JPH05182820A - 異方性フェライト磁石の製造方法 - Google Patents

異方性フェライト磁石の製造方法

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JPH05182820A
JPH05182820A JP3345762A JP34576291A JPH05182820A JP H05182820 A JPH05182820 A JP H05182820A JP 3345762 A JP3345762 A JP 3345762A JP 34576291 A JP34576291 A JP 34576291A JP H05182820 A JPH05182820 A JP H05182820A
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JP
Japan
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particle size
ferrite magnet
standard deviation
ihc
weight
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JP3345762A
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English (en)
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Mitsuru Arai
満 新井
Fumihiko Takizawa
文彦 滝沢
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Proterial Ltd
Original Assignee
Hitachi Metals Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 異方性フェライト磁石の高性能化である。 【構成】 出発原料である酸化鉄の平均粒度、0.7〜
0.9μmを使うことにより、仮焼後の結晶粒径が微細
化し、しかもフェライト化が十分進行した仮焼形態が得
られる。この方法で得た仮焼粉に、SiO2、CaC
3、SrCO3、さらに、焼結性改善に有効であるとさ
れているH3BO3を、適量添加することにより、高いB
rを得ることができ、かつiHcを低下することなく、
高性能化を図ることができた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、特に自動車、船舶等に
搭載するスタータ用モータ用永久磁石として有用な高B
r(Br:残留磁束密度)、高iHc(iHc:固有保
磁力)の異方性フェライト磁石の製法に関する。
【0002】
【従来の技術】酸化鉄と炭酸ストロンチウムを原料とし
て、基本組成:SrO・nFe23(n=5.3〜6.
2)を有するSr系フェライト磁石は、Ba系フェライ
ト磁石に比較して高いHc(例えば、Hc=3500O
e)を含有するので、自動車等に搭載する電装モータや
コンピュータの周辺機器、例えばプリンタ等に内臓され
るモータに広く利用されている(特公昭49−4716
号参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上述されているような
この種のSr系フェライト磁石の磁気特性は、(Br,
iHc)=(4200G,3000Oe)又は(Br,
iHc)=(3800G,4000Oe)のものが一般
的であり、Brが4200G以上の磁石はそのiHcが
3500Oe未満であり、逆にiHcが3500Oe以
上の磁石はそのBrが4200G未満であった。例え
ば、Brが4200G以上で、かつiHcが3500O
e以上の高Br、高iHcの異方性フェライト磁石を得
ることが極めて困難であった。この種のSr系フェライ
ト磁石は、本焼成温度を高めるにつれて、焼成密度が向
上し残留密度Brが向上するが、結晶粒が粗大化するた
めに固有保磁力iHc(本明細書では単に「保磁力」と
云う。)は低下する。一方結晶粒径制御剤を多く含有さ
せれば、保磁力iHcを4000Oe以上に高めること
ができるが、この場合には結晶粒径制御剤の影響によ
り、配向度の低下、非磁性組成部分の増加によりBrが
低下する。本発明の目的は、これら従来技術の欠点を改
良し、高Br、高iHcの異方性フェライト磁石を得る
ことのできる製造方法を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、酸化鉄と炭酸
ストロンチウムをモル比が約5.6〜6.0になるよう
に混合し、更に第1の結晶粒径制御剤を混合し、仮焼成
して仮焼成物を得て、該仮焼成物を粉砕して得た微粉末
に、更に第2の結晶粒径制御剤を混合し、金型内で磁場
中成形して得られた成形体を本焼成する異方性フェライ
ト磁石の製造方法において、基本組成を、SrO・nF
23(n=5.6〜6.0)とし、第1の結晶粒径制
御剤として、重量%で、 SiO2 :0.1〜0.5 H3BO3:0.05〜0.2 第2の結晶粒径制御剤として、 SiO2 :0.1〜1.0 CaCo3:0.5〜2.0 SrCO3:0.1〜1.0 さらに、 H3BO3:0.05〜0.25 を含有させ、SrO・nFe23を生成するための原粒
酸化鉄を、平均粒径0.7〜0.9μm、粒度分布の標
準偏差γが0.14〜0.16のものとし、1050〜
1200℃の温度で行なう仮焼成により得た仮焼成体を
粉砕して得る成形用粉末を、平均粒径0.7〜1.2μ
m、粒度分布の標準偏差γが0.14〜0.16のもの
として成形後、本焼成を1180〜1250℃の温度で
実施するものであり、本発明に依れば、例えばBrが4
200G以上でかつ、iHcが3500Oe以上の、高
Brで、かつ高iHcの異方性フェライト磁石を得るこ
とができる。
【0005】
【作用】原料酸化鉄の粒度分布の標準偏差γを0.14
〜0.16とし、平均粒径を0.7〜0.9μmとする
ことにより、高い保磁力を有する磁石とすることができ
る、原料酸化鉄の平均粒径を0.7〜0.9μmとした
理由は、0.7μm未満となると凝集してしまい、配向
度が低下し、高Brを得ることが困難になるので0.7
μm以上とする。一方、0.9μmを越えると、仮焼成
後のフェライト結晶粒が大きくなり、iHcが低下す
る。さらに成形物微粉末にする際、結晶粒を破壊してし
まい、高Br、高iHcともに得ることが困難になる。
また、粒度分布の標準偏差は、余り大きいと、本焼成体
の特性のバラツキが大きくなるので、0.14〜0.1
6が適当である。基本組成を、SrO・nFe23(n
=5.6〜6.0)とするが、nが5.6未満の場合
は、SrOが過剰となり、飽和磁化(Is)が低下し、
一方、nが6.0を越える場合には、Fe23が過剰と
なり、やはり飽和磁化(Is)が低下するので、n=
5.6〜6.0が適当である。第1の結晶粒径制御剤は
原料酸化鉄とSrCo3の反応促進剤として使用され
る。SiO20.1重量%未満の添加は、反応を鈍くす
るが、0.5重量%を越えると高Brが得られなくなる
ので、0.1〜0.5重量%が適当である。同様に、H
3Bo3の0.05重量%未満の添加は反応を鈍らせ、
0.2重量%を越える高Brを得られなくなるので、
0.05〜0.2重量%が適当である。成形用微粉末の
平均粒径を0.7〜1.2μmとした理由は、平均粒径
が小さくなるにつれてiHc、Brも大きな磁石が得ら
れるが、0.7μm未満となると本焼成時に亀裂が出や
すくなり、また、成形時の能率も著しく低下するので
0.7μm以上とする。一方、1.2μmを越えると成
形能率は向上し、本焼成時の亀裂発生も少なくなるが、
保磁力の高いものが得られなくなり、成形時、本焼成時
の配向度も低下し、密度も高いものが得られなくなるの
で、0.7〜1.2μmが適当である。また、粒度分布
の標準偏差は、余り大きいと、本焼成体の特性のバラツ
キが大きくなるので、0.14〜0.16が適当であ
る。本発明において、第2の結晶粒径制御剤は高Br、
高iHcの異方性フェライト磁石を得るためには、重要
な因子である。SiO2の0.1重量%以上の添加は結
晶粒制御に効果があるが、上限を1.0重量%とするこ
とにより、Brの低下を最小限にとどめることができ
る。CaCO3はBrを高めることができるので、0.
5重量%以上添加するが、iHcの低下を最小限にとど
めるために、2.0重量%以下とする。SrCO3は、
目標とするn値と実際の製造におけるn値のズレを補正
し、かつ高Brを得るために必要なものであるが、0.
1重量%未満ではその効果が少なく、一方、1.0重量
%を越えて添加する場合には、Brの低下が大きくなる
ので、0.1〜1.0重量%を添加する。H3BO3は従
来より結晶粒径制御促進剤として高Brを得るために使
用している。0.05重量%未満ではその効果が少な
く、一方、0.25重量%以上添加するとBrを低下さ
せるので、0.05〜0.25重量%を添加する。また
本発明の特徴の一つは、酸化鉄粒度0.7〜0.9μm
とした時のH3BO3の添加効果である。従来、仮焼成温
度は1300℃位として出来るだけ結晶粒を粗大化し、
単結晶に近いものを得るように心がけられていた。原料
粒度を0.7〜0.9μmとし仮焼成温度を1050〜
1250℃の温度にすることにより、仮焼成後の結晶粒
径が微細化し、しかも、フェライト化が十分進行した仮
焼形態が得られる。この方法で得た仮焼粉にSiO2
CaCO3、SrCO3を添加したが、これだけではBr
レベルが目標に満たないので、結晶粒径制御促進剤であ
るH3BO3を適量添加したところ、高いBrを得ること
ができ、かつiHcを低下することなく、高性能化を図
ることができた。このように通常、H3BO3はBrを高
くしiHcを低下すると考えられていたが、酸化鉄粒度
0.7〜0.9μmにすることにより、仮焼成後、結晶
粒の比表面積が大きくなるため、最適添加物の組成も変
化し、H3BO3の効果も変化したと考える。
【0006】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
るが、本発明は、これらの例に限定されるものではな
い。 (実施例1)SrCo3と平均粒径0.85μm、粒度
分布の標準偏差γ=1.5のFe23とをモル比にて、
Fe23/SrO=5.8になるように配合し、この混
合物にSiO2を0.2重量%、H3BO3を0.1重量
%添加してから、1100℃で2時間仮焼成した。つい
で、仮焼成体を粉砕する際にSiO20.3重量%、C
aCo31.1重量%、SrCo30.5重量%、H3
30.1重量%を添加し、湿式微粉砕機により平均
0.7μmに微粉砕し、その粒度分布の標準偏差γを
0.14となるようにした後、成形機で0.5t/cm
2の圧力で、8KOeの磁界中で湿式成形を行ない、得
られた成形体を、1215℃で2時間本焼成した所、B
r=4200G、iHc=3600Oeの高Br、高i
Hcのフェライト磁石を得ることができた。 (実施例2)添加物のH3BO3の添加量を変化させたこ
とを除けば、実施例1と同じ条件でフェライト磁石を作
成した。図1に得られたフェライト磁石のH3BO3添加
量変化に対する依存性を示す。図1からH3BO3が0.
1重量%添加することにより、高Br、高iHcを有す
るフェライト磁石が得られることがわかる。
【0007】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、例えばB
rが4200G以上、iHcが3500Oe以上の高B
r、かつ高iHcのフェライト磁石を容易に得ることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】H3BO3添加量変化に対するフェライト磁石の
BrとiHcの依存性を示す図である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸化鉄と炭酸ストロンチウムをモル比が
    約5.6〜6.0になるように混合し、更に第1の結晶
    粒径制御剤を混合し、仮焼成して仮焼成物を得て、該仮
    焼成物を粉砕して得た微粉末に、更に第2の結晶粒径制
    御剤を混合し、金型内で磁場中成形して得られた成形体
    を本焼成する異方性フェライト磁石の製造方法におい
    て、 酸化鉄として、平均粒径0.7〜0.9μm、粒度分布
    の標準偏差δ=0.14〜0.16のものを用い、炭酸
    ストロンチウムをモル比が約5.6〜6.0になるよう
    に混合し、更に第1の結晶粒径制御剤として、重量%
    (wt%)で、 SiO2 :0.1〜0.5 H3BO3:0.05〜0.2 を混合し、仮焼成温度を1050〜1250℃とし、仮
    焼成して仮焼成物を得て、該仮焼成物を粉砕して得る成
    形用微粉末の平均粒径を0.7〜1.2μmとして、そ
    の粒度分布の標準偏差δ=0.14〜0.16として、
    本焼成温度を1180〜1250℃として、第2の結晶
    粒径制御剤として、重量%で、 SiO2 :0.1〜1.0 CaCo3:0.5〜2.0 SrCO3:0.1〜1.0 さらに、 H3BO3:0.05〜0.25 を含有せしめて、高いBrを得て、かつ高iHcを維持
    することができることを特徴とする異方性フェライト磁
    石の製造方法。
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