JPH05186153A - エレベーターの診断運転装置 - Google Patents

エレベーターの診断運転装置

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JPH05186153A
JPH05186153A JP503992A JP503992A JPH05186153A JP H05186153 A JPH05186153 A JP H05186153A JP 503992 A JP503992 A JP 503992A JP 503992 A JP503992 A JP 503992A JP H05186153 A JPH05186153 A JP H05186153A
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真一郎 河野
Kenji Kono
賢治 河野
Hajime Okamoto
肇 岡本
Seiji Kawanishi
清治 川西
Hiroshi Kiyosugi
浩 清杉
Hiroshi Yamazaki
浩 山崎
Hisatoku Fukai
久徳 深井
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 正常運転では作動しない機器の動作試験も行
うことができ、ひいては保守員の全点検作業に要する時
間を短縮して点検作業を効率的に実施することができる
エレベーターの診断運転装置の提供。 【構成】 診断運転指令装置32は、低速運転指令装置
34を作動させてエレベーター制御盤11による乗りか
ご13の低速運転を行い、この低速運転により、正常運
転では動作しない機器、例えば下降限界スイッチ15、
上昇限界スイッチ16の点検を行う。又、診断運転指令
装置32は、高速運転指令装置33を作動させて乗りか
ご13を上下に高速運転し、所要の点検を行う。診断装
置35は、高速運転、低速運転における所要データを取
込んで記憶し、かつ、異常の有無を判断する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エレベーターを実際に
運転して種々の測定、検査等を行うエレベーターの診断
運転装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、エレベーターの通常使用中、常時
これを監視し、当該エレベーターの異常又は故障を検出
し、これを監視センターに通報する監視装置が設けられ
るようになった。この監視装置は、上記のように異常や
故障を検出して通報するばかりでなく、監視中に得られ
たエレベーターの運行情報を監視センターに送信し、監
視センターに集積されてたこれら運行情報はエレベータ
ーの保守、点検に利用されている。
【0003】ところで、エレベーターの通常使用中にお
ける運行情報は、乗客の動作の影響を受けることが多
い。例えば、乗りかごの扉の開閉時間は、開閉時に乗客
が扉を手で抑え又は寄り掛かることにより(このような
場合はしばしばある)長くなる。この場合、監視装置が
扉の開閉時間が長くなったことを検出しても、扉の敷居
に石が挟まっているのが原因なのか、又は上記乗客の動
作が原因なのか判別することができない。このような事
情を考慮して、従来、特公平2−36512号公報によ
り乗りかごに乗客がいないことを検出して自動点検を行
う自動点検運転装置が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の自動点検運
転装置は、乗客による影響なく機器の点検を行うことが
でき、かつ、機器の動作状態のデータを収集、蓄積し
て、経年データの変化により機器の故障予兆や寿命予測
を行うことができる。しかし、上記従来の自動点検運転
装置は、エレベーターの通常使用状態では機能しない機
器の点検を行うことはできない。例えば、上昇制限スイ
ッチや下降制限スイッチ等の安全装置は通常使用状態で
は作動せず、異常が生じたとき初めて作動する。したが
って、従来の自動点検運転装置では、これら安全装置の
点検を行うことはできず、それらの点検は保守員が現場
に出向し、エレベーターを運転することにより行う必要
があり、時間と手間を要していた。
【0005】本発明の目的は、上記従来技術における課
題を解決し、正常運転では作動しない機器の診断も行う
ことができ、ひいては保守員の全点検作業に要する時間
を短縮して点検作業を効率的に実施することができるエ
レベーターの診断運転装置を提供するにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明は、制御装置により運行を制御される乗りか
ごを走行させることにより得られるデータを収集するた
めのエレベーターの診断運転装置において、前記制御装
置に高速運転を指示する高速運転指令装置と、前記制御
装置に低速運転を指示する低速運転指令装置と、診断指
令が入力されたとき前記制御装置から得られるエレベー
ターの状態信号により前記高速運転指令装置および前記
低速運転指令装置のいずれか一方に動作指令を出力する
診断運転指令装置と、診断運転中前記制御装置から所定
のデータを収集する診断装置とを設けたことを特徴とす
る。
【0007】
【作用】診断運転指令装置は、診断運転の指令を受ける
と、高速運転指令装置又は低速運転指令装置のいずれか
一方を作動させてエレベーターを高速運転又は低速運転
させ、この結果得られるデータを診断装置に導入する。
診断運転指令装置からの指令は、制御装置からの信号を
みながら出力される。上記低速運転により、正常運転状
態では作動しない機器の点検を行う。
【0008】
【実施例】以下、本発明を図示の実施例に基づいて説明
する。図1は本発明の実施例に係るエレベーターの診断
運転装置のブロック図である。図で、1はエレベーター
を示し、エレベーター制御盤11、このエレベーター制
御盤11により制御されるモータ12、モータ12によ
り駆動される乗りかご13、乗りかご13の反対端に連
結されたカウンタウエイト14で構成されている。15
は最下階床から所定距離下方位置に設置された下降限界
スイッチ、16は最上階床から所定距離上方位置に設置
された上昇限界スイッチを示す。2は多数のエレベータ
ーを監視する監視センターである。各エレベーターと監
視センター2との間の監視システムは良く知られている
ので、その説明は省略する。
【0009】3は診断運転装置であり、監視センター2
から通信回線4を介して診断運転の指令があったとき所
定の手順に従ってエレベーター1の診断運転を行うとと
もに、診断運転の結果を通信回線4を介して監視センタ
ー2に送信する。診断運転装置3は、監視センター2と
の間の通信を行う通信装置31、所定の手順で診断運転
を実施させる診断運転指令装置32、診断運転指令装置
32の指令に基づいてエレベーター制御盤11に高速運
転指令を出力する高速運転指令装置33、同じく低速運
転指令を出力する低速運転指令装置34、およびエレベ
ーター制御盤11からのデータを入力して所要の処理を
行う診断装置35で構成されている。
【0010】なお、低速運転指令装置34からエレベー
ター制御盤11への低速運転指令信号の入力は、エレベ
ーター据付け工事時に低速運転信号をエレベーター制御
盤11に直接入力する制御盤低速運転装置に行っても良
い。
【0011】診断装置35は、エレベーター制御盤11
のデータによりエレベーター1の状態を診断運転指令装
置32に出力するとともに、当該データのうちの所要の
データを記憶し、かつ、当該データに基づいて異常又は
故障の有無を判断し異常又は故障が発生しているときに
は通信装置31を介してこれを監視センター2に送信す
る。
【0012】次に、本実施例の動作を図2および図3に
示す診断運転指令装置32の処理フローチャートを参照
しながら説明する。監視センター2からは診断運転指令
信号とともに、診断運転開始時刻および診断運転終了時
刻が送信され、これらは診断運転指令装置32に入力さ
れる。ここで、診断運転開始時刻および診断運転終了時
刻は、エレベーター1の設置個所や使用目的等を考慮し
て、エレベーター1の使用が極度に少ない時間帯に選定
されている。
【0013】診断運転指令装置32は診断運転の指令が
あったとき、診断運転開始時刻に達したか否かを判断し
(図2に示す手順S1 )、当該時刻に達すると、次に、
その時刻以前の予め定められた時間、例えば30分間に
乗りかご13の呼び又はホール呼びが登録されたか否か
が判断される(手順S2 )。30分間呼びが登録され
ず、乗客が完全にいなくなったと判断されると、現在時
刻が診断運転の時間帯内か否かが判断され(手順
3 )、時間外であれば診断運転を実行せず次の診断運
転指令を待つ。時間内であれば、診断装置35からの信
号により、乗りかご13の位置が最下階にあるか否かを
判断し(手順S4 )、最下階にない場合には最下階のホ
ール呼びを作り、高速運転指令装置33を作動させて乗
りかご13を最下階に移動させる(手順S5 )。乗りか
ご13が最初から最下階にある場合には、手順S5 の処
理は行わない。
【0014】なお、上記高速運転により乗りかご13を
目的階に移動させる場合、必ずしも当該階のホール呼び
を用いる必要はなく、かご呼びを用いても、車椅子呼び
を用いても、又は出勤退勤時のエレベーター待機指令信
号を用いてもよいのは当然である。
【0015】乗りかご13が最下階にある状態で、診断
運転指令装置32は低速運転指令装置34に対して低速
上昇を指令する(手順S6 )。これにより、乗りかご1
3は低速上昇する。診断装置35からの信号により、乗
りかご13の上昇が100mmに達した状態、即ち、乗
りかご13が最下階の階床を通過して下降限界スイッチ
15を作動させ得る状態になったとき(手順S7 )、診
断運転指令装置32は低速運転指令装置34に対して低
速下降指令を出力し(手順S8 )、乗りかご13を低速
下降させる。
【0016】診断運転指令装置32は、乗りかご13が
低速で下降し下降限界スイッチ15をONにしたか否か
を診断装置35からの信号により監視する(手順
9 )。下降限界スイッチ15がONになると、診断運
転指令装置32は低速運転指令装置に対して低速上昇指
令を出力し(手順S10)、乗りかご13が最下階床位置
に到達すると(手順S11)、低速上昇指令の出力を停止
する(手順S12)。手順S9 の処理において、下降限界
スイッチ15がONになると、診断装置35はエレベー
ター制御盤11からデータを入力し、下降限界スイッチ
15がONになったこと、下降限界スイッチ15のON
により乗りかご13が停止したこと、およびその停止位
置を記憶する。
【0017】上記手順S6 〜S12の処理により下降限界
スイッチ15の点検が終了すると、次に診断運転指令装
置32は最上階のホール呼びを作り、高速運転指令装置
33を作動させて乗りかご13を最上階へ移動させ(手
順S13)、今度は上昇限界スイッチ16の点検を実施す
る(手順S14)。この点検は下降限界スイッチ15の点
検の処理手順S6 〜S12に準じて行われるが、その説明
は省略する。この点検により、診断装置35には上昇限
界スイッチ16のデータが記憶される。
【0018】以上のように、下降限界スイッチ15およ
び上昇限界スイッチ16の点検が終了すると、診断運転
指令装置32は高速運転状態における所要の点検を行
う。即ち、現在最上階にある乗りかご13を最下階に移
動させるべく、診断運転指令装置32は最下階のホール
呼びを作り、高速運転指令装置33に最下階への高速運
転指令を出力する(手順S15)。そして、乗りかご13
が最下階床に到達すると(手順S16)、診断運転指令装
置32は最上階のホール呼びを作り、高速運転指令装置
33に最上階への高速運転指令を出力する(手順
17)。これにより、乗りかご13は最下階から最上階
へ高速運転され、最上階床に到達する(手順S18)。
【0019】この高速運転の間、診断装置35は、起動
時の起動ショックや加速度の傾き、高速走行時の速度の
ばらつき等を調べ、かつ、減速および停止時における減
速度の傾き、停止ショック、停止位置等を調べ、それら
の結果を記憶する。
【0020】次いで、診断運転運転指令装置32は、今
度は下降時の高速運転状態を点検すべく、最下階のホー
ル呼びを作って高速運転指令装置33に最下階への高速
運転指令を出力する(手順S19)。これにより、乗りか
ご13は最上階から最下階へ高速運転され、最下階床に
到達する(手順S20)。これにより、診断運転は終了す
る。
【0021】この下降時の高速運転の間においても、診
断装置35は、上昇時の場合と同様、起動時の起動ショ
ック、加速度の傾き、高速走行時の速度のばらつき、減
速度の傾き、停止ショック、停止位置等を調べ、それら
の結果を記憶する。
【0022】診断装置35は、上記診断運転中、所要の
データを取込む毎に、その値が基準値の許容範囲内にあ
るか否かを判断し、判断結果を記憶するとともに、取込
んだデータが許容範囲を外れているときには、通信装置
31、通信回線4を介してこれを監視センター2に通報
する。ここで、診断装置35は積極的に通報を行わず、
監視センター2からの指令をまって、上記データおよび
判断結果を監視センター2に送信することもできる。
【0023】なお、上記実施例の説明では、診断運転運
転のプログラムは診断運転指令装置が記憶している例に
ついて説明したが、診断運転を行う度に監視センターか
らこれを送信するようにすることもできる。
【0024】このように、本実施例では、高速運転指令
装置および低速運転指令装置を備え、診断運転指令装置
により、高速運転状態における診断運転だけでなく、低
速運転により上昇限界スイッチと下降限界スイッチの動
作試験も行うようにしたので、保守員の点検作業時にこ
れらの点検を行う必要がなくなり、保守員の全点検作業
に要する時間を短縮して点検作業を効率的に実施するこ
とができる。
【0025】又、本実施例における診断運転は、エレベ
ーターが使用されていない時間帯に実行されるので、収
集データを長期間収集、分析することにより、エレベー
ターの各機器の摩耗等によるデータの変化を検出するこ
とができ、破損前に各機器の交換を行うことができる。
さらに、エレベーターが使用されていない時間帯に実行
されるので、顧客の使用時間中における保守作業を減少
させることができ、顧客の不満を少なくすることができ
る。又、本実施例では、エレベーターの動きと同期して
エレベーターの点検、診断を実施するので、保守員の熟
練度に関係なく、信頼性の高い点検、診断を実施するこ
とができる。
【0026】
【発明の効果】以上述べたように、本発明では、高速運
転指令装置および低速運転指令装置を備え、診断運転指
令装置により、高速運転状態における診断運転だけでな
く、低速運転により、正常運転では作動しない機器の動
作試験も行うようにしたので、保守員の点検作業時にこ
れらの点検を行う必要はなく、保守員の全点検作業に要
する時間を短縮して点検作業を効率的に実施することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係るエレベーターの診断運転
装置のブロック図である。
【図2】図1に示す診断運転指令装置の動作を説明する
フローチャートである。
【図2】図1に示す診断運転指令装置の動作を説明する
フローチャートである。
【符号の説明】
1 エレベーター 2 監視センター 3 診断運転装置 11 エレベーター制御盤 13 乗りかご 32 診断運転指令装置 33 高速運転指令装置 34 低速運転指令装置 35 診断装置
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年11月26日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係るエレベーターの診断運転
装置のブロック図である。
【図2】図1に示す診断運転指令装置の動作を説明する
フローチャートである。
【図3】図1に示す診断運転指令装置の動作を説明する
フローチャートである。
【符号の説明】 1 エレベーター 2 監視センター 3 診断運転装置 11 エレベーター制御盤 13 乗りかご 32 診断運転指令装置 33 高速運転指令装置 34 低速運転指令装置 35 診断装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 川西 清治 東京都千代田区神田錦町1丁目6番地 株 式会社日立ビルシステムサービス内 (72)発明者 清杉 浩 東京都千代田区神田錦町1丁目6番地 株 式会社日立ビルシステムサービス内 (72)発明者 山崎 浩 東京都千代田区神田錦町1丁目6番地 株 式会社日立ビルシステムサービス内 (72)発明者 深井 久徳 東京都千代田区神田錦町1丁目6番地 株 式会社日立ビルシステムサービス内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 制御装置により運行を制御される乗りか
    ごを走行させることにより得られるデータを収集するた
    めのエレベーターの診断運転装置において、前記制御装
    置に高速運転を指示する高速運転指令装置と、前記制御
    装置に低速運転を指示する低速運転指令装置と、診断指
    令が入力されたとき前記制御装置から得られるエレベー
    ターの状態信号により前記高速運転指令装置および前記
    低速運転指令装置のいずれか一方に動作指令を出力する
    診断運転指令装置と、診断運転中前記制御装置から所定
    のデータを収集する診断装置とを設けたことを特徴とす
    るエレベーターの診断運転装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、診断運転指令装置に
    入力される診断指令には、診断運転開始時刻および診断
    運転終了時刻が含まれていることを特徴とするエレベー
    ターの診断運転装置。
  3. 【請求項3】 請求項1において、前記診断装置は、所
    要のデータを記憶する記憶手段、および入力されたデー
    タに基づいて異常の有無を判断する判断手段を備えてい
    ることを特徴とするエレベーターの診断運転装置。
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