JPH051886U - 流体圧縮機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 軸合わせが容易で、簡単に組み立てることが
できる流体圧縮機を提供すること。 【構成】 ケーシング２０内に、モータ２１と、これに
駆動される圧縮要素２２とを設ける。ケーシング２０に
は、モータ２１の主軸２１ａを支持するための支持体２
３，２４を軸心を合わせて一体に形成する。モータ２１
は、ケーシング２０の内部に圧入し固定する。圧縮要素
２２は、旋回スクロール部材２２ａと固定スクロール部
材２２ｂとを備える。旋回スクロール部材２２ａは、モ
ータ２１の主軸２１ａの端部に軸受を介して嵌合されて
いる。固定スクロール部材２２ｂは、上部ケーシング部
材２０ｃの内部にねじ止める。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、冷凍サイクル等に使用されるコンプレッサやポンプ加圧機などの流 体圧縮機に関し、特にモータの主軸の軸受部をケーシングと一体にしたものであ る。

【０００２】

【従来の技術】

従来の流体圧縮機を図６乃至図８に示す。第１の流体圧縮機は、図６に示すよ うに、ケーシング１の内部にモータ２と、圧縮要素３とが軸方向に隣設されてい る。ケーシング１は円筒状を成し、両端が閉塞している。モータ２の両端部は支 持体４，５によって固定されている。圧縮要素３は、ケーシング１に固定された 固定スクロール部材３ａと、モータ２の主軸２ａに嵌合された旋回スクロール部 材３ｂとを有する。支持体４，５はケーシング１に圧入され、又は溶接されてい る。主軸２ａの一端は支持体４の軸受４ａに支持され、他端は支持体５の軸受５ ａに支持される。

【０００３】 第２の流体圧縮機は、図７に示すように、先のものと同様にしてケーシング６ の内部にモータ７と、圧縮要素８とが設けられている。モータ７は圧縮要素８と の間に位置する支持体９に固定されている。支持体９はケーシング１内に固定さ れている。モータ７の主軸７ａは支持体９の軸受９ａと補助軸受９ｂ，９ｂとで 支持される。

【０００４】 第３の流体圧縮機は、図８に示すように、先のものと同様にしてケーシング１ ０の内部にモータ１１と圧縮要素１２とが設けられている。圧縮要素１２は、モ ータ１１の下部に位置し、円筒状のシリンダ１２ａと、この上下に固定された支 持体１３，１４と、シリンダ１２ａ内の主軸１１ａに中心をずらして設けられた ピストン１２ｂとを備えている。モータ１１及びシリンダ１２ａは、ケーシング １内に固定されている。モータ１１の主軸１１ａは支持体１３，１４により支持 される。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

上記従来の流体圧縮機のうち、第１の流体圧縮機においては、両支持体４，５ がケーシング１と別体を成すので、ケーシング１及び支持体４，５の軸心を一致 させるために高度の成形精度が夫々に要求されるし、組立の際も軸合わせをしな ければならない。もし、軸心がずれた場合、軸受４ａ，５ａが損傷したり、モー タ２のエアギャップが適切でなくなりモータ効率の低下、モータ２の過負荷を招 いたり、圧縮要素３の効率低下、主軸２ａの異常な摩耗が生じる。また、組立工 程が、支持体４に主軸２ａを挿入しモータ２のロータを圧入又は焼ばめにより固 定した状態でケーシング１に固定するようになっているので、組立工数が多いし 、組込みが複雑であり、コスト高になる。第２の流体圧縮機においては、支持体 ９の軸受９ａと補助軸受９ｂの間隔を長く取れず、軸受にかかる負荷が大きくな るから、軸受の摩耗や焼付けが激しく、軸受の寿命が短い。第３の流体圧縮機に おいては、モータ１１のステータと支持体１３，１４との位置関係がケーシング １０及びシリンダ１２ａに影響されるため、軸心を一致させるのが困難であると いう問題がある。 そこで、本考案は、軸心をずらさず、容易に組み立てることができ、軸受にか かる負荷が軽い流体圧縮機を提供することを課題としている。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

上記課題を解決するため、本考案においては、ケーシング２０（２５）と、ケ ーシング２０（２５）内に固定されたモータ２１（２６）と、互いに間隔をおい てモータの主軸２１ａ（２６ａ）を支持し、少なくとも一がケーシング２０（２ ５）と一体を成す二つの支持体２３，２４（２８，２９）と、ケーシング２０内 に固定され、モータ２１により駆動して流体を圧縮する圧縮要素２２とから流体 圧縮機を構成した。また、圧縮要素２７がケーシング２５と一体を成す固定部材 ２７ｂを有し、支持体２８，２９を固定部材２７ｂに固定して流体圧縮機を構成 した。

【０００７】

【作用】

本考案の流体圧縮機を組み立てる場合、ケーシング２０（２５）と支持体２３ とが一体を成し、予め支持体２３（２８）の軸心がケーシング２０（２５）のそ れと一致するように加工されているから、軸合わせをしながらケーシング２０（ ２５）に支持体２３を固定する必要がない。また、軸合わせする部分が少ないか ら、軸心のずれが生じにくい。モータの主軸２１ａ（２６ａ）は、間隔をおいた 二つの支持体２３，２４（２８，２９）により支持されるから、軸受にかかる負 荷が軽い。また、圧縮要素２７の固定部材２７ｂをケーシング２５と一体にする と、固定部材２７ｂとケーシング２５とを軸合わせしながら固定する必要がなく 、圧縮要素の軸心とモーターの軸心が容易に一致する。

【０００８】

【実施例】

本考案の実施例を図１乃至図５について説明する。 第１実施例の流体圧縮機は、図１に示すように、ケーシング２０内に、モータ ２１及び圧縮要素２２が設けられている。ケーシング２０は、両端部が閉塞した 円筒状を成す。ケーシング２０は、ケーシング部材２０ａ、２０ｂ、２０ｃを互 いに嵌合しねじ止めして構成される。

【０００９】 下部ケーシング部材２０ａの底部には、支持体２３が一体に形成されている。 支持体２３はモータの主軸２１ａを支持するものであり、下部ケーシング部材２ ０ａの底部内側中央部が肉厚に形成されて成る。支持体２３の内側には主軸２１ ａの一端部を回転自在に受ける軸受２３ａが設けられている。 中間ケーシング部材２０ｂの上部には、支持体２４が設けられている。支持体 ２４はモータの主軸２１ａを支持するものであり、中間ケーシング部材２０ｂの 上端部から内側へ一体に形成されている。支持体２４の内周には主軸２１ａの他 端部を回転自在に受ける軸受２４ａが設けられている。

【００１０】 モータ２１は、圧縮要素２２を圧縮駆動するためのものである。モータ２１の ステータは下部ケーシング部材２０ａの内部に圧入され固定されている。 圧縮要素２２は、旋回スクロール部材２２ａと固定スクロール部材２２ｂとを 備え、モータ２１により旋回スクロール部材２２ａが旋回すると、固定スクロー ル部材２２ｂとの間で空気を圧縮するようになっている。旋回スクロール部材２ ２ａは、モータ２１の主軸２１ａの端部に軸受を介して嵌合されている。固定ス クロール部材２２ｂは、上部ケーシング部材２０ｃの内部にねじ止めされている 。

【００１１】 この実施例の流体圧縮機を組み立てる場合、下部ケーシング部材２０ａと支持 体２３とが一体を成し、予め支持体２３の軸受２３ａが圧入部及びモータ２１、 ステータ圧入部及びケーシング２０ｂとのはめ合い部の軸心が一致するように加 工されている。一方、中間ケーシング部材２０ｂも、支持体２４と一体となって おり、軸受２４ａ圧入部とケーシング２０ａとのはめ合い部の軸心が一致するよ うに加工されているから、はめ合い部で嵌合することにより、両軸受及びモータ ２１の軸心は精度良く一致する。またケーシング２０に支持体２３を固定する必 要がない。また、軸合わせを調整する部分が従来のものより少ないから、軸心の ずれが生じにくい。主軸２１ａは、支持体２３，２４が間隔をおいて設けられる ため、安定して支持される。

【００１２】 第２実施例の流体圧縮機は、図２に示すように、第１実施例のものと同様にし てケーシング２０内に、モータ２１及び圧縮要素２２を設けられている。モータ ２１のステータは、中間ケーシング部材２０ｂの内部に圧入されている。この実 施例の流体圧縮機も、組み立てに当たり、軸合わせを必要としない等先の実施例 と同様の作用を行う。

【００１３】 第３実施例の流体圧縮機は、図３に示すように、ケーシング２５内に、モータ ２６及び圧縮要素２７が設けられている。ケーシング２５は、両端部が閉塞した 円筒状を成す。ケーシング２５は、ケーシング部材２５ａ、２５ｂ、２５ｃを互 いに嵌合させ固着して構成される。

【００１４】 モータ２６のステータは、中間ケーシング部材２５ｂの上部に固着されている 。 圧縮要素２７は、ピストン２７ａとシリンダ２７ｂとを備え、ピストン２７ａ によりシリンダ２７ｂ内の流体を圧縮するものである。ピストン２７ａは、モー タ２６の主軸２６ａに中心をずらして設けられている。シリンダ２７ｂは、環状 を成し、中間ケーシング部材２５ｂの内側下端部に一体に形成されている。シリ ンダ２７ｂの上下両側には支持体２８，２９が固定されている。支持体２８，２ ９は、円筒状の軸受部と、シリンダ２７ｂと共に圧縮空間を形成する鍔部とを有 し、この鍔部がシリンダ２７ｂにねじ止めされている。 モータ２１のステータは中間ケーシング部材２５ｂの内側上部に固着されてい る。

【００１５】 この実施例の流体圧縮機においても、中間ケーシング部材２５ｂとシリンダ２ ７ｂとが一体を成し、予め両者の軸心が一致するように加工されているから、軸 合わせを必要としない等先の実施例のものと同様の作用を行う。

【００１６】 第４実施例の流体圧縮機は、図４に示すように、支持体２８が中間ケーシング 部材２５ｂと一体に形成されており、支持体２８にシリンダ２７ｂをねじ止めし て固定している。この実施例の流体圧縮機も先の実施例のものと同様の作用を行 う。

【００１７】 第５実施例の流体圧縮機は、図５に示すように、シリンダ２７ｂ及び支持体２ ８が中間ケーシング部材２５ｂと一体に形成されている。この実施例の流体圧縮 機も先の実施例のものと同様の作用を行う。

【００１８】

【考案の効果】

以上のように、本考案においては、ケーシング２０（２５）と、ケーシング２ ０（２５）内に固定されたモータ２１（２６）と、互いに間隔をおいてモータの 主軸２１ａ（２６ａ）を支持し、少なくとも一がケーシング２０（２５）と一体 を成す二つの支持体２３，２４（２８，２９）と、ケーシング２０内に固定され 、モータ２１により駆動して流体を圧縮する圧縮要素２２とから流体圧縮機を構 成した。また、圧縮要素２７がケーシング２５と一体を成す固定部材２７ｂとを 有し、支持体２８，２９を固定部材２７ｂに固定して流体圧縮機を構成した。こ のため、軸合わせをしながらケーシング２０に支持体２３を固定する手間や圧縮 要素２７の固定部材２７ｂをケーシング２５に固定する手間が省けるから、簡単 に組み立てることができ、製造コストを低減させることができ、また軸合わせを 調整する部分が従来のものより少ないから、軸心のずれが生じにくいし、主軸が 二つの支持体２３，２４（２８，２９）により支持されるので、モータ２１（２ ６）の主軸に無理な負担がかからないという効果を有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】第１実施例の流体圧縮機の縦断面図である。

【図２】第２実施例の流体圧縮機の縦断面図である。

【図３】第３実施例の流体圧縮機の縦断面図である。

【図４】第４実施例の流体圧縮機の縦断面図である。

【図５】第５実施例の流体圧縮機の縦断面図である。

【図６】従来の流体圧縮機の縦断面図である。

【図７】従来の流体圧縮機の縦断面図である。

【図８】従来の流体圧縮機の縦断面図である。

【符号の説明】

２０ ケーシング ２１ モータ ２１ａ 主軸 ２２ 圧縮要素 ２３ 支持体 ２４ 支持体 ２５ ケーシング ２６ モータ ２７ 圧縮要素 ２７ａ 回転部材（ピストン） ２７ｂ 固定部材（シリンダ） ２８ 支持体 ２９ 支持体

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ケーシングと、ケーシング内に固定され
   たモータと、互いに間隔をおいてモータの主軸を支持す
   る二つの支持体と、ケーシング内に固定され、モータに
   より駆動して流体を圧縮する圧縮要素とを備え、前記支
   持体の少なくとも一がケーシングと一体を成すことを特
   徴とする流体圧縮機。
2. 【請求項２】 ケーシングと、ケーシング内に固定され
   たモータと、互いに間隔をおいてモータの主軸を支持す
   る二つの支持体と、ケーシング内に固定され、モータに
   より駆動して流体を圧縮する圧縮要素とを備え、前記圧
   縮要素がケーシングと一体を成す固定部材を有し、前記
   支持体が固定部材に固定されていることを特徴とする流
   体圧縮機。