JPH0227227Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は自動二輪車のフロントフオーク等とし
て用いる倒立型緩衝器に関する。

（従来の技術） 自動二輪車のフロントフオーク等に用いる緩衝
器として第３図に示す如き倒立型緩衝器が知られ
ている。

この緩衝器は自動二輪車のステアリングブラケ
ツトに固定されるアウターチユーブ１０１に、下
方からスライドパイプ１０２を摺動自在に挿入
し、このスライドパイプ１０２の下端内周に雌ネ
ジ部を刻設し、この雌ネジ部に車軸取付用のロア
ーブラケツト１０３上端外周に刻設した雄ネジ部
を螺合し、更にロアーブラケツト１０３上部には
エンドプレート１０４を介してシリンダ１０５の
下端を固着し、このシリンダ１０５内にアウター
チユーブ１０１と一体的に上下動するロツド１０
６を臨ませ、このロツド１０６下端にシリンダ１
０５内周に摺接するピストン１０７を固着し、更
にシリンダ１０５上部外周にスプリング受け１０
８を固着し、このスプリング受け１０８とフオー
クボルト１０９との間に懸架スプリング１１０を
張設し、シリンダ１０５内にリバウンドスプリン
グ１１１を配設した構造となつている。

（考案が解決しようとする問題点） 上述した従来の構造にあつては、フルリバウン
ドを受けた際、つまり伸びきり状態となつたとき
のバネ下荷重がロツドに集中するためそれだけロ
ツド径を太くしなければならず、緩衝器全体の重
量増加となる。

（問題点を解決するための手段） 上記問題点を解決すべく本考案は、倒立型緩衝
器のスライドパイプとシリンダとの間にレバウン
ドカラーを挿入し、このリバウンドカラー下端と
シリンダ上部外周に固着したリバウンドスプリン
グ受けとの間でリバウンドスプリングを受けるよ
うにした。

（実施例） 以下に本考案の実施例を添付図面に基いて説明
する。

第１図は本考案に係る倒立型緩衝器の縦断面
図、第２図は同緩衝器の要部拡大断面図であり、
緩衝器はアウターチユーブ１に下方からスライド
パイプ２を摺動自在に挿入し、アウターチユーブ
１の上端部をフオークボルト３で閉塞し、スライ
ドパイプ２の下端部をロアーブラケツト４で閉塞
している。このロアーブラケツトにはブレーキキ
ヤリパ取付用のアーム５が一体的に形成され、且
つ中央部には上方に開口する凹部６が形成され、
この凹部６内周面に前記スライドパイプ２の下端
外周面が螺合している。ここで、スライドパイプ
２をロアーブラケツト４に螺合するにあたつては
予じめ凹部６内にエンドプレート７をボルト８に
て嵌め込んでおく。そして、エンドプレート７に
はスライドパイプ２内に臨むシリンダ９の下端が
植設され、このシリンダ９内の下部にはシリンダ
９内とこのシリンダ９とスライドパイプ２との間
の油溜室S₁をつなぐ減衰力発生機構１０を設けて
いる。

一方、アウターチユーブ１上端部に螺合するフ
オークボルト３の中央部にはピストンロツド１１
の上端部が固着され、このピストンロツド１１は
ガイドブツシユ１２及びシール１３を介してシリ
ンダ９内に臨み、ピストンロツド１１下端にはシ
リンダ９内を油室S₂，S₃に区画するピストン１２
が固着されている。尚、このピストン１２には油
室S₂，S₃を連通する通孔が形成されている。

更に、フオークボルト３の下面周縁部にはリバ
ウンドカラー１４の上端部が固着され、このリバ
ウンドカラー１４はスライドパイプ２の内周面に
摺接するとともにその下部は前記油溜室S₁に臨
み、且つ下端部には内方に向つてストツパ片１４
ａが設けられ、そのストツパ片１４ａとシリンダ
９の上部外周に固着したリバウンドスプリング受
け１５との間にリバウンドスプリング１６を収納
し、リバウンドスプリング受け１５と前記フオー
クボルト３下面との間に懸架スプリングを縮装し
ている。

以上において、縮み側の場合にはピストン１２
が下動し、油室S₂内の作動油の一部はピストン１
２の通孔を介して油室S₃へ、又他の一部は減衰力
発生機構１０の部分を通つて油溜室S₁へ流入す
る。

一方、伸び側の場合には前記とは逆の流路を通
つて油室S₂内に作動油が戻り、特にリバウンド時
にはピストン１２がシリンダ９の上端部に当接す
る前にリバウンドスプリング受け１５とストッパ
片１４ａとの間でリバウンドスプリング１６を縮
圧する。

尚、実施例にあつてはリバウンド緩衝部材とし
てリバウンドスプリングを示したが、リバウンド
ラバーでもよい。

（考案の効果） 以上に説明した如く本考案によれば、フルリバ
ウンド時におけるリバウンドスプリングの縮圧を
リバウンドカラーの下端とシリンダ外周に設けた
リバウンドスプリング受けとの間で行い、ピスト
ンロツドにはバネ下荷重が集中しないようにした
ので、ピストンロツドの径をそれ程太くしないで
済み、緩衝器全体の小径化及び軽量化を図ること
ができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る倒立型緩衝器の縦断面
図、第２図は同緩衝器の要部拡大断面図、第３図
は従来の倒立型緩衝器の縦断面図である。 尚、図面中、１はアウターチユーブ、２はスラ
イドパイプ、９はシリンダ、１１はピストンロツ
ド、１２はピストン、１４はリバウンドカラー、
１４ａはストツパ片、１５はリバウンドスプリン
グ受け、１６はリバウンドスプリングである。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. アウターチユーブ内に下方からスライドパイプ
   を摺動自在に嵌合し、スライドパイプ内にシリン
   ダを配設し、このシリンダ内にアウターチユーブ
   と一体的に上下動するピストンロツドを臨ませた
   倒立型緩衝器において、前記スライドパイプ内側
   とシリンダ外側との間にアウターチユーブと一体
   的に上下動するリバウンドカラーを臨ませ、この
   リバウンドカラーとシリンダとの間にリバウンド
   緩衝部材を配設し、更にシリンダ上部外周にはリ
   バウンド緩衝部材受けを設け、リバウンドカラー
   下端にはストツパを設けたことを特徴とする倒立
   型緩衝器。