JP2004238516A - 射出成形用塩化ビニル系樹脂組成物及びそれを用いた成形体 - Google Patents
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Abstract
【課題】無毒で、熱安定性、耐熱性及び成形性に優れた射出成形用塩化ビニル系樹脂組成物及びそれを用いた成形体を提供すること。
【解決手段】下記(a)、(b)、(c)、(d)成分を含有する射出成形用塩化ビニル系樹脂組成物。
(a)平均重合度400〜1,000の塩化ビニル系樹脂100重量部、(b)Ca−Zn系熱安定剤0.5〜5重量部、(c)融点が100℃以上であるペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール及びそれらの脂肪酸エステルの1種以上0.3〜3重量部、(d)β−ジケトン化合物0.1〜1重量部。
【選択図】 なし
【解決手段】下記(a)、(b)、(c)、(d)成分を含有する射出成形用塩化ビニル系樹脂組成物。
(a)平均重合度400〜1,000の塩化ビニル系樹脂100重量部、(b)Ca−Zn系熱安定剤0.5〜5重量部、(c)融点が100℃以上であるペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール及びそれらの脂肪酸エステルの1種以上0.3〜3重量部、(d)β−ジケトン化合物0.1〜1重量部。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は無毒で、熱安定性、耐熱性及び成形性に優れた射出成形用塩化ビニル(以下、塩化ビニルと略すこともある)系樹脂組成物及びそれを用いた成形体に関する。
【0002】
【従来の技術】
塩化ビニル樹脂は成形性に優れ、且つ、その成形品が難燃性、耐候性に優れているため、パイプ、継手、窓枠等の硬質建材用に使用されている。塩化ビニル樹脂の熱分解による脱塩酸を防止するため、成形時には熱安定剤の添加が不可欠であり、成形品の用途により、Pb系、Ba−Zn系、Ca−Zn系及びSn系熱安定剤が使い分けられている。中でも、Pb系熱安定剤は、熱安定性が良好で、金属面との間の滑性付与剤、いわゆる外滑剤的な役割を示すために、幅広く使用されてきた。しかし、近年、安全性の問題から使用が制限されており、例えば、水道用パイプ、継手等への用途では、水道水中への重金属の溶出量規制の関係で、Pb系熱安定剤が使用出来なくなり、より低毒性のSn系もしくはCa−Zn系の熱安定剤が使われている。また最近は、塩化ビニル製窓枠等の屋外建材でも、鉛系熱安定剤の不使用が進んでおり、無毒のCa−Zn系の熱安定剤が使われ始めている。
Ca−Zn系熱安定剤の主成分は、カルシウム有機酸塩及び亜鉛有機酸塩であるが、これだけでは熱安定性が不十分であるため、無機化合物、有機リン化合物、エポキシ化合物、多価アルコール化合物、β−ジケトン化合物等の安定化助剤との併用が提案されている。しかし、これら安定化助剤の中で、有機リン化合物や多価アルコール類は、液体もしくは粉体であって、融点が低いものが多く、成形品の耐熱性を損なう危険性が有り、大量に添加することは避けるべきである。
一方、熱安定性に優れ、融点が高く、しかも比較的安価であることから、無機化合物のハイドロタルサイト類[例えば、Mg4.5Al2(OH)13CO3・3H2O等]がCa−Zn系無毒熱安定剤と併用して、主にパイプ、窓枠等の押出成形で、幅広く用いられている。しかし、ハイドロタルサイトは結晶の隙間に層間水を有しており、この層間水(又は結晶水)は加熱により180℃付近から脱離を始めることが知られている。押出成形に代表される樹脂温度が160〜180℃程度の成形条件では、成形時の熱安定性の問題は発生しないが、射出成形のように樹脂温度が200℃以上の高温で成形する場合には、この無機系熱安定剤に特有の結晶水が原因となり、成形時に発泡現象が起こり、成形品の外観を損なう場合があった。
一方、加熱処理することにより、結晶水を分離したタイプの無水ハイドロタルサイトの使用も提案されているが、これは長時間放置すれば、雰囲気中の水分を吸収するため、保管に注意を払う必要があった。また、カルシウム化合物、亜鉛化合物、マグネシウム化合物及び多価アルコール化合物の組み合わせを用いる例がある(例えば、特許文献1参照。)が、成形時の樹脂温度が高くなる射出成形、特に大型の射出成形機で、満足のいく塩化ビニル系樹脂組成物及びその成形体は得られていない。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−344983号公報(記載は請求項はじめ明細書全体にわたる)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従がって、本発明の課題は、無毒で、熱安定性、耐熱性及び成形性に優れた射出成形用塩化ビニル系樹脂組成物及びそれを用いた成形体を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、本発明を完成した。即ち、本発明は請求項1に記載のように、下記(a)、(b)、(c)、(d)成分を含有することを特徴とする射出成形用塩化ビニル系樹脂組成物である。
(a)平均重合度400〜1,000の塩化ビニル系樹脂100重量部、(b)Ca−Zn系無毒熱安定剤0.5〜5重量部、(c)融点が100℃以上であるペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール及びそれらの脂肪酸エステル中の1種以上0.3〜3重量部、(d)β−ジケトン化合物0.1〜1重量部。
また、請求項2に記載のように、(b)Ca−Zn系熱安定剤中に二塩基性ステアリン酸亜鉛及び/またはオクチル酸亜鉛を含むことを特徴とする請求項1に記載の射出成形用塩化ビニル系樹脂組成物である。更に、(e)成分として加工助剤及び/または耐衝撃性改良剤を3〜15重量部含有することを特徴とする請求項1または2に記載の射出成形用塩化ビニル系樹脂組成物である。また、請求項1乃至3の何れか1項に記載の射出成形用塩化ビニル系樹脂組成物を用い、射出成形により成形された成形体である。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下本発明を詳細に説明する。
本発明における(a)成分として使用される塩化ビニル系樹脂は、塩化ビニル単独重合体、塩化ビニル及び塩化ビニルと共重合可能な単量体との塩化ビニルを50重量%以上含有する塩化ビニル系共重合体である。このような塩化ビニルと共重合可能な単量体としては、例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル;アクリル酸、メタクリル酸;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル等のアクリル酸エステル;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル等のメタクリル酸エステル;エチレン、プロピレン等のオレフィン;アクリロニトリル;スチレン;塩化ビニリデン等が挙げられる。
【0007】
本発明における(a)成分の塩化ビニル系樹脂の平均重合度は400〜1,000の範囲であることが必要であり、好ましくは平均重合度500〜800である。
平均重合度が400未満では、射出成形で得られる成形品の衝撃強度、引張り強度、伸び等の物性に劣り、また平均重合度が1,000を超えると射出成形時における塩化ビニル系樹脂の溶融粘度が高くなり、射出抵抗が大きすぎるため未充填の成形物となる。この問題の解決策として、溶融粘度を低下させるために、成形機の設定温度を上昇させると、塩化ビニル系樹脂の分解を起こし、いわゆる、シルバーが発生して良好な成形物が得られず、好ましくない。
【0008】
本発明における(b)成分のCa−Zn系熱安定剤は、金属石鹸に代表されるカルシウム及び亜鉛の有機酸塩、もしくは、両者の塩基性硫酸塩、塩基性亜リン酸塩等の無機酸塩の組み合わせが用いられる。特に有機酸としては、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、オクタン酸、ラウリン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、オクチル酸、安息香酸等の脂肪酸が用いられる。また、耐熱性の向上などの目的に応じて、マグネシウム、ナトリウムの有機酸塩をカルシウム塩と併用することができる。熱安定剤の構成成分のうち、カルシウム塩は後期熱安定性の向上に効果が有り、添加数量を増やしていくと、長期熱安定性(黒化時間)は良好となるが、初期の赤色変色を防ぐために、亜鉛塩との併用が必要である。亜鉛塩は初期熱安定性の役割を担っているが、使用量が多すぎると、いわゆる、亜鉛ヤケ(ジンクバーニング)を発生するため、添加量に注意が必要である。使用する添加剤中の金属含有量により異なるが、実験的にはカルシウム塩/亜鉛塩の添加割合は、2/1〜1/2の範囲が好ましい。亜鉛塩としては二塩基性ステアリン酸亜鉛及びオクチル酸亜鉛が好適である。
【0009】
本発明における(b)成分のCa−Zn系熱安定剤は、(a)成分の塩化ビニル系重合体100重量部に対して0.5〜5重量部の範囲とすることが必要である。これが0.5重量部未満では射出成形中の樹脂の分解、劣化を防ぐことができず、また5重量部を超えて添加しても、熱安定性がそれ以上改善されることはなく、コストアップに繋がるので好ましくない。
【0010】
本発明における(c)成分のペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール及びそれらの脂肪酸エステル中の1種以上は、融点が100℃以上であることが必要がある。その理由は、塩化ビニル樹脂組成物のガラス転移温度は約80〜90℃であり、融点がこのガラス転移温度以下、もしくはこの付近である添加剤は、耐熱性を低下させるため、好ましくなく、100℃以上の融点であることが必要であることにある。(c)成分の例示としては、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール及びそれらのアジピン酸エステルが挙げられる。
(c)成分の添加量は、(a)成分の塩化ビニル系重合体100重量部に対して、0.3〜3重量部の範囲とすることが必要である。これが0.3重量部未満では長期熱安定性向上効果、亜鉛ヤケ防止効果が不十分であるから好ましくない。また、3重量部を超えると、熱安定性改善効果は見られるが、射出成形時に、金属との滑性が大きくなり、スクリューへのコンパウンド食込みが、著しく悪化するという問題が有り、また、3重量部を超えて添加しても、効果は変わらず、かえって組成物のコストアップとなるため好ましくない。(c)成分の添加量は、好ましくは、0.5〜2重量部である。
【0011】
本発明における(d)成分のβ−ジケトン化合物としては、ジベンゾイルメタン、ジステアロイルメタン、アセチルベンゾイルメタン、ステアロイルベンゾイルメタン、パルミトイルベンゾイルメタン及びそれらのカルシウム、亜鉛、マグネシウム塩等が例示される。(d)成分の添加量は、0.1〜1重量部とする必要がある。添加量が0.1重量部未満では、初期着色の改善効果が小さく、また、1重量部を超えて、過剰に添加しても、それ以上に効果が向上しないばかりか、本発明の射出成形用塩化ビニル系樹脂組成物のコストアップとなるため好ましくない。
【0012】
次ぎに、本発明における(e)成分の加工助剤及び/または耐衝撃性改良剤について説明する。
一般に、Ca−Zn系熱安定剤は滑性が高く良好な混練性、分散性が得られない傾向にある。また、大型成形機のように高い熱安定性が要求される場合、(c)成分の添加量を増加することが効果的であるが、そうすると、前記のように金属との滑性が大きくなり、成形性に問題がでる。この様な場合は、(e)成分の加工助剤及び/または耐衝撃性改良剤を添加し、溶融粘度を高めることにより、成形性及び成形品の外観が向上する。また、当然、耐衝撃性改良剤の添加により、成形品の耐衝撃性も向上する。
(e)成分のうち、加工助剤は成形品の物性を低下させることなく、加工性を改善するもので、一般的に高分子量のアクリル系樹脂が使用される。
(e)成分のうち、耐衝撃性改良剤は、本来耐衝撃性を向上させるために添加するゴム状物を含む樹脂であるが、成形時の溶融粘度を高める効果もある。耐衝撃性改良剤としては、アクリロニトリル―ブタジエン―スチレン共重合体(ABS樹脂)、メタクリル酸メチル―ブタジエン―スチレン共重合体(MBS樹脂)、塩素化ポリエチレン等を用いることができる。加工助剤及び/または耐衝撃性改良剤の添加量が少ない場合は増粘効果が低く、また添加量が多すぎると粘度が高くなり過ぎ、樹脂焼けが発生し、成形が困難となるので、3〜15重量部の範囲が必要であり、好ましくは3〜10重量部である。
【0013】
本発明の射出成形用塩化ビニル系樹脂組成物には、前記各成分に加え、必要に応じて酸化チタン、マイカ、アルミナ、ベントナイト、けいそう土等を添加してもよい。また、本発明の射出成形用塩化ビニル系樹脂組成物に、その耐熱性、熱安定性、成形性等の特性の程度を低下させない範囲で、安定化助剤、滑剤、難燃剤、着色剤、紫外線吸収剤、抗酸化剤などの添加剤を加えることもできる。
【0014】
【実施例】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
【0015】
本実施例中で使用した各種配合剤の出所及び内容は以下の通りである。なお、表1、2の各配合剤欄の数字は重量部である。
(a)成分:塩化ビニル樹脂
A−1:TK−500(信越化学工業社製商品名、平均重合度500)、
A−2:TK−800(信越化学工業社製商品名、平均重合度800)、
A−3:TK−1,300(信越化学工業社製商品名、平均重合度1,300)。
(b)成分:熱安定剤
B−1:ステアリン酸カルシウム;Ca−St(日本油脂社製商品名)、
B−2:二塩基性ステアリン酸亜鉛;DBZ(日東化成工業社製商品名)、
B−3:オクチル酸亜鉛;Z−08(日東化成工業社製商品名)、
B−4:オクチル酸錫メルカプト;ONZ−82F(三共有機合成社製商品名、金属錫含有量23重量%)。
(d)成分:β−ジケトン化合物
D−1:ジベンゾイルメタン;DBM(日東化成工業社製商品名)
D−2:ステアロイルベンゾイルメタン;SBM(日東化成工業社製商品名)
(e)成分:加工助剤、耐衝撃性改良剤
E−1:アクリル系樹脂;P−530A(三菱レイヨン社製商品名)
E−2:MBS樹脂;C−223S(三菱レイヨン社製商品名)
その他の成分:
・ステアリン酸モノグリセライド;S−100(理研ビタミン社製商品名)
・エステルワックス;SL−800(理研ビタミン社製商品名)
・顔料;酸化チタン/カーボンブラックの99/1配合物。
【0016】
(射出成形用コンパウンドの製造)
(実施例及び比較例用)
表1及び表2に示した各配合剤を、容量300Lのスーパーミキサーに投入、配合し、ミキサー内の樹脂温度が120℃に達した時点で、容量500Lのクーリングミキサーに排出し、得られたコンパウンドを50℃まで冷却した。
一方、50mm単軸押出機(スクリュー:L/D=23,C.R=2.0)を準備し、その出口側に、ペレットダイス(ペレット径3mmφ)及びペレタイザーを順次取り付け、ストランドカットによりペレットを作製した。
押出条件:
(シリンダー設定温度)
C1:90℃、C2:110℃、C3:130℃、C4:150℃、D1:160℃、D2:165℃。
(スクリュ−回転数) 25rpm
【0017】
成形性評価試験
前記方法で得られたペレットを射出成形機(東芝機械社製、IS150E)に供給し、バレル温度160〜190℃、射出圧力120kg/cm2、金型温度30℃の条件で射出成形し、2インチ継手(T字型)を成形し、その成形品の外観(形状、表面性、ヤケ状態)を評価した。以下に、表1、2に記載した評価の内容、評価用語及び評価基準を示した。
評価用語
ショートショット:金型に樹脂が満たされず、完全な形状の成形品とならない。
フローマーク:成形品の表面に縞状のスジが発生する。
評価基準
○:形状、表面性がともに良好でヤケ状態がない。
×:形状、表面性のうちの少なくとも1つに何らかの問題があるか、またはヤケ状態であるか、発泡現象が観察される。
【0018】
熱安定性評価試験
50mm単軸押出機で製造したペレット150gを6インチロールを使用し、170℃で、5分間混練し、厚さ0.8mmのシートを作製し、シートの色調を確認した。また、このシートから25mm角の試験片を数枚切り出し、200℃に加熱されたギアオーブン中に入れ、シートの変色状況及び黒化するまでの時間を測定した。
ビカット軟化温度測定(変形温度測定)
射出成形で作製した成形品からフライス加工により、長さ20mm、幅10mmの弧状試験片を切り出し、JIS K−7206のB−50法に準じて、ビカット軟化点を測定した。
【0019】
【表1】
【0020】
【表2】
【0021】
(実施例の総括)
(実施例1〜8)
本発明の要件を満たす実施例1〜8の樹脂組成物を原料とする射出成形品及びシートについての熱安定性、ビカット軟化温度(熱変形性)及び射出成形性試験の結果は、表1から読み取れるように何れも良好であった。
(比較例1〜8)
それに対して、本発明の要件(c)、(d)成分が欠けている比較例1;要件(d)成分が欠けている比較例2;要件(c)成分が欠けている比較例3;要件(a)成分が欠けている比較例4;要件(d)成分が欠けている比較例5;要件(d)及び(e)成分が欠けている比較例6;要件(d)成分が欠けている比較例7のそれぞれの樹脂組成物を原料とする射出成形品及びシートについての熱安定性及び射出成形性試験の結果は、表2に記載のように、実施例1〜8の結果(表1)に比較して劣っていた。但し、ビカット軟化温度(熱変形性)については、比較例3、8以外は実施例のそれに比較して遜色なかった。本発明の要件(b)、(c)、(d)成分が欠けている樹脂組成物を原料とする比較例8は熱安定性、ビカット軟化温度(熱変形性)の結果は実施例1〜8の結果に比較して劣っていたが、射出成形性は良好であった。
以上の結果から、本発明の射出成形用塩化ビニル系樹脂組成物は成形性に優れ、その射出成形品が熱安定性、耐熱性及び表面性(外観)に優れたものであることが実証された。
【0022】
【発明の効果】
本発明により、無毒で、熱安定性、耐熱性及び成形性に優れた射出成形用塩化ビニル系樹脂組成物及びそれを用いた成形体が得られる。
【発明の属する技術分野】
本発明は無毒で、熱安定性、耐熱性及び成形性に優れた射出成形用塩化ビニル(以下、塩化ビニルと略すこともある)系樹脂組成物及びそれを用いた成形体に関する。
【0002】
【従来の技術】
塩化ビニル樹脂は成形性に優れ、且つ、その成形品が難燃性、耐候性に優れているため、パイプ、継手、窓枠等の硬質建材用に使用されている。塩化ビニル樹脂の熱分解による脱塩酸を防止するため、成形時には熱安定剤の添加が不可欠であり、成形品の用途により、Pb系、Ba−Zn系、Ca−Zn系及びSn系熱安定剤が使い分けられている。中でも、Pb系熱安定剤は、熱安定性が良好で、金属面との間の滑性付与剤、いわゆる外滑剤的な役割を示すために、幅広く使用されてきた。しかし、近年、安全性の問題から使用が制限されており、例えば、水道用パイプ、継手等への用途では、水道水中への重金属の溶出量規制の関係で、Pb系熱安定剤が使用出来なくなり、より低毒性のSn系もしくはCa−Zn系の熱安定剤が使われている。また最近は、塩化ビニル製窓枠等の屋外建材でも、鉛系熱安定剤の不使用が進んでおり、無毒のCa−Zn系の熱安定剤が使われ始めている。
Ca−Zn系熱安定剤の主成分は、カルシウム有機酸塩及び亜鉛有機酸塩であるが、これだけでは熱安定性が不十分であるため、無機化合物、有機リン化合物、エポキシ化合物、多価アルコール化合物、β−ジケトン化合物等の安定化助剤との併用が提案されている。しかし、これら安定化助剤の中で、有機リン化合物や多価アルコール類は、液体もしくは粉体であって、融点が低いものが多く、成形品の耐熱性を損なう危険性が有り、大量に添加することは避けるべきである。
一方、熱安定性に優れ、融点が高く、しかも比較的安価であることから、無機化合物のハイドロタルサイト類[例えば、Mg4.5Al2(OH)13CO3・3H2O等]がCa−Zn系無毒熱安定剤と併用して、主にパイプ、窓枠等の押出成形で、幅広く用いられている。しかし、ハイドロタルサイトは結晶の隙間に層間水を有しており、この層間水(又は結晶水)は加熱により180℃付近から脱離を始めることが知られている。押出成形に代表される樹脂温度が160〜180℃程度の成形条件では、成形時の熱安定性の問題は発生しないが、射出成形のように樹脂温度が200℃以上の高温で成形する場合には、この無機系熱安定剤に特有の結晶水が原因となり、成形時に発泡現象が起こり、成形品の外観を損なう場合があった。
一方、加熱処理することにより、結晶水を分離したタイプの無水ハイドロタルサイトの使用も提案されているが、これは長時間放置すれば、雰囲気中の水分を吸収するため、保管に注意を払う必要があった。また、カルシウム化合物、亜鉛化合物、マグネシウム化合物及び多価アルコール化合物の組み合わせを用いる例がある(例えば、特許文献1参照。)が、成形時の樹脂温度が高くなる射出成形、特に大型の射出成形機で、満足のいく塩化ビニル系樹脂組成物及びその成形体は得られていない。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−344983号公報(記載は請求項はじめ明細書全体にわたる)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従がって、本発明の課題は、無毒で、熱安定性、耐熱性及び成形性に優れた射出成形用塩化ビニル系樹脂組成物及びそれを用いた成形体を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、本発明を完成した。即ち、本発明は請求項1に記載のように、下記(a)、(b)、(c)、(d)成分を含有することを特徴とする射出成形用塩化ビニル系樹脂組成物である。
(a)平均重合度400〜1,000の塩化ビニル系樹脂100重量部、(b)Ca−Zn系無毒熱安定剤0.5〜5重量部、(c)融点が100℃以上であるペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール及びそれらの脂肪酸エステル中の1種以上0.3〜3重量部、(d)β−ジケトン化合物0.1〜1重量部。
また、請求項2に記載のように、(b)Ca−Zn系熱安定剤中に二塩基性ステアリン酸亜鉛及び/またはオクチル酸亜鉛を含むことを特徴とする請求項1に記載の射出成形用塩化ビニル系樹脂組成物である。更に、(e)成分として加工助剤及び/または耐衝撃性改良剤を3〜15重量部含有することを特徴とする請求項1または2に記載の射出成形用塩化ビニル系樹脂組成物である。また、請求項1乃至3の何れか1項に記載の射出成形用塩化ビニル系樹脂組成物を用い、射出成形により成形された成形体である。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下本発明を詳細に説明する。
本発明における(a)成分として使用される塩化ビニル系樹脂は、塩化ビニル単独重合体、塩化ビニル及び塩化ビニルと共重合可能な単量体との塩化ビニルを50重量%以上含有する塩化ビニル系共重合体である。このような塩化ビニルと共重合可能な単量体としては、例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル;アクリル酸、メタクリル酸;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル等のアクリル酸エステル;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル等のメタクリル酸エステル;エチレン、プロピレン等のオレフィン;アクリロニトリル;スチレン;塩化ビニリデン等が挙げられる。
【0007】
本発明における(a)成分の塩化ビニル系樹脂の平均重合度は400〜1,000の範囲であることが必要であり、好ましくは平均重合度500〜800である。
平均重合度が400未満では、射出成形で得られる成形品の衝撃強度、引張り強度、伸び等の物性に劣り、また平均重合度が1,000を超えると射出成形時における塩化ビニル系樹脂の溶融粘度が高くなり、射出抵抗が大きすぎるため未充填の成形物となる。この問題の解決策として、溶融粘度を低下させるために、成形機の設定温度を上昇させると、塩化ビニル系樹脂の分解を起こし、いわゆる、シルバーが発生して良好な成形物が得られず、好ましくない。
【0008】
本発明における(b)成分のCa−Zn系熱安定剤は、金属石鹸に代表されるカルシウム及び亜鉛の有機酸塩、もしくは、両者の塩基性硫酸塩、塩基性亜リン酸塩等の無機酸塩の組み合わせが用いられる。特に有機酸としては、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、オクタン酸、ラウリン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、オクチル酸、安息香酸等の脂肪酸が用いられる。また、耐熱性の向上などの目的に応じて、マグネシウム、ナトリウムの有機酸塩をカルシウム塩と併用することができる。熱安定剤の構成成分のうち、カルシウム塩は後期熱安定性の向上に効果が有り、添加数量を増やしていくと、長期熱安定性(黒化時間)は良好となるが、初期の赤色変色を防ぐために、亜鉛塩との併用が必要である。亜鉛塩は初期熱安定性の役割を担っているが、使用量が多すぎると、いわゆる、亜鉛ヤケ(ジンクバーニング)を発生するため、添加量に注意が必要である。使用する添加剤中の金属含有量により異なるが、実験的にはカルシウム塩/亜鉛塩の添加割合は、2/1〜1/2の範囲が好ましい。亜鉛塩としては二塩基性ステアリン酸亜鉛及びオクチル酸亜鉛が好適である。
【0009】
本発明における(b)成分のCa−Zn系熱安定剤は、(a)成分の塩化ビニル系重合体100重量部に対して0.5〜5重量部の範囲とすることが必要である。これが0.5重量部未満では射出成形中の樹脂の分解、劣化を防ぐことができず、また5重量部を超えて添加しても、熱安定性がそれ以上改善されることはなく、コストアップに繋がるので好ましくない。
【0010】
本発明における(c)成分のペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール及びそれらの脂肪酸エステル中の1種以上は、融点が100℃以上であることが必要がある。その理由は、塩化ビニル樹脂組成物のガラス転移温度は約80〜90℃であり、融点がこのガラス転移温度以下、もしくはこの付近である添加剤は、耐熱性を低下させるため、好ましくなく、100℃以上の融点であることが必要であることにある。(c)成分の例示としては、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール及びそれらのアジピン酸エステルが挙げられる。
(c)成分の添加量は、(a)成分の塩化ビニル系重合体100重量部に対して、0.3〜3重量部の範囲とすることが必要である。これが0.3重量部未満では長期熱安定性向上効果、亜鉛ヤケ防止効果が不十分であるから好ましくない。また、3重量部を超えると、熱安定性改善効果は見られるが、射出成形時に、金属との滑性が大きくなり、スクリューへのコンパウンド食込みが、著しく悪化するという問題が有り、また、3重量部を超えて添加しても、効果は変わらず、かえって組成物のコストアップとなるため好ましくない。(c)成分の添加量は、好ましくは、0.5〜2重量部である。
【0011】
本発明における(d)成分のβ−ジケトン化合物としては、ジベンゾイルメタン、ジステアロイルメタン、アセチルベンゾイルメタン、ステアロイルベンゾイルメタン、パルミトイルベンゾイルメタン及びそれらのカルシウム、亜鉛、マグネシウム塩等が例示される。(d)成分の添加量は、0.1〜1重量部とする必要がある。添加量が0.1重量部未満では、初期着色の改善効果が小さく、また、1重量部を超えて、過剰に添加しても、それ以上に効果が向上しないばかりか、本発明の射出成形用塩化ビニル系樹脂組成物のコストアップとなるため好ましくない。
【0012】
次ぎに、本発明における(e)成分の加工助剤及び/または耐衝撃性改良剤について説明する。
一般に、Ca−Zn系熱安定剤は滑性が高く良好な混練性、分散性が得られない傾向にある。また、大型成形機のように高い熱安定性が要求される場合、(c)成分の添加量を増加することが効果的であるが、そうすると、前記のように金属との滑性が大きくなり、成形性に問題がでる。この様な場合は、(e)成分の加工助剤及び/または耐衝撃性改良剤を添加し、溶融粘度を高めることにより、成形性及び成形品の外観が向上する。また、当然、耐衝撃性改良剤の添加により、成形品の耐衝撃性も向上する。
(e)成分のうち、加工助剤は成形品の物性を低下させることなく、加工性を改善するもので、一般的に高分子量のアクリル系樹脂が使用される。
(e)成分のうち、耐衝撃性改良剤は、本来耐衝撃性を向上させるために添加するゴム状物を含む樹脂であるが、成形時の溶融粘度を高める効果もある。耐衝撃性改良剤としては、アクリロニトリル―ブタジエン―スチレン共重合体(ABS樹脂)、メタクリル酸メチル―ブタジエン―スチレン共重合体(MBS樹脂)、塩素化ポリエチレン等を用いることができる。加工助剤及び/または耐衝撃性改良剤の添加量が少ない場合は増粘効果が低く、また添加量が多すぎると粘度が高くなり過ぎ、樹脂焼けが発生し、成形が困難となるので、3〜15重量部の範囲が必要であり、好ましくは3〜10重量部である。
【0013】
本発明の射出成形用塩化ビニル系樹脂組成物には、前記各成分に加え、必要に応じて酸化チタン、マイカ、アルミナ、ベントナイト、けいそう土等を添加してもよい。また、本発明の射出成形用塩化ビニル系樹脂組成物に、その耐熱性、熱安定性、成形性等の特性の程度を低下させない範囲で、安定化助剤、滑剤、難燃剤、着色剤、紫外線吸収剤、抗酸化剤などの添加剤を加えることもできる。
【0014】
【実施例】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
【0015】
本実施例中で使用した各種配合剤の出所及び内容は以下の通りである。なお、表1、2の各配合剤欄の数字は重量部である。
(a)成分:塩化ビニル樹脂
A−1:TK−500(信越化学工業社製商品名、平均重合度500)、
A−2:TK−800(信越化学工業社製商品名、平均重合度800)、
A−3:TK−1,300(信越化学工業社製商品名、平均重合度1,300)。
(b)成分:熱安定剤
B−1:ステアリン酸カルシウム;Ca−St(日本油脂社製商品名)、
B−2:二塩基性ステアリン酸亜鉛;DBZ(日東化成工業社製商品名)、
B−3:オクチル酸亜鉛;Z−08(日東化成工業社製商品名)、
B−4:オクチル酸錫メルカプト;ONZ−82F(三共有機合成社製商品名、金属錫含有量23重量%)。
(d)成分:β−ジケトン化合物
D−1:ジベンゾイルメタン;DBM(日東化成工業社製商品名)
D−2:ステアロイルベンゾイルメタン;SBM(日東化成工業社製商品名)
(e)成分:加工助剤、耐衝撃性改良剤
E−1:アクリル系樹脂;P−530A(三菱レイヨン社製商品名)
E−2:MBS樹脂;C−223S(三菱レイヨン社製商品名)
その他の成分:
・ステアリン酸モノグリセライド;S−100(理研ビタミン社製商品名)
・エステルワックス;SL−800(理研ビタミン社製商品名)
・顔料;酸化チタン/カーボンブラックの99/1配合物。
【0016】
(射出成形用コンパウンドの製造)
(実施例及び比較例用)
表1及び表2に示した各配合剤を、容量300Lのスーパーミキサーに投入、配合し、ミキサー内の樹脂温度が120℃に達した時点で、容量500Lのクーリングミキサーに排出し、得られたコンパウンドを50℃まで冷却した。
一方、50mm単軸押出機(スクリュー:L/D=23,C.R=2.0)を準備し、その出口側に、ペレットダイス(ペレット径3mmφ)及びペレタイザーを順次取り付け、ストランドカットによりペレットを作製した。
押出条件:
(シリンダー設定温度)
C1:90℃、C2:110℃、C3:130℃、C4:150℃、D1:160℃、D2:165℃。
(スクリュ−回転数) 25rpm
【0017】
成形性評価試験
前記方法で得られたペレットを射出成形機(東芝機械社製、IS150E)に供給し、バレル温度160〜190℃、射出圧力120kg/cm2、金型温度30℃の条件で射出成形し、2インチ継手(T字型)を成形し、その成形品の外観(形状、表面性、ヤケ状態)を評価した。以下に、表1、2に記載した評価の内容、評価用語及び評価基準を示した。
評価用語
ショートショット:金型に樹脂が満たされず、完全な形状の成形品とならない。
フローマーク:成形品の表面に縞状のスジが発生する。
評価基準
○:形状、表面性がともに良好でヤケ状態がない。
×:形状、表面性のうちの少なくとも1つに何らかの問題があるか、またはヤケ状態であるか、発泡現象が観察される。
【0018】
熱安定性評価試験
50mm単軸押出機で製造したペレット150gを6インチロールを使用し、170℃で、5分間混練し、厚さ0.8mmのシートを作製し、シートの色調を確認した。また、このシートから25mm角の試験片を数枚切り出し、200℃に加熱されたギアオーブン中に入れ、シートの変色状況及び黒化するまでの時間を測定した。
ビカット軟化温度測定(変形温度測定)
射出成形で作製した成形品からフライス加工により、長さ20mm、幅10mmの弧状試験片を切り出し、JIS K−7206のB−50法に準じて、ビカット軟化点を測定した。
【0019】
【表1】
【0020】
【表2】
【0021】
(実施例の総括)
(実施例1〜8)
本発明の要件を満たす実施例1〜8の樹脂組成物を原料とする射出成形品及びシートについての熱安定性、ビカット軟化温度(熱変形性)及び射出成形性試験の結果は、表1から読み取れるように何れも良好であった。
(比較例1〜8)
それに対して、本発明の要件(c)、(d)成分が欠けている比較例1;要件(d)成分が欠けている比較例2;要件(c)成分が欠けている比較例3;要件(a)成分が欠けている比較例4;要件(d)成分が欠けている比較例5;要件(d)及び(e)成分が欠けている比較例6;要件(d)成分が欠けている比較例7のそれぞれの樹脂組成物を原料とする射出成形品及びシートについての熱安定性及び射出成形性試験の結果は、表2に記載のように、実施例1〜8の結果(表1)に比較して劣っていた。但し、ビカット軟化温度(熱変形性)については、比較例3、8以外は実施例のそれに比較して遜色なかった。本発明の要件(b)、(c)、(d)成分が欠けている樹脂組成物を原料とする比較例8は熱安定性、ビカット軟化温度(熱変形性)の結果は実施例1〜8の結果に比較して劣っていたが、射出成形性は良好であった。
以上の結果から、本発明の射出成形用塩化ビニル系樹脂組成物は成形性に優れ、その射出成形品が熱安定性、耐熱性及び表面性(外観)に優れたものであることが実証された。
【0022】
【発明の効果】
本発明により、無毒で、熱安定性、耐熱性及び成形性に優れた射出成形用塩化ビニル系樹脂組成物及びそれを用いた成形体が得られる。
Claims (4)
- 下記(a)、(b)、(c)、(d)成分を含有することを特徴とする射出成形用塩化ビニル系樹脂組成物。
(a)平均重合度400〜1,000の塩化ビニル系樹脂100重量部、(b)Ca−Zn系熱安定剤0.5〜5重量部、(c)融点が100℃以上であるペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール及びそれらの脂肪酸エステル中の1種以上0.3〜3重量部、(d)β−ジケトン化合物0.1〜1重量部。 - (b)Ca−Zn系熱安定剤中に二塩基性ステアリン酸亜鉛及び/またはオクチル酸亜鉛を含むことを特徴とする請求項1に記載の射出成形用塩化ビニル系樹脂組成物。
- (e)加工助剤及び/または耐衝撃性改良剤を3〜15重量部含有することを特徴とする請求項1または2に記載の射出成形用塩化ビニル系樹脂組成物。
- 請求項1乃至3の何れか1項に記載の射出成形用塩化ビニル系樹脂組成物を用い、射出成形により成形された成形体。
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