JPH0689242B2 - ポリカ−ボネ−ト樹脂組成物 - Google Patents

ポリカ−ボネ−ト樹脂組成物

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JPH0689242B2
JPH0689242B2 JP62159729A JP15972987A JPH0689242B2 JP H0689242 B2 JPH0689242 B2 JP H0689242B2 JP 62159729 A JP62159729 A JP 62159729A JP 15972987 A JP15972987 A JP 15972987A JP H0689242 B2 JPH0689242 B2 JP H0689242B2
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isoprene
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秀樹 遠藤
和人 橋本
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Idemitsu Petrochemical Co Ltd
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Idemitsu Petrochemical Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はポリカーボネート樹脂組成物に関するものであ
る。さらに詳しくいえば、本発明は、例えば自動車バン
パーなどの自動車分野成形品や家電分野成形品などの材
料として好適な、優れた熱安定性、低温耐衝撃性、漆黒
性、耐溶剤性などを有するポリカーボネート樹脂組成物
に関するものである。
〔従来の技術〕
従来、ポリカーボネート樹脂は引張強度、曲げ強度、衝
撃強度などの機械的強度や耐熱性などに優れる上に、成
形精度の良好なエンジニアリング樹脂として知られてお
り、各種分野において幅広く用いられているが、低温耐
衝撃性、耐溶剤性、流動性に劣るなどの欠点を有してい
る。
ポリカーボネート樹脂のこのような欠点を改良するため
に、このポリカーボネート樹脂に、アクリル系ゴムを配
合した組成物が知られている(特公昭43−18611号公
報、同48−29308号公報、特開昭53−34153号公報、同56
−143239号公報)。
しかしながら、これらの組成物においては、耐溶剤性お
よび流動性はある程度改良されているものの、熱安定性
の低下や漆黒性の低下(着色外観がパール状になる)、
射出成形時の層状剥離などの問題があり、用途が制限さ
れるのを免れない。
〔発明が解決しようとする問題点〕
本発明の目的は、このような従来のアクリル系ゴムを配
合したポリカーボネート樹脂組成物が有する欠点を改良
し、熱安定性、低温耐衝撃性、漆黒性、耐溶剤性などに
優れる上に、射出成形時に層状剥離が生じることがない
など優れた特徴を有するポリカーボネート樹脂組成物を
提供することにある。
〔問題を解決するための手段〕
本発明者らは、前記の優れた特徴を有するポリカーボネ
ート樹脂組成物を開発するために鋭意研究を重ねた結
果、ポリカーボネート樹脂に、特定の組成を有するイソ
プレン系グラフト共重合体を所定の割合で配合すること
により、その目的を達成しうることを見出し、この知見
に基づいて本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の第一の発明は、(A)ポリカーボネ
ート樹脂100重量部に対し、(B)(イ)イソプレン5
〜100重量%とアクリル酸エステル0〜95重量%とから
なる共重合体100重量部の存在下に、(ロ)芳香族モノ
ビニル化合物およびシアン化ビニル化合物を必須成分と
し、場合によりメタクリル酸エステルを加えたビニル系
単量体20〜100重量部および(ハ)多官能性ビニル単量
体0〜5重量部を重合させてなる平均粒径0.1〜0.3μm
のイソプレン系グラフト共重合体1〜80重量部を配合し
たことを特徴とするポリカーボネート樹脂組成物を提供
するものである。
本発明において(A)成分として用いるポリカーボネー
ト樹脂は、一般式、 (式中のZは単結合、エーテル結合あるいは炭素数1〜
8のアルキレン基、炭素数2〜8のアルキリデン基、炭
素数5〜15のシクロアルキレン基、炭素数5〜15のシク
ロアルキリデン基、スルホニル基、チオニル基、カルボ
ニル基、または式、 で示される基、Rは水素原子、塩素原子、臭素原子また
は炭素数1〜8のアルキル基、mは0または1〜4の整
数である) で表される構造単位を有する重合体である。
このポリカーボネート樹脂は溶剤法、すなわち塩化メチ
レンなどの溶剤中で公知の酸受容体、分子量調整剤の存
在下、二価フェノールとホスゲンのようなカーボネート
前駆体との反応または二価フェノールとジフェニルカー
ボネートのようなカーボネート前駆体とのエステル交換
反応によって製造することができる。
ここで、好適に使用しうる二価フェノールとしてはビス
フェノール類があり、特に2,2−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)プロパン(ビスフェノールA)が好ましい。
また、ビスフェノールAの一部または全部を他の二価フ
ェノールで置換したものであってもよい。ビスフェノー
ルA以外の二価フェノールとしては、例えばビスフェノ
ールA以外のビス(4−ヒドロキシフェニル)アルカ
ン、ハイドロキノン、4,4′−ジヒドロキシジフェニ
ル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロアルカン、
ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフイド、ビス(4
−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)スルホキシド、ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)エーテルのような化合物またはビス(3,5−ジブ
ロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(3,5
−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパンのよう
なハロゲン化ビスフェノール類を挙げることができる。
これら二価フェノールは二価フェノールのホモポリマー
または2種以上のコポリマーもしくはブレンド物であっ
てもよい。さらに、本発明で用いるポリカーボネート樹
脂は多官能性芳香族化合物を二価フェノールおよび/ま
たはカーボネート前駆体と反応させた熱可塑性ランダム
分枝ポリカーボネートであってもよい。
本発明に用いるポリカーボネート樹脂は、機械的強度お
よび成形性の点から、その粘度平均分子量が10,000〜10
0,000のものが好ましく、特に20,000〜40,000のものが
好適である。
本発明において(B)成分として用いる平均粒径0.1〜
0.3μmのイソプレン系グラフト共重合体(イ)イソプ
レン5〜100重量%とアクリル酸エステル0〜95重量%
とからなる共重合体100重量部の存在下に、(ロ)芳香
族モノビニル化合物およびシアン化ビニル化合物を必須
成分とし、場合によりメタクリル酸エステルを加えたビ
ニル系単量体20〜100重量部を重合させたもの、あるい
はこのビニル系単量体の1種または2種以上20〜100重
量部および(ハ)多官能性ビニル単量体5重量部以下を
重合させたものである。
このイソプレン系グラフト共重合体に用いる前記(イ)
成分の共重合体のアクリル酸エステルが95重量%を超え
ると低温耐衝撃性が低下する。また、(ロ)成分のビニ
ル系単量体の使用量が、(イ)成分の共重合体100重量
部に対して、20重量部未満では得られるグラフト共重合
体の樹脂組成物における分散性が悪くて、該樹脂組成物
の漆黒性および外観が不良となり、一方100重量部を越
えると該樹脂組成物の耐衝撃性が低下する。さらに、
(ハ)成分の多官能性ビニル単量体は該樹脂組成物の低
温耐衝撃性をさらに向上させるためのものであるが、
(イ)成分の共重合体100重量部に対して、5重量部よ
り多く用いても低温耐衝撃性は向上せず、特に2重量部
以下の使用量が好ましい。
前記(イ)成分共重合体のアクリル酸エステルとして
は、例えばエチルアクリレート、ブチルアクリレート、
2−エチルヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリ
レート、イソノニルアクリレート、メトキシエチルアク
リレート、ヒドロキシエチルアクリレートなどが挙げら
れ、これらの1種または2種以上を混合して使用しても
よい。
前記(ロ)成分のビニル系単量体として用いられるメタ
クリル酸エステルとしては、例えばメチルメタクリレー
ト、エチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、メ
トキシエチルメタクリレート、グリシジルメタクリレー
トなどが、芳香族モノビニル化合物としては、例えばス
チレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、ビニル
キシレン、ハロゲン化スチレンなどが、シアン化ビニル
化合物としては、例えば、アクリロニトリル、メタクリ
ロニトリルなどが挙げられる。これらのビニル系単量体
としては芳香族モノビニル化合物およびシアン化ビニル
化合物は必須成分であり、場合によりメタクリル酸エス
テルを加えて用いられる。
さらに、(ハ)成分の多官能性ビニル単量体としては、
例えばジビニルベンゼン、ジビニルトルエン、エチレン
グリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタ
クリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、
ポリエチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブタ
ンジオールジアクリレート、ジアリルフタレート、トリ
アリルトリメリテート、ジアリルマレート、トリメチロ
ールプロパントリメタクリレートなどが挙げられ、これ
らはそれぞれ単独で用いてもよいし、2種以上組み合わ
せて用いてもよい。
本発明において、(B)成分として用いるイソプレン系
グラフト共重合体は、前記の(イ)成分共重合体の存在
下に、(ロ)成分のビニル系単量体またはこれと(ハ)
成分の多官能性ビニル単量体を前記の割合で用いて、例
えば塊状重合、懸濁重合、乳化重合などの公知の方法に
よって重合させることにより製造することができる。前
記重合方法の中では特に乳化重合が好適である。
このようにして得られたイソプレン系グラフト共重合体
の平均粒径は、該樹脂組成物の低温衝撃性および耐溶剤
性の点から0.1〜0.3μmの範囲内にあることが必要であ
る。好ましくは0.15〜0.25μmの範囲内である。
本発明のポリカーボネート組成物においては、(B)成
分の平均粒径0.1〜0.3μmのイソプレン系グラフト共重
合体を、(A)成分のポリカーボネート樹脂100重量部
に対して1〜80重量部、好ましくは2〜60重量部の割合
で配合することが必要である。この配合量が1重量部未
満では組成物の耐溶剤性が向上せず、一方150重量部を
越えると低温耐衝撃性が低下する。
本発明の第二の発明は、前記(A)および(B)成分に
さらに、(C)成分として(ニ)テレフタル酸を70モル
%以上含有するジカルボン酸および/またはそのエステ
ル形成性誘導体、(ホ)アルキレングリコールおよび
(ヘ)平均分子量500〜5000のポリアルキレングリコー
ルを、(ヘ)成分が全ポリエステルエーテルエラストマ
ー重量の20〜80%になるような割合で重縮合させてなる
ポリエステルエーテルエラストマー10〜150重量部を配
合したことを特徴とするポリカーボネート樹脂組成物を
提供するものである。
本発明において(C)成分として用いるポリエステルエ
ーテルエラストマーは、(ニ)テレフタル酸70モル%以
上含有するジカルボン酸および/またはそのエステル形
成性誘導体、(ホ)アルキレングリコールおよび(ヘ)
平均分子量500〜5000のポリアルキレングリコールの3
成分を共重合させて得られた共重合体である。
このポリエステルエーテルエラストマーに用いる(ニ)
成分は、テレフタル酸を70モル%以上含有するジカルボ
ン酸やそのエステル形成性誘導体であり、テレフタル酸
以外のジカルボン酸としては、脂肪族、脂環式および芳
香族のいずれでもよい。これらのジカルボン酸は、通常
分子量300以下のものが使用され、例えばアジピン酸、
セバチン酸などの脂肪族ジカルボン酸、シクロヘキサン
ジカルボン酸類などの脂環式ジカルボン酸、イソフタル
酸、ナフタリンジカルボ酸類などの芳香族ジカルボン酸
などを用いることができる。また、エステル形成性誘導
体としては、例えばテレフタル酸および前記ジカルボン
酸の酸無水物、エステル、酸塩化物などが挙げられる。
(ホ)成分のアルキレングリコールとしては、例えばエ
チレングリコール、プロピレングリコール、テトラメチ
レングリコールなどが挙げられる。これらはそれぞれ単
独で用いてもよいし、2種以上組み合わせて用いてもよ
い。
また、(ヘ)成分のポリアルキレングリコールは、平均
分子量が500〜5000の範囲のものであり、特に分子中の
酸素原子に対する炭素原子の数の比が2.0〜4.3の範囲に
あるものが好ましい。このようなものとしては、例えば
ポリテトラメチレングリコール、ポリエチレングリコー
ル、ポリプロピレングリコールおよびこれらの共重合体
などが挙げられるが、これらの中でポリテトラメチレン
グリコールおよびポリエチレングリコールが好適であ
る。これらはそれぞれ単独で用いてもよいし、2種以上
組み合わせて用いてもよい。
ポリエステルエーテルエラストマーにおける前記(ヘ)
成分のポリアルキレングリコールの含有量は20〜80重量
%、好ましくは30〜80重量%、特に好ましくは50〜80重
量%の範囲で選ばれる。このポリエステルエーテルエラ
ストマーの重合度については、o−クロロフェノール中
1.2g/100ml濃度で35℃の温度において測定した還元粘度
として、0.5〜5.0、好ましくは0.7〜4の範囲のものが
望ましい。
(C)のポリエステルエーテルエラストマーを配合する
と、流動性、耐溶剤性が向上するが、10重量未満だと、
その改良効果が小さく、150重量部を越えると剛性、低
温衝撃性の低下をきたす。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物には、本発明の目
的を損なわない範囲で、例えば無機質充填剤、各種添加
剤、他の合成樹脂、エラストマーなどを必要に応じて配
合することができる。
前記無機質充填剤はポリカーボネート樹脂組成物の機械
的強度や耐久性の向上または増量を目的として配合され
るものであり、このようなものとしては、例えばガラス
繊維、ガラスビーズ、ガラスフレーク、カーボンブラッ
ク、硫酸カルシウム、炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウ
ム、酸化チタン、アルミナ、シリカ、アスベスト、タル
ク、クレー、マイカ、石英粉などが挙げられる。また、
前記各種添加剤としては、例えばヒンダードフェノール
系や、亜リン酸エステル系、リン酸エステル系などのリ
ン系、アミン系などの酸化防止剤、ベンゾトリアゾール
系やベンゾフェノン系などの紫外線吸収剤、脂肪族カル
ボン酸エステル系やパラフィン系などの外部滑剤、常用
の難燃化剤、離型剤、帯電防止剤、着色剤などが挙げら
れる。上記ヒンダードフェノール系酸化防止剤として
は、例えば2,6−ジ第三ブチル−p−クレゾール(BH
T)、イルガノックス1076(チバガイギー社製、商品
名)、イルガノックス1010(チバガイギー社製、商品
名)、エチル330(エチル社製、商品名)、スミライザ
ーGM(住友化学(株)製、商品名)などが好ましく用い
られる。また、その他の合成樹脂としては、例えばポリ
エチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、AS樹脂、AB
S樹脂、ポリメチルメタクリレートなどの各樹脂を挙げ
ることができる。また、エラストマーとしては、イソブ
チレン−イソプレンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、
エチレン−プロピレンゴム、アクリル系エラストマーな
どが挙げられる。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、ポリカーボネ
ート樹脂に、必須成分としてイソプレン系グラフト共重
合体、また、必要に応じ、ポリエステル−エーテルエラ
ストマー、さらに前記各成分を所定の割合で配合し、混
練することにより調製することができる。この配合、混
練は、通常用いられている方法、例えばリボンブレンダ
ー、ヘンシェルミキサー、バンバリーミキサー、ドラム
タンブラー、単軸スクリュー押出機、2軸スクリュー押
出機、コニーダ、多軸スクリュー押出機などを用いる方
法により行うことができる。混練に際しての加熱温度は
通常250〜300℃の範囲が適当である。
このようにして得られたポリカーボネート樹脂組成物は
既知の種々の成形方法、例えば射出成形、押出成形、圧
縮成形、カレンダー成形、回転成形などを適用して自動
車用バンパーなど自動車分野の成形品や家電分野などの
成形品を製造することができる。
〔実施例〕
次に実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本
発明はこれらの例によってなんら限定されるものではな
い。
なお、樹脂組成物の物性は次のようにして求めた。
(1)アイゾット衝撃強さ ASTM D 256に準拠して求めた(温度−30℃)。
(2)熱安定性 メルトインデクサー内で300℃、15分間滞留させたの
ち、押出したストランドの状態を目視で判定した。
○:良好 △:発泡、変色が若干ある ×:発泡、変色が激しい (3)耐溶剤性 1/4楕円法(中辻他、色材、39巻、455頁、1966年に準
拠) トルエン/イソオクタン/メタノール=42.5/42.5/15
(容量%)の混合溶剤に5分間浸漬した後の限界歪みを
示す。
(4)漆黒性 組成物100重量部にカーボンブラック0.3重量部を添加
し、射出成形して縦80mm、横80mm、厚み3.2mmの平板を
製造し、その外観を目視で判定した。
○:黒色度が高く、色調が均一 △:黒色度が普通で、色調にややむらがある ×:黒色度が低く、色調にむらがある 製造例1 イソプレン系グラフト共重合体の製造 耐圧反応釜に、イオン交換水200重量部、ラウリル硫酸
ナトリウム3重量部、過硫酸カリウム0.3重量部、炭酸
ナトリウム0.2重量部を仕込み、十分窒素置換したの
ち、イソプレン100重量部を投入し、50℃まで昇温して6
0時間重合した。
次に、この反応混合物に、イオン交換水80重量部、硫酸
第一鉄0.01重量部、ナトリウムホルムアルデヒドスルホ
キシレート0.3重量部、クメンハイドロパーオキサイド
0.1重量部を添加、溶解し、混合し、50℃に保ちなが
ら、スチレン15重量部、アクリロニトリル5重量部およ
びメチルメタアクリレート20重量部を4時間かけて連続
添加し、その後、3時間重合して反応を完了させた。
反応終了後の上記ラテックスを0.1重量%硫酸アルミニ
ウム水溶液に投入し、凝固させた。凝固に際し、ヒンダ
ードフェノール系酸化防止剤・イルガノックス1076(チ
バガイギー社製、商品名)をポリマーに対し0.5重量部
添加した。
凝固したゴムは、水洗乾燥して、平均粒径0.22μmの所
定のグラフト共重合体を得た。
製造例2 イソプレン系グラフト共重合体の製造 製造例1において、スチレン15重量部、アクリロニトリ
ル5重量部およびメチルメタアクリレート20重量部の代
わりに、アクリロニトリル10重量部とスチレン30重量部
とジビニルベンゼン0.5重量部との混合物を用いた以外
は、製造例1と全く同様にしてグラフト共重合体を製造
した。
製造例3 アクリレート・イソプレン系グラフト共重合
体の製造 耐圧反応釜に、イオン交換水200重量部、ドデシルジフ
ェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム2重量部、過硫
酸カリウム0.2重量部、硫酸ナトリウム0.5重量部および
ブチルアクリレート80重量部を仕込み、十分窒素置換し
たのち、イソプレン20重量部を投入し、60℃まで昇温し
て30時間重合した。
次に、この反応混合物に、イオン交換水80重量部、硫酸
第一鉄0.01重量部、ナトリウムホルムアルデヒドスルホ
キシレート0.3重量部、クメンハイドロパーオキサイド
0.1重量部を添加、溶解、混合し、60℃に保ちながら、
アクリロニトリル10重量部およびスチレン30重量部の混
合物を4時間かけて連続添加し、その後、3時間重合し
て反応を完了させた。
反応終了後の上記ラテックスを0.05重量%硫酸アルミニ
ウム水溶液に投入し、凝固させた。凝固に際し、ヒンダ
ードフェノール系酸化防止剤・イルガノックス1076(チ
バガイギー社製、商品名)をポリマーに対し0.5重量部
添加した。
凝固したゴムは、水洗乾燥して、平均粒径0.18μmの所
定のグラフト共重合体を得た。
製造例4 アクリレート・イソプレン・ブタジエン系グ
ラフト共重合体の製造 製造例3において、ブチルアクリレート80重量部の代わ
りに、2−エチルヘキシルアクリレート70重量部を仕込
み、十分窒素置換したのち、イソプレン20重量部の代わ
りに、ブタジエン20重量部、イソプレン10重量部を投入
した以外は、製造例3と全く同様にしてグラフト共重合
体を製造した。
実施例1〜9 ビスフェノールA系ポリカーボネート樹脂(出光石油化
学(株)製、商品名『タフロンA−3000』粘度平均分子
量29,300)100重量部に対し、製造例1〜4で得たイソ
プレン系グラフト共重合体およびポリエステルエーテル
エラストマー(東洋紡績(株)製、商品名『ペルプレン
P−150B』)およびを別表に示す割合で配合し、これを
270℃で混練してペレット化した。このペレットについ
ての試験結果を該表に示す。
比較例1〜8 実施例において、イソプレン系グラフト共重合体を別表
に示すように変えた以外は、実施例と同様にしてペレッ
トを作成した。
このペレットについての試験結果を該表に示す。
なお、使用したグラフト共重合体の種類を次に示す。
W529:三菱レーヨン(株)製『メタブレンW529』 n−ブチルアクリレートとスチレンおよびメタクリル
酸メチルとのグラフト共重合体(MAS樹脂) KM330:ローム&ハース社製『パラロイドKM330』 MAS樹脂 HIA15:呉羽化学工業(株)製『HIA15』オクチルアクリ
レート/ブタジエン=7/3の割合で共重合させて得られ
るゴムラテックスに、スチレン、メタクリル酸メチルを
添加し、グラフト重合させて得られたグラフト共重合体
(MABS樹脂) V−680:ダイセル(株)製ABS樹脂 〔発明の効果〕 本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、ポリカーボネ
ート樹脂に、特定の組成を有するイソプレン系グラフト
共重合体および必要に応じてポリエステルエーテルエラ
ストマーを配合したものであって、ポリカーボネート樹
脂本来の機械的特性に優れている上に、熱安定性、低温
耐衝撃性、漆黒性、耐溶剤性などに優れており、例えば
自動車バンパーなどの自動車分野、OA事務機、家電分
野、玩具などの成形品の材料として好適に用いられる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 51:04 67:00) (72)発明者 加藤 鉱二 神奈川県大和市上和田2412 上和田団地4 −7−402 (56)参考文献 特開 昭59−193950(JP,A) 特開 昭60−71665(JP,A) 特開 昭60−127350(JP,A) 特開 昭62−32138(JP,A) 特開 昭62−167352(JP,A)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)ポリカーボネート樹脂100重量部に
    対し、(B)(イ)イソプレン5〜100重量%とアクリ
    ル酸エステル0〜95重量%とからなる共重合体100重量
    部の存在下に、(ロ)芳香族モノビニル化合物およびシ
    アン化ビニル化合物を必須成分とし、場合によりメタク
    リル酸エステルを加えたビニル系単量体20〜100重量部
    および(ハ)多官能性ビニル単量体0〜5重量部を重合
    させてなる平均粒径0.1〜0.3μmのイソプレン系グラフ
    ト共重合体1〜80重量部を配合したことを特徴とするポ
    リカーボネート樹脂組成物。
  2. 【請求項2】(A)ポリカーボネート樹脂100重量部に
    対し、(B)(イ)イソプレン5〜100重量%とアクリ
    ル酸エステル0〜95重量%とからなる共重合体100重量
    部の存在下に、(ロ)芳香族モノビニル化合物およびシ
    アン化ビニル化合物を必須成分とし、場合によりメタク
    リル酸エステルを加えたビニル系単量体20〜100重量部
    および(ハ)多官能性ビニル単量体0〜5重量部を重合
    させてなる平均粒径0.1〜0.3μmのイソプレン系グラフ
    ト共重合体1〜80重量部、および(C)(ニ)テレフタ
    ル酸を70モル%以上含有するジカルボン酸および/また
    はそのエステル形成性誘導体、(ホ)アルキレングリコ
    ールおよび(ヘ)平均分子量500〜5000のポリアルキレ
    ングリコールを、(ヘ)成分が全ポリエステルエーテル
    エラストマー重量の20〜80%になるような割合で重縮合
    させてなるポリエステルエーテルエラストマー10〜150
    重量部を配合したことを特徴とするポリカーボネート樹
    脂組成物。
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