JPH05171769A - プレキャストコンクリート階段施工法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 主に鉄骨造及び鉄骨鉄筋コンクリート造建物
の建築において実施されるプレキャストコンクリート階
段の施工法を提供する。 【構成】 階段部分１とその上下の踊り場部分２及び本
設手すり３まで含む構成のプレキャストコンクリート製
階段ユニットＡを工場などにおいて予め製作し、建物の
鉄骨建て方と並行して前記のプレキャストコンクリート
製階段ユニットＡを吊り込み、踊り場２相互の接合及び
躯体４との接合を行なう。 【効果】 現場作業及び工数の低減による省力化と能率
化が図れ、逆に工場工程の増加で品質、精度の確保と向
上が図れる。さらに階段施工と同時に作業通路の確保が
でき、安全性の向上に寄与する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、主に鉄骨造及び鉄骨
鉄筋コンクリート造建物の建築において実施されるプレ
キャストコンクリート階段の施工法に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来のプレキャストコンクリート製階段
は階段部分だけの構成であり、上下の踊り場部分及び他
の部分は現場で施工が行なわれている。

【０００３】

【本発明が解決しようとする課題】建物の建築におい
て、階段の施工は最も工数のかかる場所である。即ち、
階段の躯体工事における型枠の加工及び組立てには熟練
工を必要とするし、作業日程も必要である。また、組立
て中の階段は作業通路としては使用できない。階段の仕
上げ工事においても、依然として他職作業者の通行を遮
断して手すりの取付けや踏み面及びケ込みのモルタル塗
り、塗装などに多くの工数を掛けて作業をするため、仕
上げ工事期間中もやはり作業通路としては使用できない
という問題点があった。

【０００４】

【課題を解決するための手段】上記した従来技術の課題
を解決するための手段として、この発明に係るプレキャ
ストコンクリート階段施工法は、図面に実施例を示した
とおり、階段部分１とその上下の踊り場部分２及び本設
手すり３まで含む構成のプレキャストコンクリート製階
段ユニットＡを工場又は工事現場のサイトなどにおいて
予め製作し、建物の鉄骨建て方と並行して前記のプレキ
ャストコンクリート製階段ユニットＡを吊り込み、踊り
場２相互の接合及び躯体４との接合を行なうことを特徴
とする。

【０００５】

【作用】鉄骨建て方（躯体工事）と並行してプレキャス
トコンクリート製階段ユニットＡの吊り込みが行なわ
れ、踊り場２相互の接合、及び躯体４と接合する組立て
作業によって直ちに作業通路として使用可能となる。仕
上げ工事はほとんど必要ない。

【０００６】

【実施例】次に、図示した本発明の実施例を説明する。
図１はプレキャストコンクリート製階段ユニットＡ（以
下、単にユニットＡという場合がある。）の全景を示し
ている。これは階段部分１とその上下の踊り場部分２及
び本設手すり３を含む構成が一つにユニット化されてい
る。このユニットＡはＰＣａ工場又は工事現場のサイト
などで製作し製品化される。従って、品質精度の確保が
容易にできる。ユニットＡの構造及び製作方法は多種多
様に考えられるが、本実施例では階段部分１のケ込みに
は厚さ４０mm程度のケ込みＰＣａ板７を使用して仕上げ
及び塗装の手間を省いた。スチール製の本設手すり３は
下部にフラットバー８を用い、同フラットバー８を一体
化した本設手すり打込みササラＰＣａ板９を前記ケ込み
ＰＣａ板１と共に組込みコンクリート打設する事によ
り、表裏共に全て仕上がったユニットＡが製作される。
ＰＣａ製作ヤードで上下の踊り場部分２のコンクリート
打設も階段部分１と一体構造に製作される。このユニッ
トＡの階段部分１及び踊り場部分２の側面には、躯体と
の接合のために４６０mm以上の定着長さをもつ鉄筋１０
が突き出されている。また、踊り場部分２からは鉄骨躯
体との接点として、溝形材１１が突き出されている。

【０００７】図２が上記プレキャストコンクリート製階
段ユニットＡによる階段施工の状況を示し、図３と図４
は躯体との取り合いの特に配筋肉構造を示している。前
記ユニットＡの現場組立ては、建物の鉄骨建方と並行し
てクレーンによる吊り込みを行ない、上下の踊り場部分
２は各々受梁５の上にあずけられ、鉄筋１０、溝形材１
１を利用して定着が行なわれる。ユニットＡの中間部位
は下階の床に立てたサポート１３で支持されている。こ
のサポート１３は養生期間の終了後に撤去される。ユニ
ットＡと躯体壁４との取り合い構造は、図４に示したよ
うに、壁中に３０mm以上のみ込ませた状態で鉄筋１０に
よる定着、接合が行なわれる。

【０００８】

【本発明が奏する効果】この発明に係るプレキャストコ
ンクリート階段施工法によれば、階段施工の現場作業及
び工数の低減による省力化と能率化が図れ、逆に工場工
程の増加で品質、精度の確保と向上が図れる。さらに階
段施工と同時に作業通路の確保ができるから、安全性の
向上にも寄与するのである。

【図面の簡単な説明】

【図１】プレキャストコンクリート製階段ユニットの全
景を示した斜視図である。

【図２】本発明によるプレキャストコンクリート階段施
工法の実施状況を示した斜視図である。

【図３】プレキャストコンクリート製階段施工の配筋状
態を示した正面図である。

【図４】壁躯体と階段ユニットとの取り合い状態を示し
た断面図である。

【符号の説明】

１ 階段部分 ２ 踊り場部分 ３ 本設手すり Ａ プレキャストコンクリート製階段ユニット ４ 壁躯体 ５ 受梁

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 今井 豊和 愛知県名古屋市中区錦一丁目18番22号 株 式会社竹中工務店名古屋支店内 (72)発明者 松浦 宏 愛知県名古屋市中区錦一丁目18番22号 株 式会社竹中工務店名古屋支店内

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】階段部分とその上下の踊り場部分及び本設
   手すりまで含む構成のプレキャストコンクリート製階段
   ユニットを工場又は工事現場などにおいて予め製作し、
   建物の鉄骨建て方と並行して前記のプレキャストコンク
   リート製階段ユニットを吊り込み、踊り場相互の接合及
   び躯体との接合を行なうことを特徴とする、プレキャス
   トコンクリート階段施工法。