JP2013100445A - 樹脂組成物及びこれからなる放熱部品 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】熱可塑性樹脂(A)40質量%〜65質量%と、炭素繊維(B)5質量%〜10質量%と、黒鉛粒子(C)30質量%〜50質量%とを含有し、
水酸化カルシウム、ゼオライト及びハイドロタルサイトからなる群から選ばれる少なくとも1種の吸着剤(D)0.05質量部を超え1質量部以下と、
酸化防止剤(E)0.05質量部〜1質量部と、
下記化合物群Sから選ばれる少なくとも1種の化合物(F)0.01質量部〜1質量部とを含有する樹脂組成物。
化合物群S:一般式CnHn+2(OH)nで表される化合物、アルコキシ体、式(2)で表される化合物、トレハロース、スクロース、ラクトース、マルトース、メレチトース、スタキオース、カードラン、グリコーゲン、グルコース及びフルクトースからなる化合物群。
【選択図】なし
Description
例えば、特許文献1には、オレフィン系樹脂、エチレン−α−オレフィン系共重合体ゴム、所定の加熱減量値及び融点を有する樹脂用添加剤を含有する熱可塑性エラストマー組成物が記載されている。また、特許文献2には、カーボンブラックなどを含有していることを特徴とするポリオレフィン系樹脂発泡体が記載されている。
以上の課題に鑑み、本発明は、良好な熱伝導性と耐フォギング性を有する成形体を得ることが可能な樹脂組成物及びこれからなる放熱部品を提供することを目的とする。
前記(A)、(B)及び(C)のそれぞれの質量の合計量を100質量部として、当該100質量部に対し、
水酸化カルシウム、ゼオライト、及びハイドロタルサイトからなる群から選ばれる少なくともいずれか1種の吸着剤(D)0.05質量部を超え1質量部以下と、
酸化防止剤(E)0.05質量部以上1質量部以下と、
下記化合物群Sから選ばれる少なくとも1種の化合物(F)0.01質量部以上1質量部以下とを含有する樹脂組成物及びこれからなる放熱部品を提供する。
化合物群S:一般式CnHn+2(OH)nで表される化合物(式中、nは4以上の整数を表す。)、下記アルコキシ体、下記式(2)で表される化合物、トレハロース、スクロース、ラクトース、マルトース、メレチトース、スタキオース、カードラン、グリコーゲン、グルコース及びフルクトースからなる化合物群。
アルコキシ体:下記式(1)で表される化合物に含まれる水酸基のうちの少なくとも1個の水酸基の水素原子が炭素原子数1〜12のアルキル基に置換された化合物であり、該式(1)で表される化合物は、アルデヒド基又はケトン基1個とm−1個の水酸基とを含有する。
CmH2mOm (1)
(式中、mは3以上の整数を表す。)
(2)
(式中、pは2以上の整数を表す。)
炭素繊維(B)と黒鉛粒子(C)の組み合わせは、主に熱伝導性の向上に効果的に寄与し、一方、吸着剤(D)、酸化防止剤(E)、及び化合物(F)は主に耐フォギング性の向上に寄与する。所定量の成分(A)〜(E)又は所定量の成分(A)〜(F)を組み合わせたことにより、所期の目的が達成される。
〔樹脂組成物〕
<熱可塑性樹脂(A)>
上記樹脂組成物に含有される熱可塑性樹脂(A)は、200℃〜450℃の温度で成形可能な熱可塑性樹脂であることが好ましい。本発明において好ましい熱可塑性樹脂として、具体的には、ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリアミド、ハロゲン化ビニル樹脂、ポリアセタール、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアリールスルホン、ポリアリールケトン、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンスルフィド、ポリアリールエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンサルファイドスルフォン、ポリアリレート、液晶ポリエステル、フッ素樹脂等が挙げられる。これらは単独又は2種以上組み合わせて用いることが可能である。
これらのうち、成形加工性の観点からポリオレフィンやポリスチレンを用いることが好ましい。これによって比較的複雑な形状の電気・電子部品を成形する際の成形加工性が良好となる。
ポリエチレンとしては、例えば、エチレン単独重合体、エチレンと炭素数4以上のα−オレフィンとの共重合体であるエチレン−α−オレフィンランダム共重合体等が挙げられる。
α−オレフィン樹脂としては、例えば、α−オレフィン−プロピレンランダム共重合体等が挙げられる。
これらの重合方法は、バッチ式及び連続式のいずれでもよく、また、単一の重合槽で行われる単段式及び複数の重合反応槽を直列に連結させた重合装置で行われる多段式のいずれでもよく、また、これらの重合方法を任意に組み合わせてもよい。工業的かつ経済的な観点から、連続式の気相重合法又はバルク重合法と気相重合法を連続的に行うバルク−気相重合法による方法が好ましい。
なお、重合工程における各種条件(重合温度、重合圧力、モノマー濃度、触媒投入量、重合時間等)は、適宜決定すればよい。
アイソタクチック・ペンタッド分率とは、プロピレン重合体分子鎖中のペンタッド単位でのアイソタクチック連鎖の中心にあるプロピレンモノマー単位の分率であり、換言すればプロピレンモノマー単位が5個連続してメソ結合した連鎖(以下、mmmmと表す。)の中にあるプロピレンモノマー単位の分率である。アイソタクチック・ペンタッド分率の測定方法は、A.ZambelliらによってMacromolecules,6,925(1973)に記載されている方法、すなわち13C−NMRによって測定される方法である。
本発明で用いられる炭素繊維(B)としては、熱伝導率が100W/mKを越えるピッチ系炭素繊維が好ましい。具体的には、三菱樹脂株式会社製 商標ダイアリード、帝人株式会社製 商標ラヒーマ等が挙げられる。
また、この炭素繊維(B)は、その表面が収束剤で処理されていてもよい。収束剤としては、ポリオレフィン、ポリウレタン、ポリエステル、アクリル、エポキシ樹脂、澱粉、植物油等が挙げられる。さらに、収束剤に、酸変性ポリオレフィン、シラン系カップリング剤等の表面処理剤、パラフィンワックス等の潤滑剤が配合されていてもよい。
炭素繊維(B)を収束剤で処理する方法としては例えば、収束剤を溶解させた水溶液に浸漬させる法、前記水溶液をスプレーで繊維に塗布する方法等が挙げられる。
また、炭素繊維(B)の繊維径は5μm以上であることが好ましい。
本発明で用いられる黒鉛粒子(C)を構成する黒鉛は、人造黒鉛、天然黒鉛のいずれでもよい。具体的には、日本黒鉛工業株式会社製 商標CB−150等が挙げられる。
平均粒子径は、レーザー散乱型粒度分布測定装置を用いて測定することができる。
本発明で用いられる吸着剤(D)は、水酸化カルシウム、ゼオライト、及び、ハイドロタルサイトからなる群から選ばれる少なくともいずれか1種の化合物である。このうち、より少ない使用量で耐フォギング性を向上できるので、水酸化カルシウムを用いることが好ましい。
酸化防止剤とは、熱可塑性樹脂の熱、光、酸素、等による分解を防止する作用を有する化合物であり、本発明で用いられる酸化防止剤(E)としては、公知の酸化防止剤を使用することができる。例えば、フェノール系酸化防止剤、ヒドロキノン系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤、リン系酸化防止剤等が挙げられる。これらは単独又は組み合わせて用いてもよく、フェノール系酸化防止剤とリン系酸化防止剤を単独または併用して用いることが好ましい。
フェニル)プロパン、2,2−ビス(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)−4−n−ドデシルメルカプトブタン、1,1,5,5−テトラ(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)ペンタン等が挙げられる。
本発明で用いられる化合物(F)は、下記化合物群Sから選ばれる少なくとも1種の化合物である。
化合物群Sは、一般式CnHn+2(OH)nで表される化合物(式中、nは4以上の整数を表す。)、下記アルコキシ体、下記式(2)で表される化合物、トレハロース、スクロース、ラクトース、マルトース、メレチトース、スタキオース、カードラン、グリコーゲン、グルコース及びフルクトースからなる化合物群である。
アルコキシ体は、下記式(1)で表される化合物に含まれる水酸基の少なくとも1個の水酸基の水素原子が炭素原子数1〜12のアルキル基に置換された化合物であり、該式(1)で表される化合物は、分子内にアルデヒド基又はケトン基1個とm−1個の水酸基とを含有する化合物である。
CmH2mOm (1)
(式中、mは3以上の整数を表す。)
(2)
(式中、pは2以上の整数を表す。)
また、光学活性であってもよく、光学不活性であってもよい。
CmH2mOm (1)
化合物(1)としては、中でも、アロース、タロース、グロース、グルコース、アルトロース、マンノース、ガラクトース、イドース、プシコース、フルクトース、ソルボース、タガトースなどの六炭糖が好ましく、とりわけグルコースが好ましい。
前記アルキル基の炭素原子数は1〜12であり、好ましくは、1又は2であり、特に好ましくは1である。
メチル α−D−グルコピラノシド、メチル β−D−グルコピラノシド、エチル α−D−グルコピラノシド、エチル β−D−グルコピラノシド、n-プロピル α−D−グルコピラノシド、n-プロピル β−D−グルコピラノシド、n-ブチル α−D−グルコピラノシド、n-ブチル β−D−グルコピラノシド、n-ペンチル α−D−グルコピラノシド、n-ペンチル β−D−グルコピラノシド、n-ヘキシル α−D−グルコピラノシド、n-ヘキシル β−D−グルコピラノシド、n-ヘプチル α−D−グルコピラノシド、n-ヘプチル β−D−グルコピラノシド、n-オクチル α−D−グルコピラノシド、n-オクチル β−D−グルコピラノシド、n-ノニル α−D−グルコピラノシド、n-ノニル β−D−グルコピラノシド、n-デシル α−D−グルコピラノシド、n-デシ
ル β−D−グルコピラノシド、n-ウンデシル α−D−グルコピラノシド、n-ウンデシル β−D−グルコピラノシド、n-ドデシル α−D−グルコピラノシド、n-ドデシル β−D−グルコピラノシド等があげられる。
本発明で用いられる樹脂組成物は、有機繊維(G)を含有していてもよい。有機繊維(G)としては、例えば、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、ポリウレタン繊維、ポリイミド繊維、ポリオレフィン繊維、ポリアクリロニトリル繊維、ケナフ等の植物繊維が挙げられる。中でも熱可塑性樹脂(A)がポリオレフィンであるときに含有していることが好ましく、ポリエステル繊維を用いることが好ましい。
本発明において、有機繊維(G)は好ましくは、上記熱可塑性樹脂(A)や、不飽和カルボン酸又はその誘導体で変性された変性ポリオレフィン、エラストマーのような樹脂を混合させた有機繊維含有樹脂組成物として用いられる。有機繊維含有樹脂組成物の製造方法として、特開2006−8995号公報や特開平3−121146号公報に記載された方法が挙げられる。
有機繊維含有樹脂組成物中の有機繊維(G)の含有量は10質量%〜60質量%であることが好ましい。有機繊維含有樹脂組成物を、本発明に係る熱可塑性樹脂又は変性ポリオレフィンを使用して製造する場合、それらの使用量は、本発明に係る熱可塑性樹脂の含有量(40質量%〜65質量%)に算入される。
本発明における樹脂組成物中の、任意成分としての有機繊維(G)の含有量は、熱可塑性樹脂(A)と炭素繊維(B)と黒鉛粒子(C)の合計を100質量部として、3質量部〜10質量部であることが好ましく、3質量部〜5質量部であることがより好ましい。
本発明で用いられる樹脂組成物は、下記のような改質剤を含有していてもよい。改質剤としては、熱可塑性樹脂(A)と無機成分との結合を強めるために一般的に用いられる、不飽和カルボン酸又はその誘導体で変性された変性ポリオレフィンが挙げられる。その他にもガラス繊維、タルク、ワラストナイト、ガラスフレーク等が挙げられる。また、樹脂組成物の加工特性、機械特性、電気的特性、熱的特性、表面特性及び光安定性を改良するため、前記(D)、(E)、(F)、(G)以外の添加剤を配合してもよい。このような添加剤の例としては、中和剤、可塑剤、滑剤、離型剤、付着防止剤、造核剤、光安定剤、難燃材、顔料、染料等が挙げられる。
樹脂組成物の製造方法は限定されるものではないが、熱可塑性樹脂(A)、炭素繊維(B)、黒鉛粒子(C)、吸着剤(D)、酸化防止剤(E)及び必要に応じて用いられる化合物(F)、有機繊維(G)、改質剤等をヘンシェルミキサー、タンブラー等を用いて均一に混合した後、可塑化装置を用いて溶融混練する方法が挙げられる。溶融混練に当たっては、炭素繊維(B)が折れて短くなりすぎることを抑制するために、可塑化装置の温度、攪拌を適宜調整することが好ましい。
特に、有機繊維を加える際には、例えば、特開2006−8995号公報に開示されている方法のように予め有機繊維を含有する樹脂組成物を作製し、その樹脂組成物と、熱可塑性樹脂、炭素繊維、変性ポリオレフィン、及び必要に応じて用いられる改質剤をヘンシェルミキサー、タンブラー等を用いて均一に混合した後、可塑化装置を用いて溶融混練してもよい。
本発明に係る放熱部品は、上記の樹脂組成物を成形して得られる。成形方法は特に限定されるものではなく、押出成形、射出成形、圧縮成形、ブロー成形等の方法を用いて成形することが可能である。
放熱部品としては、照明器具用部品が挙げられる。照明器具用部品としては、ヒートシンクやシーリングカバーやシェードが挙げられる。
また、放熱部品として、電子機器などの半導体冷却用ヒートシンク、産業機器・装置等の大型電源用ヒートシンクなどが挙げられる。
(1)樹脂組成物
樹脂組成物には、以下の成分を使用した。
熱可塑性樹脂(A):
(A−1):プロピレンを単独重合した後にエチレンとプロピレンをランダム共重合して得られるプロピレン−エチレンブロック共重合体(メルトフローレート(MFR):5g/10分、プロピレン単独重合体部分のアイソタクチック・ペンタッド分率=0.98、プロピレン−エチレンブロック共重合体中のプロピレン−エチレンランダム共重合体部分の量=12質量%)。
(A−2):プロピレン単独重合体(MFR:50g/10分、アイソタクチック・ペンタッド分率=0.98)。
X=1−(ΔHf)T/(ΔHf)P
(ΔHf)T:ブロック共重合体全体の融解熱量(cal/g)
(ΔHf)P:プロピレン単独重合体部分の融解熱量(cal/g)
三菱樹脂製 登録商標 ダイアリードK223HE 数平均繊維長6mm、直径11μm、熱伝導率550W/mK
黒鉛粒子(C):
日本黒鉛工業製 登録商標CB−150 固定炭素量>98%、平均粒径40μm
吸着剤(D):
(D−1):水酸化カルシウム 鈴木工業株式会社製、商品名「カルテックLT」 平均粒径1.5μm
(D−2):ハイドロタルサイト 協和化学工業製、商品名「DHT−4C」
熱可塑性樹脂(A)と炭素繊維(B)と黒鉛粒子(C)の総和100質量部に対して、表1に示した量で下記の添加剤を加えた。
(E−1):商品名スミライザーGP(住友化学(株)製)
化学名:2,4,8,10−テトラ−tert−ブチル−6−[3−(3−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)プロポキシ]ジベンゾ[d,f][1,3,2]ジオキサホスフェピン
(E−2)商品名イルガノックス1010(GEスペシャリティケミカルズ製)
化学名:テトラキス[メチレン−3(3´,5´−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン
(E−3):商品名スミライザーGM(住友化学(株)製)
化学名:2−tert−ブチル−6−(3−tert−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート
(E−4):商品名スミライザーGS(住友化学(株)製)
化学名:2−[1−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ペンチルフェニル)エチル]−4,6−ジ−tert−ペンチルフェニルアクリレート
D−(+)−トレハロース二水和物(東京化成工業(株)製)
熱可塑性樹脂(A)と炭素繊維(B)と黒鉛粒子(C)の総和100質量部に対して、表1に示した量の無水マレイン酸変性ポリプロピレン(メルトフローレート=70g/10分、無水マレイン酸グラフト量=0.6質量%)を用いた。
上記無水マレイン酸変性ポリプロピレンは、特開2004−197068号公報の実施例1に記載された方法に従って作製した。なお、不飽和カルボン酸及び/又は不飽和カルボン酸誘導体に由来する単量体単位の含有量は、赤外吸収スペクトル又はNMRスペクトルによって、不飽和カルボン酸及び/又は不飽和カルボン酸誘導体に基づく吸収を定量して算出した値を用いた。
実施例及び比較例で作成した成形体の評価項目及びその測定方法は下記の通りである。
(1)耐フォギング性
耐フォギング性は、実施例及び比較例で製造した試験片(厚み4mm)を用い、フォギング試験後のガラスの表面状態に基づいて評価した。
フォギング試験は、ISO6452の規定に準じ、設定温度を140℃、ガラスの冷却温度を25℃として、20時間加熱する方法で行った。20時間加熱後のガラス表面を目視にて観察した。
試料の製造に用いられる樹脂組成物のメルトフローレートは、JIS K7210に規定された方法に従って測定した。測定温度は230℃で、荷重は2.16kg荷重で測定した。
(3)比重
試料の比重はA.S.T.M D792に従って、測定した。
成形体の熱伝導率はレーザーフラッシュ法を用いて測定した。
実施例及び比較例で製造した試験片(80mm×10mm×厚み4mm)を3枚重ねて接着して、厚さ12mmの積層体を得た。この積層体の略中央部分を2箇所、接着面に対して垂直な方向から切断し、各切断面を研磨して10mm×12mm×厚さ1mmの試験片を作成した。
この試験片を用いて、レーザーフラッシュ法熱定数測定装置(アルバック理工株式会社製 TC−7000)により成形体面内方向(接着面に対して垂直な方向)の熱伝導率を求めた。
実施例及び比較例で製造した試験片(厚み4mm)を用い、JIS K7171に規定された方法に従い、スパン長さ100mm、幅10mm、荷重速度2.0mm/min、23℃で評価した。
(6)アイゾット衝撃強度(Izod、単位:kJ/m2)
実施例及び比較例で製造した試験片(厚み4mm)を用い、JIS K7110に規定された方法に従い、成形後にノッチ加工し、ノッチ付き衝撃強度を評価した。測定温度は23℃で行った。
下記表1に示される割合で、各成分をポリ袋に入れて強く振って均一に混合した後、田辺プラスチックス機械製20mm単軸押出機VS20−26を用い、シリンダ温度240℃で溶融混練した後、約3mmのペレット状に裁断して樹脂組成物を製造した。
実施例1で用いた酸化防止剤(E)を表1に示すように代えた以外は、実施例1と同様の手順で試験片を得、物性を評価した。この試験片の物性の評価結果を表2に示す。
熱可塑性樹脂(A−1)を(A−2)に代え、吸着剤を(D−2)に代え、更に改質材を添加し、各成分を表1に記載の添加量で、実施例1と同様の手順で試験片を得、物性を評価した。この試験片の物性の評価結果を表2に示す。
実施例2で用いた吸着剤(D)の配合量を表1に示すように代えた以外は、実施例2と同様の手順で試験片を得、物性を評価した。この試験片の物性の評価結果を表2に示す。
実施例2で用いた吸着剤(D)の配合量と酸化防止剤(E)の配合量と化合物(F)の配合量を表1に示すように代えた以外は、実施例2と同様の手順で試験片を得、物性を評価した。この試験片の物性の評価結果を表2に示す。
Claims (4)
- 熱可塑性樹脂(A)40質量%〜65質量%と、炭素繊維(B)5質量%〜10質量%と、黒鉛粒子(C)30質量%〜50質量%とを含有し(但し、(A)、(B)及び(C)の合計を100質量%とする)、
前記(A)、(B)及び(C)のそれぞれの質量の合計量を100質量部として、当該100質量部に対し、
水酸化カルシウム、ゼオライト及びハイドロタルサイトからなる群から選ばれる少なくとも1種の吸着剤(D)0.05質量部を超え1質量部以下と、
酸化防止剤(E)0.05質量部以上1質量部以下と、
下記化合物群Sから選ばれる少なくとも1種の化合物(F)0.01質量部以上1質量部以下とを含有する樹脂組成物。
化合物群S:一般式CnHn+2(OH)nで表される化合物(式中、nは4以上の整数を表す。)、下記アルコキシ体、下記式(2)で表される化合物、トレハロース、スクロース、ラクトース、マルトース、メレチトース、スタキオース、カードラン、グリコーゲン、グルコース及びフルクトースからなる化合物群。
アルコキシ体:下記式(1)で表される化合物に含まれる水酸基のうちの少なくとも1個の水酸基の水素原子が炭素原子数1〜12のアルキル基に置換された化合物であり、該式(1)で表される化合物は、アルデヒド基又はケトン基1個とm−1個の水酸基とを含有する。
CmH2mOm (1)
(式中、mは3以上の整数を表す。)
(2)
(式中、pは2以上の整数を表す。) - 前記熱可塑性樹脂(A)のメルトフローレートが、0.5g/10分〜30g/10分である請求項1に記載の樹脂組成物。
- 前記黒鉛粒子(C)の平均粒子径が、12μmを超え50μm以下である請求項1又は2に記載の樹脂組成物。
- 請求項1から3いずれかに記載の樹脂組成物からなる放熱部品。
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