JPH06210314A

JPH06210314A - 幅圧下プレス装置

Info

Publication number: JPH06210314A
Application number: JP636893A
Authority: JP
Inventors: Kenichi Ide; 賢一井出; Nobuhiro Tazoe; 信広田添; Setsuo Matsunuma; 世津雄松沼
Original assignee: IHI Corp
Current assignee: IHI Corp
Priority date: 1993-01-19
Filing date: 1993-01-19
Publication date: 1994-08-02

Abstract

(57)【要約】【目的】スラブの幅が広く、かつ幅圧下量が大きい場
合、並びにスラブ幅が変化する場合でも、幅圧下におけ
るスラブの座屈を適切に抑制できる幅圧下プレス装置を
提供する。【構成】幅圧下用金型２によりスラブ１を幅方向に圧
下する幅圧下プレス装置において、幅圧下用金型の間に
設けられスラブの幅方向中央部を上下に挟む一対の主押
さえロール１０と、幅圧下用金型の入側に設けられ幅方
向に移動可能な複数の上部押さえロール１２と、幅圧下
用金型の入側に設けられスラブと接触する押さえ位置と
スラブから離れた離脱位置との間を移動可能な複数の下
部押さえロール１４と、幅圧下用金型の出側に設けられ
スラブの全幅を上下に挟む一対の補助押さえロール１６
とを備えている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、幅圧下プレス装置に係
わり、更に詳しくは、プレスを用いてスラブ材を幅圧下
する幅圧下プレス装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】スラブ材の幅調整を行う装置として、幅
圧下ロール装置と、幅圧下プレス装置が従来から用いら
れている。このうち幅圧下プレス装置（スラブサイジン
グプレス装置）は、金型とスラブとの接触長さが大き
く、この長い接触長で幅圧下を行うため良好な幅圧下が
得られ、かつ１回で大きな幅圧下量が得られる有用性が
ある。このため、幅圧下プレス装置を水平圧延設備と組
み合わせてストリップ（圧延材）を製造する手段が従来
から用いられている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし、幅圧下プレス
装置で大きな幅圧下を行うと圧下の際にスラブが上下方
向に座屈する問題点があった。かかる座屈が発生する
と、幅圧下がそれ以上できなくなり、かつその後の水平
圧延でその座屈変形を修正する必要がある問題点があっ
た。かかる問題点を解決するために、従来、「熱間スラ
ブの幅圧下プレス方法及び装置」（特公平４−６２８０
３号公報）、「幅圧下プレスの座屈防止装置」（特開平
１−３１７６０３号）、「スラブサイジングプレス装
置」（特願平３−３１５０４０号）、等が提案されてい
た。特公平４−６２８０３号の方法は、例えば図４に示
すように、「スラブ１の搬送方向の少なくとも２ケ所
Ａ、Ｂの位置に分離して定置された押圧手段」を備え、
これにより金敷２′による幅圧下の際の座屈を防止する
ものであるが、押圧手段（例えば押圧ローラ）の位置が
スラブ搬送方向に定置されているため、幅の狭いスラブ
の幅圧下には適合しても、幅の広い（例えば２０００ｍ
ｍ以上）のスラブの幅圧下の際には、中央部以外の座屈
防止ができない問題点があった。すなわちスラブの座屈
には、図３（Ａ）、（Ｂ）、（Ｃ）に例示するような座
屈形態があり、座屈荷重は（Ａ）が最も小さく、（Ｃ）
が最も大きい。従来の幅圧下プレス装置のように、幅圧
下量が小さい場合（例えは両側で３５０ｍｍ）には、
（Ａ）の形態の座屈が普通であるため、図４のような中
央部の押圧手段（押圧ローラ）を備えることで、座屈を
抑制することができた。しかし、スラブの幅が広く（例
えば２０００ｍｍ以上）、或いは幅圧下量が大きくなる
と（例えば両側で５００〜６００ｍｍ）、幅圧下力も大
きくなり、図３の（Ｂ）又は（Ｃ）の形態の座屈が生じ
るようになる。このため、中央部の押圧手段では、かか
る形態の座屈をほとんど抑制することができなかった。
特開平１−３１７６０３号は、かかる問題点を示唆さえ
もしていない。すなわち、この発明による装置は、スラ
ブの搬送方向に「複数の押えロール」を備えたにすぎ
ず、上記座屈形態に対応することを意図したものではな
い。特願平３−３１５０４０号の装置は、「主押さえロ
ールの軸方向の両側に補助押さえロールを備え」、てお
り、上述した（Ｂ）又は（Ｃ）の形態の座屈にある程度
対応することができる。しかし、補助押さえロールの幅
方向位置は固定されており、スラブ幅が変化する場合
に、幅方向の最適の位置で座屈を抑制することはできな
かった。

【０００４】本発明は上述した問題点を解決するために
創案されたものである。すなわち、本発明の第１の目的
は、スラブの幅が広く、かつ幅圧下量が大きい場合で
も、幅圧下におけるスラブの座屈を抑制できる幅圧下プ
レス装置を提供することにある。更に、本発明の第２の
目的は、スラブ幅が変化する場合でも、幅圧下における
スラブの座屈を適切に抑制できる幅圧下プレス装置を提
供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明によれば、幅圧下
用金型によりスラブを幅方向に圧下する幅圧下プレス装
置において、前記幅圧下用金型の間に設けられ、スラブ
の幅方向中央部を上下に挟む一対の主押さえロールと、
幅圧下用金型の入側に設けられ、幅方向に移動可能な複
数の上部押さえロールと、幅圧下用金型の入側に設けら
れ、スラブと接触する押さえ位置とスラブから離れた離
脱位置との間を移動可能な複数の下部押さえロールと、
を備えたことを特徴とする幅圧下プレス装置が提供され
る。本発明の好ましい実施例によれば、更に、幅圧下用
金型の出側に設けられ、スラブの全幅を上下に挟む一対
の補助押さえロールを備える。また、幅圧下用金型の入
側又は出側の少なくとも一方に設けられ、スラブの幅方
向両端に接触する対の竪型ピンチロールを更に備える。
前記上部押さえロールは、２つの押さえロールからな
り、それぞれが、スラブと接触する押さえ位置とスラブ
から離れた離脱位置との間を移動可能に設けられてい
る。また、前記下部押さえロールは、幅方向の位置が固
定された３つの押さえロールからなり、それぞれが単独
に押さえ位置と離脱位置との間を移動可能に設けられて
いる。前記補助押さえロールは、少なくとも前記複数の
下部押さえロールの総和よりも長く、かつ上下の少なく
とも一方が回転駆動されている、ことが好ましい。ま
た、前記主押さえロールの直径は、前記上部押さえロー
ル、下部押さえロール、及び補助押さえロールのいずれ
の直径より大きい、ことが好ましい。

【０００６】

【作用】上記本発明の構成によれば、スラブの幅方向中
央部を上下に挟む一対の主押さえロール以外に、幅方向
に移動可能な複数の上部押さえロールと、押さえ位置と
離脱位置との間を移動可能な複数の下部押さえロール
と、を備えているので、スラブの幅が広く、かつ幅圧下
量が大きい場合でも、幅圧下におけるスラブの座屈を抑
制でき、かつスラブ幅が変化する場合でも、幅圧下にお
けるスラブの座屈を適切に抑制できる。すなわち、図３
に二点鎖線で示すように、（Ａ）の座屈形態には主押さ
えロール、（Ｂ）の座屈形態には上部押さえロール及び
下部押さえロール、（Ｃ）の座屈形態には上部押さえロ
ール及び主押さえロール、によりそれぞれ効果的にスラ
ブの座屈を抑制することができる。特に、上部押さえロ
ールは幅方向に移動可能であり、スラブ幅が大きく変化
する場合でも最適の位置で座屈を抑制することができ
る。また、複数の下部押さえロールは押さえ位置と離脱
位置との間を移動可能であるため、一部の下部押さえロ
ールを離脱位置にすることにより、幅が狭いスラブにも
対応することができる。更に、スラブの全幅を挟む補助
押さえロールを備え、この補助押さえロールがスラブの
全幅を挟んでいるので、座屈の抑制力を更に高めること
ができ、かつ幅圧下によりわずかにスラブが座屈した場
合でも、その座屈変形を修正することができる。

【０００７】

【実施例】以下、本発明の好ましい実施例を図面を参照
して説明する。図１は本発明による幅圧下プレス装置の
全体平面図であり、図２はその側面図である。図１及び
図２において、本発明による幅圧下プレス装置は、幅圧
下用金型２によりスラブ１を幅方向に圧下できるように
なっており、更に、幅圧下用金型の間に設けられた一対
の主押さえロール１０と、幅圧下用金型２の入側に設け
られた複数の上部押さえロール１２及び複数の下部押さ
えロール１４と、を備えている。

【０００８】主押さえロール１０は、スラブ１の幅方向
中央部を上下に挟むようになっており、これにより中央
部のスラブ１に接触し、図３（Ａ）に示した最も一般的
な形態の座屈を効果的に抑制することができる。この主
押さえロール１０の直径は、上部押さえロール１２、下
部押さえロール１４、及び補助押さえロール１６のいず
れの直径より大きい。これにより、主押さえロール１０
によるスラブ押付け力を大きくすることができ、かつこ
のロールに押付けられたスラブ部分の応力を低減するこ
とができ、更にロールの寿命を延ばすことができる。ま
た図示のように、主押さえロール１０は、支点１０ａを
中心に押さえ位置（実線）と離脱位置（二点鎖線）との
間を揺動可能に設けられており、かつ垂直な液圧シリン
ダ１１を備え、主押さえロール１０をスラブの厚さ方向
に押付けることができる。この液圧シリンダ１１の圧力
制御により、主押さえロール１０によるスラブ押付け力
を自由に調節でき、また必要によりスラブ１から離れた
離脱位置（二点鎖線で示す）に主押さえロール１０を移
動させることができる。

【０００９】上部押さえロール１２は、図示しない適当
な手段（例えば液圧シリンダ）により幅方向に移動可能
に設けられている。また、この図の例では上部押さえロ
ール１２は２つの押さえロールからなり、垂直な液圧シ
リンダ１３を備え、それぞれのロールが、支点１２ａを
中心に揺動してスラブ１と接触する押さえ位置（実線）
とスラブ１から離れた離脱位置（二点鎖線）との間を移
動可能に設けられている。かかる構成により、図３
（Ｂ）又は（Ｃ）に二点鎖線で示すように、スラブ幅が
大きく変化する場合でも最適の位置に上部押さえロール
１２を幅方向に移動させ、座屈を効果的に抑制すること
ができる。

【００１０】下部押さえロール１４は、幅圧下用金型２
の入側に設けられ、垂直な液圧シリンダ１５を備え、支
点１４ａを中心に揺動してスラブ１と接触する押さえ位
置（実線）とスラブ１から離れた離脱位置（二点鎖線）
との間を移動可能に設けられている。この図の例では、
下部押さえロール１４は、幅方向の位置が固定された３
つの押さえロールからなり（図１に中央部の押さえロー
ルのみを示す）、それぞれが単独に押さえ位置と離脱位
置との間を移動可能に設けられている。かかる構成によ
り、一部の下部押さえロール（例えば両側の押さえロー
ル）を離脱位置にすることにより、幅が狭いスラブにも
対応することができる。

【００１１】本発明の幅圧下プレス装置は更に、幅圧下
用金型の出側に設けられた一対の補助押さえロール１６
を備えている。この補助押さえロール１６は、少なくと
も一方のロールに垂直な液圧シリンダ１７を備え、スラ
ブの全幅を上下に挟むようになっている。この補助押さ
えロール１６は、少なくとも複数の下部押さえロール１
４の総和よりも長く、かつ上下の少なくとも一方が回転
駆動されている。これにより、座屈の抑制力を更に高め
ることができ、かつ幅圧下によりわずかにスラブが座屈
した場合でも、その座屈変形を修正することができる。
また回転駆動することにより、スラブ１の搬送を円滑に
行うことができる。

【００１２】本発明の幅圧下プレス装置は更に、幅圧下
用金型の入側又は出側の少なくとも一方に対の竪型ピン
チロール１８を備えており、横移動可能な液圧シリンダ
１９が設置されている。このピンチロール１８は、スラ
ブ１の幅方向両端に接触するようになっている。このピ
ンチロール１８は、回転駆動されるのが好ましいがこれ
に限られるものではない。かかる構成により、スラブ１
の搬送を案内し、さらにプレス材の曲がりを矯正するこ
とができ、或いは搬送を駆動することができる。

【００１３】

【発明の効果】上述したように、本発明によれば、スラ
ブ１の幅方向中央部を上下に挟む一対の主押さえロール
１０以外に、幅方向に移動可能な複数の上部押さえロー
ル１２と、押さえ位置と離脱位置との間を移動可能な複
数の下部押さえロール１４と、を備えるので、図３に二
点鎖線で示すように、（Ａ）の座屈形態には主押さえロ
ール１０、（Ｂ）の座屈形態には上部押さえロール１２
及び下部押さえロール１４、（Ｃ）の座屈形態には上部
押さえロール１２及び主押さえロール１０、によりそれ
ぞれ効果的にスラブの座屈を抑制することができる。特
に、上部押さえロール１２は幅方向に移動可能であり、
スラブ幅が大きく変化する場合でも最適の位置で座屈を
抑制することができる。また、複数の下部押さえロール
１４は押さえ位置と離脱位置との間を移動可能であるた
め、一部の下部押さえロールを離脱位置にすることによ
り、幅が狭いスラブにも対応することができる。更に、
スラブの全幅を挟む補助押さえロール１６を備え、この
補助押さえロール１６はスラブの全幅を挟んでいるの
で、座屈の抑制力を更に高めることができ、かつ幅圧下
によりわずかにスラブが座屈した場合でも、その座屈変
形を修正することができる。

【００１４】従って、本発明により、スラブの幅が広
く、かつ幅圧下量が大きい場合でも、幅圧下におけるス
ラブの座屈を抑制でき、かつスラブ幅が変化する場合で
も、幅圧下におけるスラブの座屈を適切に抑制できる、
優れた効果を得ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明による幅圧下プレス装置の全体平面図で
ある。

【図２】本発明による幅圧下プレス装置の全体側面図で
ある。

【図３】スラブの座屈形態を示す図である。

【図４】従来の幅圧下プレス装置を示す図である。

【符号の説明】

１スラブ材２幅圧下用金型１０主押さえロール１２上部押さえロール１４下部押さえロール１６補助押さえロール１８竪型ピンチロール

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】幅圧下用金型によりスラブを幅方向に圧
下する幅圧下プレス装置において、前記幅圧下用金型の間に設けられ、スラブの幅方向中央
部を上下に挟む一対の主押さえロールと、幅圧下用金型の入側に設けられ、幅方向に移動可能な複
数の上部押さえロールと、幅圧下用金型の入側に設けられ、スラブと接触する押さ
え位置とスラブから離れた離脱位置との間を移動可能な
複数の下部押さえロールと、を備えたことを特徴とする
幅圧下プレス装置。
【請求項２】更に、幅圧下用金型の出側に設けられ、
スラブの全幅を上下に挟む一対の補助押さえロールを備
える、ことを特徴とする請求項１に記載の幅圧下プレス
装置。
【請求項３】更に、幅圧下用金型の入側又は出側の少
なくとも一方に設けられ、スラブの幅方向両端に接触す
る対の竪型ピンチロールを備える、ことを特徴とする請
求項１に記載の幅圧下プレス装置。
【請求項４】前記上部押さえロールは、２つの押さえ
ロールからなり、それぞれが、スラブと接触する押さえ
位置とスラブから離れた離脱位置との間を移動可能に設
けられている、ことを特徴とする請求項１に記載の幅圧
下プレス装置。
【請求項５】前記下部押さえロールは、幅方向の位置
が固定された３つの押さえロールからなり、それぞれが
単独に押さえ位置と離脱位置との間を移動可能に設けら
れている、ことを特徴とする請求項１に記載の幅圧下プ
レス装置。
【請求項６】前記補助押さえロールは、少なくとも前
記複数の下部押さえロールの総和よりも長く、かつ上下
の少なくとも一方が回転駆動されている、ことを特徴と
する請求項２に記載の幅圧下プレス装置。
【請求項７】前記主押さえロールの直径は、前記上部
押さえロール、下部押さえロール、及び補助押さえロー
ルのいずれの直径より大きい、ことを特徴とする請求項
２に記載の幅圧下プレス装置。