JP3058281B2 - 電子制御流体圧サスペンション - Google Patents

電子制御流体圧サスペンション

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JP3058281B2
JP3058281B2 JP2227102A JP22710290A JP3058281B2 JP 3058281 B2 JP3058281 B2 JP 3058281B2 JP 2227102 A JP2227102 A JP 2227102A JP 22710290 A JP22710290 A JP 22710290A JP 3058281 B2 JP3058281 B2 JP 3058281B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本願発明は、車体及び各車輪間に油圧シリンダ等の流
体圧アクチュエータを個別に介装し、この流体圧アクチ
ュエータ内の作動流体を給排することにより車高調整可
能な電子制御流体圧サスペンションに関する。
〔従来の技術〕
従来、種々の車高調整装置を備えたサスペンションが
使用されているが、その一つとして、例えば特開昭62−
261512号公報記載のサスペンションが知られている。
この公報記載の従来サスペンションは、複数の車輪位
置について、各車高センサによって検出された実車高値
が目標車高領域より高いときは、サスペンション装置の
空気室から空気を排出させて車高を下げ、反対に実車高
値が目標車高領域より低いときは、コンプレッサを駆動
して又はリザーバータンクから空気室に空気を供給して
車高を上昇させ、これによって、複数の車輪位置の実車
高値が常時、目標車高領域内に収まるようにしている。
しかし、このような従来の車高調整装置は、あくまで
路面と車体とが平行になるように空気室等のアクチュエ
ータを制御するものであり、坂道や路肩などの傾斜地に
停車させた場合には、その傾斜面と平行な車体フロアー
面となる。これは、例えば車内で睡眠をとったり、作業
を行うときは、必ずしも都合の良い車両姿勢では無かっ
た。
そこで、停車時において、フロアー面を絶対空間で水
平にしたり、任意の角度で調整したりすることが可能な
車高調整装置が考えられる。この車高調整装置は、乗員
が停車時に操作可能な、指示器としての例えばジョイス
ティックを備えている。このジョイスティックは、その
操作に応じて車高調整を行いたい単独(例えば前左側)
又は複数(前輪側,即ち前左,前右側)の車輪位置に対
応した信号を出力し、この信号を受けた制御手段は、指
示された車輪位置の流体室に対する作動流体を給排させ
るから、所望の車輪位置の車高が上昇又は下降し、これ
により、車体の傾きをマニアル操作で修正可能にする
(これを、「4軸車高制御」と称する)。
〔発明が解決しようとする課題〕
このような4軸車高制御を行わせる場合、車高をアッ
プさせるのかダウンさせるのかをも合わせて指示する必
要がある。これに対しては、指示器としての例えばジョ
イスティックをアップ用とダウン用の2個併設する構成
が通常採られるが、そのようにすると、当然のことなが
ら、その外観形態が酷似しているから、乗員にとって見
間違い易く、例えばアップ時に誤待ってダウン操作を行
ってしまい、車体と路上突起等とを干渉させる等の恐れ
があった。また、同じジョイスティックを2個設けるこ
とは、コスト高ともなる。
本願発明は、このような従来技術が有する未解決の問
題に鑑みてなされたもので、その解決しようとする課題
は、フロアー面を絶対空間で水平にしたり、任意の角度
に調整したりすることを可能にすると共に、4軸車高制
御におけるアップ,ダウンのマニアル操作をコスト増を
招かない状態で明確にし、誤操作の入る余地を極力少な
くすることである。
〔課題を解決するための手段〕
上記課題を解決するため、請求項(1)記載の発明は
第1図に示すように、車体及び各車輪間に個別に介装さ
れた流体圧アクチュエータ100と、この各流体圧アクチ
ュエータ100に流路を介して接続された流体圧源101と、
前記流路内に前記各流体圧アクチュエータ100に対応し
て個別に介挿され且つ指令信号に応じて当該流体圧アク
チュエータ100の流体室を封止し又は前記流体圧源101の
吐出側若しくはドレン側に連通させる切換機構102とを
備え、車高調整を行う方向がアップ方向か又はダウン方
向かを手動で指示する方向指示器103と、車高調整を行
う1輪又は隣接した2輪の位置を手動で指示する位置指
示器104と、停車状態を判断する停車判断手段105と、こ
の停車判断手段105により停車状態が判断されたとき
に、前記位置指示器104により指示された車輪位置に対
応する前記切換機構102に、前記方向指示器103により指
示された車高調整方向に対応する指令信号を出力する車
高変更指令手段106とを備えている。
切換機構102の各々は、前記流体圧源101の吐出側下流
に装備され且つ指令信号に応じて開閉するアンロード弁
と、このアンロード弁と前記各流体圧アクチュエータ10
0との間に介挿され且つ指令信号に応じて開閉する切換
弁とを備えるとともに、車高変更指令手段106は、前記
停車判断手段105により停車状態が判断されたときに、
前記方向指示器103によって車高アップ方向が指示され
た場合には、前記アンロード弁に該弁の閉状態に対応し
た指令信号を出力し、この後、前記切換弁に該弁の開状
態に対応した指令信号を出力する手段とした。
〔作用〕
本願発明の電子制御流体圧サスペンションにおいて、
例えば、停車状態手段105が停車状態を判断していると
きに、方向指示器103で車高アッを指示し、位置指示器1
04で車高アップさせたい車輪位置として車両前側2輪を
指示したとする。これにより、位置指示器104により指
示された前側2輪位置に対応する2個の切換機構102
に、方向指示器103により指示された車高アップの指令
信号が車高変更指令手段106より出力されるから、切換
機構102は、前側2輪位置の流体圧アクチュエータ100の
流体室と流体圧源101の吐出側とを連通させる。この結
果、流体室に作動流体が供給され、該アクチュエータ10
0が伸長して前側2輪位置の車高がアップする。
そこで前側2輪の車高が所望の値に達したとき、車高
アップ指示を止めると、車高変更指令手段106は切換機
構102に対する信号出力を中止する。これによって、前
側2輪の切換機構102は対応する流体圧アクチュエータ1
00の流体室を封止して作動流体を封じ込めるから、車体
は所望の傾き姿勢を保持する。
一方、車高をダウンさせたいときは、方向指示器103
による指示方向をダウン側とすることによって、上述と
同様に前側2輪位置の車高値が下がる。
この車高のアップ,ダウンは、位置指示器104のレバ
ー等の操作位置を変えることにより、他の2輪位置(例
えば車体右側,後側,車体左側)又は任意の1輪位置で
も同様である。この車高制御に関する操作において、車
高をアップさせるのかダウンさせるのかは、位置指示器
104とは別個の形態をとる方向指示器103によってなされ
るから、アップ側,ダウン側共に同一形態の指示器を併
設する場合に比べ、アップとダウンを取り違える等の誤
操作が確実に少なくなる。
また、停車状態が判断されたときに、方向指示器103
によって車高アップ方向が指示された場合には、車高変
更指令手段106によってアンロード弁が最初に閉状態に
設定される。これにより、それまで流体圧源101のタン
ク側に流れていた作動流体が切換弁まで先に供給されて
スタンバイ状態となる。この後、切換弁が開状態とされ
ることにより、アンロード弁の閉切換と切換弁の開切換
とを同時に行わせる場合に比べて、作動流体の供給に時
間遅れが無くなり、車高アップの無駄時間が排除され
る。
〔実施例〕
以下、本願発明の一実施例を添付図面の第2図乃至第
7図に基づいて説明する。本実施例は金属スプリング等
の補助バネを持たず、荷重を流体圧シリンダの発生する
力で受けるフル・ハイドロニューマチックサスペンショ
ンについて実施している。
第2図において、2FL〜2RRは前左〜後右車輪を,4は車
輪側部材を,6は車体側部材を夫々示し、8は電子制御油
圧サスペンション(電子制御流体圧サスペンション)を
示す。
電子制御油圧サスペンション8は、流体圧源としての
油圧源を成す油圧ポンプ10及びオイルタンク12と、この
油圧源の負荷側に配設されたアキュムレータ14,チェッ
ク弁16,油圧源側油路開閉部18及び前輪側,後輪側油路
開閉部20F,20Rと、各輪2FL〜2RR毎に設置されたサスペ
ンション特性可変機構22FL〜22RRと、流体圧アクチュエ
ータとしての油圧シリンダ24FL〜24RRと、4軸車高制御
のためのアップ・ダウンスイッチ25A,ジョイスティック
・スイッチ25B及びパーキング・スイッチ25Cと、車高セ
ンサ26FL〜26RR,加速度センサ28,及び車速センサ29を含
むセンサ群と、演算処理用のコントローラ30とを備えて
いる。
この内、油圧ポンプ10は車両エンジンを駆動源として
回転し、パワーステアリング装置及び油圧サスペンショ
ン8に油圧を吐出するタンデム型ポンプにより構成され
る。この油圧ポンプ10の吸い込み側は配管31によりオイ
ルタンク12に接続され、その吐出側は配管32に接続され
ている。この配管32の負荷側は、脈動吸収用のアキュム
レータ14に連通されるとともに、チェック弁16を介して
油圧源側油路開閉部18に接続される。
この油路開閉部18は、電磁操作型のアンロード弁34
と、所定リリーフ圧のリリーフ弁36と、油路を前後輪に
分配する分流路38とから成り、配管32はアンロード弁3
4,リリーフ弁36及び分流器38の油圧源側各ポートに連通
している。アンロード弁34は、その電磁ソレノイドに供
給される制御信号S1がオフのときに連通位置をとり、制
御信号S1がオンのときに遮断位置をとる、常時開の構造
を有する。このアンロード弁34及びリリーフ弁36のタン
ク側ポートは配管40によってオイルタンク12に接続され
ている。配管40の途中には濾過用のフィルタ42が介挿さ
れている。分流器38の負荷側の2つのポートには配管32
F,32Rが各々接続され、この配管32F,32Rが前輪側,後輪
側油路開閉部20F,20Rに各々接続されている。
前輪側油路開閉部20Fは、その油圧源側の位置におい
て入力ポートが配管32Fに接続された分流器42Fを備え、
この分流器42Fの負荷側に流量制限形チェック弁44FL,44
RR、電磁操作形2ポート切換弁46FL,46RR,48F、及びリ
リーフ弁50FL,50FRを備えている。これを詳述すると、
分流器42Fの2つの負荷側ポートは前左,前右輪側に対
応する配管32FL,32FRの一端に各々接続されている。こ
の内、前左輪側の配管32FLの他端は、逆止弁44FL,切換
弁46FLを介して別の切換弁48Fの一方のポート,及びリ
リーフ弁50FLの高圧側ポートに連通するとともに、前左
輪側のサスペンション特性可変機構22FLに至る。前右輪
側の配管32FRの他端も同様に、逆止弁44FR,切換弁46FR
を介して別の切換弁48Fの他方のポート,及びリリーフ
弁50FRの高圧側ポートに連通するとともに、前左輪側の
サスペンション特性可変機構22FRに至る。
配管32FL,32FRの各々に直列に介挿された切換弁46FL,
46FRは、その電磁ソレノイドに供給される制御信号S2
オフのときに内蔵するチェック弁に拠る遮断位置をと
り、制御信号S2がオンのときに連通位置をとる、常時閉
の構造を有する。また、配管32FL,32FR間に介挿される
切換弁48Fも、その電磁ソレノイドに供給される制御信
号S3がオフのときに内蔵するチェック弁に拠る遮断位置
をとり、制御信号S3がオンのときに連通位置をとる、常
時閉の構造を有する。
さらに、後輪側油路開閉部20Rも、後左,後右輪側に
作動油を分流させる分流器42R,流量制限形チェック弁44
RL,44RR,電磁操作形2ポート切換弁46RL,46RR,48R、及
びリリーフ弁50RL,50RRを備え、配管32RL,32RRを介して
前輪側と同一に接続されている。ここで、上記各リリー
フ弁50FL〜50RRは、負荷側の異常な圧力上昇を防止する
もので、通常採り得る圧力範囲よりも高い所定リリーフ
圧に設定され、その低圧側ポートは配管52によってタン
ク12に接続されている。
サスペンション特性可変機構22FL〜22RRのの各々は、
ガスばねとしてのフリーピストン形の第1,第2のアキュ
ムレータ54,56と、バネ定数可変用の2ポート切換弁58
と、減衰力を発生させる可変絞り60とを備えている。そ
して、配管32FLに、第1のアキュムレータ54が直接接続
され、第2のアキュムレータ56が切換弁58を介して接続
されるとともに、配管32FLに直列に可変絞り60FLを介挿
させている。切換弁58はモータ58Aをアクチュエータと
してその開,閉位置が切り換えられ、モータ58Aは駆動
信号S4によって回転するようになっている。また可変絞
り60もモータ60Aの回転に付勢されてその流路の広,狭
が調整され、モータ60Aには駆動信号S5が供給されるよ
うになっている。
さらに、油圧シリンダ24FL〜24RRの各々は第2図に示
すように、シリンダチューブ24aを有し、このシリンダ
チューブ24aにはピストン24bにより隔設された圧力室L
が形成されている。この圧力室Lに配管32FL(〜32RR)
が接続されている。そして、前輪側油圧シリンダ24FL,2
4FRでは、そのシリンダチューブ24aが車輪側部材4に取
り付けられ、ピストンロッド24cの端部が車体側部材6
に取り付けられ、反対に、後輪側油圧シリンダ24RL,24R
Rでは、そのシリンダチューブ24aが車体側部材6に取り
付けられ、ピストンロッド24cの端部が車輪側部材4に
取り付けられている。
一方、アップ・ダウンスイッチ25Aは本願発明の方向
指示器に対応するもので、アップ及びダウンの2つの指
示位置をとるスライドスイッチで構成され、その出力信
号UDはアップ位置のときに「オン」となり、ダウン位置
のときに「オフ」となる。また、ジョイスティック・ス
イッチ25Bは本願発明の位置指示器に対応するもので、
中心の中立位置Nへ自動復帰するスティック25Baを有
し、その中立位置Nから径方向に自在に投入可能であっ
て、第3図に示すように「前側」,「右側」,「後
側」,「左側」,「前左側」,「前右側」,「後右
側」,「後左側」の8方向を指示でき、それらの指示位
置に対応して「JS1」,「JS2」,「JS3」,「JS4」,
「JS5」,「JS6」,「JS7」,「JS8」のスイッチ信号JS
が得られるようになっている。さらに、パーキング・ス
イッチ25Cは、ギヤレバーの位置がパーキング位置のと
きにのみオンとなる信号PKを出力する。
また、車高センサ26FL〜26RRはポテンショメータ等で
構成され、車輪側部材4及び車体側部材6間に取り付け
られて、その相対離間量に応じた電圧値の車高信号HFL
〜HRRをコントローラ30に出力する。加速度センサ28は
車体の所定位置に装備され、車体に作用する横(車幅)
方向及び前後方向の加速度に応じた信号Gをコントロー
ラ30に出力する。車速センサ29は例えば変速機の出力軸
の回転数を検知すること等によって、車速に応じた信号
Vをコントローラ30に出力するようになっている。
コントローラ30は第4図に示すように、入力する車高
検出信号HFL〜HRR、及び加速度検出信号Gをゲイン倍す
るゲイン調整器70と、このゲイン調整器70の出力をディ
ジタル化するA/D変換器72と、車速検出信号V及びスイ
ッチ信号UD,JS,PKを入力するインターフェイス回路74
と、A/D変換器72及びインターフェイス回路74の出力信
号を取り込んで所定の処理を行うマイクロコンピュータ
(CPU)76と、このコンピュータ76が出力した制御信号
に応じて各ソレノイド及びモータを駆動する駆動回路78
とを備えている。コントローラ30はイグニッションスイ
ッチのオフ後も、所定時間電源オンを維持するタイマ機
構を備えている。
マイクロコンピュータ76は、予め記憶された所定プロ
グラムに基づき、加速度信号Gを入力し、切換弁58のモ
ータ58A及び可変絞り60のモータ60Aの回転を調節し、ば
ね定数及び減衰力を走行状態に応じて変更するととも
に、車高検出信号HFL〜HRR及び車速信号Vを入力し、車
体平均の車高値をアップ,ダウンさせる自動車高制御を
行う一方で、後述する第5図及び第6図の処理に基づい
てマニアル操作による4軸車高制御を行うようになって
いる。
次に、本実施例の動作を説明する。
最初に、コントローラ30で実施される第5,6図のフロ
ーチャートを説明する。第6図の処理は第5図の処理実
行中にサブルーチンとして実行されるもので、その代表
フローを示す。
コントローラ30はイグニッションスイッチのオンで起
動して第5図の処理を開始し、イグニッションスイッチ
がオフとなるまでその処理を続ける。
起動すると、マイクロコンピュータ76は第5図ステッ
プにて、パーキング・スイッチ25Cのスイッチ信号PK
がオンとなったか否かをみることにより、停車状態とな
るまで待機する。
この処理にてパーキングスイッチ25Cがオンとなった
停車状態であると判断されたときは、ステップに移行
し、アップ・ダウンスイッチ25Aのスイッチ信号UDを入
力する。この後、ステップに移行して、ステップの
読込み信号UDが車高アップに対応するUD=オンか否かを
みて、車高アップか否かを判断する。この判断にて「YE
S」となるときは、ステップに移行して制御信号S1
オンとし、これよりアンロード弁34を閉状態(遮断位
置)とする。また、ステップにて「NO」の判断となる
ときは、ステップに移行して制御信号S1=オフとし、
これよりアンロード弁34を開状態(連通位置)とする。
このステップ又はの処理が済むとステップに移
行して、ジョイスティックスイッチ25Bの出力信号JSを
入力した後、ステップに移行する。ステップではス
テップの読込み信号が、ジョイスティック25Bの中立
位置Nに対応したJS=オフか否かをみて、スティック25
Baが操作されたかどうかを判断する。
このステップの判断が「NO」の場合は、ジョイステ
ィックスイッチ25Bの未操作であるとしてステップに
戻るが、「YES」の場合は、続けてステップ〜の判
断を順次行う。この内、ステップにてステップの読
み込み値JSから車体の前側アップ又はダウンが指令され
ているか否かを、JS=JS1か否かにより判断する。この
ステップにて「NO」のときは、ステップにて車体の
右側アップ又はダウンが指令されているか否かを、JS=
JS2か否かにより判断する。同様にして、ステップ,
で、後側アップ又はダウン指令(JS=JS3)か否か、
左側アップ又はダウン指令(JS=JS4)か否かを夫々判
断する。
さらに、ステップにて「NO」の場合は、ステップ
で前左側アップ又はダウン(JS=JS5)が指令されてい
るか否かを判断する。同様にして、ステップ〜に
て、前右側アップ又はダウン指令(JS=JS6)か否か、
後右側アップ又はダウン指令(JS=JS7)か否か、後左
側アップ又はダウン指令(JS=JS8)を各々判断する。
そして、ステップでも「NO」となるときは、位置指令
が遊びの状態にあるとしてステップに戻る。
一方、ステップ,,,で「YES」の判断とな
るときは、夫々、ステップ,,,に移行し、第
6図で代表されるサブルーチン処理を行う。
この内、ステップのサブルーチン処理は前左側切換
弁46FL,前右側切換弁46FRに対して行うもので、マイク
ロコンピュータ76は、第6図のステップにおいて両切
換弁46FL,46FRに対する制御信号S2,S2のみをオンにす
る。これにより、両切換弁46FL,46FRが開状態となり、
前側の油圧シリンダ24FL,24FRのシリンダ室Lと油圧源
とが連通する。
次いでステップに移行してジョイスティック信号JS
を入力し、この後ステップに移行する。このステップ
でステップの読み込み値JSが変化したか否かをみ
て、ジョイスティックスイッチ25Bのスティック位置が
変更された(中立位置Nも含まれる)か否かを判断す
る。この判断にて「NO」の場合は、車体前側アップ又は
ダウンの継続中であるとしてステップに戻る。「YE
S」の場合は車体前側アップ又はダウンの操作を終了又
は中止しようとしているとして、次いでステップの処
理に移行する。
ステップでは、前左側切換弁46FL,前右側切換弁46F
Rに対する制御信号S2,S2をオフとし、これにより両切換
弁46FL,46FRが閉状態となる。このため、前左,前右側
油圧シリンダ24FL,24FRのシリンダ室と油圧源とが遮断
される。
この後、マイクロコンピュータ76は第5図のステップ
にその処理を戻す。
これと同様にして、第5図ステップのサブルーチン
処理では前右側切換弁46FR,後右側切換弁46RRに対する
処理を、ステップでは後右側切換弁46RR,後左側切換
弁46RLに対する処理を、さらにステップでは後左側切
換弁46RL,前左側切換弁46FLに対する処理を行う。
一方、ステップ,,,で「YES」の判断とな
るときは、夫々、ステップ,,,に移行し、第
6図で代表されるサブルーチン処理を行う。これらのス
テップ,,,のサブルーチン処理は、前述した
ステップ,,,のサブルーチン処理とは異な
り、各々、1個の切換弁のみの開閉を制御するもので、
ステップの処理では前左側切換弁46FL,ステップの
処理では前右側切換弁46FR、ステップでは後右側切換
弁46RR、及びステップでは後左側切換弁46RLの制御を
前述と同様にして行う。
本実施例では、油圧源側のアンロード弁34及び各輪負
荷側の電磁切換弁46FL(〜46RR)が本願発明の各輪毎の
切換機構に相当している。また、パーキング・スイッチ
25C及び第5図ステップの処理が停車判断手段を形成
し、インターフェイス回路74,第5図ステップ〜の
処理,及び駆動回路78が車高変更指令手段を形成してい
る。
次に、本実施例の全体動作を説明する。
車両がアイドリング状態であり、パーキングスイッチ
25Cがオンとなる停車状態にあると、コントローラ30の
マイクロコンピュータ76は4軸車高制御に係る前述した
第5,6図の処理を時刻t0で開始する。
いま、坂道に停車し、車両の前側が低くなっているも
のの、乗員がジョイスティックスイッチ25Bを操作しな
い状態では、マイクロコンピュータ76は第5図ステップ
〜の処理を繰り返して待機する(このときの連通弁
48F,48Rは閉)。これにより、アップ・ダウンスイッチ2
5Aの指示位置がアップ側のときはアンロード弁34が閉状
態(制御信号S1:オン)となり、油圧ポンプ10の吐出圧
が切換弁46FL〜46RRまで事前に供給され、車高アップ時
に対するスタンバイ状態となる(第7図t0〜t1参照)。
一方、ダウン側のときは、アンロード弁34を開状態と
し、これによりポンプ吐出油は全てタンク12に流れ込ん
で消費流量が少なくなる。
この停車状態において、車体前側のみを車高アップさ
せて絶対空間でほぼ水平の車体姿勢を採りたいとして、
乗員がアップ・ダウンスイッチ25Aをアップ側にしたま
まとし、ジョイスティックスイッチ25Bのスティック25B
aを「前側」位置に投入する。これにより、前述したよ
うに、アンロード弁34が先に閉じてスタンバイ状態とな
り、その後、マイクロコンピュータ76はその処理を第5
図ステップ〜からステップ,に移行させ、前輪
側の制御信号S2,S2:オンとするから、前輪側の切換弁46
FL,46RRが開となって、作動油が前輪側の両油圧シリン
ダ24FL,24FRに供給される。この結果、作動油の供給量
に比例して前輪側の車高値が上昇する。
そこで、ほぼ水平の車体姿勢となったところで、乗員
がスティック25Baを離すと、スティック25Baは自動復帰
によってその中立位置Nに戻る。これに付勢されて、マ
イクロコンピュータ76は第6図ステップ,の処理を
行うから、前輪側の切換弁46FL,46FRが閉状態に戻さ
れ、油圧シリンダ24FL,24FRの作動油が封じ込められ
て、スティック25Baを離した時点の車高値が保持され
る。
しかし、車体の傾きを更に修正(例えばアップ)した
い場合は、ジョイスティックスイッチ25Bを中立位置N
から所望位置に再投入すればよい。これにより、第5図
の処理が繰り返され、係る所望位置が例えば「左側」で
あるなら、上述した「前側」のものと同様にして、前左
側,後左側の油圧シリンダ24FL,24RLに作動油が供給さ
れて車体左側のみがアップされる。また、例えば「前左
側」であるならば、前左側の油圧シリンダ24FLにのみに
作動油が供給されて前左側の車高値がアップする。
一方、車高値をダウンさせたい場合は、アップ・ダウ
ンスイッチ25Aをダウン側にスライドさせた状態で、前
述の操作を行えばよい。これにより、アンロード弁34が
先に開状態となり、次いで該当する切換弁46FL〜46RRが
開状態となり、シリンダの作動油が排出されて所望位置
の車高が低下する。
このようにして傾斜地や路肩に停車した後、車体の傾
きをマニアル制御によって任意に調整でき、車内での仮
眠や作業も容易になる。このマニアル操作に際して、外
観形態が異なるアップ・ダウンスイッチ25A及びジョイ
スティック・スイッチ25Bが取り付けられているから、
アップ側,ダウン側共にジョイスティック・スイッチを
併設する場合とは異なり、車高アップ,ダウンの識別が
容易になり、また機能も差別化,明確化されて、アップ
とダウンの操作間違いも確実に少なくなって、良好な操
作性が得られる。一方、ジョイスティック・スイッチを
併設する場合に比べて、部品コストが低くなる利点もあ
る。
また、本実施例では車高アップの際、先にアップ・ダ
ウンの指令内容をみてアンロード弁34を閉としてスタン
バイ状態とするので、アンロード弁34の「閉」と切換弁
46FL〜46RRの「開」とを同時に行う場合に比べて、油圧
シリンダ24FL〜24RRへの作動油供給の時間遅れが少なく
なる。この結果、アップ・ダウンスイッチ25A及びジョ
イスティック・スイッチ25Bの操作順序の如何に関わら
ず、乗員の操作感覚面では、先にアップ・ダウンスイッ
チ25Aを操作したのと等価になり、車高アップ時におけ
るトータルの調整時間が短縮され、操作効率が良くな
る。
一方、イグニッションスイッチがオン状態にあるとす
ると、コントローラ30は所定プログラムに基づき、加速
度センサ28の検出信号Gを入力し、所定のロール条件や
加速,減速条件が成立したときには、ガスばね定数大,
減衰力大の方向に電磁切換弁58及び可変絞り60を制御し
て走行中の車体姿勢の変化を抑制するとともに、それら
の条件が成立しないときには、ガスばね定数小、減衰力
小の方向に制御して路面から車体に伝達される振動を小
さくし、乗心地を良好にする。
また、コントローラ30は、車高センサ26FL〜26RRの検
出信号HFL〜HRRに基づき、その平均車高値が目標車高域
から外れたか否かを判断し、外れた場合には車高をアッ
プ又はダウンさせる処理を例えば特開昭63−154413号に
示す手法(所謂,3軸車高制御)を用いて行う。このと
き、車高をアップさせる場合、制御信号S1をオン,前後
輪何れかの制御信号S3をオンとし、且つ、各制御信号S2
をオンとして行われる。これにより、アンロード弁34が
閉状態,前後輪何れかの連通弁48F,48Rが開状態,各切
換弁46FL〜46RRが開状態となり、ポンプ10から吐出され
た作動油が各油圧シリンダ24FL〜24RRに流れ込んで車高
アップとなる。反対に、車高をダウンさせる場合、制御
信号S1をオフ,前後輪何れかの制御信号S3をオンとし、
且つ、各制御信号S2をオンとして行われる。これによ
り、アンロード弁34が開状態,前後輪何れかの連通弁48
F,48Rが開状態,各切換弁46FL〜46RRが開状態となり、
油圧シリンダ24FL〜24RRの作動油がタンク12に流れ出て
車高ダウンとなる。このとき、車速値Vを加味して、高
速状態では目標車高値を低下させる。
なお、前記各実施例においては作動流体が油の場合に
ついて説明したが、本願発明は必ずしもこれに限定され
ることなく、圧縮率の少ない気体であってもよい。
また、本願発明の流体圧アクチュエータは前述した実
施例記載の油圧シリンダに限定されることなく、例えば
特開昭63−154413号記載のように、サスペンション装置
内に弾性体による空気室を各輪毎に設けた構成のもので
もよい。
さらに、本願発明の車高変更指令手段は、前述した実
施例記載のように、先にアンロード弁34を切換制御し、
次いで電磁切換弁46FL〜46RRを切換制御する制御ロジッ
クに限定されるものではなく、例えば、車高アップ時の
調整時間は若干長くなるものの、アンロード弁34及び電
磁切換弁46FL〜46RRを同時に切換制御することもでき
る。
さらにまた、本願発明の切換機構は、前述した実施例
記載のように、アンロード弁及び2ポート2位置の電磁
切換弁を搭載する構成に限定されるものでは無く、例え
ばその電磁切換弁の代わりに、制御信号のオン,オフに
応じて「ポンプ側に連通」,「遮断」,「タンク側に連
通」する切換位置を有する3ポート3位置の電磁切換弁
を用いてもよい。
〔発明の効果〕
以上説明したように本願発明では、車高調整を行う方
向がアップ方向か又はダウン方向かを手動で指示する方
向指示器と、車高調整を行う1輪又は隣接した2輪の位
置を手動で指示する位置指示器とを設け、停車状態が判
断されたときに、位置指示器により指示された車輪位置
に対応する切換機構に、方向指示器により指示された車
高調整方向の指令信号を出力して切換機構を制御するよ
うにしたため、フロアー面を絶対空間で水平にしたり、
任意の角度に調整したりすることが可能になり、更に、
例えばジョイスティック・スイッチをアップ側,ダウン
側で併設したスイッチ構造のものに比べて、指示器相互
の機能相違が明確になり且つ外観形状が異なることか
ら、アップ側とダウン側とを取り違える可能性が少なく
なり、部品コストの増加を招かずに操作性が確実に向上
するとともに、車高アップ時のトータルの調整時間が短
縮されるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は夫々クレーム対応図、第2図乃至第7図は本願
発明の一実施例を示す図であって、第2図は全体構成を
示すブロック図、第3図はジョイスティック・スイッチ
の指示位置を示す説明図、第4図はコントローラのブロ
ック図、第5図及び第6図はマニアル操作に応じてコン
トローラにて実行される4軸車高制御の処理手順例を示
す概略フローチャート、第7図は切換弁のポンプ側圧力
の変化の一例を示すタイミングチャートである。 図中、100……流体圧アクチュエータ、101……流体圧
源、102……切換機構、103……方向指示器、104……位
置指示器、105……停車判断手段、106……車高変更指令
手段、 4……車輪側部材、6……車体側部材、8……電子制御
油圧サスペンション、10……油圧ポンプ、12……リザー
バータンク、24FL〜24RR……油圧シリンダ、25A……ア
ップ・ダウンスイッチ、25B……ジョイスティック・ス
イッチ、25C……パーキング・スイッチ、30……コント
ローラ、34……アンロード弁、46FL〜46RR……電磁切換
弁、である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中島 富男 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日 産自動車株式会社内 (72)発明者 森 保生 岐阜県可児市土田2548番地 カヤバ工業 株式会社岐阜北工場内 (72)発明者 高瀬 孝次 岐阜県可児市土田2548番地 カヤバ工業 株式会社岐阜北工場内 (72)発明者 可児 旭 岐阜県可児市土田2548番地 カヤバ工業 株式会社岐阜北工場内 (56)参考文献 特開 平4−50017(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60G 17/015

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】車体及び各車輪間に個別に介装された流体
    圧アクチュエータと、この各流体圧アクチュエータに流
    路を介して接続された流体圧源と、前記流路内に前記各
    流体圧アクチュエータに対応して個別に介挿され且つ指
    令信号に応じて当該流体圧アクチュエータの流体室を封
    止し又は前記流体圧源の吐出側若しくはドレン側に連通
    させる切換機構とを備え、 車高調整を行なう方向がアップ方向か又はダウン方向か
    を手動で指示する方向指示器と、車高調整を行なう1輪
    又は隣接した2輪の位置を手動で指示する位置指示器
    と、停車状態を判断する停車判断手段と、この停車判断
    手段により停車状態が判断されたときに、前記位置指示
    器により指示された車輪位置に対応する前記切換機構
    に、前記方向指示器により指示された車高調整方向に対
    応する指令信号を出力する車高変更指令手段とを備え、 前記切換機構の各々は、前記流体圧源の吐出側下流に装
    備され且つ指令信号に応じて開閉するアンロード弁と、
    このアンロード弁と前記各流体圧アクチュエータとの間
    に介挿され且つ指令信号に応じて開閉する切換弁とを備
    えるとともに、 前記車高変更指令手段は、前記停車判断手段により停車
    状態が判断されたときに、前記方向指示器によって車高
    アップ方向が指示された場合には、前記アンロード弁に
    該弁の閉状態に対応した指令信号を出力し、この後、前
    記切換弁に該弁の開状態に対応した指令信号を出力する
    手段であることを特徴とする電子制御流体圧サスペンシ
    ョン。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007074822A1 (ja) * 2005-12-28 2007-07-05 Zenoah Co., Ltd. チェーンソー
US7946040B2 (en) 2005-11-15 2011-05-24 Husqvarna Zenoah Co., Ltd. Chainsaw
US8794196B2 (en) 2008-10-06 2014-08-05 Husqvarna Zenoah Co., Ltd. Chain saw

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WO2007074822A1 (ja) * 2005-12-28 2007-07-05 Zenoah Co., Ltd. チェーンソー
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