JPH06112029A - フェライト磁石の製造方法 - Google Patents
フェライト磁石の製造方法Info
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- JPH06112029A JPH06112029A JP4258773A JP25877392A JPH06112029A JP H06112029 A JPH06112029 A JP H06112029A JP 4258773 A JP4258773 A JP 4258773A JP 25877392 A JP25877392 A JP 25877392A JP H06112029 A JPH06112029 A JP H06112029A
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Abstract
得ることのできる製造方法を提供する。 【構成】 MO・nFe2O3(M:Ba、Sr、Pbの
内の1種以上、n=5〜6)の基本組成を有するフェラ
イト粉末を含むスラリーにポリカルボン酸系分散剤と、
これを電気的に中和させない為の重炭酸アンモニウム等
を添加し、これを磁場中で成形し、次いで焼結する。
Description
スラリーを磁場中で成形した後、焼結するフェライト磁
石の製造方法に関する。
回転機器を含む種々の用途に使用されている。このフェ
ライト磁石の製造方法の一つとして、粒径1μm程度の
フェライト粉末を含むスラリーを磁場中で湿式成形し、
得られた成形体を焼結する、いわゆる湿式法が知られて
いる(例えば特公昭55−6041号、同59−804
7号参照)。最近はフェライト磁石に対する要求特性も
厳しくなっており、例えば残留磁束密度(Br)が40
00G以上で、かつ、保磁力(iHc)が4000Oe
以上といった磁気特性が要求される場合もある。このよ
うな高い磁気特性のフェライト磁石を得るためにフェラ
イトの主成分以外にCaO、SiO2、B2O3、Al2O
3、Cr2O3等の元素を添加することが行われている
(例えば特開平2−98106号参照)。
めに、上記以外にも粒度、モル比等の材料面での検討や
スラリー温度や焼結温度等の製造条件の検討が行われて
いる。
密度と保磁力をともに向上させることは困難を伴う。す
なわち残留磁束密度を高めるためには、配向度を高めて
しかも焼結密度を高めることが有効であるが、そのため
には焼結温度を高くしてある程度結晶組織を大きくして
やることが望ましい。一方保磁力の点からは結晶組織を
微細化してやることが望ましい。従って従来は残留磁束
密度及び保磁力を高めるために、種々の添加物の添加量
や添加時期あるいは焼結温度などを工夫しているもの
の、両者を共に満足させることは困難であった。従って
本発明の目的は、高い残留磁束密度と高い保磁力を有す
るフェライト磁石を得ることのできる製造方法を提供す
ることである。
に、本発明は、Mo・nFe2O3(M:Ba、Sr、P
bの内の1種以上、n=5〜6)の基本組成を有するフ
ェライト粉末を含むスラリーにポリカルボン酸系分散剤
を添加し、磁場中で圧縮成形し、次いで焼結するという
技術的手段を採用した。
るためには、組成及び物性が適当に制御されたフェライ
ト粉末を準備することに加えて、このフェライト粉末が
スラリー中で凝集しないことが重要である。そこで本発
明者はフェライト粉末をスラリー中で各粒子が独立して
存在し得る状態を作り出すべく種々検討した結果、フェ
ライト粉末を含むスラリー中に特定の分散剤を添加する
ことにより、フェライト粒子が磁場方向に十分に配向
し、もって磁気特性が向上することを見出した。
級脂肪酸、高級脂肪酸石けん、高級脂肪酸エステル等が
知られているが、アニオン系界面活性剤の一種であるポ
リカルボン酸系分散剤を使用することによりフェライト
粒子の分散性が向上し、フェライト粒子の凝集を有効に
防止できることがわかった。ポリカルボン酸系分散剤に
も種々あるが、フェライト粒子の分散性向上に特に有効
なものとしては、一般式化1で示されるポリカルボン酸
アンモニウム塩であることもわかった。
は、重量平均分子量が10,000〜80,000の範
囲のものが望ましい。また分散剤の添加量は、フェライ
ト粉末100重量部当り0.1〜2重量部が好ましく、
より好ましくは0.5〜1.0重量部である。
て、図1に示すように凝集傾向の強いフェライト微粒子
1の表面に吸着し立体障害2を形成すると共に、カルボ
ニール基の負電化の電気的な反発作用によりフェライト
粒子同志の凝集状態が削減又は緩和され、成形時の磁場
中での粒子の配向性を改善している。
するアルカリ土類金属イオンが溶出しているが、これら
金属イオンとポリカルボン酸アンモニウムは反応して別
の塩類を生成し、カルボール基の負電化を電気的に中和
してしまい、分散作用を著しく低下させる。これに対し
ては、ポリカルボン酸アンモニウム塩の添加前に溶出し
た金属イオンの大半を予め捕束する目的で、重炭酸アン
モニウム、硫酸アンモニウム、その他スルホン酸アンモ
ニウム塩等を原料スラリーに加えた後、ポリカルボン酸
アンモニウム塩を添加し、適当な粉砕混合を実施するこ
とが有効である。
を使用してフェライト磁石を製造するには、例えば次の
ような工程、条件で行えばよい。まず、Fe2O3と加熱
してMOとなる化合物を所定のモル比となるように混合
し、1200〜1300℃で仮焼し、粗粉砕し、次いで
水を粉砕媒体として所定の粒度に湿式微粉砕する。ここ
で要求される磁気特性に応じてSiO2、CaO、Cr2
O3等の添加物を1種又は2種以上添加することが望ま
しい。湿式微粉砕の開始及び終了時点で重炭酸アンモニ
ウムを添加し、このスラリーにさらに分散剤を添加し
て、十分に撹拌する。スラリー中のフェライト粉末の濃
度は、40〜70重量%が適当である。次に、上記スラ
リーを、数KOe以上の磁場中で圧縮成形することによ
り成形体が得られる。成形圧力は400〜1000Kg
/cm2の範囲が適当である。そして上記の成形体を1
200〜1300℃で焼結することによりフェライト磁
石が得られる。
は、フェライト粉末を含むスラリー中にポリカルボン酸
系分散剤を添加するので、フェライト粒子の凝集を防止
することが可能となり、成形工程においてフェライト粒
子が磁場方向に十分に配向し、高い磁気特性を有するフ
ェライト磁石を得ることができる。
がモル比にて1:5.9となるように混合し、1200
℃で2時間仮焼しこれを振動ミルで乾式粉砕を行い粗粉
砕粉を得た。この粗粉砕粉に対し、SiO2を0.4重
量%、CaCO3を0.4重量%、Cr2O3を1.5重
量%添加し、さらに水を加え固形分濃度40%のスラリ
ーとし平均粒度0.8μmに湿式微粉砕した。微粉砕開
始前0.2重量%、終了時0.1重量%の重炭酸アンモ
ニウムを添加した後、このスラリー100重量部に分散
剤[ポリカルボン酸アンモニウム塩:サンノプコ(株)
製SNデイパーサント5468]を0〜2重量部添加し
たものをアトライターに投入して10分間撹拌し、更に
ミキサーで撹拌した。上記のスラリーを5KOeの磁場
中で、400Kg/cm2の圧力にて圧縮成形し、12
20℃の温度で焼結してSrフェライト磁石を得た。得
られたフェライト磁石の磁気特性及び配向度を測定し
た。その結果を表1に示す。
る。
とにより、残留磁束密度(Br)と保磁力(iHC)が
向上する傾向にあると共に、配向度も向上することがわ
かる。また表1から分散剤の添加量が多くなるとiHc
は向上するがBrが低下するので、その添加量としては
0.5〜1.0重量部が適当であることがわかる。
ば、スラリー中のフェライト粉末の分散性が向上するの
で、磁気特性の高いフェライト磁石を得ることができ
る。
模式図である。
に、本発明は、MO・nFe2O3(M:Ba、Sr、P
bの内の1種以上、n=5〜6)の基本組成を有するフ
ェライト粉末を含むスラリーにポリカルボン酸系分散剤
を添加し、磁場中で圧縮成形し、次いで焼結するという
技術的手段を採用した。
するアルカリ土類金属イオンが溶出しているが、これら
金属イオンとポリカルボン酸アンモニウムは反応して別
の塩類を生成し、カルボニール基の負電化を電気的に中
和してしまい、分散作用を著しく低下させる。これに対
しては、ポリカルボン酸アンモニウム塩の添加前に溶出
した金属イオンの大半を予め捕束する目的で、重炭酸ア
ンモニウム、硫酸アンモニウム、その他スルホン酸アン
モニウム塩等を原料スラリーに加えた後、ポリカルボン
酸アンモニウム塩を添加し、適当な粉砕混合を実施する
ことが有効である。
Claims (2)
- 【請求項1】 Mo・nFe2O3(M:Ba、Sr、P
bの内の1種以上、n=5〜6)の基本組成を有するフ
ェライト粉末を含むスラリーにポリカルボン酸系分散剤
を添加し、磁場中で圧縮成形し、焼結することを特徴と
するフェライト磁石の製造方法。 - 【請求項2】 Mo・nFe2O3(M:Ba、Sr、P
bの内の1種以上、n=5〜6)の基本組成を有するフ
ェライト粉末を含むスラリーに、あらかじめ重炭酸アン
モニウム塩、硫酸アンモニウム塩、その他スルホン酸ア
ンモニウム塩等フェライト粉末を含むスラリー中に溶出
した2価イオンと結合して水に不溶の金属塩を生成する
ものをあらかじめ添加し、しかる後ポリカルボン酸系分
散剤を添加し、磁場中で圧縮成形し、焼結することを特
徴とするフェライト磁石の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP04258773A JP3144088B2 (ja) | 1992-09-29 | 1992-09-29 | フェライト磁石の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP04258773A JP3144088B2 (ja) | 1992-09-29 | 1992-09-29 | フェライト磁石の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06112029A true JPH06112029A (ja) | 1994-04-22 |
JP3144088B2 JP3144088B2 (ja) | 2001-03-07 |
Family
ID=17324886
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP04258773A Expired - Lifetime JP3144088B2 (ja) | 1992-09-29 | 1992-09-29 | フェライト磁石の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3144088B2 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO1998025278A1 (fr) * | 1996-12-03 | 1998-06-11 | Tdk Corporation | Procede de fabrication d'agglomeres d'oxyde magnetique |
US6908568B2 (en) | 1999-02-15 | 2005-06-21 | Tdk Corporation | Preparation of oxide magnetic material and oxide magnetic material |
JP2013205689A (ja) * | 2012-03-29 | 2013-10-07 | Dowa Electronics Materials Co Ltd | フェライト粒子並びにそれを用いた電子写真現像用キャリア及び電子写真用現像剤 |
-
1992
- 1992-09-29 JP JP04258773A patent/JP3144088B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO1998025278A1 (fr) * | 1996-12-03 | 1998-06-11 | Tdk Corporation | Procede de fabrication d'agglomeres d'oxyde magnetique |
US5951937A (en) * | 1996-12-03 | 1999-09-14 | Tdk Corporation | Preparation of oxide magnetic material |
US6908568B2 (en) | 1999-02-15 | 2005-06-21 | Tdk Corporation | Preparation of oxide magnetic material and oxide magnetic material |
JP2013205689A (ja) * | 2012-03-29 | 2013-10-07 | Dowa Electronics Materials Co Ltd | フェライト粒子並びにそれを用いた電子写真現像用キャリア及び電子写真用現像剤 |
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---|---|
JP3144088B2 (ja) | 2001-03-07 |
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