JPH05181002A - 低反射物品およびその製造方法 - Google Patents

低反射物品およびその製造方法

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JPH05181002A
JPH05181002A JP4000695A JP69592A JPH05181002A JP H05181002 A JPH05181002 A JP H05181002A JP 4000695 A JP4000695 A JP 4000695A JP 69592 A JP69592 A JP 69592A JP H05181002 A JPH05181002 A JP H05181002A
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JP4000695A
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Masaki Kitaoka
正樹 北岡
Hirotsugu Nagayama
永山裕嗣
Akio Takigawa
章雄 滝川
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Nippon Sheet Glass Co Ltd
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Nippon Sheet Glass Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 表面層に微細空孔が形成された被膜を、プラ
スチック物品その他の物品上に形成して、物品の光反射
率を低減しようとするものである。 【構成】 物品の表面に、金属酸化物微粒子を含有する
樹脂の被膜が被覆されており、その被膜のすくなくとも
表面層は、前記微粒子が除去されて形成された微細空孔
を有する樹脂の層からなる低反射物品。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、プラスチック製光学部
品や樹脂窓等のプラスチック製品、ガラス製品などに反
射防止膜を付与した物品、およびその製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】透明材料の反射防止に関する方法は、従
来から多数提案されており、その大半が、基材の屈折率
と異なる屈折率を有する被膜を基材表面に形成して、基
材の反射率低減を達成しようとするものである。さら
に、より低い反射率を実現させるために、屈折率の異な
る薄膜の多層コーティングを施したり、各膜厚を厳密に
制御する操作がなされている。
【0003】一方、透明材料として無機ガラスに限定す
れば、ガラス表面に多孔層を形成することによって、反
射率の低減を実現させる方法が、提案されている(例え
ば、米国特許第2,990,662号または特開昭58
−161945号)。多孔層の見かけの上の屈折率は、
空孔中の空気の存在によりバルクのガラス部分に比較し
て非常に低く、このため、多孔層を設けた透明ガラス
は、無処理のものに比較して反射率が低い。
【0004】これと類似の公知例としては、特公昭60
−59250号が存在する。この技術では、無機微粒子
が分散された樹脂の被膜を形成後、活性化ガスにより処
理している。この処理により、被膜中の粒子を分散させ
ている樹脂基質すなわちビヒクル成分のみを気散、消滅
させ、それによって、微粒子と、ビヒクル消滅によって
生じた空孔からなる層が、被膜表面から1000mμ程
度の深さにわたって形成されて、反射防止層として機能
する。この理由として、特公昭60−59250号に
は、空孔と微粒子状無機物とが光学的に均質の状態で存
在している場合、この両者により形成される薄層は、あ
たかも屈折率の極めて低い仮想上の反射防止層をつけた
と同様の効果を有することによるものと考えられる、と
の記載がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】基板の屈折率とは異な
る屈折率の被膜の単層または多層のコーティングの手法
は、真空蒸着法、スパッタリング法等の真空系を利用し
た無機物のコーティング、および、塗布法による有機物
のコーティングに大別される。
【0006】プラスチック材料に無機物をコーティング
した場合、プラスチック材料の有する本来の耐衝撃性、
可とう性が失われ易くなる。また、使用状態での温湿度
負荷により、被膜の付着性が低下する、被膜に亀裂、ク
ラックが生じるといった問題がある。また塗布法による
有機物被膜のコーティングは、基材に膜厚分布、膜厚ム
ラが生じ易く、被膜の厚みを対象となる光線の波長レベ
ルに合わせたコントロールが容易ではない。
【0007】特公昭60−59250号に記載された方
法は、活性化ガス処理に、コロナ放電、減圧下での直
流、低周波、高周波、あるいはマイクロ波による高電圧
放電等が用いられており、装置にかかる費用が高く、ま
た大面積のプラスチックには応用し難い面があった。
【0008】本発明は、このような事情に鑑みなされた
ものであって、その目的は、表面に微細空孔が形成され
た被膜を、プラスチック物品そのたの物品上に形成し
て、物品の光反射率を低減しようとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、物
品の表面に、金属酸化物微粒子を含有する樹脂被膜が被
覆されており、その被膜のすくなくとも表面層は、前記
微粒子が除去されて形成された微細空孔を有する樹脂の
層からなる低反射物品である。
【0010】以下に本発明を詳細に説明する。
【0011】本発明に使用される被覆されるべき物品と
しては、プラスチック成形体、ガラス物品など透明であ
れば、特に限定されないが、例えば、ポリ塩化ビニル、
ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリ
レートを主とするいわゆるアクリル材料、ポリアミド、
ポリアセタール、ポリブチレンテレフタレート、ポリエ
チレン、ポリプロピレン、芳香族ポリエステル、ポリエ
ーテルケトン、ポリイミド、ポリアクリロニトリル、ポ
リフェニレンスルフィド、ポリフェニレンオキサイド、
ポリスルフォン等に代表される熱可塑性樹脂、エラスト
マー、およびそれらのポリマーブレンドからなる成形
体、ポリジエチレングリコールビスアリルカーボネー
ト、フェノール樹脂等に代表される熱硬化性樹脂成形体
である。成形体の形状、大きさは任意である。また、着
色されていてもかまわない。
【0012】本発明において、物品の表面に被覆する金
属酸化物微粒子を含有する樹脂被膜としては、金属酸化
物微粒子を含有するオルガノポリシロキサン樹脂の被膜
が好ましく、特に(A)下記一般式(1)で示される珪
素化合物またはそれらの加水分解物と、(B)コロイダ
ルシリカ(二酸化珪素粒子)、アルミニウム酸化物微粒
子、アンチモン酸化物微粒子、錫酸化物微粒子からなる
群より選ばれた少なくとも一種の金属酸化物微粒子との
混合物を塗布硬化して形成された被膜が好ましいものと
して例示される。
【0013】一般式(1) R1 nSi(R24ーn (式中R1は、炭素数1〜6の炭化水素基、ビニル基、
メタクリロキシ基、アミノ基、メルカプト基、弗素また
は塩素を有する有機基であり、R2は、アルコキシ基、
アルコキシアルコキシ基、アセトキシ基および塩素元素
から選ばれる1種もしくは複数の結合基であり、nは1
または2である。) 上記一般式(1)で示される珪素化合物としては、メチ
ルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、フ
ェニルトリメトキシシラン、フェニルメチルジメトキシ
シラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β
−メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリアセトキシシ
ラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(β
−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシ
ラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピル
(メチル)ジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピル
トリメトキシシラン、3.3.3−トリフルオロプロピ
ルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキ
シシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラ
ン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルト
リメトキシシラン、メチルトリクロロシラン、ジメチル
ジクロロシラン等がその代表例として挙げられる。
【0014】これら一般式(1)で示される珪素化合物
の加水分解物とは、該珪素化合物中のアルコキシ基、ア
ルコキシアルコキシ基、アシルオキシ基、塩素元素の一
部または全部が水酸基に置換されたもの、および置換さ
れた水酸基同志が一部自然に縮合したものを含んでい
る。これらの加水分解物は、例えば、水およびアルコー
ルの様な混合溶媒中で酸の存在下で加水分解することに
よって得ることができる。
【0015】前記金属酸化物微粒子とは粒径1〜100
ミリミクロンの、コロイダルシリカ(二酸化珪素粒
子)、アルミニウム酸化物微粒子、アンチモン酸化物微
粒子、錫酸化物微粒子などである。コロイダルシリカと
しては、粒径1〜100ミリミクロンのシリカの超微粒
子を水またはアルコール系分散媒に分散せしめたゾルま
たはこのゾルから分散媒を除去した乾燥粉末であり、通
常市販されているものが使用可能である。
【0016】本発明において、上記混合物を基材物品上
に被膜を形成するが、その形成方法は、上記混合物を塗
料として塗布した後熱、紫外線、電子線などを用いて硬
化させる湿式法が好ましい。その塗料に珪素化合物の加
水分解物を含む場合、一般式(1)で示される珪素化合
物と金属酸化物微粒子の混合物を加水分解しても、一般
式(1)で示される珪素化合物を加水分解後金属酸化物
微粒子を添加してもよい。
【0017】市販されているシリコーン系ハードコート
剤の多くは、コロイダルシリカを含んだ一般式(1)で
示される珪素化合物の加水分解溶液であるから、このよ
うな市販のハードコート剤も、本発明に使用可能であ
る。被膜に各種機能性を付与するため、塗料中に、硬化
触媒、紫外線吸収剤、帯電防止剤、フローコントロール
剤等を添加してもよい。塗布後、被膜を熱により硬化さ
せる場合、基材の変形温度以下、一般式(1)で示され
る珪素化合物から導かれるR1 nSiO(4-n)/2 の熱分解
温度以下で処理する。
【0018】形成される被膜の厚みとしては、反射防止
機能を持たせるために、後で述べる多孔層の厚み以上で
あればよく、硬化による被膜中への亀裂、クラックの発
生を防止する意味から、0.5〜30μm、特に2〜1
0μm、例えば5μm程度の厚みのものが好まれる。
【0019】被膜の付着力、耐候性を向上するために、
樹脂被膜を形成する前に、物品基材の表面上に予めプラ
イマー層を形成してもよい。
【0020】かくして得られた被覆プラスチックを、次
いで、前記金属酸化物微粒子を溶解することができかつ
樹脂被膜そのものを溶解しない溶解用液をその被膜に接
触、例えば浸漬させることにより、その被膜のすくなく
とも表面層を、その層内の前記微粒子を溶解除去して多
孔層を形成する。溶解用液としては含弗酸水溶液、また
は弗酸と他の無機酸例えば硫酸、塩酸などとの混合物を
含む水溶液を用いてこれに前記被覆プラスチックを浸漬
して被膜の表面に多孔層を形成する。
【0021】通常、含弗酸水溶液に対する溶解速度は、
一般式(1)で示される珪素化合物から導かれるR1 n
iO(4-n)/2に比較して上記B群で示される金属酸化物
例えばSiO2の方が速い。このため、含弗酸水溶液浸
漬により、被膜中のSiO2が先にエッチングされて、
被膜表面に多孔層が形成される。含弗酸水溶液への浸漬
時間とともに多孔層の厚みが増加すると考えられる。形
成される多孔層の厚みがあまり小さすぎると有効な反射
防止効果がえられず、逆に大きすぎると多孔質膜の強度
が低下する。多孔層の厚みの正確な測定は困難である
が、好ましくは、被膜表面が、0.01〜1.0μm溶
解されるように含弗酸水溶液への浸漬時間を調節する。
【0022】本発明において、プラスチック成形体表面
上に形成される被膜は、被膜表面を一部エッチングして
得られる多孔層は、もともと存在した金属酸化物微粒子
が溶解してできた空孔の中に空気が入り込むことによ
り、見かけ上の屈折率が非常に低いため、多孔層を設け
た透明物品は、無処理のものに比較して透過率が高い。
【0023】上記混合物中に含有させる金属酸化物微粒
子の量があまり少ないと最終の多孔質膜の屈折率が小さ
くならないので有効な反射防止効果がえられず、逆に多
すぎると多孔質膜の強度が低下するのでこの量は重量比
で表わして樹脂/金属酸化物微粒子=0.2〜5である
ことが好ましく、更に好ましくは0.5〜2.0であ
る。
【0024】形成される多孔層の厚み、屈折率などは、
被膜中の樹脂(例えばR1 nSiO(4-n)/2)と金属酸化
物微粒子(例えばSiO2)の存在比率、およびR1 n
iO(4-n)/2とSiO2のエッチング速度の差に依存する
と考えられる。
【0025】また、多孔層形成の容易さ、取り扱いの容
易さ、耐薬品性、被膜の硬度、価格の面から、一般式
(1)で示される珪素化合物としては、メチルトリメト
キシシランまたは、メチルトリエトキシシランが優れて
いる。
【0026】被膜のエッチングに使用される弗酸を含む
水溶液としては、弗酸水溶液の他に、これに硝酸または
硫酸等の酸を添加したもの、弗化アンモニウム、珪弗化
水素酸、金属弗化物等加水分解によって弗酸を生じる物
質の水溶液等、二酸化珪素を溶解する能力を有するもの
なら何でもよい。ただし、二酸化珪素の溶解能力が、1
0〜40℃で1〜1000ミリミクロン/minのもの
が好まれる。
【0027】かくしてプラスチック基材に形成した被膜
表面に多孔層が得られるが、多孔層の耐摩耗性を向上す
るために、さらに、基材の変形温度以下の加熱を施した
り、二酸化珪素が過飽和状態にある珪弗化水素酸水溶液
に接触させて、多孔層表面に二酸化珪素被膜を形成して
もよい。この二酸化珪素被膜の厚みはあまり大きすぎる
と多孔層の反射防止効果がなくなるので、使用した微粒
子の直径以下であることが好ましい。
【0028】また、ハンドリングによる指紋等の汚れを
除去しやすくするため、いわゆるクリーンフィニッシュ
処理、すなわち含弗素化合物等の撥水剤により最外層に
塗膜形成用に使用した微粒子の直径より大きくならない
厚みで被覆処理を行ってもよい。
【0029】
【実施例】以下、実施例、比較例を挙げて本発明を詳細
に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下
の実施例に限定されるものではない。 実施例1 縦100mm、横70mm、厚さ1mmのポリカーボネ
ート基板をシリコーン系ハードコーティング用プライマ
ー塗布液(CP−6828;日本エーアールシー(株)
製)に浸漬後、60cm/分の速度で引き上げた。20
分間風乾後、90℃で30分間乾燥することによって、
ポリカーボネート基板上には、約0.5μmの被膜が形
成された。この膜はポリカーボネート基板と次に述べる
シリコーン系ハードコーティング膜との接着性を増加さ
せる。
【0030】次に、上記被覆ポリカーボネート基板を、
コロイダルシリカを含有した、有機珪素化合物の加水分
解物を主成分とするシリコーン系ハードコーティング剤
(C−101塗布液;日本エーアールシー(株)製)に
浸漬後、25cm/分の速度で引き上げた。20分間風
乾後、120℃で60分間乾燥することによって、約3
μmの被膜が形成された。以上のようにして珪素化合物
で被覆されたポリカーボネート基板を、35℃に保たれ
た50%HF:60%HNO3:H2O=9:7:180
(体積比)の含弗酸水溶液中に、90秒間浸漬した。被
膜表面は約0.03μmエッチングされていた。水洗、
乾燥後得られたポリカーボネート基板の分光反射率を第
1図に示す。
【0031】また、含弗酸水溶液によって処理された表
面を電子顕微鏡で観察したところ、平面にコロイダルシ
リカの粒子径に相当する空孔が多数形成されていた。 実施例2 含弗酸水溶液中の浸漬時間を120秒にした以外は、実
施例と全く同様にしてポリカーボネート基板上に反射防
止層を形成した。含弗酸水溶液への浸漬によって、被膜
は約0.05μmエッチングされていた。得られたポリ
カーボネート基板の分光反射率を図1に示す。 比較例1 未処理のポリカーボネート基板の分光反射率を図1に示
す。 比較例2 含弗酸水溶液による処理を行わなかったこと以外は、実
施例1と全く同様にして、ポリカーボネート基板にハー
ドコーティングを施した。得られたポリカーボネート基
板の分光反射率を図1に示す。
【0032】実施例1、2および比較例1、2から、珪
素化合物で被覆することによって低減された反射率が、
含弗酸水溶液で処理することによって形成された多孔層
により、さらに低減されていることが明白である。 実施例3 まず、以下の手順で下塗液を作成した。
【0033】はじめに、エチルセロソルブ900gに窒
素雰囲気下で80℃に保ちつつ、メタクリル酸メチル4
80g、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラ
ン120gおよび重合開始剤3.4gの混合物を3時間
かかって添加した後、100℃での保温を4時間続け
た。以上のようにして得られた重合溶液150gに、エ
チルセロソルブ320g、蒸留水15g,過塩素酸アン
モニウム1gを添加し十分撹拌混合して下塗液とした。
【0034】あらかじめ洗浄した縦、横各100mm、
厚さ3mmのポリカーボネート基板を上記下塗液中に浸
漬し、7cm/分の速度で引き上げ、20分間風乾後、
120℃で30分間加熱乾燥した。ポリカーボネート基
板表面上には約2μmの被膜が形成されていた。
【0035】次に、上塗液を以下の手順で作成した。
【0036】メチルトリエトキシシラン160gおよび
水分散コロイダルシリカ(日産化学(株)製、商品名ス
ノーテックスO、固形分20%)200gを混合し、室
温で16時間撹拌してシラン加水分解溶液を得た。これ
にイソブチルアルコール140g、および硬化触媒、フ
ローコントロール剤を少々添加し、十分撹拌混合して上
塗液とした。
【0037】前記下塗液を使用して被膜を形成したポリ
カーボネート基板を、上塗液中に浸漬し、30cm/分
の速度で引き上げ、20分間風乾後、120℃で60分
間乾燥した。下塗被覆層の上には約3μmの被膜が形成
されていた。
【0038】上記被覆ポリカーボネート基板を、35℃
に保たれた1.5%弗酸水溶液中に、30秒間浸漬した
ところ、弗酸水溶液浸漬前に90.5%であった全光線
透過率が弗酸水溶液浸漬によって94.0%まで上昇し
た。
【0039】実施例4 アクリル基板を使用し、プライマー層を形成しなかった
こと以外は、実施令と全く同様にして反射防止処理を行
なった。含弗酸水溶液浸漬前に92.8%であった基板
の全光線透過率は含弗酸水溶液浸漬によって96.2%
まで上昇した。
【0040】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明の物品は、そ
の表面に微細空孔が形成されており、優れた光反射防止
効果を有する。また本発明の製造方法によれば、大面積
のプラスチックその他の物品にも容易に反射防止処理を
おこなうことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例の分光反射率を示すグラフ。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 物品の表面に、金属酸化物微粒子を含有
    する樹脂被膜が被覆されており、その被膜のすくなくと
    も表面層は、前記微粒子が除去されて形成された微細空
    孔を有する樹脂の層からなる低反射物品。
  2. 【請求項2】 物品を、金属酸化物微粒子を含有する樹
    脂被膜で被覆し、ついで前記微粒子を溶解することがで
    きる溶解用液をその被膜に接触させることにより、その
    被膜のすくなくとも表面層を、その層内の前記微粒子を
    溶解除去して形成された微細空孔を有する樹脂の層に変
    えることを特徴とする低反射物品の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記微粒子はコロイダルシリカであり、
    前記溶解用液は弗酸であり、前記樹脂は珪素系樹脂であ
    る請求項2記載の低反射物品の製造方法。
  4. 【請求項4】前記樹脂が、下記一般式(1)で示される
    珪素化合物およびそれらの加水分解物からなる群より選
    ばれた少なくとも1種の珪素化合物の重合物である請求
    項1記載の低反射物品。 一般式(1) R1 nSi(R24ーn (式中R1は、炭素数1〜6の炭化水素基、ビニル基、
    メタクリロキシ基、アミノ基、メルカプト基、弗素また
    は塩素を有する有機基であり、R2は、アルコキシ基、
    アルコキシアルコキシ基、アセトキシ基および塩素元素
    から選ばれる1種もしくは複数の結合基であり、nは1
    または2である。)
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