JPH0519224U - コンベヤベルトの接合構造 - Google Patents

コンベヤベルトの接合構造

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JPH0519224U JP7579391U JP7579391U JPH0519224U JP H0519224 U JPH0519224 U JP H0519224U JP 7579391 U JP7579391 U JP 7579391U JP 7579391 U JP7579391 U JP 7579391U JP H0519224 U JPH0519224 U JP H0519224U
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 コンベヤベルトの接合部に1%以下の低伸度
領域で芯体層と類似した応力〜歪み曲線を有する当て帆
布を使用することによって、接合部の伸びを芯体層の伸
びと等しくし、接合部の芯体帆布層の起き上がりを防止
すると共に屈曲性を改善し小プーリ径の使用を可能とす
る。 【構成】 少なくとも1プライの芯体層上下面にカバー
層を被覆したコンベヤベルトの接合すべき両端部のカバ
ー層を切削剥離後、両端部の芯体帆布先端部を互いに対
向的に逆位相のジグザグ状端面に切断して両端部の突条
部と溝部を突き合わせると共に芯体層の上下両面に隣接
して低伸度、高モジュラスの物性を有する当て帆布を挿
入貼着せしめて接合する。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、帆布を芯体層とし、その上下両面にゴムもしくは合成樹脂からなる カバー層を被覆したコンベヤベルトの接合構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、上記の如きコンベヤベルトの接合構造としては図5に示す如くコンベヤ べルトの互いに接合すべき両端部の上又は下のカバー層1又は2を切削後、両端 部の露出した芯体層21、22を互いに重ね合わせ、必要に応じ補強布29を当 て未加硫ゴム23を介在させて接合するオーバーラップ方式、図6に示す如く接 合すべきベルトの両端部に逆位相のジグザグ状の接合端面24、25を形成し、 互いに嵌合接合する差し子方式、図7に示す如く接合すべきベルトの両端部に互 いに逆位相の差し込み部26、27を形成して、互いに差し込み接合する差し込 み方式などが知られている。
【0003】 また、2プライ以上の帆布を芯体層とするコンベヤベルトの接合構造として接 合すべきベルトの両端部のうち、一端は1プライ目をステップ状に切削剥離し、 次いで1プライ目と2プライ目の突条部が交互に配列されるように夫々の先端部 をジグザグ状に打ち抜くと共に、一方の他端は2プライ目を前記とは逆のステッ プ状に切削剥離し、次いで2プライ目と1プライ目の先端部を前記一端の先端部 と対称的にジグザグ状に打ち抜き、得られた両端の突状部と溝部を互いに衝き合 わせ嵌合し、嵌合部ならびにステップ部に接着剤を塗付して該接合部を接合する 構造が特開昭57−9343号公報に開示されている。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】
しかし上記の如き各接合構造のうち、オーバーラップ方式や差し込み方式によ る接合構造は充分な接合部強力を保持する反面、小さなプーリ径に巻き掛け使用 された場合には芯体層先端への応力集中が非常に大きく、接合部の剥離現象を起 こす問題があった。
【0005】 一方、図6に示す如き差し子方式の接合構造は、小さなプーリ径に使用し得る 屈曲性を有するが、反面接合強力に難があり、その低さから接合部の切断を惹き 起こす問題があった。
【0006】 又この差し子方式の接合構造は、接合部の芯体層の起き上がり防止としてナイ ロン、ポリエステル又はビニロン等の低モジュラス帆布を当て帆布として使用し ているため伸びが大きくなる不具合がある。この伸びを防止するため、前記材質 で帆布厚みを大きくして高モジュラス帆布にすればよいが、この場合は接合部の 性質、具体的には屈曲性、起き上がりあるいは小プーリ径下でのプライセパレー ション等の問題がある。
【0007】 特に2プライの帆布を芯体層とした場合、接合強力は1プライに比較し良好で あるが、低モジュラス帆布にすると上記と同様に伸びが大きくなるという問題が 残されている。
【0008】 本考案は上述の如き実状に対処し、特に低伸度性能の帆布を芯体層とするコン ベヤベルトに着目し、その接合構造を改変することにより、接合部強力を低下さ せることなく屈曲性に優れしかも走行時の芯体帆布の起き上がり防止に有効な接 合構造を得ることを目的としたものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため本考案の特徴とするところは、1プライ又は2プライ の帆布を芯体層とし、その上下両面にゴムもしくは合成樹脂からなるカバー層を 被覆せるベルト両端の先端部を互いに対向的に逆位相のジグザグ状端面に切断し て両端の突条部と溝部を互いに突き合わせて接合したコンベヤベルトの接合構造 において、該芯体層の上下両面に隣接して低伸度・高モジュラスの物性を有する 当て帆布を挿入貼着したコンベヤベルトの接合構造にある。 そして、上記当て帆布の物性は1%以下の低伸度領域で少なくとも104 kg f/cmの弾性率を有し、厚みは1.5mm以下で帆布の材質としては芳香族ポ リアミド、カーボン、ガラス繊維のいずれかが選択される。
【0010】
【作用】
上記接合構造を適用したコンベヤベルトの接合部は、芯体層と当て帆布の応力 〜歪み曲線が低伸張下で類似するため走行時のベルト接合部に低伸度性能、柔軟 性を付与せしめ、接合部のベルト切断強力を増大させると共に芯体帆布の起き上 がりを防止することができる。
【0011】
【実施例】
以下、更に添付図面を参照しながら本考案接合構造の具体的実施例を説明する 。 図1、図2は本考案接合構造の芯体層が帆布1プライの場合で、対向的にジグ ザグ状端面に切断形成されたコンベヤベルトの接合すべき両端部を接合せしめた 状態を示しており、接着ゴム4を表面にコーティングした帆布3からなる芯体層 の上下両面に補強布9、10を介してゴム又は合成樹脂からなる上面カバー層1 と下面カバー層2が被覆貼着されてコンベヤベルト本体が構成されている。
【0012】 この補強布9、10はベルトの縦裂防止のために挿入されたものであって、芯 体帆布層3の上、下いづれか一方でもよく、又使用用途によってはなくてもよい ことはいうまでもないことである。
【0013】 ここで、上記芯体層帆布3としは材質が芳香族ポリアミド繊維、カーボン繊維 又はガラス繊維などの低伸度高強力特性を有する帆布が用いられ、一方、上下の カバー層1、2としてはNR(天然ゴム)、EPR(エチレン・プロピレンゴム )、EPT(エチレン・プロピレン・ターポリマー)、SBR(スチレン・ブタ ジエンゴム)、NBR(ニトリルゴム)、IIR(ブチルゴム)、IR(イソプ レンゴム)、BR(ブタジエンゴム)の単一材もしくはこれらのブレンド等のゴ ム群より選ばれたゴム又は熱可塑性ポリウレタン、PVCなどの熱可塑性合成樹 脂が用いられる。
【0014】 また、帆布芯体層3の外表面に薄く被着される接着ゴム層4としては前記上下 のカバー層1、2と同じ材質のゴムもしくは合成樹脂が用いられ、帆布芯体層3 の表面にコーティング又はフリクションすることによって被着される。
【0015】 そして、上記の如く構成されたコンベヤベルトの接合すべき端部は上面カバー 層1、上面補強布9、下面カバー層2、下面補強布10が切削剥離されて接着ゴ ム層4を上下面に有する帆布芯体層3を露出させており、その先端部において、 帆布芯体層3及び接着ゴム層4は図1に示す如く細長い三角形状の突条部5及び これに対応する溝部を交互にもつジグザグ条端面に切断されている。
【0016】 そして、接合すべき端部の他端側においても同様に上下のカバー層1、2、上 下補強布9、10を切断剥離し、その先端部をさきの切削端面に対し突条部6及 び溝部が逆位相となるようにジグザグ状端面に切断して両切断端面に突き合わせ たとき互いに突条部5、6と相手側の溝部が互いに突き合わせ嵌合し合うように 形成されている。この際突き合わせ部には適宜接着剤を塗付する。そして、その 後さきに切削剥離した上下カバー層1、2および上下補強布9、10部分に本考 案の特徴である上下当て帆布7、8を未加硫の接着ゴム層14を介して貼着し、 その上に未加硫のカバーゴム11、12を挿入し、加熱、加圧することによって 両端の接合が完了する。
【0017】 この当て帆布7、8は低伸張下で本体帆布3と類似した応力〜歪み曲線を有す る特性を持つもので1%以下の低伸度領域で少なくとも104 kgf/cmの弾 性率を保有する低伸度・高モジュラスの物性をもつ芳香族ポリアミド、カーボン 、ガラス繊維等の帆布が用いられる。この当て帆布はベルト長手方向に柔軟で屈 曲性に富み、且つ高モジュラスで帆布総厚みが1.5mm以下のでもので経糸( ベルト長手方向)の太さが3,000デニール以下のマルチフィラメントから織 成されている。
【0018】 尚、当て帆布厚みが1.5mm以上では接合部分の総厚が大きくなり、接合部 の走行時屈曲性が著しく低下し、接合部の起き上がりやプライセパレーションを 惹き起こす恐れがあり、その防止策としてはプーリ径を大きくするしか方法が見 当たらないといった不具合いがある。
【0019】 図3は本考案接合構造の帆布芯体層が2プライの帆布からなる場合の接合構造 を示す図1相当図で、一端の芯体層は1プライ目と2プライ目とをステップ状に 切削剥離し、次いで各プライの帆布を細長い三角形状の突条部5、15及びこれ に対応する溝部を交互にもつジグザグ状端面に同一ピッチ間隔で切断し、一方他 端側においても先端部を先の切断端面に対し、突条部6、16及び溝部が逆位相 となるようジグザグ状断面に切断して両切断端面を突き合わせながら、重ね合わ せ、芯体層の上下両端に未加硫の接着ゴム層14を介して、当て帆布7、7を接 合部を覆う範囲で貼着し、その上に未加硫のカバーゴムを挿入し、加熱、加圧す ることによって両端の接合が完了する。
【0020】 次に引き続き、本考案コンベヤベルト接合構造による効果を試験例により説明 する。
【0021】
【試験例】
ベルト本体強力が1,000kgf/cmの芳香族ポリアミド帆布の芯体層に 補強布、カバーゴム層を上下に被覆したコンベヤベルトの両端の接合部のカバー ゴム、補強布を切削剥離し、芯体帆布の先端部を対向的に逆位相のジグザグ状に 打ち抜いて両端突条部を他方の溝部に差し込んで突き合わせ、接着剤を塗付した 後接着ゴム、経糸が500デニールの径からなる厚み0.8mm、切断強力20 0kgf/cmの芳香族ポリアミド製当て帆布、未加硫カバーゴムを順次貼り合 わせ既知の手法に従って所定の温度、圧力、時間で加硫して本考案によるベルト 接合部を得た。(図1、図2参照)
【0022】 一方、上記と同一構造で厚み1.5mm、切断強力250kg/cmのナイロ ン製の当て帆布を使用して従来のベルト接合部を形成し、それぞれについてベル トの接合部強力および走行時の伸びについて比較試験を行った。 その結果を下記表1に示す。
【0023】
【表1】
【0024】 この試験結果より、本考案のベルト接合構造は従来構造に比し満足すべき接合 部強力保持率と走行時の伸びを有している事が確認できた。
【0025】
【考案の効果】
本考案は以上のようにコンベヤベルトの接合両端部のカバー層を夫々切削剥離 し、その先端部を互いに対向的に逆位相のジグザグ状端面に切断し、両端の突条 部と溝部を互いに突き合わせて接合した芯体層の上下両面に低伸度・高モジュラ スの物性を有する当て帆布を挿入貼着せしめた接合構造により接合部強力を低下 させることなく満足すべき接合効率を得ることが出来、しかも走行時の伸びも小 さく、更に当て帆布の厚み減少化により小プーリ径に使用するに足る屈曲性を有 し接合部芯体層の起き上がりも見られず又、接着力の低下から惹起されるプライ セパレイションもなくコンベヤベルトの接合構造としてすこぶる顕著な効果を有 する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案に係るベルト接合部の一部を切欠いた平
面図である。
【図2】図1のX−X線に沿った横断面図である。
【図3】本考案に係る他の実施例を示す図1相当図であ
る。
【図4】帆布のS−S曲線を示すグラフである。
【図5】従来のオーバーラップ接合構造の断面図であ
る。
【図6】従来の差し子接合部の平面図である。
【図7】従来の差し込み接合部の平面図である。
【符号の説明】
1 上面カバー 2 下面カバー 3 芯体帆布層 4 接着ゴム層 5 突状部 6 突状部 7 当て帆布 8 当て帆布 9 補強布 10 補強布 11 挿入充填ゴム 12 挿入充填ゴム

Claims (4)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1プライ又は2プライの帆布を芯体層と
    し、その上下両面にゴムもしくは合成樹脂からなるカバ
    ー層を被覆せるベルト両端の先端部を互いに対向的に逆
    位相のジグザク状端面に切断して両端の突条部と溝部を
    互いに突き合わせて接合したコンベヤベルトの接合構造
    において、該芯体層の上下両面に隣接して低伸度・高モ
    ジュラスの物性を有する当て帆布を挿入貼着せしめたこ
    とを特徴とするコンベヤベルトの接合構造。
  2. 【請求項2】 該当て帆布の厚みが1.5mm以下であ
    る請求項1記載のコンベヤベルトの接合構造。
  3. 【請求項3】 該当て帆布の材質が芳香族ポリアミド繊
    維、カーボン繊維又はガラス繊維のいずれかである請求
    項1記載のコンベヤベルトの接合構造。
  4. 【請求項4】 該当て帆布の物性が1%以下の低伸度領
    域で少なくとも104 kgf/cmの弾性率を有する請
    求項1記載のコンベヤベルトの接合構造。
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