JPH0517575A - ポリイミド - Google Patents

ポリイミド

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JPH0517575A
JPH0517575A JP16791591A JP16791591A JPH0517575A JP H0517575 A JPH0517575 A JP H0517575A JP 16791591 A JP16791591 A JP 16791591A JP 16791591 A JP16791591 A JP 16791591A JP H0517575 A JPH0517575 A JP H0517575A
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JP
Japan
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polyimide
bis
polyamic acid
group
formula
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Pending
Application number
JP16791591A
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English (en)
Inventor
Masahiro Ota
正博 太田
Akio Matsuyama
彰雄 松山
Eiji Segami
英治 瀬上
Fumiaki Kuwano
文昭 桑野
Osamu Yasui
治 安井
Tadashi Kobayashi
忠 小林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsui Toatsu Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Toatsu Chemicals Inc
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Publication date
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  • Macromolecular Compounds Obtained By Forming Nitrogen-Containing Linkages In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】下記式(1) 【化1】 〔式中、Xは直結、炭素数1ないし10の2価の鎖式炭
化水素基、六フッ素化されたイソプロピリデン基、カル
ボニル基、スルホニル基およびチオ基からなる群より選
ばれた基を表わし、イミド環の窒素原子の結合位置はエ
ーテル結合に対し、メタ位またはパラ位である。〕で表
される繰り返し単位を有するポリイミド。 【効果】ポリイミドが本来有する優れた耐熱性に加え、
加工性および耐熱接着性に優れ、しかも殆ど無色で著し
く光線透過率が高い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規なポリイミドに関す
る。さらに詳しくは、著しく光線透過率が高く、殆ど無
色透明で、しかも押出し成形、射出成形などが可能であ
り、さらにまた耐熱性接着剤としても優れたポリイミド
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来からテトラカルボン酸二無水物とジ
アミンとの反応によって得られるポリイミドは、その良
好な耐熱性に加え、優れた電気的または機械的物性を併
せ持っているために、電気または電子機器、宇宙航空用
機材、自動車部品などの各分野で使用されており、今後
も多方面に用いられることが期待されている。
【0003】ところが、従来開発されたポリイミドは優
れた特性を示すものが多いが、一般的には光線透過率が
低く、殆どのポリイミドは黄色ないし茶褐色を呈してい
る。全光線透過率の高いものとして、例えば式(2)
(化2)
【0004】
【化2】
【0005】で表されるポリエーテルイミドが知られて
いる〔モダン・プラスチックス38頁(1982
年)〕。 このポリエーテルイミドはフイルムにしたと
きに殆ど無色であり、波長400nmの光の透過率は3
5%(厚み50μm)である。
【0006】しかし、近年の宇宙開発の分野において
は、太陽電池のカバーレイなどとして、さらに全光線の
透過率が高く、ことに宇宙空間で問題となる波長領域の
400nmの光の透過率が高いうえに、加えて加工性に
も優れたポリイミドが求められている。また、従来のポ
リイミドは成形加工性が乏しいか、または加工性に優れ
たものは耐熱性、耐溶剤性が不満足であるとか、性能に
一長一短があった。例えば、式(3)(化3)
【0007】
【化3】
【0008】で表される基本骨格をもつポリイミドは耐
熱性に優れたポリイミドとして知られている〔例えば、
工業材料27、98頁(1979年)〕。しかし、この
ポリイミドは明瞭なガラス転移温度を示さず、その加工
には焼結成形などの手段が必要である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、ポリ
イミドが本来有する優れた耐熱性に加え、全光線透過率
が高く、かつ宇宙空間でも使用でき、しかも成形加工が
容易であり、また耐熱性接着剤としても使用可能なポリ
イミドを得ることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記目的
を達成するために鋭意検討した結果、新規なポリイミド
を見出し、本発明を完成した。すなわち、本発明は式
(1)(化4)
【0011】
【化4】
【0012】〔式中、Xは直結、炭素数1ないし10の
2価の鎖式炭化水素基、六フッ素化されたイソプロピリ
デン基、カルボニル基、スルホニル基およびチオ基から
なる群より選ばれた基を表わし、イミド環の窒素原子の
結合位置はエーテル結合に対し、メタ位またはパラ位で
ある。〕で表される繰り返し単位を有するポリイミドで
ある。さらに詳しくは、本発明のポリイミドはテトラカ
ルボン酸二無水物として、式(4)(化5)
【0013】
【化5】
【0014】で表される2,2−ビス(3,4−ジカル
ボキシフェニル)−ヘキサフルオロプロパン二無水物
と、下記の構造式(5)(化6)
【0015】
【化6】
【0016】〔式中、Xは直結、炭素数1ないし10の
2価の鎖式炭化水素基、六フッ素化されたイソプロピリ
デン基、カルボニル基、スルホニル基およびチオ基から
なる群より選ばれた基を表わし、アミノ基の結合位置は
エーテル結合に対し、メタ位またはパラ位である。〕で
表されるエーテルジアミンとを反応させて得られる基本
的に下記式(6)(化7)
【0017】
【化7】
【0018】〔式中、Xは直結、炭素数1ないし10の
2価の鎖式炭化水素基、六フッ素化されたイソプロピリ
デン基、カルボニル基、スルホニル基およびチオ基から
なる群より選ばれた基を表わし、アミド結合の窒素原子
の結合位置はエーテル結合に対し、メタ位またはパラ位
である。〕で表される繰り返し単位を有するポリアミド
酸を、さらに脱水環化して得られる前記式(1)で表さ
れる繰り返し単位を基本的に有するポリイミドである。
【0019】この方法で使用されるエーテルジアミンと
しては、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニ
ル〕メタン、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェ
ニル〕メタン、1,1−ビス〔4−(3−アミノフェノ
キシ)フェニル〕エタン、1,1−ビス〔4−(4−ア
ミノフェノキシ)フェニル〕エタン、1,2−ビス〔4
−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕エタン、1,2
−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕エタ
ン、2,2−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェ
ニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェ
ノキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(3
−アミノフェノキシ)フェニル〕ブタン、2,2−ビス
〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕ブタン、
2,2−ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニ
ル〕−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパ
ン、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェ
ニル〕−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロ
パン、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェ
ニル、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェ
ニル、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕
ケトン、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニ
ル〕ケトン、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェ
ニル〕スルフィド、ビス〔4−(4−アミノフェノキ
シ)フェニル〕スルフィド、ビス〔4−(3−アミノフ
ェノキシ)フェニル〕スルホン、ビス〔4−(4−アミ
ノフェノキシ)フェニル〕スルホンなどが挙げられ、こ
れらは単独あるいは2種以上混合して用いられる。
【0020】本発明のポリイミドを得る方法に特に制限
はなく、従来公知の方法が制限なく用いられるが、有機
溶媒中で反応を行うのは好ましい方法である。例えば、
まずエーテルジアミンと2,2−ビス(3,4−ジカル
ボキシフェニル)−ヘキサフルオロプロパン二無水物と
を常法に従って有機溶媒中で反応させる。
【0021】この反応に用いられる有機溶媒としては、
例えばN,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチ
ルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N,
N−ジメチルメトキシアセトアミド、N−メチル−2−
ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノ
ン、N−メチルカプロラクタム、1,2−ジメトキシエ
タン、ビス(2−メトキシエチル)エーテル、1,2−
ビス(2−メトキシエトキシ)エタン、ビス〔2−(2
−メトキシエトキシ)エチル〕エーテル、テトラヒドロ
フラン、1,3−ジオキサン、1,4−ジオキサン、ピ
リジン、ピコリン、ジメチルスルホキシド、ジメチルス
ルホン、テトラメチル尿素、ヘキサメチルホスホルアミ
ド、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p
−クレゾール、o−クロロフェノール、m−クロロフェ
ノール、p−クロロフェノール、ジクロロベンゼン、ト
リクロロベンゼン、テトラクロロベンゼンなどが挙げら
れる。また、これらの有機溶媒は単独でもあるいは2種
以上混合して用いても差し支えない。
【0022】反応温度は通常60℃以下、好ましくは5
0℃以下である。反応圧力は特に限定されず、常圧で十
分実施できる。反応時間は使用するジアミン、溶媒の種
類および反応温度により異なるが、通常ポリアミド酸の
生成が完了するに十分な時間反応させる。通常4〜24
時間で十分である。このような反応により、前記式
(6)の繰り返し単位を基本的に有するポリアミド酸が
得られる。次いで、得られたポリアミド酸を150〜4
00℃に加熱してイミド化するか、通常用いられるイミ
ド化剤を用いて化学的にイミド化するか、または加熱イ
ミド化と化学的イミド化を併用することにより、前記式
(1)の繰り返し単位を有する本発明のポリイミドが得
られる。
【0023】また、2,2−ビス(3,4−ジカルボキ
シフェニル)−ヘキサフルオロプロパン二無水物とエー
テルジアミンとを有機溶媒中に懸濁または溶解させた後
加熱し、ポリイミドの前駆体であるポリアミド酸の生成
と脱水イミド化とを同時に行うことにより、前記式
(1)の繰り返し単位を有するポリイミドを得ることも
可能である。
【0024】すなわち、従来公知の手法を用いて、フイ
ルム状、粉体状、またエーテルジアミンの種類によって
はワニス状の上記式(1)の繰り返し単位を有するポリ
イミドを得ることができる。なお、本発明のポリイミド
は、前記式(5)のジアミン成分と前記式(4)のテト
ラカルボン酸二無水物を用いるが、ジアミン成分の一部
を芳香族および/または脂肪族および/または脂環式モ
ノアミンで、また、2,2−ビス(3,4−ジカルボキ
シフェニル)−ヘキサフルオロプロパンの一部を芳香族
および/または脂肪族および/または脂環式ジカルボン
酸無水物で置き換えるのも、熱安定性および/または成
形加工性を向上させるのに有効な方法である。
【0025】本発明のポリイミドは従来のポリイミドと
同様な耐熱性を有しながら、高温において流動可能なた
めに、加工性に優れ、かつ高温時の接着強度の低下が少
ないポリイミドである。さらにまた本発明のポリイミド
のフイルムは全光線透過率が高く、殆ど無色であり、し
かも宇宙空間で問題となる400nmの波長の光の透過
率も高いという特徴を有している。
【0026】本発明のポリイミドからフイルムを得るた
めには、その前駆体であるポリアミド酸を用いること
も、またポリイミドを用いることもできる。また、ポリ
イミドフイルムを得るための成膜方法としては、流延
法、溶融押出し法などの一般の方法が用いられる。例え
ば、ポリアミド酸を用いる場合は、その有機溶媒溶液を
ドクターナイフ、コーターなどを用いて金属板またはガ
ラス板上に流延し、加熱してイミド化することによりポ
リイミドフイルムが得られる。また、ポリアミド酸の有
機溶媒溶液に無水酢酸などのイミド化剤を加えて速やか
にガラス板などの上に流延し、加熱乾燥して残存溶媒や
イミド化剤を除いて成膜することもできる。また、この
ポリイミドが有機溶媒に可溶性の場合は、その有機溶媒
溶液を用いて流延、加熱脱溶媒してポリイミドフイルム
を得ることができる。
【0027】本発明のポリイミドは次の如き方法で接着
剤として使用される。すなわち、前記ポリアミド酸を加
熱脱水、あるいは化学的に脱水して、例えばフイルム状
または粉状のポリイミドとなし、このフイルムまたは粉
末を被接着物の間に挿入し、1〜1,000kg/cm
2の圧力、50〜400℃の温度で圧着し、100〜4
00℃の温度でキュアさせると、接着物質を強固に接着
することができる。
【0028】また別の方法として、前記ポリアミド酸を
有機溶媒に溶解した溶液、あるいは有機溶媒中でポリア
ミド酸を生成させた反応液をそのままを用い、貼合わす
べき被接着物に薄い層として被着させ、ついで空気中で
所要時間、220℃程度に予熱して過剰の溶剤を除去
し、被接着物の表面でポリアミド酸をポリイミドに転化
し、これに別の被着物を重ね、次いで1〜1,000k
g/cm2の圧力、50〜400℃の温度で圧着し、1
00〜400℃の温度でキュアさせるのも好適な方法
で、被接着物を強固に接着することができる。
【0029】
【実施例】以下、本発明を実施例および比較例によりさ
らに詳細に説明する。 実施例1 かきまぜ機、還流冷却器および窒素導入管を備えた容器
に4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル
147.4g(0.4モル)とN,N−ジメチルアセト
アミド1200gを装入し、室温で窒素雰囲気下に2,
2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)−ヘキサフ
ルオロプロパンニ無水物173.5g(0.388モ
ル)を溶液温度の上昇に注意しながら分割して加え、室
温で24時間かきまぜた。かくして得られたポリアミド
酸の対数粘度は1.25dl/gであった(ここで対数
粘度はN,N−ジメチルアセトアミドを溶媒として用
い、ポリアミド酸0.5gを100mlの溶媒に溶解
し、35℃で測定した値である。以下、同様)。上記ポ
リアミド酸溶液の一部を取り、ガラス板上にキャストし
た後、100℃、200℃、300℃で各々1時間加熱
して、無色透明、厚み50μmのポリイミドフイルムを
得た。このポリイミドフイルムの引張り強さは12.3
kg/mm2、引張り伸び率は40%であった(測定方
法は共にASTM D−882による、以下同様)。ま
た、このポリイミドフイルムのガラス転移温度は260
℃(TMA針入法で測定、特記しない限り以下同様)、
空気中での5%重量減少温度は550℃(DTA−TG
で測定、以下同様)であった。このポリイミドフイルム
の全光線透過率は91.7%、ヘイズは0.2%であり
(測定方法はASTM D−1003による、以下同
様)、400nmでの光線透過率は63%であった。
【0030】比較例1 前記式(2)にて表されるポリエーテルイミド(ゼネラ
ル・エレクトリック社製、商品名ウルテム)の全光線透
過率およびヘイズの測定結果を実施例1の結果と併せて
表1に示す。
【0031】
【表1】
【0032】実施例2 実施例1における4,4’−ビス(3−アミノフェノキ
シ)ビフェニル147.4g(0.4モル)の代わりに
4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル1
47.4g(0.4モル)を用いた他は、全て実施例1
と同様に反応を行った。かくして得られたポリアミド酸
の対数粘度は1.80dl/gであった。このポリアミ
ド酸溶液の一部を取り、実施例1と全く同様にして淡黄
色、厚み50μmのポリイミドフイルムを得た。このポ
リイミドフイルムの引張り強さは13.0kg/m
2、引張り伸び率は50%、ガラス転移温度は280
℃、5%重量減少温度は540℃であった。このポリイ
ミドフイルムの全光線透過率は86%、ヘイズは1.1
%であった。
【0033】実施例3 かきまぜ機、還流冷却器および窒素導入管を備えた容器
に、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕ケ
トン158.6g(0.4モル)とN,N−ジメチルア
セトアミド1260gを装入し、室温で窒素雰囲気下
に、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)−
ヘキサフルオロプロパン二無水物169.9g(0.3
8モル)を溶液温度の上昇に注意しながら分割して加
え、室温で24時間かきまぜた。かくして得られたポリ
アミド酸の対数粘度は0.56dl/gであった。上記
のポリアミド酸溶液の一部を取り、実施例1とまったく
同様にして、厚み50μmの淡黄色ないし無色のポリイ
ミドフイルムを得た。このポリイミドフイルムの引張り
強さは13.5kg/mm2、引張り伸び率は40%、
ガラス転移温度は230℃、また5%重量減少温度は5
30℃であった。
【0034】本実施例で得られたポリアミド酸溶液7
8.63gにN,N−ジメチルアセトアミド78.6g
を加え、1時間窒素雰囲気下でかきまぜた後、無水フタ
ル酸3gを加え、さらに3時間かきまぜた後、室温で無
水酢酸12.2g(0.12モル)、トリエチルアミン
8.08(0.08モル)を滴下し、そのまま24時間
かきまぜた。この溶液を水500gに排出し、析出物を
濾別し、メタノールで洗浄後180℃で24時間減圧乾
燥して黄色の粉末を得た。得られたポリアミド粉のDS
C測定によるガラス転移温度は228℃、5%重量減少
温度は528℃と高い耐熱性を示した。
【0035】また、本実施例で得られたポリイミド粉を
用いてフローテスター(島津製作所製、CFT−50
0)で溶融粘度の測定を行った。使用したダイの直径
0.1cm、長さ1cmで荷重100kgである。その
結果、320℃で1.5×104poise、340℃
で8.3×103poise、360℃で3.5×103
poise、380℃で1.1×103poiseと良
好な流動特性を示し、射出成形加工が可能なポリイミド
であることがわかった。また各測定温度で得られたスト
ランドは色相の差違はなく、黄色透明で可撓性に富むも
のであった。
【0036】実施例4 実施例3におけるビス〔4−(3−アミノフェノキシ)
フェニル〕ケトン158.6g(0.4モル)の代わり
にビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕ケト
ン158.6g(0.4モル)を用いた以外は、実施例
3とまったく同様にしてポリアミド酸溶液を得た。得ら
れたポリアミド酸の対数粘度は0.57dl/gであっ
た。ここで得られたポリアミド酸溶液の一部を取り、実
施例1とまったく同様にしてガラス板を用いて、厚み5
0μmの淡黄色のポリイミドフイルムを得た。このポリ
イミドフイルムの引張り強さは14.2kg/mm2
引張り伸び率は30%、ガラス転移温度は250℃、5
%重量減少温度は526℃、DSC測定による融点は3
67℃であった。
【0037】本実施例で得られたポリアミド酸溶液7
8.63gを取り、実施例3と同様にN,N−ジメチル
アセトアミド78.6gで希釈し、無水フタル酸3gを
加えて3時間かきまぜを続けた後、無水酢酸12.2g
(0.12モル)、トリエチルアミン8.08(0.0
8モル)を用いて化学イミド化を行い、14.6g(収
率97%)の淡黄色の粉末を得た。ここで得られたポリ
イミド粉のDSC測定によるガラス転移温度は248
℃、5%重量減少温度は523℃、DSC測定による融
点は359℃、X線回折で測定した結晶化度は27%で
結晶性ポリイミドであった。また本実施例で得られたポ
リイミド粉の溶融粘度の測定を実施例3と同様に、ただ
測定温度をかえて行った。その結果、340℃、360
℃では流動性を示さず、380℃で1.6×105po
ise、400℃で1.0×104poise、420
℃で5.3×103poise、440℃で4.7×1
3poiseと結晶性高分子に特有な流動特性を示し
た。また各測定温度で得られたストランドは色相の差違
はなく、淡黄色透明で可撓性、弾性に富むものであっ
た。
【0038】実施例5 実施例1における4,4’−ビス(3−アミノフェノキ
シ)ビフェニル147.4g(0.4モル)の代わりに
ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕スルフ
ィド160g(0.4モル)に変えて行った以外は、実
施例1とまったく同様にしてポリアミド酸溶液を得た。
得られたポリアミド酸の対数粘度は1.46dl/gで
あった。上記のポリアミド酸溶液の一部を取り、実施例
1と同様な方法で厚み50μmの淡黄色のポリイミドフ
イルムを得た。このフイルムの引張り強さは11.3k
g/mm2、引張り伸び率は35%、ガラス転移温度は
210℃、5%重量減少温度は529℃であった。
【0039】本実施例で得られたポリアミド酸溶液をト
リクロロエチレン洗浄した冷間圧延鋼板(JIS G
3141、spcc/SD、25×1.6mm、以下同
様)に塗布し、100℃で1時間、220℃で1時間乾
燥加熱した後、他の冷間圧延鋼板を重ねて、350℃、
50kg/cm2で5分間加圧して圧着した。塗布した
接着剤の厚みは35μmであった。このものの引張りせ
ん断接着強さは室温で360kg/cm2であり、これ
をさらに200℃の高温下で測定したところ、200k
g/cm2であった(測定方法はJIS−X 6848
および6850による、以下同様)。また、本実施例で
得られたポリイミドフイルムを150℃に予備加熱した
冷間圧延鋼板間に挿入し、350℃、50kg/cm2
で5分間加圧して圧着させた。このものの引張りせん断
接着強度は室温で350kg/cm2であり、200℃
の高温下では210kg/cm2であった。また、本実
施例で得られたポリアミド酸溶液を電解銅箔上にキャス
トした後、100℃、200℃、300℃で各々1時
間、加熱してフレキシブル銅張回路基板を得た。この銅
張回路基板の銅箔引き剥がし強度は90°ピール強度試
験で2.3kg/cm2であった。また60秒間、30
0℃のハンダ浴に浸漬しても膨れ、剥離などはまったく
生じなかった。
【0040】実施例6 実施例5におけるビス〔4−(3−アミノフェノキシ)
フェニル〕スルフィド160g(0.4モル)の代わり
にビス〔4−(4−アミノフェノキシ)スルフィドを用
いた以外は、実施例5とまったく同様にして反応を行
い、更に得られたポリアミド酸溶液から厚み50μmの
淡黄色のポリイミドフイルムを得た。本実施例で得られ
たポリアミド酸の対数粘度は1.22dl/g、更にポ
リイミドフイルムの引張り強さは11.0kg/m
2、引張り伸び率は36%、ガラス転移温度は230
℃、5%重量減少温度は525℃であった。
【0041】本実施例で得られたポリアミド酸溶液を用
いて、実施例5と同様に冷間圧延鋼板での接着力を測定
した結果、このものの引張りせん断接着強さは、室温で
は352kg/cm2、200℃の高温下では198k
g/cm2であった。本実施例で得られたポリイミドフ
イルムを実施例4と同様に150℃に予備加熱した冷間
圧延鋼板に挿入し、370℃、50kg/cm2で5分
間加圧して圧着したものの引張りせん断接着強さは室温
で350kg/cm2、200℃の高温下では205k
g/cm2であった。
【0042】また実施例5と同様に電解鋼銅箔を用いて
フレキシブル銅張回路基板を得た。このものの銅箔引き
剥がし強度は90°ピール強度試験2.0kg/cm2
であった。また300℃のハンダ浴に60秒間浸漬して
も、まったく形状に変化はなかった。
【0043】実施例7〜11 実施例1における4,4’−ビス(3−アミノフェノキ
シ)ビフェニル147.4g(0.4モル)の代わりに
表2に示す種々のジアミンを用いたほかは実施例1と同
様に反応を行い、実施例1と同様に厚み50μmのポリ
イミドフイルムを得た。得られたポリアミド酸の対数粘
度およびポリイミドフイルムの熱物性、機械物性を一括
して表2に示す。
【0044】
【発明の効果】本発明に係るポリイミドは、芳香族ビス
イミド化合物の流動促進効果により溶融時の粘度が大巾
に低下し、加工性が著しく向上している。
【0045】
【表2】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 桑野 文昭 福岡県大牟田市浅牟田町30 三井東圧化学 株式会社内 (72)発明者 安井 治 福岡県大牟田市浅牟田町30 三井東圧化学 株式会社内 (72)発明者 小林 忠 福岡県大牟田市浅牟田町30 三井東圧化学 株式会社内

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】基本的に下記式(1)(化1) 【化1】 〔式中、Xは直結、炭素数1ないし10の2価の鎖式炭
    化水素基、六フッ素化されたイソプロピリデン基、カル
    ボニル基、スルホニル基およびチオ基からなる群より選
    ばれた基を表わし、イミド環の窒素原子の結合位置はエ
    ーテル結合に対し、メタ位またはパラ位である。〕で表
    される繰り返し単位を有するポリイミド。
JP16791591A 1991-07-09 1991-07-09 ポリイミド Pending JPH0517575A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100278771B1 (ko) * 1994-07-08 2001-10-24 무라타 기카이 가부시키가이샤 번치감음처리장치

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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