JP2738238B2 - 電子制御エアサスペンション車用車高調整装置 - Google Patents

電子制御エアサスペンション車用車高調整装置

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JP2738238B2
JP2738238B2 JP28473392A JP28473392A JP2738238B2 JP 2738238 B2 JP2738238 B2 JP 2738238B2 JP 28473392 A JP28473392 A JP 28473392A JP 28473392 A JP28473392 A JP 28473392A JP 2738238 B2 JP2738238 B2 JP 2738238B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エアサスペンションを
そなえた自動車において、そのエアサスペンションを用
いて車高を調整するための装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、高速走行の頻度が高い大型の観光
バス等では、その車体の懸架装置にエアスプリングを用
いたエアサスペンション車が主流になっている。エアサ
スペンション車は、エアスプリングに圧縮性流体である
空気(エア)を用いているため、リーフスプリングを用
いた通常のものに比べて優れた乗り心地が得られる他、
レベリングバルブを用いることによって積載状態に拘ら
ず一定車高を保てるなどの特徴を有している。
【0003】レベリングバルブは、通常、エアスプリン
グとこのエアスプリングにエアを供給するエア供給源と
の間に介装され、そのバルブ本体が車体のシャシフレー
ム側に固定されるとともに、レベリングバルブを駆動し
うる揺動レバーがセンシングロッドを介して車軸側に固
定されている。このレベリングバルブは、シャシフレー
ムの下面と各車軸との間の距離に応じ、エアスプリング
にエアを供給したり、エアスプリングからエアを排出し
たりして、車高を一定に保つように動作する。
【0004】そして、このようなレベリングバルブのセ
ンシングロッドに、給気に伴って短縮するエアシリンダ
を介装することにより、車体の車高調整が行なわれるよ
うになっている。つまり、エアシリンダに給気を行なっ
てセンシングロッドを短縮することで、シャシフレーム
の下面と車軸との間の距離が擬似的に大きくなり、レベ
リングバルブからエアスプリングのエアが排出されて車
高の低下調整が行なわれる。これに対して、エアシリン
ダから排気を行なってセンシングロッドを伸長すること
で、シャシフレームの下面と車軸との間の距離が小さく
なり、レベリングバルブを介してエア供給源からのエア
がエアスプリングに供給されて車高の復帰調整が行なわ
れる。
【0005】しかしながら、レベリングバルブのセンシ
ングロッドにエアシリンダを介装して前述のごとく車高
調整を行なう場合、エアスプリングに対するエアの供給
や排出がレベリングバルブを介してのみ行なわれている
ため、車高の低下/復帰調整に時間が長く(3〜5分程
度)かかるという課題があった。
【0006】そこで、車体の車高低下調整時に前記レベ
リングバルブを通さずに前記エアスプリングからエアを
排出する排気用電磁弁と、前記車体の車高復帰調整時に
前記レベリングバルブを通さずに前記エアスプリングへ
前記エア供給源からのエアを供給する給気用電磁弁と、
これらの排気用電磁弁および給気用電磁弁を前記車体の
車高調整時に駆動制御する車高調整用制御手段を設け、
車高の低下/復帰を短時間で行うようにした装置が提案
されている。
【0007】このような装置の車高調整制御手段の一例
としてニ−リングモ−ド時に停車状態で前記車体の扉位
置に応じた位置の前記エアスプリングについて該エアス
プリングから適当量のエアを排出し該扉位置に応じた車
体の位置を低下させるように排気用電磁弁を駆動制御す
るニ−リング処理が知られている。
【0008】この装置によるニ−リング処理が終了して
扉位置に応じた前記車体が低下しているニ−リング中
に、パ−キングブレ−キを引いているにも拘らず、車体
がブレ−キをひきずって動いた場合には、乗員の降車に
支障をきたすという問題がある。
【0009】本発明は、このような課題に鑑み創案され
たもので、扉位置に応じた前記車体が低下しているニ−
リング中に車速が検知された場合には、扉位置に応じた
前記車体の車高を復帰させて、ニ−リングしないように
して安全性を向上させることができる電子制御エアサス
ペンション車用車高調整装置を提供することを目的とす
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1に係わる電子制
御エアサスペンション車用車高調整装置は、車体と前後
左右の各車軸との間に少なくとも1個ずつ設けられ該車
体を支持するエアスプリングと、前記の各エアスプリン
グに連通接続される補助エアタンクと、前記のエアスプ
リングと補助エアタンクとの間に介装されるエアサスペ
ンション用電磁弁と、前記車体の状態に応じて前記エア
サスペンション用電磁弁の開閉状態を制御するエアサス
ペンション用制御手段とをそなえ、前記エアサスペンシ
ョン用電磁弁を前記エアサスペンション用制御手段にて
開閉制御し前記のエアスプリングと補助タンクとの間を
接断することにより前記エアスプリングのばね定数を調
整する電子制御エアサスペンション車用の車高調整装置
であって、前記エアスプリングと該エアスプリングにエ
アを供給するエア供給源との間にレベリングバルブをそ
なえ、該レベリングバルブのセンシングロッドに給気に
伴って短縮するエアシリンダを介装し、前記エアシリン
ダに対して給気/排気切換を行う三方電磁弁をそなえ、
該三方電磁弁を駆動制御することにより前記車体の車高
の低下/復帰調整を行なうものであり、前記車体の車高
低下調整時に前記レベリングバルブを通さずに前記エア
スプリングからエアを排出する排気用電磁弁と、前記車
体の車高復帰調整時に前記レベリングバルブを通さずに
前記エアスプリングへ前記エア供給源からのエアを供給
する給気用電磁弁と、ニ−リングモ−ド時に停車状態で
前記車体の扉位置に応じた位置の前記エアスプリングに
ついて該エアスプリングから適当量のエアを排出し前記
扉位置に応じた前記車体の位置を低下させるように排気
用電磁弁を駆動制御する車高調整用制御手段と、前記車
高調整用制御手段による前記車体の車高調整時には、前
記エアサスペンション用制御手段により前記エアサスペ
ンション用電磁弁が強制的に閉状態に駆動されている電
子制御エアサスペンション車用車高調整装置において、
前記車高調整用制御手段は前記ニ−リングモ−ドが完了
して前記扉位置に応じた前記車体が低下しているニ−リ
ング中に車速が検知された場合には前記三方電磁弁を駆
動制御して前記エアシリンダからのエアの排気を行なっ
て前記レベリングバルブを通してエアスプリングにエア
を供給して前記扉位置に応じた前記車体の車高を復帰さ
せる制御手段を備えたことを特徴とする。
【0011】請求項2に係わるエアサスペンション車用
車高調整装置は、車体と前後左右の各車軸との間に少な
くとも1個ずつ設けられ該車体を支持するエアスプリン
グをそなえるとともに、前記エアスプリングと該エアス
プリングにエアを供給するエア供給源との間にレベリン
グバルブをそなえ、該レベリングバルブのセンシングロ
ッドに給気に伴って短縮するエアシリンダを介装し、該
エアシリンダに対して給気/排気切換を行う三方電磁弁
をそなえ、該三方電磁弁を駆動制御することにより前記
車体の車高の低下/復帰調整を行ない、前記車体の車高
低下調整時に前記レベリングバルブを通さずに前記エア
スプリングからエアを排出する排気用電磁弁と、前記車
体の車高復帰調整時に前記レベリングバルブを通さずに
前記エアスプリングへ前記エア供給源からのエアを供給
する給気用電磁弁と、ニ−リングモ−ド時に停車状態で
前記車体の扉位置に応じた位置の前記エアスプリングに
ついて該エアスプリングから適当量のエアを排出し前記
扉位置に応じた前記車体の位置を低下させるように排気
用電磁弁を駆動制御する車高調整用制御手段とがそなえ
られ、前記車高調整用制御手段による前記車体の車高調
整時に、該車体が車高調整状態にあることを知らせる告
知手段がそなえられたエアサスペンション車用車高調整
装置において、前記車高調整用制御手段は前記ニ−リン
グモ−ドが完了して前記扉位置に応じた前記車体が低下
しているニ−リング中に車速が検知された場合には前記
三方電磁弁を駆動制御して前記エアシリンダからのエア
の排気を行なって前記レベリングバルブを通してエアス
プリングにエアを供給して前記扉位置に応じた前記車体
の車高を復帰させる制御手段を備えたことを特徴とす
る。
【0012】請求項3に係わるエアサスペンション車用
車高調整装置は、車体と前後左右の各車軸との間に少な
くとも1個ずつ設けられ該車体を支持するエアスプリン
グをそなえるとともに、前記エアスプリングと該エアス
プリングにエアを供給するエア供給源との間にレベリン
グバルブをそなえ、該レベリングバルブのセンシングロ
ッドに給気に伴って短縮するエアシリンダを介装し、該
エアシリンダに対する給気/排気の切換を行なう三方電
磁弁をそなえ、該三方電磁弁を駆動制御することにより
前記車体の車高の低下/復帰調整を行なうものであり、
前記三方電磁弁の排気口に、開状態で前記排気口を外気
へ連通しうるフェールセーフ弁が接続され、該フェール
セーフ弁が、通常時には、前記三方電磁弁が前記エアシ
リンダへ給気している状態で閉駆動され前記三方電磁弁
が前記エアシリンダから排気している状態で開駆動され
る一方、前記三方電磁弁が前記エアシリンダへ給気して
いる状態で該三方電磁弁に異常が発生した時には、閉状
態に保持されるように構成し、前記車体の車高低下調整
時に前記レベリングバルブを通さずに前記エアスプリン
グからエアを排出する排気用電磁弁と、前記車体の車高
復帰調整時に前記レベリングバルブを通さずに前記エア
スプリングへ前記エア供給源からのエアを供給する給気
用電磁弁と、ニ−リングモ−ド時に停車状態で前記車体
の扉位置に応じた位置の前記エアスプリングについて該
エアスプリングから適当量のエアを排出し前記扉位置に
応じた前記車体の位置を低下させるように排気用電磁弁
を駆動制御する車高調整用制御手段とがそなえられてい
るエアサスペンション車用車高調整装置において、前記
車高調整用制御手段は前記ニ−リングモ−ドが完了して
前記扉位置に応じた前記車体が低下しているニ−リング
中に車速が検知された場合には前記三方電磁弁を駆動制
御して前記エアシリンダからのエアの排気を行なって前
記レベリングバルブを通してエアスプリングにエアを供
給して前記扉位置に応じた前記車体の車高を復帰させる
制御手段を備えたことを特徴とする。
【0013】請求項4に係わるエアサスペンション車用
車高調整装置は、車体と前後左右の各車軸との間に少な
くとも1個ずつ設けられ該車体を支持するエアスプリン
グをそなえるとともに、前記エアスプリングと該エアス
プリングにエアを供給するエア供給源との間にレベリン
グバルブをそなえ、該レベリングバルブのセンシングロ
ッドに給気に伴って短縮するエアシリンダを介装し、該
エアシリンダに対する給気/排気の切換を行なう三方電
磁弁をそなえ、該三方電磁弁を駆動制御することにより
前記車体の車高の低下/復帰調整を行なうものであり、
前記三方電磁弁が前記エアシリンダへ給気している状態
で三方電磁弁に異常が発生した時手動操作されて前記エ
アシリンダに対する給気を行いうる手動弁がそなえらる
とともに、前記手動弁からの給気もしくは前記三方電磁
弁からの給気を受けると該給気による圧力にて切り換わ
り該給気を前記エアシリンダへ送出するダブルチェツク
弁が、前記の手動弁および三方電磁弁と前記エアシリン
ダとの間に介装されており、前記車体の車高低下調整時
に前記レベリングバルブを通さずに前記エアスプリング
からエアを排出する排気用電磁弁と、前記車体の車高復
帰調整時に前記レベリングバルブを通さずに前記エアス
プリングへ前記エア供給源からのエアを供給する給気用
電磁弁と、ニ−リングモ−ド時に停車状態で前記車体の
扉位置に応じた位置の前記エアスプリングについて該エ
アスプリングから適当量のエアを排出し前記扉位置に応
じた前記車体の位置を低下させるように排気用電磁弁を
駆動制御する車高調整用制御手段とがそなえられている
エアサスペンション車用車高調整装置において、前記車
高調整用制御手段は前記ニ−リングモ−ドが完了して前
記扉位置に応じた前記車体が低下しているニ−リング中
に車速が検知された場合には前記三方電磁弁を駆動制御
して前記エアシリンダからのエアの排気を行なって前記
レベリングバルブを通してエアスプリングにエアを供給
して前記扉位置に応じた前記車体の車高を復帰させる制
御手段を備えたことを特徴とする。
【0014】
【作用】請求項1〜4のいずれの装置の車高調整用制御
手段はニ−リングモ−ドが完了して扉位置に応じた車体
が低下しているニ−リング中に車速が検知された場合に
は三方電磁弁を駆動制御してエアシリンダからのエアの
排気を行なってレベリングバルブを通してエアスプリン
グにエアを供給して扉位置に応じた前記車体の車高を復
帰させるようにしたもので、ニ−リングの安全性を向上
させることができる。
【0015】
【実施例】以下、図面により、本発明の実施例について
説明すると、図1〜図12は本発明の第1実施例として
のエアサスペンション車用車高調整装置を示すもので、
図1はその構成を示すブロック図、図2はそのエアサス
ペンションの空圧回路を示す構成図、図3は本実施例の
装置をそなえたバス(電子制御エアサスペンション車)
を示す斜視図、図4はECS用制御手段による制御処理
動作を説明するためのフローチャート、図5は車高調整
用制御手段によるメインプログラムを示すフローチャー
ト、図6〜図11はそれぞれ車高調整用制御手段による
ニーリング処理動作,ニーリング復帰処理動作,車高ダ
ウン処理動作,車高復帰処理動作,エアシリンダ給排気
用電磁弁の監視処理動作,フェリー乗船モード選択時の
処理動作を説明するためのフローチャート、図12はブ
ザー鳴動/ランプ表示用制御手段によるブザー鳴動処理
動作を説明するためのフローチャートである。
【0016】第1実施例では、本発明の車高調整装置
を、電子制御エアサスペンション(ECS)を有する図
3に示すような大型自動車(ハイデッカータイプの観光
バス等)に適用した場合について説明する。また、この
第1実施例の電子制御エアサスペンションは、図2に示
すように、前車軸側サスペンション部1と後車軸側サス
ペンション部2とをそなえており、前車軸側サスペンシ
ョン部1は、左右の前車軸に対応して一対のエアスプリ
ング3L,3Rを有しており、これらのエアスプリング
3L,3Rは、各前車軸と車体20(図3参照)との間
に配設されて、車体20を支持するものである。後車軸
側サスペンション部2も前車軸側サスペンション部1と
ほぼ同様に構成されているが、この後車軸側サスペンシ
ョン部2は、左右の後車軸にそれぞれ一対のエアスプリ
ング3L,3L;3R,3Rを有して、車体20を支持
するものである。
【0017】各エアスプリング3L,3Rには、接続管
路4を介して補助エアタンク5,5がそれぞれ連通接続
され、各接続管路4には、常開型のオン/オフ制御弁か
らなるエアサスペンション用電磁弁(以下、ECS用電
磁弁という)6が介装されている。この電磁弁6によ
り、互いに組をなすエアスプリング3L,3Rと各補助
エアタンク5,5との間の連通を接断することにより、
各エアスプリング3L,3Rのばね定数が調整されるよ
うになっている。
【0018】ここで、ECS用電磁弁6のオン/オフ状
態(開閉状態)は、車体20の走行状態等に応じて、図
1にて後述する電子コントローラ30におけるエアサス
ペンション用制御手段(以下、ECS用制御手段とい
う)30aにより制御されるようになっている。また、
本実施例では、ECS用電磁弁6としては三方電磁弁が
用いられており、その第1接続口6aおよび第2接続口
6bには、接続管路4を介してそれぞれ補助エアタンク
5および各エアスプリング3L,3Rが接続されるとと
もに、第3接続口6cはプラグ6dにより閉塞されてい
る。
【0019】そして、電磁弁6のオフ時には、第1〜第
3接続口6a〜6cが全て連通された状態になり、エア
スプリング3L,3Rと各補助エアタンク5,5とが連
通され各エアスプリング3L,3Rのばね定数が小さい
状態となる一方、電磁弁6のオン時には、第2接続口6
bと第3接続口6cとが接続された状態になり、エアス
プリング3L,3Rと各補助エアタンク5,5との間の
連通が断たれ各エアスプリング3L,3Rのばね定数が
大きい状態になる。
【0020】ECS用電磁弁6と各エアスプリング3
L,3Rとの間の接続管路4には、分岐供給管路7を介
して主供給管路8が接続され、この主供給管路8は、エ
ア供給源9に接続されている。このエア供給源9は、バ
スのエンジンにより駆動されるエアコンプレッサ(図示
せず)からエアを供給されるもので、所定圧力のエアを
エアスプリング3L,3Rに向けて供給可能になってい
る。なお、主供給管路8にはサプライバルブ8aが介装
されており、このサプライバルブ8aを開放することに
よりエア供給源9からのエア供給が行なわれるようにな
っている。
【0021】さらに、各分岐供給管路7には、レベリン
グバルブ10が介装されている。各レベリングバルブ1
0は、車体20の上下動(車体20のシャシフレーム下
面と車軸との間の距離)に応じて開閉動作し、エアスプ
リング3L,3Rにエア(圧縮空気)を供給したり各エ
アスプリング3L,3Rからエアを排出したりすること
により、車体20の車高を一定の高さに調整する機能を
有するものである。
【0022】なお、各レベリングバルブ10には、この
レベリングバルブ10からエアを排出すべく外気に開放
された排気管10aが設けられている。また、本実施例
では、分岐供給管路7およびレベリングバルブ10は、
前車軸側サスペンション部1において、左右のエアスプ
リング3L,3Rに対応して左右一対そなえられるのに
対し、後車軸側サスペンション部2において、左右のエ
アスプリング3L,3Rについて1組のみそなえられて
いる。
【0023】各レベリングバルブ10は車体20側に固
定されるとともに、各レベリングバルブ10毎に、この
バルブ10を直接開閉駆動するための揺動レバー11
と、一端を揺動レバー11の先端に枢着され他端を各車
軸側に枢着されるセンシングロッド12と、このセンシ
ングロッド12に介装され給気に伴って短縮するエアシ
リンダ13とがそなえられている。
【0024】各エアシリンダ13には分岐供給管路15
を介して主供給管路8,エア供給源9が接続され、分岐
供給管路15には、エアシリンダ13に対する給気/排
気の切換を行ないエアシリンダ13を伸縮駆動するエア
シリンダ給排気用電磁弁14が介装されている。この電
磁弁14は三方電磁弁であり、その第1接続口14aお
よび第2接続口14bには、分岐供給管路15を介して
それぞれ主供給管路8およびエアシリンダ13が接続さ
れるとともに、第3接続口14cは外気へ開放され排気
口として機能している。
【0025】そして、電磁弁14のオフ時には、第2接
続口14bと第3接続口14cとが接続された状態にな
り、エアシリンダ13内のエアが排出されてエアシリン
ダ13は伸長しきった状態に保持される一方、電磁弁1
4のオン時には、第1接続口14aと第2接続口14b
とが接続された状態になり、エア供給源9から主供給管
路8および分岐供給管路15を介してエアが供給されて
エアシリンダ13は短縮するようになっている。
【0026】一方、各エアスプリング3L,3Rと各レ
ベリングバルブ10との間の分岐供給管路7にはエアス
プリング排気用電磁弁16が介装されるとともに、この
電磁弁16と各エアスプリング3L,3Rとの間の分岐
供給管路7には、分岐供給管路17,主供給管路8を介
してエア供給源9が接続されている。そして、分岐供給
管路17にはエアスプリング給気用電磁弁18が介装さ
れている。
【0027】排気用電磁弁16は、車体20の車高低下
調整時にオン状態となってレベリングバルブ10を通さ
ずに各エアスプリング3L,3R内のエアを排出する三
方電磁弁であり、この電磁弁16の第1接続口16aに
は、分岐供給管路7,レベリングバルブ10を介して主
供給管路8が接続され、第2接続口16bには分岐供給
管路7を介して各エアスプリング3L,3Rが接続さ
れ、第3接続口16cには外気に開放される排気管16
dが接続されている。
【0028】そして、電磁弁16のオフ時には、第1接
続口16aと第2接続口16bとが接続された状態にな
り、分岐供給管路7を介して各エアスプリング3L,3
Rと各レベリングバルブ10とが接続され、レベリング
バルブ10による通常の車高一定保持調整が行なわれる
一方、電磁弁16のオン時には、第2接続口16bと第
3接続口16cとが接続された状態になり、レベリング
バルブ10を通さずに各エアスプリング3L,3R内の
エアが外気に排出されるようになっている。
【0029】給気用電磁弁18は、車体20の車高復帰
調整時にオン状態となってレベリングバルブ10を通さ
ずに各エアスプリング3L,3Rへエア供給源9からの
エアを供給するもので、オフ時には閉状態になる一方、
オン時には開状態になって、分岐供給管路17および主
供給管路8を介してエア供給源9が接続され、エアが供
給されるようになっている。
【0030】上述した電磁弁14,排気用電磁弁16お
よび給気用電磁弁18は、図1にて後述する電子コント
ローラ30における車高調整用制御手段30bにより駆
動制御されるようになっている。
【0031】なお、図2には、前後左右の各車軸にそれ
ぞれ1個ずつ取り付けられたショックアブソーバ19が
概略的に示されており、これらのショックアブソーバ1
9は、公知の手段により、図1に示す電子コントローラ
30から与えられる制御信号にて、その減衰力をハード
またはソフトに変更できるように構成されている。ま
た、各補助エアタンク5には、その内部エア圧を検出す
る圧力センサ21が設けられている。
【0032】次に、図1〜図3により本実施例の車高調
整装置の詳細な構成について説明する。なお、図3にお
いては、各種センサ類やスイッチ類の配設位置を明確に
するためにタイヤ等が透視して示されている。まず、図
1,図3により本実施例におけるセンサ類およびスイッ
チ類について説明すると、これらの図1および図3にお
いて、21は前述した通り補助エアタンク5内のエア圧
を検出する圧力センサ、22は車体20の速度を検出す
る車速センサ、23はステアリング23aが回される際
の角速度を検出するステアリング角速度センサ、24は
車体20の横揺れ即ちローリングを検出するローリング
センサである。
【0033】また、25はフットブレーキ(図示せず)
が踏み込まれた際(ブレーキング時)にオン信号を出力
するフットブレーキスイッチ、26は車体20の前後進
を検出すべくトランスミッション(図示せず)が後退位
置に切り換えられた時にオン信号を出力するバックアッ
プランプスイッチ、27は車体20が駐車状態になった
場合(パーキングレバーを操作した場合)にオン信号を
出力するパーキングスイッチ、28は前後左右の各エア
スプリング3L,3Rの近傍位置にそなえられて該位置
における車体20の高さ(車高)を検出する車高セン
サ、29は本実施例のバスの運転席に設けられ各種セン
サによる検出結果等を表示するインジケータである。
【0034】さらに、31はECS用制御手段30aに
よるECS用電磁弁6の開閉制御を自動または手動制御
に切り換えるオート/ハード選択スイッチ、32は車体
20の車高調整として後述する車高ダウンモードを選択
する場合にオン操作される車高ダウンスイッチ、33は
車体20の車高調整として後述するニーリングモードを
選択する場合にオン操作されるニーリングスイッチ、3
4は車体20の車高調整として後述するフェリー乗船モ
ードを選択する場合にオン操作されるフェリー乗船スイ
ッチで、これらのスイッチ31〜34は、バスの運転席
にそなえられている。
【0035】なお、各センサ21〜24,28および各
スイッチ25,26,31からの信号は電子コントロー
ラ30のECS用制御手段30aに入力され、車速セン
サ22および各スイッチ27,32〜34からの信号は
電子コントローラ30の車高調整用制御手段30bに入
力されるほか、車高センサ28およびスイッチ32〜3
4からの信号は電子コントローラ30のブザー鳴動/ラ
ンプ表示用制御手段30cに入力されるようになってい
る。
【0036】さて、これらのセンサ類やスイッチ類から
の信号を受けて制御動作を行なう本実施例の電子コント
ローラ30は、図1に示すように、ECS用制御手段3
0a,車高調整用制御手段30bおよびブザー鳴動/ラ
ンプ表示用制御手段30cから構成されている。
【0037】ECS用制御手段30aは、図4にて後述
するフローチャートに従って動作し、ECS用電磁弁6
およびショックアブソーバ19を制御するもので、基本
的には、オート/ハード選択スイッチ31,車速センサ
22,ステアリング角速度センサ23,ローリングセン
サ24,フットブレーキスイッチ25,車高センサ28
などからの信号に応じて電磁弁6の開閉切換,ショック
アブソーバ19のソフト/ハード切換を行ない、サスペ
ンションの状態をソフトもしくはハードに切り換える機
能を有している。
【0038】そして、本実施例のECS用制御手段30
aは、後述の車高調整用制御手段30bによる車体20
の車高調整期間中(車高調整開始時から車高復帰完了ま
での間)には、ECS用電磁弁6を強制的に閉状態(オ
ン状態)に駆動制御する機能(図4のステップS3,S
4参照)を有している。
【0039】車高調整用制御手段30bは、図5〜図1
1にて後述する各フローチャートに従って動作し、エア
シリンダ給排気用電磁弁14,エアスプリング排気用電
磁弁16およびエアスプリング給気用電磁弁18を制御
するもので、基本的には、エアシリンダ給排気用電磁弁
14のオン/オフ操作によりエアシリンダ13に対して
給気あるいは排気を行なうことにより車体20の車高の
低下/復帰調整を行なうとともに、その車高調整時にエ
アスプリング排気用電磁弁16およびエアスプリング給
気用電磁弁18をオン/オフ制御することにより、レベ
リングバルブ10を通さずに各エアスプリング3L,3
R内のエアの排出もしくは各エアスプリング3L,3R
へエアの供給を行なう機能を有している。
【0040】そして、本実施例の車高調整用制御手段3
0bは、車高ダウンスイッチ32,ニーリングスイッチ
33,フェリー乗船スイッチ34のいずれかをオン操作
することにより車高ダウンモード,ニーリングモード,
フェリー乗船モードのいずれかを選択し、選択したモー
ドに応じた車高調整を電磁弁14,16,18の制御に
より行なうものである。
【0041】なお、車高ダウンモードでの車高調整制御
動作の詳細については図8,図9により、ニーリングモ
ードでの車高調整制御動作の詳細については図6,図7
により、フェリー乗船モードでの車高調整制御動作の詳
細については図11により後述する。また、本実施例の
車高調整用制御手段30bには、図10にて後述するよ
うなエアシリンダ給排気用電磁弁14の監視機能もそな
えられ、該電磁弁14のフェール時に車体20が車高低
下状態にあればその車高を自動的に復帰させるようにな
っている。
【0042】ここで、車高ダウンモードは、各エアスプ
リング3L,3R内に適当量のエアを残しながら車体2
0全体の車高を低下させるものであり、ニーリングモー
ドは、停車状態で車体20の扉位置(本実施例では図3
に示すように車体20の前側位置)に応じた位置つまり
前車軸側のエアスプリング3L,3Rについて、これら
のエアスプリング3L,3Rから適当量のエアを排出
し、車体20前側の車高を低下させるものであり、フェ
リー乗船モードは、車体20のフェリー乗船時に全ての
エアスプリング3L,3Rから全エアを排出し、車体2
0全体の車高を最低位置まで低下(タイダウン)させる
ものである。
【0043】ところで、図1に示すように、車高調整用
制御手段30bから各電磁弁16,18に対するオン指
令信号は、それぞれタイマー35,36を介して電磁弁
16,18へ出力されるようになっており、各タイマー
35,36は、前述した車高ダウンモード,ニーリング
モードおよびフェリー乗船モードのいずれかの選択に伴
う車高調整用制御手段30bによる電磁弁16,18の
駆動制御時間を規定するものである。
【0044】これらのタイマー35,36により、例え
ば、車高ダウンモードの選択時には前後全ての電磁弁1
6が所定時間だけオン駆動され、車高復帰時には前後全
ての電磁弁18が所定時間だけオン駆動され、ニーリン
グモードの選択時には車体20前側の電磁弁16のみが
所定時間だけオン駆動され、ニーリング復帰時には車体
20前側の電磁弁18のみが所定時間だけオン駆動さ
れ、フェリー乗船モードの選択時には、前後全ての電磁
弁16が無限時間オン駆動され、車高復帰時には前後全
ての電磁弁18が所定時間だけオン駆動されるようにな
っている。
【0045】ブザー鳴動/ランプ表示用制御手段30c
は、図12にて後述するフローチャートに従うブザー鳴
動処理動作と、ランプ表示処理動作とを行ない、ブサー
37の鳴動状態と、車高ダウンモード用ランプ38a,
ニーリングモード用ランプ38b,フェリー乗船モード
用ランプ38cおよびダイアグノシスランプ39の点灯
状態とを制御するもので、車高調整用制御手段30cに
よる車体20の車高調整時に車体20が車高調整状態に
あることを知らせる告知手段として機能するものであ
る。
【0046】このブザー鳴動/ランプ表示用制御手段3
0cは、車高調整動作開始前に車高調整用制御手段30
bから出力されるブザー吹鳴指令を受けると所定時間だ
けブザー37を連続鳴動させる予吹鳴機能と、車高調整
動作中つまり電磁弁16もしくは18がオン状態にある
場合にブザー37を断続的に鳴動させる車高調整鳴動告
知機能と、電磁弁14,16,18のフェール検出に伴
い車高調整用制御手段30bから出力されるダイアグノ
シスランプ点灯指令を受けるとダイアグノシスランプ3
9を点灯させるフェール表示機能と、車高調整開始時か
ら車高復帰完了までの間にわたりいずれのモードによる
車高調整中であるかをランプ38a〜38cにて表示す
るモード表示機能とを有している。なお、予吹鳴機能も
しくは車高調整鳴動告知機能によりブザー37を連続的
もしくは断続的に鳴動させる代わりに、スピーカをそな
えこのスピーカから音声等により車高調整を開始する旨
もしくは車高調整動作中である旨を告知するようにして
もよい。
【0047】次に、上述のごとく構成された本発明の第
1実施例の車高調整装置による制御動作を、図4〜図1
2により説明する。
【0048】まず、図4により、ECS用制御手段30
aによる基本的な電子制御エアサスペンションの制御動
作について説明する。エンジンが始動されて電子コント
ローラ30(ECS用制御手段30a)の作動が開始さ
れると、ステップS1において、ECS用制御手段30
aは、各圧力センサ21からの圧力信号を受け取り、各
補助エアタンク5内のエア圧が所定レベルにあるか否か
を検出し、もし、いずれかの補助エアタンク5内のエア
圧が所定レベル以下の場合には、対応するECS用電磁
弁6をオフ状態として開作動させたままに放置し、当該
補助エアタンク5内のエア圧が所定レベルに達するまで
待機する。
【0049】このとき、エア圧が所定レベル以下の補助
エアタンク5を有するサスペンションによって支持され
る車体位置の車高が低くなるため、当該サスペンション
のエアスプリング3Lもしくは3Rに接続されたレベリ
ングバルブ10が作動し、エア供給源9からレベリング
バルブ10,電磁弁6を介して補助エアタンク5にエア
が充填される。
【0050】このように、ECS用制御手段30aは、
補助エアタンク5のエア圧が所定レベルに達するまで待
機してから、以下の制御動作を実行する。すなわち、補
助エアタンク5のエア圧が所定レベルにあれば、ECS
用制御手段30aの初期化、いわゆるイニシャライズが
実施される(ステップS2)。なお、特に言及しない限
り、ショックアブソーバ19は、全てハードに切り換え
られているものとする。
【0051】この後、車体20がいずれかのモードによ
る車高調整期間中(車高調整動作開始時から車高復帰を
完了するまでの間)にあるか否かを判断し(ステップS
3)、車高調整期間中には、ステップS4へ進む。
【0052】なお、車体20が車高調整期間中であるか
否かは、車高調整用制御手段30bのエアスプリング排
気用電磁弁16に対するオン指令(もしくはエアシリン
ダ給排気用電磁弁14に対するオン指令)およびエアス
プリング給気用電磁弁18に対するオン/オフ指令(も
しくは車高センサ28の出力)に応じて判断することが
できる。つまり、本実施例では、車高調整の開始を電磁
弁16のオン駆動(もしくは電磁弁14のオン駆動)に
より検知し、車高復帰の完了を、電磁弁18のオン状態
からオフ状態への切換(もしくは車高センサ22による
車体20の標準車高への復帰検出)により検知し、これ
らの車高調整開始から車高復帰完了までの期間を車高調
整期間と判断している。
【0053】ステップA4では、全てのECS用電磁弁
6が閉位置に切換駆動され、エアスプリング3L,3R
と各補助エアタンク5との連通が断たれる。このように
電磁弁16,18のオン動作に伴う車高調整期間中にE
CS用電磁弁6を閉状態とすることに伴う作用効果につ
いては、図5〜図11により車高調整用制御手段30b
の制御動作を説明する際に合わせて説明する。
【0054】一方、ステップS3において、電磁弁1
6,18がどちらもオン状態でないと判断された場合に
は、ステップS5に進み、オート/ハード選択スイッチ
31がハードに切り換えられているか否かを判断し、ハ
ードに切り換えられている場合には、ステップS4に進
む。このステップS4で、前述の通り、全てのECS用
電磁弁6が閉位置(オン状態)に切換駆動されることに
より、エアスプリング3L,3Rと各補助エアタンク5
との連通が断たれ、エア室の容積が小となり、全てのエ
アスプリング3L,3Rのばね定数が大となる。
【0055】ステップS5において、オート/ハード選
択スイッチ31がオートに切り換えられていると判断さ
れた場合には、ステップS6に進み、バックアップラン
プスイッチ26がオン状態になっているか否かが判断さ
れる。ここで、バックアップランプスイッチ26がオン
状態であると判断された場合、車体20が後進しようと
している状態にあるので、ステップS7へ進み、前車軸
側の左右の電磁弁6を開位置(オフ状態)にする一方、
後車軸側の左右の電磁弁6を閉位置(オン状態)に切換
駆動する。これにより、後車軸側のすべてのエアスプリ
ング3L,3Rのばね定数が大となるので、この後、ブ
レーキングによりその後退が停止されても、車体20の
ノーズアップを抑制することができる。
【0056】ステップS6において、バックアップラン
プスイッチ26がオン状態ではない、つまり車体20が
前進しようとしていると判断された場合には、車速が計
算される(ステップS8)。この車速は、本実施例で
は、車速センサ22からの検出信号に基づいて計算され
る。
【0057】そして、ステップS9においては、ステッ
プS8にて求めた車速に基づいてエアサスペンションを
ハードにすべきか否かを判断する。即ち、車速が例えば
0〜30km/h,80km/h以上の範囲にあるか、
または、これ以外の範囲(30〜80km/h)にある
かを判断し、0〜30km/hもしくは80km/h以
上の範囲にあると判断された場合には、前述したステッ
プS4に進み、すべてのエアスプリング3L,3Rのば
ね定数を大とする。これにより、低速時での車体20の
ローリングを防止できる一方、高速時での直進性を向上
させることができる。
【0058】ステップS9において、その車速が30〜
80km/hの範囲にあると判断された場合には、ブレ
ーキング時か否かが判断される(ステップS10)。こ
の判断は、フットブレーキスイッチ25からの検出信号
に基づいてなされる。ここで、フットフレーキ(図示せ
ず)が踏み込まれているとすると、フットブレーキスイ
ッチ25がオン状態になり、ブレーキング時であると判
断してステップS11に進む。
【0059】このステップS11においては、前車軸側
の電磁弁6のすべてが閉位置(オン状態)に切換駆動さ
れる一方、後車軸側の電磁弁6はすべて開位置(オフ状
態)にある。これにより、前車軸側のエアスプリング3
L,3Rのばね定数が大に切り換えられることから、こ
の後の前進停止時での車体20のノーズダイブを抑制す
ることが可能になる。
【0060】ステップS10において、フットブレーキ
スイッチ25がオフ状態でブレーキング時ではないと判
断された場合には、ステアリングがどのような角速度で
回せれているか、その角速度の大きさが判断される(ス
テップS12)。この判断は、ステアリング角速度セン
サ23からの検出信号に基づいて、ステアリング角速度
が所定判別値よりも大、即ち、車体20が急旋回しよう
としていると判断された場合には、前述したステップS
4へ進む。このステップS4では、全てのエアスプリン
グ3L,3Rのばね定数が大に切り換えられるので、急
旋回時の車体20のローリングを抑制できる。なお、前
記所定判別値は車速に応じ、車速の増大に伴って小さい
値に設定するようにしてもよい。
【0061】一方、ステップS12でステアリング角速
度が所定判別値以下と判断された場合には、車体20が
実際にローリングしているか否かが判断される(ステッ
プS13)。この判断は、ローリングセンサ24からの
検出信号、つまり、ローリング信号に基づいてなされ、
車体20にローリングが生じていると判断されたとき、
即ち、ローリングセンサ24がオン状態になっている場
合には、前述したステップS4に進むことになるが、本
実施例では、ステップS13とステップS4との間に、
必要に応じてステップS14が追加されている。
【0062】このステップS14では、ローリングセン
サ24でのオン作動が設定時間継続しているか否かが判
断され、この条件を満たすときに、ステップS4に進
み、全てのエアスプリング3L,3Rのばね定数を大に
切り換え、車体20のローリングを抑制する。一方、ロ
ーリングセンサ24のオン作動が設定時間を満たす前に
終了するか、または、ステップS13にてローリングセ
ンサ24の作動がオフ状態であると判断された場合に
は、ステップS15へ進む。
【0063】ステップS15では、左前車軸側の電磁弁
6および右後車軸側の電磁弁6が開位置(オフ状態)に
なるのに対し、右前車軸側の電磁弁6および左後車軸側
の電磁弁6が閉位置(オン状態)に切り換え駆動され
る。つまり、車体20において対角線上に位置する前後
車軸の一方側のエアスプリング3L,3Rは、そのばね
定数が大となり、他方側のエアスプリング3L,3Rの
ばね定数が小となる。
【0064】従って、この場合には、ステップS4のよ
うに全てのエアスプリング3L,3Rのばね定数を大に
切り換えた場合と、全てのエアスプリング3L,3Rの
ばね定数を小に切り換えた場合との中間の状態を得るこ
とができる。
【0065】なお、ステップS15では、各エアスプリ
ング3L,3Rのばね定数に対応するように、ショック
アブソーバ19の減衰力をも切り換える。また、ステッ
プS4,S7,S11,S15からは、ステップS1に
戻り、上述した制御動作を繰り返すことになる。
【0066】このように、図4のステップS4〜S15
による制御動作にて、車体20の状態、つまり、前進/
後進,車速条件,ブレーキング,急旋回,ローリング状
態に応じて、各エアスプリング3L,3Rのハード/ソ
フトの切換制御が行なわれるので、車体20の揺れ(ノ
ーズアップ,ノーズダウン,ローリング)を有効に抑止
することができる。
【0067】さて、次に、電子コントローラ30の車高
調整用制御手段30bによる車高調整制御動作を、図5
〜図11に従って説明する。まず、図5により車高調整
用制御手段30bの制御処理のメインプログラムについ
て説明すると、後述するブザー37の予吹鳴時間,各モ
ードごとのタイマー35,36の作動時間等の初期設定
を行なった後(ステップA)、図6により説明するニー
リング処理(ステップB)、図7により説明するニーリ
ング復帰処理(ステップC)、図8により説明する車高
ダウン処理(ステップD)、図9により説明する車高復
帰処理(ステップE)、図10により説明するエアシリ
ンダ給排気用電磁弁14の監視処理(ステップF)が順
次行なわれていく。なお、フェリー乗船スイッチ34を
オン操作することにより行なわれるフェリー乗船モード
時の処理のみ、図5に示すメインプログラムとは別個に
実行され、その動作については図11により説明する。
【0068】ここで、各ステップB〜Fおよびフェリー
乗船モード処理について詳細に説明する前に、図2に示
した本実施例のエアサスペンションの空圧回路による基
本的な車高調整動作について説明しておく。
【0069】本実施例では、車高の低下調整に際して
は、エアシリンダ給排気用電磁弁14をオン状態にする
ことにより、エア供給源9からエアシリンダ13への給
気が行なわれ、このエアシリンダ13(センシングロッ
ド12)が短縮する。これにより、揺動レバー11が下
方へ引かれ、レベリングバルブ10は車高が高くなった
のと同じ状態になって、各エアスプリング3L,3R内
のエアがレベリングバルブ10の排気管10aから排出
され車高の低下調整が行なわれるようになっている。
【0070】このとき、本実施例では、車高の低下調整
に伴い電磁弁14をオン状態にした場合、これと同時に
エアスプリング排気用電磁弁16もタイマー35により
所定時間だけオン状態にする。これにより、レベリング
バルブ10を通さずに各エアスプリング3L,3R内の
エアが電磁弁16、配管16oのオリフィスを介して排
気管16dから排出され、車高は急速に低下する。電磁
弁16がオン状態になっている時間(駆動時間)は、タ
イマー35により規定されているので、上述した急速な
車高の低下は、所定位置で止まり、その後は上述したよ
うにレベリングバルブ10の排気管10aから徐々に排
気されて正確な設定車高まで低下調整が行なわれる。
【0071】一方、車高を低下状態から復帰(所定車高
まで上昇)させる際には、電磁弁14をオン状態からオ
フ状態に切り換えることにより、エアシリンダ13内の
エアが電磁弁14の第3接続口14cから排出され、こ
のエアシリンダ13(センシングロッド12)は通常の
長さに復帰する。これにより、揺動レバー11が押し上
げられ、レベリングバルブ10は車高が低くなったのと
同じ状態になって、レベリングバルブ10を介してエア
供給源9からのエアが各エアスプリング3L,3R内へ
供給され車高の上昇・復帰調整が行なわれるようになっ
ている。
【0072】このとき、本実施例では、車高の復帰調整
に伴い電磁弁14をオフ状態にした場合、これと同時に
エアスプリング給気用電磁弁18もタイマー36により
所定時間だけオン状態にする。これにより、レベリング
バルブ10を通さずにエア供給源9からのエアが電磁弁
18を介して各エアスプリング3L,3R内へ供給さ
れ、車高は急速に上昇する。この時も電磁弁18がオン
状態になっている時間(駆動時間)が、タイマー36に
より規定されているので、上述した急速な車高の上昇
は、所定位置で止まり、その後は上述したようにレベリ
ングバルブ10を介してエア供給源9から徐々に給気さ
れて正確な設定車高まで復帰(上昇)調整が行なわれ
る。
【0073】本実施例では、上述のごとく行なわれる車
高調整動作を利用して、以下のように各モード、つま
り、ニーリングモード,車高ダウンモード,フェリー乗
船モードによる車高調整が行なわれる。
【0074】まず、ニーリングモードの選択は、ニーリ
ングスイッチ33をオン操作することにより行なわれ、
ニーリングモード選択時のニーリング処理およびニーリ
ング復帰処理は、それぞれ図6,図7に示す手順で行な
われる。つまり、ニーリング処理(ステップB)では、
図6に示すように、ニーリングスイッチ33がオン状態
になっているか否かを判断し(ステップB1)、オン状
態であれば、パーキングスイッチ27がオン状態である
か否かつまり車体20が駐車状態か否かを判断し(ステ
ップB2)、オン状態であれば、車速センサ22がゼロ
出力か否かつまり車体20が停車状態か否かを判断し
(ステップB3)、ゼロ出力(停止状態)であれば、車
体20が既にニーリング状態もしくは車高ダウン状態に
なっているか否かを判断する(ステップB4,B5)。
【0075】これらのステップB1〜B5による判断に
より、ニーリングスイッチ33およびパーキングスイッ
チ27がともにオン状態であり、且つ、車速センサ22
の出力がゼロであり、未だニーリング状態にも車高ダウ
ン状態にもなっていないと判断された場合に、ステップ
B6〜B10による処理が実行される。ステップB1〜
B5の判断による条件を一つでも満たさない場合には、
リタ−ンする。
【0076】ステップB6では、ニーリング処理および
ニーリング復帰処理で使用する前車軸側の電磁弁14,
16,18が正常な状態であるか否かを判断し、異常が
ある場合には、ブザー鳴動/ランプ表示用制御手段30
cに対しダイアグノシスランプ点灯指令を出力する(ス
テップB10)。これらの前車軸側の電磁弁14,1
6,18が正常であれば、ブザー鳴動/ランプ表示用制
御手段30cに対し、ニーリング動作を開始する前に所
定時間だけブザー37を鳴動させるためのブザー吹鳴指
令を出力する(ステップB7)。
【0077】そして、ブザー37の予吹鳴時間が経過し
た後、前車軸側のエアシリンダ給排気用電磁弁14がオ
ン状態に駆動されるとともに(ステップB8)、前車軸
側のエアスプリング排気用電磁弁16がタイマー35に
より所定時間だけオン状態に駆動される(ステップB
9)。
【0078】このとき、図4のステップS3,S4にて
説明した通り、電磁弁16(もしくは電磁弁14)がオ
ン状態になると、標準車高への復帰が完了するまで、E
CS用制御手段30aの動作によりECS用電磁弁6が
強制的にオン状態に切り換えられ閉位置に切換駆動さ
れ、エアスプリング3L,3Rと各補助エアタンク5と
の連通が断される。
【0079】これにより、ニーリング処理時に、電磁弁
16からの排気対象となるエア室の容積を、エアスプリ
ング3L,3Rのみとして小さくできるだけでなく、上
述したステップB8,B9の動作および図4のステップ
S3,S4の動作により、停車状態で車体20の前車軸
側のエアスプリング3L,3Rについて、これらのエア
スプリング3L,3Rから適当量のエアが、レベリング
バルブ10を通さずに電磁弁16を介して排出されるこ
とになるので、扉を有する車体20前側の車高低下つま
りニーリングが極めて短時間で行なわれ、乗員や乗客の
乗降を容易に行なえるようになる。
【0080】そして、ステップB9の処理が終了して扉
を有する車体20前側の車高が低下しているニーリング
中に、車速センサ22がゼロ出力か否かつまり車体20
が停車状態か否かを判断し(ステップB10)、ゼロ出
力であればリタ−ンする。
【0081】一方、ステップB10の判断で、停止状態
ではないと判断された場合(例えば、パ−キングブレ−
キを引いているにも拘らず、車体がブレ−キをひきずっ
て動いた場合)には、車体20前側の車高を標準車高に
上昇・復帰させるべく前車軸側のエアシリンダ給排気用
電磁弁14をオフ状態にする(ステップB11)。
【0082】これにより、エアシリンダ13内のエアが
電磁弁14の第3接続口14cから排出され、前車軸側
のエアシリンダ13(センシングロッド12)が通常の
長さに戻るため、揺動レバー11が押し上げられ、レベ
リングバルブ10を介してエア供給源9からのエアが前
車軸側のエアスプリング3L,3R内へ供給される。従
って、扉を有する車体20前側の車高が低下しているニ
ーリング中にパ−キングブレ−キを引いているにも拘ら
ず、車体がブレ−キをひきずって動いた場合には、レベ
リングバルブ10を用いて前車軸側の車高を通常の位置
(標準車高)まで上昇・復帰させるようにしたので、ニ
−リングの安全性を向上させることができる。
【0083】一方、車体20をニーリング状態から標準
車高位置に上昇・復帰させるニーリング復帰処理(ステ
ップC)は、ニーリングスイッチ33のオフ操作,パー
キングスイッチ27のオフ動作,もしくは車速センサ2
2の出力がゼロではなくなった場合のいずれかを検知し
た場合に行なわれる。つまり、ニーリング復帰処理(ス
テップC)では、図7に示すように、ニーリングスイッ
チ33がオフ状態になっているか否かを判断し(ステッ
プC1)、オフ状態でなければ、パーキングスイッチ2
7がオン状態であるか否かを判断し(ステップC2)、
オン状態でなければ、車速センサ22がゼロ出力か否か
を判断し(ステップC3)、ゼロ出力であればリタ−ン
する。
【0084】これらのステップC1〜C3による判断に
より、ニーリングスイッチ33のオフ状態,パーキング
スイッチ27のオフ状態,車速センサ22の非ゼロ出力
のいずれかが検知された場合、車体20が既にニーリン
グ状態もしくは車高ダウン状態になっているか否かを判
断し(ステップC4,C5)、ニーリング状態ではない
と判断された場合および車高ダウン状態であると判断さ
れた場合には、リタ−ンする。そして、ステップC4,
C5により、ニーリング状態であると判断され、且つ、
車高ダウン状態ではないと判断された場合に、ステップ
C6〜C11による処理が実行される。
【0085】ステップC6では、ニーリング復帰処理に
使用する前車軸側の電磁弁18が正常な状態であるか否
かを判断し、この電磁弁18に異常がある場合には、ブ
ザー鳴動/ランプ表示用制御手段30cに対しダイアグ
ノシスランプ点灯指令を出力するとともに(ステップC
10)、車高を標準車高に上昇・復帰させるべくエアシ
リンダ給排気用電磁弁14をオフ状態にする(ステップ
C11)。
【0086】これにより、エアシリンダ13内のエアが
電磁弁14の第3接続口14cから排出され、前車軸側
のエアシリンダ13(センシングロッド12)が通常の
長さに戻るため、揺動レバー11が押し上げられ、レベ
リングバルブ10を介してエア供給源9からのエアが前
車軸側のエアスプリング3L,3R内へ供給される。従
って、電磁弁18に異常が生じた場合には、レベリング
バルブ10を用いて前車軸側の車高が通常の位置(標準
車高)まで上昇・復帰する。
【0087】ステップC6により前車軸側の電磁弁18
が正常であると判断された場合には、ブザー鳴動/ラン
プ表示用制御手段30cに対し、ニーリング復帰動作を
開始する前に所定時間だけブザー37を鳴動させるため
のブザー吹鳴指令を出力する(ステップC7)。
【0088】そして、ブザー37の予吹鳴時間が経過し
た後、前車軸側のエアスプリング給気用電磁弁18がタ
イマー36により所定時間だけオン状態に駆動されると
ともに(ステップC8)、前車軸側のエアシリンダ給排
気用電磁弁14がオフ状態に駆動される(ステップC
9)。
【0089】このとき、ECS用制御手段30aの図4
のステップS3,S4による処理動作により、車体20
の車高が標準車高に復帰するまでは、ECS用電磁弁6
が強制的にオン状態に切り換えられ閉位置に切換駆動さ
れているので、エアスプリング3L,3Rと各補助エア
タンク5との連通が断たれたままである。
【0090】従って、ニーリング復帰処理時にも、電磁
弁18への給気対象となるエア室の容積を、エアスプリ
ング3L,3Rのみとして小さくでき、さらに、上述し
たステップC8,C9の動作および図4のステップS
3,S4の動作により、車体20の前車軸側のエアスプ
リング3L,3Rについて、これらのエアスプリング3
L,3Rへエア供給源9から適当量のエアが、レベリン
グバルブ10を通さずに、電磁弁18を介して供給され
ることになるので、扉を有する車体20前側の標準車高
への上昇つまりニーリング復帰が極めて短時間で行なわ
れる。
【0091】次に、車高ダウンモード選択時の車高ダウ
ン処理および車高復帰処理について説明すると、これら
の処理は、それぞれ図8,図9に示す手順で行なわれ
る。つまり、車高ダウン処理(ステップD)では、図8
に示すように、車高ダウンスイッチ32がオン状態にな
っているか否かを判断し(ステップD1)、オン状態で
あれば、車体20が既に車高ダウン状態になっているか
否かを判断し(ステップD2)、未だ車高ダウン状態に
なっていなければ、車体20が既にニーリング状態にな
っているか否かを判断する(ステップD3)。
【0092】これらのステップD1〜D3による判断に
より、車高ダウンスイッチ32がオン状態であり、且
つ、未だ車高ダウン状態になっていないと判断された場
合には、車体20がニーリング状態にあるか否かに応じ
て、ステップD4〜D13による処理が実行される。ス
テップD1,D2の判断により、車高ダウンスイッチ3
2がオン状態であると判断された場合、もしくは、車体
20が既に車高ダウン状態になっていると判断された場
合には、リタ−ンする。
【0093】本実施例では、ニーリング処理よりも車高
ダウン処理を優先させるもので、車体20がニーリング
状態にも車高ダウン状態にもなっていない場合には、ス
テップD4〜D8による車高ダウン処理が実行される一
方、車体20が既にニーリング状態になっている場合に
は、ステップD9〜D13による後車軸側の車高ダウン
処理が実行される。
【0094】車体20がニーリング状態にも車高ダウン
状態にもなっていない場合には、まず、ステップD4に
おいて、車高ダウン処理および車高復帰処理で使用する
前後全ての電磁弁14,16,18が正常な状態である
か否かを判断し、異常がある場合には、ブザー鳴動/ラ
ンプ表示用制御手段30cに対しダイアグノシスランプ
点灯指令を出力する(ステップD8)。これらの電磁弁
14,16,18が正常であれば、ブザー鳴動/ランプ
表示用制御手段30cに対し、車高ダウン動作を開始す
る前に所定時間だけブザー37を鳴動させるためのブザ
ー吹鳴指令を出力する(ステップD5)。
【0095】そして、ブザー37の予吹鳴時間が経過し
た後、前後のエアシリンダ給排気用電磁弁14がオン状
態に駆動されるとともに(ステップD6)、前後のエア
スプリング排気用電磁弁16がタイマー35により所定
時間だけオン状態に駆動される(ステップD7)。な
お、タイマー35により設定される前後の電磁弁16の
オン駆動時間は、必要に応じて前後それぞれ異なる値に
設定してもよい。
【0096】このときも、ECS用制御手段30aの図
4のステップS3,S4による処理動作により、電磁弁
16(もしくは電磁弁14)がオン状態になると、標準
車高への復帰が完了するまで、ECS用電磁弁6が強制
的にオン状態に切り換えられ閉位置に切換駆動され、エ
アスプリング3L,3Rと各補助エアタンク5との連通
が断たれる。
【0097】これにより、車高ダウン処理時において、
電磁弁16からの排気対象となるエア室の容積を、エア
スプリング3L,3Rのみとして小さくできるだけでな
く、上述したステップD6,D7の動作および図4のス
テップS3,S4の動作により、車体20の全てのエア
スプリング3L,3Rについて、これらのエアスプリン
グ3L,3Rから適当量のエアが、レベリングバルブ1
0を通さずに電磁弁16を介して排出されることになる
ので、各エアスプリング3L,3R内に適当量のエアを
残しながら車体20全体の車高を低下させる車高ダウン
が極めて短時間で行なわれる。
【0098】また、ステップD3により車体20がニー
リング状態であると判断された場合には、車体20の前
車軸側は既に車高低下状態になっているので、ステップ
D9〜D13により車体20の後車軸側の車高低下調整
を行なう。ます、ステップD9において、以後の車高ダ
ウン処理および車高復帰処理で使用する後車軸側の電磁
弁14,16,18が正常な状態であるか否かを判断
し、異常がある場合には、ブザー鳴動/ランプ表示用制
御手段30cに対しダイアグノシスランプ点灯指令を出
力する(ステップD13)。これらの電磁弁14,1
6,18が正常であれば、ブザー鳴動/ランプ表示用制
御手段30cに対し、車高ダウン動作を開始する前に所
定時間だけブザー37を鳴動させるためのブザー吹鳴指
令を出力する(ステップD10)。
【0099】そして、ブザー37の予吹鳴時間が経過し
た後、後車軸側のエアシリンダ給排気用電磁弁14がオ
ン状態に駆動されるとともに(ステップD11)、後車
軸側のエアスプリング排気用電磁弁16がタイマー35
により所定時間だけオン状態に駆動される(ステップD
12)。
【0100】このとき、ECS用制御手段30aの図4
のステップS3,S4による処理動作により、先にニー
リング処理動作に伴いECS用電磁弁6は強制的にオン
状態に切り換えられ閉位置に切換駆動され、エアスプリ
ング3L,3Rと各補助エアタンク5との連通が断たれ
たままとなっている。
【0101】従って、電磁弁16からの排気対象となる
エア室の容積は、エアスプリング3L,3Rのみとして
小さくなっており、さらに、上述したステップD11,
D12の動作および図4のステップS3,S4の動作に
より、車体20の後車軸側のエアスプリング3L,3R
について、これらのエアスプリング3L,3Rから適当
量のエアが、レベリングバルブ10を通さずに電磁弁1
6を介して排出され、各エアスプリング3L,3R内に
適当量のエアを残しながら車体20の後車軸側の車高が
極めて短時間で低下し、車体20全体が車高ダウン状態
となる。
【0102】このような車高ダウンモード選択時には、
車体20が走行中であっても各エアスプリング3L,3
R内にエアを残した状態で車体20全体の車高が低下さ
れ、車高制限のあるトンネルを通過する際などに適して
いる。また、このとき、車高ダウン中を通じて(車高が
標準車高に復帰するまで)、ECS用電磁弁6が強制的
にオン状態に切り換えられ閉位置に切換駆動され続ける
ので、各エアスプリング3L,3Rはばね定数の大きい
ハード状態になっており、路面が荒れていても車体変動
を抑制でき、トンネル内で車高ダウン状態で走行しても
車体20の挙動を抑えながら安全に走行することができ
る。
【0103】一方、車体20を車高ダウン状態から標準
車高位置に上昇・復帰させる車体復帰処理(ステップ
E)では、図9に示すように、車高ダウンスイッチ32
がオフ状態になっているか否かを判断し(ステップE
1)、オフ状態てあれば、車体20が既に車高ダウン状
態もしくはニーリング状態になっているか否かを判断し
(ステップE2,E3)、車高ダウン状態ではないと判
断された場合およびニーリング状態であると判断された
場合には、リタ−ンする。そして、ステップE2,E3
により、車高ダウン状態であると判断され、且つ、ニー
リング状態ではないと判断された場合に、ステップE4
〜E9による処理が実行される。
【0104】ステップE4では、車高復帰処理に使用す
る全ての電磁弁18が正常な状態であるか否かを判断
し、この電磁弁18に異常がある場合には、前述した図
7のステップC10,C11と同様に、ブザー鳴動/ラ
ンプ表示用制御手段30cに対しダイアグノシスランプ
点灯指令を出力するとともに(ステップE8)、車高を
上昇・復帰させるべくエアシリンダ給排気用電磁弁14
をオフ状態にする(ステップE9)。
【0105】これにより、エアシリンダ13内のエアが
電磁弁14の第3接続口14cから排出され、全てのエ
アシリンダ13(センシングロッド12)が通常の長さ
に戻るため、揺動レバー11が押し上げられ、レベリン
グバルブ10を介してエア供給源9からのエアが全ての
エアスプリング3L,3R内へ供給される。従って、電
磁弁18に異常が生じた場合には、レベリングバルブ1
0を用いて車体20全体の車高が通常の位置(標準車
高)まで上昇・復帰する。
【0106】ステップE4により全ての電磁弁18が正
常であると判断された場合には、ブザー鳴動/ランプ表
示用制御手段30cに対し、車高復帰動作を開始する前
に所定時間だけブザー37を鳴動させるためのブザー吹
鳴指令を出力する(ステップE5)。
【0107】そして、ブザー37の予吹鳴時間が経過し
た後、全てのエアスプリング給気用電磁弁18がタイマ
ー36により所定時間だけオン状態に駆動されるととも
に(ステップE6)、全てのエアシリンダ給排気用電磁
弁14がオフ状態に駆動される(ステップE7)。
【0108】このとき、ECS用制御手段30aの図4
のステップS3,S4による処理動作により、車体20
全体の車高が標準車高に復帰するまでは、ECS用電磁
弁6が強制的にオン状態に切り換えられ閉位置に切換駆
動されているので、エアスプリング3L,3Rと各補助
エアタンク5との連通が断たれたままである。
【0109】従って、車高復帰処理時にも、電磁弁18
への給気対象となるエア室の容積を、エアスプリング3
L,3Rのみとして小さくできるだけでなく、上述した
ステップE6,E7の動作および図4のステップS3,
S4の動作により、車体20の全てのエアスプリング3
L,3Rについて、これらのエアスプリング3L,3R
へエア供給源9から適当量のエアが、レベリングバルブ
10を通さずに電磁弁18を介して供給されることにな
るので、車体20全体の標準車高への上昇つまり車高復
帰が極めて短時間で行なわれる。
【0110】ところで、エアスプリング排気用電磁弁1
6およびエアスプリング給気用電磁弁18は、車高ダウ
ンスイッチ32やニーリングスイッチ33がオン/オフ
操作されない限り作動せず、そのオン/オフ操作時で各
電磁弁16,18を作動させる直前には、ステップB
6,C6,D4,D9,E4にて説明したように、各電
磁弁16,18のチェックを行なっている。しかし、エ
アシリンダ給排気用電磁弁14は、車高調整期間中、常
時オン状態となって作動しているので、この電磁弁14
を監視する必要がある。
【0111】そこで、本実施例では、電子コントローラ
30の車高調整用制御手段30bに、図10に示すよう
なフローにより電磁弁14を監視する機能をもたせてい
る。この監視処理(ステップF)では、まず、前車軸側
の電磁弁14が正常な状態であるか否かを判断し(ステ
ップF1)、この電磁弁14が正常である場合には後車
軸側の電磁弁14が正常な状態であるか否かを判断する
(ステップF2)。
【0112】ステップF1で前車軸側の電磁弁14が異
常であると判断された場合には、ブザー鳴動/ランプ表
示用制御手段30cに対しダイアグノシスランプ点灯指
令を出力した後(ステップF3)、車体20が車高ダウ
ン状態になっているか否かを診断し(ステップF4)、
車高ダウン状態でない場合にはニーリング状態になって
いるか否かを判断する(ステップF5)。
【0113】ステップF4で車高ダウン状態であると判
断された場合には、前後の電磁弁14をいずれもオフ状
態にし(ステップF6)、全てのエアシリンダ13(セ
ンシングロッド12)を通常の長さに戻して揺動レバー
11を押し上げ、レベリングバルブ10を介してエア供
給源9からのエアを全てのエアスプリング3L,3R内
へ供給する。これにより、レベリングバルブ10を用い
て車体20全体の車高が通常の位置(標準車高)まで上
昇・復帰する(ステップF7)。
【0114】ステップF5でニーリング状態であると判
断された場合には、前車軸側の電磁弁14のみがオン状
態で後車軸側の電磁弁14はオフ状態であるので、前車
軸側の電磁弁14をオフ状態にし(ステップF8)、前
車軸側のエアシリンダ13(センシングロッド12)を
通常の長さに戻して揺動レバー11を押し上げ、レベリ
ングバルブ10を介してエア供給源9からのエアを前車
軸側のエアスプリング3L,3R内へ供給する。これに
より、レベリングバルブ10を用いて前車軸側の車高が
通常の位置(標準車高)まで上昇・復帰する(ステップ
F9)。なお、ステップF5でニーリング状態でないと
判断された場合にはリタ−ンされる。
【0115】一方、ステップF2で後車軸側の電磁弁1
4が異常であると判断された場合には、ブザー鳴動/ラ
ンプ表示用制御手段30cに対しダイアグノシスランプ
点灯指令を出力した後(ステップF10)、車体20が
車高ダウン状態になっているか否かを判断し(ステップ
F11)、車高ダウン状態であると判断された場合に
は、前述したステップF6,F7と全く同様に、前後の
電磁弁14をいずれもオフ状態にし(ステップF1
2)、レベリングバルブ10を用いて車体20全体の車
高が通常の位置(標準車高)まで上昇・復帰する(ステ
ップF13)。なお、ステップF2で後車軸側の電磁弁
14が正常であると判断された場合およびステップF1
1で車高ダウン状態でないと判断された場合にはリタ−
ンされる。
【0116】このような電磁弁14の監視機能により、
前後の電磁弁14のいずれかに異常が発生した場合に
は、ブザー鳴動/ランプ表示用制御手段30cに対しダ
イアグノシスランプ点灯指令が出力されるとともに、車
体20がニーリング状態,車高ダウン状態のいずれの状
態であってもレベリングバルブ10によるニーリング復
帰もしくは車高復帰が行なわれ、車体20全体の車高が
標準車高に戻されるようになっている。
【0117】次に、フェリー乗船スイッチ34をオン操
作することにより、図5〜図10により上述した制御動
作とは別個に車高調整用制御手段30bにおいて割り込
み実行されるフェリー乗船モード時の制御処理動作を、
図11により説明する。ここで、図11(a)はフェリ
ー乗船モード状態への移行処理動作を説明するためのフ
ローチャート、図11(b)はフェリー乗船モード状態
からの復帰処理動作を説明するためのフローチャートで
ある。
【0118】まず、フェリー乗船モードの選択はフェリ
ー乗船スイッチ34をオン操作することにより行なわ
れ、図11(a)に示すように、フェリー乗船スイッチ
34のオン状態を検知すると(ステップG1)、パーキ
ングスイッチがオン状態であるか否かを判断し(ステッ
プG2)、オン状態であれば、車速センサ22がゼロ出
力か否かを判断し(ステップG3)、ゼロ出力(停止状
態)であれば、ステップG4へ移行する。
【0119】これらのステップG1〜G3による判断に
より、フェリー乗船スイッチ34およびパーキングスイ
ッチ27がともにオン状態であり、且つ、車速センサ2
2の出力がゼロであると判断された場合に、ステップG
4〜G8により処理が実行される。ステップG1〜G3
の判断による条件を一つでも満たさない場合には、フェ
リー乗船状態への車高調整処理は実行されない。
【0120】なお、上述したステップG1〜G3の判断
により、このフェリー乗船状態への車高調整処理は、車
体20が車高ダウンモード状態である場合(パーキング
スイッチ27がオフ状態)には実行されず、車体20が
ニーリングモード状態であるこのニーリングモ−ド状態
に優先して実行されることになる。
【0121】さて、ステップG4では、フェリー乗船モ
ード状態への移行処理もしくはフェリー乗船モード状態
からの復帰処理で使用する前後全ての電磁弁14,1
6,18が正常な状態であるか否かを判断し、異常があ
る場合には、ブザー鳴動/ランプ表示用制御手段30c
に対しダイアグノシスランプ点灯指令を出力する(ステ
ップG5)。これらの電磁弁14,16,18が全て正
常であれば、ブザー鳴動/ランプ表示用制御手段30c
に対し、フェリー乗船モード状態への移行動作を開始す
る前に所定時間だけブザー37を鳴動させるためのブザ
ー吹鳴指令を出力する(ステップG6)。
【0122】そして、ブザー37の予吹鳴時間が経過し
た後、前後のエアシリンダ給排気用電磁弁14がオン状
態に駆動されるとともに(ステップG7)、前後のエア
スプリング排気用電磁弁16が無限時間オン状態に駆動
・保持される(ステップG8)。
【0123】このときも、ECS用制御手段30aの図
4のステップS3,S4による処理動作により、電磁弁
16(もしくは電磁弁14)がオン状態になると、標準
車高への復帰が完了するまで、ECS用電磁弁6が強制
的にオン状態に切り換えられ閉位置に切換駆動され、エ
アスプリング3L,3Rと各補助エアタンク5との連通
が断たれる。
【0124】これにより、フェリー乗船モード状態への
移行処理時に、電磁弁16からの排気対象となるエア室
の容積を、エアスプリング3L,3Rのみとして小さく
できるとともに、上述したステップG7,G8および図
4のステップS3,S4の動作により、停車状態で車体
20の全てのエアスプリング3L,3Rについて、これ
らのエアスプリング3L,3R内の全エアが、無限時間
オン状態の電磁弁16から排出されることになるため、
車体20全体の車高を最低位置まで低下(タイダウン)
させたフェリー乗船モード状態に極めて短時間で到達さ
せることができ、フェリー乗船時等に車体20をフェリ
ー上に安全に固定できる。
【0125】一方、車体20をフェリー乗船モード状態
から標準車高位置に上昇・復帰させる復帰処理は、フェ
リー乗船スイッチ34のオフ操作により実行される。本
実施例では、車体20がフェリー乗船モード状態になっ
ている場合、パーキングスイッチ27はオン状態でロッ
クされ、車速センサ22が非ゼロ出力にもならないもの
として、本実施例のフェリー乗船状態からの復帰処理時
には、ニーリング復帰処理時のようにパーキングスイッ
チ27のオン動作,車速センサ22の非ゼロ出力につい
ての検知・判断は行なわず、フェリー乗船スイッチ34
のオフ操作を検知した場合に復帰処理を実行するものと
している。
【0126】つまり、図11(b)に示すように、フェ
リー乗船スイッチ34のオフ状態を検知すると(スイッ
チG9)、その復帰処理に使用する前後の電磁弁18が
正常な状態であるか否かを判断し(ステップG10)、
この電磁弁18に異常がある場合には、ブザー鳴動/ラ
ンプ表示用制御手段30cに対しダイアグノシスランプ
点灯指令を出力するとともに(ステップG11)、車高
を標準車高に上昇・復帰させるべくエアスプリング排気
用電磁弁16をオフ状態にするとともに、エアシリンダ
給排気用電磁弁14をオフ状態にする(ステップG1
2)。
【0127】これにより、エアシリンダ13内のエアが
電磁弁14の第3接続口14cから排出され、全てのエ
アシリンダ13(センシングロッド12)が通常の長さ
に戻るため、揺動レバー11が押し上げられ、レベリン
グバルブ10を介してエア供給源9からのエアが全ての
エアスプリング3L,3R内へ供給される。従って、電
磁弁18に異常が生じた場合には、レベリングバルブ1
0を用いて車体20全体の車高が通常の位置(標準車
高)まで上昇・復帰する。
【0128】ステップG10により全ての電磁弁18が
正常であると判断された場合には、ブザー鳴動/ランプ
表示用制御手段30cに対し、フェリー乗船モード状態
からの復帰動作を開始する前に所定時間だけブザー37
を鳴動させるためのブザー吹鳴指令を出力する(ステッ
プG13)。
【0129】そして、ブザー37の予吹鳴時間が経過し
た後、全ての電磁弁16をオン状態からオフ状態に切換
駆動してから(ステップG14)、全てのエアスプリン
グ給気用電磁弁18がタイマー36により所定時間だけ
オン状態に駆動されるとともに(ステップG15)、全
てのエアシリンダ給排気用電磁弁14がオフ状態に駆動
される(ステップG16)。
【0130】このとき、ECS用制御手段30aの図4
のステップS3,S4による処理動作により、車体20
全体の車高が標準車高に復帰するまでは、ECS用電磁
弁6が強制的にオン状態に切り換えられ閉位置に切換駆
動されているので、エアスプリング3L,3Rと各補助
エアタンク5との連通が断たれたままである。
【0131】従って、フェリー乗船モード状態からの復
帰処理時にも、電磁弁18への給気対象となるエア室の
容積を、エアスプリング3L,3Rのみとして小さくで
き、さらに、上述したステップG15,G16の動作お
よび図4のステップS3,S4の動作により、全てのエ
アスプリング3L,3Rについて、これらのエアスプリ
ング3L,3Rへエア供給源9から適当量のエアが、レ
ベリングバルブ10を通さずに電磁弁18を介して供給
され、車体20全体のフェリー乗船モード状態から標準
車高への上昇復帰が極めて短時間で行なわれる。
【0132】さて、次に、電子コントローラ30のブザ
ー鳴動/ランプ表示用制御手段30cによるブザー鳴動
処理動作を図12に従って説明する。
【0133】このブザー鳴動/ランプ表示用制御手段3
0cによるブザー鳴動処理動作では、図12に示すよう
に、まず、車高調整用制御手段30bから車高調整動作
開始前のブザー吹鳴指令を受けたか否かを判断する(ス
テップH1)。このブザー吹鳴指令は、前述した通り、
ステップB7,C7,D5,D10,E5,G6,G1
3において車高調整動作開始前に出力されるもので、こ
のブザー吹鳴指令が受けたと判断された場合には、所定
時間だけブザー37を連続鳴動させる(予吹鳴機能;ス
テップH2)。なお、ブザー吹鳴指令を受けない場合に
はリタ−ンされる。
【0134】ステップH2による予吹鳴が行なわれた
後、各ステップB9,C8,D7,D12,E6,G
8,G15により電磁弁16もしくは18がオン状態と
されている間(つまり車高調整動作中)は、ステップH
3の判断(電磁弁16もしくは18がオン状態であるか
否か)により、ブザー37を断続的に鳴動させる(車高
調整鳴動告知機能;ステップH4)。
【0135】そして、ステップH3により電磁弁16,
18がオフ状態になったと判断された場合には、ブザー
37の鳴動を停止させる(ステップH5)。このとき、
フェリー乗船モード選択時のステップG8では、電磁弁
16が無限時間オン状態とされるため、図12に示すフ
ローチャートでは、ステップH3,H4によりブザー3
7が断続的に鳴動し続けることになってしまうので、フ
ェリー乗船モード選択時の車高低下調整時のみは、車体
20の車高が最低位置まで低下した時点で、ステップH
4によるブザー37の断続的鳴動を停止させるようにす
る。
【0136】このように、車高調整動作開始前に所定時
間だけブザー37を連続鳴動させる予吹鳴機能と、車高
調整動作中にはブザー37を断続的に鳴動させる車高調
整鳴動告知機能とをそなえることにより、車高調整を行
なう車体20の内部や近傍の乗員,乗客に対して、車高
調整を開始する旨および車高調整動作中である旨を告知
し警告を発することができるので、車体20の車高調整
を安全に行なうことができる。
【0137】また、ブザー鳴動/ランプ表示用制御手段
30cによるランプ表示処理動作としては、ダイアグノ
シスランプ39の点灯状態を制御するフェール表示機能
と、本実施例の装置による車高調整が3つのモード(車
高ダウンモード,ニーリングモード,フェリー乗船モー
ド)のいずれの選択により行なわれているかを表示する
モード表示機能とが行なわれる。
【0138】フェール表示機能では、前述したステップ
B10,C10,D8,D13,E8,F3,F10,
G5,G11による電磁弁14,16,18のフェール
検出に伴い、車高調整用制御手段30bからダイアグノ
シスランプ点灯指令を受けると、ダイアグノシスランプ
39が点灯される。
【0139】また、モード表示機能では、車高ダウンス
イッチ32,ニーリングスイッチ33,フェリー乗船ス
イッチ34のいずれがオン操作されたかに基づいて、オ
ン操作されたスイッチ32〜34に対応するランプ、つ
まり車高ダウンモード用ランプ38a,ニーリングモー
ド用ランプ38b,フェリー乗船モード用ランプ38c
のいずれかを、車高調整開始時から車高復帰完了までの
間(車高調整期間中)に亘って点灯させることにより、
選択されたモードを明確に表示している。
【0140】このような表示機能をそなえることによ
り、本実施例の装置における電磁弁14,16,18の
フェール状態をダイアグノシスランプ39により運転者
等に対して明確に表示・告知することができるととも
に、車高調整時には、いずれのモードが選択されている
かを各ランプ38a〜38cにより運転者等に対して明
確に表示・告知することができる。
【0141】なお、各ランプ38a〜38cの点灯期間
については、各スイッチ32〜34にオン操作時からオ
フ操作時までの間としてもよいし、前述したステップS
4による判断と同様に、車高調整の開始を電磁弁16の
オン駆動(もしくは電磁弁14のオン駆動)により検知
し、車高復帰の完了を、電磁弁18のオン状態からオフ
状態への切換(もしくは車高センサ22による車体20
の標準車高への復帰検出)により検知し、これらの車高
調整開始から車高復帰完了までの期間を点灯期間として
もよい。
【0142】このように、本発明の第1実施例の装置に
よれば、扉を有する車体20前側の車高が低下している
ニーリング中にパ−キングブレ−キを引いているにも拘
らず、車体がブレ−キをひきずって動いた場合には、レ
ベリングバルブ10を用いて前車軸側の車高を通常の位
置(標準車高)まで上昇・復帰させるようにしたので、
ニ−リングの安全性を向上させることができる。
【0143】さらに、電磁弁16,18を用いることで
レベリングバルブ10を介さずに各エアスプリング3
L,3Rへのエアの給排気が行なわれるため、車高の低
下/復帰調整が迅速に行なわれるだけでなく、これらの
電磁弁16,18による車高の低下/復帰調整時には、
ECS用制御手段30aによりECS用電磁弁6が強制
的に閉状態(オン状態)に駆動制御されるため、各エア
スプリング3L,3Rが補助エアタンク5から遮断さ
れ、車高調整時における排気/給気の対象となるエア室
の容積を小さくでき、車高の低下/復帰調整をより迅速
に行なえるようになって、電子制御エアサスペンション
車における車高の低下/復帰調整を極めて短時間で行な
えるのである。
【0144】また、車高の復帰調整時に、補助エアタン
ク5と各エアスプリング3L,3Rとが遮断され排気/
給気の対象となるエア室の容積が小さいため、エアの充
填消費が少なくて済み、エアを圧縮供給するためのエア
コンプレッサの寿命も長くできるなどの利点もある。
【0145】また、本実施例によれば、ブザー鳴動/ラ
ンプ表示用制御手段30cによる予吹鳴機能および車高
調整鳴動告知機能により、乗員,乗客に対して車高調整
を開始する旨および車高調整動作中である旨を告知する
ことで警告が発せられ、車体20の車高調整が安全に行
なわれる。また、電磁弁14,16,18のフェール状
態やスイッチ32〜34により選択されたモードが、ダ
イアグノシスランプ39や各ランプ38a〜38cによ
り運転者等に対して明確に表示・告知されるので、運転
者等が本実施例の装置のフェール状態や車高調整状態を
正確に把握し管理できる利点もある。
【0146】さらに、本実施例では、車高ダウンモー
ド,ニーリングモード,フェリー乗船モードの3種類の
うちのいずれかを選択して、車高調整用制御手段30b
により各モードに応じた車高調整が行なわれるので、各
種状況に臨機応変に対応した車高調整を実現できる。
【0147】例えば、前述したように、車高ダウンモー
ド選択時には、全てのエアスプリング3L,3R内にエ
アを残し且つ該エアスプリング3L,3Rをハード(E
CS用電磁弁6を閉)とした状態で車体20全体の車高
が低下されるので、車体20に大きな揺れを生じさせる
ことなく車高制限のあるトンネルを安全に通過できるよ
うになる。ニーリングモード選択時には、停車状態で前
車軸側のエアスプリング3L,3Rについて適当量のエ
アが排出され、扉の有る車体20前側の車高が低下さ
れ、乗員や乗客の乗降を容易に行なえるようになる。フ
ェリー乗船モード選択時には、全てのエアスプリング3
L,3Rから全エアが排出され車体20全体の車高が最
低位置まで低下され、フェリー乗船時等に車体20をフ
ェリー上に安全に固定できる。
【0148】またさらに、本実施例では、車高調整用制
御手段30bによる電磁弁16,18の駆動制御時間が
それぞれタイマー35,36により各モードに応じて規
定されているので、電磁弁16,18による急速な車高
調整を各モードに応じた所定の位置で確実に停止させる
ように制御することが容易にでき、その後の車高位置の
微調整はレベリングバルブ10を用いて行なわれるよう
になる。
【0149】次に、図13,図14により本発明の第2
実施例としてのエアサスペンション車用車高調整装置に
ついて説明すると、図13はその構成を示すブロック
図、図14はそのエアサスペンションの空圧回路を示す
構成図であり、この第2実施例では、本発明の車高調整
装置を、第1実施例のECSに設けられる補助エアタン
ク5やECS用電磁弁6等をそなえない通常のエアサス
ペンションを有する大型自動車(路線バス等;図3に示
したものとほぼ同様構成)に適用した場合について説明
する。
【0150】この第2実施例のエアサスペンションは、
図14に示すように、前車軸側サスペンション部1Aと
後車軸側サスペンション部2Aとをそなえており、各サ
スペンション部1A,2Aは、図2に示した各サスペン
ション部1,2から接続管路4,補助エアタンク5,E
CS用電磁弁6,ショックアブソーバ19を取り除いた
以外は、各サスペンション部1,2と全く同様に構成さ
れているので、その詳細な説明は省略する。
【0151】そして、第2実施例では、各サスペンショ
ン部1,2中の電磁弁14,排気用電磁弁16および給
気用電磁弁18は、図13にて後述する電子コントロー
ラ30Aにおける車高調整用制御手段30bにより駆動
制御されるようになっている。また、排気用電磁弁16
は第1実施例と同様に第3接続口16cには外気に解放
される排気管16dが接続されている。
【0152】次に、図13により第2実施例の車高調整
装置の構成について説明すると、まず、第2実施例にお
けるセンサ類およびスイッチ類としては、図13に示す
ように、第1実施例と同様の車速センサ22,パーキン
グスイッチ27,車高センサ28,車高ダウンスイッチ
32,ニーリングスイッチ33,フェリー乗船スイッチ
34がそなえられている。各センサ22,28および各
スイッチ27,32〜34の機能や信号入力先は第1実
施例と全く同様なのでその説明は省略する。
【0153】さて、これらのセンサ類やスイッチ類から
の信号を受けて制御動作を行なう本実施例の電子コント
ローラ30Aは、図13に示すように、車高調整用制御
手段30bおよびブザー鳴動/ランプ表示用制御手段3
0cから構成されている。つまり、第1実施例の電子コ
ントローラ30からECS用制御手段30aを取り除い
た構成となっており、各制御手段30b,30cの機能
は、第1実施例のものと全く同様である。
【0154】第2実施例の車高調整用制御手段30b
も、第1実施例のものと同様に、図5〜図11にて前述
した各フローチャートに従って動作し、エアシリンダ給
排気用電磁弁14,エアスプリング排気用電磁弁16お
よびエアスプリング給気用電磁弁18を制御するもので
あるとともに、車高ダウンスイッチ32,ニーリングス
イッチ33,フェリー乗船スイッチ34のいずれかをオ
ン操作することにより車高ダウンモード,ニーリングモ
ード,フェリー乗船モードのいずれかを選択し、選択し
たモードに応じた車高調整を電磁弁14,16,18の
制御により行なうものである。
【0155】なお、各モードの機能・動作については、
やはり第1実施例で説明した通りであるので、詳細な説
明は省略する。この第2実施例においても、車高ダウン
モードでの車高調整制御動作は図8,図9に従って行な
われ、ニーリングモードでの車高調整制御動作は図6,
図7に従って行なわれ、フェリー乗船モードでの車高調
整制御動作は図11に従って行なわれる。また、車高調
整用制御手段30bには、図10にて前述したエアシリ
ンダ給排気用電磁弁14の監視機能をそなえ、該電磁弁
14のフェール時に車体20が車高低下状態にあればそ
の車高を自動的に復帰させるようになっている。
【0156】また、第2実施例においても、第1実施例
と同様に、図13に示すように、車高調整用制御手段3
0bから各電磁弁16,18に対するオン指令信号は、
それぞれタイマー35,36を介して電磁弁16,18
へ出力されるようになっている。ここで、タイマー3
5,36の機能は、第1実施例で説明した通りであるの
で、その説明は省略する。
【0157】さらに、ブザー鳴動/ランプ表示用制御手
段30cも、第1実施例のものと全く同様に、図11に
て前述したフローチャートに従うブザー鳴動処理動作
と、ランプ表示処理動作とを行ない、ブザー37の鳴動
状態と、車高ダウンモード用ランプ38a,ニーリング
モード用ランプ38b,フェリー乗船モード用ランプ3
8cおよびダイアグノシスランプ39の点灯状態とを制
御するものである。
【0158】即ち、本実施例のブザー鳴動/ランプ表示
用制御手段30cも、車高調整動作開始前に車高調整用
制御手段30bから出力されるブザー吹鳴指令を受ける
と所定時間だけブザー37を連続鳴動させる予吹鳴機能
と、車高調整動作中つまり電磁弁16もしくは18がオ
ン状態にある場合にブザー37を断続的に鳴動させる車
高調整鳴動告知機能と、電磁弁14,16,18のフェ
ール検出に伴い車高調整用制御手段30bから出力され
るダイアグノシスランプ点灯指令を受けるとダイアグノ
シスランプ39を点灯させるフェール表示機能と、車高
調整開始時から車高復帰完了までの間にわたりいずれの
モードによる車高調整中であるかをランプ38a〜38
cにて表示するモード表示機能とを有している。なお、
予吹鳴機能もしくは車高調整鳴動告知機能によりブザー
37を連続的もしくは断続的に鳴動させる代わりに、ス
ピーカをそなえこのスピーカから音声等により車高調整
を開始する旨もしくは車高調整動作中である旨を告知す
るようにしてもよい。
【0159】上述のごとく構成された本発明の第2実施
例の車高調整装置によれば、ECS用電磁弁6を開閉制
御することにより得られる作用効果を除き、全く同様の
作用効果が得られる。
【0160】つまり、本発明の第2実施例の装置によれ
ば、扉を有する車体20前側の車高が低下しているニー
リング中にパ−キングブレ−キを引いているにも拘ら
ず、車体がブレ−キをひきずって動いた場合には、レベ
リングバルブ10を用いて前車軸側の車高を通常の位置
(標準車高)まで上昇・復帰させるようにしたので、ニ
−リングの安全性を向上させることができる。また、電
磁弁16,18を用いることでレベリングバルブ10を
介さずに各エアスプリング3L,3Rへのエアの給排気
が行なわれるため、車高の低下/復帰調整が極めて迅速
に行なわれるだけでなく、ブザー鳴動/ランプ表示用制
御手段30cによる予吹鳴機能および車高調整鳴動告知
機能により、乗員,乗客に対して車高調整を開始する旨
および車高調整動作中である旨を告知することで警告が
発せられ、車体20の車高調整が安全に行なわれる。
【0161】また、電磁弁14,16,18のフェール
状態やスイッチ32〜34により選択されたモードが、
ダイアグノシスランプ39や各ランプ38a〜38cに
より運転者等に対して明確に表示・告知されるので、運
転者等が本実施例の装置のフェール状態や車高調整状態
を正確に把握し管理できる利点もある。
【0162】さらに、車高ダウンモード,ニーリングモ
ード,フェリー乗船モードの3種類のうちのいずれかを
選択して、車高調整用制御手段30bにより各モードに
応じた車高調整が行なわれるので、第1実施例と同時
に、各種状況に臨機応変に対応した車高調整を実現でき
るほか、タイマー35,36の機能によっても、第1実
施例と同様に、電磁弁16,18による急速な車高調整
を各モードに応じた所定の位置で確実に停止させるよう
に制御することが容易にでき、その後の車高位置の微調
整はレベリングバルブ10を用いて行なわれるようにな
る。
【0163】次に、本発明の第3実施例としてのエアサ
スペンション車用車高調整装置について図15〜図17
を参照して説明する。図15はその構成を示すブロック
図、図16はそのエアサスペンションの空圧回路を示す
構成図、図17は本実施例の装置をそなえたバス(電子
制御エアサスペンション車)を示す斜視図である。第3
実施例でも前述した第1実施例と同様に、本発明の車高
調整装置を、電子制御エアサスペンション(ECS)を
有する図17に示すような大型自動車(ハイデッカータ
イプの観光バス等)に適用した場合について説明する。
【0164】図15において、図2の構成と同一部分に
は同一番号を付し、その詳細な説明は省略する。以下、
図2の構成と異なる構成について説明する。
【0165】さて、本実施例の装置では、前後の各エア
シリンダ給排気用電磁弁(三方電磁弁)14の第3接続
口(排気口)14cには、開状態で排気管40aを介し
て各第3接続口14cを外気へ連通しうる1つのフェー
ルセーフ弁40が接続されている。このフェールセーフ
弁40は、オフ時には閉状態となって第3接続口14c
と外気との連通を遮断する一方、オン時には開状態とな
って第3接続口14cと外気とを連通させるものであ
る。
【0166】そして、このフェールセーフ弁40は、後
述する車高調整用制御手段30bにより駆動制御される
もので、通常時(電磁弁14に何らフェールが生じてい
ない時)には、電磁弁14のオン状態(エアシリンダ1
3への給気状態)でオフとされ閉駆動され電磁弁14の
オフ状態(エアシリンダからの排気状態)でオンとされ
開駆動される。一方、電磁弁14のオン状態でこの電磁
弁14に何らかの異常(フェール)が発生したことを検
知した場合には、フェールセーフ弁40は、後述する車
高調整用制御手段30bによりオフとされ閉状態に保持
されるようになっている。
【0167】さらに、本実施例では、後車軸側の電磁弁
14の第3接続口14cと、上述したフェールセーフ弁
40との間には、第3接続口14cからフェールセーフ
弁40方向への流れのみ許容する逆止弁40′が介装さ
れている。この逆止弁40′の動作の詳細については後
で詳述するが、その機能は、後述するニーリング状態
(本実施例では、車体20の前車軸側を低下させた状
態)での電磁弁14のフェールに伴い車体20の後車軸
側の車高が低下してしまうのを防止するものである。
次に、図15〜図17により本実施例の車高調整装置
の、空圧回路以外の詳細構成について説明する。図16
において、図1と同じ部分については同一番号を付し、
その詳細な説明は省略する。また、図16において図1
に示したブザ−駆動/ランプ表示用制御手段30c及び
それに接続されるランプ類の図示を省略している。電子
コントロ−ラ30は、図16に示すようにECS制御手
段30aおよび車高調整用制御手段30bから構成され
ている。ECS制御手段30aは第1実施例の図4のフ
ロ−チャ−トに示した機能と同じ機能を有する。
【0168】車高調整用制御手段30bは、エアシリン
ダ給排気用電磁弁14,エアスプリング排気用電磁弁1
6,エアスプリング給気用電磁弁18,およびフェール
セーフ弁40を制御するもので、基本的には、エアシリ
ンダ給排気用電磁弁14のオン/オフ操作によりエアシ
リンダ13に対して給気あるいは排気を行なうことによ
り車体20の車高の低下/復帰調整を行なうとともに、
その車高調整時にエアスプリング排気用電磁弁16およ
びエアスプリング給気用電磁弁18をオン/オフ制御す
ることにより、レベリングバルブ10を通さずに各エア
スプリング3L,3R内のエア排出もしくは各エアスプ
リング3L,3R内のエア供給を行なう機能を有してい
る。
【0169】そして、本実施例の車高調整用制御手段3
0bは、車高ダウンスイッチ32,ニーリングスイッチ
33をそれぞれオン操作することにより車高ダウンモー
ド,ニーリングモードのいずれかを選択し、選択したモ
ードに応じた車高調整制御を電磁弁14,16,18の
制御により行なう。また、本実施例の車高調整用制御手
段30bは、前述した通り、通常時で各モードに基づく
制御に応じて電磁弁14をオン/オフ状態とした場合に
は、フェールセーフ弁40をそれぞれオン/オフつまり
閉/開駆動する一方、電磁弁14のオン状態でこの電磁
弁14の異常(フェール)を検知した場合には、フェー
ルセーフ弁40をオフつまり閉状態に保持する。車高調
整用制御手段30bは第1実施例の図5〜図10のフロ
−チャ−トに示した機能と同じ機能を有する。
【0170】次に、上述のごとく構成された本実施例の
車高調整装置による制御動作について説明する。ECS
制御手段30aによる基本的な電子制御エアサスペンシ
ョンの制御動作は前述した図4のフロ−チャ−トと同じ
に実行されるので、その詳細な動作は省略する。つま
り、図4のステップS4〜S15による制御動作にて、
車体20の状態、つまり、前進/後進,車速条件、ブレ
ーキング,急旋回,ローリング状態に応じて、各エアス
プリング3L,3Rのハード/ソフトの切換制御が行な
われるので、車体20の揺れ(ノーズアップ,ノーズダ
ウン,ローリング)を有効に抑止することができる。
【0171】次に、電子コントローラ30の車高調整用
制御手段30bによる車高調整制御動作について説明す
るが、その説明に先立ち、まず、図15に示した本実施
例のエアサスペンションの空圧回路による基本的な車高
調整動作について説明しておく。
【0172】本実施例では、車高の低下調整に際して
は、エアシリンダ給排気用電磁弁14をオン状態(この
ときフェールセーフ弁40はオフ状態)にすることによ
り、エア供給源9からエアシリンダ13への給気が行な
われ、このエアシリンダ13(センシングロッド12)
が短縮する。これにより、揺動レバー11が下方へ引か
れ、レベリングバルブ10は車高が高くなったのと同じ
状態になって、各エアスプリング3L,3R内のエアが
レベリングバルブ10の排気管10aから排出されの低
下調整が行なわれるようになっている。
【0173】このとき、本実施例では、車高の低下調整
に伴い電磁弁14をオン状態にした場合、これと同時に
エアスプリング排気用電磁弁16もタイマー35により
所定時間だけオン状態にする。これにより、レベリング
バルブ10を通さずに各エアスプリング3L.3R内の
エアが電磁弁16を介して排気管16dから排出され、
車高は急速に低下する。電磁弁16がオン状態になって
いる時間駆動時間)は、タイマー35により規定されて
いるので、上述した急速な車高の低下は、所定位置で止
まり、その後は上述したようにレベリングバルブ10の
排気管10aから徐々に排気されて正確な設定車高まで
低下調整が行なわれる。
【0174】一方、車高を低下状態から復帰(所定車高
まで上昇)させる際には、電磁弁14をオン状態からオ
フ状態に切り換えるとともにフェールセーフ弁40をオ
フ状態からオン状態に切り換えることにより、エアシリ
ンダ13内のエアが電磁弁14の第3接続口14c,フ
ェールセーフ弁40および排気管40a(ただし、後車
軸側の電磁弁14からのエアについては逆止弁40′も
通過する)を通じて排出され、このエアシリンダ13
(センシングロッド12)は通常の長さに復帰する。こ
れにより、揺動レバー11が押し上げられ、レベリング
バルブ10は車高が低くなったのと同じ状態になって、
レベリングバルブ10を介してエア供給源9からのエア
が各エアスプリング3L,3R内へ供給され車高の上昇
・復帰調整が行なわれるようになっている。
【0175】このとき、本実施例では、車高の復帰調整
に伴い電磁弁14をオフ状態にした場合、これと同時に
エアスプリング給気用電磁弁18もタイマー36により
所定時間だけオン状態にする。こりにより、レベリング
バルブ10を通さずにエア供給源9からのエアが電磁弁
18を介して各エアスプリング3L,3R内へ供給さ
れ、車高は急速に上昇する。この時も電磁弁18がオン
状態になっている時間(駆動時間)が、タイマー36に
より規定されているので、上述した急速な車高の上昇
は、所定位置で止まり、その後は上述したようにレベリ
ングバルブ10を介してエア供給源9から徐々に給気さ
れて正確な設定車高まで復帰(上昇)調整が行なわれ
る。
【0176】本実施例では、上述のごとく行なわれる車
高調整動作を利用して、以下のようにニーリングモード
もしくは車高ダウンモードによる車高調整が行なわれ
る。
【0177】まず、ニーリングモードの選択/解除は、
ニーリングスイッチ33をオン/オフ操作することによ
り行なわれ、ニーリングスイッチ33をオンしてニーリ
ングモードを選択した場合には、車高調整用制御手段3
0bは、パーキングスイッチ27がオン(駐車中)であ
り、且つ、車速センサ22の出力がゼロ(停車中)であ
ることを条件に次のようなニーリング処理を実行する。
【0178】つまり、車高調整用制御手段30bによ
り、前車軸側のエアシリンダ給排気用電磁弁14がオン
状態に且つフェールセーフ弁40がオフ状態に駆動され
るとともに、前車軸側のエアスプリング排気用電磁弁1
6がタイマー35を介し所定時間だけオン状態に駆動さ
れる。
【0179】このとき、図4のステップS3,S4にて
説明した通り、電磁弁16(もしくは電磁弁14)がオ
ン状態になると、標準車高への復帰が完了するまで、E
CS用制御手段30aの動作によりECS用電磁弁6が
強制的にオン状態に切り換えられ閉位置に切換駆動さ
れ、エアスプリング3L,3Rと各補助エアタンク5と
の連通が断たれる。これにより、ニーリング処理時に、
電磁弁16からの排気対象となるエア室の容積をエアス
プリング3L,3Rのみとして小さくでき、停車状態で
車体20の前車軸側のエアスプリング3L,3Rについ
て、これらのエアスプリング3L,3Rから適当量のエ
アが、レベリングバルブ10を通さずに電磁弁16を介
して排気管16dから排出されることになるので、扉を
有する車体20前側の車高低下つまりニーリングが極め
て短時間に行なわれる。
【0180】そして、ニ−リング処理が終了して扉を有
する車体20前側の車高が低下しているニーリング中
に、車速センサ22がゼロ出力か否かつまり車体20が
停車状態か否かを判断し、停止状態ではないと判断され
た場合(例えば、パ−キングブレ−キを引いているにも
拘らず、車体がブレ−キをひきずって動いた場合)に
は、車体20前側の車高を標準車高に上昇・復帰させる
べく前車軸側のエアシリンダ給排気用電磁弁14をオフ
状態にする。
【0181】これにより、エアシリンダ13内のエアが
電磁弁14の第3接続口14cから排出され、前車軸側
のエアシリンダ13(センシングロッド12)が通常の
長さに戻るため、揺動レバー11が押し上げられ、レベ
リングバルブ10を介してエア供給源9からのエアが前
車軸側のエアスプリング3L,3R内へ供給される。従
って、扉を有する車体20前側の車高が低下しているニ
ーリング中にパ−キングブレ−キを引いているにも拘ら
ず、車体がブレ−キをひきずって動いた場合には、レベ
リングバルブ10を用いて前車軸側の車高を通常の位置
(標準車高)まで上昇・復帰させるようにしたので、ニ
−リングの安全性を向上させることができる。
【0182】一方、車体20のニーリング状態から標準
車高位置への上昇・復帰は、ニーリングスイッチ33の
オフ操作、パーキングスイッチ27のオフ動作,もしく
は車速センサ22の出力がゼロではなくなった場合のい
ずれかを検知した場合に次のように行なわれる。
【0183】つまり、車高調整用制御手段30bによ
り、前車軸側のエアスプリング給気用電磁弁18がタイ
マー36を介し所定時間だけオン状態に駆動されるとと
もに、前車軸側のエアシリンダ給排気用電磁弁14がオ
フ状態に且つフェールセーフ弁40がオン状態に駆動さ
れる。
【0184】このとき、前述した通り車体20の車高が
標準車高に復帰するまでは、ECS用電磁弁6が強制的
にオン状態に切り換えられ閉位置に切換駆動されている
ので、エアスプリング3L,3Rと各補助エアタンク5
との連通が断たれたままである。従って、ニーリング復
帰処理時にも、電磁弁18への給気対象となるエア室の
容積が、エアスプリング3L,3Rのみで小さく、さら
に、車体20の前車軸側のエアスプリング3L,3Rに
ついて、これらのエアスプリング3L,3Rへエア供給
源9から適当量のエアが、レベリングバルブ10を通さ
ずに電磁弁18を介して供給されることになるので、扉
を有する車体20前側の標準車高への上昇つまりニーリ
ング復帰が極めて短期間で行なわれる。
【0185】次に、車高ダウンモード選択時の車高ダウ
ン処理および車高復帰処理について説明すると、車高ダ
ウンモードの選択/解除は、車高ダウンスイッチ32を
オン/オフ操作することにより行なわれる。車高ダウン
スイッチ32をオンとして車高ダウンモードを選択した
場合には、車高調整用制御手段30bは、車体20の駐
車・停車に関係なく、次のような車高ダウン処理を実行
する。
【0186】つまり、車高調整用制御手段30bによ
り、前後のエアシリンダ給排気用電磁弁14がオン状態
に且つフェールセーフ弁40がオフ状態に駆動されると
ともに、前後のエアスプリング排気用電磁弁16がタイ
マー35を介し所定時間だけオン状態に駆動される。な
お、タイマー35により設定される前後の電磁弁16の
オン駆動時間は、必要に応じて前後それぞれ異なる値を
設定してもよい。
【0187】このときも、ECS用制御手段30aの図
4のステップS3,S4による処理動作により、電磁弁
16(もしくは電磁弁14)がオン状態になると、標準
車高への復帰が完了するまで、ECS用電磁弁6が強制
的にオン状態に切り換えられ閉位置に切換駆動され、エ
アスプリング3L,3Rと各補助エアタンク5との連通
が断たれる。これにより、車高ダウン処理時において、
電磁弁16からの排気対象となるエア室の容積を、エア
スプリング3L,3Rのみとして小さくでき、また、車
体20の全てのエアスプリング3L,3Rについて、こ
れらのエアスプリング3L,3Rから適当量のエアが、
レベリングバルブ10を通さずに電磁弁16を介して排
気管16dから排出されることになるので、各エアスプ
リング3L,3R内に適当量のエアを残しながら車体2
0全体の車高を低下させる車高ダウンが極めて短期間で
行なわれる。
【0188】このような車高ダウンモード選択時には、
車体20が走行中であっても各エアスプリング3L,3
R内にエアを残した状態で車体20全体の車高が低下さ
れ、車高制限のあるトンネルを通過する際などに適して
いる。また、このとき、車高ダウン中を通じて(車高が
標準車高へ復帰するまで)、ECS用電磁弁6が強制的
にオン状態に切り換えられ閉位置に切換駆動され続ける
ので、各エアスプリング3L,3Rはばね定数の大きい
ハード状態になっており、路面が荒れていても車体変動
を抑制でき、トンネル内で車高ダウン状態で走行しても
車体20の挙動を抑えながら安全に走行することができ
る。
【0189】一方、車体20の車高ダウン状態から標準
車高位置への上昇・復帰は、、車高ダウンスイッチ32
のオフ操作を検知した場合に次のように行なわれる。
【0190】つまり、車高調整用制御手段30bによ
り、全てのエアスプリング給気用電磁弁18がタイマー
36を介し所定時間だけオン状態に駆動されるととも
に、全てのエアシリンダ給排気用電磁弁14がオフ状態
に且つフェールセーフ弁40がオン状態に駆動される。
【0191】このときも、前述した通り車体20の車高
が標準車高へ復帰するまでは、ECS用電磁弁6が強制
的にオン状態に切り換えられ閉位置に切換駆動され続け
るので、エアスプリング3L,3Rと各補助エアタンク
5との連通が断たれたままである。従って、車高復帰処
理時にも、電磁弁18への給気対象となるエア室の容積
が、エアスプリング3L,3Rのみで小さくでき、さら
に、車体20の全てのエアスプリング3L,3Rについ
て、これらのエアスプリング3L,3Rへエア供給源9
から適当量のエアが、レベリングバルブ10を通さずに
電磁弁18を介して供給されることになるので、車体2
0全体の標準車高への上昇つまり車高復帰が極めて短時
間に行なわれる。
【0192】ところで、エアシリンダ給排気用電磁弁1
4は、車高を低下させた車高ダウン状態,ニーリング状
態を保持するために、電磁弁14のオン状態を保持して
エアシリンダ13にエアを供給し続けているが、このよ
うな車高低下中に、前後の各電磁弁14に何らかの故障
(フェール)が生じてオフ状態になった場合、従来はオ
フ状態になった電磁弁14の第3接続口14cからエア
シリンダ13のエアが排出された車高が標準車高まで復
帰してしまっている。
【0193】しかし、上述のごとく構成された本実施例
の装置では、車高ダウン状態において、前後の電磁弁1
4の少なくとも一方について何らかの異常を断線検知等
により検知すると、車高調整用制御手段30bにより、
フェールセーフ弁40をオンさせることなくオフ状態に
保持している。
【0194】これにより、車高ダウン状態で電磁弁14
の異常によりこの電磁弁14がその第3接続口14cか
らエアシリンダ13のエアを排出する状態になったとし
ても、電磁弁14の第3接続口14cに接続されたフェ
ールセーフ弁40が閉状態のまま保持されるため、エア
シリンダ13からのエアは、電磁弁14の第3接続口1
4cを通過してもフェールセーフ弁34で堰き止めら
れ、外気へ排出されることなく、車高ダウン状態が保持
されることになる。
【0195】また、ニーリング状態において、後車軸側
の電磁弁14のみが故障しても問題はないが、前車軸側
の電磁弁14が故障によりオフ状態になった場合、前述
した逆止弁40′が設けられていないと、前車軸側の電
磁弁14の第3接続口14cから排出されたエアが、後
車軸側の電磁弁14の第3接続口14cから回り込んで
エアシリンダ13へ供給されて車体20の後車軸側の車
高も低下して、ニーリング状態を保持できなくなるの
で、本実施例では、前述した逆止弁40′によりそのエ
アの回り込みを防止して、ニーリング状態を維持できる
ようにしている。このように、本実施例の装置によれ
ば、扉を有する車体20前側の車高が低下しているニー
リング中にパ−キングブレ−キを引いているにも拘ら
ず、車体がブレ−キをひきずって動いた場合には、レベ
リングバルブ10を用いて前車軸側の車高を通常の位置
(標準車高)まで上昇・復帰させるようにしたので、ニ
−リングの安全性を向上させることができる。さらに、
車高低下状態で電磁弁14の異常によりこの電磁弁14
がオフ状態になっても、フェールセーフ弁40の機能に
よりエアシリンダ13からのエアが外気へ排出されるの
を防止でき、車高低下状態を保持できる。従って、例え
ば車体が車高制限のあるトンネル等を通過すべく車高ダ
ウン状態となっているような場合に電磁弁14にフェー
ルが生じても、車高の復帰により車体20上部がトンネ
ル等と干渉してしまうおそれがなく、安全な走行を行な
うことができる。
【0196】また、本実施例では、電磁弁16,18を
用いることでレベリングバルブ10を介さずにエアスプ
リング3L,3Rへのエアの給排気が行なわれるため
た、車高の低下/復帰調整が迅速に行なわれるだけでな
く、これらの電磁弁16,18による車高の低下/復帰
調整時には、ECS用制御手段30aによりECS用電
磁弁6が強制的に閉状態(オン状態)に駆動制御される
ため、各エアスプリング3L,3Rが補助エアタンク5
から遮断され、車高調整時における排気/給気の対象と
なるエア室の容積が小さくでき、車高の低下/復帰調整
をより迅速に行なえるようになって、電子制御エアサス
ペンション車における車高の低下/復帰調整を極めて短
期間で行なえるほか、車高の復帰調整時に、補助エアタ
ンク5と各エアスプリング3L,3Rとが遮断され排気
/給気の対象となるエア室の容積が小さいため、エアの
充填消費が少なくて済み、エアを圧縮するためのエアコ
ンプレッサの寿命も長くできるなどの利点もある。
【0197】次に、本発明の第4実施例としてのエアサ
スペンション車用車高調整装置について図18〜図20
を参照して説明する。図18はエアサスペンションの空
圧回路を示す構成図、図19は本実施例のダブルチェッ
ク弁の動作を説明するためのもので、(a)は三方電磁
弁からの給気を受けるダブルチェック弁を示す断面図、
(b)は手動弁からの給気を受けるダブルチェック弁を
示す断面図、図20は本実施例の装置を示すブロック図
である。
【0198】第4実施例でも前述した第1実施例と同様
に、本発明の車高調整装置を、電子制御エアサスペンシ
ョン(ECS)を有する図17に示すような大型自動車
(ハイデッカータイプの観光バス等)に適用した場合に
ついて説明する。
【0199】図18において、図2の構成と同一部分に
は同一番号を付し、その詳細な説明は省略する。以下、
図2の構成と異なる構成について説明する。
【0200】本実施例の装置では、前後の各エアシリン
ダ給排気用電磁弁(三方電磁弁)14と前後の各エアシ
リンダ13との間には、ダブルチェック弁42がそれぞ
れ介装されるとともに、電磁弁14がエアシリンダ13
へ給気している状態で該三方電磁弁14に異常(フェー
ル)が発生した時に手動操作されてエア供給源9からエ
アシリンダ13に対する給気を行ないうる手動弁41が
そなえられている。
【0201】この手動弁41は三方弁であり、その第1
接続口41aには主供給管路8を介してエア供給源9が
接続され、第2接続口41bには、前後のダブルチェッ
ク弁42の第3接続口42cが接続されるとともに、第
3接続口41cには、外気に開放される排気管41dが
接続されている。
【0202】そして、通常時(三方電磁弁に何らフェー
ルが生じていない時)に、手動弁41は、第2接続口4
1bと第3接続口41cとを連通接続した状態に保持さ
れ、ダブルチェック弁42の第3接続口42cと外気と
が連通接続されている。
【0203】また、電磁弁のオン状態(エアシリンダへ
の給気状態)でこの電磁弁14に何らかの異常(フェー
ル)が発生したことを検知した場合には、運転者等の手
動操作により、手動弁41は、第1接続口41aと第2
接続口41bとを連通接続した状態に切り換わり、ダブ
ルチェック弁42の第3接続口42cとが連通接続され
るようになっている。
【0204】一方、前後の各ダブルチェック弁42は、
図19(a),(b)に示すように、その内部に圧力を
受けて移動するビストン42dを有してなる三方弁であ
り、その第1接続口42aはエアシリンダ13に接続さ
れ、第2接続口42bは、電磁弁14の第2接続口14
bに接続されるとともに、第3接続口42cは、前述し
た通り手動弁41の第2接続口41bに接続されてい
る。
【0205】そして、ピストン42dは、その両端面に
それぞれ第2接続口42bおよび第3接続口42cから
の給気による圧力を受けて移動するもので、このピスト
ン42dは、通常時に、第2接続口42bを通じて電磁
弁14からの給気を受けると、第3接続口42cが手動
弁41を介して外気に連通接続されているため、図19
(a)に示すように、第3接続口42cを閉塞する方向
へ移動することになり、ダブルチェック弁42を、第2
接続口42bと第1接続口42aとを接続した状態とし
て、電磁弁14からの給気がエアシリンダ13へ送出さ
れるようになっている。
【0206】これに対し、ピストン42dは、電磁弁1
4の異常に応じて手動弁41を操作することにより、第
3接続口42cを通じて手動弁41からの給気を受ける
と、今度は第2接続口42bが異常によりオフ状態にな
った電磁弁14の第3接続口14cを介して外気に連通
接続されているため、図19(b)に示すように、第2
接続口42bを閉塞する方向へ移動することになり、ダ
ブルチェック弁42を、第3接続口42cと第1接続口
42aとを接続した状態に切り換え、手動弁41からの
給気がエアシリンダ13へ送出されるようになってい
る。
【0207】次に、図18,図20により本実施例の車
高調整装置の、空圧回路以外の詳細構成について説明す
る。図20において、図1と同じ部分については同一番
号を付し、その詳細な説明は省略する。また、図20に
おいて図1に示したブザ−駆動/ランプ表示用制御手段
30c及びそれに接続されるダイアグノシスランプ39
以外の図示を省略している。電子コントロ−ラ30は、
図20に示すようにECS制御手段30aおよび車高調
整用制御手段30bから構成されている。ECS制御手
段30aは第1実施例の図4のフロ−チャ−トに示した
機能と同じ機能を有する。
【0208】車高調整用制御手段30bは、エアシリン
ダ給排気用電磁弁14,エアスプリング排気用電磁弁1
6,エアスプリング給気用電磁弁18を制御するもの
で、基本的には、エアシリンダ給排気用電磁弁14のオ
ン/オフ操作によりエアシリンダ13に対して給気ある
いは排気を行なうことにより車体20の車高の低下/復
帰調整を行なうとともに、その車高調整時にエアスプリ
ング排気用電磁弁16およびエアスプリング給気用電磁
弁18をオン/オフ制御することにより、レベリングバ
ルブ10を通さずに各エアスプリング3L,3R内のエ
ア排出もしくは各エアスプリング3L,3R内のエア供
給を行なう機能を有している。
【0209】そして、本実施例の車高調整用制御手段3
0bは、車高ダウンスイッチ32をニーリングスイッチ
33をそれぞれオン操作することにより車高ダウンモ−
ド、ニ−リングモ−ドのいずれかを選択し、選択したモ
−ドに応じた車高調整制御を電磁弁14,16,18の
制御により行なう。また、本実施例の車高調整用制御手
段30bは、電磁弁14の異常(フェール)を断線検知
等により検知した場合には、その異常を運転者等に告知
すべく、運転席にそなえられたダイアグリシスランプ3
9を点灯させるフェール告知機能を有している。車高調
整用制御手段30bは第1実施例の図8及び図9のフロ
−チャ−トに示した機能と同じ機能を有する。車高調整
用制御手段30bは第1実施例の図5〜図10のフロ−
チャ−トに示した機能と同じ機能を有する。
【0210】次に、上述のごとく構成された本実施例の
車高調整装置による制御動作について説明する。ECS
制御手段30aによる基本的な電子制御エアサスペンシ
ョンの制御動作は前述した図4のフロ−チャ−トと同じ
に実行されるので、その詳細な動作は省略する。つま
り、図4のステップS4〜S15による制御動作にて、
車体20の状態、つまり、前進/後進,車速条件、ブレ
ーキング,急旋回,ローリング状態に応じて、各エアス
プリング3L,3Rのハード/ソフトの切換制御が行な
われるので、車体20の揺れ(ノーズアップ,ノーズダ
ウン,ローリング)を有効に抑止することができる。
【0211】次に、電子コントローラ30の車高調整用
制御手段30bによる車高調整制御動作について説明す
るが、その説明に先立ち、まず、図18に示した本実施
例のエアサスペンションの空圧回路による基本的な車高
調整動作について説明しておく。
【0212】本実施例では、車高の低下調整に際して
は、エアシリンダ給排気用電磁弁14をオン状態にする
ことにより、エア供給源9から電磁弁14,ダブルチェ
ック弁42を介してエアシリンダ13への給気が行なわ
れ、このエアシリンダ13(センシングロッド12)が
短縮する。これにより、揺動レバー11が下方へ引か
れ、レベリングバルブ10は車高が高くなったのと同じ
状態になって、各エアスプリング3L,3R内のエアが
レベリングバルブ10の排気管10aから排出されの低
下調整が行なわれるようになっている。
【0213】このとき、本実施例では、車高の低下調整
に伴い電磁弁14をオン状態にした場合、これと同時に
エアスプリング排気用電磁弁16もタイマー35により
所定時間だけオン状態にする。これにより、レベリング
バルブ10を通さずに各エアスプリング3L.3R内の
エアが電磁弁16の排気管16dから排出され、車高は
急速に低下する。電磁弁16がオン状態になっている時
間駆動時間)は、タイマー35により規定されているの
で、上述した急速な車高の低下は、所定位置で止まり、
その後は上述したようにレベリングバルブ10の排気管
10aから徐々に排気されて正確な設定車高まで低下調
整が行なわれる。
【0214】一方、車高を低下状態から復帰(所定車高
まで上昇)させる際には、電磁弁14をオン状態からオ
フ状態に切り換えることにより、エアシリンダ13内の
エアがダブルチェック弁42および電磁弁14の第3接
続口14cを通じて排出され、このエアシリンダ13
(センシングロッド12)は通常の長さに復帰する。こ
れにより、揺動レバー11が押し上げられ、レベリング
バルブ10は車高が低くなったのと同じ状態になって、
レベリングバルブ10を介してエア供給源9からのエア
が各エアスプリング3L,3R内へ供給され車高の上昇
・復帰調整が行なわれるようになっている。
【0215】このとき、本実施例では、車高の復帰調整
に伴い電磁弁14をオフ状態にした場合、これと同時に
エアスプリング給気用電磁弁18もタイマー36により
所定時間だけオン状態にする。こりにより、レベリング
バルブ10を通さずにエア供給源9からのエアが電磁弁
18を介して各エアスプリング3L,3R内へ供給さ
れ、車高は急速に上昇する。この時も電磁弁18がオン
状態になっている時間(駆動時間)が、タイマー36に
より規定されているので、上述した急速な車高の上昇
は、所定位置で止まり、その後は上述したようにレベリ
ングバルブ10を介してエア供給源9から徐々に給気さ
れて正確な設定車高まで復帰(上昇)調整が行なわれ
る。
【0216】本実施例では、上述のごとく行なわれる車
高調整動作を利用して、以下のようにニーリングモード
もしくは車高低下/復帰調整が行なわれる。
【0217】まず、ニーリングモードの選択/解除は、
ニーリングスイッチ33をオン/オフ操作することによ
り行なわれ、ニーリングスイッチ33をオンしてニーリ
ングモードを選択した場合には、車高調整用制御手段3
0bは、パーキングスイッチ27がオン(駐車中)であ
り、且つ、車速センサ22の出力がゼロ(停車中)であ
ることを条件に次のようなニーリング処理を実行する。
【0218】つまり、車高調整用制御手段30bによ
り、前車軸側のエアシリンダ給排気用電磁弁14がオン
状態に駆動されるとともに、前車軸側のエアスプリング
排気用電磁弁16がタイマー35を介し所定時間だけオ
ン状態に駆動される。
【0219】このとき、図4のステップS3,S4にて
説明した通り、電磁弁16(もしくは電磁弁14)がオ
ン状態になると、標準車高への復帰が完了するまで、E
CS用制御手段30aの動作によりECS用電磁弁6が
強制的にオン状態に切り換えられ閉位置に切換駆動さ
れ、エアスプリング3L,3Rと各補助エアタンク5と
の連通が断たれる。これにより、ニーリング処理時に、
電磁弁16からの排気対象となるエア室の容積をエアス
プリング3L,3Rのみとして小さくでき、停車状態で
車体20の前車軸側のエアスプリング3L,3Rについ
て、これらのエアスプリング3L,3Rから適当量のエ
アが、レベリングバルブ10を通さずに電磁弁16を介
して排気管16dから排出されることになるので、扉を
有する車体20前側の車高低下つまりニーリングが極め
て短時間に行なわれる。
【0220】そして、ニ−リング処理が終了して扉を有
する車体20前側の車高が低下しているニーリング中
に、車速センサ22がゼロ出力か否かつまり車体20が
停車状態か否かを判断し、停止状態ではないと判断され
た場合(例えば、パ−キングブレ−キを引いているにも
拘らず、車体がブレ−キをひきずって動いた場合)に
は、車体20前側の車高を標準車高に上昇・復帰させる
べく前車軸側のエアシリンダ給排気用電磁弁14をオフ
状態にする。
【0221】これにより、エアシリンダ13内のエアが
電磁弁14の第3接続口14cから排出され、前車軸側
のエアシリンダ13(センシングロッド12)が通常の
長さに戻るため、揺動レバー11が押し上げられ、レベ
リングバルブ10を介してエア供給源9からのエアが前
車軸側のエアスプリング3L,3R内へ供給される。従
って、扉を有する車体20前側の車高が低下しているニ
ーリング中にパ−キングブレ−キを引いているにも拘ら
ず、車体がブレ−キをひきずって動いた場合には、レベ
リングバルブ10を用いて前車軸側の車高を通常の位置
(標準車高)まで上昇・復帰させるようにしたので、ニ
−リングの安全性を向上させることができる。
【0222】一方、車体20のニーリング状態から標準
車高位置への上昇・復帰は、ニーリングスイッチ33の
オフ操作、パーキングスイッチ27のオフ動作,もしく
は車速センサ22の出力がゼロではなくなった場合のい
ずれかを検知した場合に次のように行なわれる。
【0223】つまり、車高調整用制御手段30bによ
り、前車軸側のエアスプリング給気用電磁弁18がタイ
マー36を介し所定時間だけオン状態に駆動されるとと
もに、前車軸側のエアシリンダ給排気用電磁弁14がオ
フ状態に駆動される。
【0224】このとき、前述した通り車体20の車高が
標準車高に復帰するまでは、ECS用電磁弁6が強制的
にオン状態に切り換えられ閉位置に切換駆動されている
ので、エアスプリング3L,3Rと各補助エアタンク5
との連通が断たれたままである。従って、ニーリング復
帰処理時にも、電磁弁18への給気対象となるエア室の
容積が、エアスプリング3L,3Rのみで小さく、さら
に、車体20の前車軸側のエアスプリング3L,3Rに
ついて、これらのエアスプリング3L,3Rへエア供給
源9から適当量のエアが、レベリングバルブ10を通さ
ずに電磁弁18を介して供給されることになるので、扉
を有する車体20前側の標準車高への上昇つまりニーリ
ング復帰が極めて短期間で行なわれる。
【0225】この車高低下/復帰調整は、車高ダウンス
イッチ32をオン/オフ操作することにより行なわれ
る。車高ダウンスイッチ32をオンとして車高低下調整
を行なう場合には、車高調整用制御手段30bにより、
前後のエアシリンダ給排気用電磁弁14がオン状態に駆
動されるとともに、前後のエアスプリング排気用電磁弁
16がタイマー35を介し所定時間だけオン状態に駆動
される。なお、タイマー35により設定される前後の電
磁弁16のオン駆動時間は、必要に応じて前後それぞれ
異なる値に設定してもよい。
【0226】このとき、ECS用制御手段30aの図5
のステップS3,S4による処理動作により、電磁弁1
6(もしくは電磁弁14)がオン状態になると、標準車
高への復帰が完了するまで、ECS用電磁弁6が強制的
にオン状態に切り換えられ閉位置に切換駆動され、エア
スプリング3L,3Rと各補助エアタンク5との連通が
断たれる。これにより、車高低下調整時において、電磁
弁16からの排気対象となるエア室の容積を、エアスプ
リング3L,3Rのみとして小さくでき、また、車体2
0の全てのエアスプリング3L,3Rについて、これら
のエアスプリング3L,3Rから適当量のエアが、レベ
リングバルブ10を通さずに電磁弁16介して排出され
ることになるので、各エアスプリング3L,3R内に適
当量のエアを残しながら車体20全体の車高低下調整が
極めて短時間に行なわれる。
【0227】このような車高低下調整時には、車体20
が走行中であっても各エアスプリング3L,3R内にエ
アを残した状態で車体20全体の車高が低下され、車高
限度のあるトンネルを通過する際などに適している。ま
た、このとき、車高ダウン中を通じて(車高が標準車高
に復帰するまで)、ECS用電磁弁6が強制的にオン状
態に切り換えられ閉位置に切換駆動され続けるので、各
エアスプリング3L,3Rはばね定数の大きいハード状
態になっており、路面が荒れていても車体変動を抑制で
き、トンネル内で車高ダウン状態で走行しても車体20
の挙動を抑えながら安全に走行することがてきる。
【0228】一方、車体20の車高低下状態から標準車
高位置への復帰調整は、車高ダウンスイッチ32のオフ
操作を検知した場合に次のように行なわれる。
【0229】つまり、車高調整用制御手段30bによ
り、全てのエアスプリング給気用電磁弁18がタイマー
36を介し所定時間だけオン状態に駆動されるととも
に、全てのエアシリンダ給排気用電磁弁14がオフ状態
に駆動される。
【0230】このときも、前述した通り車体20の車高
が標準車高に復帰するまでは、ECS用電磁弁6が強制
的にオン状態に切り換えられ閉位置に切換駆動されてい
るので、エアスプリング3L,3Rと各補助エアタンク
5との連通が断たれたままである。従って、車高復帰処
理時にも、電磁弁18への給気対象となるエア室の容積
が、エアスプリング3L,3Rのみで小さく、さらに、
車体20の前車軸側のエアスプリング3L,3Rについ
て、これらのエアスプリング3L,3Rへエア供給源9
から適当量のエアが、レベリングバルブ10を通さずに
電磁弁18を介して供給されることになるので、車体2
0前側の標準車高への上昇つまり車高復帰が極めて短期
間で行なわれる。
【0231】ところで、エアシリンダ給排気電磁弁14
は、車高低下状態を保持するために、電磁弁14のオン
状態を保持してエアシリンダ13にエアを供給し続けて
いるが、このような車高低下状態中に、前後の各電磁弁
14に何らかの故障(フェール)が生じてオフ状態にな
った場合、従来はオフ状態になった電磁弁14の第3接
続口14aからエアシリンダ13のエアが排出され車高
が標準車高まで復帰してしまっている。
【0232】しかし、上述のごとく構成された本実施例
の装置では、車高ダウン状態において、前後の電磁弁1
4の少なくとも一方について何らかの異常を断線検知等
により検知すると、車高調整用制御手段30bにより、
ダイアグノシスランプ39が点灯され、その点灯を確認
した運転手等により手動弁41を手動操作することによ
り、手動弁41およびダブルチェック弁42を介してエ
ア供給源9のエアシリンダ13へ供給され続ける。
【0233】つまり、本実施例では、通常時に、電磁弁
14を介してエア供給源9からエアシリンダ13へ給気
が行なわれ車高低下状態になってたいる際には、ダブル
チェック弁42は、電磁弁14からの給気を受けてその
内部のピストン42dが図19(a)に示すように移動
し、その給気をエアシリンダ13へ送出するように切り
換わっている。このとき、手動弁41は、ダブルチェッ
ク弁42の第3接続口42cと外気とを連通接続した状
態(第2接続口41bと第3接続口41cとを接続した
状態)に保持されているため、ピストン42dは抵抗な
く図19(a)に示す状態に移動している。
【0234】これに対して、車高低下状態で電磁弁14
に何らかの異常(フェール)が生じダイグノシスランプ
39が点灯した場合には、手動弁41を手動操作してそ
の第1接続口41aと第2接続口41bとを接続した状
態に切り換えることにより、エア供給源9のエアが手動
弁41を通じてダブルチェック弁42の第3接続口42
cへ給気される。この給気を受けたダブルチェック弁4
2は、その内部のピストン42dが図19(b)に示す
ように移動し、手動弁41からの給気をエアシリンダ1
3へ送出するように切り換わるため、車高低下状態が保
持されることになる。このとき、電磁弁14の異常に伴
うオフ変化により、ダブルチェック弁42の第2接続口
42bが電磁弁14の第3接続口14cを介して外気と
連通接続された状態になるため、ピストン42dは抵抗
なく図19(b)に示す状態に移動する。
【0235】このように、本実施例の装置によれば、扉
を有する車体20前側の車高が低下しているニーリング
中にパ−キングブレ−キを引いているにも拘らず、車体
がブレ−キをひきずって動いた場合には、レベリングバ
ルブ10を用いて前車軸側の車高を通常の位置(標準車
高)まで上昇・復帰させるようにしたので、ニ−リング
の安全性を向上させることができる。また、車高低下状
態で電磁弁14の異常によりこの電磁弁14がオフ状態
になっても、その異常に伴い手動弁41を操作すること
で、エア供給源9のエアが手動弁41およびダブルチェ
ック弁42を介して強制的にエアシリンダ13に供給さ
れ続けることになり、車高低下状態を保持できる。従っ
て、例えば車体が車高制限のあるトンネル等を通過すべ
く車高ダウン状態となっているような場合に電磁弁14
にフェールが生じても、車高の復帰により車体20上部
がトンネル等と干渉してしまうおそれがなく、安全な走
行を行なうことができる。
【0236】なお、上記いずれの実施例では、本発明の
装置をバスに適用し特に電子制御エアサスペンションを
有するものに適用した場合について説明したが、本発明
は、これらに限定されるものではなく、エアサスペンシ
ョンを有する車であれば、上記実施例と同様の作用効果
が得られる。
【0237】また、上記いずれの実施例では、車高調整
期間中に亘ってECS用電磁弁6を強制的に閉状態(オ
ン状態)に駆動しているが、電磁弁16もしくは18が
オン状態になっている間のみECS用電磁弁6を閉状態
に駆動するようにしてもよい。この場合、車高ダウンモ
ードを選択し車体20の車高を所定位置まで低下させた
状態で、エアスプリング3L,3Rについてハード/ソ
フトの切換を行なうことができる
【0238】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、扉
位置に応じた前記車体が低下しているニ−リング中に車
速が検知された場合には、扉位置に応じた前記車体の車
高を復帰させて、ニ−リングしないようにしたので、ニ
−リングの安全性を向上させることができる電子制御エ
アサスペンション車用車高調整装置を提供することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例としての電子制御エアサス
ペンション車用車高調整装置の構成を示すブロック図。
【図2】第1実施例におけるエアサスペンションの空圧
回路を示す構成図。
【図3】第1実施例の装置をそなえたバス(電子制御エ
アサスペンション車)を示す斜視図。
【図4】第1実施例のECS用制御手段による制御処理
動作を説明するためのフローチャート。
【図5】第1実施例の車高調整用制御手段によるメイン
プログラムを示すフローチャート。
【図6】第1実施例の車高調整用制御手段によるニーリ
ング処理動作を説明するためのフローチャート。
【図7】第1実施例の車高調整用制御手段によるニーリ
ング復帰処理動作を説明いるためのフローチャート。
【図8】第1実施例の車高調整用制御手段による車高ダ
ウン処理動作を説明するためのフローチャート。
【図9】第1実施例の車高調整用制御手段による車高復
帰処理動作を説明するためのフローチャート。
【図10】第1実施例の車高調整用制御手段によるエア
シリンダ給排気用電磁弁の監視処理動作を説明するため
のフローチャート。
【図11】第1実施例の車高調整用制御手段によるフェ
リー乗船モード選択時の処理動作を説明するためのもの
で、(a)はフェリー乗船モード状態への移行処理動作
を説明するためのフローチャート、(b)はフェリー乗
船モード状態からの復帰処理動作を説明するためのフロ
ーチャート。
【図12】第1実施例のブザー鳴動/ランプ表示用制御
手段によるブザー鳴動処理動作を説明するためのフロー
チャート。
【図13】本発明の第2実施例としての電子制御エアサ
スペンション車用車高調整装置の構成を示すブロック
図。
【図14】第2実施例におけるエアサスペンションの空
圧回路を示す構成図。
【図15】本発明の第3実施例としてのエアサスペンシ
ョン車用車高調整装置の空圧回路を示す構成図。
【図16】第3実施例の装置の構成を示すブロック図。
【図17】本実施例の装置をそなえたバス(電子制御エ
アサスペンション車)を示す斜視図。
【図18】本発明の第4実施例としてのエアサスペンシ
ョン車用車高調整装置の空圧回路を示す構成図。
【図19】第4実施例のダブルチェック弁の動作を説明
するためのもので、(a)は三方電磁弁からの給気を受
けるダブルチェック弁を示す断面図、(b)は手動弁か
らの給気を受けるダブルチェック弁を示す断面図。
【図20】第4実施例の装置を示すブロック図。
【符号の説明】
1,1A 前車軸側サスペンション部 2,2A 後車軸側サスペンション部 3L,3R エアスプリング 4 接続管路 5 補助エアタンク 6 エアサスペンション(ECS)用電磁弁 7 分岐供給管路 8 主供給管路 8a サプライバルブ 9 エア供給源 10 レベリングバルブ 10a 排気管 11 揺動レバー 12 センシングロッド 13 エアシリンダ 14 エアシリンダ給排気用電磁弁 15 分岐供給管路 16 エアスプリング排気用電磁弁 17 分岐供給管路 18 エアスプリング給気用電磁弁 19 ショックアブソーバ 20 車体 21 圧力センサ 22 車速センサ 23 ステアリング角速度センサ 23a ステアリング 24 ローリングセンサ 25 フットブレーキスイッチ 26 バックアップランプスイッチ 27 パーキングスイッチ 28 車高センサ 29 インジケータ 30,30A 電子コントローラ 30a エアサスペンション(ECS)用制御手段 30b 車高調整用制御手段 30c ブザー鳴動/ランプ表示用制御手段(告知手
段) 31 オート/ハード選択スイッチ 32 車高ダウンスイッチ 33 ニーリングスイッチ 34 フェリー乗船スイッチ 35,36 タイマー 37 ブザー(スピーカ) 38a 車高ダウンモード用ランプ 38b ニーリングモード用ランプ 38c フェリー乗船モード用ランプ 39 ダイアグノシスランプ 40 フェ−ルセ−フ弁 40′ 逆止弁 41 手動弁 42 ダブルチェック弁 42d ピストン
フロントページの続き (72)発明者 矢田 芳彦 愛知県名古屋市港区大江町2番地 三菱 自動車エンジニアリング株式会社名古屋 事業所内 (56)参考文献 特開 平5−193329(JP,A) 特開 平5−193328(JP,A) 特開 平5−208607(JP,A) 特開 平5−193334(JP,A) 特開 平5−193335(JP,A) 実開 平4−131509(JP,U) 実開 昭63−21116(JP,U) 実開 昭60−106811(JP,U) 実開 平3−25313(JP,U) 実開 平1−74906(JP,U)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車体と前後左右の各車軸との間に少なく
    とも1個ずつ設けられ該車体を支持するエアスプリング
    と、前記の各エアスプリングに連通接続される補助エア
    タンクと、前記のエアスプリングと補助エアタンクとの
    間に介装されるエアサスペンション用電磁弁と、前記車
    体の状態に応じて前記エアサスペンション用電磁弁の開
    閉状態を制御するエアサスペンション用制御手段とをそ
    なえ、前記エアサスペンション用電磁弁を前記エアサス
    ペンション用制御手段にて開閉制御し前記のエアスプリ
    ングと補助タンクとの間を接断することにより前記エア
    スプリングのばね定数を調整する電子制御エアサスペン
    ション車用の車高調整装置であって、前記エアスプリン
    グと該エアスプリングにエアを供給するエア供給源との
    間にレベリングバルブをそなえ、該レベリングバルブの
    センシングロッドに給気に伴って短縮するエアシリンダ
    を介装し、前記エアシリンダに対して給気/排気切換を
    行う三方電磁弁をそなえ、該三方電磁弁を駆動制御する
    ことにより前記車体の車高の低下/復帰調整を行なうも
    のであり、前記車体の車高低下調整時に前記レベリング
    バルブを通さずに前記エアスプリングからエアを排出す
    る排気用電磁弁と、前記車体の車高復帰調整時に前記レ
    ベリングバルブを通さずに前記エアスプリングへ前記エ
    ア供給源からのエアを供給する給気用電磁弁と、ニ−リ
    ングモ−ド時に停車状態で前記車体の扉位置に応じた位
    置の前記エアスプリングについて該エアスプリングから
    適当量のエアを排出し前記扉位置に応じた前記車体の位
    置を低下させるように排気用電磁弁を駆動制御する車高
    調整用制御手段と、前記車高調整用制御手段による前記
    車体の車高調整時には、前記エアサスペンション用制御
    手段により前記エアサスペンション用電磁弁が強制的に
    閉状態に駆動されている電子制御エアサスペンション車
    用車高調整装置において、 前記車高調整用制御手段は前記ニ−リングモ−ドが完了
    して前記扉位置に応じた前記車体が低下しているニ−リ
    ング中に車速が検知された場合には前記三方電磁弁を駆
    動制御して前記エアシリンダからのエアの排気を行なっ
    て前記レベリングバルブを通してエアスプリングにエア
    を供給して前記扉位置に応じた前記車体の車高を復帰さ
    せる制御手段を備えたことを特徴とする電子制御エアサ
    スペンション車用車高調整装置。
  2. 【請求項2】 車体と前後左右の各車軸との間に少なく
    とも1個ずつ設けられ該車体を支持するエアスプリング
    をそなえるとともに、前記エアスプリングと該エアスプ
    リングにエアを供給するエア供給源との間にレベリング
    バルブをそなえ、該レベリングバルブのセンシングロッ
    ドに給気に伴って短縮するエアシリンダを介装し、該エ
    アシリンダに対して給気/排気切換を行う三方電磁弁を
    そなえ、該三方電磁弁を駆動制御することにより前記車
    体の車高の低下/復帰調整を行ない、前記車体の車高低
    下調整時に前記レベリングバルブを通さずに前記エアス
    プリングからエアを排出する排気用電磁弁と、前記車体
    の車高復帰調整時に前記レベリングバルブを通さずに前
    記エアスプリングへ前記エア供給源からのエアを供給す
    る給気用電磁弁と、ニ−リングモ−ド時に停車状態で前
    記車体の扉位置に応じた位置の前記エアスプリングにつ
    いて該エアスプリングから適当量のエアを排出し前記扉
    位置に応じた前記車体の位置を低下させるように排気用
    電磁弁を駆動制御する車高調整用制御手段とがそなえら
    れ、前記車高調整用制御手段による前記車体の車高調整
    時に、該車体が車高調整状態にあることを知らせる告知
    手段がそなえられたことエアサスペンション車用車高調
    整装置において、 前記車高調整用制御手段は前記ニ−リングモ−ドが完了
    して前記扉位置に応じた前記車体が低下しているニ−リ
    ング中に車速が検知された場合には前記三方電磁弁を駆
    動制御して前記エアシリンダからのエアの排気を行なっ
    て前記レベリングバルブを通してエアスプリングにエア
    を供給して前記扉位置に応じた前記車体の車高を復帰さ
    せる制御手段を備えたことを特徴とするエアサスペンシ
    ョン車用車高調整装置。
  3. 【請求項3】 車体と前後左右の各車軸との間に少なく
    とも1個ずつ設けられ該車体を支持するエアスプリング
    をそなえるとともに、前記エアスプリングと該エアスプ
    リングにエアを供給するエア供給源との間にレベリング
    バルブをそなえ、該レベリングバルブのセンシングロッ
    ドに給気に伴って短縮するエアシリンダを介装し、該エ
    アシリンダに対する給気/排気の切換を行なう三方電磁
    弁をそなえ、該三方電磁弁を駆動制御することにより前
    記車体の車高の低下/復帰調整を行なものであり、前記
    三方電磁弁の排気口に、開状態で前記排気口を外気へ連
    通しうるフェールセーフ弁が接続され、該フェールセー
    フ弁が、通常時には、前記三方電磁弁が前記エアシリン
    ダへ給気している状態で閉駆動され前記三方電磁弁が前
    記エアシリンダから排気している状態で開駆動される一
    方、前記三方電磁弁が前記エアシリンダへ給気している
    状態で該三方電磁弁に異常が発生した時には、閉状態に
    保持されるように構成し、前記車体の車高低下調整時に
    前記レベリングバルブを通さずに前記エアスプリングか
    らエアを排出する排気用電磁弁と、前記車体の車高復帰
    調整時に前記レベリングバルブを通さずに前記エアスプ
    リングへ前記エア供給源からのエアを供給する給気用電
    磁弁と、ニ−リングモ−ド時に停車状態で前記車体の扉
    位置に応じた位置の前記エアスプリングについて該エア
    スプリングから適当量のエアを排出し前記扉位置に応じ
    た前記車体の位置を低下させるように排気用電磁弁を駆
    動制御する車高調整用制御手段とがそなえられているエ
    アサスペンション車用車高調整装置において、 前記車高調整用制御手段は前記ニ−リングモ−ドが完了
    して前記扉位置に応じた前記車体が低下しているニ−リ
    ング中に車速が検知された場合には前記三方電磁弁を駆
    動制御して前記エアシリンダからのエアの排気を行なっ
    て前記レベリングバルブを通してエアスプリングにエア
    を供給して前記扉位置に応じた前記車体の車高を復帰さ
    せる制御手段を備えたことを特徴とするエアサスペンシ
    ョン車用車高調整装置。
  4. 【請求項4】 車体と前後左右の各車軸との間に少なく
    とも1個ずつ設けられ該車体を支持するエアスプリング
    をそなえるとともに、前記エアスプリングと該エアスプ
    リングにエアを供給するエア供給源との間にレベリング
    バルブをそなえ、該レベリングバルブのセンシングロッ
    ドに給気に伴って短縮するエアシリンダを介装し、該エ
    アシリンダに対する給気/排気の切換を行なう三方電磁
    弁をそなえ、該三方電磁弁を駆動制御することにより前
    記車体の車高の低下/復帰調整を行なうものであり、前
    記三方電磁弁が前記エアシリンダへ給気している状態で
    三方電磁弁に異常が発生した時手動操作されて前記エア
    シリンダに対する給気を行いうる手動弁がそなえらると
    ともに、前記手動弁からの給気もしくは前記三方電磁弁
    からの給気を受けると該給気による圧力にて切り換わり
    該給気を前記エアシリンダへ送出するダブルチェツク弁
    が、前記の手動弁および三方電磁弁と前記エアシリンダ
    との間に介装されており、前記車体の車高低下調整時に
    前記レベリングバルブを通さずに前記エアスプリングか
    らエアを排出する排気用電磁弁と、前記車体の車高復帰
    調整時に前記レベリングバルブを通さずに前記エアスプ
    リングへ前記エア供給源からのエアを供給する給気用電
    磁弁と、ニ−リングモ−ド時に停車状態で前記車体の扉
    位置に応じた位置の前記エアスプリングについて該エア
    スプリングから適当量のエアを排出し前記扉位置に応じ
    た前記車体の位置を低下させるように排気用電磁弁を駆
    動制御する車高調整用制御手段とがそなえられているエ
    アサスペンション車用車高調整装置において、 前記車高調整用制御手段は前記ニ−リングモ−ドが完了
    して前記扉位置に応じた前記車体が低下しているニ−リ
    ング中に車速が検知された場合には前記三方電磁弁を駆
    動制御して前記エアシリンダからのエアの排気を行なっ
    て前記レベリングバルブを通してエアスプリングにエア
    を供給して前記扉位置に応じた前記車体の車高を復帰さ
    せる制御手段を備えたことを特徴とするエアサスペンシ
    ョン車用車高調整装置。
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