JPH0517702A - チタニルフタロシアニン結晶の製造方法 - Google Patents
チタニルフタロシアニン結晶の製造方法Info
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- JPH0517702A JPH0517702A JP14872891A JP14872891A JPH0517702A JP H0517702 A JPH0517702 A JP H0517702A JP 14872891 A JP14872891 A JP 14872891A JP 14872891 A JP14872891 A JP 14872891A JP H0517702 A JPH0517702 A JP H0517702A
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- sulfuric acid
- crystal
- solvent
- phthalocyanine
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Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【目的】高い純度の不安定型の結晶を用いることが可能
なチタニルフタロシアニン結晶の製造法の提供。 【構成】チタニルフタロシアニンを硫酸と有機溶媒の混
合溶媒中で処理することによりX線回折スペクトルにお
いてCuKα特性X線に対するブラッグ角2θの27.
2°±0.2°に主たる明瞭な回折ピークを有する結晶
を得ることを特徴とするチタニルフタロシアニン結晶の
製造方法。 【効果】高純度なチタニルフタロシアニンが得られるこ
とからこれを電子写真感光体の電荷発生物質として用い
た場合の感光体は従来よりも電子写真特性の優れたもの
を得ることができる。
なチタニルフタロシアニン結晶の製造法の提供。 【構成】チタニルフタロシアニンを硫酸と有機溶媒の混
合溶媒中で処理することによりX線回折スペクトルにお
いてCuKα特性X線に対するブラッグ角2θの27.
2°±0.2°に主たる明瞭な回折ピークを有する結晶
を得ることを特徴とするチタニルフタロシアニン結晶の
製造方法。 【効果】高純度なチタニルフタロシアニンが得られるこ
とからこれを電子写真感光体の電荷発生物質として用い
た場合の感光体は従来よりも電子写真特性の優れたもの
を得ることができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は光導電性材料、特に電子
写真感光体の電荷発生物質として用いられる特定の結晶
型を有するチタニルフタロシアニンの新規な製造方法に
関する。
写真感光体の電荷発生物質として用いられる特定の結晶
型を有するチタニルフタロシアニンの新規な製造方法に
関する。
【0002】
【従来技術】近年、光導電性材料の研究が盛んに行われ
ており電子写真感光体をはじめとして太陽電池、イメー
ジセンサなどの光電変換素子として応用されている。従
来、これらの光導電性材料には主として無機系の材料が
用いられてきた。例えば、電子写真感光体においてはセ
レン、酸化亜鉛、硫化カドミウム等の無機光導電性材料
を主成分とする感光層を設けた無機感光体が広く使用さ
れてきた。
ており電子写真感光体をはじめとして太陽電池、イメー
ジセンサなどの光電変換素子として応用されている。従
来、これらの光導電性材料には主として無機系の材料が
用いられてきた。例えば、電子写真感光体においてはセ
レン、酸化亜鉛、硫化カドミウム等の無機光導電性材料
を主成分とする感光層を設けた無機感光体が広く使用さ
れてきた。
【0003】しかしながら、このような無機感光体は複
写機等の電子写真感光体として要求される光感度、熱安
定性、耐湿性、耐久性等の特性において必ずしも満足で
きるものではなかった。例えば、セレンは熱や指紋の汚
れ等によって結晶化するために電子写真感光体としての
特性が劣化しやすい。また、硫化カドミウムを用いた電
子写真感光体は耐湿性、耐久性に劣り、また、酸化亜鉛
を用いた電子写真感光体も耐久性に問題がある。
写機等の電子写真感光体として要求される光感度、熱安
定性、耐湿性、耐久性等の特性において必ずしも満足で
きるものではなかった。例えば、セレンは熱や指紋の汚
れ等によって結晶化するために電子写真感光体としての
特性が劣化しやすい。また、硫化カドミウムを用いた電
子写真感光体は耐湿性、耐久性に劣り、また、酸化亜鉛
を用いた電子写真感光体も耐久性に問題がある。
【0004】更に近年、環境問題が特に重要視されてい
るがセレン、硫化カドミウム等の電子写真感光体は毒性
の点で製造上、取扱上の制約が大きいという欠点を有し
ている。
るがセレン、硫化カドミウム等の電子写真感光体は毒性
の点で製造上、取扱上の制約が大きいという欠点を有し
ている。
【0005】このような無機光導電性材料の欠点を改善
するために、種々の有機光導電性材料が注目されるよう
になり電子写真感光体の感光層等に使用することが試み
られ、近年、活発に研究が行われている。例えば、特公
昭50-10496号には、ポリビニルカルバゾールとトリニト
ロフルオレノンを含有した感光層を有する有機感光体が
記載されている。しかし、この感光体は感度および耐久
性において十分なものではない。そのため、キャリア発
生機能とキャリア輸送機能を異なる物質に個別に分担さ
せた機能分離型の電子写真感光体が開発された。
するために、種々の有機光導電性材料が注目されるよう
になり電子写真感光体の感光層等に使用することが試み
られ、近年、活発に研究が行われている。例えば、特公
昭50-10496号には、ポリビニルカルバゾールとトリニト
ロフルオレノンを含有した感光層を有する有機感光体が
記載されている。しかし、この感光体は感度および耐久
性において十分なものではない。そのため、キャリア発
生機能とキャリア輸送機能を異なる物質に個別に分担さ
せた機能分離型の電子写真感光体が開発された。
【0006】このような電子写真感光体においては材料
を広い範囲で選択できるので任意の特性を得やすく、そ
のため高感度、高耐久の優れた有機感光体が得られるこ
とが期待されている。
を広い範囲で選択できるので任意の特性を得やすく、そ
のため高感度、高耐久の優れた有機感光体が得られるこ
とが期待されている。
【0007】このような機能分離型の電子写真感光体の
キャリア発生物質及びキャリア輸送物質として種々の有
機化合物が提案されているが、特にキャリア発生物質は
感光体の基本的な特性を支配する重要な機能を担ってい
る。そのキャリア発生物質としてはこれまでジブロムア
ンスアンスロンに代表される多環キノン化合物、ピリリ
ウム化合物及びピリリウム化合物の共晶錯体、スクエア
リウム化合物、フタロシアニン化合物、アゾ化合物など
の光導電性物質が実用化されてきた。
キャリア発生物質及びキャリア輸送物質として種々の有
機化合物が提案されているが、特にキャリア発生物質は
感光体の基本的な特性を支配する重要な機能を担ってい
る。そのキャリア発生物質としてはこれまでジブロムア
ンスアンスロンに代表される多環キノン化合物、ピリリ
ウム化合物及びピリリウム化合物の共晶錯体、スクエア
リウム化合物、フタロシアニン化合物、アゾ化合物など
の光導電性物質が実用化されてきた。
【0008】更に電子写真感光体により高い感度を与え
るには高いキャリア発生効率をもつキャリア発生物質も
必要である。この点について近年、フタロシアニン化合
物は優れた光導電材料として注目され、活発に研究が行
われている。
るには高いキャリア発生効率をもつキャリア発生物質も
必要である。この点について近年、フタロシアニン化合
物は優れた光導電材料として注目され、活発に研究が行
われている。
【0009】フタロシアニン化合物は、中心金属の種類
や結晶型の違いにより各種スペクトルや光導電性などの
物性が変化することが知られている。例えば、銅フタロ
シアニンにはα、β、γ、ε型の結晶型が存在し、これ
らの結晶型が異なることにより電子写真特性に大きな差
があることが報告されている(澤田 学、「染料と薬
品」、24(6)、122(1979))。
や結晶型の違いにより各種スペクトルや光導電性などの
物性が変化することが知られている。例えば、銅フタロ
シアニンにはα、β、γ、ε型の結晶型が存在し、これ
らの結晶型が異なることにより電子写真特性に大きな差
があることが報告されている(澤田 学、「染料と薬
品」、24(6)、122(1979))。
【0010】また特に近年、チタニルフタロシアニンが
注目されているが、チタニルフタロシアニンについても
A、B、C、Y型と呼ばれる4つの主な結晶型が報告さ
れている。また、これらの結晶とは異なっているが特開
昭62-67094号の比較例に記載されてあるII型のチタニル
フタロシアニンは他の結晶型に転移可能な準安定型の結
晶であり種々の結晶型に変換できる中間体として有用で
ある。しかしながら特開昭62-67094号記載の合成例によ
るとこの結晶はジクロロチタニウムフタロシアニンの直
接的な加水分解によるもので、フタロシアニンの精製の
常法である有機溶媒による洗浄や昇華精製など十分な精
製を行うことが困難である。特にフタロシアニン化合物
を光導電性物質として用いる場合には化学的な純度が特
性に大きな影響を与えることは公知の事実である。した
がってこのような不安定な中間型の結晶を高純度で得る
ことのできる合成方法が望まれる。
注目されているが、チタニルフタロシアニンについても
A、B、C、Y型と呼ばれる4つの主な結晶型が報告さ
れている。また、これらの結晶とは異なっているが特開
昭62-67094号の比較例に記載されてあるII型のチタニル
フタロシアニンは他の結晶型に転移可能な準安定型の結
晶であり種々の結晶型に変換できる中間体として有用で
ある。しかしながら特開昭62-67094号記載の合成例によ
るとこの結晶はジクロロチタニウムフタロシアニンの直
接的な加水分解によるもので、フタロシアニンの精製の
常法である有機溶媒による洗浄や昇華精製など十分な精
製を行うことが困難である。特にフタロシアニン化合物
を光導電性物質として用いる場合には化学的な純度が特
性に大きな影響を与えることは公知の事実である。した
がってこのような不安定な中間型の結晶を高純度で得る
ことのできる合成方法が望まれる。
【0011】
【発明の目的】本発明の目的は、上記問題点を克服した
高い純度の不安定型の結晶を得ることが可能なチタニル
フタロシアニン結晶の製造法を提供することにある。
高い純度の不安定型の結晶を得ることが可能なチタニル
フタロシアニン結晶の製造法を提供することにある。
【0012】
【発明の構成及び作用効果】本発明の上記の目的はチタ
ニルフタロシアニンを硫酸と有機溶媒の混合溶媒中で処
理することにより達成され、目的とするCuKα特性X
線のブラッグ角2θの27.2゜に主たる明瞭な回折ピーク
を有するチタニルフタロシアニンを得ることができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
ニルフタロシアニンを硫酸と有機溶媒の混合溶媒中で処
理することにより達成され、目的とするCuKα特性X
線のブラッグ角2θの27.2゜に主たる明瞭な回折ピーク
を有するチタニルフタロシアニンを得ることができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
【0013】本発明の製造法に用いられるチタニルフタ
ロシアニンとしては従来知られているA、B、C、Y型
の他、アモルファスその他混合型結晶などいかなる結晶
型のチタニルフタロシアニンも用いることができる。こ
れはチタニルフタロシアニンを一旦硫酸に均一に溶解さ
せることができるためで、それ故この段階でいかなる精
製法を用いても結晶転移に関係なく精製できるので用途
に応じた純度のチタニルフタロシアニンを使用できると
いう大きな利点を有する。またチタニルフタロシアニン
としては例えば他のフタロシアニンと混晶を形成してい
ても構わないし、他の光導電性物質を含有していても構
わない。ここで混晶を形成させるフタロシアニンの例と
しては例えばバナジルフタロシアニンが挙げられる。ま
た他の光導電性物質としては例えば無金属フタロシアニ
ン、金属フタロシアニン、ナフタロシアニン、その他ポ
ルフィリン及びその誘導体、アゾ化合物、ジブロムアン
スアンスロンに代表される多環キノン化合物、ピリリウ
ム化合物及びピリリウム化合物の共晶錯体、スクエアリ
ウム化合物等が挙げられる。
ロシアニンとしては従来知られているA、B、C、Y型
の他、アモルファスその他混合型結晶などいかなる結晶
型のチタニルフタロシアニンも用いることができる。こ
れはチタニルフタロシアニンを一旦硫酸に均一に溶解さ
せることができるためで、それ故この段階でいかなる精
製法を用いても結晶転移に関係なく精製できるので用途
に応じた純度のチタニルフタロシアニンを使用できると
いう大きな利点を有する。またチタニルフタロシアニン
としては例えば他のフタロシアニンと混晶を形成してい
ても構わないし、他の光導電性物質を含有していても構
わない。ここで混晶を形成させるフタロシアニンの例と
しては例えばバナジルフタロシアニンが挙げられる。ま
た他の光導電性物質としては例えば無金属フタロシアニ
ン、金属フタロシアニン、ナフタロシアニン、その他ポ
ルフィリン及びその誘導体、アゾ化合物、ジブロムアン
スアンスロンに代表される多環キノン化合物、ピリリウ
ム化合物及びピリリウム化合物の共晶錯体、スクエアリ
ウム化合物等が挙げられる。
【0014】次にこのようなチタニルフタロシアニンを
硫酸と有機溶媒の混合溶媒で処理する方法について例示
的に説明する。まず原料のチタニルフタロシアニンを濃
硫酸に均一に溶解する。チタニルフタロシアニンに対す
る濃硫酸の割合は重量で通常5〜200倍、特に10〜100倍
が望ましい。また溶解させる温度は通常5℃以下であ
る。続いてこの硫酸溶液を特定の有機溶媒中に滴下す
る。有機溶媒の種類としては特に限定はされないが例え
ば次のような有機溶媒を挙げることができる。有機溶媒
の例としてはメタノール、エタノール、プロパノール、
ブタノール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブ
チルセロソルブ、ジアセトンアルコール、エチレングリ
コール、ジエチレングリコール、ジエチレングリコール
ジエチルエーテル、トリエチルアミン、シクロヘキシル
アミン、トリエタノールアミン、ホルムアミド、N,N-ジ
メチルホルムアミド、ヘキサメチルホスホンアミド、ア
セトニトリル、1,4-ジオキサン、モルホリン、ジメチル
スルホキシド、スルホランのような硫酸と混合しやすい
溶媒が良い。なかでも特にアルコール及びセロソルブ系
溶媒及びテトラヒドロフランのようなエーテル系溶媒が
望ましい。しかしながら有機溶媒の種類はこれらの溶媒
に限定されるものではない。また硫酸溶液を有機溶媒に
滴下する場合は発熱を伴うため温度の制御も重要であ
る。このようにして硫酸と有機溶媒の混合溶媒処理を行
うことができるが溶媒処理の方法はこの方法に限定され
ず、例えばあらかじめ任意の比率の硫酸と有機溶媒の混
合液を調製し、これにチタニルフタロシアニンを加える
等の方法も用いることもできる。
硫酸と有機溶媒の混合溶媒で処理する方法について例示
的に説明する。まず原料のチタニルフタロシアニンを濃
硫酸に均一に溶解する。チタニルフタロシアニンに対す
る濃硫酸の割合は重量で通常5〜200倍、特に10〜100倍
が望ましい。また溶解させる温度は通常5℃以下であ
る。続いてこの硫酸溶液を特定の有機溶媒中に滴下す
る。有機溶媒の種類としては特に限定はされないが例え
ば次のような有機溶媒を挙げることができる。有機溶媒
の例としてはメタノール、エタノール、プロパノール、
ブタノール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブ
チルセロソルブ、ジアセトンアルコール、エチレングリ
コール、ジエチレングリコール、ジエチレングリコール
ジエチルエーテル、トリエチルアミン、シクロヘキシル
アミン、トリエタノールアミン、ホルムアミド、N,N-ジ
メチルホルムアミド、ヘキサメチルホスホンアミド、ア
セトニトリル、1,4-ジオキサン、モルホリン、ジメチル
スルホキシド、スルホランのような硫酸と混合しやすい
溶媒が良い。なかでも特にアルコール及びセロソルブ系
溶媒及びテトラヒドロフランのようなエーテル系溶媒が
望ましい。しかしながら有機溶媒の種類はこれらの溶媒
に限定されるものではない。また硫酸溶液を有機溶媒に
滴下する場合は発熱を伴うため温度の制御も重要であ
る。このようにして硫酸と有機溶媒の混合溶媒処理を行
うことができるが溶媒処理の方法はこの方法に限定され
ず、例えばあらかじめ任意の比率の硫酸と有機溶媒の混
合液を調製し、これにチタニルフタロシアニンを加える
等の方法も用いることもできる。
【0015】次にこのようにして得られたチタニルフタ
ロシアニンを含有する硫酸と有機溶媒の混合溶媒を水に
あけた後、水洗して硫酸を除去する。硫酸に対する水の
割合は特に限定されないが、通常5〜100倍である。十
分水洗して硫酸を除去した結晶はメタノール等の溶媒で
更に洗浄しても構わない。
ロシアニンを含有する硫酸と有機溶媒の混合溶媒を水に
あけた後、水洗して硫酸を除去する。硫酸に対する水の
割合は特に限定されないが、通常5〜100倍である。十
分水洗して硫酸を除去した結晶はメタノール等の溶媒で
更に洗浄しても構わない。
【0016】以上のようにして本発明の目的とするCu
Kα特性X線ブラッグ角2θの27.2゜に主たる明瞭な回
折ピークを有するチタニルフタロシアニンを得ることが
できる。なお、本発明におけるX線回折スペクトルは次
の条件で測定され、ここでいうピークとはノイズとは異
なった明瞭な鋭角の突出部のことである。
Kα特性X線ブラッグ角2θの27.2゜に主たる明瞭な回
折ピークを有するチタニルフタロシアニンを得ることが
できる。なお、本発明におけるX線回折スペクトルは次
の条件で測定され、ここでいうピークとはノイズとは異
なった明瞭な鋭角の突出部のことである。
【0017】 X線管球 Cu 電 圧 40.0 KV 電 流 100 mA スタート角度 6.0 deg. ストップ角度 35.0 deg. ステップ角度 0.02 deg. 測定時間 0.50 sec.
【0018】
【実施例】本発明を以下の実施例及び応用例により更に
具体的に説明するが、これは本発明の一例であり、これ
に限定されるものではない。
具体的に説明するが、これは本発明の一例であり、これ
に限定されるものではない。
【0019】実施例1 昇華により精製したB型チタニルフタロシアニン2gを
5℃以下に保ちながら1時間撹拌して96%硫酸100gに
溶解した。この硫酸溶液を濾過した後、メチルセロソル
ブ300ml中に室温で滴下して結晶を析出させた。更に
この溶液を水1l中にあけて撹拌し、濾過により結晶を
濾取した。この結晶は水洗を数回繰返して硫酸を除去
し、乾燥し、青色結晶1.7gを得た。得られた結晶のX
線回折スペクトルは図1に示したようにブラッグ角2θ
の27.2゜にピークを有していた。
5℃以下に保ちながら1時間撹拌して96%硫酸100gに
溶解した。この硫酸溶液を濾過した後、メチルセロソル
ブ300ml中に室温で滴下して結晶を析出させた。更に
この溶液を水1l中にあけて撹拌し、濾過により結晶を
濾取した。この結晶は水洗を数回繰返して硫酸を除去
し、乾燥し、青色結晶1.7gを得た。得られた結晶のX
線回折スペクトルは図1に示したようにブラッグ角2θ
の27.2゜にピークを有していた。
【0020】実施例2 実施例1において有機溶媒としてメチルセロソルブの代
りにテトラヒドロフランを用いた他は実施例1と全く同
様にしてチタニルフタロシアニン結晶を得た。この結晶
は図2に示すようにブラッグ角2θの27.2゜にピークを
有するチタニルフタロシアニンであった。
りにテトラヒドロフランを用いた他は実施例1と全く同
様にしてチタニルフタロシアニン結晶を得た。この結晶
は図2に示すようにブラッグ角2θの27.2゜にピークを
有するチタニルフタロシアニンであった。
【0021】実施例3 実施例1においてB型チタニルフタロシアニン2gを用
いる代りにB型チタニルフタロシアニン1g及びB型バ
ナジルフタロシアニン1gを用いた他は実施例1と全く
同様にして結晶を得た。このようにチタニルフタロシア
ニンとバナジルフタロシアニンの混晶においても目的と
するブラッグ角2θの27.2゜にピークを有する本発明の
結晶型を得ることができた。
いる代りにB型チタニルフタロシアニン1g及びB型バ
ナジルフタロシアニン1gを用いた他は実施例1と全く
同様にして結晶を得た。このようにチタニルフタロシア
ニンとバナジルフタロシアニンの混晶においても目的と
するブラッグ角2θの27.2゜にピークを有する本発明の
結晶型を得ることができた。
【0022】比較例(1) 窒素気流下、フタロジニトリル97.5g及び1-クロルナフ
タレン750mlを混合して撹拌しながら四塩化チタン22
mlを滴下した。滴下後昇温して温度を200〜220℃に保
ちながら3時間撹拌した。その後放冷して130℃にて熱
時濾過により得た結晶を更に100℃に加熱した1-クロル
ナフタレン200mlで洗浄した。続いて室温にて1-クロ
ルナフタレン300ml、メタノール300mlで懸洗し、更
にメタノール800mlにて数回熱懸洗を行った後、水700
ml中に懸濁させて2時間熱懸洗を行った。このように
して得られたチタニルフタロシアニン結晶のX線回折図
を図3に示す。
タレン750mlを混合して撹拌しながら四塩化チタン22
mlを滴下した。滴下後昇温して温度を200〜220℃に保
ちながら3時間撹拌した。その後放冷して130℃にて熱
時濾過により得た結晶を更に100℃に加熱した1-クロル
ナフタレン200mlで洗浄した。続いて室温にて1-クロ
ルナフタレン300ml、メタノール300mlで懸洗し、更
にメタノール800mlにて数回熱懸洗を行った後、水700
ml中に懸濁させて2時間熱懸洗を行った。このように
して得られたチタニルフタロシアニン結晶のX線回折図
を図3に示す。
【0023】応用例1 ブラッグ角2θの27.2゜にピークを有する実施例1で得
られたチタニルフタロシアニン1部、バインダ樹脂とし
てシリコーン樹脂(「KR−5240、15%キシレン、ブタ
ノール溶液」信越化学社製)1部、分散媒としてメチル
エチルケトン100部をサンドミルを用いて分散し、分散
液を得た。これをアルミニウムを蒸着したポリエステル
ベース上にワイヤーバーを用いて塗布して膜厚0.2μm
のキャリア発生層を形成した。次いで、下記構造式で表
されるキャリア輸送物質1部とポリカーボネート樹脂
「ユーピロンZ200」(三菱瓦斯化学社製)1.3部、及び
微量のシリコーンオイル「KF−54」(信越化学社製)
を、1,2-ジクロルエタン10部に溶解した液をブレード塗
布機を用いて塗布、乾燥の後、膜厚20μmのキャリア輸
送層を形成した。このようにして得られた感光体をサン
プル1とする。
られたチタニルフタロシアニン1部、バインダ樹脂とし
てシリコーン樹脂(「KR−5240、15%キシレン、ブタ
ノール溶液」信越化学社製)1部、分散媒としてメチル
エチルケトン100部をサンドミルを用いて分散し、分散
液を得た。これをアルミニウムを蒸着したポリエステル
ベース上にワイヤーバーを用いて塗布して膜厚0.2μm
のキャリア発生層を形成した。次いで、下記構造式で表
されるキャリア輸送物質1部とポリカーボネート樹脂
「ユーピロンZ200」(三菱瓦斯化学社製)1.3部、及び
微量のシリコーンオイル「KF−54」(信越化学社製)
を、1,2-ジクロルエタン10部に溶解した液をブレード塗
布機を用いて塗布、乾燥の後、膜厚20μmのキャリア輸
送層を形成した。このようにして得られた感光体をサン
プル1とする。
【0024】
【化1】
【0025】応用例2,3 応用例1において実施例1で得られたチタニルフタロシ
アニンを用いる代りに実施例2、実施例3で得られたチ
タニルフタロシアニン及びチタニルフタロシアニンとバ
ナジルフタロシアニンの混晶を用いた他は実施例1と全
く同様にして感光体を作成した。このようにして得られ
た感光体をそれぞれサンプル2、サンプル3とする。
アニンを用いる代りに実施例2、実施例3で得られたチ
タニルフタロシアニン及びチタニルフタロシアニンとバ
ナジルフタロシアニンの混晶を用いた他は実施例1と全
く同様にして感光体を作成した。このようにして得られ
た感光体をそれぞれサンプル2、サンプル3とする。
【0026】比較応用例(1) 応用例1において実施例1で得られたチタニルフタロシ
アニンを用いる代りに比較例(1)で得られたチタニル
フタロシアニンを用いた他は応用例1と全く同様にして
感光体を作成した。これを比較サンプル(1)とする。
アニンを用いる代りに比較例(1)で得られたチタニル
フタロシアニンを用いた他は応用例1と全く同様にして
感光体を作成した。これを比較サンプル(1)とする。
【0027】(評価1)以上のようにして得られたサン
プルは、ペーパアナライザEPA−8100(川口電機社
製)を用いて以下のような評価を行った。まず、−80μ
Aの条件で5秒間のコロナ帯電を行い、帯電直後の表面
電位Va及び5秒間放置後の表面電位Vi求め、続いて
表面温度が2(lux)となるような露光を行い、表面
電位を1/2Viとするのに必要な露光量E1/2、表面電位
を−600Vから−100Vまで低下させるのに必要な露光量
E600/100を求めた。またD=100(Va−Vi)/Va(%)の式
より暗減衰率Dを求めた。結果を表1に示した。
プルは、ペーパアナライザEPA−8100(川口電機社
製)を用いて以下のような評価を行った。まず、−80μ
Aの条件で5秒間のコロナ帯電を行い、帯電直後の表面
電位Va及び5秒間放置後の表面電位Vi求め、続いて
表面温度が2(lux)となるような露光を行い、表面
電位を1/2Viとするのに必要な露光量E1/2、表面電位
を−600Vから−100Vまで低下させるのに必要な露光量
E600/100を求めた。またD=100(Va−Vi)/Va(%)の式
より暗減衰率Dを求めた。結果を表1に示した。
【0028】(評価2)得られたサンプルを「U−Bi
x1550」(コニカ社製、半導体レーザ光源搭載)改造機
に搭載して反転現像を行い、複写画像の白地部分の黒斑
点を評価した。黒斑点の評価は画像解析装置「オムニコ
ン3000型」(島津製作所社製)を用いて黒斑点の粒径と
個数を測定し、φ(径)0.05mm以上の黒斑点が1cm
2当たり何個あるかにより判定した。黒斑点評価の判定
基準は次に示す表2の通りである。
x1550」(コニカ社製、半導体レーザ光源搭載)改造機
に搭載して反転現像を行い、複写画像の白地部分の黒斑
点を評価した。黒斑点の評価は画像解析装置「オムニコ
ン3000型」(島津製作所社製)を用いて黒斑点の粒径と
個数を測定し、φ(径)0.05mm以上の黒斑点が1cm
2当たり何個あるかにより判定した。黒斑点評価の判定
基準は次に示す表2の通りである。
【0029】
【表1】
【0030】
【表2】
【0031】この実施例からわかるように本発明の製造
方法によれば従来知られていた方法により合成したチタ
ニルフタロシアニンより良好な電子写真特性を有するチ
タニルフタロシアニン結晶を得ることができる。
方法によれば従来知られていた方法により合成したチタ
ニルフタロシアニンより良好な電子写真特性を有するチ
タニルフタロシアニン結晶を得ることができる。
【0032】
【発明の効果】本発明の製造方法によればいかなる結晶
型のチタニルフタロシアニンからもCuKα特性X線に
対するブラッグ角2θの27.2゜に主たる明瞭なピークを
もつチタニルフタロシアニン結晶を得ることができ、ま
た結晶型に無関係に原料の精製ができるため用途に応じ
た純度のチタニルフタロシアニン結晶を得ることが可能
である。更に高純度なチタニルフタロシアニンが得られ
ることからこれを電子写真感光体の電荷発生物質として
用いた場合の感光体は従来よりも電子写真特性の優れた
ものを得ることができる。
型のチタニルフタロシアニンからもCuKα特性X線に
対するブラッグ角2θの27.2゜に主たる明瞭なピークを
もつチタニルフタロシアニン結晶を得ることができ、ま
た結晶型に無関係に原料の精製ができるため用途に応じ
た純度のチタニルフタロシアニン結晶を得ることが可能
である。更に高純度なチタニルフタロシアニンが得られ
ることからこれを電子写真感光体の電荷発生物質として
用いた場合の感光体は従来よりも電子写真特性の優れた
ものを得ることができる。
【図1】本発明の実施例1で得られたチタニルフタロシ
アニンのX線回折図。
アニンのX線回折図。
【図2】実施例2で得られたチタニルフタロシアニンの
X線回折図。
X線回折図。
【図3】比較例(1)で得られたチタニルフタロシアニ
ンのX線回折図。
ンのX線回折図。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 【請求項1】 チタニルフタロシアニンを硫酸と有機溶
媒の混合溶媒中で処理することによりX線回折スペクト
ルにおいてCuKα特性X線に対するブラッグ角2θの
27.2゜±0.2゜に主たる明瞭な回折ピークを有する結晶
を得ることを特徴とするチタニルフタロシアニン結晶の
製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14872891A JPH0517702A (ja) | 1991-06-20 | 1991-06-20 | チタニルフタロシアニン結晶の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14872891A JPH0517702A (ja) | 1991-06-20 | 1991-06-20 | チタニルフタロシアニン結晶の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0517702A true JPH0517702A (ja) | 1993-01-26 |
Family
ID=15459286
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP14872891A Pending JPH0517702A (ja) | 1991-06-20 | 1991-06-20 | チタニルフタロシアニン結晶の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0517702A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7202844B2 (en) | 1999-12-02 | 2007-04-10 | Nec Lcd Technologies, Ltd. | Liquid crystal display controller and liquid crystal display |
US7603183B1 (en) | 1999-08-31 | 2009-10-13 | Digital Electronics Corporation | Editor device and recorded medium on which editor program is recorded |
-
1991
- 1991-06-20 JP JP14872891A patent/JPH0517702A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7603183B1 (en) | 1999-08-31 | 2009-10-13 | Digital Electronics Corporation | Editor device and recorded medium on which editor program is recorded |
US7202844B2 (en) | 1999-12-02 | 2007-04-10 | Nec Lcd Technologies, Ltd. | Liquid crystal display controller and liquid crystal display |
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