの給気が継続され、車高低下状態を保持できるの
で、車体が車高制限のあるトンネル等を通過すべく車体
全体を低下させた状態で三方電磁弁に故障が生じても、
車高が復帰するおそれがなく、安全な走行を行なえる利
点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例としてのエアサスペンション
車用車高調整装置の空圧回路を示す構成図である。
【図2】本実施例のダブルチェック弁の動作を説明する
ためのもので、(a)は三方電磁弁からの給気を受ける
ダブルチェック弁を示す断面図、(b)は手動弁からの
給気を受けるダブルチェック弁を示す断面図である。
【図3】本実施例の装置の構成を示すブロック図であ
る。
【図4】本実施例の装置をそなえたバス(電子制御エア
サスペンション車)を示す斜視図である。
【図5】本実施例のECS用制御手段による制御処理動
作を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
1 前車軸側サスペンション部 2 後車軸側サスペンション部 3L,3R エアスプリング 4 接続管路 5 補助エアタンク 6 エアサスペンション(ECS)用電磁弁 7 分岐供給管路 8 主供給管路 8a サプライバルブ 9 エア供給源 10 レベリングバルブ 10a 排気管 11 揺動レバー 12 センシングロッド 13 エアシリンダ 14 エアシリンダ給排気用電磁弁(三方電磁弁) 14c 第3接続口(排気口) 15 分岐供給管路 16 エアスプリング排気用電磁弁 17 分岐供給管路 18 エアスプリング給気用電磁弁 19 ショックアブソーバ 20 車体 21 圧力センサ 22 車速センサ 23 ステアリング角速度センサ 23a ステアリング 24 ローリングセンサ 25 フットブレーキスイッチ 26 バックアップランプスイッチ 27 パーキングスイッチ 28 車高センサ 29 インジケータ 30 電子コントローラ 30a エアサスペンション(ECS)用制御手段 30b 車高調整用制御手段 31 オート/ハード選択スイッチ 32 車高ダウンスイッチ 33 ニーリングスイッチ 34 ダイアグノシスランプ 35,36 タイマー 37 手動弁 38 ダブルチェック弁 38d ピストン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 矢田 芳彦 愛知県名古屋市港区大江町2番地 三菱自 動車エンジニアリング株式会社名古屋事業 所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車体と前後左右の各車軸との間に少なく
    とも1個ずつ設けられ該車体を支持するエアスプリング
    をそなえるとともに、前記エアスプリングと該エアスプ
    リングにエアを供給するエア供給源との間にレベリング
    バルブをそなえ、該レベリングバルブのセンシングロッ
    ドに給気に伴って短縮するエアシリンダを介装し、該エ
    アシリンダに対する給気/排気の切換を行なう三方電磁
    弁をそなえ、該三方電磁弁を駆動制御することにより前
    記車体の車高の低下/復帰調整を行なうエアサスペンシ
    ョン車用車高調整装置において、 前記三方電磁弁が前記エアシリンダへ給気している状態
    で該三方電磁弁に異常が発生した時に手動操作されて前
    記エアシリンダに対する給気を行ないうる手動弁がそな
    えられるとともに、 前記手動弁からの給気もしくは前記三方電磁弁からの給
    気を受けると該給気による圧力にて切り換わり該給気を
    前記エアシリンダへ送出するダブルチェック弁が、前記
    の手動弁および三方電磁弁と前記エアシリンダとの間に
    介装されていることを特徴とする、エアサスペンション
    車用車高調整装置。
JP521992A 1992-01-14 1992-01-14 エアサスペンション車用車高調整装置 Withdrawn JPH05193335A (ja)

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JP521992A Withdrawn JPH05193335A (ja) 1992-01-14 1992-01-14 エアサスペンション車用車高調整装置

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JP (1) JPH05193335A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007015610A (ja) * 2005-07-08 2007-01-25 Murata Mfg Co Ltd 自動車用フロントガラス

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JP2007015610A (ja) * 2005-07-08 2007-01-25 Murata Mfg Co Ltd 自動車用フロントガラス

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