JPH0517243U - フロントフオーク - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 車体側チューブの強度を確保し、同一の上下
部軸受部材を使用可能なフロントフォークを提供するこ
と。 【構成】 車体側チューブ１の内周に上下二つの軸受部
材４、５を配設し、車輪側チューブ２を該軸受部材４、
５に摺接させ、車体側チューブ１内へ車輪側チューブ２
を摺動可能に挿入した倒立型フロントフォークにおい
て、前記車体側チューブ１の内周に上下別々の方向から
上部環状溝４１と下部環状溝５１を加工し、該上下部環
状溝４１、５１にほぼ同一肉厚の上下部軸受部材４、５
を組み付けたことする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、自動二輪車の車体側と車軸間に介装して路面からの振動を減衰す る緩衝器とフォークを兼ねたフロントフォークに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来のこの種フロントフォークでは、図３において、車体側チューブｂはアル ミ系材料を採用し、車輪側チューブａは鉄系材料を採用して製作し、車輪側チュ ーブａの上端外周部と車体側チューブｂの下端内周部間に、軸受部材を配設して 摺動性の向上を図っている。

【０００３】 しかし、車輪側チューブａ上端外周部に配置された軸受部材が、アルミ系材料 で製作されている軟質の車体側チューブｂ内周を摺動する際に、磨耗粉等が発生 しやすい。

【０００４】 これが油中に混入して摺動性や減衰力発生に悪影響を与え、車体側チューブの 耐久性を損なう場合が生じる。

【０００５】 そこで、図３のように、車体側チューブｂの下部内周に上下部環状溝ｃ１、ｄ １を設け、該環状溝ｃ１、ｄ１に二つの上下部軸受部材ｃ、ｄをそれぞれ配設し 、前記軸受部材ｃ、ｄに鉄系材料で製作されている硬質の車輪側チューブａを摺 動可能に挿入して、磨耗粉の発生等を防止している。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、前記従来の技術では、上部軸受部材ｃの装着のための上部環状溝ｃ１ を加工するに当たり、内径加工を精度よくしなければならないが、加工の際は寸 法Ｌが長いため、従来通り下方から内周面及び上部環状溝ｃ１を加工するのは困 難であり、かつ精度確保が難しいという問題点がある。

【０００７】 また、車体側チューブｂに形成される上部環状溝ｃ１及び内周面は下側から加 工するため、φＤ−φｄの肉厚は薄くなり、強度が低下し、強度面で不利になる という問題点がある。

【０００８】 更に、上部環状溝ｃ１に組み付けられる上部軸受部材ｃと、下部環状溝ｄ１に 組み付けられる下部軸受部材ｄとは、肉厚が相違し、従って、上下部軸受部材ｃ 、ｄは、同一肉厚のものが使用できないため使用部品の統一ができない。

【０００９】 更に、コストアップとなり、かつ部品管理が困難になるという問題点がある。

【００１０】 そこで、本考案は、上記従来の技術の問題点に鑑み案出されたもので、車体側 チューブの強度を確保し、同一肉厚の上下部軸受部材が使用可能なフロントフォ ークの提供を目的としている。

【００１１】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するために、本考案におけるフロントフォークにおいては、車 体側チューブの内周に上下二つの軸受部材を配設し、車輪側チューブを該軸受部 材に摺接させ、車体側チューブ内へ車輪側チューブを摺動可能に挿入した倒立型 フロントフォークにおいて、前記車体側チューブの内周に上下別々の方向から上 部環状溝と下部環状溝を加工し、該上下部環状溝にほぼ同一肉厚の上下部軸受部 材を組み付けたことを特徴としている。

【００１２】

【作用】

車体側チューブの下端内周面に、上方及び下方の別々の方向から上部環状溝と 下部環状溝を加工して形成し、該上下部環状溝に同一肉厚の上下部軸受部材を組 み付けて、車体側チューブ内へ車輪側チューブを摺動可能に挿入する。

【００１３】

【実施例】 実施例について図１から図２を参照して説明すると、本考案は、車体側チュー ブ１の内周に上下二つの軸受部材４、５を配設し、車輪側チューブ２を該軸受部 材４、５に摺接させ、車体側チューブ１内へ車輪側チューブ２を摺動可能に挿入 した倒立型フロントフォークである。

【００１４】 なお、前記車体側チューブ１はアルミ系材料等で製作され、車輪側チューブ２ は鉄系材料等で製作されている。

【００１５】 車輪側チューブ２の内部には下方からダンパーシリンダ９を起立させ、該ダン パーシリンダ９内にはピストン８１を介してピストンロッド８が移動自在に配置 され、該ピストンロッド８の上端はキャップ１０を介して車体側チューブ１上端 に連結されている。

【００１６】 ダンパーシリンダ９の上部とキャップ１０との間には懸架スプリングＳが介装 されて車体側チューブ１とピストンロッド８とを常時伸び方向に付勢している。

【００１７】 また、車体側チューブ１は、アッパーブラケット６１とアンダーブラケット６ とで車体側に取付けられている。

【００１８】 前記車体側チューブ１下端内周面には、上方及び下方別々の方向から上部環状 溝４１と下部環状溝５１を加工して形成し、アンダーブラケット６取付部分の内 径側の肉厚を厚くし、強度向上を図っている。

【００１９】 また、上下部環状溝４１、５１には、肉厚がほぼ同一の上部軸受部材４と下部 軸受部材５が組み付けられ、車体側チューブ１内へ車輪側チューブ２を摺動可能 に挿入している。

【００２０】 その際、車体側チューブ１の下端部には、下部環状溝５１に近接してシール７ を配置し、車体側チューブ１と車輪側チューブ２とを密封している。

【００２１】 更に、車輪側チューブ２と車体側チューブ１の抜け止めとして、車輪側チュー ブ２上端にはストッパ３を設けてもよい。

【００２２】 前記ストッパ３は、フロントフォークをバラした時の抜け出し防止、シリンダ 引き抜きの際に、上部軸受部材４にぶつかることによって、車輪側チューブ２が 車体側チューブ１から抜け出るのを防止している。

【００２３】

【考案の効果】

本考案は、上述の通り構成されているので、次に記載する効果を奏する。 Ａ）車体側チューブの下端内周面の加工や上下部環状溝の加工を上下別々の方向 から行えるため、上下部環状溝の深さ、巾等は均一に加工できる。 Ｂ）また、車体側チューブの内周面の加工が容易で均一に行えるから、車体側チ ューブの必要強度の肉厚に確保でき、強度の低下が防止できる。

【００２４】 特に、アンダーブラケット取付部分の内径側の肉厚が厚くできるため、車体側 チューブの外径を上げることなく、必要強度の確保ができる。 Ｃ）上下部環状溝に組み付けられる二つの上下部軸受部材の肉厚は同一にできる ため、軸受部材の統一、コストダウン、部品管理の向上が図れる。

【提出日】平成４年２月２４日

【手続補正２】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】００１１

【補正方法】変更

【補正内容】

【００１１】

【課題を解決するための手段】

上記の目的を達成するため、本考案の構成は、車体側チューブの内周に上下二 つの軸受部材を配設し、車輪側チューブを該軸受部材に摺接させ、車体側チュー ブ内へ車輪側チューブを摺動可能に挿入した倒立型のフロントフォークにおいて 、前記車体側チューブの内周に上下別々の方向から上部環状溝と下部環状溝を加 工し、該上下部環状溝に軸受部材を組み付けたことを特徴とするものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案のフロントフォークの一部切欠き正面図
である。

【図２】本考案の要部断面図である。

【図３】従来のフロントフォークの一部断面図である。

【符号の説明】

１ 車体側チューブ ２ 車輪側チューブ ３ ストッパ ４ 上部軸受部材 ４１ 上部環状溝 ５ 下部軸受部材 ５１ 下部環状溝

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【手続補正書】

【提出日】平成４年２月２４日

【手続補正１】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】実用新案登録請求の範囲

【補正方法】変更

【補正内容】

【請求項１】車体側チューブの内周に上下二つの軸受部
材を配設し、車輪側チューブを該軸受部材に摺接させ、
車体側チューブ内へ車輪側チューブを摺動可能に挿入し
た倒立型のフロントフォークにおいて、前記車体側チュ
ーブの内周に上下別々の方向から上部環状溝と下部環状
溝を加工し、該上下部環状溝に軸受部材を組み付けたこ
とを特徴とするフロントフォーク。

【手続補正書】

【提出日】平成４年２月２４日

【手続補正３】

【補正対象書類名】図面

【補正対象項目名】図１

【補正方法】変更

【補正内容】

【図１】

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 車体側チューブの内周に上下二つの軸受
   部材を配設し、車輪側チューブを該軸受部材に摺接さ
   せ、車体側チューブ内へ車輪側チューブを摺動可能に挿
   入した倒立型フロントフォークにおいて、前記車体側チ
   ューブの内周に上下別々の方向から上部環状溝と下部環
   状溝を加工し、該上下部環状溝にほぼ同一肉厚の上下部
   軸受部材を組み付けたことを特徴とするフロントフォー
   ク。