JPH05188588A - 感光性平版印刷版 - Google Patents

感光性平版印刷版

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JPH05188588A
JPH05188588A JP1954192A JP1954192A JPH05188588A JP H05188588 A JPH05188588 A JP H05188588A JP 1954192 A JP1954192 A JP 1954192A JP 1954192 A JP1954192 A JP 1954192A JP H05188588 A JPH05188588 A JP H05188588A
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JP
Japan
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printing plate
absorbance
photosensitive
compound
acid
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Application number
JP1954192A
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English (en)
Inventor
Takeo Akiyama
健夫 秋山
Hideyuki Nakai
英之 中井
Tomoyuki Matsumura
智之 松村
Toshitsugu Suzuki
利継 鈴木
Jiro Kamimura
次郎 上村
Mitsuru Sasaki
充 佐々木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Kasei Corp
Konica Minolta Inc
Original Assignee
Mitsubishi Kasei Corp
Konica Minolta Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 露光可視画性及び現像後可視画性に優れ、か
つトンボが見やすい感光性平版印刷版を提供する。 【構成】 少なくとも、活性光線の照射により酸及び/
又は遊離基を生成する化合物、及び該化合物の光分解生
成物と相互作用することによってその色調をかえる変色
剤を含有する感光性平版印刷版であって、その反射スペ
クトルにおいて400〜600nmの間に少なくとも1つの極小
値を有し、500〜700nmの間に少なくとも1つの極大値を
有し、かつ前記少なくとも1つの極小値の最小のものが
0.50以下の吸光度を有し、前記少なくとも1つの極大値
の最大のものが0.85以上の吸光度を有し、尚かつ、前記
極大値の最大のものの吸光度の前記極小値の最小のもの
の吸光度に対する比が0.5以下であることを特徴とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の背景】感光性平版印刷版に複数のフィルム原稿
を位置を変えて次々と焼き付けするいわゆる“多面焼き
付け”を行う際等、フィルム原稿間の位置合わせを容易
にするため露光部と未露光部が区別できることが必要で
ある。このため、画像露光すると、直ちに当該画像に対
応した可視的コントラストを与えるいわゆる露光可視画
性を付与させた感光性平版印刷版が公知である。例えば
特公昭61-51788号公報、特開昭60-138539号公報には、
活性光線の照射により遊離基を生成する、トリハロメチ
ル基を有するオキサジアゾール化合物と変色剤により露
光可視画性を付与しうる感光性組成物が記載されてい
る。しかしながら、この露光可視画性は、単に、感光性
平版印刷版の露光部と未露光部の濃度差によってだけで
はなく、感光層の色調及び濃度によっても大きく影響さ
れる。
【0002】一方、感光性平版印刷版の感光層に染料を
含ませておき、製版時や印刷時に画像を見やすくさせ
る、いわゆる現像後可視画性を付与することも従来より
行われていた。例えば、ポジ型感光性平版印刷版の場
合、通常ポジ透明原画を感光層の表面に真空焼枠にて密
着させて活性光線により露光(画像露光)し、現像液に
て、現像、水洗した後、不必要な画像部分(透明原画や
真空焼枠のガラスに付着したゴミによるもの、貼込み跡
等)に消去液を筆などで塗布し、ついで水洗して消去す
る操作を行なう。また貼込みテープや、ゴミや、真空引
き不足により焼きボケが発生することがある。これら消
去跡や焼きボケを印刷時に検版により確認する必要があ
り、このような場合、現像後可視画性が付与されていた
方が有利である。また、現像後可視画性は、感光層の、
濃度が濃い方が有利である。しかしながら、上記のよう
な観点から、従来の感光性平版印刷版には露光可視画性
が良好でかつ現像後可視画性が良いものは未だ見出され
ていなかった。
【0003】従って本発明の目的は、露光可視画性及び
現像後可視画性に優れた感光性平版印刷版を提供するこ
とにある。
【0004】
【発明の構成】本発明者等は前記課題に鑑みて鋭意研究
の結果、本発明の上記目的は、少なくとも、活性光線の
照射により酸及び/又は遊離基を生成する化合物、及び
該化合物の光分解生成物と相互作用することによってそ
の色調をかえる変色剤を含有する感光性平版印刷版であ
って、その反射スペクトルにおいて400〜600nmの間に少
なくとも1つの極小値を有し、500〜700nmの間に少なく
とも1つの極大値を有し、かつ前記少なくとも1つの極
小値の最小のものが0.50以下の吸光度を有し、前記少な
くとも1つの極大値の最大のものが0.85以上の吸光度を
有し、尚かつ、前記極大値の最大のものの吸光度の前記
極小値の最小のものの吸光度に対する比が0.5以下であ
ることを特徴とする感光性平版印刷版を提供することに
より達成されることを見出した。
【0005】以下に本発明を更に詳細に説明する。
【0006】本発明において、上記の、反射スペクトル
において400〜600nmの間に少なくとも1つの極小値を有
し、500〜700nmの間に少なくとも1つの極大値を有し、
かつ前記少なくとも1つの極小値の最小のものが0.50以
下の吸光度を有し、前記少なくとも1つの極大値の最大
のものが0.85以上の吸光度を有し、尚かつ、前記極大値
の最大のものの吸光度の前記極小値の最小のものの吸光
度に対する比が0.5以下(以下、上記特性を「本発明の
スペクトル特性」と称す。)である感光性平版印刷版を
得る方法としては、特定の感光性物質と500〜700nmの波
長の間に吸収を有する色素との組合せによるか、感光性
物質を使用量調整し、500〜700nmの波長の間に吸収を有
する色素と組合せることにより達成することができる。
【0007】上記の特定の感光性物質としては、具体的
には以下の方法で製造されるものが用いられる。すなわ
ち、フェノール性水酸基を有する芳香族化合物とo−ナ
フトキノンジアジドスルホン酸クロリドを塩基性試薬存
在下で縮合する工程において、該塩基性試薬をo−ナフ
トキノンジアジドスルホン酸クロリドに対し、0.80〜1.
15当量の割合で使用して得られる感光性物質、又は、フ
ェノール性水酸基を有する芳香族化合物とo−ナフトキ
ノンジアジドスルホン酸クロリドを塩基性試薬存在下で
縮合させることにより得られた感光性物質あるいは上記
特定割合の塩基性試薬を用いた感光性物質を、該感光性
物質を実質的に溶解せず、水に溶解可能な、沸点100℃
以下の有機溶媒で洗浄し、35℃以下の温度で乾燥するこ
とにより得られる感光性物質である。
【0008】上記方法により合成される感光性物質は、
o−ナフトキノンジアジドスルホン酸クロリド類とフェ
ノール性水酸基を有する芳香族化合物との縮合反応生成
物であるが、o−ナフトキノンジアジドスルホン酸クロ
リド類のうち代表的な物は、1,2−ナフトキノンジア
ジド−4−スルホン酸クロリド、1,2−ナフトキノン
ジアジド−5−スルホン酸クロリド、1,2−ナフトキ
ノンジアジド−6−スルホン酸クロリドであり、特に
1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸クロリ
ドと、1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸
クロリドはよく用いられる。フェノール性水酸基を有す
る芳香族化合物としては、低分子化合物と高分子化合物
に分類される。これらの化合物のうちよく用いられる物
として、低分子化合物では、1,2−ジヒドロキシアン
トラキノン等のヒドロキシ置換アントラキノン類、2,
4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4−トリヒ
ドロキシベンゾフェノン、2,3,4,4′−テトラヒ
ドロキシベンゾフェノン等のヒドロキシ置換ベンゾフェ
ノン類、一価、二価、三価のフェノール類、ナフトール
類、及びこれらのアルキル置換体等が挙げられる。又、
高分子化合物では、フェノール類とアルデヒドまたはケ
トンとの重縮合樹脂が挙げられる。これらの重縮合樹脂
の原料となるフェノール類としては、フェノール、o−
クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、3,5
−キシレノール、カルバクロール、チモール、p−アル
キル基(炭素数1〜8個)置換フェノール類等の一価フ
ェノール、カテコール、レゾルシン、ヒドロキノン等の
二価フェノールピロガロール、フロログルシン等の三価
フェノール等が挙げられる。これらの内好ましいのは、
二価、三価の多価フェノールで、更に好ましいのはピロ
ガロールである。又、前記アルデヒドとしては、ホルム
アルデヒド、ベンズアルデヒド、アセトアルデヒド、ク
ロトンアルデヒド、フルフラール等が挙げられる。この
うち好ましい物は、ホルムアルデヒド及びベンズアルデ
ヒドである。更に前記ケトンとしては、アセトン、メチ
ルエチルケトン等が挙げられ、好ましいのはアセトンで
ある。
【0009】前記重縮合樹脂の合成の際は、酸性触媒と
して、塩酸、蓚酸、硫酸、リン酸、オキシ塩化リン等の
無機酸や有機酸が用いられる。フェノール類とアルデヒ
ドまたはケトンとの配合比は、フェノール類1モル部に
対しアルデヒドまたはケトンが0.7〜1.0モル部用いられ
る。但し、反応溶媒として、アルデヒドまたはケトンが
用いられる場合は、上記の配合比に限定されない。反応
溶媒は、例えばメタノール、エタノール等のアルコール
類、アセトン、水、テトラヒドロフラン等が用いられ
る。所定温度(−5〜120℃)、所定時間(3〜48時
間)反応後、減圧下加熱し、水洗して脱水させて得る
か、または水結析させて反応物を得る。
【0010】前記重縮合樹脂の具体的な例としては、フ
ェノール・ホルムアルデヒド樹脂、m−クレゾール・ホ
ルムアルデヒド樹脂、m,p−混合クレゾール・ホルム
アルデヒド樹脂、フェノール・ベンズアルデヒド樹脂、
クレゾール・ベンズアルデヒド樹脂、レゾルシン・ベン
ズアルデヒド樹脂、レゾルシン・ホルムアルデヒド樹
脂、ピロガロール・ベンズアルデヒド樹脂、ピロガロー
ル・ホルムアルデヒド樹脂、ピロガロール・アセトン樹
脂、ハイドロキノン・ホルムアルデヒド樹脂、カテコー
ル・ホルムアルデヒド樹脂等が挙げられる。これらのう
ち好ましいのは、ピロガロール・ホルムアルデヒド樹
脂、ピロガロール・アセトン樹脂、レゾルシン・ベンズ
アルデヒド樹脂である。最も好ましいのはピロガロール
・アセトン樹脂である。
【0011】前記重縮合樹脂の分子量(ポリスチレン標
準)は、重量平均分子量Mwが5.0×102〜7.0×103で、
数平均分子量Mnが4.0×102〜3.5×103の範囲内の値で
ある。
【0012】該樹脂の分子量の測定は、GPC(ゲルパ
ーミエーションクロマトグラフィー法)によって行う。
重量平均分子量Mw及び数平均分子量Mnの算出は、柘
植盛男、宮林達也、田中誠之著“日本化学会誌”800頁
〜805頁(1972年)に記載の方法により、オリゴマー領
域のピークを均す(ピークの山と谷の中心を結ぶ)方法
にて行う物とする。
【0013】前記o−ナフトキノンジアジドスルホン酸
クロリド類と前記フェノール性水酸基を有する芳香族化
合物との縮合反応は、適当な溶媒にo−ナフトキノンジ
アジドスルホン酸クロリド類とフェノール性水酸基を有
する芳香族化合物を溶解し、20℃〜70℃で塩基性試薬を
添加する事により行う。生成物は、反応溶液を水にあ
け、結析させて取り出すのが一般的である。反応溶媒と
して適当な物は、基質を溶解し、塩基性物質とある程度
相溶し、水に溶解し、かつ反応に用いる物質と反応しな
いことが必要である。具体的には、1,4−ジオキサ
ン、アセトン、メチルエチルケトン等が挙げられる。特
に好ましいのは1,4−ジオキサンである。本反応はo
−ナフトキノンジアジドスルホン酸クロリド類とフェノ
ール性水酸基を有する芳香族化合物が塩酸を脱離して縮
合し、スルホン酸エステルを形成するものである。その
ため反応の進行には塩酸を中和させる塩基性物質が必要
である。塩基性物質として適当なものは水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、
炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、トリエチルア
ミン、ピリジン、ヘキサメチレンジアミン等の無機及び
有機の塩基性化合物である。塩基性物質の添加量は、理
論的にはo−ナフトキノンジアジドスルホン酸クロリド
類に対し1当量あればよいが、本反応は平衡反応である
ため塩基性物質を過剰に添加することにより反応速度及
び収率が向上する。又、該塩基性物質を2当量以上添加
すると、反応系内の塩基性が高まり、反応生成物同士の
カップリングが副反応として進行し、得られた感光性物
質の色調が赤みの強いものとなることが知られている。
そのため従来は、塩基性物質をo−ナフトキノンジアジ
ドスルホン酸クロリド類に対し1.2当量〜1.5当量添加す
ることが常識であった。本発明は、該塩基性物質の添加
量と反応生成物の赤み、反応速度及び収率の関係につい
て詳細な検討を行った結果、塩基性物質をo−ナフトキ
ノンジアジドスルホン酸クロリド類に対し0.80当量〜1.
15当量の範囲で添加することにより、反応速度、収率を
低下させることなく赤みのない感光性物質を合成できる
ことを見いだした。
【0014】また従来は、反応終了後、反応液を水にあ
け結析させて得た生成物は、濾取した後水で洗浄し、40
℃以上の温度で乾燥する方法がとられていた。一般的に
感光性物質は高温で乾燥、保存すると、空気中の酸素に
より酸化され、赤みを帯びてくる。本発明では反応終了
後、結析、濾過して得られた生成物を十分に水洗した
後、該感光性物質を実質的に溶解せず、水に溶解可能
な、沸点100℃以下の有機溶媒で洗浄し、35℃以下の温
度で乾燥することにより、酸化をほとんど受けず、赤み
のない感光性物質を製造できることを見いだした。ここ
で用いることのできる有機溶媒として好ましいものは、
メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロ
パノール、tert−ブチルアルコール等であるが、更に好
ましくはメタノール、エタノール、2−プロパノールで
ある。
【0015】以下に、上記方法の具体例を挙げる。 (合成例1)感光性物質1の合成 温度計、撹拌装置、滴下ろうと、還流冷却管、ウォータ
ーバスを備えた5リットル四首フラスコに、1,4−ジ
オキサン3.5リットルをいれ、室温で撹拌した。この中
に、ピロガロールとアセトンの重縮合樹脂(Mw=150
0)250g(ピロガロール骨格にして1.51モル)を投入し
て完溶させた後、1,2−ナフトキノンジアジド−5−
スルホン酸クロリド405g(1.51モル)を投入して完溶さ
せた。フラスコ内の温度が40〜42℃になるまで加温して
から、強撹拌しながら、別に調製した炭酸カリウム水溶
液(炭酸カリウム113g(826モル、1,2−ナフトキノ
ンジアジド−5−スルホン酸クロリドに対し1.1当量)
を30分かけて滴下した。滴下終了後、フラスコ内の温度
を45〜47℃まで上昇させ、40分間撹拌した。更に反応溶
液を濾過した後、別に調製した希塩酸(濃塩酸39gを水
6リットルに溶解した物)の中に、強撹拌下投入し、反
応生成物を結析させた。この反応生成物を遠心分離器で
濾過し、濾液が中性になるまで水洗した。濾液を充分き
ってから、遠心分離器中にエタノール3リットルをゆっ
くり注入して反応生成物を洗浄した。遠心分離器から反
応生成物を取り出し、換気設備を備えた恒温槽中で30℃
で4日間乾燥し、感光性物質1を得た。
【0016】(合成例2)感光性物質2の合成 合成例1において、炭酸カリウムの量を123gとし、反応
生成物を水洗後、エタノール洗浄せずに乾燥し、また、
乾燥条件を50℃20日間とした他は同様にして感光性物質
2を合成した。
【0017】本発明のスペクトル特性は上記感光性物質
と500〜700nmの波長の間に吸収を有する色素との組合せ
に加えて、公知の種々の感光性物質の使用量を調整(好
ましくは減少)し500〜700nmの波長の間に吸収を有する
色素と組合せて達成することもできる。
【0018】本発明に用いることができる500〜700nmの
波長の間に吸収を有する色素としては、好ましくはトリ
フェニルメタン系色素が挙げられ、具体的にはメチルバ
イオレット、クリスタルバイオレット、エチルバイオレ
ット、ビクトリアブルーBOH、オイルブルー#603、
マラカイトグリーン、ダイヤモンドグリーン等が挙げら
れる。
【0019】本発明において、本発明のスペクトル特性
を達成するため、本発明の特定の感光性物質と500〜700
nmの間に吸収を有する色素は各々感光性平版印刷版中に
5〜60重量%、0.01〜30重量%含有されることが好まし
く、前者と後者の割合は0.2〜6000であることが好まし
い。
【0020】本発明のスペクトル特性において、好まし
くは400〜600nmの間に有する極小値の数は1つで、500
〜700nmの間に有する極大値の数も1つである。また、
少なくとも1つの極小値の最小のものの吸光度は0.45以
下で450〜550nmの間に存在することが好ましく、更に、
少なくとも1つの極大値の最大のものの吸光度は0.88〜
1.05で、550〜650nmの間に存在することが好ましい。ま
た、前記極大値の最大のものの吸光度の極小値の最小の
ものの吸光度に対する比は、好ましくは0.45以下であ
る。
【0021】本発明の感光性平版印刷版には、少なくと
も、活性光線の照射により酸及び/又は遊離基を生成す
る化合物、及び該化合物の光分解生成物と相互作用する
ことによってその色調をかえる変色剤を含有する。
【0022】活性光線の照射により酸及び/又は遊離基
を生成する化合物としては、下記一般式[I]及び[I
I]でそれぞれ示されるトリハロアルキル化合物又はジ
アゾニウム塩化合物が好ましく用いられる。
【0023】
【化1】 (式中、Xaは炭素原子数1〜3個のトリハロアルキル
基を示し、WはN、S、Se、P、Cの各原子を示し、
ZはO、N、S、Se、Pの各原子を示す。Yは発色団
基を有し、かつWとZを環化させるに必要な非金属原子
群を示す。但し、非金属原子群により形成された環が前
記Xaを有していてもよい。)
【0024】一般式[II] Ar−+2- (式中、Arはアリール基を表わし、Xは無機化合物の
対イオンを表す。)
【0025】具体的には、例えば一般式[I]のトリハ
ロアルキル化合物としては、下記一般式[III]、[I
V]又は[V]で表される化合物が含まれる。
【0026】
【化2】 (式中、Xaは炭素原子1〜3個を有するトリハロアル
キル基、Lは水素原子またはメチル基、Jは置換若しく
は非置換アリール基又は複素環基を表し、nは0、1ま
たは2である。)
【0027】一般式[III]で表わされる化合物として
は具体的には、
【0028】
【化3】 等のベンゾフラン環を有するオキサジアゾール化合物、
特開昭54-74728号公報に記載されている2−トリクロロ
メチル−5−(p−メトキシスチリル)−1,3,4−
オキサジアゾール化合物、又は
【0029】
【化4】
【0030】
【化5】
【0031】
【化6】 等が挙げられる。
【0032】また、一般式[IV]又は[V]で表わされ
る化合物としては具体的には、特開昭53-36223号公報に
記載されている4−(2,4−ジメトキシ−4−スチリ
ル)−6−トリクロロメチル−2−ピロン化合物、特開
昭48-36281号公報に記載されている2,4−ビス−(ト
リクロロメチル)−6−p−メトキシスチリル−S−ト
リアジン化合物、2,4−ビス−(トリクロロメチル)
−6−p−ジメチルアミノスチリル−S−トリアジン化
合物等が挙げられる。
【0033】一方、ジアゾニウム塩化合物としては、露
光によって強力なルイス酸を発生するジアゾニウム塩が
好ましく、対イオン部分としては無機化合物の対イオン
が推奨される。このような化合物の具体例としては、ジ
アゾニウム塩のアニオン部分がフッ化リンイオン、フッ
化ヒ素イオン、フッ化アンチモンイオン、塩化アンチモ
ンイオン、塩化スズイオン、塩化ビスマスイオン及び塩
化亜鉛イオンの少なくとも1種である芳香族ジアゾニウ
ム塩が挙げられ、好ましくはパラジアゾフェニルアミン
塩が挙げられる。
【0034】上記活性光線の照射により酸もしくは遊離
基を生成する化合物の全感光層組成物中に含まれる量は
0.01〜20重量%が好ましく、より好ましくは0.1〜20重
量%、特に好ましくは0.2〜10重量%である。
【0035】上記の活性光線の照射により酸もしくは遊
離基を生成する化合物の光分解生成物と相互作用をする
ことによってその色調を変える変色剤としては、発色す
るものと退色又は変色するものとの2種類がある。退色
又は変色する変色剤としては、例えばジフェニルメタ
ン、トリフェニルメタン系チアジン、オキサジン系、キ
サンテン系、アンスラキノン系、イミノナフトキノン
系、アゾメチン系等の各種色素が有効に用いられる。
【0036】これらの例としては具体的には次のような
ものが挙げられる。ブリリアントグリーン、エオシン、
エチルバイオレット、エリスロシンB、メチルグリー
ン、クリスタルバイオレット、ベイシックフクシン、フ
ェノールフタレイン、1,3−ジフェニルトリアジン、
アリザリンレッドS、チモールフタレイン、メチルバイ
オレット2B、キナルジンレッド、ローズベンガル、メ
タニルイエロー、チモールスルホフタレイン、キシレノ
ールブルー、メチルオレンジ、オレンジIV、ジフェニル
チオカルバゾン、2,7−ジクロロフルオレセイン、パ
ラメチルレッド、コンゴーレッド、ベンゾプルプリン4
B、α−ナフチルレッド、ナイルブルー2B、ナイルブ
ルーA、フェナセタリン、メチルバイオレット、マラカ
イトグリーン、パラフクシン、ビクトリアピュアブルー
BOH[保土ヶ谷化学(株)製]、オイルブルー#603
[オリエント化学工業(株)製]、オイルピンク#312
[オリエント化学工業(株)製]、オイルレッド5B
[オリエント化学工業(株)製]、オイルスカーレット
#308[オリエント化学工業(株)製]、オイルレッド
OG[オリエント化学工業(株)製]、オイルレッドR
R[オリエント化学工業(株)製]、オイルグリーン#
502[オリエント化学工業(株)製]、スピロンレッド
BEHスペシャル[保土谷化学工業(株)製]、m−ク
レゾールパープル、クレゾールレッド、ローダミンB、
ローダミン6G、ファーストアシッドバイオレットR、
スルホローダミンB、オーラミン、4−p−ジエチルア
ミノフェニルイミノナフトキノン、2−カルボキシアニ
リノ−4−p−ジエチルアミノフェニルイミノナフトキ
ノン、2−カルボステアリルアミノ−4−p−ジヒドロ
オキシエチルアミノ−フェニルイミノナフトキノン、p
−メトキシベンゾイル−p′−ジエチルアミノ−o′−
メチルフェニルイミノアセトアニリド、シアノ−p−ジ
エチルアミノフェニルイミノアセトアニリド、1−フェ
ニル−3−メチル−4−p−ジエチルアミノフェニルイ
ミノ−5−ピラゾロン、1−β−ナフチル−4−p−ジ
エチルアミノフェニルイミノ−5−ピラゾロン。
【0037】また、発色する変色剤としてはアリールア
ミン類を挙げることができる。この目的に適するアリー
ルアミン類としては、第一級、第二級芳香族アミンのよ
うな単なるアリールアミンのほかにいわゆるロイコ色素
も含まれ、これらの例としては次のようなものが挙げら
れる。
【0038】ジフェニルアミン、ジベンジルアニリン、
トリフェニルアミン、ジエチルアニリン、ジフェニル−
p−フェニレンジアミン、p−トルイジン、4,4′−
ビフェニルジアミン、o−クロロアニリン、o−ブロモ
アニリン、4−クロロ−o−フェニレンジアミン、o−
ブロモ−N,N−ジメチルアニリン、1,2,3−トリ
フェニルグアニジン、ナフチルアミン、ジアミノジフェ
ニルメタン、アニリン、2,5−ジクロロアニリン、N
−メチルジフェニルアミン、o−トルイジン、p,p′
−テトラメチルジアミノジフェニルメタン、N,N−ジ
メチル−p−フェニレンジアミン、1,2−ジアニリノ
エチレン、p,p′,p″−ヘキサメチルトリアミノト
リフェニルメタン、p,p′−テトラメチルジアミノト
リフェニルメタン、p,p′−テトラメチルジアミノジ
フェニルメチルイミン、p,p′,p″−トリアミノ−
o−メチルトリフェニルメタン、p,p′,p″−トリ
アミノトリフェニルカルビノール、p,p′−テトラメ
チルアミノジフェニル−4−アニリノナフチルメタン、
p,p′,p″−トリアミノトリフェニルメタン、p,
p′,p″−ヘキサプロピルトリアミノトリフェニルメ
タン。
【0039】本発明においては上記変色剤のうちpH領
域1〜5で変色しうる色素が好ましい。
【0040】上記の変色剤の感光層組成物中に占める割
合は、0.01〜10重量%であることが好ましく、更に好ま
しくは0.02〜5重量%で使用される。
【0041】本発明の感光性平版印刷版には好ましくは
下記一般式[VI]で表わされる置換フェノール類とアル
デヒド類との縮合樹脂及び/又は該樹脂のo−ナフトキ
ノンジアジドスルホン酸エステル化合物を含む。
【0042】
【化7】 (式中、R5及びR6はそれぞれ水素原子、アルキル基又
はハロゲン原子を表わし、R7は炭素原子数2以上のア
ルキル基又はシクロアルキル基を表わす。)
【0043】上記一般式[VI]で表わされる置換フェノ
ール類において、R5およびR6は各々水素原子、アルキ
ル基(1ないし3の炭素原子数を含むものを包含する。
炭素原子数1ないし2のアルキル基は特に有用であ
る。)またはハロゲン原子(フッ素、塩素、臭素および
ヨウ素の各原子の内、特に塩素原子および臭素原子が好
ましい。)を表し、R7は炭素原子数2以上のアルキル
基(好ましくは炭素原子数15以下であり、炭素原子数3
ないし8のアルキル基は特に有用である。)またはシク
ロアルキル基(3ないし15の炭素原子数を含むものを包
含する。炭素原子数3ないし8のシクロアルキル基は特
に有用である。)を表す。
【0044】上記置換フェノール類の例としては、イソ
プロピルフェノール、tert−ブチルフェノール、tert−
アミルフェノール、ヘキシルフェノール、tert−オクチ
ルフェノール、シクロヘキシルフェノール、3−メチル
−4−クロロ−5−tert−ブチルフェノール、イソプロ
ピルクレゾール、tert−ブチルクレゾール、tert−アミ
ルクレゾール、ヘキシルクレゾール、tert−オクチルク
レゾール、シクロヘキシルクレゾール等が挙げられ、そ
のうち特に好ましくはtert−オクチルフェノールおよび
tert−ブチルフェノールが挙げられる。
【0045】また、上記アルデヒド類の例としてはホル
ムアルデヒド、ベンズアルデヒド、アセトアルデヒド、
アクロレイン、クロトンアルデヒド、フルフラール等の
脂肪族および芳香族アルデヒドが挙げられ、炭素原子数
1ないし6のものを包含する。そのうち好ましくはホル
ムアルデヒドおよびベンズアルデヒドである。
【0046】上記該置換フェノール類とアルデヒド類と
を縮合させた樹脂は、一般式[VI]により表される置換
フェノールと、アルデヒド類とを酸性触媒の存在下で重
縮合して合成される。使用される酸性触媒としては、塩
酸、しゅう酸、硫酸、リン酸等の無機酸や有機酸が用い
られ、置換フェノール類とアルデヒド類との配合比は、
置換フェノール類1モル部に対しアルデヒド類が0.7〜
1.0モル部用いられる。反応溶媒としては、アルコール
類、アセトン、水、テトラヒドロフラン等が用いられ
る。
【0047】所定温度(−5〜120℃)、所定時間(3
〜48時間)反応後、減圧下加熱し、水洗して脱水させて
得るか、又は水結析させて反応物を得る。
【0048】本発明の置換フェノール類とアルデヒド類
との重合樹脂のo−ナフトキノンジアジドスルホン酸エ
ステル化合物は、前記縮合樹脂を適当な溶媒、例えば、
ジオキサン等に溶解させて、これにo−ナフトキノンジ
アジドスルホン酸クロライドを投入し、加熱撹拌しなが
ら、炭酸アルカリ等のアルカリを当量点まで滴下するこ
とによりエステル化させて得られる。
【0049】前記エステル化物において、フェノール類
の水酸基に対するo−ナフトキノンジアジドスルホン酸
クロライドの縮合率(水酸基1個に対する反応率%)
は、5〜80%が好ましく、より好ましくは20〜70%、更
に好ましくは30〜60%である。該縮合率は、元素分析に
よりスルホニル基の硫黄原子の含有量を求めて計算す
る。
【0050】本発明の感光層組成物中に占める前記一般
式[VI]で表される置換フェノール類とアルデヒド類と
を縮合させた樹脂および該樹脂のo−ナフトキノンジア
ジドスルホン酸エステル化合物の量は0.05〜15重量%が
好ましく、特に好ましくは1〜10重量%であり、重量平
均分子量Mwは好ましくは、5.0×102〜5.0×103の範囲
であり、更に好ましくは7.0×102〜3.0×103の範囲であ
る。その数平均分子量Mnは3.0×102〜2.5×103の範囲
であることが好ましく、更に好ましくは4.0×102〜2.0
×103の範囲である。
【0051】上記分子量の測定は、GPC法によって行
う。数平均分子量Mn及び重量平均分子量Mwの算出
は、柘植盛男、宮林達也、田中誠之著“日本化学会誌”
800頁〜805頁(1972年)に記載の方法により、オリゴマ
ー領域のピークを均す(ピークの山と谷の中心を結ぶ)
方法にて行うものとする。
【0052】本発明の感光性組成物は更に分子構造中に
下記構造単位[D]及び[E]の少なくとも1種を有す
る化合物を含有することもできる。
【0053】
【化8】 (式中、nは2〜5000の整数を表わす。)
【0054】本発明に用いられる前記構造単位[D]及
び[E]の少なくとも1種を有する化合物としては、上
記構造単位[D]及び[E]の1方又は両方を有する化
合物であればいかなるものでもよいが、特にnが2〜50
00の範囲内の整数であり、かつ沸点が240℃以上である
化合物が好ましく、更に好ましくはnが2〜500の範囲
内の整数であり、かつ沸点が280℃以上である化合物で
あり、最も好ましいものはnが3〜100の範囲内の化合
物である。
【0055】このような化合物としては、例えば、
【0056】
【化9】
【0057】
【化10】
【0058】
【化11】 等が挙げられる。
【0059】具体的には例えば以下のようなものが好ま
しい。すなわち、ポリオキシエチレンラウリルエーテ
ル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエ
チレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイ
ルエーテル、ポリオキシエチレン高級アルコールエーテ
ル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポ
リオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシ
エチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレ
ンソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレンソ
ルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビ
タントリステアレート、ポリオキシエチレンソルビタン
モノオレエート、ポリオキシエチレンソルビタントリオ
レエート、テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビ
ット、ポリエチレングリコールモノラウレート、ポリエ
チレングリコールモノステアレート、ポリエチレングリ
コールモノオレエート、ポリエチレングリコールジステ
アレート、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル
ホルムアルデヒド縮合物、オキシエチレンオキシプロピ
レンブロックコポリマー、ポリエチレングリコール、テ
トラエチレングリコール等である。
【0060】上記構造単位[D]及び[E]の少なくと
も1種を有する化合物の感光性組成物中に占める割合は
全組成物に対して0.1〜20重量%が好ましく、より好ま
しくは0.2〜10重量%である。
【0061】また、上記化合物は上記含有量の範囲内で
あれば、単独で用いてもよいし2種以上組合わせて使用
してもよい。
【0062】本発明の感光性平版印刷版には上記のよう
な素材の他、必要に応じて更に増感剤、可塑剤、界面活
性剤などを添加することができる。
【0063】これらの各成分を含む感光性組成物を下記
の溶媒に溶解させ、更にこれを適当な支持体の表面に塗
布乾燥させることにより、感光層を設けて、感光性平版
印刷版を形成することができる。
【0064】上記感光性組成物の各成分を溶解する際に
使用し得る溶媒としては、メチルセロソルブ、メチルセ
ロソルブアセテート、エチルセロソルブ、エチルセロソ
ルブアセテート等のセロソルブ類、ジメチルホルムアミ
ド、ジメチルスルホキシド、ジオキサン、アセトン、シ
クロヘキサノン、トリクロロエチレン、メチルエチルケ
トン等が挙げられる。これら溶媒は、単独であるいは2
種以上混合して使用することができる。
【0065】上記感光性組成物を支持体表面に塗布する
際に用いる塗布方法としては、従来公知の方法、例え
ば、回転塗布、ワイヤーバー塗布、ディップ塗布、エア
ーナイフ塗布、ロール塗布、ブレード塗布及びカーテン
塗布等が可能である。この際塗布量は用途により異なる
が、例えば固形分として0.5〜5.0g/m2が好ましい。
【0066】支持体としては、アルミニウム、亜鉛、
鋼、銅等の金属板、並びにクロム、亜鉛、銅、ニッケ
ル、アルミニウム、鉄等がメッキ又は蒸着された金属
板、紙、プラスチックフィルム及びガラス板、樹脂が塗
布された紙、アルミニウム等の金属箔が張られた紙、親
水化処理したプラスチックフィルム等が挙げられる。こ
のうち好ましいのはアルミニウム板である。本発明の感
光性平版印刷版の支持体としては砂目立て処理、陽極酸
化処理および必要に応じて封孔処理等の表面処理が施さ
れているアルミニウム板を用いることがより好ましい。
【0067】これらの処理には公知の方法を適用するこ
とができる。
【0068】砂目立て処理の方法としては、例えば、機
械的方法、電解によりエッチングする方法が挙げられ
る。機械的方法としては、例えば、ボール研磨法、ブラ
シ研磨法、液体ホーニングによる研磨法、バフ研磨法等
が挙げられる。アルミニウム材の組成等に応じて上述の
各種方法を単独あるいは組み合わせて用いることができ
る。好ましいのは電解エッチングによる方法である。
【0069】電解エッチングは、りん酸、硫酸、塩酸、
硝酸等の無機の酸を単独ないし2種以上混合した浴で行
なわれる。砂目立て処理の後、必要に応じてアルカリあ
るいは酸の水溶液によってデスマット処理を行い中和し
て水洗する。
【0070】陽極酸化処理は、電解液として、硫酸、ク
ロム酸、シュウ酸、リン酸、マロン酸等を1種または2
種以上含む溶液を用い、アルミニウム板を陽極として電
解して行なわれる。形成された陽極酸化皮膜量は1〜50
mg/dm2が適当であり、好ましくは10〜40mg/dm2であ
る。陽極酸化皮膜量は、例えば、アルミニウム板をリン
酸クロム酸溶液(リン酸85%液:35ml、酸化クロム(V
I):20gを1リットルの水に溶解して作製)に浸漬し、
酸化皮膜を溶解し、板の皮膜溶解前後の重量変化測定等
から求められる。
【0071】封孔処理は、沸騰水処理、水蒸気処理、ケ
イ酸ソーダ処理、重クロム酸塩水溶液処理等が具体例と
して挙げられる。この他にアルミニウム板支持体に対し
て、水溶性高分子化合物や、フッ化ジルコン酸等の金属
塩の水溶液による下引き処理を施すこともできる。
【0072】本発明の感光性平版印刷版は、通常の方法
で現像処理することができる。例えば、透明陽画フィル
ムを通して超高圧水銀灯、メタルハライドランプ、キセ
ノンランプ、タングステンランプ等の光源により露光
し、次いで、種々のアルカリ現像液にて現像する。この
結果未露光部分のみが支持体表面に残り、ポジ−ポジ型
のレリーフ像が形成される。
【0073】上記アルカリ現像液としては、例えば、水
酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭
酸カリウム、メタケイ酸ナトリウム、メタケイ酸カリウ
ム、第二リン酸ナトリウム、第三リン酸ナトリウム等の
アルカリ金属塩の水溶液が挙げられる。アルカリ金属塩
の濃度は0.1〜10重量%が好ましい。又、該現像液中に
必要に応じアニオン性界面活性剤、両性界面活性剤やア
ルコール等の有機溶媒を加えることができる。
【0074】
【実施例】
実施例1 [アルミニウム板の作製]厚さ0.24mmのアルミニウム板
(材質1050、調質H16)を、5重量%の水酸化ナトリウ
ム水溶液中で60℃で1分間脱脂処理を行った後、1リッ
トルの0.5モル塩酸水溶液中において、温度25℃、電流
密度60A/dm2、処理時間30秒の条件で電解エッチング
処理を行った。次いで5重量%水酸化ナトリウム水溶液
中で60℃、10秒間のデスマット処理を施した後、20重量
%硫酸溶液中で、温度20℃、電流密度3A/dm2、処理
時間1分の条件で陽極酸化処理を行った。更に、80℃の
熱水で20秒間熱水封孔処理を行い、平版印刷版用支持体
のアルミニウム板を作製した。
【0075】[感光性組成物塗布液の塗布]上記のよう
に作成したアルミニウム板に下記組成の感光性組成物塗
布液を回転塗布機を用いて塗布し、90℃で4分間乾燥
し、ポジ型感光性平版印刷版(試料No.1)を作製し
た。この試料の乾燥塗布膜の膜厚は2.2g/m2であった。
【0076】 [感光性組成物塗布液組成] (1)ノボラック樹脂(1) 9.0 g (2)非ノボラック樹脂(1) 1.5 g (3)感光性物質−1 2.5 g (4)2−トリクロルメチル−5−(β−ベンゾフリルビニル) −1,3,4−オキサジアゾール 0.15g (5)ポリエチレングリコール 0.15g (6)1,2−シクロヘキサンジカルボン酸 0.45g (7)オクチルフェノールホルムアルデヒド樹脂の o−ナフトキノンジアジドスルホン酸エステル 0.15g (8)ビクトリアピュアブルーBOH(保土谷化学(株)製) 0.12g (9)メチルセロソルブ 100ml
【0077】更に、上記感光性組成物塗布液の(3)感
光性物質−1及び(8)のビクトリアピュアブルーBO
Hの添加量を表1に示すようにかえた以外は、試料No.
1の作製と同様にして感光性平版印刷版試料No.2〜5
をそれぞれ作製した。
【0078】
【表1】
【0079】[反射スペクトルの測定]上記のようにし
て作製した感光性平版印刷版試料No.1〜5の各々につ
いて、400nm〜700nmの波長の間の吸収スペクトルをU−
3210型日立自記分光光度計と60φ積分球付属装置[いず
れも株式会社日立製作所製]を用いて測定した。測定結
果を表2に示す。
【0080】
【表2】
【0081】[露光可視画性の評価]得られた感光性平
版印刷版試料No.1〜5の各々に、感度測定用ステップ
タブレット(イーストマン・コダック社製No.2、濃度
差0.15ずつで21段階のグレースケール)を密着して、2
kwメタルハライドランプ(岩崎電気社製,アイドルフ
ィン2000)を光源として90cmの距離から露光した(露光
量はこれらの試料をSDR−1(コニカ(株)製)現像
液を水で6倍に希釈した現像液で27℃、20秒現像したと
き上記ステップタブレットの3.0段が完全にクリアーと
なる量とした。)これらの試料の焼き出し画像の見易さ
を、目視評価した結果を表3に示す。
【0082】[現像可視画性の評価]得られた感光性平
版印刷版試料No.1〜5の各々に、7級の明朝体で作成
した「高品質抜き文字」のポジ原稿を密着して、露光可
視画性の評価と同様にして露光した。次にこの試料をS
DR−1(コニカ(株)製)現像液を水で6倍に希釈し
た現像液で27℃にて20秒間現像した。現像した後の各々
の版上の画像の見易さを目視評価した結果を表3に示
す。
【0083】表3に示した結果より本発明の効果は明ら
かである。
【0084】
【表3】 *1:露光可視画性 ◎:露光後の可視画像が非常に鮮明にみえる △:露光後の可視画像がみえる ×:露光後の可視画像が非常に見にくい *2:現像後可視画性 ◎:「高品質抜き文字」の文字が鮮明にみえる △:「高品質抜き文字」の文字がみえる ×:「高品質抜き文字」の文字が非常に見にくい
【0085】表3より、本発明のスペクトル特性を有す
る本発明の試料1は上記スペクトル特性を有しない本発
明外の試料2〜5に比較して、露光可視画性及び現像後
可視画性のいずれにも優れていることがわかる。
【0086】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明のス
ペクトル特性を有することにより、露光可視画性及び現
像後可視画性のいずれにも優れた感光性平版印刷版が得
られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松村 智之 東京都日野市さくら町1番地 コニカ株式 会社内 (72)発明者 鈴木 利継 東京都日野市さくら町1番地 コニカ株式 会社内 (72)発明者 上村 次郎 神奈川県横浜市緑区鴨志田町1000番地 三 菱化成株式会社総合研究所内 (72)発明者 佐々木 充 神奈川県横浜市緑区鴨志田町1000番地 三 菱化成株式会社総合研究所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも、活性光線の照射により酸及
    び/又は遊離基を生成する化合物、及び該化合物の光分
    解生成物と相互作用することによってその色調をかえる
    変色剤を含有する感光性平版印刷版であって、その反射
    スペクトルにおいて400〜600nmの間に少なくとも1つの
    極小値を有し、500〜700nmの間に少なくとも1つの極大
    値を有し、かつ前記少なくとも1つの極小値の最小のも
    のが0.50以下の吸光度を有し、前記少なくとも1つの極
    大値の最大のものが0.85以上の吸光度を有し、尚かつ、
    前記極大値の最大のものの吸光度の前記極小値の最小の
    ものの吸光度に対する比が0.5以下であることを特徴と
    する感光性平版印刷版。
JP1954192A 1992-01-08 1992-01-08 感光性平版印刷版 Pending JPH05188588A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6350818B1 (en) * 1998-12-31 2002-02-26 Hyundai Electronics Industries Co., Ltd. Anti reflective coating polymers and the preparation method thereof
KR100963353B1 (ko) * 2006-11-15 2010-06-14 다이요 잉키 세이조 가부시키가이샤 감광성 조성물

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6350818B1 (en) * 1998-12-31 2002-02-26 Hyundai Electronics Industries Co., Ltd. Anti reflective coating polymers and the preparation method thereof
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