JPH0517648A - 粉体成形用塩化ビニル系樹脂組成物 - Google Patents

粉体成形用塩化ビニル系樹脂組成物

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JPH0517648A
JPH0517648A JP20127791A JP20127791A JPH0517648A JP H0517648 A JPH0517648 A JP H0517648A JP 20127791 A JP20127791 A JP 20127791A JP 20127791 A JP20127791 A JP 20127791A JP H0517648 A JPH0517648 A JP H0517648A
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mold
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molding
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JP20127791A
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Masanori Yada
誠規 矢田
Toshio Masuda
敏夫 増田
Yukihiro Ogawa
行洋 小川
Koji Ichikawa
康治 市川
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Zeon Corp
Zeon Kasei Co Ltd
Original Assignee
Zeon Kasei Co Ltd
Nippon Zeon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は、粉体成形時の耐金型汚染性、脱型
性、耐アミン性に優れた粉体成形用PVC系樹脂組成物
を提供することを目的とする。 【構成】塩化ビニル系樹脂100重量部に対し、過塩素
酸金属化合物0.1〜10重量部、一般式 Mm(SO4)n
及び/又はMm(NO3)n (ここで、Mはマグネシウ
ム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、亜鉛、ナ
トリウム又はカリウムの金属であり、m及びnは1又は
2の整数である)で表される無機強酸金属化合物0.1
〜10重量部、ゼオライト0.1〜10重量部、及びハ
イドロタルサイト0.1〜10重量部を配合することに
より、耐金型汚染性、脱型性、耐アミン性を改良するこ
とができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車内装用表皮材料
等に適する粉体成形用の塩化ビニル系樹脂組成物(以下
PVC系樹脂組成物と称することがある)に関する。
【0002】
【従来の技術】クラッシュパッド、コンソールボック
ス、ヘッドレスト、アームレスト等の最近の自動車内装
用表皮材料への要求は、軽量でソフト感があり、且つレ
ザー模様やステッチ模様のある高級な感覚を与えること
であり、またデザインにおいても深いアンダーカット等
が要求されるようになっている。従来、これらの表皮材
料に使用されてきた材料は、軟質PVC、ABS樹脂あ
るいはペーストPVC等であり、成形法は真空成形、ゾ
ルスラッシュ成形あるいはゾル回転成形等が主として利
用されてきた。しかしながら、軟質PVC系樹脂やAB
S樹脂を使用した真空成形による表皮材料は、軽量化は
達成できるが成形品は硬い感触のものしか得られないば
かりでなく、真空成形時に絞流れ、ステッチ模様の流れ
が生じ高級感のある製品とならず、また深絞りやアンダ
ーカットのある成形が難しいという欠点があった。ま
た、ペーストPVC系樹脂によるゾル成形品は、ソフト
感や高級感は達成できるもののゾル粘度が高いため肉厚
化の傾向が避けられず、厚さの均一性を保つことが難し
いとともに軽量化の達成が不可能であるという欠点があ
った。また、成形時に金型からのゾルの排出に時間がか
かったり、色替え時のタンク、配管等のクリーニングに
時間を要したりし、生産性に大きな問題点があった。こ
れらの問題点を解決するために、最近粉体スラッシュ成
形、流動浸漬成形あるいは粉体回転成形等のいわゆる粉
体成形法が注目されており、特に自動車内装用表皮材料
の成形には粉体スラッシュ成形が多く利用されるように
なっている。このような粉体成形に供する粉体材料組成
物は、その成形工程の特徴から粉体流動性や成形性に優
れたものでなければならないことは容易に推定されると
ころである。ところで、粉体成形用PVC系樹脂組成物
の製造方法は公知であり、PVC系樹脂、可塑剤、安定
剤、顔料等を加熱ジャケットのあるブレンダーや高速回
転型ミキサーでブレンドして作るのが一般的である。ま
た粉体流動性を改善するためには、ブレンド終了後、冷
却段階で微粒子のPVC樹脂や微粒子の無機充填剤を添
加することもよく知られている。しかし、このようにし
て作られる粉体成形用PVC系樹脂組成物は、直接高温
の金型に接触、溶融して成形されるため、PVC系樹脂
に添加されている安定剤等の添加剤が直接金型面に接触
し、次第に堆積していき金型面を汚し、いわゆる金型汚
染を生じることになる。そして、金型面が汚染されてく
ると、これが次第に金型の絞面に堆積し、絞浅現象を呈
し、成形品に艶が発生することになる。従来、この成形
品の艶の発生を防ぐため、成形を一時中断して化学的に
金型をアルカリや酸等の洗浄液で洗浄したり、機械的に
ショットブラストをかけたりして金型面の汚染物質を機
械的に除去することが行われている。しかしながら、こ
れは生産性を低下させるばかりではなく、金型面の化学
研磨、機械研磨をしていることになるため、絞浅現象を
生じ、ひいては金型寿命を短くするという欠点があっ
た。また、粉体成形においては成形された製品を金型か
ら離型するときの脱型性も重要な特性である。つまり、
脱型性が悪いと脱型時に強い力を作用させることとなる
ため製品が伸びることになり、所定の寸法の製品が得ら
れないことになる。この脱型性を改良するため、従来一
般には金属石鹸系の安定剤が多めに添加されている。し
かしながら、これらの金属石鹸系の安定剤は、有効な脱
型性を賦与するものはPVC系樹脂との相溶性に乏し
く、金型面へのプレートアウト現象が生じ、結果として
先に述べた金型汚染が著しいという欠点があった。さら
に、これらの粉体成形用材料が特に自動車内装用表皮材
料として使用されるときは、発泡ウレタンをパッキング
することが多いが、この発泡ウレタン中に含まれるアミ
ンに対する抵抗性(以下耐アミン性と称する)が不満足
であり、そのため熱変色等が発生するという欠点があっ
た。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技
術の欠点に鑑み、粉体成形時の耐金型汚染性、脱型性、
耐アミン性に優れた粉体成形用PVC系樹脂組成物を提
供することを目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、粉体成形
時の耐金型汚染性、脱型性、耐アミン性に優れたPVC
系樹脂組成物の開発に鋭意取り組んだ結果、塩化ビニル
系樹脂を含む粉体組成物において、塩化ビニル系樹脂1
00重量部に対し、過塩素酸金属化合物0.1〜10重
量部、一般式Mm(SO4)n及び/又はMm(NO3)nで表さ
れる特定の無機強酸金属化合物0.1〜10重量部、ゼ
オライト0.1〜10重量部、ハイドロタルサイト0.1
〜10重量部を添加することにより上記の目的を達成す
ることを見い出し、その知見に基づき本発明を完成し
た。
【0005】すなわち、本発明は、塩化ビニル系樹脂1
00重量部、過塩素酸金属化合物0.1〜10重量部、
一般式 Mm(SO4)n及び/又はMm(NO3)n(ここで、
Mはマグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリ
ウム、亜鉛、ナトリウム又はカリウムの金属であり、m
及びnは1又は2の整数である)で表される無機強酸金
属化合物0.1〜10重量部、ゼオライト0.1〜10重
量部、及びハイドロタルサイト0.1〜10重量部から
成る粉体成形用塩化ビニル系樹脂組成物を提供するもの
である。
【0006】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
使用する塩化ビニル系樹脂としては、従来の粉体成形用
塩化ビニル系樹脂組成物と同様の塩化ビニル系樹脂を用
いることができる。すなわち、懸濁重合、塊状重合ある
いは乳化重合等で製造した塩化ビニルの単独重合体、塩
化ビニルとエチレン、プロピレン、ビニルアセテート等
の共重合可能な単量体1種以上との共重合体あるいはそ
れらの2種以上の混合物を用いることができる。塩化ビ
ニル系樹脂の分子量は、特に限定されるものではなく、
種々の分子量の塩化ビニル系樹脂が用いられるが、通常
平均重合度が600〜3500の範囲のものが用いら
れ、好ましくは800〜1500の範囲のものである。
また、本発明では過塩素酸金属化合物をPVC系樹脂1
00重量部に対して0.1〜10重量部を添加する。
【0007】過塩素酸金属化合物を添加する目的は、と
くに発泡ウレタンをバッキングしたときの、発泡ウレタ
ン中に含まれるアミン化合物とくに第三級アミン化合物
に起因する変色防止性能、いわゆる耐アミン性を付与す
るためのものである。その効果はどのような機能による
ものかは明確にされている訳ではないが、過塩素酸金属
化合物は、PVC系樹脂中の脱塩酸に基づくポリエン生
成による着色の緩和とアミン塩との中和作用によりPV
C系樹脂中の脱塩酸作用の緩和との二重の緩和機構によ
り耐アミン性を良好に保つものである。
【0008】ここで使用する過塩素酸金属化合物の種類
については、特に制限はなく、例えば過塩素酸バリウ
ム、過塩素酸マグネシウム、過塩素酸カルシウム、過塩
素酸ナトリウム、過塩素酸イオン型ハイドロタルサイト
類化合物、過塩素酸金属の多価アルコール又はその誘導
体の錯化合物等を使用することができ、特に過塩素酸バ
リウム、過塩素酸マグネシウムが好ましい。過塩素酸金
属化合物の使用量は、PVC系樹脂100重量部に対し
て、0.1〜10重量部であり、好ましくは0.5〜1.
5重量部である。過塩素酸金属化合物の添加量が0.1
重量部より少ないと耐アミン性の向上レベルが低く、一
方10重量部を越えて配合しても添加量の割りには効果
が低く、不経済である。さらに、成形した製品の強度や
伸び等の物性も低下し易くなる。
【0009】また、本発明のPVC系樹脂組成物におい
ては、一般式 Mm(SO4)n及び/又はMm(NO3)n(こ
こでMはマグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、
バリウム、亜鉛、ナトリウム又はカリウムの金属であ
り、m及びnは1又は2の整数である)で表される無機
強酸塩、ゼオライト及びハイドロタルサイトから成る無
機安定剤を併用して添加する。一般にPVCには、その
熱分解を防止するための熱安定剤を添加する必要があ
り、その種類には種々のタイプのものがあるが、本発明
において用いる上記組合せの無機安定剤は金型からの離
脱性を良くすることができ、自動車内のフォギングや臭
気等を少なくすることができる。
【0010】以下、各々の無機安定剤について説明す
る。先ず、本発明には一般式Mm(SO4)n及び/又はMm
(NO3)nで表される無機強酸金属化合物が用いられる。
一般的にPVC系樹脂組成物の加熱溶融成形において
は、PVC系樹脂が熱分解し易く、その熱分解により塩
酸が発生する。特にある種の金属塩化物がPVC系樹脂
組成物に含まれていると、その熱分解が促進される。発
生した塩酸は、金型の金属と反応し金属塩化物を生じさ
せ、金型表面にこの金属塩化物が生成する。このように
金型表面に金属塩化物が生成していると、PVC系樹脂
組成物中にこの金属塩化物と親和性のある物質が含まれ
ている場合は、成形品の金型からの離脱性が悪くなる。
【0011】本発明に使用する上記の硫酸及び硝酸の金
属塩はPVC系樹脂の熱分解により生成する塩酸との反
応を生じることがなく、従って、PVC系樹脂の熱分解
を促進することがないうえに、金型表面に生成している
金属塩化物の皮膜との親和性も乏しいため、PVC系樹
脂の熱安定性及び成形品の金型からの離脱性、すなわち
脱型性も良好に保つことができる。また、ここでMはマ
グネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、
亜鉛、ナトリウム又はカリウムであり、特にマグネシウ
ム、カルシウム、バリウム又は亜鉛が好ましい。これら
の金属から成る無機強酸金属化合物は、熱安定性、経済
性あるいは安全衛生面において優れているので好まし
い。これらの無機強酸金属化合物は、1種単独で用いて
も良いし、2種以上を組み合わせて用いても良い。
【0012】次に、本発明においては、ゼオライト及び
ハイドロタルサイトから成る安定剤を使用する。これら
のゼオライト及びハイドロタルサイト系安定剤は、無機
化合物であるためフォギングに対する問題の発生を少な
くすることができる。すなわち、ゼオライトは多数の微
細孔径のある構造をしており、またハイドロタルサイト
は[Mg1-xAlx(OH)2]x+から成る基本層と[(CO3)
x/2 .mH2O]x-から成る中間層の層状構造をしている。
これらの特徴ある構造から、そのPVC系樹脂に対する
熱安定化作用、すなわちPVC系樹脂の熱分解によって
発生する塩酸の補足作用は大部分が微細孔中あるいは層
間内で生じることとなり、塩酸はそこで吸着されること
になる。従って、これらの安定剤表面では殆ど金属塩化
物は発生することはない。
【0013】本発明においては、上記の安定剤表面では
殆ど金属塩化物は発生することがないので、前述したよ
うに金型表面において金属塩化物が生成していたとして
も、この金属塩化物との親和性も殆ど生じることがなく
なり、容易に金型から離脱し優れた脱型性を付与するこ
とができる。本発明においては、無機強酸金属化合物、
ゼオライト及びハイドロタルサイトから成る安定剤を使
用するものであるが、これらの安定剤は、何れも無機化
合物であり、かつ高い融点をもつ安定した化合物である
ため金型汚染に対する優れた機能も併せ持つことができ
る。すなわち、一般のPVC系樹脂に使用する安定剤は
有機酸の金属塩や鉛等の低融点の化合物が多いが、これ
らの安定剤は成形時の加熱による変成、分解あるいは溶
融によりその残渣が金型表面の絞面に堆積していくこと
になり、いわゆる絞浅現象を呈し、成形品に艶を発生さ
せることになるが、本発明による無機安定剤を使用すれ
ば先にも述べてあるとおり、金型表面の金属塩化物との
親和性が低いため金型汚染の原因となる金型面に残され
る安定剤あるいはその分解物の発生は殆どない。
【0014】ここで、使用するゼオライトあるいはハイ
ドロタルサイトは、特に限定されるものではなく、結晶
水の有無、結晶水の数あるいはゼオライトにおいては含
有する金属の種類、量等の異なる各種の構造体のものが
挙げられるが、目的、付与する機能等によって、各種の
構造体の中から適宜選択して使用すれば良い。特に、ゼ
オライトとしては、Na型ゼオライトが好ましく、ハイ
ドロタルサイトとしては、無水型ハイドロタルサイトが
好ましい。これらのゼオライトあるいはハイドロタルサ
イトは、1種単独で用いても良いし、2種以上を組み合
わせて用いても良い。
【0015】本発明におけるこれらの無機安定剤の添加
量は、下記の範囲内で各安定剤の添加量を変化させるこ
とができる。すなわち一般式Mm(SO4)n及び/又はMm
(NO3)nで表される無機強酸金属化合物の添加量はPV
C系樹脂100重量部に対し0.1〜10重量部、好ま
しくは0.2〜5重量部であり、特に好ましくは3.5〜
5.0重量部である。ゼオライトはPVC系樹脂100
重量部に対し0.1〜10重量部、好ましくは0.2〜3
重量部である。ハイドロタルサイトはPVC系樹脂10
0重量部に対し0.1〜10重量部、好ましくは0.2〜
5重量部である。
【0016】これらの無機安定剤の添加量が0.1重量
部以下の場合は熱安定性、脱型性に対する効果は発現せ
ず、10重量部以上添加した場合は、溶融特性が低下し
たり成形品の強度あるいは伸び等の物性が低下するなど
の不都合が生じる。また、本発明の粉体成形用PVC系
樹脂組成物においては、前記安定剤の他にさらに熱安定
性、脱型性等の特性を向上させる目的において、従来か
ら使用されている金属石鹸をはじめとするPVC系安定
剤等を金型汚染性等の特性を著しく阻害しない範囲で添
加しても良い。
【0017】さらに、本発明の粉体成形用PVC系樹脂
組成物においては、この他、従来の粉体成形用PVC材
料と同様に、可塑剤、酸化防止剤、紫外線防止剤、充填
剤、顔料等を適宜配合することができる。これらの他の
配合剤は特にその種類において制限はなく、例えば可塑
剤としては、ジイソデシルフタレート、アルキル基の炭
素数が9〜11のジアルキルフタレート等のフタル酸エ
ステル類、トリ−n−オクチルトリメリテート、トリ−
2−エチルヘキシルトリメリテート、トリデシルトリメ
リテート、アルキル基の炭素数が7〜11のトリアルキ
ルトリメリテート等のトリメリット酸トリエステル類、
エポキシ系可塑剤、ポリエステル系可塑剤等を使用する
ことができ、これらの可塑剤を複数種併用しても良い。
【0018】本発明のPVC系樹脂組成物は、粉体であ
り、その粉体は種々の粒度のものを用いることができ
る。本発明によるPVC系樹脂組成物は、上記の成分を
配合することにより製造することができる。また配合方
法は、特に限定されるものではないが、例えばヘンシェ
ルブレンダー、リボンブレンダー等を用いる通常のブレ
ンド方法が使用できる。本発明の粉体成形用PVC系樹
脂組成物は、粉体スラッシュ成形、流動浸漬成形あるい
は粉体回転成形等の種々の粉体成形に使用することがで
き、特に自動車内装用表皮材料の成形に用いられている
粉体スラッシュ成形に好適に使用することができる。
【0019】
【実施例】次に、本発明を実施例によりさらに具体的に
説明する。なお、本発明は、これらの例によって何ら限
定されるものではない。 実施例1〜10 (組成物の製造)容量75リットルのヘンシェルミキサ
ーに、平均重合度800のPVC(日本ゼオン製、ゼオ
ン103EP−8)を100重量部仕込み、加熱撹拌
し、温度が80℃になった時点で可塑剤としてのトリア
ルキルトリメリテート(花王製、トリメックスN−0
8)65重量部とエポキシ化大豆油(旭電化製O−13
0P)5重量部、ヒンダーフェノール系酸化防止剤
0.2重量部、ヒンダーアミン系紫外線防止剤 0.2重
量部、ブルー顔料(東洋インキ製 KV−7241)3
重量部、及び過塩素酸金属化合物、無機強酸金属化合
物、ゼオライト(水沢化学 ミスカライザー DS)、
ハイドロタルサイト(協和化学 アルカマイザー 1)
を表1に示したように添加し、温度が125℃になるま
でドライアップした。その後加熱を停止して冷却し、温
度が50℃になった時点で平均粒径が約3μmの微粒P
VC(日本ゼオン製、ゼオン131C)10重量部を添
加し、均一分散させた後に取り出して40メッシュの篩
でふるった。得られたPVC系樹脂組成物(実施例1〜
10)は、全てサラサラした流動性の良好な粉体であっ
た。
【0020】比較例1〜5 また、比較のために、実施例における過塩素酸金属化合
物、無機強酸金属化合物、ゼオライト(水沢化学 ミス
カライザー DS)、ハイドロタルサイト(協和化学
アルカマイザー 1)を表2に示したように添加し、実
施例と同様にPVC系樹脂組成物(比較例1〜5)を製
造した。
【0021】
【表1】
【0022】
【表2】
【0023】(評価) 1 脱型性:実施例1〜10及び比較例1〜5で製造し
たPVC系樹脂組成物を、オイル加熱式スラッシュ成形
機に幅200mm、長さ750mmのハーフインストルメン
トパネルの金型を装着したものによりシートを成形し
た。この時の金型は、ニッケル製で絞模様のある電鋳金
型を使用した。また、成形条件としては、オイル加熱に
より金型が240℃になった時にPVC系樹脂組成物を
チャージし、金型を反復させて未溶融の余剰のPVC系
樹脂組成物を排除し、そのままの状態で30秒間放置し
てPVC系樹脂組成物の溶融を促進させた。次いで、冷
却用オイルを流してさらに45秒間放置し、温度が75
℃になった時点で冷却オイルの循環を停止し成形した。
このようにして成形したシートを、その一端にバネ秤を
取りつけ、速度約200mm/秒、角度約60度で剥離さ
せ、その時の力(脱型力)を測定することにより脱型性
を評価した。
【0024】2 金型汚染性:上記1と同様の成形を7
5回繰り返し、最初の成形で得たシートのグロス値と7
5回目の成形で得たシートのグロス値とを測定し、両者
の差を求めることにより金型汚染性を評価した。すなわ
ち、グロス値の差が大きいほど金型汚染の度合いが大き
いと評価した。
【0025】3 耐アミン性:上記1で得た成形シート
に半硬質発泡ウレタンを10mmの厚さでバッキングし、
120℃のギアーオープン内に吊し、200時間、40
0時間後の変褪色度合いを評価した。この場合、評価基
準はグレースケール及び変褪色判定基準に準じ、次のA
〜Eの5段階とした。 A:殆ど変化なし B:目立たない程度の僅かな変化あり C:明らかに認められる変化あり D:やや著しい変化あり E:顕著な変化あり 4 成形時の粉体流動性、成形シートの離型前後の寸法
安定性、絞流れの発生状況、機械的強度について評価し
た。以上の評価結果を表3に示した。
【0026】
【表3】
【0027】これにより、本発明の実施例は脱型力が低
く脱型性に優れていること、グロス値の差が小さく金型
汚染が生じ難いこと、加熱による長期の変褪色が少なく
耐アミン性が優れていること、粉体流動性や寸法流動性
や寸法安定性が良好で、また絞流れも発生せず、充分な
機械的強度を保有していることが確認された。一方、比
較例では脱型力が大きく離型しにくいこと、グロス値の
差が大きく金型汚染が進んでいることが確認された。
【0028】
【発明の効果】本発明によれば、脱型が容易で金型汚染
が生じ難く、且つ耐アミン性に優れた粉体成形用PVC
系樹脂組成物を得ることが可能になる。軽量でソフト感
の豊かな高級感のある自動車内装用表皮材料を生産性良
く製造することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08K 3/34 KGN 7167−4J // C08K 3:24 7167−4J 3:26 7167−4J 3:34 7167−4J C08L 27:06 (72)発明者 小川 行洋 神奈川県川崎市川崎区夜光一丁目2番1号 日本ゼオン株式会社研究開発センター内 (72)発明者 市川 康治 神奈川県川崎市川崎区夜光一丁目2番1号 日本ゼオン株式会社研究開発センター内

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】塩化ビニル系樹脂100重量部、過塩素酸
    金属化合物0.1〜10重量部、一般式 Mm(SO4)n
    び/又はMm(NO3)n(ここで、Mはマグネシウム、カ
    ルシウム、ストロンチウム、バリウム、亜鉛、ナトリウ
    ム又はカリウムの金属であり、m及びnは1又は2の整
    数である)で表される無機強酸金属化合物0.1〜10
    重量部、ゼオライト0.1〜10重量部、及びハイドロ
    タルサイト0.1〜10重量部から成る粉体成形用塩化
    ビニル系樹脂組成物。
JP20127791A 1991-07-16 1991-07-16 粉体成形用塩化ビニル系樹脂組成物 Pending JPH0517648A (ja)

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