JPH05186300A - 有機結晶の成長方法 - Google Patents

有機結晶の成長方法

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JPH05186300A
JPH05186300A JP486792A JP486792A JPH05186300A JP H05186300 A JPH05186300 A JP H05186300A JP 486792 A JP486792 A JP 486792A JP 486792 A JP486792 A JP 486792A JP H05186300 A JPH05186300 A JP H05186300A
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JP
Japan
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single crystal
organic
substrate
crystal
mask
Prior art date
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Application number
JP486792A
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English (en)
Inventor
Naota Uenishi
直太 上西
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Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 気相法によって有機材料の分子を基板2上に
堆積させて、有機材料の単結晶を成長させるにあたり、
上記有機材料の分子が透過する開口部3を設けたマスク
1によって上記基板2を覆い、マスク1および基板2の
少なくとも一方を移動させながら、上記開口部3を通し
て上記有機材料の分子を基板2上に堆積させ、単結晶を
順次成長させる 【構成】高品質でかつ素子として応用可能な充分な広さ
の面積を有する有機薄膜単結晶が得られると共に、微細
加工を施すことなく導波路としての形状を有する単結晶
が簡単に得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、非線形光学材料、電子
材料、発光材料等に用いられる有機結晶の成長方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、有機材料は、無機材料と比較し
て、すぐれた電気的特性、光学的特性を有していること
が明らかになった。このため、有機材料は、超伝導材
料、EL(エレクトロルミネッセンス)材料、PHB
(フォトケミカルホールバーニング)材料、フォトクロ
ミック材料、非線形光学材料などの分野への応用開発が
盛んに進められている。
【0003】なかでも、有機材料を非線形光学材料とし
て使用する場合、無機材料と比較して大きな非線形光学
定数が得られ、また高速の光応答性などに優れているこ
とが見出されている。それゆえ、有機材料の2次の非線
形光学効果を利用した光波長変換用バルク単結晶、光波
長変換素子、光変調器など、3次の非線形光学効果を利
用した光双安定素子、光シャッター、光位相共役素子な
どの各種非線形光学素子への開発が進められている。
【0004】これらの素子形態としては、バルク単結晶
を除いて、主に薄膜型または導波路型のものが適してい
ることが知られている。また、上記素子を作製する場
合、有機材料は非線形光学特性、均一性、透明性等に優
れている単結晶として用いる必要がある。このような薄
膜型または導波路型の有機単結晶の成長方法としては、
有機材料を有機溶媒、水等に溶解した溶液から成長させ
る溶液成長法や、有機材料の融液から成長させる融液成
長法、真空中で気化させた有機材料を基板上に成長させ
る気相法等が知られている。
【0005】このうちで、特に気相法は結晶成長時にお
ける溶媒や有機材料の熱分解物などの不純物の混入がな
く、また低欠陥、低転位の高品質な有機単結晶が得られ
るという長所がある。この気相法として従来からよく知
られているものに、図10に示すような装置を用いる真
空蒸着法がある。これは、真空槽30内でるつぼ31に
入れた有機材料32を気化させ(気化した有機材料を3
5で示す)、基板33上に堆積させて薄膜結晶34を得
る方法である。
【0006】気相法としては、このほかに超高真空中で
気化した有機材料の分子を精密に温度制御された基板上
に照射して有機単結晶を成長させるMBE(分子線エピ
タキシー)法、イオン化された有機材料を基板上に入射
させて有機単結晶の薄膜を成長させるICB(イオンク
ラスタービーム)法、気化した有機材料を熱、プラズ
マ、光エネルギーによって分解、重合等の化学反応によ
って基板上に有機単結晶の薄膜を成長させるCVD(化
学気相蒸着)法等がある。
【0007】一方、導波路型の素子を作製する方法とし
ては、上記の成長法によって得られた薄膜結晶をドライ
エッチング等の方法によって微細加工を行い、矩形状の
単結晶とする方法が知られている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
気相法による結晶成長では、成長初期段階に発生する微
小結晶核の結晶方位や発生場所および個数を制御するこ
とが極めて困難であるため、多数の結晶核が任意の結晶
方位をとって基板上で成長する。そのため、図11に示
すように、基板33上に成長する薄膜結晶34は、結晶
方位や大きさが一様でない、たかだか10μm×10μ
m程度の面積の微小結晶の集合体に過ぎず、素子として
利用可能な大きさ、例えば薄膜型の場合で数mm×数mm、
導波路型の場合で数μm×数mmの面積をもつ単結晶を得
ることができないという問題があった。
【0009】このため、薄膜型や導波路型の単結晶は、
溶液成長法や融液成長法によって得るしかなく、その結
果、低品質な結晶を用いることにより、素子性能が低下
するという問題があった。さらに、ドライエッチングを
はじめとする有機結晶の加工技術は、現状では全く確立
しておらず、微細加工により導波路作製に成功したとい
う例は殆どない。
【0010】本発明の目的は、上述の技術的課題を解決
し、高品質でかつ素子として応用可能な充分な広さの面
積を有する有機薄膜単結晶が得られる有機結晶の成長方
法を提供することである。本発明の他の目的は、微細加
工を施すことなく導波路としての形状を有する単結晶が
簡単に得られる有機結晶の成長方法を提供することであ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段および作用】本発明の有機
結晶の成長方法は、気相法によって有機材料の分子を基
板上に堆積させて、有機材料の単結晶を成長させるもの
であって、上記有機材料の分子が透過する開口部を設け
たマスクによって基板を覆い、マスクおよび基板の少な
くとも一方を移動させながら、上記開口部を通して上記
有機材料の分子を基板上に堆積させ、単結晶を順次成長
させていくことを特徴とする。
【0012】この構成によれば、基板上で結晶が成長す
る領域はマスクの開口部に対応する部分だけとなり、開
口部の面積を充分に小さくすることにより、結晶核の発
生場所を任意にかつ1ヶ所だけに制限することができ
る。従って、マスクおよび基板の少なくとも一方を移動
し、開口部を移動させると、始めに成長した結晶核を種
子結晶として、これと同一の結晶方位をもつ単結晶を順
次基板上に成長させることが可能になる。さらに、マス
クの開口部の形状を変えることにより、種々の形状をも
つ導波路型の単結晶を成長させることも可能になる。
【0013】図1は、本発明において、正方形の開口部
3を有するマスク1で基板2を覆った状態を示してい
る。図1に示す状態で、気相法にて単結晶の成長を行う
と、上記開口部3を通過した有機材料が基板2上に堆積
して、図2に示すように基板2上に開口部3の形状に対
応する正方形の有機単結晶4を1つだけ得ることができ
る。そして、マスク1または基板2のいずれか一方を移
動させて開口部3を移動させることにより、任意な形状
の有機単結晶を成長させることができる。例えば、図1
に示す正方形の開口部3を有するマスク1を、その開口
部3の一辺と平行に移動させた場合、図3に示すように
矩形状断面をもつ厚さが均一な有機単結晶41を成長さ
せることができる。この場合、開口部3は正方形である
必要はなく、長方形や円形などでもよく、とくに制限さ
れるものではない。また、有機単結晶41は開口部3の
移動速度を調節することにより任意の厚さのものを作製
することが可能である。開口部3の大きさは、始めに単
結晶を1個だけ成長させるうえで、生成される微小単結
晶の大きさより小さくすることが必要であり、通常約1
0μm×10μm以下であるのが好ましい。
【0014】さらに、結晶の断面形状は図3に示すよう
な矩形状に限定されるものでなく、例えば上記正方形の
開口部3をその対角線方向に移動させることにより、図
4に示すように断面が三角形の有機単結晶42を成長さ
せることができる。また、円形の開口部を有するマスク
(図示せず)を使用することにより、図5に示すように
断面が半円形の有機単結晶43を成長させることができ
る。これらの場合も上記四角形の開口部3の大きさに対
応する大きさで開口部を形成するのが好ましく、例えば
円形の場合には直径が約10μm以下であるのが適当で
ある。
【0015】また、開口部3の移動速度を変化させるこ
とにより、厚さの変化した有機単結晶を成長させること
ができる。例えば周期的に開口部3の移動速度を変化さ
せると、図6に示すように周期的に厚さの変化した有機
単結晶44を得ることができる。さらに、図7aに示す
ように、所望の結晶パターンと同じパターンの開口5を
有するマスク6で基板2を覆った後(このマスク6は基
板2に固定しておく)、上記開口5と交差するスリット
状の開口部7を有するマスク8を、開口5に沿って移動
させながら結晶を成長させることにより、図2、図3、
図6に示すような有機単結晶4,41,44が得られる
ほか、図8や図9に示すような有機単結晶45,46
も、これらに対応する形状の開口5を有するマスク6と
スリット状開口部7を有するマスク8とを組み合わせる
ことにより簡単に得ることができる。上記有機単結晶4
5,46は光変調器、方向性結合器等に適している。こ
の場合でも、スリット状開口部7の形状だけでなく、種
々の形状の開口部を使用したり、移動速度を変化させた
りすることにより、種々の断面形状や厚さを有する有機
単結晶を成長させることができる。本発明における適用
可能な気相法としては、前記した真空蒸着法のほか、M
BE法、ICB法等があげられる。
【0016】また、本発明に適用可能な有機材料として
は、例えば4′−(N,N−ジメチルアミノ)ベンジリ
デン−4−ニトロアニリン(DBNA)、2−メチル−
4−ニトロアニリン(MNA)、4,5−ジメチル−
1,3−ジチオール−2−イリデンシアノアセテート、
1,3−ジチオール−2−イリデンシアノアセテート、
3,5−ジメチル−1−(4−ニトロフェニル)ピラゾ
ール、4′−ニトロベンジリデン−3−アセトアミノ−
4−メトキシアニリン、4−ブロモ−4′−メトキシカ
ルコン、3−(2−シアノ−2−エトキシカルボニル)
インドール、2−エチル−1−(4−シアノフェニル)
イミダゾール、1,3−ジチオール−2−イリデンシア
ノアセテート、2−(2−シアノエトキシ)−5−ニト
ロピリジン、4′−ニトロベンジリデン−3−アセトア
ミノ−4−メトキシアニリンなどがあげられる。
【0017】また、本発明に適用可能な基板2として
は、例えば塩化カリウム、塩化ナトリウム等のアルカリ
ハライド基板、シリコン、ガリウムヒ素、インジウムリ
ン等の半導体基板、LiNbO3、LiTaO3、KTiOPO4 等の強誘
電体基板、石英基板、石英ガラス、鉛ガラス、ソーダガ
ラス等のガラス基板、石英、グラファイト、硫化モリブ
デン等があげられる。
【0018】
【実施例】以下、実施例をあげて本発明の有機結晶の成
長方法を説明するが、本発明は以下の実施例のみに限定
されるものでないことは勿論である。 実施例 塩化カリウム基板上を5μm×5μmの正方形の開口部
を有する石英ガラス製のマスクで覆い、図10に示した
と同様な装置の真空槽内に入れ、上記開口部を通して、
有機材料である4′−(N,N−ジメチルアミノ)ベン
ジリデン−4−ニトロアニリン(DBNA)を基板上に
堆積させ、有機単結晶を成長させた。このとき、マスク
は速度5μm/時間の速度で正方形の一辺と平行に移動
させた。また、るつぼにはクヌーセン型セルを用い、圧
力4×10-6Pa、基板温度15℃で塩化カリウム単結
晶(001)面上に結晶を成長させた。
【0019】その結果、図3に示すような厚さ1μm、
幅5μm、長さ1mmのDBNA単結晶を得た。また、塩
化カリウム基板上の他の部分にはDBNA結晶は全く成
長していなかった。
【0020】
【発明の効果】以上のように本発明の有機結晶の成長方
法によれば、気相法により、高品質でかつ素子として応
用可能な充分な広さの面積を有する有機薄膜単結晶が得
られると共に、微細加工を施すことなく導波路としての
形状を有する単結晶が簡単に得られるという効果があ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明において基板上をマスクで覆った状態の
一例を示す平面図である。
【図2】本発明においてマスクを移動させずに基板上に
有機単結晶を成長させた状態の一例を示す斜視図であ
る。
【図3】本発明においてマスクを移動させて基板上に形
成された有機単結晶の一例を示す斜視図である。
【図4】本発明においてマスクを移動させて基板上に形
成された有機単結晶の他の例を示す斜視図である。
【図5】本発明においてマスクを移動させて基板上に形
成された有機単結晶の他の例を示す斜視図である。
【図6】本発明においてマスクを移動させて基板上に形
成された有機単結晶の他の例を示す斜視図である。
【図7】(a)は本発明において基板を覆ったマスクの
他の例を示す平面図である。(b)は図7(a)に示す
マスクを他のマスクと組み合わせて有機単結晶を成長さ
せる状態を示す平面図である。
【図8】本発明においてマスクを移動させて基板上に形
成された有機単結晶の他の例を示す斜視図である。
【図9】本発明においてマスクを移動させて基板上に形
成された有機単結晶の他の例を示す斜視図である。
【図10】気相法に用いる通常の真空蒸着装置を示す説
明図である。
【図11】通常の真空蒸着装置を用いたときの有機単結
晶の堆積状態を示す説明図である。
【符号の説明】
1 マスク 2 基板 3 開口部 4 有機単結晶

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】気相法によって有機材料の分子を基板上に
    堆積させて、有機材料の単結晶を成長させる有機結晶の
    成長方法において、 上記有機材料の分子が透過する開口部を設けたマスクに
    よって基板を覆い、マスクおよび基板の少なくとも一方
    を移動させながら、上記開口部を通して上記有機材料の
    分子を基板上に堆積させ、単結晶を順次成長させていく
    ことを特徴とする有機結晶の成長方法。
JP486792A 1992-01-14 1992-01-14 有機結晶の成長方法 Pending JPH05186300A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5792270A (en) * 1993-10-21 1998-08-11 Saxena; Arjun Apparatus for forming a pattern of nucleation sites

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5792270A (en) * 1993-10-21 1998-08-11 Saxena; Arjun Apparatus for forming a pattern of nucleation sites

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