JP3010871B2 - 熱硬化性樹脂組成物 - Google Patents

熱硬化性樹脂組成物

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JP3010871B2
JP3010871B2 JP4000810A JP81092A JP3010871B2 JP 3010871 B2 JP3010871 B2 JP 3010871B2 JP 4000810 A JP4000810 A JP 4000810A JP 81092 A JP81092 A JP 81092A JP 3010871 B2 JP3010871 B2 JP 3010871B2
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polyimide
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film
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秀一 松浦
良英 岩崎
薫 池田
康夫 宮寺
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Hitachi Chemical Co Ltd
Showa Denko Materials Co Ltd
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  • Macromolecular Compounds Obtained By Forming Nitrogen-Containing Linkages In General (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、低温成形で優れた特性
を示し、接着剤、積層材料、成形材料等に有用である熱
硬化性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリアミド酸又はポリイミドにポリマレ
イミドを添加してなる樹脂組成物は、その硬化物が強靱
で耐熱性を有することから種々の用途に使用されてい
る。例えば、接着剤、ワニスとして印刷配線板、プリプ
レグの製造に使用される。プリプレグは、さらに印刷配
線板等の作製に使用される。
【0003】例えば、USP4,362,826には、
4,4′−ジアミノジフェニルエーテルとピロメリット
酸二無水物から得られるポリアミド酸とビスマレイミド
化合物を含む熱硬化性樹脂組成物が開示されている。こ
の組成物は銅箔等の基材に流延塗布した後、加熱乾燥し
て硬化フィルム(基材に担持されたフィルム)とされる
ことが例示される。
【0004】しかし、上記のようなポリアミド酸にビス
マレイミドを添加してなる樹脂組成物は、ポリアミド酸
を使用するため、硬化時にポリマレイミドを反応させる
だけでなく、ポリアミド酸をイミド化させる必要があ
る。このため、硬化時に300℃以上の温度に加熱する
必要があり、熱に弱い基材に対しては適用できない。ま
た、ポリアミド酸のイミド化に伴い縮合水が発生するた
め、ポリマレイミドの存在によって低減されるとして
も、ボイドの発生を無視することはできない。特に、カ
プトンフィルム(ポリイミドフィルム)と銅箔等の金属
箔を接着するために、これらの間に上記組成物を介在さ
せて硬化させるときは、このようなボイドの発生は、接
着力の著しい低下の原因となる。また、USP4,36
2,826に開示の上記アミド酸をイミド化させて得ら
れるポリイミドが、有機溶剤に不溶であること及び不融
であることは、当業者間によく知られている。さらに、
USP4,362,826には、有機溶剤に可溶なポリ
イミドは具体的に例示されない。
【0005】ポリイミドとポリマレイミドを含む組成物
としては、例えば、USP3,842,143にテトラ
カルボン酸二無水物と過剰のジアミンを反応させて得ら
れる両末端にアミノ基を有する低分子量ポリイミドにポ
リマレイミドを添加してなる組成物が開示されている。
しかし、このような低分子量ポリイミドを用いた場合、
上記組成物から得られるフィルムには可とう性がなく、
自己支持性のフィルムとすることができない。USP
3,842,143には、自己支持性のフィルムが得ら
れるほど可とう性に富む組成物及びそのためのポリイミ
ドを例示するところがない。
【0006】さらに、特開昭62−30112号公報に
は、3,3′,4,4′−ベンゾフェノンテトラカルボ
ン酸二無水物、ビス(4−(3−アミノフェノキシ)フ
ェニル)スルホン及び必要に応じて2,4−ジアミノト
ルエンを使用して得られるポリイミドとポリマレイミド
を含む組成物が、良好なフィルム形成性を有し、このフ
ィルムが優れた接着性を示すことが開示される。また、
このポリイミドがトルエンとm−クレゾールの混合溶
剤、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)に溶解す
ることが開示される。しかし、特開昭62−30112
号公報に開示のポリイミドは、トルエンとDMFの混合
溶剤には、溶解しない。また、上記組成物は、溶融可能
であり、250℃〜275℃の比較的低温で成形するこ
とができ、優れた接着性を示すが、230℃以下での成
形温度では、特性が低下する。
【0007】以上から明らかであるように、ポリイミド
及びポリマレイミドを含有する組成物において、十分に
低い成形温度で優れた特性を示し、かつ、フィルム形成
性が優れたもの及びこのような組成物のためのポリイミ
ドは、従来知られていない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ポリイミド
及びポリマレイミドを含有してなる樹脂組成物におい
て、ポリイミドとして新規なポリイミドを特に選定して
使用することにより、硬化温度が低くても優れた特性を
示すものを提供するものである。
【0009】本発明における熱硬化性樹脂組成物は、化
5〔一般式(I)〕
【化5】 〔ただし、一般式(I)中、Arは化6(一般式
(a))
【化6】 (ただし、一般式(a)中、Z1、Z2及びZ3はそれぞ
れ独立にSO2、O又はCOを示す)で表わされる基又
は化7(一般式(b))
【化7】 (ただし、一般式(b)中、R1、R2、R3及びR4は、
それぞれ独立に水素又は炭素数1〜4のアルキル基若し
くはアルコキシ基を示し、これらのうち少なくとも2個
以上はアルキル基若しくはアルコキシ基であり、XはC
2、C(CH32、O、SO2、CO、NHCOを示
す)で表される基を示す〕で表される構成単位を有し、
式(a)の基と一般式(b)を前者/後者がモル比で1
0/90〜90/10の割合で含んでなるポリイミド
(A)及び化8〔一般式(II)〕
【化8】 〔一般式(II)中、mは2以上の整数であり、Rは炭素
数2以上のm価の基である〕で表されるポリマレイミド
(B)を含有してなるものである。
【0010】前記ポリイミド(A)は、3,3′,4,
4′−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物並びに
化9〔一般式(III)〕
【化9】 〔ただし、一般式(III)中、Z1、Z2及びZ3は前記一
般式(a)に同じであり、Yはアミノ基又はイソシアネ
ート基を示す〕で表される化合物及び化10〔一般式
(IV)〕
【化10】 〔ただし、一般式(IV)中、R1、R2、R3、R4及びX
は、前記一般式(b)に同じであり、Yはアミノ基又は
イソシアネート基を示す〕で表される化合物を反応させ
て製造することができる。
【0011】前記の反応において酸二無水物として、
3,3′,4,4′−ベンゾフェノンテトラカルボン酸
二無水物以外の酸二無水物を、本発明の目的を損なわな
い範囲で併用してもよい。このような酸二無水物として
は、ピロメリット酸二無水物、3,3′,4,4′−ビ
フェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2′,3,
3′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,
3′,4,4′−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸
二無水物、3,3′,4,4′−ジフェニルオキシテト
ラカルボン酸二無水物、4,4′−〔2,2,2−トリ
フルオロ−1−(トリフルオロメチル)エチリデン〕ビ
ス(1,2−ベンゼンジカルボン酸無水物)、エチレン
ビストリメリテート二無水物、カテコールビストリメリ
テート二無水物、レゾルシノールビストリメリテート二
無水物、ジヒドロキシベンゼンビストリメリテート二無
水物、ビスフエノールAビストリメリテート二無水物、
テトラクロロビスフエノールAビストリメリテート二無
水物、テトラブロモビスフエノールAビストリメリテー
ト二無水物、ビフエニルビストリメリテート二無水物等
がある。これらは、酸二無水物全量に対して50モル%
以下で使用するのが好ましく、特に30モル%以下で使
用するのが好ましい。
【0012】前記した一般式(III)で表される化合物
のうち、Yがアミノ基であるものとしては、ビス〔4−
(3−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、ビス
〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、
ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕ケト
ン、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕ケ
トン、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕
エーテル、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニ
ル〕エーテル、ビス〔4−(3−アミノベンゾイル)フ
ェニル〕スルホン、ビス〔4−(4−アミノベンゾイ
ル)フェニル〕スルホン、ビス〔4−(3−アミノベン
ゾイル)フェニル〕ケトン、ビス〔4−(4−アミノベ
ンゾイル)フェニル〕ケトン、ビス〔4−(3−アミノ
ベンゾイル)フェニル〕エーテル、ビス〔4−(4−ア
ミノベンゾイル)フェニル〕エーテル、ビス〔4−(3
−アニリノスホニル)フェニル〕エーテル、ビス〔4−
(4−アニリノスホニル)フェニル〕エーテル、ビス
〔3−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン、
ビス〔3−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕ケト
ン、ビス〔3−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕エ
ーテル、ビス〔3−(3−アミノベンゾイル)フェニ
ル〕スルホン、ビス〔3−(3−アミノベンゾイル)フ
ェニル〕ケトン、ビス〔3−(3−アミノベンゾイル)
フェニル〕エーテル、ビス〔3−(3−アニリノスホニ
ル)フェニル〕エーテル等がある。
【0013】前記した一般式(III)で表される化合物
のうち、Yがイソシアネート基であるものとしては、上
記に例示したジアミンにおいて、「アミノ」を「イソシア
ネート」と読み換えたものを例示することができる。
【0014】前記した一般式(IV)で表される化合物の
うち、Yがアミノ基であるものとしては、4,4’−ジ
アミノ−3,3’,5,5’−テトラメチルジフェニル
メタン、4,4’−ジアミノ−3,3’,5,5’−テ
トラエチルジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−
3,3’,5,5’−テトラn−プロピルジフェニルメ
タン、4,4’−ジアミノ−3,3’,5,5’−テト
ライソプロピルジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ
−3,3’,5,5’−テトラブチルジフェニルメタ
ン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチル−5,
5’−ジエチルジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ
−3,3’−ジメチル−5,5’−ジイソプロピルジフ
ェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジエチ
ル−5,5’−ジイソプロピルジフェニルメタン、4,
4’−ジアミノ−3,5−ジメチル−3’,5’−ジエ
チルジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,5−
ジメチル−3’,5’−ジイソプロピルジフェニルメタ
ン、4,4’−ジアミノ−3,5−ジエチル−3’,
5’−ジイソプロピルジフェニルメタン、4,4’−ジ
アミノ−3,5−ジエチル−3’,5’−ジブチルジフ
ェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,5−ジイソプ
ロピル−3’,5’−ジブチルジフェニルメタン、4,
4’−ジアミノ−3,3’−ジイソプロピル−5,5’
−ジブチルジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−
3,3’−ジメチル−5,5’−ジブチルジフェニルメ
タン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジエチル−5,
5’−ジブチルジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ
−3,3’−ジメチルジフェニルメタン、4,4’−ジ
アミノ−3,3’−ジエチルジフェニルメタン、4,
4’−ジアミノ−3,3’−ジn−プロピルジフェニル
メタン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジイソプロピ
ルジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’−
ジブチルジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,
3’,5−トリメチルジフェニルメタン、4,4’−ジ
アミノ−3,3’,5−トリエチルジフェニルメタン、
4,4’−ジアミノ−3,3’,5−トリn−プロピル
ジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’,5
−トリイソプロピルジフェニルメタン、4,4’−ジア
ミノ−3,3’,5−トリブチルジフェニルメタン、
4,4’−ジアミノ−3−メチル−3’−エチルジフェ
ニルメタン、4,4’−ジアミノ−3−メチル−3’−
イソプロピルジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−
3−エチル−3’−イソプロピルジフェニルメタン、
4,4’−ジアミノ−3−エチル−3’−ブチルジフェ
ニルメタン、4,4’−ジアミノ−3−イソプロピル−
3’−ブチルジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−
2,2’−ビス(3,3’,5,5’−テトラメチルジ
フェニル)イソプロパン、4,4’−ジアミノ−2,
2’−ビス(3,3’,5,5’−テトラエチルジフェ
ニル)イソプロパン、4,4’−ジアミノ−2,2’−
ビス(3,3’,5,5’−テトラn−プロピルジフェ
ニル)イソプロパン、4,4’−ジアミノ−2,2’−
ビス(3,3’,5,5’−テトライソプロピルジフェ
ニル)イソプロパン、4,4’−ジアミノ−2,2’−
ビス(3,3’,5,5’−テトラブチルジフェニル)
イソプロパン、4,4’−ジアミノ−3,3’,5,
5’−テトラメチルジフェニルエーテル、4,4’−ジ
アミノ−3,3’,5,5’−テトラエチルジフェニル
エーテル、4,4’−ジアミノ−3,3’,5,5’−
テトラn−プロピルジフェニルエーテル、4,4’−ジ
アミノ−3,3’,5,5’−テトライソプロピルジフ
ェニルエーテル、4,4’−ジアミノ−3,3’,5,
5’−テトラブチルジフェニルエーテル、4,4’−ジ
アミノ−3,3’,5,5’−テトラメチルジフェニル
スルホン、4,4’−ジアミノ−3,3’,5,5’−
テトラエチルジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノ
−3,3’,5,5’−テトラn−プロピルジフェニル
スルホン、4,4’−ジアミノ−3,3’,5,5’−
テトライソプロピルジフェニルスルホン、4,4’−ジ
アミノ−3,3’,5,5’−テトラブチルジフェニル
スルホン、4,4’−ジアミノ−3,3’,5,5’−
テトラメチルジフェニルケトン、4,4’−ジアミノ−
3,3’,5,5’−テトラエチルジフェニルケトン、
4,4’−ジアミノ−3,3’,5,5’−テトラn−
プロピルジフェニルケトン、4,4’−ジアミノ−3,
3’,5,5’−テトライソプロピルジフェニルケト
ン、4,4’−ジアミノ−3,3’,5,5’−テトラ
ブチルジフェニルケトン、4,4’−ジアミノ−3,
3’,5,5’−テトラメチルベンズアニリド、4,
4’−ジアミノ−3,3’,5,5’−テトラエチルベ
ンズアニリド、4,4’−ジアミノ−3,3’,5,
5’−テトラn−プロピルベンズアニリド、4,4’−
ジアミノ−3,3’,5,5’−テトライソプロピルベ
ンズアニリド、4,4’−ジアミノ−3,3’,5,
5’−テトラブチルベンズアニリド等がある。
【0015】前記した一般式(IV)で表される化合物の
うち、Yがイソシアネート基であるものとしては、上記
に例示したジアミンにおいて、「アミノ」を「イソシアネ
ート」と読み換えたものを例示することができる。
【0016】本発明において、酸二無水物の反応の相手
としては、一般式(III)で表わされる化合物又は一般
式(IV)で表わされる化合物以外のジアミン又はジイソ
シアネートを本発明の目的を損なわない範囲で使用して
もよい。このようなジアミン又はジイソシアネートは、
酸二無水物の反応の相手の総量に対して30モル%以下
で使用するのが好ましい。このようなジアミンとして
は、ジアミノジフエニルメタン、ジアミノジフエニルエ
ーテル、ジアミノジフエニルケトン、ジアミノジフエニ
ルプロパン、フエニレンジアミン、トルエンジアミン、
ジアミノジフエニルスルフイド、ジアミノジフエニルヘ
キサフルオロプロパン、ジアミノジアルキルジフエニル
メタン、ビス(アニリノイソプロピリデン)ベンゼン、
ビス(アミノフェノキシ)ベンゼン、ビス(アミノフェ
ノキシフェニル)プロパン、ビス(アミノフェノキシフ
ェニル)ヘキサフルオロプロパン、4,4′−ビス〔3
−(4−アミノ−α,α´−ジメチルベンジル)フエノ
キシ〕ジフエニルスルホン、4,4′−ビス〔3−(4
−アミノ−α,α′−ジメチルベンジル)フエノキシ〕
ベンゾフエノン、4,4′−ビス〔4−(4−アミノ−
α,α′−ジメチルベンジル)フエノキシ〕ジフエニル
スルホン、4,4′−ビス〔4−(4−アミノ−α,
α′−ジメチルベンジル)フエノキシ〕ベンゾフエノ
ン、4−〔3−(4−アミノ−α,α′−ジメチルベン
ジル)フエノキシ〕−4′−〔4−(4−アミノ−α,
α′−ジメチルベンジル)フエノキシ〕ジフエニルスル
ホン、4−〔3−(4−アミノ−α,α′−ジメチルベ
ンジル)フエノキシ〕−4′−〔4−アミノ−α,α′
−ジメチルベンジル)フエノキシ〕ベンゾフエノン、
4,4′−ビス〔3−(3−アミノ−α,α′−ジメチ
ルベンジル)フエノキシ〕ジフエニルスルホン、4,
4′−ビス〔3−(3−アミノ−α,α′−ジメチルベ
ンジル)フエノキシ〕ベンゾフエノン、4,4′−ビス
〔2−(4−アミノ−α,α′−ジメチルベンジル)フ
エノキシ〕ジフエニルスルホン、4,4′−ビス〔2−
(4−アミノ−α,α′−ジメチルベンジル)フエノキ
シ〕ベンゾフエノン、3,3′−ビス〔3−(4−アミ
ノ−α,α′−ジメチルベンジル)フエノキシ〕ジフエ
ニルスルホン、3,3′−ビス〔3−(4−アミノ−
α,α′−ジメチルベンジル)フエノキシ〕ベンゾフエ
ノン等を併用してもよく、ジイソシアナートとしては、
ジフエニルメタンジイソシアナート、トルイレンジイソ
シアナート、4,4′−ビス〔3−(4−イソシアナー
ト−α,α′−ジメチルベンジル)フエノキシ〕ジフエ
ニルケトン、4,4′−ビス〔3−(4−イソシアナー
ト−α,α′−ジメチルベンジル)フエノキシ〕ジフエ
ニルスルホン等、その他上記ジアミンにおいてアミノ基
をイソシアナート基に代えたもの等を併用してもよい。
【0017】一般式(III)で表わされる化合物と一般
式(IV)で表わされる化合物は、前者/後者がモル比で
10/90〜90/10になるように使用するのが好ま
しい。この比が小さすぎると溶剤に対する溶解性が低下
する傾向にあり、大きすぎると硬化物の耐溶剤性が低下
する傾向がある。上記の比は、90/10〜50/50
であるのが特に好ましい。
【0018】本発明において、ポリイミド(A)は、次
のようにして製造することができる。酸二無水物の反応
の相手としてジアミンを使用する場合、酸二無水物とジ
アミンを有機溶媒中、必要に応じてトリブチルアミン、
トリエチルアミン、亜リン酸トリフエニル等の触媒の存
在下、100℃以上、好ましくは180℃以上に加熱し
て、イミド化までを行なわせて、直接ポリイミドを得る
方法(触媒は、反応成分の総量に対して0〜15重量%
使用するのが好ましく、特に0.01 〜15重量%使用
するのが好ましい)、酸二無水物及びジアミンを有機溶
媒中100℃未満で反応させてポリイミドの前駆体であ
るポリアミド酸のワニスをいつたん製造し、この後、こ
のワニスを加熱してイミド化するか、無水酢酸、無水プ
ロピオン酸、無水安息香酸等の酸無水物、ジシクロヘキ
シルカルボジイミド等のカルボジイミド化合物等の閉環
剤、必要に応じてピリジン、イソキノリン、トリメチル
アミン、アミノピリジン、イミダゾール等の閉環触媒を
添加して化学閉環(イミド化)させる方法(閉環剤及び
閉環触媒は、それぞれ、酸無水物1モルに対して1〜8
モルの範囲内で使用するのが好ましい)等がある。
【0019】前記有機溶剤としては、N−メチル−ピロ
リドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメ
チルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、スルホラ
ン、ヘキサメチルリン酸トリアミド、1,3−ジメチル
−2−イミダゾリドン等の非プロトン性極性溶媒、フエ
ノール、クレゾール、キシレノール、p−クロルフエノ
ール等のフエノール系溶媒等が挙げられる。
【0020】また、溶媒としてはベンゼン,トルエン,
キシレン,メチルエチルケトン,アセトン,テトラヒド
ロフラン,ジオキサン,モノグライム,ジグライム,メ
チルセロソルブ,セロソルブアセテート,メタノール,
エタノール,イソプロパノール,塩化メチレン,クロロ
ホルム,トリクレン,テトラクロロエタン等のうち、原
料モノマー及びポリイミド又はポリアミド酸を溶解する
ものを使用してもよく、これらを溶解しないものは、溶
解性をそこなわない範囲で他の溶剤と混合して用いるこ
とができる。
【0021】前記したポリイミド及びその前駆体である
ポリアミド酸の製造に際し、場合により、固相反応、3
00℃以下での溶融反応等を利用することができる。
【0022】また、酸二無水物の反応の相手としてジイ
ソシアナートを使用する場合は、前記した直接ポリイミ
ドを得る方法に準じて行なうことができる。ただし、反
応温度は室温以上、特に60℃以上であれば充分であ
る。
【0023】本発明において、酸二無水物とその反応の
相手は、ほぼ等モルで用いるのが好ましいが、いずれか
一方の過剰量が10モル%、特に好ましくは5モル%ま
では許容される。
【0024】上記ポリマレイミド(B)の具体例として
はN,N′−(4,4′−ジフエニルメタン)ビスマレ
イミド、N,N′−(4,4′−ジフエニルオキシ)ビ
スマレイミド、N,N′−p−フエニレンビスマレイミ
ド、N,N′−m−フエニレンビスマレイミド、N,
N′−2,4−トリレンビスマレイミド、N,N′−
2,6−トリレンビスマレイミド、N,N′−エチレン
ビスマレイミド、N,N′−〔4,4′−〔2,2′−
ビス(4,4′−フエノキシフエニル)イソプロピリデ
ン〕〕ビスマレイミド、N,N′−〔4,4′−〔2,
2′−ビス(4,4′−フエノキシフエニル)ヘキサフ
ルオロイソプロピリデン〕〕ビスマレイミド、N,N′
−ヘキサメチレンビスマレイミド、N,N′−〔4,
4′−ビス(3,5−ジメチルフエニル)メタン〕ビス
マレイミド、N,N′−〔4,4′−ビス(3,5−ジ
エチルフエニル)メタン〕ビスマレイミド、N,N′−
〔4,4′−(3−メチル−5−エチルフエニル)メタ
ン〕ビスマレイミド、N,N′−〔4,4′−ビス
(3,5−ジイソプロピルフエニル)メタン〕ビスマレ
イミド、下記化11〜化16で表わされる化合物があ
り、単一で又は二種以上混合して使用される。
【化11】
【化12】
【化13】
【化14】
【化15】
【化16】 (式中、rは整数を示す)
【0025】ポリイミド(A)とポリマレイミド(B)
の混合割合は、目的に応じて適宜決定されるがポリマレ
イミド(B)をポリイミド(A)100重量部に対して
5〜180重量部で用いるのが好ましい。ポリマレイミ
ド(B)が少なすぎると硬化が十分でなく、多すぎると
樹脂組成物がもろくなる。特に自己支持性のフイルムを
製造する場合、可撓性を十分保有させる点で、ポリマレ
イミド(B)はポリイミド(A)100重量部に対して
100重量部以下の割合で用いるのが特に好ましい。
【0026】本発明における樹脂組成物は、275℃よ
り低い温度(さらには、230℃より低い温度)で成形
して優れた耐熱性等を示す成形物を得ることができる。
より低温で成形するためには、t−ブチルパーベンゾエ
ート、t−ブチルハイドロパーオキシド、ベンゾイルパ
ーオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチ
ルパーオキシ)ヘキシン−3、ジクミルパーオキシド、
t−ブチルクミルパーオキシド、α,α′−ビス(t−
ブチルパーオキシ−m−イソプロピル)ベンゼン等の有
機過酸化物などのラジカル重合開始剤を配合することが
好ましく、200℃前後で成形することができる。ラジ
カル重合開始剤は、ポリイミド(A)及びポリマレイミ
ド(B)の総量に対して0.1〜10重量%用いるのが
好ましい。
【0027】本発明における樹脂組成物は、ポリイミド
(A)とポリマレイミド(B)さらに、必要に応じてラジ
カル重合開始剤を粉状で混合したものでもよく、これら
を有機溶剤に溶解したもの(ワニス)であつてもよい。
このとき使用できる有機溶剤としては、N,N−ジメチ
ルホルムアミド、N−メチルピロリドン等の非プロトン
性極性溶剤以外に、ジオキサン、テトラヒドロフラン、
ジグライム、モノグライム等のエーテル系溶剤、塩化メ
チレン等の塩素系溶剤、トルエン等の芳香族系溶剤など
の低沸点溶剤又は極性の小さな有機溶剤がある。
【0028】本発明における樹脂組成物には、ビスフェ
ノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ
樹脂等のビスフェノール型エポキシ樹脂、クレゾールノ
ボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポ
キシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂
等のノボラック型エポキシ樹脂、多価アルコール型エポ
キシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂などのエポキシ樹脂、ジ
シアンジアミド、多価フェノール、アミン類、酸無水物
等のエポキシ樹脂の硬化剤、三級アミン、イミダゾール
類、マスクドイミダゾール類、三フッ化ホウ素コンプレ
ックス類等のエポキシ樹脂の硬化促進剤等を混合しても
よい。エポキシ樹脂を混合して用いると、より低温で成
形することが可能になる。
【0029】本発明における樹脂組成物は、ガラス板,
ステンレス板等に流延,乾燥後、加熱硬化させて硬化フ
イルムとすることができる。このフイルムは絶縁フイル
ム、積層板用のベースフイルム等に有用である。
【0030】本発明における樹脂組成物は、これ自体を
接着剤として用いることができる。この接着剤はワニス
状で用いてもよく、また、ワニスをガラス板,ステンレ
ス板等に流延,乾燥した後引き剥がして基材を含まず、
可とう性に富み、未硬化であるフイルム状接着剤(自己
支持性フイルム状接着剤)にしてから用いることができ
る。このような接着剤は各種用途に使用することができ
るが、アルミニウム板等の金属板,ポリイミドフイルム
等のプラスチツクフイルムなどの芯材と銅箔,アルミ箔
等の金属箔を張り合わせて金属張り積層板を製造するた
めの接着剤として特に有用である。この接着剤は、比較
的低い加熱で(硬化温度で)優れた接着力を示す。
【0031】ワニス状の本発明における樹脂組成物は、
また、ガラス布,カーボンクロス等の基材に含浸,乾燥
してプリプレグとして用いることもできる。
【0032】上記のフイルム状接着剤及びプリプレグの
製造に際し、乾燥温度と時間は用いる溶剤,ポリマレイ
ミドの種類によつて異なる。温度はポリマレイミドの重
合が顕著になる温度よりも低く保つ必要があるが、本発
明の樹脂組成物は低沸点溶剤又は極性が小さく揮発しや
すい有機溶剤に溶解することができるため、より低い温
度で乾燥できる。このときラジカル開始剤が存在してい
ても重合反応を抑えて容易に乾燥することができる。時
間は残存溶剤量が5重量%以下になるようにするのが好
ましい。
【0033】さらに、本発明における樹脂組成物は、粉
状のまま成形材料として用いることもできる。ポリマレ
イミドの種類によつて硬化温度が異なるが、これらを加
熱硬化することによつて強じんな耐熱性成形物が得られ
る。
【0034】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳細に説明する
が、本発明はこれらの範囲に限定されるものではない。
まず、本発明において使用されるポリイミドの合成例を
示す。
【0035】合成例1 撹拌機,温度計,窒素ガス導入管、塩化カルシウム管を
備えた4つ口フラスコに4,4′−ジアミノ−3,
3′,5,5′−テトライソプロピルジフェニルメタン
(IPDDM)0.55g(1.5ミリモル)、ビス〔4
−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン(m−
APPS)3.67g(8.5ミリモル)及びN,N−
ジメチルホルムアミド(DMF)29.8gを入れ、溶
解した。次に、5℃を越えないように冷却しながら3,
3′,4,4′−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無
水物(BTDA)3.22g(10.0ミリモル)を少
しづつ加えた後、5℃を越えないように冷却しながら1
時間、次いで、室温で6時間反応させてポリアミド酸を
合成した。得られたポリアミド酸のワニスに無水酢酸
2.55g及びピリジン1.98gを加え、室温で3時
間反応させてポリイミドを合成した。得られたポリイミ
ドのワニスを水に注いで得られる沈殿を分離、粉砕,乾
燥してポリイミド粉末を得た。
【0036】このポリイミド粉末をDMFに0.1g/dl
の濃度で溶解し、30℃で測定したときの還元粘度は
1.07dl/gであった。
【0037】また、このポリイミド粉末を種々の有機溶
剤に5重量%の濃度になるように添加して室温で溶解状
態を観察することによって溶解性試験を行った。その結
果、このポリイミド粉末は、DMF、N−メチルピロリ
ドン(NMP)、N,N−ジメチルアセトアミド(DM
Ac)、DMF/トルエンが1/1(重量比)の混合溶
媒に可溶であった。
【0038】合成例2 IPDDMの使用量を0.13g(3.5ミリモル)及
びm−APPSの使用量を0.28g(6.5ミリモ
ル)に変更すること以外は合成例1に準じてポリイミド
粉末を得、このポリイミド粉末を用いて合成例1に準じ
て還元粘度の測定及び溶解性試験を行った。その結果、
得られたポリイミド粉末は、還元粘度0.78dl/gを
有し、DMF、ジオキサン、塩化メチレン、DMF/ト
ルエンが1/1(重量比)の混合溶媒に可溶であった。
【0039】合成例3(比較例) IPDDM0.55gとm−APPS3.67gを使用
する代わりにm−APPS4.32g(10.0ミリモ
ル)を使用すること以外は合成例1に準じてポリイミド
粉末を得た。このポリイミド粉末を用いて合成例1に準
じて溶解性試験を行った結果、得られたポリイミド粉末
は、DMF、DMF/トルエンが1/1(重量比)の混
合溶媒にほとんど溶解しなかった。
【0040】合成例4(比較例) IPDDM0.55gとm−APPS3.67gを使用
する代わりにIPDDM3.66g(10.0ミリモ
ル)を使用すること以外は合成例1に準じてポリイミド
粉末を得た。このポリイミド粉末を用いて合成例1に準
じて還元粘度の測定及び溶解性試験を行った。その結
果、得られたポリイミド粉末は、還元粘度0.48dl/
gを有し、DMF、NMP、DMAc、ジオキサン、塩
化メチレン、テトラヒドロフラン、DMF/トルエンが
1/1(重量比)の混合溶媒に可溶であった。
【0041】合成例5(比較例) 撹拌機,温度計,窒素ガス導入管、塩化カルシウム管を
備えた4つ口フラスコにm−APPS2.16g(5.0ミ
リモル)とメタトルイレンジアミン0.61g(5.0ミリ
モル)及びDMF24.0g を入れ、溶解した。次に、
氷冷下BTDA3.22g (10.0ミリモル)を少しづつ
加えた後、5℃を越えないように冷却しながら5時間反
応させてポリアミド酸を合成した。得られたポリアミド
酸のワニスに無水酢酸2.55g 及びピリジン1.98
g を加え、室温で3時間反応させてポリイミドを合成
した。得られたポリイミドのワニスを水に注いで得られ
る沈殿を分離、粉砕,乾燥してポリイミド粉末を得た。
【0042】このポリイミド粉末を用いて合成例1に準
じて還元粘度の測定及び溶解性試験を行った。その結
果、得られたポリイミド粉末は、還元粘度0.72dl/
gを有し、DMFには可溶であったが、DMF/トルエ
ンが1/1(重量比)の混合溶媒に不溶であった。
【0043】実施例1 合成例1で得られたポリイミド粉末100gとN,N′
−(4,4′−ジフェニルメタン)ビスマレイミド(B
MI)50gをDMF200gとトルエン200gの混
合溶媒に溶解し、ジクミルパーオキシド3gを添加して
樹脂組成物(ワニス)を得た。この樹脂組成物をガラス
板上に流延し、100℃で10分乾燥した後、引き剥が
してフイルムを得た。このフイルムを鉄枠に止めてさら
に150℃で30分間加熱することによって良く乾燥し
た未硬化のフィルム状接着剤を得た。このフィルム状接
着剤は厚さ25μm、軟化点143℃であり、180度
の角度に折り曲げても割れず優れた可とう性を示した。
【0044】このフィルム状接着剤を200℃で1時間
加熱して硬化させたところ、得られた硬化フィルムはガ
ラス転移点230℃であった。また、この硬化フィルム
を塩化メチレンに室温で30分間浸漬したが、外観に変
化はなかった。
【0045】上記フイルム状接着剤を2枚の35μm厚
片面粗化銅箔の間にはさんで200℃、30Kg/cm2
1時間の条件でプレスしてフレキシブル印刷配線板用基
板を得た。この基板の90度銅箔引きはがし強さは、室
温雰囲気で1.4Kgf/cm、200℃雰囲気で1.2Kgf
/cm(いずれの場合も、引張り速度50mm/分で測定
したとき)であった。また、この基板を300℃の半田
浴に60秒間浸漬してもふくれ、剥離は生じなかつた。
【0046】実施例2 BMIの代りにN,N′−〔4,4′−〔2,2′−ビ
ス〔(4,4′−フェノキシフエニル)イソプロピリデ
ン〕〕ビスマレイミド(BBMI)30gを添加するこ
と以外は実施例1に準じてフイルム状接着剤を得た。得
られたフイルム状接着剤は厚さ25μm、軟化点150
℃であり、180度に折曲げても割れず可とう性に優れ
たものであつた。
【0047】このフィルム状接着剤を200℃で1時間
加熱して硬化させたところ、得られた硬化フィルムはガ
ラス転位点220℃であった。
【0048】上記フイルム状接着剤を用いて実施例1に
準じてフレキシブル印刷配線板用基板を得た。この基板
の90度銅箔引きはがし強さは、室温雰囲気で0.8Kg
f/cm、200℃雰囲気で0.7Kgf/cm(いずれの場合
も、引張り速度50mm/分で測定したとき)であっ
た。また、この基板を300℃の半田浴に60秒間浸漬
してもふくれ、剥離は生じなかつた。
【0049】実施例3 合成例2で得られたポリイミド粉末100gとBMI
30gをDMF200gとトルエン200gの混合溶媒
に溶解し、ジクミルパーオキシド3gを添加して樹脂組
成物(ワニス)を得た。この樹脂組成物を用いて、実施
例1に準じてフイルム状接着剤を得た。得られたフイル
ム状接着剤は厚さ25μm、軟化点155℃であり、1
80度に折曲げても割れず可とう性に優れたものであつ
た。
【0050】このフィルム状接着剤を230℃で1時間
加熱して硬化させたところ、得られた硬化フィルムはガ
ラス転位点230℃であった。また、この硬化フィルム
を塩化メチレンに室温で30分間浸漬したが、外観に変
化はなかった。
【0051】実施例4 BMIの使用量を50gから10gに変更すること以外
は実施例1に準じてフイルム状接着剤を得た。得られた
フイルム状接着剤は厚さ25μm、軟化点175℃であ
り、180度に折曲げても割れず可とう性に優れたもの
であつた。
【0052】このフィルム状接着剤を200℃で1時間
加熱して硬化させたところ、得られた硬化フィルムはガ
ラス転位点202℃であった。また、この硬化フィルム
を塩化メチレンに室温で30分間浸漬したが、外観に変
化はなかった。
【0053】上記フイルム状接着剤を2枚の35μm厚
片面粗化銅箔の間にはさんで230℃、30Kg/cm2
1時間の条件でプレスしてフレキシブル印刷配線板用基
板を得た。この基板の90度銅箔引きはがし強さは、室
温雰囲気で0.7Kgf/cm(引張り速度50mm/分で測
定したとき)であった。また、この基板を300℃の半
田浴に60秒間浸漬してもふくれ、剥離は生じなかつ
た。
【0054】比較例1 合成例4で得られたポリイミド粉末100gとBMI
30gをDMF200gとトルエン200gの混合溶媒
に溶解し、ジクミルパーオキシド3gを添加して樹脂組
成物(ワニス)を得た。この樹脂組成物を用いて、実施
例1に準じてフイルム状接着剤を得た。得られたフイル
ム状接着剤は厚さ25μm、軟化点320℃であった。
【0055】このフィルム状接着剤を230℃で1時間
加熱して硬化させた後、塩化メチレンに室温で30分間
浸漬したところ、ほとんど溶解した。また、上記フィル
ム状接着剤を180度に折曲げたところ、ひびがはいっ
た。
【0056】上記フイルム状接着剤を2枚の35μm厚
片面粗化銅箔の間にはさんで230℃、30Kg/cm2
1時間の条件でプレスしてフレキシブル印刷配線板用基
板を得ようとしたが、接着せず、フレキシブル印刷配線
板用基板を得ることができなかった。
【0057】比較例2 合成例5で得られたポリイミド粉末100gとBMI
10gをDMF400gに溶解して樹脂組成物(ワニ
ス)を得た。この樹脂組成物をガラス板上に流延し、1
00℃で10分乾燥した後、引き剥がしてフイルムを得
た。このフイルムを鉄枠に止めてさらに150℃で30
分間、180℃30分間加熱することによって良く乾燥
した未硬化のフィルム状接着剤を得た。このフィルム状
接着剤は、軟化点が230℃であり、180度の角度に
折り曲げても割れず優れた可とう性を示した。
【0058】上記フイルム状接着剤を2枚の35μm厚
片面粗化銅箔の間にはさんで30Kg/cm2、200℃、
1時間の条件でプレスしたが接着できなかった。また、
上記樹脂組成物にジクミルパーオキシド3gを溶解して
上記と同様にしてフイルム状接着剤を作成し、これを2
枚の35μm厚片面粗化銅箔の間にはさんで30Kg/cm
2,200℃,1時間の条件でプレスしたが接着できな
かった。
【0059】
【発明の効果】請求項1における熱硬化性樹脂組成物
は、低温成形が可能であり、接着性に優れ、その硬化物
は耐熱性及び耐溶剤性に優れる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宮寺 康夫 茨城県つくば市和台48番 日立化成工業 株式会社 筑波開発研究所内 (56)参考文献 特開 平5−255564(JP,A) 特開 平4−227960(JP,A) 特開 平2−204029(JP,A) 特開 平2−53826(JP,A) 特開 昭62−235382(JP,A) 特開 昭62−177066(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】化1〔一般式(I)〕 【化1】 〔ただし、一般式(I)中、Arは化2(一般式
    (a)) 【化2】 (ただし、一般式(a)中、Z1、Z2及びZ3はそれぞ
    れ独立にSO2、O又はCOを示す)で表わされる基又
    は化3(一般式(b)) 【化3】 (ただし、一般式(b)中、R1、R2、R3及びR4は、
    それぞれ独立に水素又は炭素数1〜4のアルキル基若し
    くはアルコキシ基を示し、これらのうち少なくとも2個
    以上はアルキル基若しくはアルコキシ基であり、XはC
    2、C(CH32、O、SO2、CO、NHCOを示
    す)で表される基を示す〕で表わされる構成単位を含
    み、一般式(a)の基と一般式(b)を前者/後者がモ
    ル比で10/90〜90/10の割合で含んでなるポリ
    イミド(A)及び化4〔一般式(II)〕 【化4】 〔ただし、一般式(II)中、mは2以上の整数であり、
    Rは炭素数2以上のm価の基である〕で表されるポリマ
    レイミド(B)を含有してなる熱硬化性樹脂組成物。
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