JPH05190336A - 高周波コア - Google Patents

高周波コア

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Publication number
JPH05190336A
JPH05190336A JP3155922A JP15592291A JPH05190336A JP H05190336 A JPH05190336 A JP H05190336A JP 3155922 A JP3155922 A JP 3155922A JP 15592291 A JP15592291 A JP 15592291A JP H05190336 A JPH05190336 A JP H05190336A
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JP
Japan
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core
high frequency
coil
winding
internal space
Prior art date
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Pending
Application number
JP3155922A
Other languages
English (en)
Inventor
Tsuneo Ikegami
恒男 池上
Yoshiyuki Kasuga
良行 春日
Hisahiro Kamata
久浩 鎌田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tohoku Ricoh Co Ltd
Rubycon Corp
Micron Kiki Co Ltd
Original Assignee
Tohoku Ricoh Co Ltd
Rubycon Corp
Micron Kiki Co Ltd
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Filing date
Publication date
Application filed by Tohoku Ricoh Co Ltd, Rubycon Corp, Micron Kiki Co Ltd filed Critical Tohoku Ricoh Co Ltd
Priority to JP3155922A priority Critical patent/JPH05190336A/ja
Publication of JPH05190336A publication Critical patent/JPH05190336A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
    • H01F38/00Adaptations of transformers or inductances for specific applications or functions
    • H01F38/20Instruments transformers
    • H01F38/22Instruments transformers for single phase ac
    • H01F38/28Current transformers
    • H01F38/30Constructions
    • H01F2038/305Constructions with toroidal magnetic core

Landscapes

  • Coils Or Transformers For Communication (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 コアの薄型化と漏れ磁束の低減を図る。 【構成】 高周波コア1は、中心に空芯51を有し、こ
れにより薄く形成される。また、コイルの巻回方向に直
角な方向に分割された複数のコア部分1a,1b,1
c,1dを有するように構成することもでき、この複数
のコア部分1a,1b,1c,1dは、断面形状が四角
筒、楕円筒または円筒で形成され、組み立てられると楕
円形の高周波コア1が形成される。コア部分には、コイ
ルの巻き線の引き出し口用コアまたは開口、さらには導
電性のシールド部材を形成してもよい。コイルの巻き線
の引き出し口用コアや開口はまた、磁性体により包囲し
てもよく、コア部材の内部に少なくとも一つのボビンを
配置してもよい。また、コア部分は、コイルの巻回方向
を平行に分割したり、直角な方向と平行な方向とを組み
合わせてもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は高周波領域のトラン
ス、インダクタなどの磁心として用いられるコアに関す
る。
【0002】
【従来の技術】高周波電気信号の増幅、発振、整合、伝
送などには、コイルが使用される。通常、送信機などの
大電力を扱う増幅回路または伝送回路を除いて、この種
のコイルではコイルのみを空心とせず、磁心(コア)を
用いて小径および少巻数で大きなインダクタンスを得る
ように構成し、あるいは磁心(コア)用いてQの向上や
コイルの小型化を図っている。コアには、その用途など
に応じてリング型、E型、I型などが使い分けられてい
る。
【0003】一方、近年ではLSIなどの半導体装置の
大規模集積化に伴って電子装置の小型軽量化が要求さ
れ、これに伴って付属する電子部品、例えば大容量コン
デンサ、インダクタ、トランスなどの小型化が求められ
ている。このうち、高周波用途のインダクタ、トランス
などにあつては、例えばエッチング処理を用いてフィル
ムにコイルを形成し、小型化を図ることが試みられてい
る。
【0004】しかし、従来のインダクタやトランス類に
は幾つかの問題が残されている。例えば、インダクタや
トランスからの漏れ磁束や引き出し線によるインダクタ
ンスの発生およびこの引き出し線による漏れ磁束が、発
振などの誤動作、減衰信号、雑音を発生させる。さら
に、インダクタやトランスが基板上でかなりのスペース
を占有するため、他の搭載部品の配置が制約され、理想
的な回路を構築するための障害となっている。また、高
周波の回路などでは、インダクタンスが小さくなるため
に巻数が少なくなり、同時に使用可能なコアの透磁率μ
および飽和磁束密度Bsat も小さくなるので、従来のコ
ア形式では設計が困難になる。
【0005】一方、コアから外部への漏れ磁束を最も小
さくし、無駄な部分を取り去ったコア形状として、例え
ば特開昭62−63410号公報に開示されたような所
謂つぼ形(ポット形)と称されるものが知られている。
この種のコアは、平面図である図36および図36のB
−B線断面図である図37に示すように、例えばMn−
ZnフェライトやNi−Znフェライト等で形成された
上コア101と下コア102に分割され、コアの内部に
コイル装着空間103が設けられ、その中心部に磁芯部
分(センターポール)105が形成されている。また、
コイル装着空間103の外周にあたる外周部分104に
は、コイルリードの引出口であるスリット106が切り
欠かれている。このような各部を有するコアは、装着空
間103内にコイルを装着した後、鏡面仕上げされた外
周部分107の端面を突き合わせ、コイルリードをスリ
ット106から引き出し、前記端面を密着させて境界面
に沿って部分的もしくは全周にわたって半田スポット1
08により接合し、一体に形成される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このようなコ
アにおいて、薄型化を促進した場合に、その限界を定め
るのはセンターポールすなわち磁芯部分105に直交す
るヨーク部分の厚さである。ここで、センターポールの
半径をrcp、ヨークの厚さをw1 とすると、その接続部
Jにおいて、磁路に直交する最小断面積(以下単に磁路
最小断面積という)をセンタポールの断面積に等しくと
るか、あるいは直交するヨークの磁路断面積の方を大き
くとる必要がある事は周知の通りである。
【0007】ここで、接続部における磁路最小断面積を
ycpmin、センターポール断面積をScpとし、Scp=π
cp 2 (ただし、rcpはポール半径)とおけば Sycpmin=2πrcp・w1 ∴w1 =(1/2)rcp となり、上下2つのヨーク(以下、蓋あるいは底板と称
す)の占める厚さはrcpとなりこれが薄型化の限界とな
る。
【0008】したがって本発明の第1の目的は、いわゆ
るポッド形のコアの小型化、薄型化を達成することにあ
る。
【0009】また、本発明の第2の目的は、前記コアの
小型化、薄型化を達成した上で漏れ磁束を低減すること
が可能な高周波コアを提供することにある。
【0010】さらに本発明の第3の目的は、巻き幅を制
限せず、複数のコイル間にノイズなどの漏れや干渉など
が生じることのない高周波コアを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】第1の目的は、コイルを
配設するための内部空間と、この内部空間よりも中心部
側に空芯の部分を有するセンターポールとを備えた第1
の手段によって達成される。
【0012】また、第2の目的は、リング状のコイルを
配設するための内部空間を有し、コイルをその内部空間
に実装後、一体に結合して一つのコアを形成可能な形状
に分割された複数のコア部分を有する第2の手段によっ
て達成される。
【0013】さらに、第3の目的は、第2の手段のコア
に、コイルの引出し用の少なくとも一つの開口けて高周
波コアを構成した第3の手段によって達成される。
【0014】
【作用】上記第1の手段によれば、コアのセンターポー
ルの空芯の部分を形成することにより、センターポール
の断面積を小さくすることができ、これによりヨークの
磁路に直交する断面積を小さくすることが可能になり、
ヨークの薄型化、ひいてはコアの薄型化が可能になる。
【0015】上記第2の手段によれば、コイルを各コア
部分に収納した後、結合して一つのコアを形成する。こ
れにより、コイル全体を覆うようにコアを配設すること
ができるため、漏れ磁束を低減することが可能になる。
【0016】上記第3の手段によれば、コアはコイル全
体を外周から覆うとともに分割および組立が可能に構成
され、かつ、開口を巻線の引出し位置ごとに設けてこと
ができる。これにより、コイルの実装が容易で、漏れ磁
束の低減が可能になるとともに、巻線間の干渉も防止す
ることができる。
【0017】
【実施例】以下、図面を参照し、本発明に係る高周波コ
アの好適な実施例について説明する。
【0018】本発明の第1の実施例に係る高周波コア1
は、図1ないし図3に示すように円形のコイルを内蔵す
る断面中空状のコア形状に形成されている。すなわち、
コア1は、蓋側のコア部1gと底部側のコア部1hに二
分されて形成され、底部側のコア部1hに後述の巻線収
容溝4が円環状に形成されている。そして、コアの中央
部は空芯として孔51が設けられ、その内周面、すなわ
ち巻線収容溝4の内側の壁がセンターポール50となっ
ている。すなわち、この実施例は、後述の理由によりセ
ンターポール50の径を大きくとり(ri )その中心部
に孔(空芯51)(ri −wi )をあけた構造としてあ
る(以下、この形式のコアをドーナッツ型コアと称
す)。このようにドーナッツ形としたことによりセンタ
ーポール50は環状の壁となり、その外周が増すため、
蓋(コア部分1g)あるいは底板(コア部分1h)の厚
さwp は、同じ磁路断面積を持つ通常のセンターポール
型コアのそれに対し薄くすることができる。これを以
下、具体的に説明する。
【0019】孔51を空けたセンターポール50の壁
(内壁)の厚さをwi 、外周をri とした場合、その磁
路断面積si をsi =πrcp 2 として、従来のセンター
ポール105と比較する。内壁と蓋1g(あるいは底板
1h)との接続部における磁路最小断面積(SyD)をセ
ンターポールの断面積と等しく置けば SyDmin =πrcp 2 =2πri p となり、これから wp =rcp 2 /2ri となる。ここで、ri をαrcpと置けば wp =(1/α)・(rcp/2) となり従来のセンターポール型の蓋101の厚さの1/
αになる。なお、α=1とすれば従来のセンターポール
型の蓋101の厚さになる。
【0020】今巻線を収容する空間の断面を両型式のコ
アにおいて等しくとり、その径方向の長さをx、軸方向
の長さをyと置くと、ドーナッツ型のコアにおいて環状
の壁の厚さを外壁側で求めると、SO を外壁の磁路断面
積、wO を外壁の厚さ、rO をコアの外径として、 SO =π{rO 2 −(rO −wO 2 } =πrcp 2 から、 wO =−(ri +x)+{(r+x)2 +rcp 2 1/2 O ={(ri +x)2 +rcp 2 1/2 となる。
【0021】また、Si を内壁の磁路断面積、wi を内
壁の厚さ、rH を孔の半径として、環状の壁の厚さを内
壁側で求めると、 Si =π〔ri 2 −(ri −wi 2 〕 =πrcp から、 wi =ri −(r2 −rcp 2 1/2 H =ri −wi =(ri 2 −rcp 2 1/2 となる。
【0022】一方、センターポール型においてコアの厚
さを外壁側で求めると、Sc を外壁の磁路断面積、w2
を外壁の厚さ、rc をコアの外半径として、 Sc =π{(rcp+x+w2 2 −(rcp+x)2 } から、 w2 =−(rcp+x)+{(rcp+x)2 +rcp 2 1/2 c ={(rcp+x)2 +rcp 2 1/2 となる。
【0023】以上の値から蓋(底)の面積を求めると、
ドーナッツ型においては SD =π(rO 2 −rH 2 )=π(x2 +2xri +2rcp 2 ) センターポール型においては Sc =πrc 2 =π(x2 +2xrcp+2rcp 2 ) となる。そこで、これらに各々の厚さを乗じれば各々の
蓋体積が求められる。
【0024】ドーナッツ型の蓋体積VD は VD =π{x2 +2xri +2rcp 2 }rcp 2 /2ri センターポール型の蓋体積Vc は Vc =π{x2 +2xrcp+2rcp 2 }rcp/2 となり、これらにri =αrcp , x=Kx cpを入れ
比を求めると VD /Vc ={(Kx 2 +2αKx +2)/(Kx 2 +2Kx +2)}・1/α =1−{(α−1)(Kx 2 +2)/(αKx 2 +2Kx +2)} となる。両者のセンターポール及び各壁の磁路断面積は
等しく置いてあり、その長さyも等しいからコアの全体
積は、ドーナッツ型では VDT=π{(x2 +2xri +2rcp 2 )rcp 2 /ri }+2πyrcp 2 センターポール型では VcT=π{(x2 +2xrcp+2rcp 2 )rcp }+2πyrcp 2 となり、さらにKa =xy/πrcp 2 として両者の比を
とると VcT/VDT =1− {( α−1)(2+Kx 2 )} /(2πKa /Kx +2+2Kx +Kx 2 ) となる。したがって、ポット型コアの、センターポール
の径を大きくし、中央に孔をあけたドーナッツ型は高さ
も体積も小さくなり電源の薄型化が促進される。
【0025】このことは同体積のコアにおいては、ドー
ナッツ型の方が磁路断面が大きくなり、断面積が大きく
なった分、巻回数を減少することができ、その分、径方
向の長さxあるいは軸方向の長さyを小さくすることが
できることを示している。このように前記長さxあるい
はyを小さくすることができると、その小さくなった量
に応じて磁路長が短くなり鉄損を減少させることができ
るので高周波化に有利なコアを作りやすくなる。
【0026】また、長さx,yを減少させるときに長さ
yの減少に重点を置けばコアの高さの増加を抑えること
ができ、条件によつては更に高さを低くし得る場合も生
じる。さらに、上記のようにセンターポールを空芯に形
成することにより、その空芯部分に整流ダイオード、ス
イッチンクトランジスタなどの電子部品を収納すること
ができ、実装密度を高くすることが可能になる。
【0027】なお、この種のコアの設計は前述の各式の
数値計算を行ってグラフを作ることによって、容易に行
い得る。
【0028】次に、第2の実施例を図4ないし図6に示
す。この実施例に係る楕円形の磁性体からなるコア1は
コイル(不図示)の巻回方向(円周方向)に対して直角
な方向に4分割されている。したがつて、この実施例の
場合、分割した各部がそれぞれコア部分1a,1b,1
c,1dとなる。このように分割し、これらのコア部分
1a,1b,1c,1dを各単位として組み合わせる
と、任意の形状のコアを組み立てることができる。
【0029】なお、コア1の断面形状は図6および図7
に示すように、内部空間としての巻線収容溝4の形状を
変形し、四角筒もしくは楕円筒形状のようにすることも
でき、その断面形状は設計条件に応じて任意に設定され
る。
【0030】また、コア1の分割形状として、図8およ
び図9に示すように、分割方向を変え、コイルの巻回方
向に平行な方向(コイルの巻線の重ね方向)に2分割す
るようにしてもよい。このようにすると、図8に示した
円筒形断面のコア1では、コア部分1e,1fは半割り
形状に、図9に示した四角筒状のものでは、上部平面部
(蓋部)と溝形成部(コイル収容部−底部)の二つのコ
ア部分1g,1hに分割することもできる。なお、図1
0および図11に示すように、図4、図5に示したよう
な巻線の巻回方向に直角に分割した形状のものと、図
8、図9に示したような平行に分割した形状のものを組
み合わせることができることも言うまでもない。
【0031】このように、上記の実施例によれば、コイ
ル全体を覆うようにコア1を配設することができるた
め、漏れ磁束を低減することができる。そして、漏れ磁
束が少なくなることにより、コア1に近接して他の電子
部品を配置することが可能になり、基板上の実装密度を
高めることができる。また、コア1の形状を調整すれ
ば、よりコア表面積を広くとって放熱効果を上げること
が可能になるので、電力の大きなものまで扱うことがで
きる。
【0032】さらに、コア1の厚さや円周方向の長さを
変えることにより、トランスの容量を変えることも容易
である。また、コイルの巻数を少なくできるので、磁路
長を短くできる結果、コア損失を少なくすることが可能
になる。加えて、コアの形状を任意に設定することがで
きるので、装置の形状にあつたコア形状とすることが可
能になり、装置の小型化を図ることができる。
【0033】なお、図8および図9に示すように巻線の
巻回方向と平行に分割できるようにコア1を構成する
と、コイルボビン等に予め巻線を巻回しておいてから実
装することが可能になるので、組立が容易になり、組立
コストの低減を図ることができる。
【0034】図12は第3の実施例を示す要部断面図で
ある。この第3の実施例では、コア1から巻線を引き出
す引き出し口2aに引き出し部コア2を形成したもので
ある。このように構成すると、引き出し部コア2部分が
コモンモードインダクタとなり、引き出し線からの漏れ
磁束を低減させることができ、雑音の発生などを減少さ
せることができる。
【0035】なお、引き出し部コア2は任意の場所に設
けることが可能である。また、トランスのコアにこのよ
うな引き出し部コア2を設けると、引き出し部コア2の
設置場所が任意なので、巻数比も任意にすることができ
る。すなわち、巻数が半ターンであるような巻数比のも
のも製作可能である。
【0036】図13は第4の実施例を示す要部断面図で
ある。この実施例は、例えば図8のコア1の内周面およ
び外周面にコア1と同軸に導電性金属板3を配設して磁
気シールドを行い、漏れ磁束を更に低減した例である。
【0037】図14は第5の実施例を示す要部断面図で
ある。この実施例は、例えば図9のコア部分1hに同心
円状に2本の巻線収容溝4を形成したものである。な
お、この巻線収容溝4はこの実施例では2本であるが、
2本以上の複数であつてもよいことは勿論である。
【0038】このようにしてコア1を構成すると、各巻
線収容溝4にコイルを挿入し、一つのコア1でそれぞれ
別のトランスおよびインダクタとして使用することも可
能になる。これは複数のトランスおよびインダクタを一
体できることを意味しており、電源装置等で必要なイン
ダクタンス・トランスを一つの磁性体内に収納すること
ができる。これにより、装置の小型化を促進することが
可能になるとともに、装置から発生する雑音を抑制する
ことができる。また、図15に示すように、コイル5を
巻線収容溝4のそれぞれにおいて図18に示すように極
性が逆になるように直列(または並列)に接続すること
により、薄型化および小型化を図ることができる。
【0039】さらに、図17に示すように、図15にお
いてコア部分1hの両巻線収容溝4間の隔壁1iの頂部
とコア部分1gとの間にギャップ6を設けることもでき
る。このように構成することにより、外部への漏れ磁束
の低減を図ることが可能になる。
【0040】第6実施例の高周波コアは図18および図
19に示すように、中空の断面形状を形成した楕円形の
コイルを内蔵するコア形状を有する。この楕円形の磁性
体からなるコア1はコイル(不図示)の巻回方向(円周
方向)に直角な方向に4分割されている。したがつて、
この実施例の場合、分割した各部を夫々コア部分11
a,11b,11c,11dを各単位として組み合わせ
ると、任意の形状のコアを組み立てることができる。な
お、ここでは、楕円形の例を示したが、四角筒、楕円筒
形状などの形状であってもよい。そして、その断面形状
は設計条件に応じて任意に設定することができる。
【0041】さらに、コア部分11a,11b,11
c,11dの内の少なくとも一つの上面に巻線の端部を
引き出すための開口12を設け、これを引き出し口とし
て用いる。この開口12は、設計条件により定まる巻線
の始端または終端に対する引き出し線(リード線)を最
短距離で取り出せる部位に形成する。巻線が一つの場
合、一つ(始端と終端が共通)あるいは二つ(始端用お
よび終端用)が設けられる。
【0042】このように上記の各実施例によれば、コイ
ル全体を覆うようにコア11を配設できるため、漏れ磁
束の低減を図ることが可能になる。さらに、漏れ磁束の
低減により、コア11に近接して他の電力部品を配置す
ることが可能になり、基板上の実装密度を高めることが
できる。また、扱う電力が大きいためにコア11が加熱
した場合でも、コアの表面積が広いため、放熱効果も高
くなる。加えて、開口12を設けたことにより、巻線の
始端または終端からの外部取り出し線を最短距離で引き
出すことが可能になり、浮遊インダクタンスおよびコア
ロスを低減できるほか、磁気シールド効果が高められる
ので、ノイズなどの漏れや干渉などを低減することがで
きる。
【0043】また、コアの厚さや円周方向の長さを変え
ることにより、トランスの容量を変えることができる。
さらに、コイルの巻数を少なくできるので磁路長を短く
することが可能になり、コア損失も低くなるとともに、
引き出し線を基板などに置付けできるので、これをコア
の足として用いることもできる。
【0044】また、コアの形状を任意に変えることがで
きるため、装置の形状に合つたコアに成形することがで
き、装置の小型化を図ることができる。そして、トラン
スに用いた場合、巻数比を任意に設定できるので、巻数
比が1/2ターン、1/4ターンなど、通常の型のコイ
ルではできないものも可能になる。
【0045】また、コアを複数に分割することにより、
組み立てが容易になり、コストダウンが図れると共に磁
路にギャップを持たせることも可能になる。
【0046】図20は本発明の第7実施例を示す平面図
である。本実施例はディスク状の形状を有したコア13
の例であり、中心部が所定径の空洞に形成され、内部に
は円周方向に複数の巻線用溝14a,14b,14cが
同心円状に形成されている。これらの巻線用溝に対し、
共通のリード引き出し口となる開口15aが蓋部分の半径
方向に形成され、あるいは巻線用溝14a,14b,1
4cの各々に対応して蓋部分には、開口15a,15
b,15cが溝幅相当の幅をもたせながら円周方向に形
成されている。開口15a,15b,15c,15d
は、巻線数に応じて、最適位置を選んで形成することが
できる。例えば、図22に示すように、各巻線毎に設け
ることもできる。すなわち、巻線用溝14aに対応して
開口16aと16bを設け、巻線用溝14bに対応して
開口16c,16dを設け、巻線用溝14aに対応して
開口16e,16fを設けることも可能である。
【0047】この種のコアは、例えば、図21に示すよ
うな回路(直列共振スイッチング電源回路の主要部を示
す)に適用することができる。例えば、巻線用溝14a
に共振用インダクタL1を、巻線用溝14bにトランス
L2を、また、巻線用溝14cに平滑用チヨークコイル
L3をそれぞれ実装する。このように実装し、リード引
き出し口である開口15aおよび開口15b,15c,
15dからそれぞれリード線を引き出すと、浮遊インダ
クタンスを最小にすることができる。
【0048】図23および図24はそれぞれ本発明の第
8実施例を示す平面図および正面図である。本実施例
は、EE型に分割されたコア17の例であり、図20の
実施例と同様に巻線用溝14a,14bに連通するリー
ド引き出し口用の開口18aと、巻線用溝14aに連通
するリード引き出し用の開口18bと、巻線用溝14b
に連通するリード引き出し用の開口18cとをそれぞれ
設けたものである。本実施例による作用効果は、前記各
実施例と同一であるので、説明を省略する。
【0049】図25は本発明の第10実施例を示す断面
図である。本実施例は、EI型に分割されたコア19の
例であり、コア19の蓋部としてのコア21側に対向す
る端部に所定幅の開口20を設けてリード引き出し口と
している。この実施例においても、その作用効果は、前
記各実施例と同一であるので説明を省略する。
【0050】ところで、前記各実施例に対し、図25に
示すように、コア(この例ではコア13)に設けた引き
出し用溝に連通する引き出し孔を有する磁性体からなる
ラインインダクタ22を結合すれば、コアからのリード
線をラインインダクタ22に通すことにより、ノーマル
モードのインダクタとなり、漏れ磁束減少させ、発生ノ
イズ(輻射伝導)を低減させることができ、電子回路な
どに障害を及ぼすことがない。
【0051】図27は図25の実施例の変形例を示す断
面図である。この実施例では二つの巻線用溝23a,2
3bが同心円状に設けられており、さらに、その溝間に
連通溝23cが設けられ、コイル24を巻線用溝23
a,23bの夫々で図28に示すように、極性が逆にな
るように直列(または並列)に接続されている。このよ
うな構成により、薄型化および小型化を図ることができ
る。
【0052】さらに、図29に示すように、二つの巻線
用溝間の隔壁25の頂部と1コア21との間にギャップ
26を設けることもできる。このような構成により、外
部への漏れ磁束低減を図ることができる。
【0053】図30は本発明の第10実施例を示す断面
図である。本実施例は、コア(ここではドーナツ状で上
下に2分割のコア)26の内周面および外周面にコア26
と同軸に導電性金属板27配設し、磁気シールドを行っ
たものである。このような構成により、開口12,15
a,15b,15c,15d、開口16a,16b,1
6c,16d,16f、開口18a,18b,18cに
よる磁気シールド効果に加え、さらに漏れ磁束を低減す
ることが可能になる。特に、輻射ノイズの低減に効果が
ある。
【0054】図31および図32は本発明の第11実施
例を示すコアの横断面図および縦断面図である。本実施
例は、巻線用溝23a,23b間の隔壁28内に磁気シ
ールド用のショートリング29を設けたところに特徴が
ある。なお、30はリード引き出し用の貫通口である。
このような構成により隣接溝間の巻線間のシールドが完
全になり、ノイズによる干渉を除去することができる。
【0055】図33は前記各実施例に適用することので
きるボビンの全体形状の斜視図を示し、図34はその主
要部を示す断面図である。このボビン31は巻線の巻回
を行う溝部32と引出部33とからなり、予めボビン3
1に巻線を施してから、コア内の巻線用溝に設置する。
このボビン31は、巻線用溝毎に一つを構内に収納する
ことも、図35に示すように、一つの大きめの巻線用溝
にボビン31a,31bの二つの同心円状に配設するこ
ともできる。このようにボビンを用いることにより、コ
イルの製造上の作業性を上げることができる共に、絶縁
処理も併せて行うことができる。なお、上記各実施例に
おいては、片面に開口12、開口13a,13b,13
c,13d、開口16a,16b,16c,16d,1
6f、8a,8b,8cなどを設けたが、他の面に設け
ることも、両面に設けることも可能である。
【0056】
【発明の効果】これまでの説明で明らかなように、この
発明によれば、以下のような効果がある。
【0057】請求項1記載の発明によれば、コイルを配
設するための内部空間と、この内部空間よりも中心部側
に空芯の部分を有するセンターポールとを備えたコアか
ら構成されているので、上記内部空間を形成するヨーク
のセンターポールとの接続部の断面積をセンターポール
の断面積と同等もしくはそれ以上にしても薄肉に形成で
き、これによりヨークの厚さを薄く、したがってコア自
体も薄型に構成できる。
【0058】請求項2記載の発明によれば、請求項1記
載のコイルを前記内部空間に実装後、一体に結合して一
つのコアを形成可能な形状に分割された複数のコア部分
から構成したので、コアを内部空間に装着後、各コア部
分を結合して一体にし、コイル全体を覆うようにコアを
形成するので、漏れ磁束を低減することができる。
【0059】請求項3、請求項4、請求項5、請求項6
記載の発明によれば、それぞれコイルとの相関関係によ
ってコア部分の分割形状およびその組み合わせを選択す
ることが可能になるので、設計条件に応じて適宜最適な
分割形状を選択し、組み合わせることができ、これによ
りコイル全体を覆うことが可能になり、漏れ磁束を低減
することができる。
【0060】請求項7記載の発明によれば、請求項1記
載の内部空間をコイルの巻回方向に平行に設けられた隔
壁によって複数個形成したので、各内部空間に例えばコ
イルを挿入して一つのコアでそれぞれ別のトランスおよ
びインダクタとして使用することが可能になり、コアを
使用する装置の小型化を促進することができ、さらに、
装置から発生する雑音を抑制することができる。
【0061】請求項8記載の発明によれば、請求項7記
載の隔壁にギャップを形成しているので、外部への漏れ
磁束の低減を図ることができる。
【0062】請求項9記載の発明によれば、請求項7記
載の隔壁に各内部空間内に装着されたコイルの巻線を通
すための連通溝を設けているので、コイルの巻線方向を
変える収納したりすることが可能になり、コアを使用す
る装置の薄型化および小型化を図ることができる。
【0063】請求項10記載の発明によれば、請求項7
記載の隔壁に沿って導電性材料からなる磁気シールド層
を形成したので、漏れ磁束をさらに低減することができ
る。
【0064】請求項11記載の発明によれば、請求項1
記載のコア部分にコイル実装後の巻線の引出し用の少な
くとも一つの開口部を設けたので、巻線の始端または終
端からの外部取り出し線を最短距離で引き出すことが可
能になり、浮遊インダクタンスおよびコアロスを低減で
き、さらに、磁気シールド効果が高められるため、ノイ
ズなどの漏れや巻線間の干渉を防止することができる。
【0065】請求項12記載の発明によれば、請求項1
1記載の開口部の周縁に中空状の磁性体を連結して巻線
の引き出し部を形成したので、その開口部の周縁に連結
した磁性体がコモンモードインダクタとなり、引出し線
からの漏れ磁束を低減させることができる。
【0066】請求項13記載の発明によれば、請求項1
2記載のコアの外周にさらに導電性金属からなるシール
ド部材を設けているので、漏れ磁束をさらに低減させる
ことができる。
【0067】請求項14記載の発明によれば、請求項1
記載の内部空間内に絶縁体からなるボビンを収納させる
ようにしてあるので、コイル製造の作業性を向上させる
ことができるとともに、ボビンによりコイルの絶縁処理
も同時行うことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施例に係る高周波コアの斜視図であ
る。
【図2】図1の高周波コアの平面図である。
【図3】図2のA−A線断面図である。
【図4】第2の実施例に係る高周波コアの平面図であ
る。
【図5】図4の高周波コアの正面図である。
【図6】図4の高周波コアの他のコア形状の例を示す要
部断面斜視図である。
【図7】図6のコア形状とは異なるコア形状を示す要部
断面斜視図である。
【図8】コアの分割方向が異なる例を示すコアの要部断
面斜視図である。
【図9】さらにコアの分割方向が異なる例を示す要部断
面斜視図である。
【図10】第1の実施例の変形例の平面図である。
【図11】図10の高周波コアの正面図である。
【図12】第3の実施例の要部断面斜視図である。
【図13】第4の実施例の要部断面斜視図である。
【図14】第5の実施例の要部断面斜視図である。
【図15】図14に示した実施例のコアにコイルを実装
した例の要部断面斜視図である。
【図16】図15に示したコイルを実装した実施例のコ
イルに流れる電流の方向を示す説明図である。
【図17】図14に示した実施例の変形例の要部断面斜
視図である。
【図18】本発明による高周波コアの第6の実施例を示
す平面図である。
【図19】図18の正面図である。
【図20】本発明の第7の実施例の平面図である。
【図21】図20の実施例が適用される回路例を示す回
路図である。
【図22】図20の実施例の変形例の平面図である。
【図23】本発明の第8の実施例の平面図である。
【図24】図23の縦断面図である。
【図25】本発明の第9の実施例の断面図である。
【図26】図20の実施例にラインインダクタを設けた
構成を示す断面図である。
【図27】図25の実施例の変形例の断面図である。
【図28】図27の実施例の磁力線の発生状況を示す説
明図である。
【図29】図27の実施例の変形例の断面図である。
【図30】本発明の第10実施例の断面図である。
【図31】本発明の第11の実施例の横断面図である。
【図32】図31の縦断面図である。
【図33】本発明の各実施例に適用することのできるボ
ビンの全体形状を示す斜視図である。
【図34】図33のボビンの主要部を示す断面図であ
る。
【図35】図33のボビンを二つ実装した例を示すコア
の断面図である。
【図36】従来例に係るポット型のコアの平面図であ
る。
【図37】図36のB−B線断面図である。
【符号の説明】
1 コア 1a,1b,1c,1d,1e,1f,1g,1h コ
ア部分 2 開口 3 コア 4a,4b,4c 巻線用溝 5a,5b,5c,5d 開口 6a,6b,6c,6d,6e,6f 開口 7 コア 8a,8b,8c 開口 9 コア 10 開口 11 Iコア 12 ラインインダクタ 13a,13b 巻線用溝 14 コイル 15 隔壁 16 コア 17 導電性金属板 18 隔壁 19 ショートリング 20 貫通口 21,21a,21b ボビン 22 溝部 23 引出部 50 センターコア 51 孔(空芯)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (71)出願人 000114008 ミクロン機器株式会社 東京都大田区千鳥2丁目9番18号 (72)発明者 池上 恒男 宮城県仙台市青葉区一番町一丁目14−6 (72)発明者 春日 良行 長野県伊那市大字伊那165 ルビコン株式 会社内 (72)発明者 鎌田 久浩 宮城県柴田郡柴田町大字中名生字神明堂3 番地の1 東北リコー株式会社内

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コイルを配設するための内部空間と、こ
    の内部空間よりも中心部側に空芯の部分を有するセンタ
    ーポールとを備えたコアからなる高周波コア。
  2. 【請求項2】 前記コアが、コイルを前記内部空間に実
    装後、一体に結合して一つのコアを形成可能な形状に分
    割された複数のコア部分からなる請求項1記載の高周波
    コア。
  3. 【請求項3】 前記コア部分は、コイルの巻回方向に対
    して直交する方向に分割されてなる請求項2記載の高周
    波コア。
  4. 【請求項4】 前記コア部分は、コイルの巻回方向に対
    して平行な方向に分割されてなる請求項2記載の高周波
    コア。
  5. 【請求項5】 前記平行な方向の分割によって形成され
    たコア部分は、前記内部空間を二分して形成されている
    請求項4記載の高周波コア。
  6. 【請求項6】 前記平行な方向の分割によって形成され
    たコア部分は、前記内部空間と、この内部空間を一方か
    ら蓋する蓋部分とから形成されている請求項4記載の高
    周波コア。
  7. 【請求項7】 前記内部空間がコイルの巻回方向に平行
    に設けられた隔壁によって複数個形成されている請求項
    1記載の高周波コア。
  8. 【請求項8】 前記隔壁にギャップが形成されている請
    求項7記載の高周波コア。
  9. 【請求項9】 前記隔壁に各内部空間内に装着されたコ
    イルの巻線を通すための連通溝が設けられている請求項
    7記載の高周波コア。
  10. 【請求項10】 前記隔壁に沿って導電性材料からなる
    磁気シールド層が形成された請求項7記載の高周波コ
    ア。
  11. 【請求項11】 前記コア部分にコイル実装後の巻線の
    引出し用の少なくとも一つの開口部が設けられた請求項
    1記載の高周波コア。
  12. 【請求項12】 前記開口部の周縁に中空状の磁性体を
    連結して巻線の引き出し部が形成された請求項11記載
    の高周波コア。
  13. 【請求項13】 前記コアの外周にさらに導電性金属か
    らなるシールド部材を備えていることを特徴とする請求
    項1記載の高周波コア。
  14. 【請求項14】 前記内部空間内に絶縁体からなる少な
    くとも一つのボビンを配設したことを特徴とする請求項
    1記載の高周波コア。
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JP3139991 1991-02-01
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