JP3144013B2 - 新規なポリイミド及びその製造法 - Google Patents

新規なポリイミド及びその製造法

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JP3144013B2
JP3144013B2 JP04003124A JP312492A JP3144013B2 JP 3144013 B2 JP3144013 B2 JP 3144013B2 JP 04003124 A JP04003124 A JP 04003124A JP 312492 A JP312492 A JP 312492A JP 3144013 B2 JP3144013 B2 JP 3144013B2
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秀一 松浦
薫 池田
良英 岩崎
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Hitachi Chemical Co Ltd
Showa Denko Materials Co Ltd
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  • Macromolecular Compounds Obtained By Forming Nitrogen-Containing Linkages In General (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、有機溶剤溶解性、低温
成形性に優れる新規なポリイミド及びその製造法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】ポリイミド樹脂は耐熱性が優れている
が、多くのものは、不溶,不融であるため成形性が劣つ
ている。そのため、従来、ポリイミドをフイルムなどに
成形するには前駆体であるポリアミド酸の状態で有機溶
媒に溶解したワニスを用いて成形した後、イミド化して
いた。しかし、ポリアミド酸ワニスは加水分解によつて
分子量が低下するため、低温で保存しなければならなか
つた。また、使用する溶媒が吸湿しやすいものであるた
め吸湿により樹脂が析出すること、フイルム等に成形し
た後、イミド化する際に縮合水が発生するため成形物中
にボイドが残ること、イミド化する際に300℃以上の
高温にする必要があるため熱に弱い基材には適用できな
いことなどの問題があつた。
【0003】これらの問題点を解決するために、有機溶
剤に可溶なポリイミドが開発されている。例えば、US
P4,851,505(特開平1−263116号公
報)、USP4,935,490(特開平1−2631
17号公報)に示される4,4’−メチレンビス(2,
6−ジアルキルアニリン)とビフェニルテトラカルボン
酸二無水物、ピロメリット酸二無水物等の酸二無水物か
らなるポリイミドはN−メチルピロリドン、m−クレゾ
ールに可溶である。しかし、これらのポリイミドは、い
ずれもガラス転移点が400℃を超えるものであり、成
形加工には高温が必要である。
【0004】また、特開昭62−30112号公報に
は、3,3′,4,4′−ベンゾフェノンテトラカルボ
ン酸二無水物、ビス(4−(3−アミノフェノキシ)フ
ェニル)スルホン及び必要に応じて2,4−ジアミノト
ルエンを使用して得られるポリイミドが開示される。ま
た、このポリイミドがトルエンとm−クレゾールの混合
溶剤、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)に溶解
することが開示される。しかし、特開昭62−3011
2号公報に開示のポリイミドは、トルエンとDMFの混
合溶剤には、溶解しない。
【0005】以上から明らかなように、低軟化点であ
り、かつ有機溶剤に対する溶解性が著しく優れるポリイ
ミドを作製することは非常に困難であった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、有機溶剤溶
解性に優れ、低軟化点を有する新規なポリイミド及びそ
の製造法を提供するものである。
【0007】本発明におけるポリイミドは、化6〔一般
式(I)〕
【化6】 〔ただし、一般式(I)中、Arは化7(一般式
(a))
【化7】 (ただし、一般式(a)中、Zは−C(=O)−、−S
2−、−O−、−S−、−(CH2m−、−CO−N
H−、−C(CH32−、−C(CF32−、−C(=
O)−O−又は結合を示し、n及びmは1以上の整数を
示し、複数個のZはそれぞれ同一でも異なっていてもよ
く、各ベンゼン環の水素は置換基で適宜置換されていて
もよい)で表わされる基又は化8(一般式(b))
【化8】 (ただし、一般式(b)中、R1、R2、R3及びR4は、
それぞれ独立に水素又は炭素数1〜4のアルキル基若し
くはアルコキシ基を示し、これらのうち少なくとも2個
以上はアルキル基若しくはアルコキシ基であり、XはC
2、C(CH32、O、SO2、CO又はNHCOを示
す)で表される基を示す〕で表わされる構成単位を含
み、一般式(a)の基と一般式(b)の基を前者/後者
がモル比で10/90〜90/10の割合で含んでなる
ものである。
【0008】前記一般式(a)において、ベンゼン環に
結合していてもよい置換基としては、メチル基,エチル
基,イソプロピル基等の低級アルキル基,塩素,臭素,
フツ素等のハロゲン,メトキシ基,エトキシ基等のアル
コキシ基,トリフルオロメチル基,ペンタフルオロエチ
ル基,パーフルオロブチル基,パーフルオロヘキシル
基,パーフルオロオクチル基等のフツ素置換アルキル基
等があり、これらの置換基が複数個ある場合これらは同
一でも異なつていてもよい。
【0009】前記一般式(a)で表わされる基は、特
に、化9〔一般式(a′)〕
【化9】 〔ただし、一般式(a′)中、Z1、Z2及びZ3はそれ
ぞれ独立にSO2、O、CO又はC(CH32を示す〕
で表わされる基が、後記するマレイミドとの組成物から
得られる硬化物の耐溶剤性を特に高める上で好ましい。
【0010】前記ポリイミドは、3,3′,4,4′−
ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物並びに化10
〔一般式(II)〕
【化10】 〔ただし、一般式(II)中、Z、n及びmは前記一般式
(a)に同じであり、Yはアミノ基又はイソシアネート
基を示し、各ベンゼン環の水素は前記に例示したような
置換基で適宜置換されていてもよい〕で表される化合物
及び化11〔一般式(III)〕
【化11】 〔ただし、一般式(III)中、R1、R2、R3、R4及び
Xは、前記一般式(b)に同じであり、Yはアミノ基又
はイソシアネート基を示す〕で表される化合物を反応さ
せて製造することができる。
【0011】前記の反応において酸二無水物として、
3,3′,4,4′−ベンゾフェノンテトラカルボン酸
二無水物以外の酸二無水物を、本発明の目的を損なわな
い範囲で併用してもよい。このような酸二無水物として
は、ピロメリット酸二無水物、3,3′,4,4′−ビ
フェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2′,3,
3′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,
3′,4,4′−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸
二無水物、3,3′,4,4′−ジフェニルオキシテト
ラカルボン酸二無水物、4,4′−〔2,2,2−トリ
フルオロ−1−(トリフルオロメチル)エチリデン〕ビ
ス(1,2−ベンゼンジカルボン酸無水物)、エチレン
ビストリメリテート二無水物、カテコールビストリメリ
テート二無水物、レゾルシノールビストリメリテート二
無水物、ジヒドロキシベンゼンビストリメリテート二無
水物、ビスフエノールAビストリメリテート二無水物、
テトラクロロビスフエノールAビストリメリテート二無
水物、テトラブロモビスフエノールAビストリメリテー
ト二無水物、ビフエニルビストリメリテート二無水物等
がある。これらは、酸二無水物全量に対して50モル%
以下で使用するのが好ましく、特に30モル%以下で使
用するのが好ましい。
【0012】前記一般式(II)で表わされる化合物のう
ち、化12〔一般式(II′)〕
【化12】 〔ただし、一般式(II′)中、Z1、Z2及びZ3は前記
一般式(a′)に同じであり、Yはアミノ基又はイソシ
アネート基を示す〕で表わされる化合物が特に好まし
い。
【0013】前記した一般式(II)で表される化合物の
うち、Yがアミノ基であるものとしては、4,4′−ビ
ス(3−アミノクミル)ベンゼン、4,3′−ビス(3
−アミノクミル)ベンゼン、3,3′−ビス(3−アミ
ノクミル)ベンゼン、4,4′−ビス(3−アミノフェ
ノキシ)ベンゼン、4,3′−ビス(3−アミノフェノ
キシ)ベンゼン、3,3′−ビス(3−アミノフェノキ
シ)ベンゼン、ビス〔4−(3−アミノフェノキシ)フ
ェニル〕スルホン、ビス〔4−(4−アミノフェノキ
シ)フェニル〕スルホン、ビス〔4−(3−アミノフェ
ノキシ)フェニル〕ケトン、ビス〔4−(4−アミノフ
ェノキシ)フェニル〕ケトン、ビス〔4−(3−アミノ
フェノキシ)フェニル〕エーテル、ビス〔4−(4−ア
ミノフェノキシ)フェニル〕エーテル、2,2−ビス
〔4−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、
2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニ
ル〕プロパン、ビス〔4−(3−アミノフェノキシフェ
ニル)ヘキサフルオロプロパン、ビス〔4−(4−アミ
ノフェノキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、ビス
〔4−(3−アミノベンゾイル)フェニル〕スルホン、
ビス〔4−(4−アミノベンゾイル)フェニル〕スルホ
ン、ビス〔4−(3−アミノベンゾイル)フェニル〕ケ
トン、ビス〔4−(4−アミノベンゾイル)フェニル〕
ケトン、ビス〔4−(3−アミノベンゾイル)フェニ
ル〕エーテル、ビス〔4−(4−アミノベンゾイル)フ
ェニル〕エーテル、2,2−ビス〔4−(3−アミノベ
ンゾイル)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−
(4−アミノベンゾイル)フェニル〕プロパン、ビス
〔4−(3−アニリノスホニル)フェニル〕エーテル、
ビス〔4−(4−アニリノスホニル)フェニル〕エーテ
ル、ビス〔3−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕ス
ルホン、ビス〔3−(3−アミノフェノキシ)フェニ
ル〕ケトン、2,2−ビス〔4−(3−アニリノスホニ
ル)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(4−ア
ニリノスホニル)フェニル〕プロパン、ビス〔3−(3
−アミノフェノキシ)フェニル〕エーテル、ビス〔3−
(3−アミノベンゾイル)フェニル〕スルホン、ビス
〔3−(3−アミノベンゾイル)フェニル〕ケトン、ビ
ス〔3−(3−アミノベンゾイル)フェニル〕エーテ
ル、ビス〔3−(3−アニリノスホニル)フェニル〕エ
ーテル、2,2−ビス〔3−(3−アミノフェノキシ)
フェニル〕プロパン、4,4′−ビス〔3−(4−アミ
ノ−α,α´−ジメチルベンジル)フエノキシ〕ジフエ
ニルスルホン、4,4′−ビス〔3−(4−アミノ−
α,α′−ジメチルベンジル)フエノキシ〕ベンゾフエ
ノン、4,4′−ビス〔4−(4−アミノ−α,α′−
ジメチルベンジル)フエノキシ〕ジフエニルスルホン、
4,4′−ビス〔4−(4−アミノ−α,α′−ジメチ
ルベンジル)フエノキシ〕ベンゾフエノン、4−〔3−
(4−アミノ−α,α′−ジメチルベンジル)フエノキ
シ〕−4′−〔4−(4−アミノ−α,α′−ジメチル
ベンジル)フエノキシ〕ジフエニルスルホン、4−〔3
−(4−アミノ−α,α′−ジメチルベンジル)フエノ
キシ〕−4′−〔4−アミノ−α,α′−ジメチルベン
ジル)フエノキシ〕ベンゾフエノン、4,4′−ビス
〔3−(3−アミノ−α,α′−ジメチルベンジル)フ
エノキシ〕ジフエニルスルホン、4,4′−ビス〔3−
(3−アミノ−α,α′−ジメチルベンジル)フエノキ
シ〕ベンゾフエノン、4,4′−ビス〔2−(4−アミ
ノ−α,α′−ジメチルベンジル)フエノキシ〕ジフエ
ニルスルホン、4,4′−ビス〔2−(4−アミノ−
α,α′−ジメチルベンジル)フエノキシ〕ベンゾフエ
ノン、3,3′−ビス〔3−(4−アミノ−α,α′−
ジメチルベンジル)フエノキシ〕ジフエニルスルホン、
3,3′−ビス〔3−(4−アミノ−α,α′−ジメチ
ルベンジル)フエノキシ〕ベンゾフエノン等を併用して
もよく、ジイソシアナートとしては、ジフエニルメタン
ジイソシアナート、トルイレンジイソシアナート、4,
4′−ビス〔3−(4−イソシアナート−α,α′−ジ
メチルベンジル)フエノキシ〕ジフエニルケトン、4,
4′−ビス〔3−(4−イソシアナート−α,α′−ジ
メチルベンジル)フエノキシ〕ジフエニルスルホン等が
ある。
【0014】前記した一般式(II)で表される化合物の
うち、Yがイソシアネート基であるものとしては、上記
に例示したジアミンにおいて、アミノ基をイソシアネー
ト基に換えたものを例示することができる。
【0015】前記した一般式(III)で表される化合物
のうち、Yがアミノ基であるものとしては、4,4’−
ジアミノ−3,3’,5,5’−テトラメチルジフェニ
ルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’,5,5’−
テトラエチルジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−
3,3’,5,5’−テトラn−プロピルジフェニルメ
タン、4,4’−ジアミノ−3,3’,5,5’−テト
ライソプロピルジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ
−3,3’,5,5’−テトラブチルジフェニルメタ
ン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチル−5,
5’−ジエチルジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ
−3,3’−ジメチル−5,5’−ジイソプロピルジフ
ェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジエチ
ル−5,5’−ジイソプロピルジフェニルメタン、4,
4’−ジアミノ−3,5−ジメチル−3’,5’−ジエ
チルジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,5−
ジメチル−3’,5’−ジイソプロピルジフェニルメタ
ン、4,4’−ジアミノ−3,5−ジエチル−3’,
5’−ジイソプロピルジフェニルメタン、4,4’−ジ
アミノ−3,5−ジエチル−3’,5’−ジブチルジフ
ェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,5−ジイソプ
ロピル−3’,5’−ジブチルジフェニルメタン、4,
4’−ジアミノ−3,3’−ジイソプロピル−5,5’
−ジブチルジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−
3,3’−ジメチル−5,5’−ジブチルジフェニルメ
タン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジエチル−5,
5’−ジブチルジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ
−3,3’−ジメチルジフェニルメタン、4,4’−ジ
アミノ−3,3’−ジエチルジフェニルメタン、4,
4’−ジアミノ−3,3’−ジn−プロピルジフェニル
メタン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジイソプロピ
ルジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’−
ジブチルジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,
3’,5−トリメチルジフェニルメタン、4,4’−ジ
アミノ−3,3’,5−トリエチルジフェニルメタン、
4,4’−ジアミノ−3,3’,5−トリn−プロピル
ジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’,5
−トリイソプロピルジフェニルメタン、4,4’−ジア
ミノ−3,3’,5−トリブチルジフェニルメタン、
4,4’−ジアミノ−3−メチル−3’−エチルジフェ
ニルメタン、4,4’−ジアミノ−3−メチル−3’−
イソプロピルジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−
3−エチル−3’−イソプロピルジフェニルメタン、
4,4’−ジアミノ−3−エチル−3’−ブチルジフェ
ニルメタン、4,4’−ジアミノ−3−イソプロピル−
3’−ブチルジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−
2,2’−ビス(3,3’,5,5’−テトラメチルジ
フェニル)イソプロパン、4,4’−ジアミノ−2,
2’−ビス(3,3’,5,5’−テトラエチルジフェ
ニル)イソプロパン、4,4’−ジアミノ−2,2’−
ビス(3,3’,5,5’−テトラn−プロピルジフェ
ニル)イソプロパン、4,4’−ジアミノ−2,2’−
ビス(3,3’,5,5’−テトライソプロピルジフェ
ニル)イソプロパン、4,4’−ジアミノ−2,2’−
ビス(3,3’,5,5’−テトラブチルジフェニル)
イソプロパン、4,4’−ジアミノ−3,3’,5,
5’−テトラメチルジフェニルエーテル、4,4’−ジ
アミノ−3,3’,5,5’−テトラエチルジフェニル
エーテル、4,4’−ジアミノ−3,3’,5,5’−
テトラn−プロピルジフェニルエーテル、4,4’−ジ
アミノ−3,3’,5,5’−テトライソプロピルジフ
ェニルエーテル、4,4’−ジアミノ−3,3’,5,
5’−テトラブチルジフェニルエーテル、4,4’−ジ
アミノ−3,3’,5,5’−テトラメチルジフェニル
スルホン、4,4’−ジアミノ−3,3’,5,5’−
テトラエチルジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノ
−3,3’,5,5’−テトラn−プロピルジフェニル
スルホン、4,4’−ジアミノ−3,3’,5,5’−
テトライソプロピルジフェニルスルホン、4,4’−ジ
アミノ−3,3’,5,5’−テトラブチルジフェニル
スルホン、4,4’−ジアミノ−3,3’,5,5’−
テトラメチルジフェニルケトン、4,4’−ジアミノ−
3,3’,5,5’−テトラエチルジフェニルケトン、
4,4’−ジアミノ−3,3’,5,5’−テトラn−
プロピルジフェニルケトン、4,4’−ジアミノ−3,
3’,5,5’−テトライソプロピルジフェニルケト
ン、4,4’−ジアミノ−3,3’,5,5’−テトラ
ブチルジフェニルケトン、4,4’−ジアミノ−3,
3’,5,5’−テトラメチルベンズアニリド、4,
4’−ジアミノ−3,3’,5,5’−テトラエチルベ
ンズアニリド、4,4’−ジアミノ−3,3’,5,
5’−テトラn−プロピルベンズアニリド、4,4’−
ジアミノ−3,3’,5,5’−テトライソプロピルベ
ンズアニリド、4,4’−ジアミノ−3,3’,5,
5’−テトラブチルベンズアニリド等がある。
【0016】前記した一般式(III)で表される化合物
のうち、Yがイソシアネート基であるものとしては、上
記に例示したジアミンにおいて、アミノ基をイソシアネ
ート基に換えたものを例示することができる。
【0017】本発明において、酸二無水物の反応の相手
としては、一般式(II)で表わされる化合物又は一般式
(III)で表わされる化合物以外のジアミン又はジイソ
シアネートを本発明の目的を損なわない範囲で使用して
もよい。このようなジアミン又はジイソシアネートは、
酸二無水物の反応の相手の総量に対して30モル%以下
で使用するのが好ましい。このようなジアミンとして
は、ジアミノジフエニルメタン、ジアミノジフエニルエ
ーテル、ジアミノジフエニルケトン、ジアミノジフエニ
ルプロパン、フエニレンジアミン、トルエンジアミン、
ジアミノジフエニルスルフイド、ジアミノジフエニルヘ
キサフルオロプロパン、ジアミノジアルキルジフエニル
メタン等、その他上記ジアミンにおいてアミノ基をイソ
シアナート基に代えたもの等を併用してもよい。
【0018】一般式(II)で表わされる化合物と一般式
(III)で表わされる化合物は、前者/後者がモル比で
10/90〜90/10になるように使用するのが好ま
しい。この比が小さすぎると溶剤に対する溶解性が低下
する傾向にあり、大きすぎると硬化物の耐溶剤性が低下
する傾向がある。上記の比は、90/10〜50/50
であるのが特に好ましい。
【0019】本発明において、ポリイミドは、次のよう
にして製造することができる。酸二無水物の反応の相手
としてジアミンを使用する場合、酸二無水物とジアミン
を有機溶媒中、必要に応じてトリブチルアミン、トリエ
チルアミン、亜リン酸トリフエニル等の触媒の存在下、
100℃以上、好ましくは180℃以上に加熱して、イ
ミド化までを行なわせて、直接ポリイミドを得る方法
(触媒は、反応成分の総量に対して0〜15重量%使用
するのが好ましく、特に0.01 〜15重量%使用する
のが好ましい)、酸二無水物及びジアミンを有機溶媒中
100℃未満で反応させてポリイミドの前駆体であるポ
リアミド酸のワニスをいつたん製造し、この後、このワ
ニスを加熱してイミド化するか、無水酢酸、無水プロピ
オン酸、無水安息香酸等の酸無水物、ジシクロヘキシル
カルボジイミド等のカルボジイミド化合物等の閉環剤、
必要に応じてピリジン、イソキノリン、トリメチルアミ
ン、アミノピリジン、イミダゾール等の閉環触媒を添加
して化学閉環(イミド化)させる方法(閉環剤及び閉環
触媒は、それぞれ、酸無水物1モルに対して1〜8モル
の範囲内で使用するのが好ましい)等がある。
【0020】前記有機溶剤としては、N−メチル−ピロ
リドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメ
チルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、スルホラ
ン、ヘキサメチルリン酸トリアミド、1,3−ジメチル
−2−イミダゾリドン等の非プロトン性極性溶媒、フエ
ノール、クレゾール、キシレノール、p−クロルフエノ
ール等のフエノール系溶媒等が挙げられる。
【0021】また、溶媒としてはベンゼン,トルエン,
キシレン,メチルエチルケトン,アセトン,テトラヒド
ロフラン,ジオキサン,モノグライム,ジグライム,メ
チルセロソルブ,セロソルブアセテート,メタノール,
エタノール,イソプロパノール,塩化メチレン,クロロ
ホルム,トリクレン,テトラクロロエタン等のうち、原
料モノマー及びポリイミド又はポリアミド酸を溶解する
ものを使用してもよく、これらを溶解しないものは、溶
解性をそこなわない範囲で他の溶剤と混合して用いるこ
とができる。
【0022】前記したポリイミド及びその前駆体である
ポリアミド酸の製造に際し、場合により、固相反応、3
00℃以下での溶融反応等を利用することができる。
【0023】また、酸二無水物の反応の相手としてジイ
ソシアナートを使用する場合は、前記した直接ポリイミ
ドを得る方法に準じて行なうことができる。ただし、反
応温度は室温以上、特に60℃以上であれば充分であ
る。
【0024】本発明において、酸二無水物とその反応の
相手は、ほぼ等モルで用いるのが好ましいが、いずれか
一方の過剰量が10モル%、特に好ましくは5モル%ま
では許容される。
【0025】前記ポリイミドは、化13〔一般式(IV)〕
【化13】 〔ただし、一般式(IV)中、mは2以上の整数を示し、R
は炭素数2以上のm価の基を示す〕で表わされるポリマ
レイミドと混合して、接着剤、積層材料、成形材料等に
有用な熱硬化性樹脂創成物とすることができる。
【0026】上記ポリマレイミド(B)の具体例として
はN,N′−(4,4′−ジフエニルメタン)ビスマレ
イミド、N,N′−(4,4′−ジフエニルオキシ)ビ
スマレイミド、N,N′−p−フエニレンビスマレイミ
ド、N,N′−m−フエニレンビスマレイミド、N,
N′−2,4−トリレンビスマレイミド、N,N′−
2,6−トリレンビスマレイミド、N,N′−エチレン
ビスマレイミド、N,N′−〔4,4′−〔2,2′−
ビス(4,4′−フエノキシフエニル)イソプロピリデ
ン〕〕ビスマレイミド、N,N′−〔4,4′−〔2,
2′−ビス(4,4′−フエノキシフエニル)ヘキサフ
ルオロイソプロピリデン〕〕ビスマレイミド、N,N′
−ヘキサメチレンビスマレイミド、N,N′−〔4,
4′−ビス(3,5−ジメチルフエニル)メタン〕ビス
マレイミド、N,N′−〔4,4′−ビス(3,5−ジ
エチルフエニル)メタン〕ビスマレイミド、N,N′−
〔4,4′−(3−メチル−5−エチルフエニル)メタ
ン〕ビスマレイミド、N,N′−〔4,4′−ビス
(3,5−ジイソプロピルフエニル)メタン〕ビスマレ
イミド、下記化14〜化19で表わされる化合物があ
り、単一で又は二種以上混合して使用される。
【0027】
【化14】
【化15】
【化16】
【化17】
【化18】
【化19】 (式中、rは整数を示す)
【0028】ポリイミドとポリマレイミドの混合割合
は、目的に応じて適宜決定されるがポリマレイミドをポ
リイミド100重量部に対して5〜180重量部で用い
るのが好ましい。ポリマレイミドが少なすぎると硬化が
十分でなく、多すぎると樹脂組成物がもろくなる。特に
自己支持性のフイルムを製造する場合、可撓性を十分保
有させる点で、ポリマレイミドはポリイミド100重量
部に対して100重量部以下の割合で用いるのが特に好
ましい。
【0029】本発明における樹脂組成物は、275℃よ
り低い温度(さらには、230℃より低い温度)で成形
して優れた耐熱性等を示す成形物を得ることができる。
より低温で成形するためには、t−ブチルパーベンゾエ
ート、t−ブチルハイドロパーオキシド、ベンゾイルパ
ーオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチ
ルパーオキシ)ヘキシン−3、ジクミルパーオキシド、
t−ブチルクミルパーオキシド、α,α′−ビス(t−
ブチルパーオキシ−m−イソプロピル)ベンゼン等の有
機過酸化物などのラジカル重合開始剤を配合することが
好ましく、200℃前後で成形することができる。ラジ
カル重合開始剤は、ポリイミド(A)及びポリマレイミ
ド(B)の総量に対して0.1〜10重量%用いるのが
好ましい。
【0030】本発明における樹脂組成物は、ポリイミド
(A)とポリマレイミド(B)さらに、必要に応じてラジ
カル重合開始剤を粉状で混合したものでもよく、これら
を有機溶剤に溶解したもの(ワニス)であつてもよい。
このとき使用できる有機溶剤としては、N,N−ジメチ
ルホルムアミド、N−メチルピロリドン等の非プロトン
性極性溶剤以外に、ジオキサン、テトラヒドロフラン、
ジグライム、モノグライム等のエーテル系溶剤、塩化メ
チレン等の塩素系溶剤、トルエン等の芳香族系溶剤など
の低沸点溶剤又は極性の小さな有機溶剤がある。
【0031】本発明における樹脂組成物には、ビスフェ
ノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ
樹脂等のビスフェノール型エポキシ樹脂、クレゾールノ
ボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポ
キシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂
等のノボラック型エポキシ樹脂、多価アルコール型エポ
キシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂などのエポキシ樹脂、ジ
シアンジアミド、多価フェノール、アミン類、酸無水物
等のエポキシ樹脂の硬化剤、三級アミン、イミダゾール
類、マスクドイミダゾール類、三フッ化ホウ素コンプレ
ックス類等のエポキシ樹脂の硬化促進剤等を混合しても
よい。エポキシ樹脂を混合して用いると、より低温で成
形することが可能になる。
【0032】本発明における樹脂組成物は、ガラス板,
ステンレス板等に流延,乾燥後、加熱硬化させて硬化フ
イルムとすることができる。このフイルムは絶縁フイル
ム、積層板用のベースフイルム等に有用である。
【0033】本発明における樹脂組成物は、これ自体を
接着剤として用いることができる。この接着剤はワニス
状で用いてもよく、また、ワニスをガラス板,ステンレ
ス板等に流延,乾燥した後引き剥がして基材を含まず、
可とう性に富み、未硬化であるフイルム状接着剤(自己
支持性フイルム状接着剤)にしてから用いることができ
る。このような接着剤は各種用途に使用することができ
るが、アルミニウム板、鋼板、ステンレス板、42アロ
イ板等の金属板,ポリイミドフイルム、ポリアラミドフ
ィルム等のプラスチツクフイルムなどの芯材と銅箔,ア
ルミ箔等の金属箔を張り合わせて金属張り積層板を製造
するための接着剤として特に有用である。この接着剤
は、比較的低い加熱で(成形温度で)優れた接着力を示
す。
【0034】ワニス状の本発明における樹脂組成物は、
また、ガラス布,カーボンクロス等の基材に含浸,乾燥
してプリプレグとして用いることもできる。
【0035】上記のフイルム状接着剤及びプリプレグの
製造に際し、乾燥温度と時間は用いる溶剤,ポリマレイ
ミドの種類によつて異なる。温度はポリマレイミドの重
合が顕著になる温度よりも低く保つ必要があるが、本発
明の樹脂組成物は低沸点溶剤又は極性が小さく揮発しや
すい有機溶剤に溶解することができるため、より低い温
度で乾燥できる。このときラジカル開始剤が存在してい
ても重合反応を抑えて容易に乾燥することができる。時
間は残存溶剤量が5重量%以下になるようにするのが好
ましい。
【0036】さらに、本発明における樹脂組成物は、粉
状のまま成形材料として用いることもできる。ポリマレ
イミドの種類によつて成形温度が異なるが、これらを加
熱成形することによつて強じんな耐熱性成形物が得られ
る。
【0037】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳細に説明する
が、本発明はこれらの範囲に限定されるものではない。
【0038】実施例1 撹拌機,温度計,窒素ガス導入管、塩化カルシウム管を
備えた4つ口フラスコに4,4′−ジアミノ−3,
3′,5,5′−テトライソプロピルジフェニルメタン
(IPDDM)0.55g(1.5ミリモル)、ビス〔4
−(3−アミノフェノキシ)フェニル〕スルホン(m−
APPS)3.67g(8.5ミリモル)及びN,N−
ジメチルホルムアミド(DMF)29.8gを入れ、溶
解した。次に、5℃を越えないように冷却しながら3,
3′,4,4′−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無
水物(BTDA)3.22g(10.0ミリモル)を少
しづつ加えた後、5℃を越えないように冷却しながら1
時間、次いで、室温で6時間反応させてポリアミド酸を
合成した。得られたポリアミド酸のワニスに無水酢酸
2.55g及びピリジン1.98gを加え、室温で3時
間反応させてポリイミドを合成した。得られたポリイミ
ドのワニスを水に注いで得られる沈殿を分離、粉砕,乾
燥してポリイミド粉末を得た。
【0039】このポリイミド粉末をDMFに0.1g/dl
の濃度で溶解し、30℃で測定したときの還元粘度は
1.07dl/gであった。このポリイミド粉末の赤外線
吸収スペクトルを図1に示す。
【0040】また、このポリイミド粉末を種々の有機溶
剤に5重量%の濃度になるように添加して室温で溶解状
態を観察することによって溶解性試験を行った。その結
果、このポリイミド粉末は、DMF、N−メチルピロリ
ドン(NMP)、N,N−ジメチルアセトアミド(DM
Ac)、DMF/トルエンが1/1(重量比)の混合溶
媒に可溶であった。
【0041】さらに、このポリイミド粉末をDMFに溶
解した。得られたワニスをガラス板上に流延し、つい
で、100℃で10分間乾燥した後、剥離し、鉄枠にと
めて150℃で1時間、さらに250℃で1時間乾燥し
てフィルムを得た。このようにして得られたフィルムを
用いてペネトレーション法により荷重25kg/c
2、昇温速度10℃/分の条件でポリイミドの軟化点
を測定したところ、軟化点236℃であった。また、得
られたフィルムを180度の角度に折り曲げて可とう性
試験を行ったところ、フィルムは割れず良好な可とう性
を示した。
【0042】実施例2 IPDDMの使用量を0.13g(3.5ミリモル)及
びm−APPSの使用量を0.28g(6.5ミリモ
ル)に変更すること以外は実施例1に準じてポリイミド
粉末を得、このポリイミド粉末を用いて実施例1に準じ
て還元粘度の測定及び溶解性試験を行った。その結果、
得られたポリイミド粉末は、還元粘度0.78dl/gを
有し、DMF、ジオキサン、塩化メチレン、DMF/ト
ルエンが1/1(重量比)の混合溶媒に可溶であった。
このポリイミドの赤外線吸収スペクトルを図2に示す。
さらに、実施例1に準じて測定した軟化点は241℃で
あり、可とう性試験の結果、フィルムは割れず良好な可
とう性を示した。
【0043】比較例1 IPDDM0.55gとm−APPS3.67gを使用
する代わりにm−APPS4.32g(10.0ミリモ
ル)を使用すること以外は実施例1に準じてポリイミド
粉末を得た。このポリイミド粉末を用いて実施例1に準
じて溶解性試験を行った結果、得られたポリイミド粉末
は、DMF、DMF/トルエンが1/1(重量比)の混
合溶媒にほとんど溶解しなかった。
【0044】比較例2 IPDDM0.55gとm−APPS3.67gを使用
する代わりにIPDDM3.66g(10.0ミリモ
ル)を使用すること以外は実施例1に準じてポリイミド
粉末を得た。このポリイミド粉末を用いて実施例1に準
じて還元粘度の測定を行った。その結果、得られたポリ
イミド粉末は、還元粘度0.48dl/gを有し、DM
F、NMP、DMAc、ジオキサン、塩化メチレン、テ
トラヒドロフラン、DMF/トルエンが1/1(重量
比)の混合溶媒に可溶であった。また、実施例1に準じ
て測定した軟化点300℃以上であり、可とう性試験の
結果フィルムにひびがはいり、可とう性に劣るものであ
った。
【0045】比較例3 撹拌機,温度計,窒素ガス導入管、塩化カルシウム管を
備えた4つ口フラスコにm−APPS2.16g(5.0ミ
リモル)とメタトルイレンジアミン0.61g(5.0ミリ
モル)及びDMF24.0g を入れ、溶解した。次に、
氷冷下BTDA3.22g (10.0ミリモル)を少しづつ
加えた後、5℃を越えないように冷却しながら5時間反
応させてポリアミド酸を合成した。得られたポリアミド
酸のワニスに無水酢酸2.55g 及びピリジン1.98
g を加え、室温で3時間反応させてポリイミドを合成
した。得られたポリイミドのワニスを水に注いで得られ
る沈殿を分離、粉砕,乾燥してポリイミド粉末を得た。
【0046】このポリイミド粉末を用いて実施例1に準
じて還元粘度の測定及び溶解性試験を行った。その結
果、得られたポリイミド粉末は、還元粘度0.72dl/
gを有し、DMFには可溶であったが、DMF/トルエ
ンが1/1(重量比)の混合溶媒に不溶であった。
【0047】応用例1 実施例1で得られたポリイミド粉末100gとN,N′
−(4,4′−ジフェニルメタン)ビスマレイミド(B
MI)50gをDMF200gとトルエン200gの混
合溶媒に溶解し、ジクミルパーオキシド3gを添加して
樹脂組成物(ワニス)を得た。この樹脂組成物をガラス
板上に流延し、100℃で10分乾燥した後、引き剥が
してフイルムを得た。このフイルムを鉄枠に止めてさら
に150℃で30分間加熱することによって良く乾燥し
た未硬化のフィルム状接着剤を得た。このフィルム状接
着剤は厚さ25μm、軟化点143℃であり、180度
の角度に折り曲げても割れず優れた可とう性を示した。
【0048】このフィルム状接着剤を200℃で1時間
加熱して硬化させたところ、得られた硬化フィルムはガ
ラス転移点230℃であった。また、この硬化フィルム
を塩化メチレンに室温で30分間浸漬したが、外観に変
化はなかった。
【0049】上記フイルム状接着剤を2枚の35μm厚
片面粗化銅箔の間にはさんで200℃、30Kg/cm2
1時間の条件でプレスしてフレキシブル印刷配線板用基
板を得た。この基板の90度銅箔引きはがし強さは、室
温雰囲気で1.4Kgf/cm、200℃雰囲気で1.2Kgf
/cm(いずれの場合も、引張り速度50mm/分で測定
したとき)であった。また、この基板を300℃の半田
浴に60秒間浸漬してもふくれ、剥離は生じなかつた。
【0050】応用例2 BMIの代りにN,N′−〔4,4′−〔2,2′−ビ
ス〔(4,4′−フェノキシフエニル)イソプロピリデ
ン〕〕ビスマレイミド(BBMI)30gを添加するこ
と以外は応用例1に準じてフイルム状接着剤を得た。得
られたフイルム状接着剤は厚さ25μm、軟化点150
℃であり、180度に折曲げても割れず可とう性に優れ
たものであつた。
【0051】このフィルム状接着剤を200℃で1時間
加熱して硬化させたところ、得られた硬化フィルムはガ
ラス転位点220℃であった。
【0052】上記フイルム状接着剤を用いて応用例1に
準じてフレキシブル印刷配線板用基板を得た。この基板
の90度銅箔引きはがし強さは、室温雰囲気で0.8Kg
f/cm、200℃雰囲気で0.7Kgf/cm(いずれの場合
も、引張り速度50mm/分で測定したとき)であっ
た。また、この基板を300℃の半田浴に60秒間浸漬
してもふくれ、剥離は生じなかつた。
【0053】応用例3 実施例2で得られたポリイミド粉末100gとBMI
30gをDMF200gとトルエン200gの混合溶媒
に溶解し、ジクミルパーオキシド3gを添加して樹脂組
成物(ワニス)を得た。この樹脂組成物を用いて、応用
例1に準じてフイルム状接着剤を得た。得られたフイル
ム状接着剤は厚さ25μm、軟化点155℃であり、1
80度に折曲げても割れず可とう性に優れたものであつ
た。
【0054】このフィルム状接着剤を230℃で1時間
加熱して硬化させたところ、得られた硬化フィルムはガ
ラス転位点230℃であった。また、この硬化フィルム
を塩化メチレンに室温で30分間浸漬したが、外観に変
化はなかった。
【0055】応用例4 BMIの使用量を50gから10gに変更すること以外
は応用例1に準じてフイルム状接着剤を得た。得られた
フイルム状接着剤は厚さ25μm、軟化点175℃であ
り、180度に折曲げても割れず可とう性に優れたもの
であつた。
【0056】このフィルム状接着剤を200℃で1時間
加熱して硬化させたところ、得られた硬化フィルムはガ
ラス転位点202℃であった。また、この硬化フィルム
を塩化メチレンに室温で30分間浸漬したが、外観に変
化はなかった。
【0057】上記フイルム状接着剤を2枚の35μm厚
片面粗化銅箔の間にはさんで230℃、30Kg/cm2
1時間の条件でプレスしてフレキシブル印刷配線板用基
板を得た。この基板の90度銅箔引きはがし強さは、室
温雰囲気で0.7Kgf/cm(引張り速度50mm/分で測
定したとき)であった。また、この基板を300℃の半
田浴に60秒間浸漬してもふくれ、剥離は生じなかつ
た。
【0058】比較応用例1 比較例2で得られたポリイミド粉末100gとBMI
30gをDMF200gとトルエン200gの混合溶媒
に溶解し、ジクミルパーオキシド3gを添加して樹脂組
成物(ワニス)を得た。この樹脂組成物を用いて、応用
例1に準じてフイルム状接着剤を得た。得られたフイル
ム状接着剤は厚さ25μm、軟化点320℃であった。
【0059】このフィルム状接着剤を230℃で1時間
加熱して硬化させた後、塩化メチレンに室温で30分間
浸漬したところ、ほとんど溶解した。また、上記フィル
ム状接着剤を180度に折曲げたところ、ひびがはいっ
た。
【0060】上記フイルム状接着剤を2枚の35μm厚
片面粗化銅箔の間にはさんで230℃、30Kg/cm2
1時間の条件でプレスしてフレキシブル印刷配線板用基
板を得ようとしたが、接着せず、フレキシブル印刷配線
板用基板を得ることができなかった。
【0061】比較応用例2 比較例3で得られたポリイミド粉末100gとBMI
10gをDMF400gに溶解して樹脂組成物(ワニ
ス)を得た。この樹脂組成物をガラス板上に流延し、1
00℃で10分乾燥した後、引き剥がしてフイルムを得
た。このフイルムを鉄枠に止めてさらに150℃で30
分間、180℃30分間加熱することによって良く乾燥
した未硬化のフィルム状接着剤を得た。このフィルム状
接着剤は、軟化点が230℃であり、180度の角度に
折り曲げても割れず優れた可とう性を示した。
【0062】上記フイルム状接着剤を2枚の35μm厚
片面粗化銅箔の間にはさんで30Kg/cm2、200℃、
1時間の条件でプレスしたが接着できなかった。また、
上記樹脂組成物にジクミルパーオキシド3gを溶解して
上記と同様にしてフイルム状接着剤を作成し、これを2
枚の35μm厚片面粗化銅箔の間にはさんで30Kg/cm
2,200℃,1時間の条件でプレスしたが接着できな
かった。
【0063】
【発明の効果】請求項1におけるポリイミドは、低軟化
点を有し、極性がより小さな有機溶剤に可溶であり、そ
のポリイミドとポリマレイミドの組成物の硬化物は耐溶
剤性に優れる。請求項2における方法により、請求項1
におけるポリイミドを容易に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られたポリイミドの赤外線吸収ス
ペクトルである。
【図2】実施例2で得られたポリイミドの赤外線吸収ス
ペクトルである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宮寺 康夫 茨城県つくば市和台48番 日立化成工業 株式会社 筑波開発研究所内 (56)参考文献 特開 平5−179141(JP,A) 特開 平5−78481(JP,A) 特開 平4−55432(JP,A) 特開 平1−304124(JP,A) 特開 昭59−131630(JP,A) 特表 昭63−500870(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 73/10 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】化1〔一般式(I)〕 【化1】 〔ただし、一般式(I)中、Arは化2(一般式
    (a)) 【化2】 (ただし、一般式(a)中、Zは−C(=O)−、−S
    2−、−O−、−S−、−(CH2m−、−CO−N
    H−、−C(CH32−、−C(CF32−、−C(=
    O)−O−又は結合を示し、n及びmは1以上の整数を
    示し、複数個のZはそれぞれ同一でも異なっていてもよ
    く、各ベンゼン環の水素は置換基で適宜置換されていて
    もよい)で表わされる基又は化3(一般式(b)) 【化3】 (ただし、一般式(b)中、R1、R2、R3及びR4は、
    それぞれ独立に水素又は炭素数1〜4のアルキル基若し
    くはアルコキシ基を示し、これらのうち少なくとも2個
    以上はアルキル基若しくはアルコキシ基であり、XはC
    2、C(CH32、O、SO2、CO、NHCOを示
    す)で表される基を示す〕で表わされる構成単位を含
    み、一般式(a)の基と一般式(b)の基を前者/後者
    がモル比で10/90〜90/10の割合で含んでなる
    ポリイミド。
  2. 【請求項2】3,3′,4,′4−ベンゾフェノンテト
    ラカルボン酸に無水物、化4〔一般式(II)〕 【化4】 〔ただし、一般式(II)中、Yはアミノ基又はイソシア
    ネート基を示し、Zは−C(=O)−、−SO2−、−
    O−、−S−、−(CH2m−、−CO−NH−、−C
    (CH32−、−C(CF32−、−C(=O)−O−
    又は結合を示し、n及びmは1以上の整数を示し、複数
    個のZはそれぞれ同一でも異なっていてもよく、各ベン
    ゼン環の水素は置換基で適宜置換されていてもよい〕で
    表わされる化合物及び化5〔一般式(III)〕 【化5】 〔ただし、一般式(III)中、Yはアミノ基又はイソシ
    アネート基を示し、R1、R2、R3及びR4は、それぞれ
    独立に水素又は炭素数1〜4のアルキル基若しくはアル
    コキシ基を示し、これらのうち少なくとも2個以上はア
    ルキル基若しくはアルコキシ基であり、XはCH2、C
    (CH32、O、SO2、CO又はNHCOを示す〕で
    表わされる化合物を、一般式(II)と一般式(III)を
    前者/後者がモル比で10/90〜90/10の割合で
    使用して反応させることを特徴とするポリイミドの製造
    法。
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