JPH0686565B2 - 艶消しされたポリカーボネート系樹脂組成物の製造方法 - Google Patents

艶消しされたポリカーボネート系樹脂組成物の製造方法

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JPH0686565B2
JPH0686565B2 JP58067064A JP6706483A JPH0686565B2 JP H0686565 B2 JPH0686565 B2 JP H0686565B2 JP 58067064 A JP58067064 A JP 58067064A JP 6706483 A JP6706483 A JP 6706483A JP H0686565 B2 JPH0686565 B2 JP H0686565B2
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、ポリカーボネート重合体とゴム変性スチレン
系重合体よりなる樹脂組成物に関し、特に艶消しされた
外観を呈する組成物の製造方法に関する。
従来、ポリカーボネート重合体とゴム変性スチレン系重
合体との混合物は優れた耐熱性と耐衝撃性を有する樹脂
組成物として成形加工用材料に供されている。例えば、
ABS樹脂とポリカーボネート重合体との組成物(特公昭3
8−15225号および同51−11142号)、MBS樹脂とポリカー
ボネート重合体との組成物(特公昭39−71号)およびAB
SM樹脂とポリカーボネート重合体との組成物(特公昭42
−11496号)などがあげられる。
近年は、かかる成形物の分野においては艶消しされた外
観を呈するポリカーボネート系樹脂組成物の開発が強く
求められている。本発明はかかる実情の重大性に鑑み、
高い耐衝撃性を有し、かつ艶消しされた外観を呈するポ
リカーボネート系樹脂組成物を提供することを目的とす
るものである。本発明者らは、従来の知見からは全く意
外なことに、ポリカーボネート重合体と特別の構造を有
するゴム変性スチレン系重合体よりなる樹脂組成物によ
つてこの目的の達成されることを発見して本発明に到達
した。
すなわち、本発明は、ポリカーボネート重合体(A)90
〜51重量部とゴム状重合体の存在下にアクリロニトリル
系単量体およびカルボン酸アルキルエステル系単量体か
ら選ばれた1種以上の単量体およびスチレン系単量体を
共重合して得られるゴム変性スチレン系共重合体(B)
10〜49重量部とよりなるポリカーボネート系樹脂組成物
の製造において、連続塊状または連続溶液重合法により
ゴム変性スチレン系共重合体(B)を合成するに際し、 (B)のトルエンおよびメチルエチルケトンの比率7/3
の混合溶剤での混合溶液指数を5〜14倍の範囲内に調整
し、かつ (B)中のゴム状重合体粒子の平均粒子径を1.5〜10.0
μに調整 したことを特徴とする艶消しされたポリカーボネート系
樹脂組成物の製造方法である。
本発明のゴム変性スチレン系重合体(B)は、連続塊状
もしくは連続溶液重合法によつて製造する必要がある。
乳化重合法による場合は、得られるポリカーボネート系
樹脂組成物の流動性の改善の程度が低い。
本発明でいう連続塊状もしくは連続溶液重合法として
は、公知の方法およびその組合わせが用いられ、特に限
定はない。連続塊状重合法の一例について説明すると、
ゴム状重合体を溶解した単量体溶液に分子量調節剤、重
合開始剤などを添加するかまたは無添加のまま、この溶
液を撹拌式反応器に連続的に供給する。まず、1個以上
の撹拌式反応器で予備重合させて単量体の10〜60%を重
合体に転化すると共にゴム状重合体を分散した粒子の形
状に転化した後、さらに1個以上の反応器において主重
合を継続して行い、単量体総量の50〜99%を重合体に転
化する。次いで、生成した重合液を脱揮発分槽に導入し
て未反応単量体およびオリゴマーの一部を除去した後、
粒状化工程において、粒状の樹脂組成物を得る。連続溶
液重合法においては、上記のゴム状重合体の溶解工程お
よび反応工程の1箇所以上で、エチルベンゼン,トルエ
ン,メチルエチルケトンなどの溶剤が供給され、その大
部分は脱揮発分槽で単量体と共に回収される。上記連続
塊状および溶液重合法では、いずれにおいても分子量調
節剤,重合開始剤などは任意の箇所で供給できるが、重
合体への単量体の転化率は0〜50%の範囲が好ましく、
また任意の工程で単量体を増量転化しても差支えない。
本発明でのゴム変性スチレン系重合体(B)の混合溶液
指数は5〜14倍の範囲、好ましくは6.5〜13倍の範囲、
特に好ましくは6.5〜11倍の範囲である。この値が5〜1
4倍の範囲外になると、本発明の目的は達成されない。
上記の「混合溶液指数」とは次のようにして測定される
値である。ゴム変性スチレン系重合体(B)の試料約1.
0gをトルエンおよびメチルエチルケトンの比率7/3の混
合溶剤30ml中に投入、放置後、遠心分離して、混合溶液
に可溶成分を傾瀉法により分離する。その後ただちに、
混合溶液で膨潤状態にある不溶成分の重量(Ws)を測定
し、次いでこれを真空乾燥した後の重量(Wd)を測定し
て、両者の比Ws/Wd(倍)の値を「混合溶液指数」とす
る。混合溶液指数は、重合時のゴム状重合体の量、分子
量調節剤の量、溶剤の量、重合開始剤の量と種類、重合
後の脱揮分工程および造粒工程での滞留時間や処理温度
等の調節によつて調整は可能であるが、当業者はトライ
アルアンドエラー法によつて所定の値に到達可能であ
る。上記混合溶液指数の範囲にあるゴム変性スチレン系
重合体(B)を用いた場合に、ポリカーボネート系樹脂
組成物の性能が向上する理由は明らかではないが、混合
溶液指数に対して樹脂性能が極めて鋭敏に変化すること
から、この指数は連続塊状もしくは溶液重合法で合成さ
れるゴム変性スチレン系樹脂組成物を用いてポリカーボ
ネート系樹脂組成物とした場合のゴム状重合体粒子の性
状を反映する指標と考えられる。混合溶液指数の測定
に、混合溶液の代りにトルエンを用いた場合は、性能向
上に関して何らの教唆も得られない。
本発明において、ゴム状重合体粒子の平均粒子径は、1.
5〜10μ、好ましくは1.5〜6μ、特に好ましくは1.5〜
4μの範囲で、この値が1.5〜10μの範囲外になると本
発明の効果は得られない。本発明のゴム状重合体粒子の
平均粒子径は次のようにして測定される。樹脂の超薄切
片法による電子顕微鏡写真において、ゴム状重合体粒子
の50〜200個の粒子径を測定して、次式により平均した
値とする。
平均粒子径=ΣnD2/ΣnD (但し、nは粒子径Dのゴム状重合体粒子の個数) ゴム状重合体の平均粒子径は、樹脂製造工程における予
備重合工程の条件、例えば予備重合工程でのゴム状重合
体の量、単量体の量、分子量調節剤の量、重合開始剤の
量および種類、単量体の重合体への転化率、重合温度、
重合速度等の調節によつて調整は可能であるが、当業者
はトライアルアンドエラー法によつて所定の平均粒子径
に調整可能である。
本発明に用いるゴム変性スチレン系重合体(B)は、ゴ
ム状重合体の存在下にアクリロニトリル系単量体および
カルボン酸アルキルエステル系単量体から選ばれた1種
以上の単量体およびスチレン系単量体を共重合して得ら
れる。アクリロニトリル系単量体としては、アクリロニ
トリル、メタクリロニトリル等の1種以上が用いられ
る。また、カルボン酸アルキルエステル系単量体として
は、例えばメチルアクリレート、エチルアクリレート、
ブチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメ
タクリレート、ブチルメタクリレート、ヒドロキシエチ
ルメタクリレート等の1種以上が用いられる。スチレン
系単量体としては、スチレン、p-メチルスチレン、α‐
メチルスチレン、ジメチルスチレン、ビニルトルエン、
ブロムスチレン等の1種以上が用いられるが、なかでも
スチレン、p-メチルスチレンが好ましい。これらの単量
体の使用量はゴム変性スチレン系重合体(B)100重量
部に対して、重合体(B)の構成成分として、ゴム状重
合体2〜20重量部の存在下で、スチレン系単量体40〜80
重量部、アクリロニトリル系単量体10〜35重量部および
カルボン酸アルキルエステル系単量体0〜40重量部で、
これらを共重合させた重合体が好ましい。一方、20重量
部を超えない範囲で無水マレイン酸等の単量体を共重合
に供することもできる。
アクリロニトリル系単量体を必須の構成単量体成分とし
たゴム変性スチレン系重合体(B)は好ましいが、この
重合体はメチルエチルケトンおよびメタノールの比率7/
3の混合溶剤で溶解した際に、この混合溶剤に可溶性重
合体のアクリロニトリル系単量体重量組成(WSA)およ
びスチレン系単量体重量組成(WSS)、ならびに上記混
合溶媒に不溶で、かつゴム状重合体以外の重合体部分を
構成するアクリロニトリル系単量体重量組成(WDA)お
よびスチレン系単量体重量組成(WDS)の間には、次式
(I)、より好ましくは次式(II)を満足することが好
ましい。
かかる理由は明確ではないが、ゴム変性スチレン系共重
合体のメチルエチルケトンとメタノールの7対3の混合
溶液に可溶である重合体部分と、この溶媒に不溶である
重合体部分からゴム成分を除いた重合体部分の組成が近
い、すなわちXS/XDが1に近いことが好ましい。
(I) 1.2xS/xD0.9 (II) 1.05xS/xD0.95 WSA、WSS、WDAおよびWDSは次のようにして測定される。
樹脂約1gをメチルエチルケトンおよびメタノールの比率
7/3の混合溶剤30ml中に放置し、部分的な溶解を行わせ
た後、遠心分離して、上記混合溶剤に可溶である重合体
部分および不溶である重合体部分に傾瀉法によつて分離
する。次いで、真空乾燥して両部分より溶剤を取り除
き、得られる乾燥物の窒素分析値に基き、両部分の重合
体を構成するアクリロニトリル系単量体の組成を求め
る。一方、各部分の重合体を構成するスチレン系単量体
の組成は、例えば原料を生成重合体および上記混合溶媒
の可溶部分と不溶部分の重量値の物質収支によつて求め
る。xS/xD値は、単量体の重合体への転化率が10〜70%
域での重合体混合物中のスチレン系単量体とアクリロニ
トリル系単量体の濃度比(a)および転化率が40〜99%
域でのスチレン系単量体とアクリロニトリル系単量体の
濃度比(b)の割合(a)/(b)、両転化率域での重
合温度、溶剤量または脱揮発分工程の操作等で調節され
るが、当業者はトライアルアンドエラー法によつて所定
の値に調整可能である。一方、単量体の重合体への転化
率を50〜90%、好ましくは50〜80%、特に好ましくは55
〜70%で打切つて、脱揮発分工程にかける方法も有利に
採用される。
本発明に用いるゴム変性スチレン系重合体(B)は、メ
タノール可溶成分を0.5〜3.0重量%、好ましくは0.5〜
2.0重量%含有するのが好ましい。通常の市販のABS,MBS
樹脂等はメタノール可溶成分を2.0〜5.0重量%含有して
いるが、このような成分が3重量%を超えると、ポリカ
ーボネート系樹脂組成物にしたときの流動性、耐熱性、
耐衝撃性の性能バランスの低下をもたらすので好ましく
ない。逆にこの値が0.5重量%以下になると、樹脂組成
物にした場合に極端な流動性の低下が起るので好ましく
ない。メタノール可溶成分の量は次のようにして測定す
る。ゴム変性スチレン系重合体約1gを80℃で4時間以上
乾燥後精秤(Wmo)し、メチルエチルケトンおよびメタ
ノールの比率7/3の混合溶剤30c.c.に溶解した後、メタ
ノール400c.c.中で再沈殿を行う。次に、沈殿成分を
過分離,乾燥して秤量(Wm)して、次式によつて算出す
る。
(Wmo-Wm)×100÷Wmo=メタノール過溶成分(重量%) 本発明に用いられるゴム状重合体は常温でゴム的性質を
有するものであればよく、例えばポリブタジエン類、ス
チレン‐ブタジエン共重合体類、スチレン‐ブタジエン
ブロツク共重合体類、エチレン‐プロピレン系共重合体
類、エチレン‐プロピレン‐非共役ジエンの三元共重合
体類、イソプレン重合体類、スチレン‐イソプレン共重
合体類、スチレン‐イソプレン共重合体類、クロロプレ
ン重合体類、ブタジエン‐アクリロニトリル系共重合体
類、アクリル酸エステル共重合体類、シリコーンゴム類
等の一種以上が用いられる。これらゴム状重合体のうち
ではポリブタジエン類、スチレン‐ブタジエン共重合体
類が好ましく、なかでもポリブタジエン類が特に好まし
い。
本発明に用いられるゴム状重合体の溶液粘度は20〜200c
st、好ましくは30〜100cstの範囲が好ましい。これらの
溶液粘度は、ゴム状重合体を5重量%のスチレン溶液と
したものについて、ウベローデ型粘度管を用いて30℃で
測定される。このようなゴム状重合体においては、その
ミクロ構造には特に限定はないが、ゴム状重合体を構成
する全ブタジエン成分を100部としたときの1.4シス結合
ブタジエン成分は20〜40部あるいは91部以上が好まし
く、また1.2ビニル結合ブタジエン成分の25部以下のも
のがより好ましい。本発明のゴム変性スチレン系重合体
(B)は、特に限定はされないが、上記ゴム状重合体を
2〜25重量%含有するのが好ましい。
次に、ポリカーボネート重合体としては、芳香族ポリカ
ーボネート、脂肪族ポリカーボネート、脂肪族‐芳香族
ポリカーボネート等をあげることができる。一般には、
2.2-ビス(4-オキシフエニル)アルカン系、ビス(4-オ
キシフエニル)エーテル系、ビス(4-オキシフエニル)
スルホン、スルフイドまたはスルホキシド系等のビスフ
エノール類からなる重合体、もしくは共重合体であり、
目的に応じてハロゲンで置換されたビスフエノール類を
用いた重合体である。
ポリカーボネート重合体の種類、製造法等については日
刊工業発行(昭和44年9月30日発行)の「ポリカーボネ
ート樹脂」に詳しく記載されている。
本発明のポリカーボネート系樹脂組成物の製造方法にお
けるポリカーボネート重合体(A)とゴム変性スチレン
系重合体(B)の重量比は、(A)90〜51重量部に対し
て、(B)10〜49重量部である。本発明のポリカーボネ
ート系樹脂組成物の製造方法としては、(A)および
(B)を例えば押出機等の公知の混合機で混練りする方
法があげられる。また、(A)および(B)を上記の配
合比で用いる以外に、樹脂組成物に燃焼性、機械的強
度、耐薬品性、耐候性その他の性能を付与する目的で、
熱可塑性重合体組成物に通常用いられるアクリロニトリ
ル‐スチレン共重合体、乳化重合されたABSあるいはMB
S、スチレン‐ブタジエン共重合体、アクリル系ゴム状
重合体等の公知の重合体、さらには安定剤、滑剤、充填
剤等を添加使用することも好ましい。
本発明の方法により得られるポリカーボネート系樹脂組
成物は、従来の組成物と比較して艶消しされた外観を呈
する外、耐衝撃強度、成形加工時の流動性および耐熱性
も従来組成物と同等以上に保持されており、その工業的
利用価値は極めて高い。
以下、実施例および比較例をあげて本発明を具体的に説
明する。
実施例1および2 a)ゴム変性スチレン系重合体(B)の製造 スチレン75.5重量部、アクリロニトリル24.5重量部、エ
チルベンゼン5重量部、ゴム状重合体(商品名:宇部ポ
ール13HB、溶液粘度41cst、宇部興産社製ポリブタジエ
ン)10重量部、有機過酸化物(1,1-ビス(t-ブチルパー
オキシ)3,3,5-トリメチルシクロヘキサン)0.05重量部
およびt-ドデシルメルカプタン0.2重量部よりなる原料
溶液を調製し、槽連続3段の撹拌式重合槽列反応器にて
重合を行つた。原料溶液は第1段目の槽に連続的に供給
し、撹拌数150rpmで撹拌した。第3段目の槽から重合液
を直列2段に接続されたそれぞれ予熱器と真空室よりな
る脱揮発分槽に導いた。第1段目の脱揮発分槽入口の単
量体の量は35重量部で、重合体に転化した単量体の総量
は65重量部であつた。第1段目の脱揮発分槽出口での単
量体の残量を10重量部にして、温度90〜140℃、平均滞
留時間45分の流通領域を通過させた後、第2段目の脱揮
発分槽に導入して、残余の単量体および溶剤を実質的に
完全に除去し、温度260℃の重合体を得、さらにこれを
造粒工程を通してゴム変性スチレン系重合体を調製し
た。
b)ポリカーボネート系重合体(A) 市販の2種のポリカーボネート系重合体を使用したが、
その特徴は下表のとおりである。
c)(A)と(B)の混合 (A)60重量部、(B)40重量部と抗酸化剤0.2重量部
を押出機で混合し、ポリカーボネート系樹脂組成物を調
製した。なお、この操作においては、(A),(B)は
共に100℃で12時間乾燥したものを使用した。
d)分析および評価 得られたゴム変性スチレン系重合体の分析結果を表‐1
に示す。なお、性能の評価には次の方法を用いた。
耐衝撃性:JIS K7110に準じてアイゾツト衝撃強度を評
価した。試験片の厚みは6.4mmとした。
耐熱性:ASTM-D1525に準じてビカツト軟化点を評価し
た。
流動性:JIS K7210に準じてメルトフローレートを測定
した。オリカーボネート重合体およびポリカーボネイト
系樹脂組成物については、荷重10Kg、温度230℃を採用
し、ゴム変性スチレン系重合体については、荷重5Kg、
温度200℃を採用した。
艶消し性:JIS Z8741の方法に準じて光沢を測定した。
光沢値の低い方が艶消し性が良であると評価する。
比較例1および2 ゴム変性スチレン系重合体(B)として市販の乳化重合
で合成されたABSを用いる以外は、実施例1と全く同様
の試験を行つた。結果を表1に示す。用いた市販ABSの
特性は下表のとおりである。
実施例3および4、比較例3および4 実施例1において、a)のゴム変性スチレン系重合体
(B)製造の第1段目の撹拌式重合槽の撹拌数を400〜1
20rpmに順次変更し、ゴム変性スチレン系重合体のゴム
状重合体の粒子径を変更した以外は、実施例1と全く同
様の試験を行つた。
結果を表−1に示す。
実施例5 実施例1のa)のゴム変性スチレン系重合体(B)の製
造において、ゴム状重合体としてアサプレン700A(商品
名、溶液粘度43cst、旭化成社製ポリブタジエン)を用
い、第1および第2段目の脱揮発分槽の真空度を高くし
た以外は、実施例1と全く同様の試験を行つた。結果を
表−1に示す。
比較例5 a)のゴム変性スチレン系重合体(B)の製造で、2段
目の脱揮発分槽出口の温度を275℃の重合体が得られる
ように調節した以外は、実施例5と全く同様の試験を行
つた。結果を表−1に示す。
比較例6 実施例1のa)のゴム変性スチレン系重合体(B)の製
造で、2段目の脱揮発分槽出口温度を210℃の重合体が
得られるように調節した以外は、実施例1と全く同様の
試験を行つた。結果を表−1に示す。
実施例6 実施例1のa)のゴム変性スチレン系重合体(B)の製
造で、ゴム状重合体としてジエン35(商品名、溶液粘度
88cst、旭化成社製ポリブタジエン)を用いた以外は、
実施例1と全く同様の試験を行つた。結果を表−1に示
す。
実施例7 実施例1の(A)および(B)重合体の使用比を変更し
た以外は、実施例1と全く同様の試験を行つた。結果を
表−1に示す。
比較例7 ゴム変性スチレン系重合体を比較例1で用いた市販のAB
Sとした以外は、実施例7と全く同様の試験を行つた。
結果を表−1に示す。
実施例8 実施例1のa)のゴム変性スチレン系重合体(B)の製
造で、第1段目の反応槽に供給する原料溶液にメチルメ
タクリレート7重量部を追加する以外は、実施例1と全
く同様の試験を行つた。結果を表−1に示す。
実施例9 ゴム変性スチレン系重合体(B)の製造 スチレン75.5重量部、アクリロニトリル24.5重量部、ゴ
ム状重合体(商品名:宇部ポール13HB、溶液粘度41cs
t、宇部興産社製ポリブタジエン)10重量部、有機過酸
化物(1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリ
メチルシクロヘキサン)0.04重量部およびt−ドデシル
メルカプタン0.3重量部よりなる原料溶液を調製し、槽
連続3段の攪拌式重合槽列反応器にて重合を行った。以
下、実施例1と同様にしてゴム変性スチレン系重合体を
調製した。
これを用いて実施例1と同様の試験を行った。結果を表
1に示す。
実施例10 実施例1において、第1段目の攪拌槽に供給するアクリ
ロニトリルの量を12重量部とし、第2段目の攪拌槽に1
2.5重量部のアクリロニトリルを供給した以外は、実施
例1と同様にして試験した。結果を表1に示す。
実施例11 実施例1において、第1段目の攪拌槽に供給するスチレ
ンの量を60重量部とし、第2段目の攪拌槽に15.5重量部
のスチレンを供給した以外は、実施例1と同様にして試
験した。結果を表1に示す。
比較例8 スチレン75重量部、アクリロニトリル25重量部、ゴム状
重合体(宇部興産(株)製ポリブタジエン、商品名ウベ
ポール13HB、溶液粘度41cst)7重量部、t−ドデシル
メルカプタン0.2重量部、有機過酸化物(t−ブチルパ
ーオキシ2−エチルヘキサノエート)0.05重量部よりな
る原料溶液を作成した。攪拌機付反応器にて、攪拌120r
pmにて単量体の重合体への転化率が22%に到るまで重合
した。その後、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサ
ノエート0.05重量部を加え、更にアクリロニトリル2重
量部、水200重量部、懸濁安定剤0.2重量部を加え攪拌下
に懸濁重合を行い、単量体の重合体への転化率が72%に
至った時点において、重合を終了し水蒸気蒸留法により
残余の単量体を除去した。次いで抽出工程を経て、ゴム
変性スチレン・アクリロニトリル変性樹脂を得た。
この樹脂を用いて実施例1と同様にして試験した結果を
表1に示す。
比較例9 実施例1の(A)および(B)重合体の使用比を本発明
の範囲外とした以外は、実施例1と全く同様の試験を行
った。結果を表1に示す。
実施例12 スチレン75.5重量部、アクリロニトリル24.5重量部、エ
チルベンゼン5重量部、ゴム状重合体(商品名:タフデ
ン200AS、溶液粘度50CST、旭化成社製スチレン−ブタジ
エン共重合体、スチレン含量25%)10重量部、有機過酸
化物(1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリ
メチルシクロヘキサン)0.05重量部およびt−ドデシル
メルカプタン0.2重量部よりなる原料溶液を調製し、槽
連続3段の攪拌式重合槽列反応器にて重合を行った。以
下、実施例1と同様にしてゴム変性スチレン系重合体を
調製した。これを用いて実施例1と同様の試験を行っ
た。結果を表1に示す。
上記実施例1〜12、比較例1〜9の結果を表−1に示す
が、この結果から本発明の組成物が高い流動性と耐衝撃
値を有し、さらに耐熱性も高いという極めてすぐれた性
能を有することが認められる。
フロントページの続き (72)発明者 高久 真人 神奈川県横浜市戸塚区飯島町2882 (72)発明者 井上 晴夫 神奈川県逗子市久木4−10−8 (56)参考文献 特開 昭56−72010(JP,A) 特開 昭55−36201(JP,A) 特公 昭57−57058(JP,B2) 特公 昭51−11142(JP,B2)

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリカーボネート重合体(A)90〜51重量
    部とゴム状重合体の存在下にアクリロニトリル系単量体
    およびカルボン酸アルキルエステル系単量体から選ばれ
    た1種以上の単量体およびスチレン系単量体を共重合し
    て得られるゴム変性スチレン系共重合体(B)10〜49重
    量部とよりなるポリカーボネート系樹脂組成物の製造に
    おいて、 連続塊状または連続溶液重合法によりゴム変性スチレン
    系共重合体(B)を合成するに際し、 (B)のトルエンおよびメチルエチルケトンの比率7/3
    の混合溶剤での混合溶液指数を5〜14倍の範囲内に調整
    し、かつ (B)中のゴム状重合体粒子の平均粒子径を1.5〜10.0
    μに調整 したことを特徴とする艶消しされたポリカーボネート系
    樹脂組成物の製造方法。
  2. 【請求項2】(B)がゴム状重合体の存在下にアクリロ
    ニトル系単量体およびスチレン系単量体を共重合して得
    られるゴム変性スチレン系共重合体である特許請求の範
    囲第1項記載のポリカーボネート系樹脂組成物の製造方
    法。
  3. 【請求項3】ゴム状重合体の溶液粘度が20〜200センチ
    ストークスである特許請求の範囲第1項または第2項記
    載のポリカーボネート系樹脂組成物の製造方法。
  4. 【請求項4】(B)がアクリロニトリル系単量体を共重
    合体構成成分とし、さらに(B)をメチルエチルケトン
    およびメタノールの比率7/3の混合溶剤で溶解した際
    に、該混合溶剤に可溶である重合体部分のアクリロニト
    リル系単量体重量組成(WSA)とスチレン系単量体重量
    組成(WSS)および該混合溶剤に不溶でありかつゴム状
    重合体以外の重合体部分のアクリロニトリル系単量体重
    量組成(WDA)とスチレン系単量体重量組成(WDS)の関
    係が次式(I) (I) 1.2≧xS/xD≧0.9 を満足するものである、特許請求の範囲第1項ないし第
    3項のいずれか1項に記載のポリカーボネート系樹脂組
    成物の製造方法。
  5. 【請求項5】(B)がメタノール可溶成分0.5〜2.0重量
    %を含有する特許請求の範囲第1項記載のポリカーボネ
    ート系樹脂組成物の製造方法。
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