JPH0518447Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案はフユーエルインレツト部構造に関する
ものである。

［従来の技術］ 従来、自動車のフユーエルインレツト部におい
て、インレツトボツクスは鉄板又は樹脂材により
作製されている。フユーエルフイラリツドをロツ
クする場合、インレツトボツクスが鉄板の場合、
それにロツク用ブラケツトを溶接しロツクするこ
とができたが、インレツトボツクスが樹脂製の場
合、フユーエルインレツト部外にロツク機構を設
定するか、もしくはロツク機構を持たないもので
あつた。

［考案が解決しようとする問題点］ ところで、従来の樹脂製インレツトボツクスを
使用した場合において、フユーエルインレツト部
外にロツク機構を持たせた構造は第４図、第５図
に示すように、クオータパネル一般面１から一段
落とした面２に樹脂製インレツトボツクス３が組
み付けられた構造となつている。フユーエルフイ
ラリツド４を閉じてロツクするときは、このフユ
ーエルフイラリツド４からカサ状の突起部５を突
出させておき、前記面２に設けた孔２ａに前記突
起部５を挿入し、図示しないラツチ手段でロツク
させるよう構成していた。

このため、フユーエルインレツト部のスペース
が大きくなると共にフユーエルフイラリツド４の
形状が大なることによつてコスト的に高くつくと
いう問題点があつた。

この問題に対処すべく、樹脂製インレツトボツ
クス３の挿入孔側へ延びる内側へ平面部を設け
て、この平面部にフユーエルフイラリツド４をロ
ツクするロツク部材を固定することも考えられ
る。これによつて、フユーエルインレツト部のス
ペースが小さくできると共に、安価に製造でき、
しかも見栄えがよく、防錆対策の必要もなくな
る。

しかしながら、剛性の低い樹脂製インレツトボ
ツクス３にそのままロツク部材を固定したので
は、ロツク時に作用する力によつて取付部位が変
形したり、また、熱により樹脂製インレツトボツ
クス３が膨張収縮し、ロツク位置がずれしまい、
フユーエルフイラリツド４とクオータパネル１の
縁部に段差が生じる恐れがある。

このため、本考案は、上記した各問題点に鑑
み、剛性の低い樹脂製インレツトボツクスがロツ
ク時に作用する力によつて変形することもなく、
また、熱により樹脂製インレツトボツクスが膨張
収縮しても、ロツク位置がずれリツドとクオータ
パネルの縁部に段差が生じることがないフユーエ
ルインレツト部構造を提供することを目的とす
る。

［問題点を解決するための手段］ 本考案に係るフユーエルインレツト部構造は、
車両のクオータパネルに形成された凹部を覆う開
閉可能なリツドと、前記凹部に穿設された挿入孔
に挿通される樹脂製インレツトボツクス部材とで
構成されるフユーエルインレツト部構造におい
て、前記挿入孔の縁部に一端面が溶着され他端面
が平面で前記挿入孔内へ延びるＬ字形のロツク用
ブラケツトと、前記挿入孔内へ延設され前記ロツ
ク用ブラケツトの他端面へ固定され前記ロツク用
ブラケツトと当接される面を平面とした樹脂製イ
ンレツトボツクス部材と、前記ロツク用ブラケツ
ト及び前記樹脂製インレツトボツクス部材の平面
部と共締め固定され前記リツドに設けられるラツ
チ部材を係止するロツク部材が突設されたロツク
用リテーナと、を有することを特徴としている。

このため、樹脂製インレツトボツクス部材で構
成されたフユーエルインレツトの平面部へ、ロツ
ク用ブラケツトと共にロツク用リテーナをボルト
等によつて共締めすることで、ロツク部材を正確
に位置決めでき、また取付部位の剛性を確保でき
る。これによつて、剛性の低い樹脂製インレツト
ボツクス部材が、ロツク時に作用する力によつて
変形することもなく、また、熱により樹脂製イン
レツトボツクス部材が膨張収縮しても、ロツク位
置がずれ、リツドとクオータパネルの縁部に段差
が生じることがない。

［実施例］ 以下、図に示す実施例を用いて本考案の詳細を
説明する。

第１図は本考案に係るフユーエルインレツト部
構造の第１実施例を示す斜視図、第２図は第１図
を−線で切断したときの断面図である。

クオータパネル６の一段絞り込んで車両内側へ
凹んだ底面６ａの車両内側にはプレート７が溶接
固定されていると共に、このプレート７にはＬ形
のロツク用ブラケツト８の一片が溶着固定されて
いる。

筒状のフユーエルインレツトを構成するために
互に重合された樹脂製の第１、第２のインレツト
ボツクスシールド部材１１，１２が底面６ａを貫
通しており、これらの第１、第２のインレツトボ
ツクスシールド部材１１，１２は車両外端が直角
に屈曲されて底面６ａの外側へ当つている。第
１、第２のインレツトボツクスシールド部材１
１，１２の一部は第１図のように平面部１１ａと
され、円孔１１ｂが形成されている。平面部１１
ａにはロツク用リテーナ１０が当接され、このロ
ツク用リテーナ１０と第１のインレツトボツクス
シールド部材１１及び第２のインレツトボツクス
シールド部材１２にはボルト１３が貫通してお
り、ナツト１４でロツク用リテーナ１０が第１、
第２のインレツトボツクスシールド部材１１，１
２と締結されている。

ロツク用リテーナ１０には第１、第２のインレ
ツトボツクスシールド部材１１，１２の内側へ、
すなわち燃料性入口に向けてロツク部材１０ａが
突出しており、フユーエルフイラリツド９に取付
けたキーシリンダ１５のラツチプレート１５ａと
対応している。従つてキーシリンダ１５へ車外か
らキー（図示省略）を挿入し、回転すればラツチ
プレート１５ａが回転し、ロツク部材１０ａと係
合してフユーエルフイラリツド９の開閉をロツク
できる構成である。

次に本実施例を説明する。

ロツク用部材１０ａの取付けは、あらかじめ底
面６ａへ取付けた第１、第２のインレツトボツク
スシールド部材１１，１２へボルト１３、ナツト
１４によりロツク用リテーナ１０を締付けるだけ
でよい。これによつてロツク部材１０ａが確実に
クオータパネル６へ取付けられる。

第１のインレツトボツクスシールド部材１１内
を通して燃料を注入した後は、フユーエルフイラ
リツド９を第２図の如く閉止し、キーシリンダ１
５へキーを挿入して回転すればラツチプレート１
５ａがロツク部材１０ａに係合し、フユーエルフ
イラリツド９の開放がロツクされる。

次に、第３図には本考案の第２実施例で示され
ており、フユーエルフイラリツド９にキーリンダ
１５が設けられていない場合の適用例である。運
転席等から遠隔操作されるオープナー機構１７か
ら突出する中空ボルト１７ａが第１、第２のイン
レツトボツクスシールド部材１１，１２を貫通し
ており、第１のインレツトボツクスシールド部材
１１の内側でナツト１８と螺合している。これに
よつてナツト１８とオープナー機構１７が第１、
第２のインレツトボツクスシールド部材１１，１
２を締着している。中空ボルト１７ａを貫通する
ロツク部材２０が第１のインレツトボツクスシー
ルド部材１１の内側へ突出し、フユーエルフイラ
リツド９へ固着されたインナー部材１６の開口へ
係合できるようになつている。従つてオープナー
機構１７の作動によつてロツク部材２０がオープ
ナー機構１７へ引込まれればフユーエルフイラリ
ツド９が開放可能で、インナー部材１６へロツク
部材２０が係合すればフユーエルフイラリツド９
の開閉がロツクされる。

［考案の効果］ 本考案は上記構成としたので、剛性の低い樹脂
製インレツトボツクス部材がロツク時に作用する
力によつて変形することもなく、また、熱により
樹脂製インレツトボツクス部材が膨張収縮して
も、ロツク位置がずれリツドとクオータパネルの
縁部に段差が生じることがない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るフユーエルインレツト部
構造の第１実施例を示すロツク部材組付前の斜視
図、第２図は第１図の−線断面図、第３図は
本考案構造の第２の実施例を示す断面図、第４図
は自動車の後部側面図、第５図は第４図のＡ部の
概略拡大斜視図である。 ６……クオータパネル、８……ロツク用ブラケ
ツト、１０……ロツク用リテーナ、１０ａ……ロ
ツク部材、１１……第１のインレツドボツクスシ
ールド部材、１２……第２のインレツドボツクス
シールド部材、２０……ロツク部材。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 車両のクオータパネルに形成された凹部を覆
   う開閉可能なリツドと、前記凹部に穿設された
   挿入孔に挿通される樹脂製インレツトボツクス
   部材とで構成されるフユーエルインレツト部構
   造において、前記挿入孔の縁部に一端面が溶着
   され他端面が平面で前記挿入孔内へ延びるＬ字
   形のロツク用ブラケツトと、前記挿入孔内へ延
   設され前記ロツク用ブラケツトの他端面へ固定
   され前記ロツク用ブラケツトと当接される面を
   平面とした樹脂製インレツトボツクス部材と、
   前記ロツク用ブラケツト及び前記樹脂製インレ
   ツトボツクス部材の平面部と共締め固定され前
   記リツドに設けられるラツチ部材を係止するロ
   ツク部材が突設されたロツク用リテーナと、を
   有することを特徴とするフユーエルインレツト
   部構造。 (2) 前記ロツク部材が前記樹脂製インレツトボツ
   クス部材及び前記ロツク用ブラケツトを貫通し
   てフユーエルインレツト内へ出入り自在に配設
   されたことを特徴とする前記実用新案登録請求
   の範囲第１項に記載のフユーエルインレツト部
   構造。