JPH0519138Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本考案は圧延された金属板材の平坦度不良を矯
正するローラレベラに関する。

〈従来の技術〉 熱間圧延された板材は圧延時や冷却時にその長
手方向及び幅方向において内部残留応力分布が不
均一となり、板材に中伸び、耳波、片波等の局部
歪が発生してしまうという問題が生ずる場合があ
つた。これは、板材の板幅や板厚が増大する程、
大きな問題となつている。

上記のような板材の平坦度不良を矯正する手段
としてローラレベラがあり、ローラレベラには入
側から出側の各矯正ロールを不均一に昇降及び圧
下してその矯正効率を向上するものがある。この
ようなローラレベラの一例として特公昭57−7803
号公報に記載されたものを第５図に示す。このロ
ーラレベラは、固定架台１に設けられた複数の下
矯正ロール２と固定架台１に対して接近離隔移動
する昇降架台３に設けられた複数の上矯正ロール
４とを板材Ｗを挾んで上下に千鳥状に配設し、上
矯正ロール４のうちの入側の矯正ロール４ａを補
助昇降装置５により独立して昇降可能とすると共
に上矯正ロール４のうちの出側の２本の矯正ロー
ル４ｂ，４ｃを補助昇降装置６により独立して昇
降可能とし、更に最下流の矯正ロール４ｃを補助
昇降装置７により独立して昇降可能としたもので
ある。尚、図中の８，９はそれぞれ下矯正ロール
２、上矯正ロール４を補強する補強ロールであ
る。

このようなローラレベラによれば、昇降架台３
の降下動により全ての上矯正ロールで圧下すると
共に、各上矯正ロール４ａ，４ｂ，４ｃの降下動
で上矯正ロール４による圧下量を不均一に調節し
て板材Ｗの矯正を効果的に達成する。すなわち、
一部の矯正ロールで強圧下をかけ、他の矯正ロー
ルで軽圧下をかけることにより総矯正反力を上昇
させることなく矯正効果を高められ、また、出側
矯正ロールを単独で圧下調整することにより矯正
後の板材の長手方向への曲り（反り）を微調整し
て矯正できる等、種々の矯正を実施することがで
きる。

〈考案が解決しようとする問題点〉 上記従来のローラレベラにあつては昇降架台３
を分割して上矯正ロール４ａ，４ｂ，４ｃを設
け、それぞれに昇降装置５，６，７を設けている
ため、これら機構が大型化すると共に構造が不安
定であり、更には矯正ロールの傾動作業が複雑と
なるという問題があつた。

本考案は上記従来の事情に鑑みてなされたもの
で、上記問題を合理的に解決するローラレベラを
提供することを目的とする。

〈問題点を解決するための手段〉 本考案のローラレベラは、固定架台に設けた複
数の矯正ロールと該固定架台に対して接近離隔動
する昇降架台に設けた複数の矯正ロールとを処理
板材を挾んで千鳥状に配設したローラレベラにお
いて、前記昇降架台及び前記固定架台の少なくと
も一方に昇降可能に設けられると共にこれら架台
の入側及び出側の前記矯正ロールをそれぞれ軸支
する複数の支持ブロツクと、前記矯正ロールの幅
方向に移動可能に前記架台に設けられ且つ前記矯
正ロールの幅方向に沿つて鋸刃状に前記支持ブロ
ツクに形成した斜面に摺接する鋸刃状の斜面をそ
れぞれ有すると共に前記矯正ロールの幅方向に沿
つて二分割されたカムブロツクと、これらカムブ
ロツクをそれぞれ前記矯正ロールの幅方向に沿つ
て移動させることにより前記支持ブロツクを昇降
させる複数のカムブロツク駆動手段とを備えたこ
とを特徴とする。

〈作用〉 カムブロツク駆動手段を操作してカムブロツク
を移動させることにより支持ブロツクを昇降さ
せ、矯正ロールによる圧下量を調整して処理板材
を効果的に矯正する。

〈実施例〉 本考案のローラレベラを実施例に基づいて具体
的に説明する。

第１図は本考案の一実施例に係るローラレベラ
の断面側面図、第２図は第１図中の−矢視断
面図、第３図は第２図中の要部拡大図、第４図は
第３図の右側面図である。

図示のように、ハウジング１１内には、その底
部に固設された固定架台１２と、傾動圧下シリン
ダ１３及びバランスシリンダ１４で懸吊されて固
定架台１２に対して接近離隔するよう昇降可能な
昇降架台１５とが設けられている。

固定架台１２にはそれぞれ軸受２０を介して軸
支された下矯正ロール２１が複数本互いに平行に
設けられており、これら下矯正ロール２１はサド
ル２２を介して固定架台１２に軸支された分割型
の補強ロール２３により下方から補強されてい
る。

昇降架台１５にはそれぞれ軸受３０を介して軸
支された上矯正ロール３１が複数本互いに平行に
設けられており、これら上矯正ロール３１と下矯
正ロール２１とは第１図に示すように処理板材Ｗ
を挾んで千鳥状に配設されている。上矯正ロール
３１のうちの入側に位置する２本のロール３１ａ
と出側に位置する２本のロール３１ｂとはそれぞ
れ支持ブロツク１５ａ，１５ｂを介して昇降架台
１５に設けられており、上矯正ロール３１を上方
から補強する分割型の補強ロール３３もこれら入
側及び出側のロール３１ａ，３１ｂに対するもの
はサドル３２を介して支持ブロツク１５ａ，１５
ｂに設けられ、これら以外の上矯正ロール３１に
対するものはサドル３２を介して直接昇降架台１
５に設けられている。尚、軸受３０と昇降架台１
５及び支持ブロツク１５ａ，１５ｂとの間にはば
ね３４が介装されており、これらばね３４によつ
て上矯正ロール３１，３１ａ，３１ｂは補強ロー
ル３３に圧接されている。

上記支持ブロツク１５ａ，１５ｂはそれぞれ昇
降架台１５に昇降自在に嵌装され、支持ブロツク
１５ａ，１５ｂの両側面に張出したブラケツト３
５に軸支したシリンダ装置３６及びシリンダ装置
３６の連結されると共に昇降架台１５に軸支され
たＬ型レバー３７を介して支持ブロツク１５ａ，
１５ｂは昇降架台１５に懸吊されている。支持ブ
ロツク１５ａ，１５ｂはそれぞれその上面に上矯
正ロール３１ａ，３１ｂの幅方向に沿つて鋸刃状
に傾斜した斜面１５ｃを有しており、これら斜面
１５ｃに摺接する鋸刃状の斜面３８ａを介したカ
ムブロツク３８が支持ブロツク１５ａ，１５ｂと
昇降架台１５との間に矯正ロール３１ａ，３１ｂ
の軸方向へ移動し得るように介装されている。こ
れらカムブロツク３８にはアーム３９を介してＬ
型レバー３７が連結されており、シリンダ装置３
６が作動するとカムブロツク３８は矯正ロール３
１ａ，３１ｂの軸方向へ移動し、斜面１５ｃ，３
８ａ間の摺動により支持ブロクツ１５ａ，１５ｂ
ごと矯正ロール３１ａ，３１ｂを降下させること
ができる。つまり、これらシリンダ装置３６、Ｌ
形レバー３７、アーム３９等でそれぞれカムブロ
ツク駆動手段を構成している。

上記構成のローラレベラの作動の一例を説明す
る。まず、昇降架台１５を傾動圧下シリンダ１３
によつて入側へ適宜傾動させて下降させる。次い
で、シリンダ装置３６によつて入側のカムブロツ
ク３８を第２図中左方へ移動させて入側の支持ブ
ロツク１５ａの下降により入側の上矯正ロール３
１ａの圧下力を強めると共に、出側のカムブロツ
ク３８を入側とは逆方向へ移動させて出側の上矯
正ロール３１ｂの圧下力を弱め、これら上矯正ロ
ール３１，３１ａ，３１ｂと下矯正ロール２１と
で所定のインタメツシユを設定し、これら上下の
矯正ロール群２１，３１を駆動回転させながら板
材Ｗを通板させる。この結果、板材Ｗは入側で大
きな曲げ率となつてその板幅方向の平坦度不良が
矯正され、その後の中央部で除々に曲げ率が小さ
くされてその長手方向も平坦化される。ここで仮
に、中央部の最下流に位置する矯正ロール３１に
よつても板材Ｗに上方への反りが残つてしまつた
場合にあつても、出側の上矯正ロール３１ｂを適
宜圧下することにより平坦化することができる。
また、板材Ｗを再矯正する必要がある場合には、
昇降架台１５の傾動及び入側矯正ロール３１ａ、
出側矯正ロール３１ｂの圧下条件を上記とは逆に
設定して板材Ｗを上記とは逆方向へ通板させるよ
うにすれば良い。

尚、本考案は上記実施例に限定されるものでは
なく種々の変更を加え得るものであり、例えば、
上記昇降架台１５に設けた支持ブロツク１５ａ，
１５ｂ、カムブロツク３８等からなる機構を固定
架台或いは昇降架台と固定架台とに設けても良
い。また、このように矯正ロールを部分的に圧下
調整する機構は入側又は出側のいずれか一方に設
けられるようにしても良く、これら機構を固定架
台及び昇降架台のいずれに設け更にどこに設ける
かは作業条件に応じて適宜定められる。

〈考案の効果〉 本考案のローラレベラによれば、支持ブロツク
とカムブロツクとに形成された鋸刃状の斜面間の
摺動により矯正ロールの圧下量を調整するように
したため、構造が簡単となつて機構の小型化が達
成できると共に、圧下量の微調整が達成されて効
果的な矯正作業を実施することができる。又、カ
ムブロツクを矯正アームの幅方向に沿つて二分割
したので、矯正アームの幅方向左右で異なる矯正
量を処理板材に付与することができ、この処理板
材の平面度が幅方向で異なつているような場合で
も、良好な矯正を行うことが可能である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例に係るローラレベラ
の断面側面図、第２図は第１図中の−矢視断
面図、第３図は第２図中の要部を抽出して表す拡
大図、第４図は第３図の右側面図、第５図は従来
のローラレベラを表す断面図である。 図面中、１２は固定架台、１５は昇降架台、１
５ａ，１５ｂは支持ブロツク、１５ｃは斜面、２
１は下矯正ロール、３１，３１ａ，３１ｂは上矯
正ロール、３８はカムブロツク、３８ａは斜面、
Ｗは処理板材である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 固定架台に設けた複数の矯正ロールと該固定架
   台に対して接近離隔動する昇降架台に設けた複数
   の矯正ロールとを処理板材を挾んで千鳥状に配設
   したローラレベラにおいて、前記昇降架台及び前
   記固定架台の少なくとも一方に昇降可能に設けら
   れると共にこれら架台の入側及び出側の前記矯正
   ロールをそれぞれ軸支する複数の支持ブロツク
   と、前記矯正ロールの幅方向に移動可能に前記架
   台に設けられ且つ前記矯正ロールの幅方向に沿つ
   て鋸刃状に前記支持ブロツクに形成した斜面に摺
   接する鋸刃状の斜面をそれぞれ有すると共に前記
   矯正ロールの幅方向に沿つて二分割されたカムブ
   ロツクと、これらカムブロツクをそれぞれ前記矯
   正ロールの幅方向に沿つて移動させることにより
   前記支持ブロツクを昇降させる複数のカムブロツ
   ク駆動手段とを備えたことを特徴とするローラレ
   ベラ。