JP3154345B2 - ポリカーボネート樹脂組成物 - Google Patents
ポリカーボネート樹脂組成物Info
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Description
成物に関し、さらに詳しくは従来のポリカーボネート樹
脂組成物の機械的・光学的特性を有しながら、耐溶剤性
や成形性(特にブロー成形性)に優れるとともに、衝撃
特性(特に低温時)に優れた各特性のバランスのとれた
ポリカーボネート樹脂組成物に関する。
ーボネート樹脂は機械的・光学的特性,電気的特性,透
明性等に優れ、エンジニアリングプラスチックとして、
自動車分野,電気・電子機器分野,光学分野等様々な分
野において幅広く使用されている。このような特性を有
するポリカーボネート樹脂には、耐溶剤性,流動性(成
形性)あるいは衝撃特性等に問題があり、その改良技術
が種々提案されている。例えば、特公昭55−9435
号公報には、従来のポリカーボネートに熱可塑性ポリエ
ステル樹脂やゴム状弾性体を配合した改良技術が開示さ
れている。しかし、ここに開示されている樹脂組成物
は、成形性(特にブロー成形性)や耐溶剤性に劣り、問
題は依然解消されていない。このような状況に鑑み、本
発明者らの研究グループでは、既に、従来のポリカーボ
ネートに代えて分岐ポリカーボネートを用い、熱可塑性
ポリエステル樹脂をブレンドすることによって、耐溶剤
性や成形性(特にブロー成形性)に優れたポリカーボネ
ート樹脂組成物を開発することに成功している。しかる
に、この耐溶剤性や成形性(特にブロー成形性)に優れ
たポリカーボネート樹脂組成物にも、衝撃特性に若干の
問題のあることが判った。
かかる観点から、さらなる研究を続けた。その結果、特
定のポリカーボネートに熱可塑性ポリエステル樹脂とゴ
ム状弾性体を特定量配合することにより、従来のポリカ
ーボネート樹脂組成物の機械的・光学的特性を損なうこ
となく、目的とする性状を備えたポリカーボネート樹脂
組成物を得ることができることを見出した。本発明は、
かかる知見に基づいて完成したものである。すなわち、
本発明は、(A)一般式(I)
アルキル基であり、R1 〜R6 はそれぞれ水素,炭素数
1〜5のアルキル基あるいはハロゲンを示す。)で表わ
される分岐剤から誘導された分岐核構造を有し、かつ粘
度平均分子量が15,000〜40,000であって、その
アセトン可溶分が3.5重量%以下である分岐ポリカーボ
ネート40〜94重量%,(B)熱可塑性ポリエステル
樹脂5〜59重量%及び(C)ゴム状弾性体1〜50重
量%からなることを特徴とするポリカーボネート樹脂組
成物を提供するものである。
用いられる分岐ポリカーボネートは、上記の如く一般式
(I)
である。)で表わされる分岐剤から誘導された分岐核構
造を有する。ここで、Rは水素あるいは炭素数1〜5の
アルキル基、例えば、メチル基,エチル基,n−プロピ
ル基,n−ブチル基,n−ペンチル基などである。ま
た、R 1 〜R6 は水素,炭素数1〜5のアルキル基(例
えば、メチル基,エチル基,n−プロピル基,n−ブチ
ル基,n−ペンチル基など)あるいはハロゲン原子(例
えば、塩素原子,臭素原子,フッ素原子など)である。
一般式(I)で表わされる分岐剤は、さらに具体的には
1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)−メタ
ン;1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)−
エタン;1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニ
ル)−プロパン;1,1,1−トリス(2−メチル−4
−ヒドロキシフェニル)−メタン;1,1,1−トリス
(2−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−エタン;
1,1,1−トリス(3−メチル−4−ヒドロキシフェ
ニル)−メタン;1,1,1−トリス(3−メチル−4
−ヒドロキシフェニル)−エタン;1,1,1−トリス
(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−メタ
ン;1,1,1−トリス(3,5−ジメチル−4−ヒド
ロキシフェニル)−エタン;1,1,1−トリス(3−
クロロ−4−ヒドロキシフェニル)−メタン;1,1,
1−トリス(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)エ
タン;1,1,1−トリス(3,5−ジクロロ−4−ヒ
ドロキシフェニル)−メタン;1,1,1−トリス
(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)−エタ
ン;1,1,1−トリス(3−ブロモ−4−ヒドロキシ
フェニル)−メタン;1,1,1−トリス(3−ブロモ
−4−ヒドロキシフェニル)−エタン;1,1,1−ト
リス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)−
メタン;1,1,1−トリス(3,5−ジブロモ−4−
ヒドロキシフェニル)−エタン等が挙げられる。この分
岐ポリカーボネートは、上記一般式(I)で表わされる
分岐剤から誘導された分岐核構造を有し、具体的には下
記の式
はポリカーボネート部分を示す。)で表わされるもので
ある。ここで、PCは、例えば原料成分の二価フェノー
ルとして、ビスフェノールAを用いた場合には、下記の
式の繰り返し単位を示す。
ェノールとしては、ビスフェノールA以外のビス(4−
ヒドロキシフェニル)アルカン;1,1−(4−ヒドロ
キシフェニル)メタン;1,1−(4−ヒドロキシフェ
ニル)エタン;ハイドロキノン;4,4’−ジヒドロキ
シジフェニル;ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロ
アルカン;ビス(4−ヒドロキシフェニル)オキシド;
ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド;ビス(4
−ヒドロキシフェニル)スルホン;ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)スルホキシド;ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)エーテル;ビス(4−ヒドロキシフェニル)ケト
ン等及びビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェ
ニル)プロパン;ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロ
キシフェニル)プロパンのようなハロゲン化ビスフェノ
ール類等が挙げられる。これらの二価フェノールはそれ
ぞれ単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いて
もよい。
記のような特定の分岐核構造を有するとともに、15,0
00〜40,000の粘度平均分子量を有するものであ
る。粘度平均分子量が15,000未満のものでは、耐衝
撃性が低下し、一方40,000を超えると、成形性が悪
くなる。また、この分岐ポリカーボネートは、アセトン
可溶分が3.5重量%以下のものである。アセトン可溶分
が3.5重量%を超えると、耐衝撃性が著しく低下する。
なお、ここでアセトン可溶分とは、対象とするポリカー
ボネートからアセトンを溶媒としてソックスレー抽出さ
れる成分を意味する。
の方法により製造することができる。例えば、特開平3
−182524号明細書に開示されている方法、即ち、
芳香族二価フェノール類,一般式(I)で表わされる
分岐剤及びホスゲンから誘導されるポリカーボネートオ
リゴマー,芳香族二価フェノール類及び末端停止剤
を、これらを含む反応混合液が乱流となるように攪拌し
ながら反応させ、反応混合液の粘度が上昇した時点で、
アルカリ水溶液を加えると共に反応混合液を層流として
反応させる方法により効率よく製造することができる。
樹脂としては、様々なものを用いることができる。例え
ば、特に二官能性カルボン酸とアルキレングリコールと
を重合して得られるポリエステル樹脂が好適である。こ
こで、二官能性カルボン酸としては、具体的には例え
ば、テレフタル酸,イソフタル酸,ナフタレンジカルボ
ン酸等の芳香族カルボン酸が挙げられる。これらの中で
は、テレフタル酸が好ましく、本発明の効果を損なわな
い範囲で他の二官能性カルボン酸を併用することもでき
る。それらは、例えば、シュウ酸,マロン酸,アジピン
酸,スベリン酸,アゼライン酸,セバシン酸またはデカ
ンジカルボン酸等の脂肪族カルボン酸及びそれらのエス
テル形成性誘導体である。これらの他のジカルボン酸の
配合割合は、全ジカルボン酸に対して一般に20モル%
以内が好ましい。次に、アルキレングリコールとして
は、特に制限はないが、具体的には例えば、エチレング
リコール;プロピレン−1,2−グリコール;プロピレ
ン−1,3−グリコール;ブチレン−1,4−グリコー
ル;ブチレン−2,3−グリコール;ヘキサン−1,6
−ジオール;オクタン−1,8−ジオール;ネオペンチ
ルグリコールまたはデカン−1,10−ジオール等の炭
素数2〜15の脂肪族ジオール,ポリエチレングリコー
ル等を用いることができる。また、2種以上のグリコー
ル成分を共重合させてもよい。これらのなかでは、エチ
レングリコール,ブチレングリコールが好適である。そ
して、このような二官能性カルボン酸とアルキレングリ
コールとを重合して得られるポリエステル樹脂として
は、特にポリエチレンテレフタレート(PET),ポリ
ブチレンテレフタレート(PBT)が好適である。
脂は、チタン,ゲルマニウム,アンチモン等を含有する
重縮合触媒の存在下または不存在下で、通常の方法で製
造することができる。例えば、ポリエチレンテレフタレ
ートは、通常テレフタル酸とエチレングリコールとをエ
ステル化反応させるか、またはジメチルテレフタレート
のようなテレフタル酸の低級アルキルエステルとエチレ
ングリコールとをエステル交換反応させ、テレフタル酸
のグリコールエステル及び/又はその低重合体を製造す
る第1段階の反応と、次いで、該グリコールエステル及
び/又はその低重合体をさらに重合させて重合度の高い
ポリマーとする第2段階反応によって製造される。
は、様々なものを用いることができる。例えば、(1)
アルキルアクリレートやアルキルメタアクリレートを主
体とする単量体から得られるゴム状重合体の存在下に、
ビニル系単量体の1種又は2種以上を重合させて得られ
るものが挙げられる。ここで、アルキルアクリレートや
アルキルメタアクリレートとしては、炭素数2〜10の
アルキル基のものが好適である。具体的には例えば、エ
チルアクリレート,ブチルアクリレート,2−エチルヘ
キシルアクリレート,n−オクチルメタクリレート等が
挙げられる。これらのアルキルアクリレート類を主体と
する単量体から得られるゴム状重合体としては、該アル
キルアクリレート類70重量%以上とこれと共重合可能
な他のビニル系単量体、例えば、メチルメタクリレー
ト,アクリロニトリル,酢酸ビニル,スチレン等30重
量%以下とを反応させて得られる重合体が挙げられる。
なお、この場合、ジビニルベンゼン,エチレンジメタク
リレート,トリアリルシアヌレート,トリアリルイソシ
アヌレート等の多官能性単量体を架橋剤として適宜添加
して反応させてもよい。このゴム状重合体の存在下に反
応させるビニル系単量体としては、例えば、スチレン,
α−メチルスチレンなどの芳香族ビニル化合物,アクリ
ル酸メチル,アクリル酸エチル等のアクリル酸エステ
ル、メタクリル酸メチル,メタクリル酸エチル等のメタ
クリル酸エステル等が挙げられる。
を組合わせて用いてもよい。また、他のビニル系単量
体、例えば、アクリロニトリル,メタクリロニトリルな
どのシアン化ビニル化合物や、酢酸ビニル,プロピオン
酸ビニルなどのビニルエステル化合物などと共重合させ
てもよい。この重合反応は、例えば、塊状重合,懸濁重
合,乳化重合などの各種方法によって行うことができ
る。特に、乳化重合法が好適である。このようにして得
られるゴム状弾性体は、前記ゴム成分を20重量%以上
含有していることが好ましい。このようなゴム状弾性体
としては、具体的には60〜80重量%のn−ブチルア
クリレートと、スチレン,メタクリル酸メチルとのグラ
フト共重合体などのMAS樹脂弾性体などが挙げられ
る。前記MAS樹脂弾性体としては、例えば、「KM−
330」(ローム&ハース社製、商品名),「メタブレ
ンW529」〔三菱レイヨン(株)製、商品名〕などが
挙げられる。
ルキルアクリレートやアルキルメタクリレートと、共役
ジエン型二重結合を有する多官能性単量体とを共重合さ
せて得られる共重合体に、ビニル系単量体1種もしくは
2種以上を重合させて得られるものが挙げられる。該ア
ルキルアクリレートやアルキルメタクリレートとして
は、前記(1)で例示したものが挙げられる。また、共
役ジエン型二重結合を有する多官能性単量体としては、
例えば、ブタジエン,イソプレンなどの共役ジエン化合
物や、1分子中に共役ジエン型二重結合の他に非共役二
重結合を有する化合物が挙げられる。このような化合物
としては、例えば、1−メチル−2−ビニル−4,6−
ヘプタジエン−1−オール;7−メチル−3−メチレン
−1,6−オクタジエン;1,3,7−オクタトリエン
などが挙げられる。
タクリレートと、共役ジエン型二重結合を有する多官能
性単量体とを共重合させるに際し、必要に応じてスチレ
ン,α−メチルスチレンなどの芳香族ビニル化合物、ア
クリロニトリル,メタクリロニトリル等のシアン化ビニ
ル化合物、酢酸ビニル,プロピオン酸ビニルなどのビニ
ルエステル化合物、メチルビニルエーテルなどのビニル
エーテル化合物、塩化ビニルなどのハロゲン化ビニル化
合物などのビニル系単量体を添加することができる。さ
らに、エチレンジメタクリレートやジビニルベンゼンな
どの架橋剤を添加してもよい。
せるビニル系単量体としては、前記(1)で例示したも
のが挙げられる。これらのビニル系単量体は、1種ある
いは2種以上を組合わせて用いてもよい。そして、重合
反応は、例えば、塊状重合,懸濁重合,乳化重合などの
各種方法によって行うことができる。特に、乳化重合法
が好適である。このようなゴム状弾性体の好ましいもの
としては、第1に、n−ブチルアクリレート,2−エチ
ルヘキシルアクリレート,メチルメタクリレートなどの
アルキル(メタ)アクリレートとブタジエン、さらにエ
チレンジメタクリレート,ジビニルベンゼンなどの架橋
剤の少量とを常法にしたがって共重合させ、得られたラ
テックスにグラフト成分単量体としてスチレン,アクリ
ロニトリル,メチルメタクリレート,塩化ビニルなどの
ビニル系単量体を添加し、常法によってグラフト重合さ
せて得られるグラフト共重合体が挙げられる。
クリレートと、1分子中に共役ジエン型二重結合の他に
非共役型二重結合を有する化合物とを常法によって共重
合させ、得られたラテックスにグラフト成分単量体とし
て前記ビニル系単量体を添加し、常法によってグラフト
重合させて得られるグラフト共重合体が挙げられる。な
お、ここで、グラフト重合は一度で行ってもよいし、あ
るいはグラフト成分単量体の構成成分を変えて多段で行
ってもよい。このようなゴム状弾性体としては、具体的
にはオクチルアクリレートとブタジエンとを重量比で
7:3の割合で用い、共重合させて得られるゴムラテッ
クスに、スチレン、メタクリル酸メチルを添加し、グラ
フト重合させて得られるグラフト共重合体などのMAB
S樹脂弾性重合体が挙げられる。
在下で、メタクリルエステル単量体,シアン化ビニル単
量体および芳香族ビニル単量体からなる群より選ばれた
2種以上の化合物を共重合させて得られるものも挙げら
れる。ここで、ゴムとしては、様々なものがあり、具体
的には、ジエンゴムあるいはジエンゴムの混合物、例え
ば、ブタジエンゴム(BR),イソプレンゴム(I
R),クロロプレン(CR),ピペリレンゴムやスチレ
ン−ブタジエン共重合体ゴム,スチレン−ブタジエンブ
ロック共重合体ゴム,アクリロニトリル−ブタジエン共
重合体ゴム(NBR)等の他、エチレン−プロピレンゴ
ム(EPR),エチレンとプロピレンに少量のジエンを
共重合させた三元共重合体(EPT),イソブチレン−
イソプレンゴム(IIR),エチレン−酢酸ビニルゴ
ム,塩素化ポリエチレン,エピクロルヒドリンゴム等が
挙げられる。これらの中では特にブタジエンゴム(B
R)及びスチレン−ブタジエンゴム(SBR)が好適で
ある。また、メタクリルエステル単量体としては、様々
なものが挙げられる。例えば、メタクリル酸メチル,メ
タクリル酸エチル,メタクリル酸プロピル,メタクリル
酸イソプロピル,メタクリル酸ブチル等が挙げられる。
これらの中では特に、メタクリル酸メチルが好適であ
る。そして、シアン化ビニル単量体としては、アクリロ
ニトリル,メタクリロニトリル等が挙げられる。さら
に、芳香族ビニル単量体としては、具体的には例えば、
スチレン,α−メチルスチレン,o−メチルスチレン,
m−メチルスチレン,p−メチルスチレン,ジメチルス
チレン,クロロスチレン等が挙げられる。
ムの存在下で、これらメタクリルエステル単量体,シア
ン化ビニル単量体および芳香族ビニル単量体からなる群
より選ばれた2種以上の化合物を、溶液重合法,塊状重
合法,懸濁重合法,塊状−懸濁重合法,乳化重合法など
の公知の方法によって共重合して得られる熱可塑性樹脂
である。特に、ゴム成分量の多い熱可塑性樹脂を製造す
る場合には、乳化グラフト重合によって製造するのが好
ましい。具体的には、例えば、ポリブタジエン系ラテッ
クスにメタクリル酸エステル単量体および芳香族ビニル
単量体を乳化グラフト重合し、得られたポリブタジエン
系共重合体ラテックスを無機酸または硫酸アルミニウム
等の無機塩によって凝固せしめることによって製造する
ことができる。このようにして得られるものの中では、
特に、ポリブタジエンまたはブタジエンを30重量%以
上含有するブタジエン共重合体の存在下で、スチレン−
メタクリル酸メチルまたはスチレン−アクリロニトリル
を共重合して得られる熱可塑性樹脂が好ましい。なお、
上記スチレンはその一部または全部をα−メチルスチレ
ンで置き換えたものであってもよい。具体的には、例え
ば、メタクリル酸メチル−ブタジエン−スチレン樹脂
(MBS樹脂),アクリロニトリル−ブタジエン−スチ
レン樹脂(ABS樹脂)を好適なものとして挙げること
ができる。
び(C)からなるポリカーボネート樹脂組成物であり、
かつ(A),(B)及び(C)の各成分は、それぞれ
(A)成分が40〜94重量%、好ましくは45〜80
重量%,(B)成分が5〜59重量%、好ましくは10
〜40重量%及び(C)成分が1〜50重量%、好まし
くは3〜30重量%の割合で配合される。
前記の各成分(A),(B)及び(C)からなるが、本
発明の目的を阻害しない限り、必要に応じて、各種の無
機質充填材,添加剤またはその他の合成樹脂等を配合す
ることもできる。先ず、ポリカーボネート樹脂組成物の
機械的強度,耐久性または増量を目的として配合される
前記無機質充填材としては、例えば、ガラス繊維,ガラ
スビーズ,ガラスフレーク,カーボンブラック,炭酸カ
ルシウム,ケイ酸カルシウム,酸化チタン,アルミナ,
シリカ,アスベスト,タルク,マイカ,石灰粉等が挙げ
られる。また、前記添加剤としては、例えば、ヒンダー
ドフェノール系,リン系(亜リン酸エステル系,リン酸
エステル系ホスファイト等),アミン系等の酸化防止
剤、ベンゾトリアゾール系やベンゾフェノン系などの紫
外線吸収剤、ヒンダードアミン系などの光安定剤、脂肪
族カルボン酸エステル系やパラフィン系等の外部滑剤、
常用の難燃化剤、離型剤、帯電防止剤、着色剤等が挙げ
られる。上記のヒンダードフェノール系酸化防止剤とし
て、BHT(2,6−ジブチル−p−クレゾール)、チ
バガイギー社製の「イルガノックス1076」,「イル
ガノックス1010」(商品名)、エチル社製の「エチ
ル330」(商品名)、スミトモ化学(株)製の「スミ
ライザーGM」(商品名)などが好ましく用いられる。
また、リン系酸化防止剤としては、ビス(2,4−ジ−
t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファ
イトなどがある。そして、その他の合成樹脂としては、
ポリエチレン,ポリプロピレン,ポリスチレン,AS樹
脂,ABS樹脂,ポリメチルメタクリレート等の各樹脂
が挙げられる。
いて各種成形をするにあたって、上記各成分の配合,混
練は通常用いられている方法、例えば、リボンブレンダ
ー,ヘンシェルミキサー,バンバリーミキサー,ドラム
タンブラー,単軸スクリュー押出機,2軸スクリュー押
出機,コニーダ,多軸スクリュー押出機等を用いて行う
ことができる。混練に際しての加熱温度は、通常250
〜280℃の範囲で選ばれる。かくして得られたポリカ
ーボネート樹脂組成物は、既知の種々の成形方法、例え
ば、射出成形、中空成形、押出成形、圧縮成形、カレン
ダー成形、回転成形等を適用して、自動車用バンパーな
ど自動車分野の成形品や家電・OA分野の成形品等の成
形品を製造することができる。特に、中空成形、押出成
形、シート,フィルムでの真空・圧空成形、熱曲げ成形
が優れている。
らに詳しく説明する。 参考例 (1)ポリカーボネートオリゴマーAの合成 400リットルの5%水酸化ナトリウム水溶液に60k
gのビスフェノールAを溶解し、ビスフェノールAの水
酸化ナトリウム水溶液を調製した。次いで、室温に保持
したこのビスフェノールAの水酸化ナトリウム水溶液を
138リットル/時間の流量で、また、塩化メチレンを
69リットル/時間の流量で、内径10mm,管長10
mの管型反応器にオリフィス板を通して導入し、これに
ホスゲンを並流して10.7kg/時間の流量で吹き込
み、3時間連続的に反応させた。ここで用いた管型反応
器は二重管となっており、ジャケット部分には冷却水を
通して反応液の排出温度を25℃に保った。また、排出
液のpHは10〜11を示すように調整した。このよう
にして得られた反応液を静置することにより、水相を分
離除去し、塩化メチレン相(220リットル)を採取し
て、これにさらに塩化メチレン170リットルを加え、
充分に攪拌したものをポリカーボネートオリゴマーA
(濃度317g/リットル)とした。ここで得られたポ
リカーボネートオリゴマーの重合度は3〜4であった。
成 400リットルの5%水酸化ナトリウム水溶液に60k
gのビスフェノールA及び0.58kgの1,1,1−ト
リス(4−ヒドロキシフェニル)エタンを溶解し、水酸
化ナトリウム水溶液を調製した。その後はポリカーボネ
ートオリゴマーAと同様に操作し、ポリカーボネートオ
リゴマー(ポリカーボネートオリゴマーBという)(濃度
321g/リットル)を得た。
メチレン3.39リットルを加えて溶液Iとした。一方、
水酸化ナトリウム173.4g及びビスフェノールA 48
2.9 gを水2.9リットルに溶解して溶液IIとした。前記
溶液Iと溶液IIとを混合し、触媒としてトリエチルアミ
ン0.856g及び末端停止剤としてp−tert−ブチ
ルフェノール37.6gを加え、600rpmで10分間
乱流状態に攪拌した。その後、水酸化ナトリウム水溶液
(濃度48重量%)167mlを加え、室温下200r
pmで60分間層流状態に攪拌して反応を行った。反応
後、水5リットルと塩化メチレン5リットルとを加え、
塩化メチレン相と水相とに分離させ、その塩化メチレン
相を、0.01N水酸化ナトリウム水溶液を用いてアルカ
リ洗浄した後、さらに0.1N塩酸を用いて酸洗浄をし
た。その後水洗を行って塩化メチレンを除去して、フレ
ーク状のポリマーであるポリカーボネートを得た。この
ようにして得られたフレーク状のポリマーのアセトン可
溶分をソックスレー抽出で8時間かけて測定した。得ら
れたポリカーボネートの粘度平均分子量は2.7×104
であった。このポリカーボネートをA−1とした。
メチレン3.32リットルを加えて溶液III とした。前記
溶液III と合成例1で用いた溶液IIとを混合し、触媒と
してトリエチルアミン0.856g、末端停止剤としてp
−tert−ブチルフェノール37.6g及び分岐剤とし
て1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタ
ン15.0gを加え、600rpmで10分間乱流状態に
攪拌した。その後、水酸化ナトリウム水溶液(濃度48
重量%)167mlを加え、室温下200rpmで60
分間層流状態に攪拌して反応を行った。反応後、水5リ
ットルと塩化メチレン5リットルとを加え、塩化メチレ
ン相と水相とに分離させ、その塩化メチレン相を0.01
N水酸化ナトリウム水溶液を用いてアルカリ洗浄した
後、さらに0.1N塩酸を用いて酸洗浄した。その後水洗
を行って塩化メチレンを除去して、フレーク状ポリマー
であるポリカーボネートを得た。得られたポリカーボネ
ートの粘度平均分子量は2.7×104 であった。このポ
リカーボネートをA−2とした。
5.5gに代えて、p−クミルフェノール53.2gとした
こと以外は、合成例1と同様にして実施した。得られた
ポリカーボネートの粘度平均分子量は2.7×104 であ
った。このポリカーボネートをA−3とした。
7.6gとしたこと以外は、合成例1と同様にして実施し
た。得られたポリカーボネートの粘度平均分子量は2.1
×104 であった。このポリカーボネートをA−4とし
た。
ポリエステル樹脂と未乾燥のゴム状弾性体及びその他添
加物等の所定量を第1表に示す配合組成に従ってドライ
ブレンドして押出機に供給し、温度270℃で混練し、
ペレット化した。さらに、得られたペレットを120
℃,6時間乾燥した後、金型温度80℃,成形温度27
0℃で射出成形して試験片を得た。ペレットについては
溶融特性(流れ値,スウェル比,溶融張力)を、試験片
については引張強度,アイゾット衝撃強度,耐溶剤性を
測定した。得られた結果を第2表に示す。
撃強度及び耐溶剤性の測定条件を以下に示す。 1)流れ値 JIS K−7210に準拠した。 2)スウェル比(ブロー成形性等の指標 1.2以上が望ま
しい。) キャピラリーレオメーターを用い、下記の条件で押出さ
れたストランド断面積をオリフィス断面積で除した値を
求めた。 押出条件 キャピラリー L/D 20,D 1mmφ 温度280℃ 剪断速度243cm-1 3)溶融張力(ブロー成形性等の指標 2(g)以上が好
ましい。) 引張速度9.42m/分,オリフィス L/D=8/21
で生じるストランドの張力を280℃で測定した。 4)引張強度(kg/cm2 ) JIS K−7113に準拠した。 5)アイゾット衝撃強度 1/8インチ,ノッチ付 JIS K−7110に準拠した。 6)耐溶剤性 溶剤(トルエン/イソオクタン=40/60 vol% )を
用い、1/4楕円法による限界歪(クラックが生じる最
小歪)を求めた。また、実施例及び比較例で用いた各成
分は、次の通りである。 (B−1):従来のポリカーボネート樹脂 タフロン A2700〔出光石油化学(株)製〕 (PET):ポリエチレンテレフタレート ダイヤナイト MA523〔三菱レイヨン(株)製〕 (PBT):ポリブチレンテレフタレート ジュラネックス 2002〔ポリプラスチック(株)
製〕 (G−1):ゴム状弾性重合体 MAS パラロイド KM330〔ローム&ハース社製〕 (G−2):ゴム状弾性重合体 MBS メタブレン C223〔三菱レイヨン(株)製〕
ボネートの機械的特性を有しながら、流動性及び耐溶剤
性に優れ、成形性の良好なポリカーボネート樹脂組成物
が得られる。このポリカーボネート樹脂組成物は、とり
わけブロー成形に適したものであるとともに、衝撃特性
に優れたものである。したがって、このポリカーボネー
ト樹脂組成物を素材として得られるブロー成形品は、従
来のものに比べて機械的特性及び耐溶剤性が著しく向上
したものとなる。それ故、本発明のポリカーボネート樹
脂組成物は、各種の成形品(例えば、自動車,家電,O
A等の工業材料)、特にブロー成形品の素材として有効
に利用される。
Claims (1)
- 【請求項1】(A)一般式(I) 【化1】 (式中、Rは水素あるいは炭素数1〜5のアルキル基で
あり、R1 〜R6 はそれぞれ水素,炭素数1〜5のアル
キル基あるいはハロゲンを示す。)で表わされる分岐剤
から誘導された分岐核構造を有し、かつ粘度平均分子量
が15,000〜40,000であって、そのアセトン可溶
分が3.5重量%以下である分岐ポリカーボネート40〜
94重量%,(B)熱可塑性ポリエステル樹脂5〜59
重量%及び(C)ゴム状弾性体1〜50重量%からなる
ことを特徴とするポリカーボネート樹脂組成物。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5519992A JP3154345B2 (ja) | 1992-03-13 | 1992-03-13 | ポリカーボネート樹脂組成物 |
US08/028,366 US5314949A (en) | 1991-01-24 | 1993-03-09 | Polycarbonate resin composition |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5519992A JP3154345B2 (ja) | 1992-03-13 | 1992-03-13 | ポリカーボネート樹脂組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05255578A JPH05255578A (ja) | 1993-10-05 |
JP3154345B2 true JP3154345B2 (ja) | 2001-04-09 |
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ID=12992015
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5519992A Expired - Fee Related JP3154345B2 (ja) | 1991-01-24 | 1992-03-13 | ポリカーボネート樹脂組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3154345B2 (ja) |
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---|---|---|---|---|
CN102827467B (zh) * | 2011-06-15 | 2015-09-30 | 柯尼卡美能达商用科技株式会社 | 注塑成型材料及其制造方法 |
-
1992
- 1992-03-13 JP JP5519992A patent/JP3154345B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH05255578A (ja) | 1993-10-05 |
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