JPH05170991A - ゴム変性ビニル芳香族樹脂組成物 - Google Patents
ゴム変性ビニル芳香族樹脂組成物Info
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- JPH05170991A JPH05170991A JP33840891A JP33840891A JPH05170991A JP H05170991 A JPH05170991 A JP H05170991A JP 33840891 A JP33840891 A JP 33840891A JP 33840891 A JP33840891 A JP 33840891A JP H05170991 A JPH05170991 A JP H05170991A
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- polymer
- butadiene
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Abstract
(57)【要約】
【構成】ビニル芳香族重合体マトリックス及びブタジエ
ン系重合体の分散相よりなるゴム変性ビニル芳香族樹脂
組成物において、該分散相がサラミ構造または/及び
コアーシェル構造の小粒子成分、サラミ構造の大粒子
成分、及びビニル芳香族単量体単位よりなる重合体ブ
ロックA、及び共役ジエン単量体単位よりなる重合体の
該共役ジエン単量体単位の不飽和結合の少なくとも20
モル%が水素添加された重合体ブロックBよりなるブロ
ック共重合体よりなることを特徴とするゴム変性ビニル
芳香族樹脂組成物。 【効果】本発明の樹脂組成物は、従来品には見られない
卓越した光沢、耐衝撃性を有し、かつ熱滞留に対しても
安定であるため、大型成形においても表面光沢の良好な
成形品を得ることができる。
ン系重合体の分散相よりなるゴム変性ビニル芳香族樹脂
組成物において、該分散相がサラミ構造または/及び
コアーシェル構造の小粒子成分、サラミ構造の大粒子
成分、及びビニル芳香族単量体単位よりなる重合体ブ
ロックA、及び共役ジエン単量体単位よりなる重合体の
該共役ジエン単量体単位の不飽和結合の少なくとも20
モル%が水素添加された重合体ブロックBよりなるブロ
ック共重合体よりなることを特徴とするゴム変性ビニル
芳香族樹脂組成物。 【効果】本発明の樹脂組成物は、従来品には見られない
卓越した光沢、耐衝撃性を有し、かつ熱滞留に対しても
安定であるため、大型成形においても表面光沢の良好な
成形品を得ることができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は光沢と耐衝撃性に優れた
樹脂組成物に関する。更に詳しくは、光沢と耐衝撃性に
優れたゴム変性ビニル芳香族樹脂組成物に関する。耐衝
撃性ポリスチレンに代表されるゴム変性ビニル芳香族樹
脂は、成形性、寸法安定性に加え、耐衝撃性にすぐれて
いることから、家電機器、OA機器を始め多岐にわたり
使用されているが、ABS樹脂に比して成形品の光沢が
劣っていた。近年これらの耐衝撃性ポリスチレンに対し
てABS樹脂に近い高光沢性が要求されるようになって
きた。
樹脂組成物に関する。更に詳しくは、光沢と耐衝撃性に
優れたゴム変性ビニル芳香族樹脂組成物に関する。耐衝
撃性ポリスチレンに代表されるゴム変性ビニル芳香族樹
脂は、成形性、寸法安定性に加え、耐衝撃性にすぐれて
いることから、家電機器、OA機器を始め多岐にわたり
使用されているが、ABS樹脂に比して成形品の光沢が
劣っていた。近年これらの耐衝撃性ポリスチレンに対し
てABS樹脂に近い高光沢性が要求されるようになって
きた。
【0002】衝撃強度と光沢のバランスを改良する最近
の試みとして1ミクロン以下の小粒子ゴム状重合体粒子
と大粒子ゴム状重合体粒子を有するゴム変性ビニル芳香
族樹脂が、特公昭46−41467号公報、特公昭59
−1519号公報、米国特許第4,146,589号明
細書、米国特許第4,214,056号明細書、米国特
許第4,493,922号明細書などの先行文献に述べ
られているが、使用されている大粒子が2ミクロン以上
と大きいために成形品の光沢がABS樹脂と比較して劣
り、特に光沢勾配が大きい(成形品においてゲートから
遠い箇所の光沢の低下が大きい)、金型温度の低い条件
で成形されると、光沢が十分でないなどの問題があっ
た。
の試みとして1ミクロン以下の小粒子ゴム状重合体粒子
と大粒子ゴム状重合体粒子を有するゴム変性ビニル芳香
族樹脂が、特公昭46−41467号公報、特公昭59
−1519号公報、米国特許第4,146,589号明
細書、米国特許第4,214,056号明細書、米国特
許第4,493,922号明細書などの先行文献に述べ
られているが、使用されている大粒子が2ミクロン以上
と大きいために成形品の光沢がABS樹脂と比較して劣
り、特に光沢勾配が大きい(成形品においてゲートから
遠い箇所の光沢の低下が大きい)、金型温度の低い条件
で成形されると、光沢が十分でないなどの問題があっ
た。
【0003】このような問題を解決するため、ポリスチ
レン中にゴム状重合体が粒子状に分散しており、その分
散粒子が小粒子成分と大粒子成分との二つの山からなる
分布を示し、かつ小粒子成分の平均粒子径が0.05〜
0.6ミクロンであり、大粒子成分の平均粒子径が0.
7〜2.0ミクロンであるゴム変性ポリスチレンが提案
されている(特開昭63−112646号公報、特開平
1−261444号公報、特開平1−275649号公
報)。これらの方法によるゴム変性ポリスチレンは、従
来のゴム変性ポリスチレンと比較すれば格段に優れた光
沢と衝撃強度のバランスを有し、ABS樹脂の光沢に一
歩近ずくものであったが、複雑な形状を有する成形品や
大型成形品を成形する場合には、光沢勾配が大きくなり
易く、依然として艶ムラやフローマークが発生しやすい
などの課題を残していた。
レン中にゴム状重合体が粒子状に分散しており、その分
散粒子が小粒子成分と大粒子成分との二つの山からなる
分布を示し、かつ小粒子成分の平均粒子径が0.05〜
0.6ミクロンであり、大粒子成分の平均粒子径が0.
7〜2.0ミクロンであるゴム変性ポリスチレンが提案
されている(特開昭63−112646号公報、特開平
1−261444号公報、特開平1−275649号公
報)。これらの方法によるゴム変性ポリスチレンは、従
来のゴム変性ポリスチレンと比較すれば格段に優れた光
沢と衝撃強度のバランスを有し、ABS樹脂の光沢に一
歩近ずくものであったが、複雑な形状を有する成形品や
大型成形品を成形する場合には、光沢勾配が大きくなり
易く、依然として艶ムラやフローマークが発生しやすい
などの課題を残していた。
【0004】他方、特開昭63−230754号公報に
は、ブタジエン系重合体がコアーシェル構造とサラミ構
造の分散相として存在してなるゴム変性ポリスチレン
と、スチレン−ブタジエンのブロック共重合体を配合し
てなるゴム変性ビニル芳香族系樹脂組成物が開示されて
いる。該公報の樹脂組成物は、光沢と衝撃強度のバラン
スに優れているが、ブロック共重合体のブタジエン単位
部分が熱劣化し易いため、射出成形、特に大型の成形品
を得ようとする場合、成形温度を高めたり、シリンダー
部分での滞留時間が長くなったり、ホットランナー方式
により成形をすると光沢が著しく低下するなどの問題が
あった。
は、ブタジエン系重合体がコアーシェル構造とサラミ構
造の分散相として存在してなるゴム変性ポリスチレン
と、スチレン−ブタジエンのブロック共重合体を配合し
てなるゴム変性ビニル芳香族系樹脂組成物が開示されて
いる。該公報の樹脂組成物は、光沢と衝撃強度のバラン
スに優れているが、ブロック共重合体のブタジエン単位
部分が熱劣化し易いため、射出成形、特に大型の成形品
を得ようとする場合、成形温度を高めたり、シリンダー
部分での滞留時間が長くなったり、ホットランナー方式
により成形をすると光沢が著しく低下するなどの問題が
あった。
【0005】
【本発明が解決しようとする課題】本発明は、優れた光
沢と衝撃強度のバランスを有し、複雑な形状を有する成
形品や大型成形品を成形する場合においても良好な表面
光沢を与えるゴム変性ビニル芳香族樹脂組成物を提供す
るものである。
沢と衝撃強度のバランスを有し、複雑な形状を有する成
形品や大型成形品を成形する場合においても良好な表面
光沢を与えるゴム変性ビニル芳香族樹脂組成物を提供す
るものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
鋭意検討を重ねた結果、本発明者らは、ビニル芳香族重
合体マトリックスと特定構造及び特定粒子径のブタジエ
ン系重合体分散相よりなるゴム変性ビニル芳香族樹脂組
成物、及び必要に応じポリジメチルシロキサンを配合し
てなるゴム変性ビニル芳香族樹脂組成物が上記課題を効
果的に解決することを見いだし、本発明を完成するに至
った。
鋭意検討を重ねた結果、本発明者らは、ビニル芳香族重
合体マトリックスと特定構造及び特定粒子径のブタジエ
ン系重合体分散相よりなるゴム変性ビニル芳香族樹脂組
成物、及び必要に応じポリジメチルシロキサンを配合し
てなるゴム変性ビニル芳香族樹脂組成物が上記課題を効
果的に解決することを見いだし、本発明を完成するに至
った。
【0007】即ち、本発明は97〜80重量%のビニル
芳香族重合体マトリックス及び3〜20重量%のブタジ
エン系重合体の分散相よりなるゴム変性ビニル芳香族樹
脂組成物において、該分散相が重量平均粒子径が0.
05〜0.4ミクロンのサラミ構造または/及びコアー
シェル構造の小粒子成分、重量平均粒子径が0.8〜
8.0ミクロンのサラミ構造の大粒子成分、及びビニ
ル芳香族単量体単位よりなる重合体ブロックA、及び共
役ジエン単量体単位よりなる重合体の該共役ジエン単量
体単位の不飽和結合の少なくとも20モル%が水素添加
された重合体ブロックBよりなるブロック共重合体より
なり、該重合体ブロックBの部分が0.05〜0.2ミ
クロンの短径及び0.05〜2ミクロンの長径を有する
領域を形成してなる成分の3成分よりなることを特徴と
するゴム変性ビニル芳香族樹脂組成物である。
芳香族重合体マトリックス及び3〜20重量%のブタジ
エン系重合体の分散相よりなるゴム変性ビニル芳香族樹
脂組成物において、該分散相が重量平均粒子径が0.
05〜0.4ミクロンのサラミ構造または/及びコアー
シェル構造の小粒子成分、重量平均粒子径が0.8〜
8.0ミクロンのサラミ構造の大粒子成分、及びビニ
ル芳香族単量体単位よりなる重合体ブロックA、及び共
役ジエン単量体単位よりなる重合体の該共役ジエン単量
体単位の不飽和結合の少なくとも20モル%が水素添加
された重合体ブロックBよりなるブロック共重合体より
なり、該重合体ブロックBの部分が0.05〜0.2ミ
クロンの短径及び0.05〜2ミクロンの長径を有する
領域を形成してなる成分の3成分よりなることを特徴と
するゴム変性ビニル芳香族樹脂組成物である。
【0008】以下、本発明の内容を順を追って説明す
る。本発明のゴム変性ビニル芳香族樹脂組成物中のブタ
ジエン系重合体の含量は3〜20重量%のものである。
ブタジエン系重合体の含量が3重量%に満たない場合に
は、最終的に得られる樹脂組成物の衝撃強度が十分でな
く、また20重量%を越える場合には、最終的に得られ
る樹脂組成物の剛性が低くなり、好ましくない。
る。本発明のゴム変性ビニル芳香族樹脂組成物中のブタ
ジエン系重合体の含量は3〜20重量%のものである。
ブタジエン系重合体の含量が3重量%に満たない場合に
は、最終的に得られる樹脂組成物の衝撃強度が十分でな
く、また20重量%を越える場合には、最終的に得られ
る樹脂組成物の剛性が低くなり、好ましくない。
【0009】前記したように、本発明のゴム変性ビニル
芳香族樹脂組成物は、ビニル芳香族重合体マトリックス
中に、ブタジエン系重合体が分散相として存在する構造
をなすが、その分散相は、重量平均粒子径が0.05
〜0.4ミクロンのサラミ構造または/及びコアーシェ
ル構造の小粒子成分(以後、第一の分散相成分と称す
る。)、重量平均粒子径が0.8〜8.0ミクロンの
サラミ構造の大粒子成分(以後、第二の分散相成分と称
する。)及びビニル芳香族単量体単位よりなる重合体
ブロックA、及び共役ジエン単量体単位よりなる重合体
の該共役ジエン単量体単位の不飽和結合の少なくとも2
0モル%が水素添加された重合体ブロックBよりなるブ
ロック共重合体よりなり、該重合体ブロックBの部分が
短径0.05〜0.2ミクロン、長径0.05〜2ミク
ロンの領域を形成してなる成分(以後、第三の分散相成
分と称する。)の3成分より成っていることが必要であ
る。
芳香族樹脂組成物は、ビニル芳香族重合体マトリックス
中に、ブタジエン系重合体が分散相として存在する構造
をなすが、その分散相は、重量平均粒子径が0.05
〜0.4ミクロンのサラミ構造または/及びコアーシェ
ル構造の小粒子成分(以後、第一の分散相成分と称す
る。)、重量平均粒子径が0.8〜8.0ミクロンの
サラミ構造の大粒子成分(以後、第二の分散相成分と称
する。)及びビニル芳香族単量体単位よりなる重合体
ブロックA、及び共役ジエン単量体単位よりなる重合体
の該共役ジエン単量体単位の不飽和結合の少なくとも2
0モル%が水素添加された重合体ブロックBよりなるブ
ロック共重合体よりなり、該重合体ブロックBの部分が
短径0.05〜0.2ミクロン、長径0.05〜2ミク
ロンの領域を形成してなる成分(以後、第三の分散相成
分と称する。)の3成分より成っていることが必要であ
る。
【0010】本発明においては樹脂組成物が、分散相の
上記3成分のうち、そのいずれの成分を欠いても、その
目的を達成することができない。樹脂組成物が、上記の
第一の分散相成分を欠く場合には最終的に得られる樹脂
組成物の光沢が低下し、特に光沢勾配が大きくなり好ま
しくない。また上記の第二の分散相成分を欠く場合に
は、最終的に得られる樹脂組成物の衝撃強度が低下し好
ましくない。また上記の第三の分散相成分を欠く場合に
は最終的に得られる樹脂組成物の衝撃強度の高いものが
得られず、かつ光沢勾配が大きくなり好ましくない。
上記3成分のうち、そのいずれの成分を欠いても、その
目的を達成することができない。樹脂組成物が、上記の
第一の分散相成分を欠く場合には最終的に得られる樹脂
組成物の光沢が低下し、特に光沢勾配が大きくなり好ま
しくない。また上記の第二の分散相成分を欠く場合に
は、最終的に得られる樹脂組成物の衝撃強度が低下し好
ましくない。また上記の第三の分散相成分を欠く場合に
は最終的に得られる樹脂組成物の衝撃強度の高いものが
得られず、かつ光沢勾配が大きくなり好ましくない。
【0011】分散相の上記3成分の重量比率に特に制約
は無いが、衝撃強度と光沢のバランスの上からは、分散
相の総重量に占める第二の分散相成分の重量比率が5〜
50重量%の範囲にあることが好ましく、10〜30重
量%の範囲にあることがより好ましい。また光沢勾配を
小さくし、艶ムラを無くする上から、第一の分散相成分
と第三の分散相成分の重量比は10/90〜90/10
の範囲にあることが好ましい。(なお、3成分の重量比
は、第一及び第二の分散相成分を形成するブタジエン系
重合体のブタジエン単位換算の重量、及び第三の分散相
成分を形成する前記ブロック共重合体中の重合体ブロッ
クBの重量の比率を以て算出する。)上記分散相のう
ち、第一の分散相成分、第二の分散相成分ともに、その
内部に前記ビニル芳香族重合体マトリックス重合体と同
一組成の重合体粒子を含む構造をなすものである。かく
のごとき構造を有するブタジエン系重合体粒子は、当業
者には周知のごとく、ジエン系重合体をビニル芳香族単
量体に溶解した液を撹拌下に重合を行うことにより得ら
れる。ブタジエン系重合体粒子内部に含まれる該粒子
は、オクルージョン粒子として当業者には周知のもので
あり、超薄切片法による透過型電子顕微鏡により観察さ
れる際の粒子の形状から、該オクルージョン粒子を1個
含むブタジエン系重合体粒子はコアーシェル(または単
一オクルージョン、カプセル)構造粒子と称せられ、該
オクルージョン粒子を複数個含むブタジエン系重合体粒
子はサラミ構造粒子と称せられる。第一の分散相成分の
構造としては上記サラミ、コアーシェルのいずれの構造
をも取り得るが、コアーシェル構造がより好ましい。ま
た第二の分散相成分の構造としては、サラミ構造がより
好ましい。
は無いが、衝撃強度と光沢のバランスの上からは、分散
相の総重量に占める第二の分散相成分の重量比率が5〜
50重量%の範囲にあることが好ましく、10〜30重
量%の範囲にあることがより好ましい。また光沢勾配を
小さくし、艶ムラを無くする上から、第一の分散相成分
と第三の分散相成分の重量比は10/90〜90/10
の範囲にあることが好ましい。(なお、3成分の重量比
は、第一及び第二の分散相成分を形成するブタジエン系
重合体のブタジエン単位換算の重量、及び第三の分散相
成分を形成する前記ブロック共重合体中の重合体ブロッ
クBの重量の比率を以て算出する。)上記分散相のう
ち、第一の分散相成分、第二の分散相成分ともに、その
内部に前記ビニル芳香族重合体マトリックス重合体と同
一組成の重合体粒子を含む構造をなすものである。かく
のごとき構造を有するブタジエン系重合体粒子は、当業
者には周知のごとく、ジエン系重合体をビニル芳香族単
量体に溶解した液を撹拌下に重合を行うことにより得ら
れる。ブタジエン系重合体粒子内部に含まれる該粒子
は、オクルージョン粒子として当業者には周知のもので
あり、超薄切片法による透過型電子顕微鏡により観察さ
れる際の粒子の形状から、該オクルージョン粒子を1個
含むブタジエン系重合体粒子はコアーシェル(または単
一オクルージョン、カプセル)構造粒子と称せられ、該
オクルージョン粒子を複数個含むブタジエン系重合体粒
子はサラミ構造粒子と称せられる。第一の分散相成分の
構造としては上記サラミ、コアーシェルのいずれの構造
をも取り得るが、コアーシェル構造がより好ましい。ま
た第二の分散相成分の構造としては、サラミ構造がより
好ましい。
【0012】また上記第一の分散相成分の重量平均粒子
径は0.05〜0.4ミクロンであることが必要であ
る。重量平均粒子径が、0.05ミクロンに満たない場
合には、最終的に得られる樹脂組成物の衝撃強度が低下
し好ましくなく、また0.4ミクロンを越える場合には
最終的に得られる樹脂組成物の光沢が低下し好ましくな
い。また上記第二の分散相成分の重量平均粒子径が0.
8〜8.0ミクロンであることが必要である。第二の分
散相成分の重量平均粒子径が、0.8ミクロンに満たな
い場合には、最終的に得られる樹脂組成物の衝撃強度が
低下し好ましくなく、また8.0ミクロンを越える場合
には最終的に得られる樹脂組成物の光沢が低下し、かつ
光沢勾配が大きくなり好ましくない。第二の分散相成分
の重量平均粒子径は、好ましくは1.0〜4.0ミクロ
ン、より好ましくは1.0〜2.0ミクロンである。
径は0.05〜0.4ミクロンであることが必要であ
る。重量平均粒子径が、0.05ミクロンに満たない場
合には、最終的に得られる樹脂組成物の衝撃強度が低下
し好ましくなく、また0.4ミクロンを越える場合には
最終的に得られる樹脂組成物の光沢が低下し好ましくな
い。また上記第二の分散相成分の重量平均粒子径が0.
8〜8.0ミクロンであることが必要である。第二の分
散相成分の重量平均粒子径が、0.8ミクロンに満たな
い場合には、最終的に得られる樹脂組成物の衝撃強度が
低下し好ましくなく、また8.0ミクロンを越える場合
には最終的に得られる樹脂組成物の光沢が低下し、かつ
光沢勾配が大きくなり好ましくない。第二の分散相成分
の重量平均粒子径は、好ましくは1.0〜4.0ミクロ
ン、より好ましくは1.0〜2.0ミクロンである。
【0013】次に上記第三の分散相成分は、ビニル芳香
族単量体単位よりなる重合体ブロックA、及び共役ジエ
ン単量体単位よりなる重合体の該共役ジエン単量体単位
の不飽和結合の少なくとも20モル%が水素添加された
重合体ブロックBよりなるブロック共重合体よりなり、
該重合体ブロックBの部分が短径0.05〜0.2ミク
ロン、長径0.05〜2ミクロンの領域を形成している
ことが必要である。上記において重合体ブロックBが、
その共役ジエン単量体単位の不飽和結合の水素添加率が
20モル%に満たないものである場合には、最終的に得
られる樹脂組成物は、フローマークが発生しやすく、か
つ高温での成形時に光沢が低下する等の欠点が生じる。
上記重合体ブロックB中の共役ジエン単量体単位部分の
水素添加率は、好ましくは60モル%以上、より好まし
くは80モル%以上である。さらにまた第三の分散相成
分の重合体ブロックBの部分の領域の大きさが上記範囲
を逸脱する場合には、最終的に得られる樹脂組成物の光
沢及び耐衝撃性のバランスが悪くなり好ましくない。
族単量体単位よりなる重合体ブロックA、及び共役ジエ
ン単量体単位よりなる重合体の該共役ジエン単量体単位
の不飽和結合の少なくとも20モル%が水素添加された
重合体ブロックBよりなるブロック共重合体よりなり、
該重合体ブロックBの部分が短径0.05〜0.2ミク
ロン、長径0.05〜2ミクロンの領域を形成している
ことが必要である。上記において重合体ブロックBが、
その共役ジエン単量体単位の不飽和結合の水素添加率が
20モル%に満たないものである場合には、最終的に得
られる樹脂組成物は、フローマークが発生しやすく、か
つ高温での成形時に光沢が低下する等の欠点が生じる。
上記重合体ブロックB中の共役ジエン単量体単位部分の
水素添加率は、好ましくは60モル%以上、より好まし
くは80モル%以上である。さらにまた第三の分散相成
分の重合体ブロックBの部分の領域の大きさが上記範囲
を逸脱する場合には、最終的に得られる樹脂組成物の光
沢及び耐衝撃性のバランスが悪くなり好ましくない。
【0014】以上の要件を満たすゴム変性ビニル芳香族
樹脂組成物は、ブタジエン系重合体を後記するビニル芳
香族単量体に溶解した液の重合を、公知の塊状、塊状・
懸濁または溶液重合方法に従い実施して得た、第一の分
散相成分、第二の分散相成分の各々を含むゴム変性ビニ
ル芳香族樹脂と後記する特定のブロック共重合体を配合
することにより得ることができる。以下、順を追って説
明する。
樹脂組成物は、ブタジエン系重合体を後記するビニル芳
香族単量体に溶解した液の重合を、公知の塊状、塊状・
懸濁または溶液重合方法に従い実施して得た、第一の分
散相成分、第二の分散相成分の各々を含むゴム変性ビニ
ル芳香族樹脂と後記する特定のブロック共重合体を配合
することにより得ることができる。以下、順を追って説
明する。
【0015】上記ゴム変性ビニル芳香族樹脂のマトリッ
クス相(連続相)を形成する上記ビニル芳香族単量体と
は、スチレンのほかo−メチルスチレン、m−メチルス
チレン、p−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレ
ン、エチルスチレン、p−tert−ブチルスチレンな
どの核アルキル置換スチレン、α−メチルスチレン、α
−メチル−p−メチルスチレンなどのα−アルキル置換
スチレンなどを指すが、代表的なものとしては、スチレ
ンの単独もしくは、その一部をスチレン以外の上記ビニ
ル芳香族単量体で置き換えた単量体混合物である。
クス相(連続相)を形成する上記ビニル芳香族単量体と
は、スチレンのほかo−メチルスチレン、m−メチルス
チレン、p−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレ
ン、エチルスチレン、p−tert−ブチルスチレンな
どの核アルキル置換スチレン、α−メチルスチレン、α
−メチル−p−メチルスチレンなどのα−アルキル置換
スチレンなどを指すが、代表的なものとしては、スチレ
ンの単独もしくは、その一部をスチレン以外の上記ビニ
ル芳香族単量体で置き換えた単量体混合物である。
【0016】次に上記ゴム変性ビニル芳香族樹脂の分散
相のうち、第一の分散相成分及び第二の分散相成分に
は、公知のブタジエン系重合体を使用し得るが、第一の
分散相成分には特にスチレン−ブタジエンブロック共重
合体(ブロックSBR)、ポリブタジエン、スチレン−
ブタジエンランダム共重合体(ランダムSBR)、アク
リロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)などを挙げる
ことが出来るが、後記するブロックSBRが、均一なコ
アーシェル構造の小粒子を効率良く得ることができるた
め、最も好ましい。また第二の分散相成分には上記ブタ
ジエン系重合体のうち、ポリブタジエンが、衝撃強度付
与性能が高く、最も好ましい。またポリブタジエンとし
ては、ハイシスポリブタジエン、ローシスポリブタジエ
ンともに好適に用いることが出来る。なお上記ランダム
SBR、NBRとしては、ガラス転移温度が−30度C
以下のものが好ましい。
相のうち、第一の分散相成分及び第二の分散相成分に
は、公知のブタジエン系重合体を使用し得るが、第一の
分散相成分には特にスチレン−ブタジエンブロック共重
合体(ブロックSBR)、ポリブタジエン、スチレン−
ブタジエンランダム共重合体(ランダムSBR)、アク
リロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)などを挙げる
ことが出来るが、後記するブロックSBRが、均一なコ
アーシェル構造の小粒子を効率良く得ることができるた
め、最も好ましい。また第二の分散相成分には上記ブタ
ジエン系重合体のうち、ポリブタジエンが、衝撃強度付
与性能が高く、最も好ましい。またポリブタジエンとし
ては、ハイシスポリブタジエン、ローシスポリブタジエ
ンともに好適に用いることが出来る。なお上記ランダム
SBR、NBRとしては、ガラス転移温度が−30度C
以下のものが好ましい。
【0017】上記の第一の分散相成分または第二の分散
相成分を含むゴム変性ビニル芳香族樹脂の調整は、定法
に従い上記ビニル芳香族単量体に上記のブタジエン系重
合体を溶解し、攪拌下に塊状、塊状・懸濁または溶液重
合して、ブタジエン系重合体を、前記第一の分散相成分
または第二の分散相成分として析出させ、所望の転化率
に達するまで重合を進行させた後、未反応のビニル芳香
族単量体を高温・高真空下に除去することにより得られ
る。
相成分を含むゴム変性ビニル芳香族樹脂の調整は、定法
に従い上記ビニル芳香族単量体に上記のブタジエン系重
合体を溶解し、攪拌下に塊状、塊状・懸濁または溶液重
合して、ブタジエン系重合体を、前記第一の分散相成分
または第二の分散相成分として析出させ、所望の転化率
に達するまで重合を進行させた後、未反応のビニル芳香
族単量体を高温・高真空下に除去することにより得られ
る。
【0018】また変法として上記ビニル芳香族単量体に
上記のブタジエン系重合体を溶解し、攪拌下に塊状、ま
たは溶液重合して、上記のブタジエン系重合体を小粒子
として析出させた重合途中の液と、別途ビニル芳香族単
量体にブタジエン系重合体を溶解し、攪拌下に塊状、ま
たは溶液重合して、上記のブタジエン系重合体を大粒子
として析出させた重合途中の液を合流させ、引き続き重
合を継続した後、未反応のビニル芳香族単量体を高温・
高真空下に除去する方法も採用出来る。この方法によれ
ば、第一の分散相成分及び第二の分散相成分を共に有す
るゴム変性ビニル芳香族樹脂を直接得ることができる。
上記のブタジエン系重合体を溶解し、攪拌下に塊状、ま
たは溶液重合して、上記のブタジエン系重合体を小粒子
として析出させた重合途中の液と、別途ビニル芳香族単
量体にブタジエン系重合体を溶解し、攪拌下に塊状、ま
たは溶液重合して、上記のブタジエン系重合体を大粒子
として析出させた重合途中の液を合流させ、引き続き重
合を継続した後、未反応のビニル芳香族単量体を高温・
高真空下に除去する方法も採用出来る。この方法によれ
ば、第一の分散相成分及び第二の分散相成分を共に有す
るゴム変性ビニル芳香族樹脂を直接得ることができる。
【0019】次に上記ブタジエン系重合体粒子の平均粒
子径に関する上記の要件は、ブタジエン系重合体粒子の
第一の分散相成分及び第二の分散相成分の各々を調整す
る際のブタジエン系重合体の種類や、該ブタジエン系重
合体をビニル芳香族単量体に溶解した液を重合する際の
撹拌数や重合液中の有機過酸化物の量を調節することな
どにより制御される。
子径に関する上記の要件は、ブタジエン系重合体粒子の
第一の分散相成分及び第二の分散相成分の各々を調整す
る際のブタジエン系重合体の種類や、該ブタジエン系重
合体をビニル芳香族単量体に溶解した液を重合する際の
撹拌数や重合液中の有機過酸化物の量を調節することな
どにより制御される。
【0020】すなわち、上記第一の分散相成分の調整に
は、ブタジエン系重合体としてスチレン−ブタジエンの
ブロックSBR、特にスチレン含量が20〜40重量%
のSB2型もしくはSBS3型のブロックSBRを用い
ることにより、粒子径の揃ったコアーシェル構造粒子を
効率良く得ることが出来る。ポリブタジエンを用いても
第一の分散相成分の調整は可能であるが、この場合には
有機過酸化物を用いて重合することが、小粒子となり易
く好ましい。(この場合には、サラミ構造単独もしくは
サラミ構造とコアーシェル構造の混在した小粒子が得ら
れる。)上記有機過酸化物としては、1,1−ビス(t
−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス
(t−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシク
ロヘキサンなどのパーオキシケタール類、ジ−t−ブチ
ルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t
−ブチルパーオキシ)ヘキサンなどのジアルキルパーオ
キサイド類、ベンゾイルパーオキサイド、m−トルオイ
ルパーオキサイドなどのジアシルパーオキサイド類、ジ
ミリスチルパーオキシジカーボネートなどのパーオキシ
ジカーボネート類、t−ブチルパーオキシイソプロピル
カーボネートなどのパーオキシエステル類、シクロヘキ
サノンパーオキサイドなどのケトンパーオキサイド類、
p−メンタハイドロパーオキサイドなどのハイドロパー
オキサイド類を挙げることが出来る。
は、ブタジエン系重合体としてスチレン−ブタジエンの
ブロックSBR、特にスチレン含量が20〜40重量%
のSB2型もしくはSBS3型のブロックSBRを用い
ることにより、粒子径の揃ったコアーシェル構造粒子を
効率良く得ることが出来る。ポリブタジエンを用いても
第一の分散相成分の調整は可能であるが、この場合には
有機過酸化物を用いて重合することが、小粒子となり易
く好ましい。(この場合には、サラミ構造単独もしくは
サラミ構造とコアーシェル構造の混在した小粒子が得ら
れる。)上記有機過酸化物としては、1,1−ビス(t
−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス
(t−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシク
ロヘキサンなどのパーオキシケタール類、ジ−t−ブチ
ルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t
−ブチルパーオキシ)ヘキサンなどのジアルキルパーオ
キサイド類、ベンゾイルパーオキサイド、m−トルオイ
ルパーオキサイドなどのジアシルパーオキサイド類、ジ
ミリスチルパーオキシジカーボネートなどのパーオキシ
ジカーボネート類、t−ブチルパーオキシイソプロピル
カーボネートなどのパーオキシエステル類、シクロヘキ
サノンパーオキサイドなどのケトンパーオキサイド類、
p−メンタハイドロパーオキサイドなどのハイドロパー
オキサイド類を挙げることが出来る。
【0021】また上記有機過酸化物の添加量は、上記ジ
エン系重合体を溶解したビニル単量体の溶液中、0.0
01〜0.5重量%の範囲より選択される。また上記ゴ
ム変性ビニル芳香族樹脂の分散相の架橋度の指標とな
る、トルエンに対する膨潤指数は定法に従い5〜15の
範囲に調整される。上記膨潤指数は、ジエン系重合体を
溶解したビニル単量体の重合終了後、未反応のビニル単
量体を脱揮発分装置により除去する際の温度を調整する
ことにより、容易に制御される。
エン系重合体を溶解したビニル単量体の溶液中、0.0
01〜0.5重量%の範囲より選択される。また上記ゴ
ム変性ビニル芳香族樹脂の分散相の架橋度の指標とな
る、トルエンに対する膨潤指数は定法に従い5〜15の
範囲に調整される。上記膨潤指数は、ジエン系重合体を
溶解したビニル単量体の重合終了後、未反応のビニル単
量体を脱揮発分装置により除去する際の温度を調整する
ことにより、容易に制御される。
【0022】次に上記第二の分散相成分の調整には、ブ
タジエン系重合体としてポリブタジエン、ランダムSB
R、NBRを用いることにより、サラミ構造粒子を効率
よく得ることが出来る。光沢と衝撃強度のバランスの上
からは、ローシスポリブタジエン、ハイシスポリブタジ
エン、スチレン含量30重量%以下のランダムSBRが
好ましい。
タジエン系重合体としてポリブタジエン、ランダムSB
R、NBRを用いることにより、サラミ構造粒子を効率
よく得ることが出来る。光沢と衝撃強度のバランスの上
からは、ローシスポリブタジエン、ハイシスポリブタジ
エン、スチレン含量30重量%以下のランダムSBRが
好ましい。
【0023】また、第一の分散相成分の調整におけると
同様、第二の分散相成分の重合に際し前記の有機過酸化
物を用いることが出来る。また膨潤指数についても第一
の分散相成分と同様の範囲に制御することが好ましい。
上記ブタジエン系重合体粒子の重量平均粒子径は、樹脂
組成物の超薄切片法により撮影した透過型電子顕微鏡写
真のブタジエン系重合体粒子500〜1000個の粒子
径を測定し、次式により算出する。
同様、第二の分散相成分の重合に際し前記の有機過酸化
物を用いることが出来る。また膨潤指数についても第一
の分散相成分と同様の範囲に制御することが好ましい。
上記ブタジエン系重合体粒子の重量平均粒子径は、樹脂
組成物の超薄切片法により撮影した透過型電子顕微鏡写
真のブタジエン系重合体粒子500〜1000個の粒子
径を測定し、次式により算出する。
【0024】 D[ミクロン]=Σni ・Di 4/ni ・Di 3 但し、ni:粒子径がDi である粒子の個数。 Di:粒子の直径。 次に、前記したように、本発明のゴム変性ビニル芳香族
樹脂組成物の分散相の第三の成分を構成するブロック共
重合体は、ビニル芳香族重合体ブロックA及び共役ジエ
ン重合体の不飽和結合の少なくとも20モル%が水素添
加された重合体ブロックBよりなるものである。
樹脂組成物の分散相の第三の成分を構成するブロック共
重合体は、ビニル芳香族重合体ブロックA及び共役ジエ
ン重合体の不飽和結合の少なくとも20モル%が水素添
加された重合体ブロックBよりなるものである。
【0025】該ブロック共重合体のうち重合体ブロック
Aは、ブロック共重合体と前記ビニル芳香族重合体マト
リックスとの相溶性を高め、また重合体ブロックBは、
前記第一の分散相成分及び第二の分散相成分と相乗的に
作用して、最終的に得られる樹脂組成物の衝撃強度を著
しく高める。重合体ブロックBの部分が形成する領域の
大きさに関する前記の要件を満たすためには、ブロック
共重合体中に占める重合体ブロックAの重量比率は5〜
80重量%、好ましくは15〜50重量%である。
Aは、ブロック共重合体と前記ビニル芳香族重合体マト
リックスとの相溶性を高め、また重合体ブロックBは、
前記第一の分散相成分及び第二の分散相成分と相乗的に
作用して、最終的に得られる樹脂組成物の衝撃強度を著
しく高める。重合体ブロックBの部分が形成する領域の
大きさに関する前記の要件を満たすためには、ブロック
共重合体中に占める重合体ブロックAの重量比率は5〜
80重量%、好ましくは15〜50重量%である。
【0026】上記ブロック共重合体の重合体ブロックA
を構成するビニル芳香族単量体単位としては、スチレン
のほかo−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−
メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、エチルス
チレン、p−tert−ブチルスチレンなどの核アルキ
ル置換スチレン、α−メチルスチレン、α−メチル−p
−メチルスチレンなどのα−アルキル置換スチレンなど
の単量体単位を指すが、代表的なものは、スチレンもし
くは、その一部をスチレン以外の上記ビニル芳香族単量
体で置き換えた単量体単位である。
を構成するビニル芳香族単量体単位としては、スチレン
のほかo−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−
メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、エチルス
チレン、p−tert−ブチルスチレンなどの核アルキ
ル置換スチレン、α−メチルスチレン、α−メチル−p
−メチルスチレンなどのα−アルキル置換スチレンなど
の単量体単位を指すが、代表的なものは、スチレンもし
くは、その一部をスチレン以外の上記ビニル芳香族単量
体で置き換えた単量体単位である。
【0027】また上記ブロック共重合体の重合体ブロッ
クBを構成する水素添加前の共役ジエン単量体単位とし
ては、1,3−ブタジエン、イソプレンなどを挙げるこ
とが出来るが、好ましくは1,3−ブタジエンである。
またブロック共重合体のブロック構造は、AB、A(B
A)n (但し、nは1〜3の整数)、A(BAB)n
(但し、nは1〜2の整数)のリニアーブロック共重合
体や、(AB)n X(但し、nは3〜6の整数。Xは四
塩化ケイ素、四塩化スズ、ポリエポキシ化合物などのカ
ップリング剤残基。)で表示される、B部分を結合中心
とする星状(スター)ブロック共重合体であることが好
ましい。なかでもAB2型、ABA3型、ABAB4型
のリニアーブロック共重合体が好ましい。なお、上記ブ
ロック共重合体には、重合体ブロックAと重合体Bの間
に、その主鎖に沿った方向にその単量体単位の組成が漸
減(または漸増)する部分を有する、当業者にはテーパ
ードブロック共重合体と称せられるものも含まれる。
クBを構成する水素添加前の共役ジエン単量体単位とし
ては、1,3−ブタジエン、イソプレンなどを挙げるこ
とが出来るが、好ましくは1,3−ブタジエンである。
またブロック共重合体のブロック構造は、AB、A(B
A)n (但し、nは1〜3の整数)、A(BAB)n
(但し、nは1〜2の整数)のリニアーブロック共重合
体や、(AB)n X(但し、nは3〜6の整数。Xは四
塩化ケイ素、四塩化スズ、ポリエポキシ化合物などのカ
ップリング剤残基。)で表示される、B部分を結合中心
とする星状(スター)ブロック共重合体であることが好
ましい。なかでもAB2型、ABA3型、ABAB4型
のリニアーブロック共重合体が好ましい。なお、上記ブ
ロック共重合体には、重合体ブロックAと重合体Bの間
に、その主鎖に沿った方向にその単量体単位の組成が漸
減(または漸増)する部分を有する、当業者にはテーパ
ードブロック共重合体と称せられるものも含まれる。
【0028】また上記ブロック共重合体の分子量として
は、数平均分子量で20,000〜300,000の範
囲が好ましく、80,000〜150,000の範囲に
あることが、衝撃強度と光沢のバランスの上から、より
好ましい。以上の要件を満たすブロック共重合体は公知
のスチレン−共役ジエンブロック共重合体に、公知の水
素添加処理たとえば特開昭59−133203号公報に
開示の方法の水素添加処理をすることにより得ることが
出来る。
は、数平均分子量で20,000〜300,000の範
囲が好ましく、80,000〜150,000の範囲に
あることが、衝撃強度と光沢のバランスの上から、より
好ましい。以上の要件を満たすブロック共重合体は公知
のスチレン−共役ジエンブロック共重合体に、公知の水
素添加処理たとえば特開昭59−133203号公報に
開示の方法の水素添加処理をすることにより得ることが
出来る。
【0029】かくして得られた第一の分散相成分含有ゴ
ム変性ビニル芳香族樹脂組成物、第二の分散相成分含有
ゴム変性ビニル芳香族樹脂組成物(または第一の分散相
成分と第二の分散相成分を共に含有するゴム変性ビニル
芳香族樹脂組成物)及びブロック共重合体を配合するこ
とにより前記の3成分の分散相を有するゴム変性ビニル
芳香族樹脂組成物を得ることができる。
ム変性ビニル芳香族樹脂組成物、第二の分散相成分含有
ゴム変性ビニル芳香族樹脂組成物(または第一の分散相
成分と第二の分散相成分を共に含有するゴム変性ビニル
芳香族樹脂組成物)及びブロック共重合体を配合するこ
とにより前記の3成分の分散相を有するゴム変性ビニル
芳香族樹脂組成物を得ることができる。
【0030】なお、上記方法にて得られたゴム変性ビニ
ル芳香族樹脂組成物に、必要に応じて、別途調整したブ
タジエン系重合体を含有しないビニル芳香族樹脂を配合
し、最終的に得られるゴム変性ビニル芳香族樹脂組成物
中のブタジエン系重合体の含量を調整し、衝撃強度と剛
性のバランスを調整することも出来る。また以上のゴム
変性ビニル芳香族樹脂組成物に加えてポリジメチルシロ
キサンを少量加えて、最終的に得られる樹脂組成物の衝
撃強度を一段と高めることも出来る。ポリジメチルシロ
キサンの配合量は、前記ゴム変性ビニル芳香族樹脂組成
物100重量部に対して、0.005〜0.5重量部の
範囲がより好ましい。
ル芳香族樹脂組成物に、必要に応じて、別途調整したブ
タジエン系重合体を含有しないビニル芳香族樹脂を配合
し、最終的に得られるゴム変性ビニル芳香族樹脂組成物
中のブタジエン系重合体の含量を調整し、衝撃強度と剛
性のバランスを調整することも出来る。また以上のゴム
変性ビニル芳香族樹脂組成物に加えてポリジメチルシロ
キサンを少量加えて、最終的に得られる樹脂組成物の衝
撃強度を一段と高めることも出来る。ポリジメチルシロ
キサンの配合量は、前記ゴム変性ビニル芳香族樹脂組成
物100重量部に対して、0.005〜0.5重量部の
範囲がより好ましい。
【0031】上記成分の配合方法に特に制約は無く、バ
ンバリーミキサー、単軸押出機、2軸押出機などの公知
の混練装置により溶融混合すればよい。本発明のゴム変
性ビニル芳香族系樹脂組成物には、高級脂肪酸の金属
塩、高級脂肪酸のアミド類を添加することにより衝撃強
度を一段と高めることが出来る。また本発明の樹脂組成
物には、染顔料、滑剤、充填剤、離型剤、可塑剤、帯電
防止剤、難燃剤などの添加剤を必要に応じて添加するこ
とが出来る。
ンバリーミキサー、単軸押出機、2軸押出機などの公知
の混練装置により溶融混合すればよい。本発明のゴム変
性ビニル芳香族系樹脂組成物には、高級脂肪酸の金属
塩、高級脂肪酸のアミド類を添加することにより衝撃強
度を一段と高めることが出来る。また本発明の樹脂組成
物には、染顔料、滑剤、充填剤、離型剤、可塑剤、帯電
防止剤、難燃剤などの添加剤を必要に応じて添加するこ
とが出来る。
【0032】以下実施例により本発明を具体的に説明す
る。
る。
【0033】
【実施例】以下の実施例、比較例に於いては、下記の参
考例に示すブタジエン系重合体を用いた。 [参考例1−ジエン系重合体ブロックB1の調整]オー
トクレーブ中にシクロヘキサン400g、スチレン1
7.5g、n−ブチルリチウム0.11gを加え、60
度Cで3時間重合し、次いで1,3−ブタジエンを65
g加えて60度Cで3時間重合した。最後にスチレンを
17.5g加え、60度Cで3時間重合し、ブロックス
チレン含有量35重量%、ブタジエン単位の1,2−ビ
ニル結合含有量35モル%、数平均分子量50,000
のスチレン−ブタジエン−スチレン(SBS)型ブロッ
ク共重合体を得た。次いで特開昭59−133203号
公報に開示の方法の水素添加処理を行い、ブタジエン単
位の水素添加率95モル%のブロック共重合体(B1)
を得た。結果を表1に示す。
考例に示すブタジエン系重合体を用いた。 [参考例1−ジエン系重合体ブロックB1の調整]オー
トクレーブ中にシクロヘキサン400g、スチレン1
7.5g、n−ブチルリチウム0.11gを加え、60
度Cで3時間重合し、次いで1,3−ブタジエンを65
g加えて60度Cで3時間重合した。最後にスチレンを
17.5g加え、60度Cで3時間重合し、ブロックス
チレン含有量35重量%、ブタジエン単位の1,2−ビ
ニル結合含有量35モル%、数平均分子量50,000
のスチレン−ブタジエン−スチレン(SBS)型ブロッ
ク共重合体を得た。次いで特開昭59−133203号
公報に開示の方法の水素添加処理を行い、ブタジエン単
位の水素添加率95モル%のブロック共重合体(B1)
を得た。結果を表1に示す。
【0034】[参考例2−ジエン系重合体ブロックB2
の調整]オートクレーブ中にシクロヘキサン400g、
1,3−ブタジエン13g、n−ブチルリチウム0.1
5gおよびテトラヒドロフランをモル比でn−ブチルリ
チウム/テトラヒドロフラン=40の割合で加え、70
度Cで1時間重合し、次いでスチレン20gを加えて3
0分、次いで1,3−ブタジエン47gを加えて75
分、そして最後にスチレンを20g加えて30分重合
し、ブロックスチレン含有量40重量%、ブタジエン単
位の1,2−ビニル結合含有量35モル%、数平均分子
量50,000のスチレン−ブタジエン−スチレン−ブ
タジエン(SBSB)型ブロック共重合体を得た。次い
で参考例1と同様の水素添加処理を行い、ブロック共重
合体(B2)を得た。結果を表1に示す。
の調整]オートクレーブ中にシクロヘキサン400g、
1,3−ブタジエン13g、n−ブチルリチウム0.1
5gおよびテトラヒドロフランをモル比でn−ブチルリ
チウム/テトラヒドロフラン=40の割合で加え、70
度Cで1時間重合し、次いでスチレン20gを加えて3
0分、次いで1,3−ブタジエン47gを加えて75
分、そして最後にスチレンを20g加えて30分重合
し、ブロックスチレン含有量40重量%、ブタジエン単
位の1,2−ビニル結合含有量35モル%、数平均分子
量50,000のスチレン−ブタジエン−スチレン−ブ
タジエン(SBSB)型ブロック共重合体を得た。次い
で参考例1と同様の水素添加処理を行い、ブロック共重
合体(B2)を得た。結果を表1に示す。
【0035】[参考例3−ブロック共重合体ブロックB
3〜B8の調整]参考例1の方法に準拠し、重合温度、
重合時間、単量体の量を変更して得たスチレン−ブタジ
エンブロック重合体を上記と同様の水素添加処理を行
い、ブロック共重合体ブロックB3〜B7を得た。結果
を表1に示す。また参考例1において、1,3−ブタジ
エンの代わりにイソプレンを用い、n−ブチルリチウム
の量を変えて重合を行い、スチレン−イソプレン−スチ
レン(SIS)型ブロック共重合体を得た。次いで参考
例1と同様の水素添加処理を行い、ジエン系重合体(B
8)を得た。結果を表1に示す。
3〜B8の調整]参考例1の方法に準拠し、重合温度、
重合時間、単量体の量を変更して得たスチレン−ブタジ
エンブロック重合体を上記と同様の水素添加処理を行
い、ブロック共重合体ブロックB3〜B7を得た。結果
を表1に示す。また参考例1において、1,3−ブタジ
エンの代わりにイソプレンを用い、n−ブチルリチウム
の量を変えて重合を行い、スチレン−イソプレン−スチ
レン(SIS)型ブロック共重合体を得た。次いで参考
例1と同様の水素添加処理を行い、ジエン系重合体(B
8)を得た。結果を表1に示す。
【0036】なお上記B1〜B8の共役ジエン単量体単
位部分の水素添加率の測定は、NMRにて測定した。
(測定の詳細は、特開昭64−90208号公報に記載
の手順に従った。) [参考例4−ブタジエン系重合体ブロックB9の調整]
特開昭64−74208号公報に記載の方法に従い、ブ
ロックスチレン含量35重量%の完全スチレン−ブタジ
エン2型ブロックSBR(B9)を得た。
位部分の水素添加率の測定は、NMRにて測定した。
(測定の詳細は、特開昭64−90208号公報に記載
の手順に従った。) [参考例4−ブタジエン系重合体ブロックB9の調整]
特開昭64−74208号公報に記載の方法に従い、ブ
ロックスチレン含量35重量%の完全スチレン−ブタジ
エン2型ブロックSBR(B9)を得た。
【0037】[参考例5−ゴム変性ビニル芳香族樹脂H
1〜H4の調整]ポリブタジエンゴム(日本ゼオン株式
会社製、ニポール1220SL)をスチレンに溶解し、
次いでエチルベンゼン及び、1,1−ビス(t−ブチル
パーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサンの
少量を加え、最終的に下記の組成より成る重合原液を調
整した。(単位は重量部数) ・ポリブタジエンゴム−−−−−10.0 ・スチレン−−−−−−−−−−78.0 ・エチルベンゼン−−−−−−−12.0 ・1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)3,3,5−
トリメチルシクロヘキサン−−−−−−−−−−−−−
−0.01 上記の重合原液を、各々の内容積が6.2リットルの撹
拌機付きの3槽式反応機に連続的に送液した。第一槽反
応機出口の固形分濃度が30重量%となるように反応機
内温度を制御した。最終槽反応機出口の固形分濃度が8
0重量%となるように反応機内温度を調整した。次いで
230度C、真空下の脱揮装置に送り込み、未反応のス
チレン及びエチルベンゼンを除去し、押出機にて造粒し
ペレット状のゴム変性ビニル芳香族樹脂、H1を得た。
ゴム変性ビニル芳香族樹脂中のジエン系重合体の含量
は、12.5重量%、分散相は重量平均粒子径1.4ミ
クロンのサラミ構造粒子、トルエンに対する膨潤指数は
9.8であり、トルエン可溶分より求めたマトリックス
相の固有粘度は0.76dl/gであった。
1〜H4の調整]ポリブタジエンゴム(日本ゼオン株式
会社製、ニポール1220SL)をスチレンに溶解し、
次いでエチルベンゼン及び、1,1−ビス(t−ブチル
パーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサンの
少量を加え、最終的に下記の組成より成る重合原液を調
整した。(単位は重量部数) ・ポリブタジエンゴム−−−−−10.0 ・スチレン−−−−−−−−−−78.0 ・エチルベンゼン−−−−−−−12.0 ・1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)3,3,5−
トリメチルシクロヘキサン−−−−−−−−−−−−−
−0.01 上記の重合原液を、各々の内容積が6.2リットルの撹
拌機付きの3槽式反応機に連続的に送液した。第一槽反
応機出口の固形分濃度が30重量%となるように反応機
内温度を制御した。最終槽反応機出口の固形分濃度が8
0重量%となるように反応機内温度を調整した。次いで
230度C、真空下の脱揮装置に送り込み、未反応のス
チレン及びエチルベンゼンを除去し、押出機にて造粒し
ペレット状のゴム変性ビニル芳香族樹脂、H1を得た。
ゴム変性ビニル芳香族樹脂中のジエン系重合体の含量
は、12.5重量%、分散相は重量平均粒子径1.4ミ
クロンのサラミ構造粒子、トルエンに対する膨潤指数は
9.8であり、トルエン可溶分より求めたマトリックス
相の固有粘度は0.76dl/gであった。
【0038】次いで第一槽反応機の撹拌数を変更する他
は同様にして、分散相の重量平均粒子径が各々0.5ミ
クロン、2.8ミクロン、9.4ミクロンのゴム変性ビ
ニル芳香族樹脂、H2、H3、H4を得た。分散相のト
ルエンに対する膨潤指数、マトリックス相の固有粘度を
測定した。以上の結果を表2に示す。 [参考例6−ゴム変性ビニル芳香族樹脂H5〜H7の調
整]参考例5において、重合原液を下記組成とし、かつ
第一槽反応機出口の固形分濃度が36重量%となるよう
に重合温度を変えた他は同様にして重合を行い、ブタジ
エン系重合体含量(ポリブタジエン換算)12.5重量
%のゴム変性ビニル芳香族樹脂、H5を得た。
は同様にして、分散相の重量平均粒子径が各々0.5ミ
クロン、2.8ミクロン、9.4ミクロンのゴム変性ビ
ニル芳香族樹脂、H2、H3、H4を得た。分散相のト
ルエンに対する膨潤指数、マトリックス相の固有粘度を
測定した。以上の結果を表2に示す。 [参考例6−ゴム変性ビニル芳香族樹脂H5〜H7の調
整]参考例5において、重合原液を下記組成とし、かつ
第一槽反応機出口の固形分濃度が36重量%となるよう
に重合温度を変えた他は同様にして重合を行い、ブタジ
エン系重合体含量(ポリブタジエン換算)12.5重量
%のゴム変性ビニル芳香族樹脂、H5を得た。
【0039】 ・ブタジエン重合体、B9−−−15.4 ・スチレン−−−−−−−−−−72.6 ・エチルベンゼン−−−−−−−12.0 なお、分散相は重量平均粒子径0.2ミクロンのコアー
シェル構造粒子、トルエンに対する膨潤指数は9.0で
あり、トルエン可溶分より求めたマトリックス相の固有
粘度は0.74dl/gであった。
シェル構造粒子、トルエンに対する膨潤指数は9.0で
あり、トルエン可溶分より求めたマトリックス相の固有
粘度は0.74dl/gであった。
【0040】次いでH5の調整において、重合原液10
0重量部に対し、1,1−ビス(t−ブチルパーオキ
シ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサンを0.01
5重量部加えて重合を行う他は同様にして重合を行い、
ブタジエン系重合体含量(ポリブタジエン換算)12.
5重量%のゴム変性ビニル芳香族樹脂、H6を得た。な
お、分散相は重量平均粒子径0.03ミクロンの球状構
造粒子、トルエンに対する膨潤指数は10.0であり、
トルエン可溶分より求めたマトリックス相の固有粘度は
0.78dl/gであった。
0重量部に対し、1,1−ビス(t−ブチルパーオキ
シ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサンを0.01
5重量部加えて重合を行う他は同様にして重合を行い、
ブタジエン系重合体含量(ポリブタジエン換算)12.
5重量%のゴム変性ビニル芳香族樹脂、H6を得た。な
お、分散相は重量平均粒子径0.03ミクロンの球状構
造粒子、トルエンに対する膨潤指数は10.0であり、
トルエン可溶分より求めたマトリックス相の固有粘度は
0.78dl/gであった。
【0041】他方、H5の調整において、重合原液10
0重量部に対し、n−ドデシルメルカプタンを0.3重
量部加えて重合を行う他は同様にして重合を行い、ブタ
ジエン系重合体含量(ポリブタジエン換算)12.5重
量%のゴム変性ビニル芳香族樹脂、H7を得た。なお、
分散相は重量平均粒子径0.8ミクロンのコアーシェル
構造粒子、トルエンに対する膨潤指数は10.5であ
り、トルエン可溶分より求めたマトリックス相の固有粘
度は0.70dl/gであった。以上の結果を表2に示
す。
0重量部に対し、n−ドデシルメルカプタンを0.3重
量部加えて重合を行う他は同様にして重合を行い、ブタ
ジエン系重合体含量(ポリブタジエン換算)12.5重
量%のゴム変性ビニル芳香族樹脂、H7を得た。なお、
分散相は重量平均粒子径0.8ミクロンのコアーシェル
構造粒子、トルエンに対する膨潤指数は10.5であ
り、トルエン可溶分より求めたマトリックス相の固有粘
度は0.70dl/gであった。以上の結果を表2に示
す。
【0042】[参考例7−ビニル芳香族樹脂V1、V2
の調整]塊状重合方法により、重量平均分子量270,
000及び200,000のポリスチレンを調整した。
の調整]塊状重合方法により、重量平均分子量270,
000及び200,000のポリスチレンを調整した。
【0043】
【実施例1〜12、比較例1〜9】前記参考例1〜3で
得たブロック共重合体ブロックB1〜B8、参考例5〜
6で得たゴム変性ビニル芳香族樹脂H1〜H7、参考例
7で得たビニル芳香族樹脂V1、V2及びポリジメチル
シロキサン(東レ・シリコーン(株)製、SH200、
粘度12,500センチストークス)を表3〜表8に示
す比率にて配合し、押出機にて溶融・混練し、ゴム変性
ビニル芳香族樹脂組成物のペレットを得た。次いで得ら
れたゴム変性ビニル芳香族樹脂組成物のペレットより射
出成形機にて、220度Cの成形温度にて試験片を作成
し物性を測定した。
得たブロック共重合体ブロックB1〜B8、参考例5〜
6で得たゴム変性ビニル芳香族樹脂H1〜H7、参考例
7で得たビニル芳香族樹脂V1、V2及びポリジメチル
シロキサン(東レ・シリコーン(株)製、SH200、
粘度12,500センチストークス)を表3〜表8に示
す比率にて配合し、押出機にて溶融・混練し、ゴム変性
ビニル芳香族樹脂組成物のペレットを得た。次いで得ら
れたゴム変性ビニル芳香族樹脂組成物のペレットより射
出成形機にて、220度Cの成形温度にて試験片を作成
し物性を測定した。
【0044】結果を表9〜表14に示す。なお物性測定
は、下記方法によった。 ・アイゾット衝撃強度:ASTM D256に準拠。 ・曲げ弾性率:ASTM D790に準拠。 ・メルトフローレート:ISO−R1133に準拠。 ・ビカット軟化点:ASTM D1525に準拠。
は、下記方法によった。 ・アイゾット衝撃強度:ASTM D256に準拠。 ・曲げ弾性率:ASTM D790に準拠。 ・メルトフローレート:ISO−R1133に準拠。 ・ビカット軟化点:ASTM D1525に準拠。
【0045】・光沢:ASTM D638のダンベル試
験片のゲ−ト部とエンド部の光沢値の平均値を求めた。
なお、光源の入射角は、慣用の60度のほかに、20度
の場合も測定した。(入射角が小さい程、光沢が小さく
求まり、より精密な比較が可能となる。)なお、光沢に
ついてのみ、上記成形温度に加え、280度C/シリン
ダー滞留時間10分の条件にても成形を行い、入射角6
0度での光沢を測定した。
験片のゲ−ト部とエンド部の光沢値の平均値を求めた。
なお、光源の入射角は、慣用の60度のほかに、20度
の場合も測定した。(入射角が小さい程、光沢が小さく
求まり、より精密な比較が可能となる。)なお、光沢に
ついてのみ、上記成形温度に加え、280度C/シリン
ダー滞留時間10分の条件にても成形を行い、入射角6
0度での光沢を測定した。
【0046】
【表1】
【0047】
【表2】
【0048】
【表3】
【0049】
【表4】
【0050】
【表5】
【0051】
【表6】
【0052】
【表7】
【0053】
【表8】
【0054】
【表9】
【0055】
【表10】
【0056】
【表11】
【0057】
【表12】
【0058】
【表13】
【0059】
【表14】
【0060】
【発明の効果】本発明の樹脂組成物は衝撃強度、光沢、
剛性のバランスが優れることに加え、光沢勾配が小さく
フローマークの発生が少ないという一層好ましい特性を
有する。更に高温にて熱滞留させた場合においても高光
沢の成形品が得られる。このような特性を有することか
ら、本発明の樹脂組成物は、大型の射出成形品や特に鮮
明な外観が要求される成形品を得るための樹脂として非
常に好ましい。
剛性のバランスが優れることに加え、光沢勾配が小さく
フローマークの発生が少ないという一層好ましい特性を
有する。更に高温にて熱滞留させた場合においても高光
沢の成形品が得られる。このような特性を有することか
ら、本発明の樹脂組成物は、大型の射出成形品や特に鮮
明な外観が要求される成形品を得るための樹脂として非
常に好ましい。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 51:06)
Claims (1)
- 【請求項1】97〜80重量%のビニル芳香族重合体マ
トリックス及び3〜20重量%のブタジエン系重合体の
分散相よりなるゴム変性ビニル芳香族樹脂組成物におい
て、該分散相が重量平均粒子径が0.05〜0.4ミ
クロンのサラミ構造または/及びコアーシェル構造の小
粒子成分、重量平均粒子径が0.8〜8.0ミクロン
のサラミ構造の大粒子成分、及びビニル芳香族単量体
単位よりなる重合体ブロックA、及び共役ジエン単量体
単位よりなる重合体の該共役ジエン単量体単位の不飽和
結合の少なくとも20モル%が水素添加された重合体ブ
ロックBよりなるブロック共重合体よりなり、該重合体
ブロックBの部分が短径0.05〜0.2ミクロン、長
径0.05〜2ミクロンの領域を形成してなる成分の3
成分よりなることを特徴とするゴム変性ビニル芳香族樹
脂組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33840891A JPH05170991A (ja) | 1991-12-20 | 1991-12-20 | ゴム変性ビニル芳香族樹脂組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33840891A JPH05170991A (ja) | 1991-12-20 | 1991-12-20 | ゴム変性ビニル芳香族樹脂組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05170991A true JPH05170991A (ja) | 1993-07-09 |
Family
ID=18317885
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP33840891A Withdrawn JPH05170991A (ja) | 1991-12-20 | 1991-12-20 | ゴム変性ビニル芳香族樹脂組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05170991A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2005005539A1 (en) * | 2003-07-11 | 2005-01-20 | Polimeri Europa S.P.A. | Rubber-reinforced vinyl aromatic polymers |
-
1991
- 1991-12-20 JP JP33840891A patent/JPH05170991A/ja not_active Withdrawn
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2005005539A1 (en) * | 2003-07-11 | 2005-01-20 | Polimeri Europa S.P.A. | Rubber-reinforced vinyl aromatic polymers |
JP2009513746A (ja) * | 2003-07-11 | 2009-04-02 | ポリメーリ エウローパ ソシエタ ペル アチオニ | ゴム強化ビニル芳香族ポリマー |
US7906576B2 (en) | 2003-07-11 | 2011-03-15 | Polimeri Europa S.P.A. | Rubber-reinforced vinyl aromatic polymers |
JP2011241407A (ja) * | 2003-07-11 | 2011-12-01 | Polimeri Europa Spa | ゴム強化ビニル芳香族ポリマー |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 19990311 |